JP5268769B2 - 難燃性を有する化合物を含む熱硬化型樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

難燃性を有する化合物を含む熱硬化型樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Description

本発明は、高分子材料の難燃化を目的として、種々の高分子材料と重合可能な反応性化合物であるホスフィンオキサイド化合物を含む熱硬化型樹脂組成物及びその硬化物に関する。その用途としては、特に電気的な絶縁を目的とする材料、具体的にはプリント配線板に用いられるプリプレグ、銅箔貼合用接着剤、層間絶縁材料、熱硬化型ソルダーレジスト、ビアホール穴埋め剤等が挙げられる。
従来、一般的に難燃性材料の構成成分としてリン酸型構造を有する化合物を用いることは知られている。しかし、これらの化合物はリン酸に由来する酸性基による悪影響、例えば、酸性による他の成分の加水分解の促進、又は、金属性等の基材の腐食を起こし、該化合物を含む組成物の硬化物の長期にわたる耐久性に問題を残している。特に回路基板用の材料とした場合、導線の腐食は重要な問題である。
特許文献1には、本発明と類似構造を有すリン系難燃剤が記載されているが、重合反応性を有する官能基を持たないため、難燃剤が硬化物からブリードアウトしやすく、特に、高温・多湿下の劣悪な環境下においては難燃性能が低下してしまうという問題を有していた。
特許文献2には、特定構造を有するリン含有官能基とハイドロキノン構造を一分子中に併せて有する難燃剤と、エポキシ樹脂組成物とを含有する組成物が開示されており、該組成物の硬化物は難燃剤を容易にブリードアウトしない構造をとっている。しかしながら、該硬化物はその比誘電率が高いため、プリント配線板に使用する場合には誘電損失が起き、高周波領域での使用が難しい。
特許文献3には、本発明に用いられるホスフィンオキサイド化合物について記載されているが、他の熱重合性化合物を必須成分として含む熱硬化型樹脂組成物については記載されておらず、その硬化物が有する高温・多湿下でも難燃性が低下せず、更に比誘電率が低いという特性についても記載はない。
特開2001−323268号公報 特開2002−241470号公報 特許第3454544号公報
高い難燃性を有し、且つ高温多湿下においても難燃性の劣化が少なく、硬化物の比誘電率が低く、高周波領域においても安定して使用できるプリント配線板等の絶縁材料となる熱硬化型樹脂組成物が求められている。
本発明者らは、前記課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、重合反応性を示す特定の構造を有するホスフィンオキサイド化合物及びエポキシ化合物を含有する熱硬化型樹脂組成物が前記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、次の(1)〜(11)に関する。
(1)下記式(I)
Figure 0005268769
(式中、Rは炭素数1〜4の飽和又は不飽和炭化水素基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示す。)
で表わされるホスフィンオキサイド化合物(A)、及びエポキシ化合物(B)を含む熱硬化型樹脂組成物。
(2)ホスフィンオキサイド化合物(A)におけるRがメチレン基、エチレン基又はプロピレン基である前記(1)記載の熱硬化型樹脂組成物。
(3)エポキシ化合物(B)が一分子中に2個以上のエポキシ基を有し、且つエポキシ当量が150〜450g/eqである前記(1)又は(2)に記載の熱硬化型樹脂組成物。
(4)更に、エポキシ硬化剤(C)を含有する前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の熱硬化型樹脂組成物。
(5)熱重合可能な不飽和結合を有する化合物(D)を含有する前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の熱硬化型樹脂組成物。
(6)成形用材料である前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の熱硬化型樹脂組成物。
(7)皮膜形成用材料である前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の熱硬化型樹脂組成物。
(8)電気絶縁材料である前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の熱硬化型樹脂組成物。
(9)プリント配線板用材料である前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の熱硬化型樹脂組成物。
(10)前記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の熱硬化型樹脂組成物を100〜300℃で加熱硬化させることを特徴とする硬化物の製造法。
(11)前記(10)に記載の熱硬化型樹脂組成物の硬化物の層を有する多層材料。
本発明の熱硬化型樹脂組成物を加熱硬化して得られる硬化物は、十分に満足し得る難燃性樹脂であり、且つ耐熱性、耐湿性に優れ、電気絶縁性が良好で長期にわたる信頼性に優れた材料である。従って、該熱硬化性樹脂組成物は、成型用材料、皮膜形成用材料であり、特に電気絶縁性に特徴を有する材料に好適に使用できる。更に具体的には、プリント配線板に用いられるプリプレグ、銅箔貼合用接着剤、層間絶縁材料、熱硬化型ソルダーレジスト、ビアホール穴埋め材料等に適するものである。このほかの用途として接着剤、レンズ、ディスプレー、光ファイバー、光導波路、ホログラム等用の成分が挙げられる。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明の熱硬化型樹脂組成物は前記式(I)(式中、Rは炭素数1〜4の飽和又は不飽和炭化水素基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示す。)で表わされるホスフィンオキサイド化合物(A)、及びエポキシ化合物(B)を含む。
前記式(I)中におけるRとしては炭素数1〜4の飽和又は不飽和炭化水素基が挙げられ、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、エチニル基、プロペニル基等である。これらのうち、難燃性という目的を達するためには分子中のリン含量を高めることが肝要である。従って、炭素数は少ないほうがより好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が好ましく、炭素数1のメチレン基がもっとも好ましい。
としては水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が挙げられ、これらのうち、材料の入手の容易さから水素原子又はメチル基、即ち、アクリレート構造である化合物又はメタクリレート構造である化合物が特に好ましい。
前記式(I)で表わされるホスフィンオキサイド化合物(A)は、例えば、下記式(II)
Figure 0005268769
(式中、Rは前記と同じ意味を示す。)
で表わされるアルコール性化合物と、アクリル酸又はメタクリル酸等の分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物とを酸触媒の存在下で脱水縮合反応させて製造されるが、その製造法は本製造法に限定されはしない。該エチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物は、前記ホスフィンオキサイド化合物(A)に熱による反応性を付与させるために使用される。
該酸触媒としては、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の公知の無機酸あるいは有機酸から任意に選択でき、その使用量は分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物に対して0.1〜10モル%、好ましくは1〜5モル%である。
反応により生成した水を留去するために共沸溶媒を用いることができる。ここでいう共沸溶媒とは60〜130℃の沸点を有し、水と容易に分離できるものであり、特に、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素の使用が好ましい。その使用量は任意であるが、好ましくは反応混合物に対し10〜70重量%である。
反応温度は60〜130℃の範囲でよいが、反応時間の短縮と重合防止の点から75〜120℃で行なうのが好ましい。
反応に用いる市販品の(メタ)アクリル酸等には、既にp−メトキシフェノール等の重合禁止剤が添加されているのが普通であるが、反応時に改めて重合禁止剤を添加してもよい。そのような重合禁止剤の例としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、3−ヒドロキシチオフェノール、p−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−p−ベンゾキノン、フェノチアジン等が好ましい。その使用量は反応原料混合物に対し0.01〜1重量%程度でよい。
前記式(II)で表されるアルコール性化合物は、例えば、Rがメチレン基の場合、下記式(III)
Figure 0005268769
で表わされる化合物とホルムアルデヒドとを反応させて得られる。又、この化合物は市販品、例えば、三光株式会社製の商品名HCAとして入手することもできる。
又、Rがメチレン基以外の化合物は文献公知の方法を応用して製造することができる。
本発明の熱硬化型樹脂組成物に含有されるホスフィンオキサイド化合物(A)の好適な配合量は、該熱硬化性樹脂組成物の固形分中1〜40重量%、より好ましくは5〜30重量%である。この配合量が1重量%よりも少ない場合は難燃性等のホスフィンオキサイド化合物(A)の効果が現れにくくなり、又、配合量が40重量%を超える場合は絶縁特性等に悪影響が生じる。
本発明の熱硬化型樹脂組成物においてホスフィンオキサイド化合物(A)と組み合わせてエポキシ化合物(B)を使用することにより、難燃性を有しつつ、且つ強靭な硬化物を得ることができる。
該エポキシ化合物(B)としては、その硬化物の使用目的や要求される特性により任意に選び得るものであり、通常のエポキシ化合物を使用することができる。
該エポキシ化合物(B)としては単官能エポキシ化合物が挙げられ、例えば、フェニルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
該エポキシ化合物(B)としては一分子中に2個以上のエポキシ基を含むエポキシ化合物が好ましい。これは単官能エポキシ化合物を用いるよりも、より強固な硬化物を得ることができるためである。
又、該エポキシ化合物(B)のエポキシ当量としては、好ましくは150〜450g/eq、更に好ましくは180〜350g/eqの範囲である。エポキシ当量が150g/eqより小さい場合には得られる硬化物が脆弱となりやすく、又、450g/eqを超える場合には架橋部位が減るために得られる硬化物は軟弱となりやすい。
該エポキシ化合物(B)としての分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノール−Aノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、グリオキサール型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
該フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロンN−770(DIC(株)製)、D.E.N438(ダウ・ケミカル社製)、jER154(ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPPN−201、RE−306(いずれも日本化薬(株)製)等が挙げられる。
該クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロンN−695(DIC(株)製)、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S(いずれも日本化薬(株)製)、UVR−6650(ユニオンカーバイド社製)、ESCN−195(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
該トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂としては、例えば、EPPN−503、EPPN−502H、EPPN−501H(いずれも日本化薬(株)製)、TACTIX−742(ダウ・ケミカル社製)、jER E1032H60(ジャパンエポキシレジン(株)製)等が挙げられる。
該ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロンEXA−7200(DIC(株)製)、TACTIX−556(ダウ・ケミカル社製)等が挙げられる。
該ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、jER828、jER1001(いずれもジャパンエポキシレジン(株)製)、UVR−6410(ユニオンカーバイド社製)、D.E.R−331(ダウ・ケミカル社製)、YD−8125(東都化成(株)製)、NER−1202、NER−1302(いずれも日本化薬(株)製)等のビスフェノール−A型エポキシ樹脂、UVR−6490(ユニオンカーバイド社製)、YDF−8170(東都化成(株)製)、NER−7403、NER−7604(いずれも日本化薬(株)製)等のビスフェノール−F型エポキシ樹脂等が挙げられる。
該ビフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、NC−3000、NC−3000−H、NC−3000−L(いずれも日本化薬(株)製)等のビフェノール型エポキシ樹脂、YX−4000(ジャパンエポキシレジン(株)製)等のビキシレノール型エポキシ樹脂、YL−6121(ジャパンエポキシレジン(株)製)等が挙げられる。
該ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロンN−880(DIC(株)製)、jER E157S75(ジャパンエポキシレジン(株)製)等が挙げられる。
該ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂としては、例えば、NC−7000(日本化薬(株)製)、EXA−4750(DIC(株)製)等が挙げられる。
該グリオキサール型エポキシ樹脂としては、例えば、GTR−1800(日本化薬(株)製)等が挙げられる。
該脂環式エポキシ樹脂としては、例えば、EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。
該複素環式エポキシ樹脂としては、例えば、TEPIC(日産化学工業(株)製)等が挙げられる。
中でも、難燃性の点においてビフェノール型エポキシ樹脂が特に有効で、例えば、NC−3000、NC−3000−H、NC−3000−L(いずれも日本化薬(株)製)等が特に好ましい。
エポキシ化合物(B)の本発明の熱硬化型樹脂組成物中における好適な配合量は、該熱硬化性樹脂組成物の固形分中5〜80重量%、より好ましくは10〜70重量%である。配合量が5%より少ない場合は得られる硬化物が軟弱となり、又、配合量が80%を超える場合は下記エポキシ硬化剤とのバランスが悪くなり熱硬化型樹脂組成物の硬化性等に悪影響が生じる。
本発明の熱硬化型樹脂組成物に含有されていてもよいエポキシ硬化剤(C)は、エポキシ化合物(B)とともに用いられると熱により強固な架橋構造を構成する化合物である。これらはエポキシ基と反応可能な官能基を有する。即ち、該エポキシ硬化剤(C)としては、例えば、アミノ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、酸無水物、アミド系化合物又はフェノール性水酸基含有化合物等が挙げられる。
又、エポキシ硬化剤(C)に関し、芳香族系化合物と脂環族系化合物、脂肪族系化合物のいずれも使用することができる。芳香族系化合物は耐熱性に優れた硬化物を得ることができる。脂環族系化合物は比較的柔軟でありながら、強靭な硬化物を得ることができる。脂肪族系化合物は柔軟で高い密着性を有する硬化物を得ることができる。これらはそれぞれ適する用途に適宜選択されるべきものであり、例えば、プリント配線板用途には、脂環族系若しくは芳香族系化合物を選択するのが好ましい。
該エポキシ硬化剤(C)としては、芳香族系アミノ基含有化合物としてジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、キシレンジアミン、ナフタレンジアミン、ベンゾクアナミン、イミダゾール若しくはその誘導体、グアニジン若しくはその誘導体等が挙げられる。
脂環族系アミノ基含有化合物としてアミノエチルピペラジン、イソホロンジアミン、水添ジアミノジフェニルメタン、水添ジメチルジアミノジフェニルメタン、メンセンジアミン、水添キシリレンジアミン等が挙げられる。
脂肪族系アミノ基含有化合物としてジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
該エポキシ硬化剤(C)としては、芳香族系カルボキシル基含有化合物としてフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等が挙げられる。
脂環族系カルボキシル基含有化合物としてテトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルハイミック酸、ハイミック酸、ナジック酸等が挙げられる。
脂肪族系カルボキシル基含有化合物としてマレイン酸、コハク酸、ドデシルコハク酸等が挙げられる。
該エポキシ硬化剤(C)としては、芳香族系酸無水物として無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、スチレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
脂環族系酸無水物としてテトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水メチルハイミック酸、無水ハイミック酸、無水ナジック酸等が挙げられる。
脂肪族系酸無水物として無水マレイン酸、無水コハク酸、ドデシル無水コハク酸等が挙げられる。
該エポキシ硬化剤(C)としては、アミド系化合物としてジシアンジアミド、若しくはリノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。
該エポキシ硬化剤(C)としては、フェノール系化合物として多価フェノール類(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン若しくは1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等);一価フェノール類(例えば、フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン若しくはジヒドロキシナフタレン等)と、アルデヒド類(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド若しくはフルフラール等)、ケトン類(例えば、p−ヒドロキシアセトフェノン若しくはo−ヒドロキシアセトフェノン等)又はジエン類(例えば、ジシクロペンタジエン若しくはトリシクロペンタジエン等)との縮合により得られるフェノール樹脂;前記一価フェノール類と、置換ビフェニル類(例えば、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル若しくは4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル等)又は置換フェニル類(例えば、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン若しくは1,4−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン等)等との重縮合により得られるフェノール樹脂;前記一価フェノール類及び/又は前記フェノール樹脂の変性物;テトラブロモビスフェノールA又は臭素化フェノール樹脂等のハロゲン化フェノール類等が挙げられる。
本発明の熱硬化型樹脂組成物において硬化剤(C)を含有する場合、その使用量はエポキシ化合物(B)のエポキシ基1当量に対して0.5〜2.0当量程度が好ましく、0.6〜1.5当量程度が特に好ましい。即ち、硬化促進剤(C)の本発明の熱硬化型樹脂組成物における好適な配合量は、該熱硬化型樹脂組成物の固形分中1〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。該硬化促進剤(C)が50重量%を超える場合は硬化物が軟弱となる。
本発明の熱硬化型樹脂組成物には、成分(A)、成分(B)、成分(C)以外の熱重合可能な不飽和結合を有する化合物(D)を加えることもできる。該化合物(D)は、ホスフィンオキサイド化合物(A)が有する不飽和基と熱硬化工程中に共重合することにより、より強固な硬化物とすることができる。
熱重合可能な不飽和結合としては、1分子中に1個以上、好ましくは2個以上含まれている(メタ)アクリル基、ビニル基、ビニルエーテル基等が挙げられる。
1分子中に熱重合可能な不飽和結合を1個有する化合物(D)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のジオール化合物のモノ(メタ)アクリレート化合物、スチレン、メチルスチレン等のスチレン系化合物等が挙げられる。
次に、1分子中に熱重合可能な不飽和結合を2個以上有する化合物(D)について説明する。
2個以上の(メタ)アクリル基を有する化合物(D)としては、例えば、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アジピン酸エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ヒドロキシビバリン酸ネオペングリコールジ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリエチロールプロパントリ(メタ)アクリレート若しくはそのエチレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート若しくはそのエチレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート若しくはそのエチレンオキサイド付加物等の(メタ)アクリル酸エステル化合物が挙げられる。
該化合物(D)としてのその他の化合物としては、複数の(メタ)アクリル基とウレタン結合を同一分子内に併せ持つウレタン(メタ)アクリレート化合物、複数の(メタ)アクリル基とエステル結合を同一分子内に併せ持つポリエステル(メタ)アクリレート化合物、エポキシ樹脂から誘導され複数の(メタ)アクリル基を併せ持つエポキシ(メタ)アクリレート化合物、これらの結合を複合的に有する反応性オリゴマー等が挙げられる。
該ウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、水酸基含有(メタ)アクリレート類とポリイソシアネート、必要に応じて使用してもよいその他アルコール類との反応物が挙げられる。例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等のグリセリン(メタ)アクリレート類、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の糖アルコール(メタ)アクリレート類と、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ジシクロヘキサンメチレンジイソシアネート、若しくはそれらのイソシアヌレートやビュレット反応物等のポリイソシアネート等とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート化合物である。
該エポキシ(メタ)アクリレート化合物としては、エポキシ基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とのエポキシカルボキシレート化合物が挙げられる。例えば、フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−F型エポキシ(メタ)アクリレート、ビフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−Aノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、ナフタレン骨格含有エポキシ(メタ)アクリレート、グリオキサール型エポキシ(メタ)アクリレート、複素環式エポキシ(メタ)アクリレート等、若しくはそれらの酸無水物変性エポキシアクリレート等である。
2個以上のビニル基を有する化合物(D)としては、エチレングリコールジビニルエーテル等のビニルエーテル類、ジビニルベンゼン等のジビニル置換芳香族化合物、トリアリルイソシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
熱重合可能な不飽和結合を有する化合物(D)の本発明の熱硬化型エポキシ樹脂組成物中の配合量としては、該熱硬化性樹脂組成物の固形分中0〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%である。配合量が30重量%を超える場合は硬化収縮等の問題から硬化物が脆弱となる。
本発明の熱硬化型樹脂組成物には、用途に応じて、適宜その他材料を加えることができる。その他材料としては、例えば、硬化触媒、反応開始剤、その他の樹脂類、体質若しくは着色顔料、溶剤等が挙げられ、これらの中から1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の熱硬化型樹脂組成物中におけるその他材料の配合量は、該熱硬化性樹脂組成物の固形分中0〜89重量%、より好ましくは20〜70重量%である。配合量が89重量%を超える場合は本発明の硬化物の有する効果が発揮されない。
該硬化触媒としては、エポキシ化合物を熱により硬化させる際に該エポキシ化合物のエポキシ基とエポキシ硬化剤との反応を促進させるものであり、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール若しくは2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、トリエタノールアミン若しくは1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン若しくはトリブチルホスフィン等の有機ホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属化合物、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート若しくはテトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート若しくはN−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボレート等が挙げられる。該硬化触媒は、エポキシ化合物100部に対して0.01〜15部程度が必要に応じ用いられる。
本発明の熱硬化型樹脂組成物中における該硬化触媒の配合量は、該熱硬化性樹脂組成物の固形分中0〜7重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。配合量が多すぎる場合は硬化物が軟弱となる。
該反応開始剤としては、ホスフィンオキサイド化合物(A)の不飽和結合を反応させるためのラジカル等を発生させるものである。したがって、一般に用いられている熱ラジカル反応開始剤が使用でき、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(メトキシジメチルバレロニトリル)、ジメチルアゾビス(メチルプロピオネート)、アゾビス(メチルブチロニトリル)、アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、アゾビス((プロペニル)メチルメチルプロピオンアミド)、(シアノ―メチルエチル)アゾ)ホルムアミド、アゾビス(ブチル―メチルプロピオンアミド)、アゾビス((N−シクロヘキシル)メチルプロピオンアミド)、アゾビス(イミダゾリニルプロパン)ジヒドロクロライド等のアゾ系反応開始剤、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、ブチルヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジメチルジ(ブチルペルオキシ)ヘキサン、ブチルクミルペルオキシド、ジブチルペルオキシシクロヘキサン、ジブチルペルオキシブタン等の過酸化物系反応開始剤等が挙げられる。
本発明の熱硬化型樹脂組成物中における該反応開始剤の配合量は、該熱硬化性樹脂組成物の固形分中0〜5重量%、より好ましくは0.5〜3重量%である。配合量が多すぎる場合は硬化物が軟弱となる。
該その他樹脂類とは、前記の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)以外の熱硬化性樹脂類であれば特に限定されず、例えば、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、アクリル若しくはその共重合樹脂、熱可塑性シリコーン樹脂、塩化ビニル若しくはその共重合樹脂、フルオロエチレン若しくはその共重合樹脂、アクリロニトリル若しくはその共重合樹脂、スチレン若しくはその共重合樹脂、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリフェニルエーテル、ポリメチレンエーテル等のポリエーテル系樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等のポリアリールケトン、ポリフェニルスルホン、ポリフェニルエーテルスルホン、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド等の熱可塑性樹脂類、その他のフェノール樹脂、フェノキシ樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂、グリオキサール樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、イソシアネート樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂、熱硬化性ジシクロペンタジエン樹脂、天然若しくは合成ゴム等が挙げられる。
これら樹脂のうち、本発明の熱硬化型樹脂組成物及び該樹脂組成物の硬化物の特性を最大限発揮させるために、耐熱性が高く比誘電率が低い樹脂を組み合わせることが好ましい。
該着色顔料としては、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系等の有機顔料、カーボンブラック等、酸化チタン等の無機顔料が挙げられる。
又、着色を目的としない顔料、いわゆる体質顔料としては、例えば、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸バリウム、水酸化アルミニウム、シリカ、クレー等が挙げられる。これらの添加は、本発明の硬化物の更なる耐熱性向上や流動性の改良、機械的強度の向上等を目的とするものである。
該溶剤とは、使用目的に応じた粘度を調整するために使用され、ホスフィンオキサイド化合物(A)及びエポキシ化合物(B)を溶解できれば特に限定されないが、揮発性溶剤が好適に用いられる。例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族系炭化水素溶剤、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素溶剤、及びそれらの混合物である石油エーテル、ホワイトガソリン、ソルベントナフサ等が挙げられる。
又、エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のアルキルアセテート類、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、エチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ブチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート等のモノ、若しくはポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート類、グルタル酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキル等のポリカルボン酸アルキルエステル類等が挙げられる。
又、エーテル系溶剤としては、ジエチルエーテル、エチルブチルエーテル等のアルキルエーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類等が挙げられる。
又、ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等が挙げられる。
又、アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルキルモノオール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール系溶剤、及びこれらグリコール系溶剤のモノエーテル化合物等が挙げられる。
該溶剤の含有量は、熱硬化型樹脂組成物固形分100重量部に対して50重量部程度、好ましくは35重量部程度である。
本発明の熱硬化型樹脂組成物を使用することができる成形用材料とは、未硬化又は半硬化の組成物を型にいれ、若しくは型を押し付け、物体を成形したのちに加熱して硬化反応を起こさせ物品とする用途に用いる材料を指す。
例えば、平面状に成形したシートや繊維に樹脂を含浸させ半硬化状態としたいわゆるプリプレグ、素子を保護するための封止材、未硬化の組成物に微細加工された「型」を押し当て微細な成形を行ういわゆるナノインプリント材料等が好適な用途として挙げられる。
本発明の熱硬化型樹脂組成物を使用することができる皮膜形成用材料とは、基材表面を被覆するものである。例えば、グラビアインキ、フレキソインキ、シルクスクリーンインキ、オフセットインキ等のインキ材料、ハードコート、トップコート、オーバープリントニス、クリヤコート等の塗工材料、ラミネート用や光ディスク用等の各種接着剤・粘着剤等の接着材料、ソルダーレジスト用レジスト、更には多層基板等に用いられる層間絶縁材料のレジスト材料等が挙げられる。加えて、皮膜形成用材料を一時的に剥離性基材に塗工しフィルム化した後、本来目的とする基材に貼合し皮膜を形成させる、いわゆるドライフィルムやフィルム型層間絶縁材料も皮膜形成用材料等に含まれる。
本発明の熱硬化型樹脂組成物を使用することができる電気絶縁材料とは、基材上に該組成物の皮膜層を形成させ、電子回路やその部品等において、対象とする2箇所の間で電気抵抗が大きく電圧を掛けても電流が流れない状態にするものである。例えば、プリント配線板、フレキシブル配線板のオーバーコート材や多層基板の層間絶縁材料、半導体工業における固体素子への絶縁膜やパッシベーション膜の成型材料、半導体集積回路や多層プリント配線板等の層間絶縁材料等が挙げられる。
本発明の熱硬化型樹脂組成物を使用することができるプリント配線板用材料とは、リジッド若しくはフレキシブル基板を構成するための材料である。例えば、プリント配線板用プリプレグ、銅箔貼合用接着層、多層基板における層間絶縁材料、いわゆるビルドアップ基板用絶縁材料等が挙げられる。
プリント配線板用材料としての用途は、高い難燃性を有していながら高温高湿の条件にも耐えうることができ、更には比誘電率が低いことによる誘電損失が少ないという本発明の硬化物の特徴を最大限発揮できるものである。
本発明の熱硬化型樹脂組成物を硬化させる際、100℃〜300℃の範囲で熱硬化させることが好ましく、150℃〜250℃の範囲がより好ましい。この硬化物も本発明に含まれる。
これよりも加熱温度が低い場合には、硬化に時間がかかり生産性が悪化し、この範囲よりも加熱温度が高い場合には、樹脂の熱分解等が懸念される。
本発明の熱硬化型樹脂組成物の硬化物の層を有する多層材料とは、本発明の熱硬化型樹脂組成物を硬化させて得られ、その他の材料と層を持ってなす材料である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。又、実施例中特に断りがない限り、部は重量部を示す。
合成例1−1:ホスフィンオキサイド化合物(A−1:R=メチレン基、R=水素原子)の合成
攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた2L反応器に、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(三光(株)製HCA)を216.2g(1.0mol)とトルエン246.2gを仕込み、温度80〜90℃にて溶解させた。次いで攪拌下、パラホルムアルデヒド30.0g(1.0mol)を徐々に仕込み、80℃〜90℃の反応温度で3時間反応させ、白色結晶物を246.2g得た。
得られた結晶物246.2g(1.0mol)、アクリル酸144.7g(2.0mol)、トルエン400g、メトキノン1.5g、p−トルエンスルホン酸一水和物14.5gを仕込み、105〜110℃で13時間脱水縮合反応を行い、得られた反応液を10%炭酸ナトリウム水溶液で2回、20%食塩水で1回洗浄した後、トルエンを減圧蒸留して淡黄色液状のホスフィンオキサイド化合物(A−1)を267.9g(収率89.2%)得た。
このホスフィンオキサイド化合物(A−1)は以下の物性を示す。
粘度(40℃) 6300mPa・s
屈折率(20℃) 1.6145
H−NMR(CDCl、δ)
4.80ppm(2H)、5.60ppm(1H)、6.16ppm(1H)、6.45ppm(1H)、7.24−7.93ppm(8H)
合成例1−2:ホスフィンオキサイド化合物(A−2:R=メチレン基、R=メチル基)の合成
攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた2L反応器に、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(三光(株)製HCA)を216.2g(1.0mol)とトルエン246.2gを仕込み、温度80〜90℃にて溶解させた。次いで攪拌下、パラホルムアルデヒド30.0g(1.0mol)を徐々に仕込み、80℃〜90℃の反応温度で3時間反応させ、白色結晶物を246.2g得た。
得られた結晶物246.2g(1.0mol)、メタクリル酸172g(2.0mol)、トルエン500g、メトキノン1.7g、p−トルエンスルホン酸一水和物17gを仕込み、105〜110℃で13時間脱水縮合反応を行い、得られた反応液を10%炭酸ナトリウム水溶液で2回、20%食塩水で1回洗浄した後、トルエンを減圧蒸留して淡黄色液状のホスフィンオキサイド化合物(A−2)を262g(収率83.4%)得た。
このホスフィンオキサイド化合物(A−2)は以下の物性を示す。
粘度(40℃) 5200mPa・s
屈折率(20℃) 1.6078
H−NMR(CDCl、δ)
1.96ppm(3H)、4.80ppm(2H)、5.60ppm(1H)、6.16ppm(1H)、7.24−7.93ppm(8H)
実施例1:本発明の熱硬化型樹脂組成物を用いたプリント基板用プリプレグ材料の調製
合成例で調製したホスフィンオキサイド化合物(A)を表1中記載量、エポキシ化合物(B)を表1中記載量、エポキシ硬化剤(C)を表1中記載量、熱重合可能な不飽和結合を有する化合物(D)として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、KAYARAD DPHA)を表1中記載量仕込み、80℃にて加熱混合した。混合終了後、混合液を40℃に冷却し、硬化触媒としてトリフェニルホスフィン1g、反応開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1gを添加し、均一になるまでよく攪拌し樹脂液を得た。
得られた樹脂液をガラスクロスに含浸させ、プリプレグを得た。
更に得られたプリプレグの両面を厚さ15ミクロンの銅箔ではさみ、熱板プレスで150℃に加熱しながら90分間プレスを行い、厚さ約150ミクロンのプリント配線板となる銅貼積層板を得た。
得られた積層板を銅エッチング液により銅層をすべて剥離し、積層板の樹脂部のみを取り出して、以下の評価用サンプルとした。
比較例1:その他の熱硬化型樹脂組成物を用いたプリント基板用プリプレグ材料の調製
表1中記載のその他のホスフィンオキサイド化合物を表1中記載量用いたことを除き、実施例1の方法に準じ熱硬化型樹脂組成物を得た。更に同様にして評価用サンプルを得た。
表1
Figure 0005268769
RE−310S:ビスフェノールA型エポキシ化合物(日本化薬(株)製、平均官能基数
2、エポキシ当量190g/eq)
NC−3000:ビフェノール型エポキシ化合物(日本化薬(株)製、平均官能基数4、エポキシ当量250g/eq)
GPH−65:ビフェニル型フェノール樹脂(置換ビフェニル類とフェノールの重縮合により得られるフェノール樹脂)KAYAHARD GPH−65(日本化薬(株)製、平均官能基数5、水酸基当量200g/eq)
EP4080G:クレゾールノボラック樹脂(旭有機材(株)製、平均官能基数8、水酸基当量200g/Eq)
HCA:9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(三光(株)製)
HCA―HQ:9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド―ハイドロキノン付加物(三光(株)製)
試験例1:プリント基板材料の評価(難燃性)
実施例1−1〜実施例1−5又は比較例1−1〜比較例1−3で得られた基板材料サンプルを幅2cm、長さ15cmの短冊状に切り出した評価用サンプルを、長辺側を縦方向とし垂直に吊るした。下部よりライターで着火させ、その燃え具合を確認した。
又、短冊状に切り出した評価用サンプルを120℃のオートクレーブ中に100時間置き高温高湿下における保存安定性試験とし、その後の難燃性を同様に評価した。
難燃性の評価基準
◎:炎を近づけても燃えない。
○:炎を近づけると、一瞬着火するがすぐ消える。
△:炎を近づけると、着火するが燃え尽きる前に消火する。
×:炎を近づけると、炎上してしまう。
表2
実施例No. サンプルNo. 難燃性評価 難燃性評価(安定性試験後)
実施例2−1 実施例1−1 ◎ ○
実施例2−2 実施例1−2 ◎ ○
実施例2−3 実施例1−3 ○ ○
実施例2−4 実施例1−4 ○ △
実施例2−5 実施例1−5 △ △
比較例2−1 比較例1−1 ◎ ×
比較例2−2 比較例1−2 ◎ ○
比較例2−3 比較例1−3 × ×
以上の結果より、本発明のホスフィンオキサイド化合物(A)を含有した熱硬化性組成物は高い難燃性を有する硬化物を与えることが明らかとなり、高温高湿下に保存後でも優れた難燃性を示した。又、反応性を有しないホスフィンオキサイド化合物を含有する比較例1−1は高温高湿下における保存安定性試験の結果、難燃性が大きく低下する。
試験例2:比誘電率の測定
前記実施例1−1及び前記比較例1−2で得られた評価用サンプルについて、JIS C6481 5−12:1996の方法に従い1MHzにおける比誘電率を測定した。その結果を下記表3にまとめた。
表3
測定試料 比誘電率
実施例1−1 4.3
比較例1−2 4.9
前記試験例1において比較的高い高温高湿耐性を有していた実施例1−1と比較例1−2の評価サンプルを用い、1MHzにおける比誘電率を比較したところ、比較例1−2は実施例1−1に比べて比誘電率が大きかった。これは、遊離の水酸基の総量に起因する差異と考察される。この結果は、高周波領域を使用する基板等の絶縁材料に本発明の熱硬化型樹脂組成物を使用すると、誘電損失の少ない硬化物を得ることができ基板等の性能の向上が計られることを示している。
本発明の熱硬化型樹脂は、その硬化物が高温高湿下に保存しておいても優れた難燃性を維持し、且つ比較的低い誘電率を示すことから、プリント配線板に用いられる絶縁材料用途として適する。
この特性は、プリント配線板はもとより、熱硬化型レジスト材料、素子成型モールディング材料、層間絶縁材料にも好適に使用できると考えられる。

Claims (11)

  1. 下記式(I)
    Figure 0005268769
    (式中、Rは炭素数1〜4の飽和又は不飽和炭化水素基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示す。)
    で表わされるホスフィンオキサイド化合物(A)、及びエポキシ化合物(B)を含む熱硬化型樹脂組成物(但し、ホスファゼン化合物を含む樹脂組成物を除く)
  2. ホスフィンオキサイド化合物(A)におけるRがメチレン基、エチレン基又はプロピレン基である請求項1記載の熱硬化型樹脂組成物。
  3. エポキシ化合物(B)が一分子中に2個以上のエポキシ基を有し、且つエポキシ当量が150〜450g/eqである請求項1又は2に記載の熱硬化型樹脂組成物。
  4. 更に、エポキシ硬化剤(C)を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱硬化型樹脂組成物。
  5. 熱重合可能な不飽和結合を有する化合物(D)を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱硬化型樹脂組成物。
  6. 成形用材料である請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱硬化型樹脂組成物。
  7. 皮膜形成用材料である請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱硬化型樹脂組成物。
  8. 電気絶縁材料である請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱硬化型樹脂組成物。
  9. プリント配線板用材料である請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱硬化型樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の熱硬化型樹脂組成物を100〜300℃で加熱硬化させることを特徴とする硬化物の製造法。
  11. 請求項10に記載の熱硬化型樹脂組成物の硬化物の層を有する多層材料。
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