JP5269779B2 - 胃腸瘻の治療に有用な瘻グラフト及び関連する方法とシステム - Google Patents

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Description

(関連出願の参照)
本出願は、2006年6月21日出願の米国仮特許出願第60/815,502号「胃腸瘻の治療に有用な瘻グラフト及び関連する方法とシステム(Fistula Grafts and Related Methods and Systems Useful For Treating Gastrointestinal Fistulae)」の利益を主張し、同出願の全内容は参照により本明細書に包含される。
本発明は、概括的には医療装置に、そして、具体的な態様においては瘻を治療するための医療品と方法に、関する。
更に詳しく背景に言及すると、人には様々な瘻が起こりうる。それら瘻は、限定するわけではないが、先天性の欠陥として、クローン病の様な炎症性腸疾患の結果として、放射線被爆、出産の様な外傷、又は、外科処置に起因する副次的な影響としてなど、様々な理由で起こりうる。更に、幾つか種類の異なる瘻、例えば、尿道膣瘻、膀胱膣瘻、気管食道瘻、胃腸瘻、及び、直腸膣瘻、直腸膀胱瘻、直腸尿道瘻、又は直腸前立腺瘻、の様な多種多様な肛門直腸瘻が起こりうる。
胃腸瘻とは、胃又は腸(小腸又は大腸)の内容物を他の器官、大抵は、腸の他の部分又は皮膚に漏出する異常な通路である。例えば、胃空腸結腸瘻には、腸皮膚瘻(腸、即ち十二指腸又は空腸又は回腸、と皮膚表面との間に起こるもの)と、胃瘻(胃と皮膚表面の間に起こるもの)の両方が含まれる。胃腸管に起こる別の種類の瘻に腸腸瘻があり、これは、腸の2つの部分に起こる瘻をいう。胃腸瘻は、胃腸管内のそれらの場所によっては、栄養不良及び脱水症を招く恐れがある。それらは、皮膚の不調及び感染の発生源にもなりうる。それらの種類の瘻の大多数は、外科処置(例えば、腸手術)の結果であるが、時には、突発的に、又は、外傷、特に刺創又は射創の様な穿通性外傷により、発症する場合もある。感染又は炎症性腸疾患(クローン病)の様な炎症過程も、胃腸瘻を引き起こす場合がある。実際、クローン病は、腸皮膚瘻の原因となる最も一般的な原発性疾患であり、外科的治療は、術後にそれらの患者の多くに追加の腸皮膚瘻が発症する恐れがあることから、難しいこともある。
それらの瘻が取る経路とそれらの複雑さは様々である。瘻は、単純瘻として知られているように、一次開口から二次開口まで「直線」経路を取る場合もある。或いは、瘻は、一次開口から枝状に分岐した複数の管から成り、複数の二次開口を有する場合もある。これは、複雑瘻として知られている。
胃腸瘻の治療オプションは、患者毎に異なる。臨床的症状によっては、患者は、瘻がひとりでに閉じる時間を与えるため、IV栄養と絶食期間が必要になるかもしれない。事実、非外科的療法が瘻を自然に閉鎖させることもあるが、それは、今のところ30%未満と推測される。瘻を自然に閉鎖させるのに要する期間は一定せず、30日間から6乃至8週間までに亘る時間量が推奨されている。この期間中、瘻排流を外部から制御することで、皮膚の崩壊を予防し、体液及び電解質置換に対する指針を与える。中には、治癒の見込みのない瘻に関係した腸の部分を取り除くため、外科処置が必要になる場合もある。
外科処置が必要と判断された場合、瘻の閉鎖にとって好適な手術は、瘻を患っている部分の切除と一次端対端吻合である。吻合は、隣接する小腸からの大網又は漿膜で補強してもよい。瘻を治療するための更に他の方法には、硬化剤又はシーラント(例えば、コラーゲン又はフィブリン糊)を瘻の管の中に注入して瘻を塞ぐことが伴う。シーラントを使用した瘻の閉鎖は、第1段階の串線設置と数週間後のフィブリン糊の注入を含む2段階処置として行われるのが一般的である。これは、残留感染を解消させ、瘻管がシーラントの注入前に「養生する」ことができるようにする。仮に、シーラント又は硬化剤を、「前処置が施されていない」又は感染している瘻の中に、1段階処置として注入した場合、感染の拡大を引き起こすかもしれず、更には膿瘻形成に発展しかねない。
瘻、特に胃腸瘻を治療するのに有用な、改良された及び/又は代替的な医療製品、方法、及びシステムに対する必要性がいまだ存在している。本発明はそれらの必要性に対処するものである。
本発明は、特定の態様において、少なくとも消化管内の一次開口と瘻管とを有する瘻を治療するための独自の医療製品を提供している。本発明の特定の実施形態は、胃腸瘻一次開口の様な一次瘻開口の中と周りに配置される部分を有するように構成された瘻グラフトに関する。例えば、或る本発明の瘻グラフトは、少なくとも一次瘻開口を塞ぐように構成された、生体適合性を有するグラフト本体を含んでおり、このグラフト本体は、キャッピング部材とキャッピング部材から伸張する細長いプラグ部材とを備えている。キャッピング部材は、一次開口に隣接する消化管壁の部分に接触するように構成されており、細長いプラグ部材は、瘻管の少なくとも一部の中まで伸張するように構成されている。キャッピング部材と細長いプラグ部材は、別々に形成して、その後互いに連結する(例えば、縫合糸を使用して蝶番式に連結)か、又は別のやり方で適切に一体化するか、或いは、代替的に、両者は、単一ユニットとして、例えば、単一材料片又は他の物から形成してもよい。この点に関して、2つの部材は、それぞれ、どの様な適した大きさ、形状、及び構成を有していてもよく、1つ又はそれ以上の様々な適した生体適合性を有する材料で形成してもよい。或る形態では、グラフト本体は、適切に配備された(deployed)時、一次瘻開口を封鎖するか実質的に封鎖するように構成されている。キャッピング部材及び/又は細長いプラグ部材は、特定の態様では、拡張可能な要素、例えば、圧縮スポンジ材料の様な膨張可能材料及び/又は弾性ワイヤフレームの様な拡張可能装置、を備えている。好適な態様では、キャッピング部材及び/又は細長いプラグ部材は、改変可能血管由来材料、例えば、粘膜下組織の様な改変可能細胞外基質、を備えている。更に、医療用グラフト製品は、或る形態では、グラフト本体と関係付けられた縫合糸を含んでいてもよい。この縫合糸は、例えば、製品を瘻一次開口の中に引き込むのに、及び/又は、製品を瘻の二次開口の箇所又はその付近の軟組織に固定するのに使用することができる。
1つの特定の実施形態では、本発明は、消化管の壁の一次開口と瘻管とを有する瘻を治療するための方法を提供している。この方法は、(i)少なくとも一次瘻開口を塞ぐように構成された、生体適合性を有するグラフト本体であって、キャッピング部材とキャッピング部材から伸張する細長いプラグ部材を含んでいて、前記キャッピング部材は前記細長いプラグ部材に蝶番式に連結されている、グラフト本体を含んでいる医療用グラフト製品を用意する工程と、(ii)医療用グラフト製品を、患者体内に、キャッピング部材が一次開口に隣接する消化管壁の部分に接触し、細長いプラグ部材が瘻管の少なくとも一部の中まで伸張するように、植え込む工程と、を含んでいる。特定の態様では、適切に構成された医療用グラフト製品は、一次開口を封鎖するか実質的に封鎖するように植え込まれる。更に、医療用グラフト製品は、キャッピング部材を一次開口に隣接する消化管壁の部分に接触させた状態に保つのに有用な固定適合要素(anchoring adaptation)を含んでいてもよい。適した固定適合要素には、限定するわけではないが、接着
剤(例えば、乾燥可逆性接着剤)、逆棘、フック、縫合糸、及び同種のものが含まれる。
別の実施形態では、本発明は、消化管の壁の一次開口と瘻管とを有する瘻を治療するのに有用な医療用グラフト製品を提供している。この医療用グラフト製品は、瘻の少なくとも一次開口を塞ぐように構成された、生体適合性を有するグラフト本体を含んでいる。グラフト本体は、キャッピング部材と細長いプラグ部材とで構成されている。プラグ部材は、近位端と遠位端を有し、その中を管腔が伸張している。キャッピング部材は、細長いプラグ部材の遠位端から伸張していて、一次開口に隣接する消化管壁の部分に接触するように構成されている。細長いプラグ部材は、瘻管の少なくとも一部の中まで伸張するように構成されていて、複数の通路を含んでいる。各通路の長手方向軸は、プラグ部材の管腔を貫いて延び、細長いプラグ部材の外部面の互いに対向する側の間に連通を生じさせるようにしている。
本発明の別の態様は、瘻を治療するためのグラフト製品であって、瘻の管内に留置するように構成されたグラフト本体と、瘻の開口に隣接する組織に接触するように構成されたキャッピング部材と、から成るグラフト製品を提供している。キャッピング部材は、グラフト本体の端領域に接続されていて、グラフト本体の外部側面に沿って位置決めすることができる部分を含んでいる。
更に別の態様では、本発明は、キャッピング部材とキャッピング部材から伸張する細長いグラフト本体から成る医療用グラフト製品を提供している。キャッピング部材は、細長いグラフト本体の外部側面上に位置決めすることができる部分を含んでいる。この部分は、細長いグラフト本体の外部側面に沿わせることができる。
本発明は、別の実施形態では、少なくとも体内構造壁の開口とこの開口から伸張している瘻管とを有する瘻を治療するための装置を提供している。この装置は、遠位端開口と連通している管腔を有する送達装置を備えており、送達装置は、瘻管と開口を通るように構成されている。装置は、更に、送達装置の管腔内に取り出し可能に位置決めされた医療用グラフト装置を備えている。医療用グラフト装置は、生体適合性を有するグラフト本体で構成され、キャッピング部材と細長いプラグ部材を含んでいる。キャッピング部材は、送達装置の管腔内に配置される時、キャッピング部材の少なくとも一部を細長いプラグ部材の外部側面に沿って位置決めできるようにする第1状態に形成することができる。細長いプラグ部材は、キャッピング部材から伸張していて、瘻管の少なくとも一部を満たすのに効果を発揮する。
本発明のこの他の目的、実施形態、形態、特製、利点、態様、及び便益は、ここに含まれている詳細な説明と図から明らかになるであろう。
細長いプラグ部材とそれに蝶番式に連結されているキャッピング部材を含んでいる例示的な医療用グラフト製品の最初の形態の斜視図である。 図1Aに示されている医療用グラフト製品の、キャッピング部材が細長いプラグ部材上に折り畳まれ中間の形態を呈している斜視図である。 図1Bに示されている医療用グラフト製品の、キャッピング部材が細長いプラグ部材の周りに丸められ植え込み可能形態を呈している斜視図である。 図1Cに示されている植え込み可能形態の医療用グラフト製品の、キャッピング部材が細長いプラグ部材上に折り畳まれ丸められ、送達用の鞘の中に挿入されている状態の斜視図である。 細長い本体とキャッピング部材と引張り係留紐を含んでいる例示的な医療用グラフト製品の斜視図である。 本発明に有用な支持フレームの斜視図である。 本発明のキャッピング部材の斜視図を提示している。 本発明の医療用グラフト装置の斜視図である。 患者体内に植え込まれた図3Aの医療用グラフト装置を示している。 本発明の医療用グラフト装置の斜視図である。 送達装置の管腔内に配置された図4Aの医療用グラフト装置の部分斜視図である。
上に開示した様に、特定の態様では、本発明は、少なくとも瘻管と消化管内の一次開口又は他の体内組織内の同様の空隙を有する瘻を治療するのに有用な独自の医療用グラフト製品と方法を提供している。例えば、或る本発明のグラフト製品は、少なくとも一次瘻開口を塞ぐことができるように構成された、生体適合性を有するグラフト本体を含んでおり、グラフト本体は、キャッピング部材とキャッピング部材から伸張する細長いプラグ部材を備えている。キャッピング部材は、一次開口に隣接する消化管壁の部分に接触することができるように構成されており、細長いプラグ部材は、瘻管の少なくとも一部の中まで伸張することができるように構成されている。細長いプラグ部材とキャッピング部材は、別々に形成され、その後、連結要素で互いに連結されるのが好ましい。生体適合性を有するグラフト本体は、改変可能材料、例えば、粘膜下組織の様な改変可能細胞外基質、を備えているのが好ましい。本発明は、その様なグラフト製品を使用する方法と、その様なグラフト製品を滅菌包装内に封入した医療品も提供している。
本発明の医療用グラフト製品に有用な各グラフト材料には、あらゆる適した生体適合性を有する材料が含まれる。一般に、グラフト材料には、改変可能材料及び/又は再吸収性合成材料の様な再吸収性材料、又は、天然由来の再吸収性材料又は改変可能材料が含まれる。更に、グラフト材料には、その他の適した天然由来材料又はその他適した非再吸収性合成材料、又は上記のその様な生体適合性材料のあらゆる組合せ、が含まれる。少なくとも生体再吸収性を有するその様な生体適合性材料は、本発明の特定の実施形態において有利であり、生体改変可能又は別の形の組織誘導性を有する材料は、細胞の侵入と内部成長を促すことができ、特に有利である。例示的に、改変可能材料は、これに関連して、各グラフト材料内での細胞の成長を促進し、瘻の少なくとも一次開口の治癒と閉鎖を促進するために使用することができる。
本発明で使用するのに適した材料は、コラーゲン性細胞外基質(ECM)材料により提供することができ、その様な材料には、限定するわけではないが、特定の形態で、血管由来コラーゲン性細胞外基質材料を含んでいる、バイオトロピック(biotropic)特性又は改変可能の特性を保有するものが含まれる。例えば、適したコラーゲン性材料には、粘膜下組織、腎被膜、真皮コラーゲン(人の死体から加工されたもので、同種移植片として人に使用することができる真皮コラーゲンを含む)、硬膜、心膜、張筋、漿膜、腹膜、又は、肝基底膜を含めた基底膜層、を備えているものの様なECM材料が含まれる。それらの用途に適した粘膜下組織材料には、例えば、小腸粘膜下組織を含めた腸粘膜下組織、胃粘膜下組織、膀胱粘膜下組織、及び、子宮粘膜下組織、が含まれる。本発明の或る好適な医療用グラフト製品は、温血脊椎動物に由来する粘膜下組織の様な粘膜下組織を含むことになる。哺乳類の粘膜下組織材料が好ましい。具体的には、食肉用又は他の産物生産用として飼育された動物、例えば、豚、畜牛、又は羊、に由来する粘膜下組織材料は好適であると思われる。ブタの粘膜下組織は、本発明に使用するのに特に好ましい材料であり、特に、ブタの小腸粘膜下組織(SIS)、とりわけ、その天然の架橋結合を実質的に保っているブタの小腸粘膜下組織は好ましい材料である。
粘膜下組織又は他のECM材料は、何れの適した臓器又は他の生体構造に由来していて
もよく、例えば、温血脊椎動物の消化管、呼吸管、腸管、尿道、又は、生殖管、に由来する粘膜下組織が含まれる。本発明に有用な粘膜下組織を(恐らくは他の関係する組織と共に)備えているコラーゲン性基質は、その様な組織供給元を採取し、滑らかな筋層、粘膜層、及び/又は当該組織供給元に存在する他の層から、粘膜下組織含有基質を剥離することにより得ることができる。本発明の特定の実施形態に有用な粘膜下組織、その分離及び処理に関する更なる情報が必要であれば、例えば、米国特許第4,902,508号、同第5,554,389号、同第5,993,844号、同第6,206,931号、及び同第6,099,567号を参照すればよい。
本発明の粘膜下組織含有ECM材料又は他のECM材料は、何れの適した臓器又は他の組織供給元に由来していてもよく、大抵は、供給元は結合組織を含有している。本発明の仕様に合わせて加工されたECM材料は、通常、コラーゲンを豊富に含んでおり、乾燥重量ベースで少なくとも約80重量%のコラーゲンで構成されているのが最も一般的であろう。その様な、天然由来ECM材料は、向きが不揃いではなく、例えば、概ね単軸又は多軸方向を、但し規則正しく向いている繊維として存在している、コラーゲン線維が大部分を占めている。天然の生物活性因子をそのまま残すように処理された場合、ECM材料は、コラーゲン線維の間、それらの上、及び/又はそれらの内に、固体として散在した形でそれら因子を保有することになる。本発明の使用に特に望ましい天然由来ECM材料は、光学顕微鏡検査下で容易に確認することができるような散在した非コラーゲン性固体を相当量含むことになる。その様な非コラーゲン性固体は、本発明の特定の実施形態では、ECM材料の乾燥重量が相当な割合を占め、本発明の様々な実施形態では、例えば、少なくとも約1重量%、少なくとも約3重量%、及び少なくとも約5重量%を占めることができる。
本発明に使用される粘膜下組織又は他のECM材料は、更に、血管形成特質を呈しており、而して、材料が移植される宿主の血管新生を誘導するのに効果を発揮する。この点について、血管新生とは、身体が新しい血管を作り、組織への血液供給量が増加される過程である。而して、血管由来材料は、宿主組織に接触すると、新しい血管の形成を促進又は助長する。生体物質の植え込みに反応した生体内血管新生を測定するための方法は、近年開発されている。例えば、1つのその様な方法は、材料の血管形成特質を求めるのに、皮下インプラントモデルを使用している。C.へーシェン(C.Heeschen)らによるネイチャー・メディシン(Nature Medicine)7(2001),No.7,833−839を参照されたい。蛍光微小血管造影技法を組み合わせれば、このモデルは、生体物質の中への血管形成を定量的且つ定性的に測定することができる。C.ジョンソン(C.Johnson)らによるサーキュレーション・リサーチ(Circulation Research)94(2004),No.2,262−268。
粘膜下組織材料又はその他のECM材料には、調製及び使用される際、随意的に、供給元に生来的にある成長因子又は他の生物活性成分をそのまま残し、及び/又は、別のやり方で含ませてもよい。例えば、粘膜下組織又は他のECM材料は、塩基性線維芽細胞成長因子(FGF−2)、形質転換成長因子ベータ(TGF−ベータ)、上皮成長因子(EGF)、軟骨由来成長因子(CDGF)、及び/又は、血小板由来成長因子(PDGF)、の様な1つ又はそれ以上の成長因子を保有していてもよい。同様に、本発明の特定の実施形態に使用される粘膜下組織又は他のECM材料は、限定するわけではないが、タンパク質、糖タンパク質、プロテオグリカン、及び、グリコサミノグリカン、の様な他の生体物質を保有するか又は含んでいてもよい。例えば、ECM材料は、ヘパリン、硫酸ヘパリン、ヒアルロン酸、フィブロネクチン、サイトカイン類、及び、同種のものを含んでいてもよい。而して、概略的に述べれば、粘膜下組織又は他のECM材料は、細胞の形態、増殖、成長、タンパク質、又は遺伝子発現における変化、の様な細胞反応を、直接的又は間接的に誘導する生物活性成分を、保有するか別のやり方で含んでいてもよい。
更に、その様な天然生物活性成分を含めることに加えて又はそれに代えて、遺伝子組み換え技術又は他の方法により合成的に作り出されたものの様な非天然生物活性成分を、粘膜下組織又は他のECM材料に組み込んでもよい。非天然生物活性成分は、ECM材料に生来的に存在するものに対応するが、恐らくは異なる種の、天然由来の又は遺伝子組み換えにより作り出されタンパク質類であってもよい(例えば、人のタンパク質をブタの様な他の動物に由来するコラーゲン性ECMに用いる)。非天然生物活性成分は、薬物であってもよい。ECM材料の中に又はその上に組み込んでもよい例示的な薬物には、例えば、抗生剤及び/又は血液凝固因子の様な血栓促進物質、例えば、スロンビン、フィブリノゲン、及び、同種のもの、が含まれる。それら物質は、製造前段階のECM材料に加えてもよいし、処置の直前に加えてもよいし(例えば、セファゾリンの様な、適した抗生剤を含んだ溶液中に材料を浸す)、又は、患者体内へのECM材料の移植中又は移植後に加えてもよい。
本発明の医療用グラフト製品には、異種移植片材料(即ち、人以外のドナーから人のレシピエントへの組織材料の様な異種間材料)、同種移植片(即ち、レシピエントと同じ種のドナーからの組織材料の様な種間材料)、及び/又は自家移植片(即ち、ドナーとレシピエントが同一の個体である場合)が含まれる。また、ECM材料に組み込まれる外来性生物活性物質は、ECM材料の誘導元の動物と同じ種に由来していてもよいし(例えば、ECM材料に対して自家又は同種)、又は、ECM材料供給元とは異なる種に由来していてもよい(ECM材料に対して異種)。特定の実施形態では、ECM材料は、グラフトを受け入れる患者に対して外来性であり、添加される(単数又は複数の)外来性材料は、グラフトを受け入れる患者と同じ種に由来するものとされている(例えば、自家又は同種)。例示的に、人の患者は、ここに記載した(単数又は複数の)外来性人材料であって、天然由来及び/又は遺伝子組み換えにより作り出された外来性人材料を使用して改質を施した異種ECM材料(例えば、ブタ、ウシ、ヒツジ由来)を使用して治療してもよい。
本発明の特定の実施形態に使用される粘膜下組織又は他のECM材料は、例えば、クック(Cook)らへの米国特許第6,206,931号に記載されているように、高純度であるのが好ましい。而して、好ましいECM材料は、内毒素レベルがグラム当たり約12内毒素単位(EU)未満、より好ましくはグラム当たり約5EU未満、最も好ましくはグラム当たり約1EU未満とされる。更に好ましくは、粘膜下組織又は他のECM材料は、細菌汚染負荷が、グラム当たり約1コロニー形成単位(CFU)未満、より好ましくはグラム当たり約0.5CFU未満である。真菌レベルは、同様に低いことが望ましく、例えば、グラム当たり約1CFU未満、より好ましくはグラム当たり約0.5CFU未満である。核酸レベルは、好ましくは約5μg/mg未満、より好ましくは約2μg/mg未満であり、ウイルスレベルは、好ましくはグラム当たり約50プラーク形成ユニット(PFU)未満、より好ましくはグラム当たり約5PFU未満である。本発明の特定の実施形態に使用されるECM材料は、酸化剤、特に、過酢酸の様な過酸、で殺菌消毒されているのが好ましい。上記特性、及び、米国特許第6,206,931号に教示されている粘膜下組織又は他のECM材料の更なる特性を、本発明の特定の実施形態に使用される粘膜下組織の特質としてもよい。
本発明に使用される分離後の粘膜下組織又は他のECM組織層の代表的な層の厚さは、完全水和時で約50乃至約250ミクロン、より一般的には、完全水和時で約50乃至200ミクロン、の範囲にあるが、他の厚さを有する分離層を同様に得て使用することもできる。これらの層の厚さは、組織供給元として使用された動物の種別と年齢によって様々である。同様に、これらの層の厚さは、動物供給元から得られた組織の供給源によっても様々である。
本発明に使用されるECM材料は、追加的な非生来的架橋結合が無いか又は本質的に無くてもよいし、又は、追加の架橋結合を含んでいてもよい。その様な追加の架橋結合は、光架橋法により、化学的架橋剤により、又は、脱水又は他の手段により誘導されるタンパク質架橋により、実現することができる。しかしながら、特定の架橋技法、特定の架橋剤、及び/又は、特定の架橋結合度は、改変可能材料の改変可能特性を破壊する恐れがあることから、改変可能特性をそのまま残すことが求められる場合は、改変可能ECM材料の架橋はどの様な架橋も、材料がその改変可能特性の少なくとも一部を保有することができる範囲まで、又は、保有することができる様式で、行われるものとすることができる。使用してもよい化学的架橋剤には、例えば、グルタルアルデヒド類の様なアルデヒド類、カルボジイミド類、例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)塩酸カルボジイミド、の様なジイミド類、リボース又はその他の糖類、アシル−アジド、スルホ−N−ヒドロキシサクシンアミド、又は、例えば、日本、大阪のナガセケミカル株式会社から商品名デナコールEX810として市販されているエチレングリコールジグリシジルエーテル、及び、同じくナガセケミカル株式会社から商品名デナコールEX313として市販されているグリセロールポリグリセロールエーテルの様なポリグリシジルエーテル類、を含めたポリエポキシド化合物類、が含まれる。一般的に、使用時、ポリグリセロールエーテル類又は他のポリエポキシド化合物類は、分子当たり2乃至約10個のエポキシド基を有している。
これより、本発明の特定の実施形態で有用となる乾燥技法の説明に入るが、蒸発による乾燥又は空気乾燥は、一般に、水和剤を材料から蒸発させることによって、部分的又は完全に水和された改変可能材料を乾燥させる工程を含んでいる。蒸発冷却は、多くのやり方、例えば、材料を真空内に置くこと、材料にエアを吹き付けること、材料の温度を上昇させること、蒸発中に吸い取り材を用いること、又は、その他適した手段又はそれらの任意の組み合わせ、などによって促進することができる。蒸発によって乾燥させたECM材料内の空所又は空いた(open)基質構造の量は、例えば、下で説明している凍結乾燥によって乾燥させたECM材料よりも通常は少ない。
適した凍結乾燥処理には、材料基質内の空隙が水和剤で満たされるほど十分な量の水和剤を含んでいるECM材料を用意する工程が含まれる。水和剤は、純水又は滅菌水の様な、当技術では既知の何れの適した水和剤又はそれらの任意の組合せを備えていてもよい。例示的に、水和された材料は、材料と水和剤が実質的に凍結又は固体状態になるまで、冷凍庫内に置くことができる。その後、凍結した材料と水和剤を真空室に入れ、真空を開始させる。当技術では既知であるように、十分な真空に至ると、凍結した水和剤は材料から昇華され、これにより、乾燥改変可能材料が得られる。
代替的な実施形態では、水和されたECM材料は、別途行われる前凍結工程無しに、凍結乾燥させることができる。それら実施形態では、水和されたECM材料に強力な真空を与えて、急速蒸発冷却を生じさせ、これによりECM材料内の水和剤を凍結させる。その後、凍結した水和剤を材料から昇華させ、これによりECM材料を乾燥させることができる。望ましいことに、凍結乾燥により乾燥させたECMは、採取されたECM材料の特質である、相当量の空所又は空いた基質構造を保っている。
真空プレスによる乾燥は、一般に、完全に又は部分的に水和された改変可能材料を、材料に真空を掛けながら圧縮する工程を含んでいる。真空プレスの1つの適した方法は、改変可能材料を、折り畳み可能な壁を有する真空室に入れる工程を含んでいる。真空が作り出されると、壁が材料の上に折り畳まれ、材料が乾燥するまで材料を圧迫する。蒸発乾燥と同じく、改変可能材料を真空プレスで乾燥させた場合は、凍結乾燥により乾燥させた場合に比べ、材料の空いた基質構造のより多くの部分が少なくなるか縮小される。
特定の態様では、本発明は、多くの層から成る材料を含んでいる医療品を提供する。その様な多くの層から成る材料には、複数のECM材料の層を一体に結合させたもの、複数の非ECM層を一体に結合させたもの、又は1つ又はそれ以上のECM材料の層と1つ又はそれ以上の非ECM材料の層を組み合わせて一体に結合させたもの、が含まれる。多くの層から成る材料を形成するには、例えば、2つ又はそれ以上のECM部分を積み重ねるか、又は、1つのECM部分を少なくとも1回折り重ね、次いで、脱水条件の下で、化学的架橋又は真空プレスの様な結合技法を使って、それらの層を融合させ又は結合させる。材料の各層間を結合させるには、接着剤、糊、又は他の結合剤を使用してもよい。適した結合剤には、例えば、コラーゲンゲル類又はペースト類、ゼラチン類、又は、反応性モノマー類又はポリマー類を含めた他の薬剤、例えば、シアノアクリレート接着剤、が含まれる。同じく、ECM材料層間の結合は、上記の物の様な化学的架橋剤を使って実現すること又は促進させることができる。ECM材料の各層を互いに結合させるのに、上記の内の1つ又はそれ以上と脱水誘導結合を組み合わせて使用してもよい。
ECM材料の各部分を一体に融合するのに、各種脱水誘導結合法を使用することができる。1つの好適な実施形態では、ECM材料の複数の層は、脱水条件下で圧縮される。これに関し、「脱水条件」という用語は、ECM材料からの水分の除去を促進するか誘導するどの様な機械的又は環境的条件も含むものと定義される。圧縮されたECM材料の脱水を促進するため、基質構造を圧迫する2つの面の内少なくとも一方は、透水性としてもよい。ECM材料の脱水は、随意的に、吸い取り材を用いることにより、基質構造を加熱することにより、又は、空気又は他の不活性ガスを、各被圧縮面の外部に吹き付けることにより、更に強化することができる。各ECM材料を脱水結合させる1つの特に有用な方法は、凍結乾燥である。
脱水結合の別の方法は、アッセンブリに対して真空を引き、同時に真空を利用してアッセンブリを一体にプレスする工程を含んでいる。この方法も、真空プレスとして知られている。真空プレス中に、互いに圧接されたECM材料を脱水することには、結合を実現するための他の薬剤が無くても、材料を互いに結合させる効果があるが、脱水誘導結合の利点を少なくとも部分的に活用しながら、その様な薬剤を使用することもできる。十分な圧縮と脱水を施すと、ECM材料に概ね単一のECM構造体を形成させることができる。
本発明の或る態様では、使用されているECM材料、例えば、生来的なコラーゲン構造及び含まれているはずの生物活性物質、に対する悪影響を最小限に抑える比較的温和な温度曝露条件下で乾燥及び他の作業を行うのが好都合である。而して、本発明の或る形態では、人の体温より高いか又は僅かに高い温度、即ち、約38℃を超えない温度、に曝露される期間を一切又は実質的に一切取らずに実施される乾燥作業を使用するのが好ましい。それらには、例えば、約38℃より低い温度での真空プレス作業、約38℃より低い温度での強制空気乾燥、又は、上記各方法の処理で、積極的な加熱を行わずに、即ち、ほぼ室温(約25℃)で、又は冷却を加えながら行う処理、が含まれる。比較的低い温度条件には、無論、凍結条件も含まれる。
別の実施形態では、本発明の医療用グラフト製品は、ECM又は他のコラーゲン性材料に、それら材料を発泡させる(expand)処理を施したものから作ることができる。特定の形態では、その様な発泡材料は、ECM材料に、1つ又はそれ以上のアルカリ性物質を、制御されたやり方で、材料が発泡するまで接触させ、発泡した材料を分離する、ことにより形成することができる。例示的に、接触は、ECM材料をその元の本体体積の少なくとも120%(即ち、1.2倍)、又は、或る形態では、その元の体積の少なくとも約2倍、に発泡させれば十分である。その後、発泡した材料は、随意的に、アルカリ性媒体から、例えば、中和及び/又は水洗、により分離させることができる。収集された発泡材料は、グラフト装置の前処理に、何れの適したやり方で使用することもできる。例示的
に、発泡材料は、生物活性成分を豊富に含ませてもよいし、乾燥させていてもよいし、及び/又は、グラフトの構造を所望の形状又は形態に形成する際に、成形してもよい。特定の実施形態では、発泡ECM材料で形成された乾燥グラフト構造は、材料が、例えば、カニューレ式送達装置の管腔内からの様に、送達するために圧縮され、その後、装置から展開配備されると同時に拡張して、患者体内に固定され、及び/又は、患者体内の管腔を閉鎖することができるように、圧縮性(又は拡張性)に優れたものとすることができる。
発泡コラーゲン性又はECM材料は、コラーゲン性又はECM材料に、水酸化ナトリウムを含有している水溶液又は他の媒体を、制御されたやり方で接触させることにより形成することができる。材料をアルカリで処理することにより、材料の物理的構造に変化が生じ、その結果、材料が膨張する。その様な変化には、材料内のコラーゲンの変性が含まれ得る。特定の実施形態では、材料は、その元の本体体積の少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、又は少なくとも約6倍又はそれ以上に、発泡させるのが好ましい。発泡の程度は、例えば、発泡させる材料の処理に使用されたアルカリ性媒体の濃度又はpH、曝露時間、及び温度、を含めた幾つかの因子と関係付けられる。
処理して発泡材料にすることのできるECM材料には、ここで開示しているもの又は他の適したECMの何れもが含まれる。一般的なその様なECM材料には、自然発生的な分子内架橋結合と自然発生的な分子間架橋結合を有するコラーゲン線維の網状組織が含まれる。ここで説明している発泡処理の際には、自然発生的な分子内架橋結合と自然発生的な分子間架橋結合は、処理後のコラーゲン性基質材料内に、コラーゲン性基質材料を無傷のコラーゲン性シート材料として維持するのに足る程度に残すことができるが、但し、コラーゲン性シート材料内のコラーゲン線維は変性していてもよく、また、コラーゲンシート材料は、アルカリ処理後の厚さが、出発材料の厚さより大きく、例えば、元の厚さの少なくとも120%又は元の厚さの少なくとも2倍になっていてもよい。
例示的に、改変可能材料を処理するためのアルカリ性物質の濃度は、約0.5乃至約2Mの範囲にあればよく、約1Mの濃度がより好ましい。更に、アルカリ性物質のpHは、特定の実施形態では、約8乃至約14の範囲にある。好ましい態様では、アルカリ性物質は、pHが約10乃至約14であり、最も好ましくは約12乃至約14である。
上で論じたように、濃度とpHの他に、温度と曝露時間の様な他の因子も、発泡の程度に寄与する。この点について、ある種の変形例では、コラーゲン性材料のアルカリ性物質に対する曝露は、約4乃至約45℃の温度で行われる。好ましい実施形態では、曝露は、約25乃至約40℃の温度で行われ、37℃が最も好ましい。更に、曝露時間は少なくとも約1分から最大約5時間以上まで幅がある。或る実施形態では、曝露時間は、約1乃至約2時間である。或る特に好ましい実施形態では、コラーゲン性材料は、pHが14のNaOHの1M溶液に約37℃の温度で約1.5乃至2時間曝露される。その様な処置の結果、コラーゲンに変性が生じ、改変可能材料の実質的な発泡が起こる。材料のコラーゲン基質の変性は、材料のコラーゲン詰込み(packing)特質の変化、例えば、開始材料の密に結合されたコラーゲン性網状組織の実質的な崩壊、として観察されることになる。発泡していないECM又は他のコラーゲン性材料は、裸眼又は緩い倍率、例えば、100倍で見ると、実質的に一様な連続した表面を呈する密に結合したコラーゲン性網状組織を有することができる。反対に、発泡したコラーゲン性材料は、同じ倍率、例えば、約100倍で見ると、表面が不連続で、むしろ、多くの領域にコラーゲンの鎖や束が見られ、これら領域は、材料内でそれら鎖や束の間の実質的な隙間によって分離されている、という点で表面がかなり異なっている。その結果、発泡したコラーゲン性材料は、一般に、対応している発泡していないコラーゲン性材料に比べ、より多孔質に見える。また、多くの例では、発泡したコラーゲン性材料は、例えば、水分又は他の流体を通す透水性の高さが測定されていることから、処理されていない開始材料に比較して空隙率が上昇したことが
実証されている。発泡ECM又は他のコラーゲン性材料のより高い発泡性と多孔質構造により、材料は、医療用材料及び装置の調製に使用するため各種のスポンジ又は発泡体形状に成型するか又は別のやり方で調製することができるようになる。これにより、更に、圧縮性が高く、また圧縮後に拡張する、構造を調製できるようになる。その様な特性は、例えば、調製されたグラフト構造を圧縮して、患者体内に送達するための展開配備装置(例えば、その管腔)の中に装填し、その後、植え込み部位に配備して拡張させる場合に役立つものとなる。
その様なアルカリ処理の後、材料は、アルカリ性媒体から分離され、処理されて、更に利用される。例示的に、収集された材料は、更に処理を施されグラフト構造に成形される前に、中和され及び/又は水で洗われ、材料からアルカリ性が取り除かれる。
開始ECM材料(即ち、アルカリ性物質で処理される前)は、随意的に、例えば、成長因子、糖タンパク質、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン、核酸、及び、脂質、を含めた各種生物活性又は他の非コラーゲン性成分を含んでいてもよい。材料をアルカリ性物質で処理することにより、材料内に含まれるその様な非コラーゲン性成分の1つ、幾つか、又は全て、の量が減少するかもしれない。特定の実施形態では、改変可能材料を、アルカリ性物質を使用して制御されたやり方で処理すれば、核酸又は脂質、そして可能性として、成長因子、糖タンパク質、グルコサミノグリカン、及び、プロテオグリカン、を実質的に欠いた改変可能コラーゲン性材料を作成するには十分であろう。
特定の実施形態では、外来性か内在性かを問わず、1つ又はそれ以上の生物活性成分、例えば、アルカリ処理中に発泡材料から取り去られるものの様な成分は、材料に戻すことができる。例えば、発泡させた材料は、核酸と脂質は激減させられたが、成長因子、糖タンパク質、グルコサミノグリカン、及び/又は、プロテオグリカンが補充された、コラーゲン性材料を含ませることもできる。それら生物活性成分は、何れの適した方法で材料に戻してもよい。例えば、特定の各形態では、ここで参照することによりその全体が包含される米国特許第6,375,989号に論じられているものの様な、上記各成分を含んでいる組織抽出物を調製し、発泡させたコラーゲン性材料に加えることができる。1つの実施形態では、発泡コラーゲン性材料は、組織抽出物の中で、材料中に含まれている生物活性成分が発泡コラーゲン性材料と結び付くことができるようにするのに十分な時間の間培養される。組織抽出物は、例えば、発泡コラーゲン性材料を調製するのに使用されたのと同じ種類の発泡させていないコラーゲン組織から得てもよい。生物活性成分を発泡させた改変可能コラーゲン性材料に戻す又は導入するための他の手段には、当技術では既知である噴霧、含浸、浸漬、その他が含まれる。一例として、発泡コラーゲン性材料は、塩基性線維芽細胞成長因子(FGF−2)、形質転換成長因子ベータ(TGFベータ)、上皮成長因子(EGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、及び/又は、軟骨由来成長因子(CDGF)、の様な1つ又はそれ以上の成長因子を添加することにより改質してもよい。同様に、発泡コラーゲン性材料には、ヘパリン、硫酸ヘパリン、ヒアルロン酸、フィブロネクチン、及び、同種のもの、の様な他の生物活性成分を添加してもよい。而して、一般的に述べれば、発泡コラーゲン性材料は、発泡させていないコラーゲン性材料同様に、細胞形態学、増殖、成長、タンパク質又は遺伝子発現における変化の様な細胞反応を直接的又は間接的に誘導する生物活性成分を含んでいてもよい。
発泡コラーゲン性材料は、多種多様な瘻プラグ装置を調製するのに使用することができる。その様なプラグ装置を調製するための方法は、ECM又は他のコラーゲン性開始材料に有効量のアルカリ性物質を接触させ、材料を発泡させる工程と、発泡させたコラーゲン性材料をプラグ形状(例えば、ここに記載したものの1つ)に成形するか又は別のやり方で形成する工程と、発泡させた材料を凍結乾燥させて乾燥したプラグ装置を形成する工程と、を含んでいてもよい。
本発明の医療用グラフト製品は、多くの生物学的ポリマー類に由来する生体適合性材料を含んでおり、それらは自然発生的であってもよいし、又は、試験管内発酵、遺伝子組み換え工学、及び同種のものによる産物であってもよい。精製された各生物学的ポリマーは、製織、編成、成型、成形、及び、押出、のような技法により、適切に、基板に形成されることができる。適した生物学的ポリマー類には、限定するわけではないが、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、ゼラチン、ポリアミノ酸、多糖類(例えば、セルロース及びデンプン)、及び、それらのコポリマー類が含まれる。
本発明の適した生体適合性を有する医療品は、限定するわけではないが、生物再吸収性及び/又は非生物再吸収性プラスチック類を含めた各種合成ポリマー材料を含んでいてもよい。使用してもよい生物再吸収性又は非生物再吸収性ポリマー類には、限定するわけではないが、ポリ(L−乳酸)、ポリカプロラクトン、ポリ(ラクチド−コ−グリコライド)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ヒドロキシブチレート−コ−バレレート)、ポリジオキサノン、ポリオルソエステル、ポリ無水物、ポリ(グリコール酸)、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(グリコール酸−コ−トリメチレンカーボネート)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、シアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、コポリ(エーテルーエステル類)(例えば、PEO/PLA)、ポリアルキレンオキサレート類、及び、ポリホスファゼン類が含まれる。上記又は他の生物再吸収性材料は、例えば、単に一時的に塞ぐか又は閉鎖する機能が求められている場合に、及び/又は、生物再吸収性材料の単に一時的な参入が求められている場合には非生物再吸収性材料と組み合わせて、使用することができる。
使用してもよい非生物再吸収性の又は生物学的安定性ポリマー類には、限定するわけではないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(発泡PTFEを含む)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタン類、シリコーン類、及び、ポリエステル類、並びに、例えば、限定するわけではないが、ポリオレフィン類、ポリイソブチレンとエチレンアルファオレフィンのコポリマー類;アクリル系ポリマー類とコポリマー類、ポリ塩化ビニルの様なビニルハロゲン化物ポリマー類とコポリマー類;ポリビニルメチルエーテルの様なポリビニルエーテル類;ポリフッ化ビニリデン及びポリ塩化ビニリデンの様なポリビニリデンハロゲン化物;ポリアクリロニトリル、ポリビニルケトン類;ポリスチレンの様なポリビニル芳香族類、ポリビニルアセテートの様なポリビニルエステル類;エチレン−メチルメタクリレートコポリマー類、アクリロニトリル−スチレンコポリマー類、ABS樹脂、及びエチレン−ビニルアセテートコポリマー類、の様なビニルモノマー同士及びビニルモノマーとオレフィン類のコポリマー類;ナイロン66及びポリカプロラクタンの様なポリアミド類;アルキド樹脂、ポリカーボネート類;ポリオキシメチレン類;ポリイミド類;ポリエーテル類;エポキシ樹脂類、ポリウレタン類;レーヨン;及びレーヨン−トリアセテート、の様な他のポリマー類が含まれる。本発明の特定の実施形態に有用な、適した合成材料に関する更なる情報については(生物分解性及び非生物分解性、共に)、2005年4月11日出願の米国特許出願公開第2005/0228486「可変コンプライアンスを有する植え込み可能なフレーム(Implantable Frame
with Variable Compliance)」(「速達郵便」郵便ラベル番号EV327135804US)を参照すればよく、同特許出願は、2004年4月13日出願の米国仮特許出願「可変コンプライアンスを有する植え込み可能なフレーム(Implantable Frame with Variable Compliance)」に対する優先権を主張している。そのような合成材料は、ここで説明されている瘻プラグ装置を形成するのに、単独で、又はここで特定しているECM又は他のコラーゲン性材料と組み合わせて、使用することができる。
次に、瘻を治療するのに有用な、本発明の特定の医療用グラフト製品、システム、及び方法を論じるが、本発明の例示的な各医療用グラフト製品は、少なくとも瘻の主要な開口、即ち、瘻の一次開口、並びに恐らくは1つ又はそれ以上の他の瘻区間、例えば、瘻管及び/又は二次開口がある場合にはそれら二次開口、を塞ぐことができるように構成されている。これに関連して、「瘻管」という用語は、限定するわけではないが、行き止まりであろうが1つ又はそれ以上の二次瘻開口に続いていようが、一次瘻開口から広がる軟組織中の空隙を含むものとし、例えば、一般に単純瘻及び複雑瘻と記述されるものを含むものとする。本発明の瘻グラフトは、キャッピング部材とキャッピング部材から伸張する細長いプラグ部材とを含んでいる、生体適合性を有するグラフト本体を含んでいる。キャッピング部材は、一次開口に隣接する消化管壁の部分に接触することができるように構成されており、細長いプラグ部材は、瘻管の少なくとも一部の中まで伸張することができるように構成されている。それらの機能を果たす上で、キャッピング部材と細長いプラグ部材は、グラフト本体が瘻の少なくとも一次開口を塞ぐことができる限り、何れの適した大きさ及び形状を呈していてもよく、何れの適した装置及び/又は材料を含んでいてもよい。
或る実施形態では、本発明は、胃腸瘻を治療するのに有用である瘻グラフト製品を提供している。例示的に、それら製品は、少なくとも消化管壁に生じている瘻開口、特に、胃と腸に生じているもの、を塞ぐことができるように構成することができる。有利な実施形態では、これらの製品は、少なくとも、キャッピング部材とキャッピング部材から伸張する細長いプラグ部材を含んでおり、キャッピング部材は、瘻開口に隣接する消化管壁の部分に接触することができるように構成されており、細長いプラグ部材は、胃腸瘻管の少なくとも一部の中まで伸張することができるように、場合によっては、管の少なくとも一部を満たすことができるように、構成されている。それら製品は、胃腸瘻を治療するのにとりわけ適しているが、その様な製品は、他の種類の瘻を治療するのに、同じく有用であり、また或る形態では、体内に生じている瘻以外の開口又は通路を満たす、塞ぐ、又は別のやり方で治療するのに有用である、と理解頂きたい。
本発明の製品に含まれる何れのキャッピング部材も、細長いプラグ部材と共に組み立てられて、単一の一体化構造、例えば、単一材料片又は他の物質から形成された単一キャップ付き装置を提供することができる。或る実施形態では、特定のキャッピング部材は、細長いプラグ部材とは別に形成され、その後、プラグ部材と組み合わされてもよいし、又は、別のやり方でプラグ部材と関係付けて保持されてもよく、それは、例えば、両者を縫合する、接着剤を塗布する、(単数又は複数の)機械的締結具を使用する、又は、その他適した手段又はそれらの組合せを採用することにより行われる。1つの実施形態では、発明の医療用グラフト製品は、細長いプラグ部材とキャッピング部材を備えており、キャッピング部材は、プラグ部材とは別に形成され、例えば、植え込み処置の前か最中に、プラグ部材の端に蝶番式に連結される。特定の態様では、キャッピング部材と細長いプラグ部材は、別々の材料片から形成されており、且つ、別の装置又は材料(例えば、縫合糸、接着剤、その他)を使用せずに、互いに関係付けて保持されている。その様な態様では、細長いプラグ部材と1つ又はそれ以上のキャッピング部材は、少なくとも一方の部材(又はその何れかの部分)を少なくとも他方の部材(又はその何れかの部分)の周りに、中に通して、覆って、その他の形で、受け入れることにより一体に接合されている。
或る形態では、1つ又はそれ以上のキャッピング部材は、それぞれ、細長いプラグ部材とは別に形成され、その後、再吸収性装置又は材料を使用して、プラグ部材に連結される。それら連結要素は、何れの適した大きさ、形状、及び構成を呈することもでき、或る実施形態では、接着剤、又は、1つ又はそれ以上のフック、締結具、逆棘、ストラップ、縫合糸、又はそれらの組合せの形態を取っている。更に、その様な装置及び材料は、生体内に植え込まれると同時に可変速度で分解することができるように構成してもよい。1つの実施形態では、1つ又はそれ以上のキャッピング部材を細長いプラグ部材に接合するのに
2−0ビクリル縫合糸材料が使用されている。例示的に、連結要素は、製品取扱中及び植え込み中には、1つ又はそれ以上のキャッピング部材がプラグ部材に関係付けて望ましく保持され、その後、植え込みと同時に所望の速度で分解することができるように、適合化されることができる。或る作動様式では、キャッピング部材と細長いプラグ部材は、少なくとも部分的には連結要素が分解するせいで、植え込み後、或る時間が経過すると互いに連結解除されるか又は互いから外れて、キャッピング部材が自然に体内を通り抜けて排出されるようになっている。
特定の実施形態では、キャッピング部材は細長いプラグ部材に蝶番式に連結することができる。「蝶番式に連結する」とは、キャッピング部材が細長い本体部材に硬直的に(rigidly)固定されるのではなく、それ故、細長い本体部材に連結されたままで、細長い本体部材に対して傾けるか又は旋回(swing)させることができる、という意味である。例えば、医療用グラフト製品を、鞘(例えば、フレクサ−(Flexor)(登
録商標) Cook Urological,Inc.,1100West Morga
n Street,P.O.Box 227 Spencer, Indiana 47
460から市販されている鞘)の様な配備装置に装填する前に、キャッピング部材を細長い本体部材の反対側の端に向けて(即ち、遠位端から近位端に向けて、又はその逆に)或る距離だけ傾け、細長い本体部材に巻き付けて、医療用グラフト製品を配備装置の中に位置決めできるようにする。この点に関し、キャッピング部材は、カテーテル又は鞘の様な送達装置の管腔内に嵌るように、部材の互いに反対側が互いに密に近接した状態に置かれた、植え込み可能な形態を有している。特定の態様では、配備装置の遠位端は、瘻の中に挿入させることができ、例えば、二次開口の中に入れ、瘻管を通し、一次開口から外に或る距離だけ出すように、挿入させることができる。その後、グラフト本体(又は少なくともキャッピング部材)は、配備装置から送り出され、キャッピング部材を拡張させることができるようになる。次いで、グラフト本体は、瘻管の中を、キャッピング部材が一次開口に隣接する消化管壁の部分に接するまで、引き戻される。送達装置は、次に、グラフト本体の位置が押しロッド又はその他適した手段で維持されたまま、二次開口を通して瘻から引き出され、グラフトは瘻内に配備された状態で残り、少なくとも一次瘻開口を塞ぐことになる。
キャッピング部材は、一次開口に隣接する消化管壁の部分に接触することができるように構成されている。キャッピング部材は、複数の側部と、隣接する側部同士を相互に接続する屈曲部を有する一片の超弾性ワイヤ又は他の材料を備えたフレームを含んでいる。屈曲部は、応力と疲労を軽減するためコイル、フィレット、又は、他の構造にすることができる。単一片のワイヤは、一片のカニューレ片及びはんだの様な取り付け機構により接合され、外周が閉じたフレームを形成しているのが好ましい。
フレームは、限定するわけではないが、ステンレス鋼、チタン、コバルト、タンタル、金、白金、ニッケル、鉄、銅など、並びにそれら金属の合金類(例えば、エルジロイ(Elgiloy)(登録商標)の様なコバルト合金、コバルト−クロム−ニッケル合金、MP35N、ニッケル−コバルト−クロム−モリブデン合金、及び、ニッケル−チタン合金であるニチノール(Nitinol)(登録商標))を含めた金属材料を備えていてもよい。それに加えて又は代えて、適したフレームは、糸、繊維、及び/又は、樹脂の形態の材料、例えば、モノフィラメントの糸類、靱性に優れたポリエステルなど、を含んでいてもよい。フレーム要素は、更に、他の、プラスチック製、樹脂製、ポリマー製、織られた、及び、布製、の外科材料、形状記憶プラスチックの様な他の従来の合成外科材料、及び/又は、その様な材料の各組合せ、を含んでいてもよい。更に、限定するわけではないが、ヒドロキシアパタイト、アルミナ、及び、熱分解カーボンを含め、適切なセラミックスを使用することができる。その様な金属及び他の材料は、本発明に有用な他の拡張可能及び拡張不能なグラフト本体の構成要素を形成するのに使用してもよい。キャッピング部材
は、更に、フレームの各辺部の間に張られている可撓材料カバーを含むことができる。その様なカバーは、限定するわけではないが、ダクロン(DACRON)(登録商標)、ソラロン(THORALON)(登録商標)、PTFE、コラーゲン、粘膜下組織、又は、他の可撓材料、の様な何れの適した材料でも形成することができ、そして、縫合糸又は他の適した取り付け手段を使用してフレームに取り付けることができる。
キャッピング部材は、チューリップフィルタの形態をしたフレームで構成されていてもよい。キャッピング部材は、チューリップフィルタ型フレームに取り付けられた可撓性材料のカバーを含んでいてもよい。その様なカバーは、限定するわけではないが、ダクロン(DACRON)、PTFE、コラーゲン、粘膜下組織、又は、他の可撓材料、の様な何れの適した材料でも形成することができ、縫合糸又は他の適した取り付け手段を使用してチューリップフィルタに取り付けることができる。特定の他の態様では、その様なカバーは、キャッピング部材の一部として含まれてはいない。
本発明のグラフト構造の各構成要素(例えば、細長いプラグ部材とキャッピング部材)は、別々に形成するか単一ユニットとして一体に形成するかを問わず、どの様な適したやり方で作ってもよく、例えば、ここで説明している処理方法の何れを使用して作ってもよい。或る実施形態では、細長いプラグ部材とキャッピング部材は、再生されたか又は別のやり方で処理されたECM材料で形成されている。細長いプラグ部材とキャッピング部材は、生体適合性を有するシート材料の様な生体適合性材料の1つ又はそれ以上の部分を折り畳むか丸めるか、又は別のやり方で重ねることにより、形成することもできる。重ねられた生体適合性を有するシート材料は、実質的に一体化構造が形成されるように、体積形状へと圧縮され、乾燥され、又は別のやり方で結合される。或る形態では、細長いグラフト本体の様な本発明のグラフト構成要素は、単層又は複層から成るECMシート材料層の1つ又は複数の材料片を、成形型の内部に、不規則に又は規則的に詰め込み、その後、詰め込んだ材料に処理を施すことによって作られる。本発明に有用な細長いプラグ部材は、例えば、2006年4月29日出願の国際特許出願第PCT/US2006/16748号「瘻を治療するための体積グラフト及び関連方法とシステム(VOLUMETRIC GRAFTS FOR TREATMENT OF FISTULAE AND RELATED METHODS AND SYSTEMS)」(Cook Biotech Incorporated)に記載されているように調製することができ、同特許出願の全内容は参照により本明細書に包含される。
別々に形成される場合、キャッピング部材は、細長いプラグ部材(又は、含まれている場合には、別のキャッピング部材)と同じ(単数又は複数の)生体適合性を有する材料で構成されていてもよいし、そうでなくともよい。特定の態様では、細長いプラグ部材、及び/又はキャッピング部材が含まれている場合にはそれらキャッピング部材は、改変可能材料から構成され、場合によっては、改変可能コラーゲン性材料で構成されている。例示的に、キャッピング部材と細長いプラグ部材は、改変可能コラーゲン性材料(例えば、改変可能SIS材料)の別々の材料片から形成され、その後、本発明に基づいて互いに連結されることができる。特定の実施形態では、細長いプラグ部材は、凍結乾燥ECM材料で形成され、キャッピング部材は、空気乾燥又は真空プレスによるECM材料の様なより剛性の大きなECM材料で形成されている。好適な実施形態では、キャッピング部材は、真空プレスによる多重層ECM構造、例えば、約2乃至約10層のECM層を互いに結合させた構造、で形成されていてもよい。
同様に、本発明のグラフト製品とそれらの各構成要素は、胃腸瘻及び他の体内開口や通路を治療するのに適した何れの大きさと形状を有していてもよい。細長いプラグ部材は、その長さに沿って断面が一定であっても変化してもよい。例えば、本発明に有用な細長いプラグ部材は、略円筒形の形状、円錐形の形状、長手方向に先細りな部分と先細りでない
部分を有する形状、又は、直線部分及び/又は曲線部分を有する他の適した各形状、を有していてもよい。また、下で更に詳しく論じているが、本発明の或る細長いグラフト本体は、それらの長さに沿って少なくとも部分的に本体を貫いて伸張している1つ又は複数の管腔を有していてもよい。キャッピング部材は、一体となって又は単独で、三次元的な直線形状又は曲線形状を呈する1つ又はそれ以上の物体(例えば、各材料片)を含んでいてもよい。適した三次元的直線形状は、どの様な適した個数の側部を有していてもよく、例えば、立方体、直方体、四面体、角柱体、角錐体、楔体、及びそれらの派生型が含まれる。適した三次元的曲線体には、例えば、球体、回転楕円体、楕円体、円筒体、円錐体、及びそれらの適した変型(例えば、球体の一部、又は、円錐台、その他)が含まれる。本発明に有用なキャッピング部材は、例えば、2007年1月31日出願の国際特許出願第PCT/US2007/061371号「瘻を治療するための瘻グラフト及び関連方法とシステム(VOLUMETRIC GRAFTS FOR TREATMENT OF FISTULAE AND RELATED METHODS AND SYSTEMS)」(Cook Biotech Incorporated)に記載されているように調製することができ、同特許出願の全内容が参照によりここに包含される。
本発明の例示的な細長いプラグ部材は、瘻管の少なくとも一部の中へと伸張させることのできる寸法形状をしており、一般に(但し、必ずというわけではないが)、単独か又は他の同種又は異種の装置と組み合わせて、瘻又はその一部分、例えば、一次瘻開口、瘻管、及び/又は二次瘻開口、を充填できるだけの寸法を持っている。特定の実施形態では、細長いプラグ部材は、長さが、少なくとも約0.20cmであり、多くの状況では、少なくとも約1cm乃至約20cm(大凡1乃至8インチ)になっている。例示的な実施形態では、プラグ部材は、長さが、約2cm乃至約5cmであり、或いは、約2インチ乃至約4インチ(約50.80mm乃至約101.6mm)になっている。更に、特定の実施形態では、細長いプラグ部材は、直径が、その長さに沿って一定であってもなくてもよく、直径は、約0.1mm乃至約25mm、又は、より一般的には、約5mm乃至約10mmになっている。特定の実施形態では、略円錐形のプラグ部材は、プラグ部材のキャップ部材に近いほうの端の直径が約5mm乃至約10mmで、プラグ部材の反対側の端の直径が約0.5mm乃至約3mmになるように、その長さに沿って先細りになっている。その様な先細部は、細長いプラグ部材の長さに沿って連続していてもいなくてもよい。
細長いプラグ部材は、2層又はそれ以上のECM材料層を一体に結合させた可撓性を有するシート形態の、生体適合性を有する材料を備えていてもよい。このシート形態の細長いプラグ部材は、ここで説明されているキャッピング部材の何れにも、例えば、図1のキャッピング部材に、連結するか又は別のやり方で接合することができる。このシート形態のプラグ部材は、例えば、2006年4月29日出願の国際特許出願第PCT/US2006/16233号「変形可能なシート形態の材料を有する瘻グラフト(FISTULA
GRAFT WITH DEFORMABLE SHEET−FORM MATERIAL)」(Cook Biotech Incorporated)に記載されているように調製することができ、同特許出願の全内容は参照により本明細書に包含される。
シート形態の材料は、瘻を取り囲んでいる軟組織(例えば、一次瘻開口、瘻管、及び/又は、存在する場合には二次瘻開口、を取り囲んでいる組織)に当たると、及び/又は、送達装置の管腔の壁に当たると、変形することができる。その様な変形可能な材料には、ここで説明しているECM又は他の生体適合性材料の何れもが含まれ、その中には、例えば、改変可能SIS材料の多くの層から成るシートが含まれる。更に、シート形態のプラグは、瘻管の少なくとも一部の中まで伸張し、そして、恐らくは、少なくとも瘻管の一部、一次開口、及び/又は、存在する場合には瘻の二次開口、を充填する、三次元の塊体に変形することができるような寸法形状を有している。そうする際に、有利なインプラント材料は、周辺の軟組織を実質的に切ったり又は引き裂いたりしないだけの軟性も有してい
る。
特定の態様では、シート形態のグラフト材料は、一次開口の直径がシートの幅よりも小さくなるような形状と大きさを有していて、材料のシートは、瘻管内に配備する際に、1回又はそれ以上折り重ねられ、及び/又は丸められ、瘻を取り囲んでいる軟組織に沿わせ瘻管内部に留置することができるようになっている。その様に所定の位置に留置することができるので、グラフトを一次開口、瘻管、及び/又は、存在する場合には二次開口の又はその付近の軟組織に別のやり方で固定する必要性を省くことができる。とはいえ、特定の態様では、グラフトは、更に、その様な軟組織に、例えば縫合によって固定される。
本発明のグラフト本体の形成方法には、グラフト材料を成形型又は成型器内で扱うことが含まれる。なお、グラフト材料は、成形型又は成型器の中に、上に、周りなどに入れる時に水和させてもよいし、水和させなくてもよいことに留意されたい。或る方法では、実質的に乾燥しているECM材料(例えば、粉末又はシート材料)を成形型に入れ、その後、適切に水和させて、更に処理を施せるようになっている。他の方法では、水和された開始材料を成形型又は成型器構造の中に入れ、及び/又は、上に置き、更に処理を施すようになっている。例えば、1つ又はそれ以上の水和されたECM材料シートは、成型器に用いることができ、例えば、(単数又は複数の)シートの各部分が重なり合うように、マンドレルの周りに少なくとも部分的に巻き付けられる。次いで、1つ又は複数のシートを乾燥させることができるが、或る実施形態では、圧縮を加えながら乾燥させ、単一グラフト構造が形成される。或る作動様式では、水和されたグラフト材料は、成形型の壁を貫通して伸張する複数の開口又は孔を有し、それによって外部の場所から成形型内部にアクセスできるようになっている、単一又は複数の部分から成る成形型内に供給される。それら開口は、処理工程中に、水和された材料の乾燥性を高める役目を果たすことができ、それらの開口に真空圧が掛かる工程では、グラフト材料の各部分は真空下に置かれている間は開口に向けて引き寄せられるため、グラフト材料の表面隆起の形成を促進させ、及び/又は助長することができる。1つの態様では、或る量のECM材料は、その様な成形型内に保持され、針又は他の材料を変位させる物体が、整形型の幾つか又は全ての開口を通してECM材料の中へ或る距離だけ挿入され、これにより、ECM材料の各体積部分が変位させられる。これは、グラフト材料の水和時、一部水和時、又は脱水時、に行うことができる。或る形態では、水和されたECM材料に針を差し込んで中まで通路を形成した状態で、材料を、各条件(例えば、凍結、及び/又は、脱水条件)に曝すが、この時、単独の条件でも又は1つ又はそれ以上の他の条件と組み合わせてもよく、上記各条件に曝すことにより、針を取り出した後に、それら通路がECM材料の中に概ねそのまま残った状態になるか又はそのまま残せるようになる。
1つの実施形態では、水和されたECM材料の1つ又はそれ以上のシートは、マンドレルの周りに適切に巻かれ及び/又は不規則にまとめられ、次いで、成形型の壁を貫通して伸張する複数の孔を有する成形型が、材料で覆われたマンドレルの周りに配置され、例えば、それにより、或る圧力量がECM材料に加えられることになる。その後、マンドレルは、随意的に取り出されることができる。その後、針又は他の材料を変位させる物体が、幾つか又は全ての孔を通して、少なくともECM材料の内部に部分的に差し込まれ、これにより、ECM材料の各体積部分が変位させられる。ECM材料は、次いで、少なくとも部分的に乾燥される。或る態様では、適した凍結乾燥技法が採用されており、例えば、ここで説明している前凍結工程を含んでいるかいないかにかかわらず、採用することができる。上記方法、又は、乾燥中に針又は他の穿通要素が塊内に残留されることになる他の乾燥方法では、それら要素には、随意的に、複数の開口又は孔を設けてもよいし、又は、別のやり方で、湿潤した塊から水和物が通り抜けられるようにすることで乾燥作業を円滑に進めることができる程度に多孔性を持たせることができる。1つの実施形態では、針が差し込まれた水和ECM材料は、材料及び含まれる水和物が実質的に凍結するように、凍結
条件に曝される。その後、針がECM材料から引き抜かれると、残された構造は(凍結した材料の通路がそれらの形状を実質的に保った状態で)真空下に置かれ、その結果、凍結した水和剤は材料から昇華し、これにより、内部に通路がそのまま残された状態の乾燥グラフト構造を得ることができる。
他の作動様式では、通路形成構造は、開始材料を成形型の中及び/又は上に投入すると同時に通路が形成されるように、成形型に一体に組み込まれていてよい。それら態様では、通路形成構造は、最終的に出来上がったグラフト本体を通る所望の通路又は各通路を提供するため、(例えば、成形型の表面から伸張している)成形型の一部としてもよいし、又は、成形型に取り付けられるか別のやり方で連結されている別体の物としてもよい。
本発明のより広範な態様に必ずというわけではないが、或る態様では、その様なグラフト構造の形成は、水和されたグラフト材料の1つ又はそれ以上のシートをマンドレルの周りに複数回巻く工程を含んでいる。得られた、グラフト材料のロールは、次に、成形型に投入され、マンドレルは、例えば、成形型を用いる前又は後に、取り出される(随意)。その後、限定するわけではないが、針の様な、複数の材料を変位させる物体が、成形型の開口を通して水和されたグラフト材料の中に突き通され、そして、材料には凍結乾燥処理の様な1つ又はそれ以上の乾燥技法が施される。他の態様では、その様なグラフト構造の形成には、流動可能なグラフト材料を成形型の中に配置する工程と、次いで、グラフト材料に更に処理を施す工程が含まれている。例えば、恐らくは粒子状のECM材料を組み込んでいる、ゲル、ペースト、又は、パテ、の様な流動可能なECM材料の塊が、成形型の中に配置され、次いで、材料の各体積部分が(例えば、穿通針により)塊内で押し退けられた状態で、ECM材料は乾燥されるか、又は、別のやり方で一体型構造片に形成されて、中に通路を有するグラフト本体に仕上げられる。例示的に、通路のそれぞれは、単一の物体を材料塊に通すことにより提供されるか、又は、代わりに、長手方向の管腔を形成するためにマンドレルがその場に残されている場合には、2つの物体を反対の方向から互いに向けて塊の中に、両者がマンドレルに当接するまで、押し込むことにより提供することができる。塊は、次いで、ここで論じている固体グラフト本体に処理される。
本発明に従って植え込まれ、従って一次開口に隣接する消化管壁の部分に接触した時、キャッピング部材は、その一部が一次開口の中まで伸張していてもよいし、伸張していなくてもよい。例えば、或る態様では、グラフト本体は、グラフト本体が植え込まれた時、キャッピング部材のどの部分も一次開口内に存在しないように構成されており、一方、他の態様では、グラフト本体は、グラフト本体が植え込まれた時、キャッピング部材の一部が一次開口内に存在するように構成されている。同様に、グラフト本体は、全体として、即ち、キャッピング部材と細長いプラグ部材の組合せとして、少なくとも瘻の一次開口を塞ぐことができるように構成されていることに再度注目されたい。但し、グラフト本体のキャッピング部材部分もグラフト本体の細長いプラグ部材部分も何れも、他方の部材から独立して一次瘻開口を塞ぐように構成する必要はないが、何れかがその様に構成されていてもよい。更に、グラフト本体のキャッピング部材部分は、単独で瘻管を塞ぐように構成されていてもよいし、その様に構成されていなくてもよい。この点について、特定の空間又は空隙を塞ぐことは、その空間にキャッピング部材又はその一部を充填することにより行うことができる。特定の態様では、キャッピング部材は、一次開口及び/又は瘻管の一部を充填することができるように構成することができる。その様な充填によって、或る実施形態では、一次開口及び/又は瘻管の一部を封鎖又は実質的に封鎖することができる。
適切に植え込まれ、従って少なくとも瘻管の一部の中まで伸張した時、細長いプラグ部材は、その一部が一次開口の中まで伸張していてもよいし、伸張していなくてもよい。例えば、或る態様では、グラフト本体は、グラフト本体が植え込まれた時、細長いプラグ部材の少なくとも一部は瘻管内に存在するが、細長いプラグ部材のどの部分も一次開口内に
は存在しないように構成されている。他の態様では、細長いプラグ部材は、グラフト本体が植え込まれた時に、一次開口を通り瘻管の少なくとも一部の中まで伸長するように構成されている。繰り返すが、特定の実施形態では、少なくとも瘻の一次開口を塞ぐことができるように構成されているのは、グラフト本体全体、即ち、キャッピング部材と細長いプラグ部材の組合せである。グラフト本体のキャッピング部材部分とグラフト本体の細長いプラグ部材部分は、何れも、他方の部材から独立して一次開口を塞ぐように構成する必要はないが、何れかがその様に構成されていてもよい。更に、グラフト本体の細長いプラグ部材部分は、単独で瘻管を塞ぐように構成されていてもよいし、その様に構成されていなくてもよい。また、細長いプラグ部材部分は、単独で、存在する場合には二次瘻開口を塞ぐことができるように構成されていてもよいし、その様に構成されていなくてもよい。この点について、特定の空間又は空隙を塞ぐことは、その空間に細長いプラグ部材又はその一部を充填することにより行うことができる。特定の態様では、細長いプラグ部材は、一次開口、瘻管(又は何れかの部分)、及び/又は、存在する場合には瘻の二次開口、を充填することができるように構成されている。その様な充填は、或る実施形態では、一次開口、瘻管(又は何れかの部分)、及び/又は、存在する場合には瘻の二次開口を封鎖又は実質的に封鎖することができる。
特定の態様では、医療用グラフト製品は、組織の内成長に対し受容性のある材料を備えている。その様な態様では、本発明による製品が配備されると、患者の細胞が材料に浸潤し、その結果、例えば、新しい組織が、医療用グラフト製品の上に、周りに、及び/又は、内に、成長することになる。或る実施形態では、医療用グラフト製品は、改変可能材料を備えている。それらの実施形態では、改変可能材料は、新しい組織の形成を促進及び/又は助長し、そして、植え込まれたグラフト製品により実現された最初の瘻閉鎖が改造過程の最初から終わりまで保たれ、最終的に新しい組織による閉鎖又は実質的な閉鎖が形成されるようなやり方で、分解されて新しい組織で置き換えられることができる。
相対的により空いている基質構造を有する(即ち、空隙率が高い)改変可能ECM材料は、相対的により詰まった又押し潰された基質構造を有するものとは異なる材料特性を呈することができる。例えば、相対的により空いている基質構造を有するECM材料は、一般的に、相対的により詰まった基質構造を有するものに比べ、より柔軟で、植え込み部位により沿わせ易い。更に、改変可能材料の中及び/又は周りの組織の成長速度と量は、線維芽細胞の様な患者の組織形成成分の浸出と支持に利用可能な、材料の基質構造内の空き空間の量を含め、多くの要因に影響される。従って、より空いている基質構造なら、改変可能材料の中及び/又は周りに患者組織を、より急速且つ恐らくはより多く、成長させることができ、その結果、患者組織による材料のより急速な改変につなげることができる。
この点について、本発明の医療用グラフト製品では、何れの構成要素(ECM材料を含む)も、一定レベル又は程度の空隙率を有することができる。特定の実施形態では、ECM材料層の空隙率は、材料を圧縮下に乾燥させることによって低下する。一般に、柔軟なECM材料の様な、柔軟で空いている基質材料を圧縮すれば、空いている基質の空隙の大きさが減少することで、材料の体積密度は高くなり、材料の空隙率は下がる。本発明の特定の態様と同様に、その様な材料を圧縮しながら乾燥させると、特に真空プレス条件下では、空いている基質構造は、この相対的に高体積密度低空隙率の状態で(即ち、相対的により押し潰された状態で)、幾分固定され得る。なお、圧縮及び乾燥の異なる技法及び/又は方法は、異なる圧縮及び乾燥の程度を含め、日頃の実験を通して、材料層が、特定の用途又は処置にとって最適な程度の材料体積密度及び/又は空隙率を有することができるように、設計することができる。
特定の態様では、本発明の医療用グラフト製品は、異なる特性、例えば、異なる空隙率を呈する少なくとも2つの領域を含んでいる。その様な相異なる領域は、特定の場所、例
えば、医療製品の上及び/又は内の特定の配置又はパターンが設けられる場所、に設定することができ、或る形態では、その様な相異なる領域は、医療製品に適切な差別的乾燥処理を施すことにより形成される。例示的に、グラフト本体は、キャッピング部材が、空隙の少ない領域を占め、細長いプラグ部材が、空隙の多い領域を占めることができるように、構成することができる。この構成では、空隙の少ない基質領域は、瘻管を消化管から隔離するのを支援することができるので、細菌及び他の望ましくない物質が瘻から消化管の中に入ってくるのを阻止することができ、一方で、空隙の多い基質領域は、その望ましい改造特性により、瘻のより急速な閉鎖を促進する働きをする。
本発明は、多くの異なる形態で具現化することができるが、本発明の原理の理解を促すことを目的として、これより各図に示される実施形態を参照することにし、それら実施形態の説明には特定の言語を使用するものとする。とはいえ、これによって本発明の範囲を限定する意図はないものと理解頂きたい。説明されている各実施形態に対するどの様な変更や更なる修正も、及びここに説明されている本発明の原理のどの様な他の応用も、本発明が関連する分野の当業者であれば普通に想起されるものと考えている。
先ず図1Aから図1Dは、本発明の或る例示的な医療用グラフト製品10の斜視図を示している。より具体的には、図1Aは、最初の形態の医療用グラフト製品10を表し、図1Bは、中間の形態の医療用グラフト製品10を表し、図1Cは、植え込み可能形態の医療用グラフト製品10を表し、図1Dは、植え込み可能形態の医療用グラフト製品10が配備装置17の中に挿入された状態を示している。医療用グラフト製品10は、少なくとも瘻の一次開口を防ぐことができるように構成されている、生体適合性を有するグラフト本体11を含んでいる。グラフト本体11は、キャッピング部材12とキャッピング部材12から伸張する細長いプラグ部材13を含んでいる。細長いプラグ部材13は、近位端15と遠位端16を含んでいる。キャッピング部材12は、ECM材料(例えば、SIS)で形成されていて、概ね円盤の形状をしており、一次開口、特に胃及び/又は腸内に生じているそれら開口、に隣接する消化管壁の部分に接触するように構成されている。細長いプラグ部材13は、同様にECM材料で形成されていて、概ね円筒形の形状をしており、少なくとも瘻管の一部の中まで伸張するように構成されている。キャッピング部材12は、細長いプラグ部材13の遠位端16に、縫合糸14で蝶番式に連結されている。なお、細長いプラグ部材13(及び、ここで説明しているその他のプラグ部材)は、瘻管全体を充填することができる大きさと形状を有していてもよいし、有していなくてもよい。
中間形態について、図1Bは、図1Aに描かれている医療用グラフト製品が、ここでは、キャッピング部材12が旋回されて細長いプラグ部材13上に遠位端16から近位端15に向けて載せられている状態を示している。この過程は、キャッピング部材12を細長いプラグ部材13の遠位端16に蝶番式に連結することにより可能になる。通常、キャッピング部材12は、医師によって、又は製造工程中に、キャッピング部材12を細長いプラグ部材の上に容易に折り畳むことができるように、細長いプラグ部材に緩く連結される。一旦、プラグ部材13に少なくとも部分的に覆い被さる位置に置かれると、キャッピング部材12は、図1Cに示すように、細長いプラグ部材13の周りに丸められるか又は巻き付けられることができ、植え込み可能な形態となる。図示の植え込み可能形態では、装置10は、プラグ部材13の周りに沿わせたキャッピング部材12の部分と、プラグ部材13の遠位端を越して遠位方向に伸張しているキャッピング部材12の先端部分とを含んでいる。キャッピング部材12の少なくとも一部がプラグ部材13の外側面に沿う他の形態も、使用することができる。一旦、植え込み可能形態になると、医療用グラフト製品10は、配備装置17の中に挿入し、そして、キャッピング部材12が一次開口に隣接する消化管壁の部分に接触し、細長いプラグ部材13が少なくとも瘻管の一部の中まで伸張するように、患者体内に植え込むことができる。配備中の視覚化を容易にするため、配備装置17は、その遠位端に配置された放射線不透過性の帯18又は他のマーカーを有してい
てもよい。このやり方では、蛍光透視画像化法を使用して、送達装置17の遠位端の位置を追跡すること、例えば、その様な遠位端が消化管に進入した時点を確認することができる。一旦、医療用グラフト製品が送達されると、キャッピング部材はその元の形状を取り戻すか又は別のやり方で拡張し、而して、グラフト11が近位方向に引かれたときに、瘻の一次開口に隣接する消化管壁に接触することができる。
或る代替的なグラフト実施形態10’を図1Eに示している。このグラフト装置は、中央管腔20’を通してキャッピング部材に取り付けられている縫合糸材料又は他の係留紐19’を更に含んでいることを除き、図1Aから図1Dに描かれているものと同様である。この係留紐は、配備中及び/又は配備後の装置の位置を調節するための手段を提供するものであり、そして、恐らくは、例えば、装置10’を瘻開口の場所の又は瘻開口に隣接する患者組織に縫い付けることによって、装置を固定するための手段を提供することができる。或る使用モードでは、グラフト10’を上で論じた装置の管腔から配備した後、係留紐19’は、グラフト装置10’を近位方向に引いて、キャッピング部材を消化管の壁に押し当てて留置するのに使用することができる。この目的では、係留紐19’を引くことによってグラフト装置10’を再配置することができる限り、係留紐19’をグラフト装置10’の何れか適した場所に取り付ける他の取り付け様式も使用できるものと理解頂きたい。
別の形態では、図1Eに描いている様なキャッピング部材12’を貫通している管腔を有するグラフト装置は、瘻を治療するためにワイヤに外挿して送達することができる。その様なグラフト装置は、係留紐19’を有していてもよいし、随意的には、係留紐19’を欠いていてもよい。ワイヤに外挿しての送達は、カニューレ式の押し出し器を使用し、上で概略的に論じているように、グラフト装置10’をワイヤに沿って、例えば、皮膚の瘻開口から始めて、キャッピング部材12’が消化管に進入し拡張するまで連続的に押し進めることで、容易になる。その様な実施形態では、係留紐が、或る地点で装置10’に(例えば、キャッピング部材に、図示の様に、又は、キャッピング部材と反対側の装置10’の近位端に又はその付近に)取り付けられていれば、装置10’を近位方向に引いてキャッピング部材12’を消化管壁に押し付けて留置することができる。
本発明の特定の形態では、グラフト製品には、製品を植え込んだ後、キャッピング部材を一次開口に隣接する消化管壁の部分に接触させた状態に維持するため、固定適合要素が組み込まれている。例えば、本発明の医療用グラフト製品は、この種の接触を維持するための接着剤を含んでいてもよい。接着剤は、植え込み処置の前、例えば、製品の製造中、にグラフト製品に塗布されるか、或いは、その様な植え込み処置中に、グラフト製品に、及び/又は、一次開口の場所の又はその付近の組織に、塗布することができる。他の適した固定適合要素には、限定するわけではないが、逆棘、フック、縫合糸、隆起、リブなどが含まれる。繰り返すが、その様な固定適合要素は、本発明の特定の形態では好都合ではあっても、本発明のより広範な態様に必須というわけではない。例示的に、特定の医療用グラフト製品は、製品を植え込んだ後、その様な固定適合要素の必要性無しに、キャッピング部材が一次開口に隣接する消化管壁の部分との接触を保つことができるように、構成されている。他の態様では、適した固定適合要素は、その様な接触の維持を支援し又は容易にする。図1Aから図1Dに描かれている様な、キャッピング部材が配備装置内に嵌め込まれるように構成されている実施形態では、その様な固定適合要素は、この過程に干渉することのないように(即ち、固定適合要素が設けられている場合には、それらは、医療用グラフト製品が前記配備装置に容易に装填されると共に同配備装置から容易に配備されることを妨害することの無いように)選択されることになる。
特定の態様では、本発明は、拡張可能要素(例えば、拡張可能な材料及び/又は装置)を含んでいる、生体適合性を有するグラフト本体を提供している。この点について、発明
のグラフト本体では、キャッピング部材又は細長いプラグ部材、又は、その両方が、拡張する能力を有している各グラフト本体が提供されている。例えば、キャッピング部材及び/又は細長いプラグ部材は、例えば、適したECM発泡体又はスポンジ形態の材料を含んでいてもよい。例示的に、グラフト本体又はその何れの部分も、1つ又はそれ以上の適した生体適合性を有する基質材料で形成された、多孔質の安定した三次元体を備えている。その様な生体適合性を有する基質材料には、自然発生的なポリマー類及び/又は合成ポリマー類が含まれる。より好適なスポンジ組成は、基質形成材料としてのコラーゲンを備えるが、これは、単独でも1つ又はそれ以上の他の基質形成材料と組み合わせてもよく、そして、特に好適なスポンジ組成は、本明細書の別の箇所で論じているものの様なECM材料を備えている。一般に、本発明の特定の実施形態に有用なスポンジ基質は、基質形成材料の溶液又は懸濁液を用意し、材料に多孔質の安定した三次元構造を形成させることにより、作ることができるが、スポンジ又は発泡体材料は、当技術で既知の何れの適した形成方法を使用して作ってもよい。本発明の特定の実施形態に有用な発泡体又はスポンジ形態の材料に関する更なる情報については、米国特許出願公開第2003/0013989号を参照することができる。
或る形態では、細長いグラフト本体及び/又はキャッピング部材を形成するのに使用されるコンパクトで安定化したスポンジ構造は、湿潤時の膨張性に優れていて、望ましいことに、グラフト本体が少なくとも瘻の一次開口を塞ぐ(及び、塞ぎ続ける)能力を増強することができる。例示的な処置では、グラフト本体が患者体内に適切に設置された後、生理食塩水の様な適した水和剤がグラフト本体に加えられるか又は送達されて、瘻管及び/又は瘻開口内での本体の膨張を増強する。代わりに又は追加的に、患者の体液は、植え込まれたグラフト本体の瘻内での膨張を促進させるように、本体を十分に湿潤させることができる。
それらコンパクトで安定化したスポンジ構造と他の拡張可能なグラフト本体の要素は、本発明に使用した場合、配備段階の際にグラフト本体に更に低い輪郭の形態を取らせることができる。例えば、或る例示的な配備システムは、安定化した圧縮状態の第1形態では、グラフト本体が瘻管を横断することができる大きさと構成を有する送達装置(例えば、探針装置、送達鞘、及び/又は、他の同種の器具)の一端部内に嵌まることができるように、キャッピング部材(及び、随意的に細長いプラグ部材も)が拡張可能な装置及び/又は材料で構成される、グラフト本体を含んでいてもよい。例示的には、送達装置のこの端部は、二次開口の中に入れ、瘻管を通し、一次開口から出して、消化管の中に送り込むことができる。その後、グラフト本体(又は、少なくともグラフト本体のキャッピング部材部分)は、適したやり方で送達装置から押し出されるか別のやり方で取り出され、キャッピング部材が拡張した第2形態を取ることができるようになる。その様な拡張した形態では、それまでは一次瘻開口を横断することができたキャッピング部材は、この時、キャッピング部材の少なくとも一部が一次開口を通り抜けて後戻りしないように、一次開口に隣接する消化管壁の部分に接触することができる大きさと形状になっている。
更に、例示的な実施形態では、グラフトを消化管内に留置する間に及び/又は後で、瘻管及び/又は一次開口の様な、瘻の少なくとも一部を、粗削りし、適当な状態に調整し、又は、別のやり方で上皮を剥ぐ(deepithelialize)のに、1つ又はそれ以上のアンカー、逆棘、リブ、隆起、及び/又は、他の適した表面改質化要素を、例示的なグラフト本体上及び/又は内に組み込むことができる。消化管組織を適当な状態に調整することには、患者組織が、ECM材料を備えているプラグの様な例示的なプラグ構造の中へと内成長するのを増進する点で有利となる、患者組織の局所化された治癒反応を開始させる働きがある。また、本書の別の個所で論じているように、例示的なグラフト構造を消化管内に留置するのを支援するために、縫合糸、誘導具、又は、紐が使用されている例示的な実施形態では、誘導具は、接着性材料を備えるか、又は、誘導具材料から指向的に
出て行くことができ、且つ、瘻管内を進む際及び/又は瘻管内の或る場所で、患者組織を粗すか又は別のやり方で適した形状に調整するか上皮を剥ぐ働きをすることができる、1つ又はそれ以上の区間及び/又は面特性及び/又は適合化要素、例えば、1つ又はそれ以上の剛毛を備えていてもよい。
特定の態様では、本発明の医療用グラフト製品は、瘻の少なくとも一次開口の閉塞を容易にし及び/又は促進するため、接着剤、又は、該当する場合には硬化剤、を組み込んでいる。更に、本発明の瘻治療法は、その様な物質又は材料を、配備させる医療用グラフト製品及び/又は瘻を取り囲んでいる軟組織に、塗布する工程を含んでいる。本発明の医療用グラフト製品と瘻開口又は瘻管を画定している軟組織及び/又は隣接する組織とを結合させる際には、例えば、接着剤、糊、又は他の結合剤も使用することができる。適した結合剤には、例えば、フィブリン又はコラーゲン・ゲル類又はペースト類、ゼラチン、又は、反応性モノマー類又はポリマー類、例えば、シアノアクリレート接着剤、を含めた他の物質、が含まれる。本発明の或る形態では、瘻治療方法は、材料からのシートを瘻の中に押し入れる前に、瘻を取り囲んでいる各軟組織面、例えば、一次開口の箇所の又はその付近の各軟組織面及び/又は瘻管の内側を覆う軟組織に、硬化剤を触れさせる工程を含んでいる。硬化材をこの様に使用すると、それら各軟組織面の上皮を剥ぐか又は別のやり方で傷を付けるか崩壊させることができ、治癒反応の開始に繋げることができる。
本発明の製品には、グラフト本体に形成されるか又は別のやり方で生じさせた複数の通路が、任意の適した数だけ含まれている。それら通路は、様々な形状及び大きさを呈し、本体全体又は一部を貫通して伸張させることができる。或る形態では、1つ又はそれ以上の通路は、グラフト本体面から伸長しており、概ね密着した(coherent)通路壁を含んでいる。例示的には、本体を貫通してその長さに沿って伸長している内部管腔を有する管状グラフト本体は、管の壁を部分的又は完全に貫いて、例えば、管壁の外部面から内部面まで、伸張している通路を有していてもよい。更に、グラフト本体の或る通路の、本体の別の通路に対する間隔と大きさ、並びに、或る特定の通路がグラフト本体の中へ伸張している深さは、様々に異なっていてもよい。或る形態では、各通路は、例えば、直径が約0.05mm乃至約15mm、より典型的には約0.10mm乃至約5mm、そして更に典型的には約0.1mm乃至約1.0mmの範囲にある、略円筒形の空隙である。本発明に有用なそれら及び他のグラフト本体通路は、互いに任意の適した距離だけ間隔を隔てていて、或る実施形態では、特定のパターン(例えば、列状)で配置されているが、複数の通路は不規則に設置されていてもよい。また、或る構造内の複数の通路は、どの通路も、構造内の他の通路と比べて、構造の中に同じ距離だけ伸長するように作られていてもよいし、又は異なる距離だけ伸長するように作られていてもよい。
更に、この点について、グラフト本体に存在している通路は、何れの適したやり方で形成してもよい。或る実施形態では、通路は、グラフト本体が形成された後、例えば、注入成形されたコラーゲン性材料が乾燥して密着した形になった後に、グラフト本体内に作成される。或る実施形態では、グラフト本体内の通路の幾つか又は全部の形成は、少なくとも部分的には、グラフト本体の形成中に起こる。例示的に、或る発明の方法は、水和された材料塊内に、その塊中の或る体積分の材料を押し退けることにより、通路を最初に設ける段階を含んでいる。次いで、水和された材料塊内に通路が存在する状態で、この塊に適した乾燥条件(例えば、凍結乾燥工程)を課して、各通路が乾燥したグラフト本体内にそのまま残るようにさせるか、又は、そのまま残せるようにする。なお、その様な各処理で水和された材料(例えば、再生させたか又は天然由来のコラーゲン性材料)は、完全な又は部分的な水和を含め或るレベルまで水和されていてもよく、また、この点について、開始材料の水和を、実質的な脱水状態を含めて任意の適したレベルまで下げるのに、乾燥処理を使用することができることに注目されたい。また、水和された材料の塊中の或る量の材料を押し退けて通路を形成することは、様々なやり方で行うことができ、特定の態様で
は、この作業には、器具又は他の材料変位具(例えば、カニューレ式又は非カニューレ式の針)を塊の中に突き刺すか又は別のやり方で導入することを伴っている。求められる通路の種類に基づいて、他の適した材料変位具を選択してもよい。
次に、瘻を治療するための本発明の方法に関する概論に入るが、適した治療方法は、上記の何れかの様な医療用グラフト製品を用意する工程と、当該製品を患者体内に、(i)グラフト本体が瘻の少なくとも一次開口を、即ち、瘻の一次開口と恐らくは1つ又はそれ以上の他の瘻部分、例えば、瘻管及び/又は存在する場合には二次開口、を塞ぎ、(ii)キャッピング部材が一次開口に隣接する消化管壁の部分に接触し、そして、(iii)細長いプラグ部材が、瘻管の少なくとも一部の中まで伸張するように、植え込む工程を含んでいる。或る作動様式では、配備装置の遠位端は、瘻の中に挿入され、例えば、二次開口の中に入れ、瘻管を通し、一次開口から或る距離だけ外に出される。その後、グラフト本体(又は少なくともキャッピング部材)は、押しロッド又は他の適した装置を使用して装置から取り出され、キャッピング部材は、拡張するか又は少なくともグラフト本体が配備装置に装填される前のその元の形状を保つことができるようになる。次いで、グラフト本体は、キャッピング部材が一次開口に隣接する消化管壁の部分に接触するまで、瘻管を通して引きもどされる。次いで、送達装置が、二次開口を通して瘻から引き出され、変形したシート形態の材料は、瘻管の少なくとも一部分内に配備された状態で、そして、恐らくは、瘻管の少なくとも一部、一次開口、及び/又は、瘻の二次開口、を充填した状態で留置される。
本発明の製品と方法は、どの様な瘻の治療にも使用することができ、特定の実施形態では、胃又は腸に生じている様な、消化管の壁に一次開口を有する瘻を治療するのに使用することができる。或る態様では、本発明は、患者の身体上又は身体内のあらゆる場所の開口を塞ぐのに、例えば、尿道膣瘻、膀胱膣瘻、気管食道瘻、胃腸瘻、及び、直腸膣瘻、直腸膀胱瘻、直腸尿道瘻、又は直腸前立腺瘻の様な多種多様な肛門直腸瘻、の少なくとも一次開口を塞ぐのに有用な医療用グラフト製品と方法を提供している。好適な実施形態では、本発明の医療用グラフト製品は、腸皮膚瘻の様な胃腸瘻を治療することができるように設計されている。更に、本発明の製品と方法は、その大きさと形状には関係なく、瘻を治療するのに使用することができ、或る形態では、直径が約1ミリメートル乃至約20ミリメートル、より典型的には約5ミリメートル乃至約10ミリメートルの範囲にある一次開口、二次開口、及び/又は、瘻管、を有する瘻を治療するのに利用することができる。
本発明の医療製品は、どの様な適した送達方法又は設置技法を使用して植え込んでもよい。例示的に、グラフト本体は、グラフト本体を瘻内の適した位置へ引き込むか又は押し込むことによって植え込むことができる。例えば、本体の細長いプラグ部材の端を、瘻管内で二次開口に向け、(例えば、一次開口を通して瘻管の中へ)キャッピング部材が一次開口に隣接する消化管壁の部分に接触するまで、引いてもよい。特定の実施形態では、その様に引くのは、瘻探針又は他の適した器具、例えば、二次開口の中に入れ、瘻管を通し、そして、恐らくは一次開口から出すことができる部分を含んでいる適切に構成された一対の外科用止血鉗子、を使用して行うことができる。その後、グラフト本体の細長いプラグ部材は、探針により解除可能に把持されるか別のやり方で探針に連結され、そして、一次開口の中に引き込まれる。他の実施形態では、例示的なグラフト本体は、生体適合性を有する鞘又はカテーテルを使用して適切に配備されるが、この鞘又はカテーテルは、適したワイヤガイドに外挿するか内視鏡による誘導下で、瘻の管を横断させることができるように、そして、随意的には、瘻管内に設置することができるように、構成されていてもよい。それら実施形態では、例示的なグラフト構造は、ワイヤ外挿式の構造か又は遮るものの無い鞘管腔を通して配備することができる。本書の別の箇所で説明しているものの他に、本発明のその様な各実施形態に有用な、適した送達装置とシステムは、例えば2007年1月31日出願の国際特許出願第PCT/US2007/061380号「瘻グラフト
配備システムと方法(FISTULA GRAFT DEPLOYMENT SYSTEMS AND METHODS)」(Cook Biotech Incorporated)に記載されているように調製し、使用することができ、同特許出願の全内容が参照により本明細書に含まれる。
本発明の瘻治療法は、内視鏡的視覚化(蛍光透視)の工程を含んでいてもよい。その様な内視鏡的視覚化は、例えば、瘻の形状と大きさを求めるのに使用することができ、従って、瘻を治療するのに適切な大きさと形状を有する医療用グラフト製品を選択するのに使用することができる。例示的には、非常に薄型で可撓性を有する内視鏡を、瘻の二次開口に挿入し、直接視下で瘻管内を前進させ、一次開口を通して外に出すことができる。瘻の蛍光透視を行うことにより、一次開口を正確に特定することができる。更に、本発明の医療用グラフト製品の配備前及び/又は配備中に、瘻の洗浄を行うことができる。例えば、製品の移植に先立ち、瘻内に炎症組織又は壊死組織が存在すればその様な組織を取り去るために潅注液を使用することができる。特定の実施形態では、瘻内に存在しているかもしれない残留感染に対処する追加的予防措置又は手段として、1つ又はそれ以上の抗生剤が医療グラフト製品及び/又は瘻を取り巻く軟組織に塗布される。
本発明は、特定の態様では、限定するわけではないが、放射線不透過性被覆、取り付けた放射線不透過性物、又は、一体化された放射線不透過性物質の様な放射線不透過性要素を含んでいる医療製品も提供している。この点について、或る本発明のグラフト本体のキャッピング部材及び/又は細長いプラグ部材は、例えば、製品の動きを監視して、製品を所望の場所に設置できるように、放射線不透過性要素を備えていてもよい。本発明の医療製品には、限定するわけではないが、タンタル粉末の様なタンタルを含め、何れの適した放射線不透過性物質を組み込むこともできる。他の放射線不透過性材料には、ビスマス、ヨウ素、及び、バリウム、並びに、他の適したマーカーが含まれる。
ここで説明しているキャッピング部材は、様々な様式で整形し構成することができる。或る例では、キャッピング部材は、弾性ワイヤフレーム又は他の同様のフレーム又はフレーム状の支持装置を含んでいる。それらの装置は、或る実施形態では、第1装置形態と第2装置形態の間を動くことができるように、例えば、コンパクトな第1状態に折り畳むことができるフレームの場合、このコンパクトな状態にある時には、その次に拡張した第2状態へと拡張させることができるように、設計されている。フレームが拡張する能力を有している形態では、それらフレームには、自己拡張式のもの及び拡張させるには少なくとも或る操作を要するもの、が含まれる。特定の実施形態では、本発明の支持フレームは、第1状態(例えば、概ね弛緩状態)にある時は、送達装置内部に自由に装填することはできないが、操作して管腔内に配置するための第2状態にすることができる。管腔内では、フレームは、管腔を画定している装置内面によって拘束されている。管腔から取り出されると、フレームは概ね第1状態に復帰する。
次に図2Aを参照すると、本発明の移植用装置に組み込むことができる支持フレーム40が示されている。この種の装置及び本発明に有用な他の同種の装置の支持フレームは、ステンレス鋼ワイヤ、超弾性ワイヤ、又はここに記載されているか又は当業者に知られている他の適した各種材料の何れか、の1つ又はそれ以上の材料片を使用して作ることができる。この特定の実施形態では、支持フレーム40は、複数の辺部と、隣接する辺部を互いに繋ぐ屈曲部とを有する一片のニチノールワイヤを含んでいる。この種の屈曲部には、コイル、フィレット、又は、他の適した形態、例えば、応力と疲労を軽減することができるように設計されているもの、が含まれる。支持フレーム40は、概括的に図示しているように、開口が形成された随意的な屈曲部適合化要素41を組み込んでいる。一片のワイヤは、カニューレ片又ははんだの様な取り付け機構によってワイヤ自身に接合されて、外周が閉じたフレームを形成しているのが好ましい。或る態様では、外周が閉じたフレーム
(例えば、八角フレーム)は、1つ又は複数の他の物体部分(一片のワイヤの両端)を一体に接合することにより構成されているのではなく、代わりに、外周が閉じた一フレームとして、例えば、単一装置として型成形されるか、又は大きな材料片から形成されて(例えば、金属の材料シートからレーザーカットされて)いる。或る好適なフレームの実施形態は、図2Aに示されているものの様な8つの辺部を有する多角形であるが、直線及び/又は曲線の各成分を有する他の形状、例えば、円形又は楕円形の形状、又は、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又は任意の適した数の辺部を有する他の多角形の形状も考えられる。
支持フレーム40は、図2Aには弛緩状態が示されており、弾性を有する装置である。而して、フレームは、この弛緩した第1の状態から、変形した第2の状態に(例えば、押し潰す、圧縮するなどして)変形させることができる。この変形した第2の状態にある時、弾性フレームは、基本的にその弛緩した第1の状態に復帰できる状態にある。例示的に、支持フレーム40は、フレームをその弛緩状態のまま嵌め込むことができる直径よりも比較的小さい直径を有する送達装置管腔内に配置するため、(例えば、フレームの各部分を1回又は複数回折り畳み、及び/又は丸めることにより)圧縮状態に圧縮することができる。この圧縮状態では、フレームは、次に、送達装置の管腔から取り出されると同時に、自己拡張して、基本的に自身の以前の弛緩状態に復帰できる能力を有している。
或る好適な実施形態では、キャッピング部材は、支持フレームと変形可能な被覆材料を含んでいる。支持フレームと被覆材料は、それぞれ、1つ又はそれ以上の各種材料を使って形成することができる。例示的には、弾性材料(例えば、ニチノール)で形成された支持フレームを、シート形態の再吸収性又は非再吸収性の材料と、そして、場合によっては多層構造の(例えば、改変可能)材料と、組み合わせることができ、この組合せは、瘻開口を塞ぐのに、そして、場合によっては封鎖するのに適した配置となる。この種の配置は、限定するわけではないが、1つの略平坦な面にある支持フレームと、支持フレームの各周辺領域の間に張られたシート形態の変形可能な被覆材料と、を含んでいるキャッピング部材を含んでいるが、その他の各種キャッピング部材の形状と構成も、本発明の範囲に含まれるものと考えている。それらの装置の幾つかは、腸壁に一次開口を有する瘻を治療するのに使用することができ、この点に関して、望ましく配備された時、腸管腔を瘻管から遮断するか又は別のやり方で排除する効果を発揮する。
被覆材料は、支持部材と組み合わされる前、その間、及び/又は、後、に扱うことができる。或る例では、被覆材料が、支持フレームと関係付けられる前に既に形成される。別の例では、被覆材料は、支持フレーム又はその一部が存在する状態で完全に又は部分的に形成されるようになっている。被覆材料は、存在する場合は、支持装置と組み合わされることになるが、被覆材料を装置に結合すること及び/又は機械的に締結することを伴うやり方を含め、様々なやり方で、支持装置に取り付けるか又は別のやり方で適切に関係付けることができる。或る例では、被覆材料の縁が、フレームの或る区間に被せて折り曲げられ、材料の別の部分に取り付けられて、支持フレームと共に被覆材料を保持するためのスリーブ又は他のチャネル状の適合化要素となる。
本発明の特定の実施形態は、拡張可能なフレーム部材の1つ又はそれ以上の面(例えば、内側面及び/又は外側面)上の全面的又は部分的被覆材料と関係付けられた、拡張可能な又は別のやり方で変形可能なフレーム部材を含んでいるキャッピング部材を提供している。有る実施形態では、被覆材料は、独自のやり方で、拡張可能なフレーム部材と関係付けられている。例えば、被覆材料は、被覆材料の拡張可能なフレーム部材への取り付けの維持を支援するため、拡張可能なフレーム部材の周りにぴったり沿う輪郭に作られているか、又は、拡張可能なフレーム部材の各要素が全体的に又は部分的に被覆部材に埋め込まれていてもよい。これにより、被覆材料を拡張可能なフレーム部材に保持するための、縫
合糸の様な他の機械的取り付け具の必要性を回避し、低減し、又は、簡素化することができる。それは、また、或る形態では、フレームの収縮時及び/又は拡張時でさえ、被覆材料と拡張可能なフレーム部材又はその各要素との独自の比較的固定的な関係付けが提供されている。例示的には、フレーム部材が全体的又は部分的に埋め込まれた被覆は、重合可能な、架橋結合可能な、又は、別のやり方で硬化可能な流動性材料を、フレーム部材の全体又は一部の上及び周りに流し込み、この流動性材料を、重合させ、架橋結合させ、及び/又は、別のやり方で硬化させることにより、作ることができる。他に、可撓性を有する材料をフレームの周りに配置し、その後、この材料を、物理的に、化学的に、及び/又は、別のやり方で、改質し(例えば、凍結乾燥、加熱、その他を介して)、材料の可撓性を弱めて、材料をフレームと関係付けた状態に保つようにした例もある。
キャッピング部材支持フレームは、本発明で使用する場合、効果的なキャッピング部材配置を形成するため、1つ又はそれ以上の各種材料と関係付けることができる。蓋をするという目的に有用な被覆及び他の材料には、本明細書の別の箇所に記載されている天然由来の又は天然由来でない各材料が含まれる。この点に関して、再吸収性材料と非再吸収性材料を共に採用することができる。或る好適な実施形態では、ポリマー材料を支持構造と関係付けて、有用なキャッピング部材を形成している。それらには、合成ポリマー類と非合成ポリマー類が含まれる。それら様々な材料は、様々なやり方で、支持部材に取り付け、或いは関係付けることができ、その様な方法の中には、成形済みの材料を機械的に締結すること、フレームの各部分に沿って及び/又はそれらの周りに材料を(例えば、成形型又は型枠内に、吹き付け被覆、浸漬被覆などにより)形成すること、熱成形、溶剤溶解、及び、それらの派生法及び組合せを伴うものが含まれる。
或る例では、押し潰すことができる支持フレームに沿って緊張して張られている可撓性の被覆材料は、フレームが押し潰される際にフレームと共に折り畳まれ及び/又は丸められ、フレームがその以前の形状に復帰すると同時に、基本的にその以前の状態に復帰し、再度緊張して張られた状態になる。次に図2Bを参照すると、図2Aの支持フレームを組み込んだキャッピング部材50が示されている。キャッピング部材50には、フレームに取り付けられ、フレームの向かい合う周辺縁の間を延びる、変形可能な被覆材料52が追加して含まれている。或る好適な実施形態では、キャッピング部材50は、一般的に、体内構造壁の瘻開口(例えば、消化管壁の一次瘻開口)上に配置された時、キャッピング部材の各外側領域(即ち、支持フレームを含んでいる外側領域)が開口を越えて体内構造壁に沿って伸張し、開口に隣接する体内構造壁の各部分に接触し、キャッピング部材の各内側領域が開口を覆い、塞ぐことができるような大きさと構成を有している。
或る例では、キャッピング部材50の様なキャッピング部材は、当部材から伸張する少なくとも1つの細長い装置(例えば、縫合糸、プラグ部材、その他)を含む。例えば、細長いプラグは、被覆材料52の、例えば支持フレーム周囲に対して中心に位置する領域に、接続する(例えば、縫合する、糊づけする、など)ことができる。このやり方では、装置は、患者体内に、キャッピング部材50が瘻開口を覆って配置され、細長いプラグ部材がこの開口から伸張している瘻管の中まで伸張するように、配置される。この位置で、細長いプラグ部材は、変形可能な被覆材料52の各部分が瘻管の中に引き込まれるように、蓋をされた瘻開口から離れる方向に引かれることができる。支持フレーム40は、被覆材料52の内側領域が瘻管の中に引き込まれ、支持フレーム40と被覆材料52の外側領域が瘻管の外部に残るように、キャッピング部材50用の或る種のアンカーになっているのが望ましい。或る例では、十分な可撓性を有する被覆材料がこのやり方で引かれると、被覆材料の一部が変形して、瘻開口の患者組織に接触させるための凸状又は他の類似の面を提供し、開口を封鎖又は実質的に封鎖することができる。
図3Aと図3Bは、キャッピング部材70と、このキャッピング部材から伸張する略円
筒形の細長いプラグ部材72とを含んでいる、本発明の医療用グラフト装置60を示している。プラグ部材72は、瘻管の少なくとも一部の中まで伸張しこれを満たすことができるように構成されており、その寸法は長さを含めて変えることができ、当業者には理解頂けるように、特定の用途にとって適したプラグ寸法とすることができる。或る例では、プラグの長さは、瘻管全体を貫いて最大約15cm又はそれより長く伸張させるように設定されているが、その様なプラグは、特定の管の全部又は一部に嵌め込むために所望のサイズに切断してもよい。また、細長いプラグ部材72は、1つ又はそれ以上の各種材料で形成され、或る好適な実施形態では、限定するわけではないが、単層又は多層の天然由来の材料(例えば、コラーゲン性ECM材料)の様な丸められたシート形態の材料で形成されてよい。キャッピング部材70は、変形可能な被覆材料73を含んでおり、その底面の中心に位置する領域から離れる方向に(概ね垂直方向に)伸張する鞘部分74を追加的に含んでいることを除いて図2Bに示されているものと同様である。キャッピング部材70は、上面76を含んでいる。鞘部分74は、図3Aに概略的に示すように、プラグ部材72の少なくとも一部を覆って配置され、その部分に沿って伸長するように構成されている。複数の縫合糸78が、鞘部分74をプラグ部材72に取り付けているが、本発明の範囲内で、その他の各種取り付け手段が考えられる。
本発明に利用可能なキャッピング部材鞘部分は、キャッピング部材の残り部分とは別に形成し、その後、この残り部分と一体化してもよいし、或いは、既存のキャッピング部材構成要素の一部として形成してもよい。この特定の実施形態では、鞘部分74は、キャッピング部材の残り部分から離れる方向に伸張する被覆材料72の一部を構成している。例示的に、この種の鞘部分は、支持フレームの周りに巻きつけることができると共に、一方の側に鞘又は鞘の様なキャッピング部材構成要素を形成するために十分な材料が残るような、十分な大きさを有する被覆材料を提供することにより形成することができる。或る例では、多少可撓性を有する材料を、フレームの周りにその様なやり方で配置し、次いで、同材料に、物理的に、化学的に、及び/又は、別のやり方で処理を施し(例えば、凍結乾燥させる、加熱する、その他)、同材料を所望の形状に保つために、同材料の可撓性を低下させている。
再度図3Bを参照すると、或る使用様式では、グラフト装置60は、患者体内に、キャッピング部材70が体内構造壁90に生じている瘻開口80を覆って配置され、細長いプラグ部材72がこの開口から伸張している瘻管91の中まで伸張するように、植え込まれる。この位置で、プラグ部材72は、概略的に示されているように、変形可能な被覆材料73の各部分が瘻管の中に引き込まれるように、矢印が示す方向に(即ち、蓋をされた瘻開口から離れる方向に)引かれることができる。或る代替実施形態では、グラフト装置60は、細長いプラグ部材72から(例えば、キャッピング部材70とは反対側の端から離れる方向に)伸張している係留紐を組み込んでおり、この係留紐は、送達中に或る特定の地点で装置の位置を操作するのに有用である。この種の係留紐は、プラグ部材72に埋め込まれるか、取り付けられるか、又は、別のやり方で関係付けられた、縫合糸(例えば、2−0ビクリル縫合糸)であってもよい。
支持フレームは、プラグ部材72に相当量の引っ張り力が加えられた時でも、瘻管の外側に(例えば、或る領域内の体内構造壁に沿って、瘻管開口部を越して或る適した距離だけ伸張した状態で)留まる大きさと構成を有しているのが望ましい。このやり方では、キャッピング部材70が図3Bに示すように変形した時、支持フレームと被覆材料の外側に残った部分100は、瘻管の外側に留まり、一方、被覆材料の、それまで(即ち、変形前)は瘻管の外側に在った部分はこの時点で瘻管内に存在し、内在化された被覆材料部分101を形成する。或る形態では、キャッピング部材は、被覆材料の一部が、概ね非平面的な状態で、例えば、カップ型又はカップの様な形状で、瘻開口の患者組織に正に一致して沿うように変形する。プラグ部材72は、次いで、例えば、1つ又はそれ以上の縫合糸を
使って、正しい位置で患者組織に固定され、キャッピング部材の適合状態が保たれることになる。
グラフト装置60と他の同種の発明の装置は、特に、腸皮膚瘻及び他の胃腸瘻を治療するのに適しているが、その様な装置は、同様に、その他様々な瘻を治療するのに適合化させることもできる。それら装置は、どの様な適したやり方で植え込んでもよい。或る好適な実施形態では、グラフト装置60は、送達鞘又は他の同種の送達装置、例えば、下で詳しく説明している裂開可能な鞘、の支援を受けて設置される。或る作動様式では、ワイヤガイドの遠位端が、蛍光透視法による誘導下で、二次瘻開口を通して腸皮膚瘻管に送り込まれ一次開口に向けて進められる。ワイヤは、その遠位端が一次開口を通り消化管に進入するまで進められる。その後、ワイヤ外挿式の拡張器と鞘の組合せ体の端部が、同様のやり方で瘻管を通して、例えば、鞘が一次開口の位置か又は一次開口を越したばかりの位置に配置されるまで進められる。次いで、拡張器が取り出され、鞘(例えば、チェックフロー(check−flow)・シース)と、恐らくはガイドワイヤも、瘻管内に残される。或る例では、ワイヤガイドは拡張器と共に取り出される。次いで、グラフト装置60の様な適した大きさと形状を有するグラフト装置が、鞘の近位端を通してその中に装填されるが、この時、例えば、最初に、キャッピング部材70が圧縮された(例えば、1回又は複数回折り畳まれ、及び/又は、丸められた)状態で鞘に入り、これに続いて、細長いプラグ部材72が入る。プラグ部材は、次いで、全体が鞘の中に手で押し込まれることができる。キャッピング部材は、圧縮された状態にある時、送達装置の管腔から取り出されると同時にその拡張した状態に復帰することができる状態にある。
次に、ワイヤ外挿式押し器が鞘の近位端の中に導入され、グラフト装置の少なくとも一部が鞘の遠位端から望ましく押し出される(例えば、キャッピング部材70が拡張状態で、消化管の中へ或る距離だけ伸長した状態になる)まで、鞘の遠位端に向けて進められる。或る例では、キャッピング部材及び/又はプラグ部材には、送達中の装置の画像化を支援するための装置又は材料が組み込まれている。例示的には、ステンレス鋼製ボタン又は他の同種の装置をプラグ部材のキャッピング部材に近い端に取り付けてもよい。また、キャッピング部材の支持フレームを、放射線不透過性材料で形成してもよい。或いは、支持フレームは、コラーゲン性ECM材料(例えば、SIS)、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート類又はPHAポリマー類、その他、の様な再吸収性材料で形成し、これに放射線不透過性マーカーを取り付けてもよい。
次いで、押し器を、背圧を加えるようにプラグ部材72に接触させて設置して、同時に送達鞘を取り出し、而して、瘻管内部での装置の好ましい配置を維持する。鞘と押し器を取り出した後、プラグ部材72を操作して、例えば上で説明したように、キャッピング部材部材70の所望の変形を実現することができる。キャッピング部材70が望ましく変形したら、次いで、プラグ部材72を正しい位置に固定し(例えば、二次瘻開口及び/又はその周りの患者組織に縫い付けるか又は別のやり方で固定し)、キャッピング部材をこの変形した状態に維持する。場合によっては、プラグ部材は、キャッピング部材が変形した時に、二次開口から外に或る距離だけ伸張している。この部分は、随意的に、プラグが正しい位置に固定される前又は後に、切り落としてもよい。本発明のより広範な態様に必須というわけではないが、本実施形態では、プラグ部材72は、キャッピング部材の上面76を画定している材料の下側に、直接的又は間接的に取り付けられており、この点に関して、内在化された被覆材料部分101は、この面を画定している材料の一部を含んでいる。或る態様では、支持フレームは、被覆材料に、再吸収性縫合糸を使って取り付けられており、最初にプラグを配備した時点から或る一定の時間が経過した後、フレームをグラフト装置の残り部分から切り離して、消化管を通して外部に出すことができるようになっている。
或る好適な実施形態では、植え込み処置の後の、例えば、改変可能材料がプラグ装着アッセンブリに利用されている場合には、改変の間の、管の排液処理をやり易くするために、二次開口を塞ぐか又は別のやり方で閉じることのないように注意せねばならない。無論、上で説明した各工程は、当業者には理解頂けるように、何れの適した順序で行ってもよい。例えば、グラフト装置は、送達装置を瘻管内に配置する前に、送達装置に事前に装填しておいてもよい。或る例では、或る送達システム構成要素(例えば、ワイヤガイド、拡張器、押し出し器、その他)が特定の送達用途には不要と判断された場合、この構成要素は、送達システム及び関係する送達方法がある場合はその方法から除外されるものとする。
図4Aは、本発明の別の実施形態による医療用グラフト装置120を示している。装置120は、キャッピング部材121とキャッピング部材から伸張している細長いプラグ部材122を含んでいる。プラグ部材122は、瘻管の中まで伸張することができるように、そして、恐らくは瘻管を充填することができるように、構成されている。その様なプラグ部材は、本明細書の別の箇所に記載されているように、例えば、図3Aと図3Bに描かれているプラグ部材に関して記載されているように形成してもよい。或る例では、この種のプラグは、長さが約10cm乃至約20cmの範囲にあり、より一般的には約15cm乃至約18cmの範囲にある。
キャッピング部材121は、八角形の弾性を有する支持フレーム124の外側縁部の間を延びる部分を有する変形可能な材料123で構成されている。支持フレーム124は、ニチノール製の外周が閉じているフレームである。或る好適な実施形態では、変形可能な材料は、ポリマー材料、例えば、限定するわけではないが、ソラロン(THORALON)(登録商標)の様なポリウレタン材料、熱可塑性シリコーン類、その他、の様な合成ポリマー類で構成されている。或る例では、ECM又は他の天然由来材料の様な天然由来の材料が追加的に又は代替的に含まれている。その様な材料は、他の(単数又は複数の)材料で被覆された、例えば、PCL被覆又はPLGA被覆が施されたコラーゲン材料(例えば、被覆されたSIS材料)でもよい。その様な材料は、支持フレーム上に及び/又は周りに、全体的又は部分的に形成しもよいし、或いは、別の構成要素として提供し、その後、支持フレームと適切に組み合わされてもよい。或る好適な実施形態では、合成ポリマーは、支持フレームの周りに熱成形され、支持フレームの各部分が全体的に又は部分的に埋め込まれているのが望ましい。
キャッピング部材121は、上面127を含んでおり、この面は、装置が瘻内に望ましく植え込まれた場合、腸管腔に面することができるように構成されている。変形可能な材料123は、キャッピング部材の底面の中心に位置する領域から離れる方向に(概ね垂直方向に)伸張している鞘部分128も提供している。鞘部分128は、図4Aに概略的に示しているように、プラグ部材122の少なくとも一区間に被せて配置され、この区間に沿って伸長することができるように構成されている。複数の縫合糸129が、鞘部分128をプラグ部材122に取り付けているが、本発明の範囲内で、他の各種取り付け手段が考えられる。ステンレス鋼又は他の適した放射線不透過性マーカーを、装置120の遠位領域に組み込んでもよい。潜在的に、製品の取り扱い及び/又は送達を支援するため、係留紐130(例えば、縫合糸材料)を、プラグ本体の、その近位端付近に取り付け、近位側にプラグ本体から離れる方向に伸ばしてもよい。
装置120は、図3Aと図3Bに関連して上で説明したやり方を含め、何れの適したやり方で、瘻管の中に送り込んでもよい。1つの実施形態では、キャッピング部材121は、キャッピング部材121の第1の縁部分がプラグ部材122の近位端に向けて撓み、キャッピング部材121の第2(反対側)の縁部分が概ね反対方向(即ち、プラグ部材122の近位端から離れる方向に)撓むように、送達管腔内に配置される。その様な状態では
、キャッピング部材121の一部は、プラグ部材122の外部側面に重なるか、又は別のやり方で、後ろ向きに伸張して同外部側面に被さり、そして恐らくは同面を包むように沿い、キャッピング部材121のもう一方の部分は、プラグ部材122の遠位端の前で外方に伸張することになるが、或る実施形態では、他の折り畳み又は小型化のパターンを使用することもできる。装置120を送達装置管腔の中にどの様に配置させることができるかについての一例が、図4Bに描かれている。このように配置されている時、キャッピング部材は、送達装置131の管腔から取り出されると同時にその概ね変形していない状態に復帰することができる。
或る形態では、そうでなければ、キャッピング部材が概ね弛緩状態にある時にはプラグ部材の長手方向軸に基本的に垂直であるはずのキャッピング部材の各部分は、この長手方向軸に対して平行な(又は、平行により近い)位置に置かれる。送達装置管腔内に配置されている時、それらキャッピング部材の各部分は、管腔を画定している送達装置の内部壁によって拘束され及び/又は同内壁に沿っていてもよい。同様に、プラグ部材の外部側面に沿って伸長しているキャッピング部材の何れも部分も、それらプラグ部材各面に少なくとも多少沿っていてもよい。
プラグ部材122は、プラグの相当の部分が第1直径を有している、略円筒形をしている。プラグは、その遠位端付近が、図示のように第2のより小さい直径へと先細りになっている。より小さい直径の遠位端領域は、装置120を送達鞘の中に装填する時、キャッピング部材の各部分をプラグ部材上に折り返した状態で受け入れるか又は別のやり方で収容するのに有用であり、より小さな直径の送達鞘でも使用できるようにしている。キャッピング部材の少なくとも一部をプラグ部材部分に沿って配置して受け入れるか又は別の方法で収容するためのその様な凹部又は他の同様の空間は、当業者には理解頂けるであろうし、従って、本発明に包含される。装置120は、プラグ部材122に多少緊密に被せて配置されている薄いカバー133を追加的に含んでいる。カバー133は、適した材料(例えば、合成ポリマー)で形成することができ、製品の保存中、取扱中、及び/又は、送達中に、装置を保護するのに有用である。装置120は、カバー133内に設置する前及び/又は後に滅菌消毒してもよい。或る送達様式では、装置120は、配備中に医師がプラグ本体122に直接触れないように、カバー133から、設置されたカテーテル又は他の同様の送達装置の中に直接移される。
本発明の特定の態様に有用な送達装置は、遠位側の開口端と連通している管腔を有している。この「先端側の」遠位端は、体内の通路及び他の開空間の中に送り込まれるように構成されている。本発明のより広範な態様にとって必須というわけではないが、この遠位端又はその何れかの部分は、特に、装置を特定の体内通路を通して前進させる作業を向上させることができるように構成されており、その様な構成には、先細部分及び/又はドーム形状又は別に丸みを付けられた先端部を有していることが含まれる。従って、その様な装置は、周辺の軟組織を実質的に切ったり引き裂いたりすることを避けながら、ここに記載している各機能を果たすのに適した、どの様な大きさ、形状、及び、構成を呈していてもよい。
送達装置を使用してグラフト装置を瘻管の中に送り込む場合、その様な装置は、長さが約2インチ乃至約12インチ(約50.80mm乃至約304.8mm)、より典型的には約3インチ乃至約9インチ(約76.20mm乃至約228.6mm)、更に典型的には約4乃至約8インチ(約101.6mm乃至約203.2mm)になっている。また、それらの装置は、外径が約0.3mm乃至約3.2mm、より典型的には約0.5mm乃至約3.0mm、更に典型的には約1.0mm乃至約2.5mmになっている。
或る実施形態では、送達装置は、剛性を有するか又は実質的に剛性を有し、例えば、或
る特定の単純な又は真っ直ぐな瘻の治療に使用されるのに合わせて概ね真っ直ぐに構成されている。或いは、本発明に有用な送達装置は、曲線状の、曲がっている、又は、別のやり方で適切な形状に整形されている、1つ又はそれ以上の部分を含むように構成することもできる。特定の態様では、送達装置の遠位端は、遠位端を、複雑な瘻、例えば、馬蹄形の瘻及び/又は一次瘻開口を通して消化管の中まで容易に送り込めるように、或る程度まで湾曲している。或る形態では、送達装置は、限定するわけではないが、織られるか又は螺旋形状に構成されている金属又は合金材料、或いは、プラスチック(炭化水素を主成分とする)の様な展性を有する材料で構成されていて、その様な材料は、例えば、瘻管を通り抜けることができるようにするため、必要な角度又は曲率に曲げることができる。その様な送達装置の形状は、最終的に一次開口が確認されるまで、送達装置を瘻管内へ更に奥へ奥へと進めることができるように、処置の特定の間隔で調節されることができる。或る形態では、送達装置は、弛緩状態では概ね真っ直ぐであるが、通過中は各輪郭に適合するように撓ませることができる。
この点について、送達装置は、本発明に使用する場合は、1つ又はそれ以上の各種材料で形成することができる。特定の材料は、限定するわけではないが、その重量、耐久性、可撓性などの様なその1つ又はそれ以上の特性を利用できるように選択されることができる。例えば、或る装置は、座屈又は捩れ又は体内通路を画定している軟組織への受け入れ難い損傷を生じさせること無く装置に体内通路を横断させることができる特性を有する材料を備えている。例示的に、装置又はその選択された各部分(例えば、遠位端)は、或る程度の可撓性を呈していてもよい。この点について、送達装置又はその何れかの部分は、剛性、展性、半可撓性、又は可撓性を有していてもよい。特定の実施形態では、管腔内を前進させることのできる装置は、消化管を横断する時、瘻開口を通過し及び中まで入る時、瘻管を横断する時などの様な時に、鋭い角度が付いているか又は急に曲がっている体内通路を通って中へ進めるように、特に適合化されている。それら実施形態の幾つかでは、装置は、通路を通して方向決めできるか操舵できるように構成されており、従って、所望の特性、例えば、施術者が、所望のやり方で装置に通路を横断させるのに適切な順行力を、装置に加えることができるようにするのに十分な剛性を有している。
本発明の送達装置又は装置の構成要素を形成するのに適した材料には、限定するわけではないが、ステンレス鋼、チタン、コバルト、タンタル、金、白金、ニッケル、鉄、銅、及び、同種のもの、並びに、それら金属の合金類(例えば、エルジロイ(Elgiloy)(登録商標)の様なコバルト合金、コバルト−クロム−ニッケル合金、MP35N、ニッケル−コバルト−クロム−モリブデン合金、及び、ニッケル−チタン合金であるニチノール(Nitinol)(登録商標))を含めた金属材料が含まれる。それに加え又は代えて、送達装置は、糸、繊維、及び/又は、樹脂の形態の材料、例えば、モノフィラメントの糸類、不屈性に優れたポリエステル、及び、同種のもの、を含んでいてもよい。送達装置は、更に、他の、プラスチック製、樹脂製、ポリマー製、織られた、及び、布製、の外科材料、形状記憶プラスチックの様な他の従来の合成外科材料、及び/又は、その様な材料の各組合せ、を含んでいてもよい。更に、限定するわけではないが、ヒドロキシアパタイト、アルミナ、及び、熱分解カーボンを含め、適切なセラミックスを使用することができる。
或る形態では、可撓性を有する送達装置には、送達作業の間に装置を体内から取り出し易くするため、1つ又はそれ以上の適合化要素が組み込まれている。例示的に、保護スリーブには、スリーブを管から取り出す際に割く動作をやり易くするためにスリーブの一部を弱体化する、刻み目、薄化部分、及び、他の孔又は非孔要素、を組み込むことができる。その様な弱体化させた部分は、当該区域に沿って裂け又は破断し易くするためのどの様な適した手段を含んでいてもよい。特定の好都合な形態では、保護スリーブは制御されたやり方で長手方向に2つ又はそれ以上の切片に分けて取り出すことができ、例えば、その
様な特性は、米国インディアナ州ブルーミントンのCook Incorporated社から市販されているピールアウェイ(Peel−Away)(登録商標)カテーテルに見られる。分離可能なスリーブを有するその様な装置は、外側の皮膚表面に二次開口を有し、且つ、一次開口が、瘻管を通す以外にアクセスするのが比較的困難な瘻を治療する場合に特に有用であり、その様な瘻は、例えば、腸皮膚瘻に高い割合で見られる。或る態様では、送達システムは、適した大きさと構成を有する内側拡張器、割くことができる鞘、及び鞘内を並進させることができる「押し器」装置、を備えており、この態様では、それらの全ては設置されたガイドワイヤに外挿することができる。
或る形態では、瘻は、本発明の医療用グラフト製品を受け入れる前に排液処理が施される。その様な排液処理は、瘻に串線として知られている細い直径のゴム製排水管を挿入することにより行うことができる。串線は、瘻管に通され、中の組織を囲んでループ状に結わえられ、瘻が確実に閉鎖又は封鎖される前の数週間又は数か月の間留置される。この処置は、大抵、当該区域から汚染液を排出するために、及び、確実な閉鎖処置の前に瘻管を養生させるために、行われる。
1つの実施形態では、本発明の医療用グラフト製品は、グラフト本体に関係付けられた誘導具、例えば、グラフト本体に糊付けされるか又は結び付けられた縫合糸、を含んでいる。この誘導具は、グラフト本体を瘻内の適した位置に引き入れるのに使用される。或る態様では、誘導具を使用して、適切な瘻グラフトを患者体内に十分に引き込んで設置した後、紐は、例えば切断用ハサミを使用して、グラフトから取り除かれることができる。代替形態では、紐又は縫合糸は、紐又は縫合糸を瘻管内の正しい場所に留置することができるように、改変可能な或いは再吸収性の材料から作ることができる。それらの形態では、再吸収性の誘導具は、瘻グラフトを植え込み部位内で錨着するか又は別のやり方で適切に固定するのに使用することができる。例えば、誘導具は、適切な場所、例えば、二次瘻開口の正に内側又は外の場所の、患者組織に結び付けることができる。更に、代替実施形態では、例示的な瘻グラフトは、瘻管の全長に亘るように、即ち、一次開口から二次開口の場所又はその外の場所までの範囲に入るように、配置することができる。それらの実施形態では、紐又は縫合糸は、グラフトの尾部を患者組織に外部位置で固定するのに使用することができる。
本発明の医療用グラフト製品は、滅菌医療用包装内に密封することもできる。例えば、医療用グラフト製品は、裏張り層と前面膜層を含んでいる包装を有していてもよい。医療用グラフト製品は、医療用包装では従来から行われているように、感圧性接着剤の境界を利用して裏張層と膜層の間に密封される。裏張層には、使用者が膜層を裏張層から分離させ易くするために切れ目が設けられている。
医療用グラフト製品の滅菌は、例えば、照射、エチレンオキシドガス、又はその他適した滅菌技法により実施され、医療用包装の材料及び他の特性は然るべく選択される。また、本発明の医療用グラフト製品は、どの様な適した状態で滅菌包装に入れられていてもよい。適した状態には、例えば、水和又は脱水状態が含まれる。医療用グラフト製品は、当技術で既知のどの様な方法(例えば、凍結乾燥又は空気乾燥)で脱水してもよい。本発明の医療用グラフト製品が脱水状態で保存される場合、このグラフト製品は、その生物学的及び機械的特性(例えば、形状、密度、可撓性、その他)の全てが、再水和された際にそのまま保持されているのが好ましい。
包装の材料及び他の特性は、然るべく選択される。例えば、包装は、包装の内容物を、人、及び/又は、機械、コンピュータ、又は他の電子機器、に知らせるための表示を含んでいてもよい。その様な表示には、包装の内容物の、寸法、形成に使用された材料の種類、及び/又は、物理的状態、が含まれていてもよい。特定の実施形態では、医療用グラフ
ト製品は、販売用に使用説明書と共に包装されている。例えば、或る特に好適な実施形態では、医療用グラフト製品は、滅菌包装内に密封された少なくとも1つの医療用グラフト製品を含んでおり、この実施形態では、包装は、少なくとも1つの医療用グラフト製品をここで説明されている物理的各特性を有するものとして特定している目に見える表示を有しており、及び/又は、当該内容物を、その様な物理的各特性を有するものとして特定し且つ瘻を治療するための医療用グラフト製品としてのその使用法に関する情報を含んでいる印刷物が、中に入っているか又は別のやり方で添付されていてもよい。包装は、更に、少なくとも医療用グラフト製品の寸法に関する、及び/又は、構成された少なくとも1つの医療用グラフト製品が対象としている(単数又は複数の)治療部位に関する、目に見える表示を含んでいてもよい。
本発明は、一連の医療用グラフト製品も提供しており、本発明の医療製品は、ここで説明している様な1つ又はそれ以上の医療用グラフト製品が密閉包装内に封入されたものを含んでいる。医療製品が2つ以上の医療用グラフト製品、例えば複数の医療用グラフト製品を含んでいる場合、各製品は、それぞれ実質的に同じ大きさと形状であってもよいし、或いは、大きさと形状が異なっていてもよい。
更に、本発明の各医療用グラフト製品は、配備前、配備中、及び/又は、配備後に、変更を加えることができる。例示的に、製品は、切断し、切り揃え、滅菌し、及び/又は、ここで先に開示したものの何れかの様な1つ又はそれ以上の所望の組成物、例えば、抗凝固剤類(ヘパリン)等、成長因子類、又は、他の所望の特性改質剤、で処理を施してもよい(例えば、接触させる、含浸させる、被覆を施すなどしてよい)。特定の態様では、本発明によるグラフト本体の配備に続き、本体の1つ又はそれ以上の部分、例えば、一次開口及び/又は存在する場合には二次開口から突き出ている材料は、切り揃えられるか又は別のやり方で取り除かれる。
更に、ここで説明している瘻治療法は、所与の医療処置時に、1つ又はそれ以上の瘻を閉鎖するのに使用することができる。また、本発明の方法は、複雑瘻を治療するのにも使用することができる。多重瘻の場合は、各瘻の処置が済むまで、複数の医療用グラフト製品を移植することができる。複雑瘻の場合、例えば、馬蹄形の瘻では、1つの一次開口と、この開口から伸張している2つ又はそれ以上の瘻管が存在していることもある。その様な例では、医療用グラフト製品は、グラフト本体が1つのキャッピング部材と2つ又はそれ以上の細長いプラグ部材を含んでいる構成を有していてもよい。それぞれのプラグ部材は、一次開口の中に引き込まれ、その後、そこから伸張している瘻の1つに挿入される。本体の細長いプラグ部材のそれぞれ及び/又はキャッピング部材は、必要に応じ、縫合糸及び/又は接触剤によって固定してもよく、余計な材料がある場合にはそれらを切り揃えてもよい。更に、ここでの説明は瘻の治療に焦点を当てているが、特定の実施形態では、本発明の医療用グラフト装置は、外傷、疾病、又は他の原因によって生じた体組織を貫く他の望ましくない空隙又は管路、特に、臓器壁又は他の組織壁から発生し隣接する組織の中に広がっている空隙又は管路、の治療に合わせて構成し、その様な治療に使用してもよい。
本発明を説明している文脈中(特に、特許請求の範囲の文脈中)の、「或る」及び「一」(”a”and ”an”)及び「当該の」(”the”)並びに同種の表現は、別途指示のない限り、又は、文脈により明確に否定されない限り、単数と複数の両方を含むものとする。ここでの各数値範囲の引用は、別途指示の無い限り、範囲内に入るそれぞれ別々の数値を個別に言及する簡単明瞭な方法として供することを意図したまでであり、それぞれ別々の数値は、ここで個別に言及されているかのように、本明細書に組み込まれるものとする。ここに説明している全ての方法は、別途指示のない限り、又は、文脈により明確に否定されない限り、何れの適した順序で行ってもよい。ここに提示しているありとあ
らゆる例、又は、例示用語(例えば、「〜の様な」)は、本発明をより深く解明することを意図したまでであり、別途主張されない限り、本発明の範囲に制限を課すものではない。本明細書の用語はどれも、特許請求の範囲に記載されていない何らかの要素を、本発明の実施に不可欠であるものとして表していると、解釈されるべきではない。
本発明を実施するに当たり、発明者らにとって既知である最良の形態を含め、本発明の好適な実施形態をここに説明した。無論、当業者には、これまでの説明を読んで頂ければ、それら好適な実施形態の各種変型が自明になることであろう。発明者らは、当業者が、必要に応じ、その様な変型を採用するものと予想しており、発明者らは、ここに具体的に説明した以外のやり方でも本発明が実施され得るものと考えている。従って、本発明は、特許請求の範囲に記載されている主題の、適用される法律により許可される全ての変更及び等価物を含むものとする。更に、ここで別途指示のない限り、又は、文脈により明確に否定されない限り、その全ての可能な変型における、上で説明されている各要素のどの様な組み合わせも範囲に含まれるものとする。更に、ここで援用している全ての特許及び刊行物は、当業者の能力を示すものであって、参照により個別に援用され全面的に記載されているかのように、それらの全内容は参照により本明細書中に包含される。
尚、本願発明は、特許請求の範囲に記載されるものの他、以下の態様を含む。
1.消化管の壁の一次開口と瘻管とを有する瘻を治療するのに用いられる医療用グラフト製品であって、
前記瘻の少なくとも前記一次開口を塞ぐように構成されている、生体適合性を有するグラフト本体であって、キャッピング部材と、近位端と遠位端を有する細長いプラグ部材であって、該細長いプラグ部材を貫通する管腔を有する細長いプラグ部材と、を備えており、前記キャッピング部材は、前記細長いプラグ部材の前記遠位端から伸張していて、前記一次開口に隣接する前記消化管の壁の部分に接触するように構成されており、前記細長いプラグ部材は、前記瘻管の少なくとも一部の中まで伸張するように構成されていて、複数
の通路を含んでおり、前記通路の各々の長手方向軸は、前記細長いプラグ部材の外部面の互いに対向する側の間が連通するように、前記管腔を通って延びている、生体適合性を有するグラフト本体、を備えている医療用グラフト製品。
2.前記細長いプラグ部材は、該細長いプラグ部材の外部面から外に伸張する複数の隆起面を更に備えている、上記1.に記載の医療用グラフト製品。
3.前記キャッピング部材と前記細長いプラグ部材のうち少なくとも一方は、拡張可能な要素を備えている、上記1.に記載の医療用グラフト製品。
4.前記キャッピング部材は、拡張可能な要素を備えている、上記1.に記載の医療用グラフト製品。
5.前記拡張可能な要素は、自己拡張式である、上記3.に記載の医療用グラフト製品。
6.前記拡張可能な要素は、発泡材料を備えている、上記3.に記載の医療用グラフト製品。
7.前記拡張可能な要素は、ワイヤフレームを備えている、上記3.に記載の医療用グラフト製品。
8.瘻を治療するためのグラフト製品であって、
瘻の管内に留置するように構成されているグラフト本体と、
前記瘻の開口に隣接する組織に接触するように構成されているキャッピング部材と、を備えており、
前記キャッピング部材は、前記グラフト本体の端部領域に接続されており、
前記キャッピング部材は、前記グラフト本体の外部側面に沿って位置決め可能な部分を含んでいる、グラフト製品。
9.医療用グラフト製品であって、
キャッピング部材と、
前記キャッピング部材から伸張する細長いグラフト本体と、を備えており、
前記キャッピング部材は、前記細長いグラフト本体の外部側面を覆って配置することができる部分を含んでおり、
前記キャッピング部材の部分は、前記細長いグラフト本体の前記外部側面に沿わせることができる、医療用グラフト製品。
10.少なくとも体内構造壁の開口と前記開口から伸張する瘻管とを有する瘻を治療するための装置であって、
遠位端開口と連通している管腔を有する送達装置であって、前記瘻管と前記開口を通るように構成されている、送達装置と、
前記送達装置の管腔内に取り出し可能に配置される医療用グラフト装置であって、キャッピング部材と細長いプラグ部材を含んでいる、生体適合性を有するグラフト本体を備えており、前記キャッピング部材は、前記送達装置の管腔内にある時、前記キャッピング部材の少なくとも一部が前記細長いプラグ部材の外部側面に沿って位置決め可能である、第1状態に形成することができ、前記細長いプラグ部材は、前記キャッピング部材から伸張していて、前記瘻管の少なくとも一部を満たすのに効果的である、医療用グラフト装置と、を備えている装置。

Claims (27)

  1. 消化管の壁の一次開口と瘻管とを有する瘻を治療するのに用いられる医療用グラフト製品であって、
    前記瘻の少なくとも前記一次開口を塞ぐことができるように構成されている、生体適合性を有するグラフト本体であって、キャッピング部材と前記キャッピング部材から伸張する細長いプラグ部材とを備えており、前記キャッピング部材は、前記細長いプラグ部材に蝶番式連結要素によって蝶番式に連結されていて、前記一次開口に隣接する前記消化管の壁の部分に接触するように構成されており、前記細長いプラグ部材は、前記瘻管の少なくとも一部の中まで伸張し、前記一部を満たすように構成されている、生体適合性を有するグラフト本体、を備えており、
    前記キャッピング部材が、前記細長いプラグ部材の外部側面に沿って巻き付け可能な部分を備えており、
    前記キャッピング部材の部分が、前記細長いプラグ部材の外部側面に一致するように沿うことができる医療用グラフト製品。
  2. 遠位端開口と連通している管腔を有する送達装置であって、前記瘻管と前記一次開口を通るように構成されている、送達装置を備えており、
    前記生体適合性を有するグラフト本体は、前記キャッピング部材の部分が前記細長いプラグ部材の前記外部側面に沿って位置決めされた状態で、前記送達装置の管腔内に取り外し可能に配置される、請求項に記載の医療用グラフト製品。
  3. 請求項1に記載の医療用グラフト製品であって、
    前記製品は、さらに、
    遠位端開口と連通している管腔を有する送達装置であって、前記瘻管と前記一次開口を通るように構成されている、送達装置を備えており
    前記グラフト本体は、前記キャッピング部材の前記一部が、前記細長いプラグ部材の外部側面に一致するように前記細長いプラグ部材の前記外部側面に沿って巻き付けられた状態で、前記送達装置の管腔内に取り外し可能に配置される、
    医療用グラフト製品。
  4. 前記キャッピング部材と前記細長いプラグ部材は、縫合糸材料で互いに蝶番式に連結されている、請求項1に記載の医療用グラフト製品。
  5. 前記キャッピング部材と前記細長いプラグ部材のうち少なくとも一方は、再吸収性材料を備えている、請求項1に記載の医療用グラフト製品。
  6. 前記キャッピング部材と前記細長いプラグ部材のうち少なくとも一方は、コラーゲン性材料を備えている、請求項1に記載の医療用グラフト製品。
  7. 前記コラーゲン性材料は、改変可能コラーゲン性材料である、請求項に記載の医療用グラフト製品。
  8. 前記改変可能コラーゲン性材料は、細胞外基質(ECM)材料を備えている、請求項に記載の医療用グラフト製品。
  9. 前記ECM材料は、粘膜下組織を備えている、請求項に記載の医療用グラフト製品。
  10. 前記粘膜下組織は、腸、膀胱、又は、胃の粘膜下組織である、請求項に記載の医療用グラフト製品。
  11. 前記粘膜下組織は、小腸の粘膜下組織(SIS)である、請求項10に記載の医療用グラフト製品。
  12. 前記キャッピング部材と前記細長いプラグ部材は、差別的に乾燥されている、請求項1に記載の医療用グラフト製品。
  13. 前記キャッピング部材は、合成材料を備えている、請求項1に記載の医療用グラフト製品。
  14. 前記キャッピング部材は、金属材料を備えている、請求項1に記載の医療用グラフト製品。
  15. 前記キャッピング部材は、変形可能な被覆材料を支持する支持フレームを含んでいる、請求項1に記載の医療用グラフト製品。
  16. 前記変形可能な被覆材料は、合成ポリマー材料を備えている、請求項1に記載の医療用グラフト製品。
  17. 前記キャッピング部材は、生分解性材料を備えている、請求項1に記載の医療用グラフト製品。
  18. 前記キャッピング部材は、前記医療用グラフト製品が植え込まれた時、前記一次開口の中まで伸張するように構成された部分を有している、請求項1に記載の医療用グラフト製品。
  19. 前記細長いプラグ部材は、前記医療用グラフト製品が植え込まれた時、前記一次開口を通り前記瘻管の中まで伸張するように構成された部分を有している、請求項1に記載の医療用グラフト製品。
  20. 前記細長いプラグ部材は、前記医療用グラフト製品が植え込まれた時、前記キャッピング部材から前記瘻管を通り前記瘻の二次開口から外に伸張するのに十分な長さを有している、請求項1に記載の医療用グラフト製品。
  21. 前記細長いプラグ部材は、管状の形状を有している、請求項1に記載の医療用グラフト製品。
  22. 前記細長いプラグ部材は、断面寸法が3mm乃至20mmである、請求項1に記載の医療用グラフト製品。
  23. 前記細長いプラグ部材は、断面寸法が5mm乃至15mmである、請求項1に記載の医療用グラフト製品。
  24. 前記グラフト本体と関係付けられた縫合糸であって、前記グラフト本体を前記一次開口の中まで引き入れるのに効果的である縫合糸を更に備えている、請求項1に記載の医療用グラフト製品。
  25. 前記グラフト本体と関係付けられた縫合糸であって、前記キャッピング部材を前記一次開口に隣接する腸壁の部分に接触させて保持するのに効果的である縫合糸を更に備えている、請求項1に記載の医療用グラフト製品。
  26. 前記グラフト本体は、前記キャッピング部材を前記一次開口に隣接する腸壁の部分に接触させて維持するための固定適合要素を備えている、請求項1に記載の医療用グラフト製品。
  27. 前記固定適合要素は、前記グラフト本体上に配置された、乾燥可逆性接着剤を備えている、請求項26に記載の医療用グラフト製品。
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