JP5268059B2 - 触媒化学気相成長装置の触媒体支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、触媒化学気相成長装置の触媒体支持構造に関する。
触媒化学気相成長法(Catalytic Chemical Vapor Deposition Technique)による触媒化学気相成長装置は、真空容器内に配された所定形状の触媒体を加熱させ、真空容器内に注入した原料ガスを加熱された触媒体に接触させて、加熱された触媒体の表面での接触分解反応によって原料ガスを分解し、分解種を真空容器内で低温に保持された基板に輸送して(堆積させて)薄膜を形成する装置であり、半導体薄膜や高分子薄膜の作製等に広く用いられている(特許文献1)。金属製の触媒体は、通電加熱され高温になり、基板に所定量の薄膜が形成された後に常温に戻されるという冷熱サイクルを繰り返す。
特許文献1記載の触媒化学気相成長装置では、長さの短い線状の触媒体(触媒線)をコ字状に折り曲げ加工して枠体に取り付け、触媒線の両端を把持して通電加熱している。これは、金属からなる触媒線が通電加熱により高温になると赤熱して柔らかくなり、その形状を維持し難くなるため、触媒線の長さを短くしてコ字状に折り曲げ加工することで、高温での触媒線の変形を抑えるようにしている。一方、大面積の基板に薄膜を形成する装置では、原料ガスに接触させる触媒線の表面積を大きくさせる必要があり、上記コ字状に折り曲げ加工した長さの短い触媒線を多数取り付けなければならず、取り付け時間の増大やメンテナンス作業の煩わしさがある。また触媒線のコ字状に折り曲げ加工した箇所は、薄膜を形成する基板と垂直方向となり、原料ガスの輸送経路から外れた位置となるため、膜堆積には寄与し難く、単に電力を浪費しているにすぎない。そこで従来、触媒線の長さを長くしてもその形状を高温で維持することを目的として、触媒線に張力を与えるように引っ張る方法が試みられている(特許文献2)。
特許文献2記載の触媒化学気相成長装置の触媒体支持構造は、一対の電極端子間に結線された触媒線の両端のうち少なくとも一方の端子(触媒線の端)に触媒線が張架される方向に限って触媒線に張力を与えるように引っ張るバネ構造を設けて、バネ構造によって触媒線に張力を付与することにより、触媒線を電極端子間に張架するというものであり(請求項1)、触媒線の端部を螺旋コイル状に巻回すか、触媒線の端に板バネを接続するとの記述がある(段落0009等)。
特許第3780364号公報 特許第4035011号公報
しかしながら上記特許文献2記載の触媒体支持構造は、通電加熱され高温になり、基板に所定量の薄膜が形成された後に常温に戻されるという冷熱サイクルを繰り返すと、触媒線に必要な張力を付与できなくなる。例えば上記特許文献2では、触媒線の端部を螺旋コイル状に巻回して、触媒線が張架される方向に限って触媒線に張力を与えるように引っ張るバネ構造を設けるとの記載があるが、このバネは触媒線と同じ材質であり、通電加熱されることで高温になり赤熱して柔らかくなる。このため、高温状態ではバネとして機能せず、触媒線に必要な張力を付与することができない。そして冷熱サイクルによってこのバネは熱処理(焼きなましと同様の作用)され、常温でも柔らかくなってゆき、常温状態ですらバネとして機能しなくなる。ここで特許文献1には、螺旋コイル状構造44の線径は、コイル部の加熱により弾性を喪失しないように、その直線状部分(即ち、触媒体として使用する部分)の線径の3〜4倍であることが望ましい(段落0016)との記載もあるが、仮に触媒体として使用する部分の触媒線の線径の3〜4倍の線径でコイル部を形成した場合には、コイル部のバネ定数が大きくなり過ぎて、その過大な張力で前記触媒線を引っ張り過ぎてしまう。つまり、赤熱状態となった触媒線は延伸し易く、数回(数サイクル)の使用によっても、前記触媒線が、バネの引っ張りしろ(バネが引っ張れる長さの限界値)まで伸びてしまう。また、螺旋コイル状に巻回された箇所を含めて触媒線全体を通電加熱することには何ら変わりなく、触媒線の撓みに対する対策とは言い難い。
また例えば特許文献2では、触媒線の端に板バネを接続して、触媒線が張架される方向に限って触媒線に張力を与えるように引っ張るバネ構造を設けるとの記載があるが、触媒線が張架される方向以外の引っ張り力も当然発現する。板バネが触媒線を張架する方向以外の引っ張り力で触媒線を引っ張るため、後述する触媒線温度の低い触媒線端部のシリサイド化対策としての触媒線端部のカバーや枠体の通し穴に触媒線が接触することがある。触媒線が接触すると、急激な温度変化によって触媒線が断線する危険がある。また枠体に複数張架された触媒線同士が接触してショートしたり、触媒線が捩れてしまう不具合が生じることがある。したがって、板バネを用いる場合には、触媒線が張架される方向以外の引っ張り力を触媒線に与えないようにしなければならない。しかしながら特許文献2には、板バネを用いて、触媒線が張架される方向に限った引っ張り力を得るための構造を実現するための機構に関する記述がなく、そもそもこのような機構を製作すること自体が、極めて困難であると考える。また、触媒線の端に金属製の板バネを接続することで板バネを介して通電加熱することとなり、触媒線から板バネへの熱伝導も加わって、板バネの特性劣化を引き起こす。さらに、板バネと触媒線の結合部に応力が集中して亀裂が入り、破断することが想定される。
一方、特許文献1では、折り曲げ加工された長さの短い触媒線を枠体に取り付けるため、大面積の基板に薄膜を形成する装置では、上記触媒線を多数取り付けなければならず、取り付け時間の増大やメンテナンス作業の煩わしさがある。
そこで本発明の目的は、触媒化学気相成長装置に用いられる触媒体(触媒線)の長さを長くしてもその形状を高温で維持するとともに、冷熱サイクルに耐えられる触媒化学気相成長装置の触媒体支持構造を提供することにある。
本発明の触媒化学気相成長装置の触媒体支持構造は、所定間隔で配される触媒体を介して向かい合う一対の構成部材と、前記触媒体の両側を各々把持しつつ前記枠構成部材とは電気絶縁された状態で前記触媒体に通電する電気回路を構成する複数の導電金具と、向かい合う導電金具のうち一方の導電金具を他方の導電金具から離す方向に押す圧縮コイルばねを備え、前記圧縮コイルばねが、前記枠構成部材のいずれかないしは両方に内蔵される構成とされ、前記圧縮コイルばねを通電することなく前記触媒体に通電することを特徴とする。
本発明によれば、前記触媒体の両側を把持する複数前記導電金具が前記触媒体に通電する電気回路を構成し、電力線を介して電力供給手段と連結され、前記触媒体を通電加熱する。また、前記圧縮コイルばねは、一方の導電金具を他方の導電金具から離す方向に押すことにより、前記触媒体を張ることとなるが、前記触媒体を通電する電気回路を構成していないため、通電加熱による前記圧縮コイルばねの劣化が防止される。つまり、圧縮コイルばねは、引っ張りばねに比べて小型化が容易であり、皿ばねに比べてばねの引っ張り量を大きくすることができる。前記圧縮コイルばねが、前記枠構成部材のいずれかないしは両方に内蔵されることで、前記圧縮コイルばねが位置ずれすることがなく、前記導電金具を均等な力で押すことが容易である。前記枠構成部材が前記圧縮コイルばねを、加熱された前記触媒体から熱遮蔽するので、前記圧縮コイルばねの温度上昇を抑えることとなり、前記触媒体に張力を与えるために必要なばね特性を維持し易い。
本発明は、前記圧縮コイルばねが、前記触媒体と対応する所定間隔で配されことを特徴とする。本発明は、前記導電金具のうち一部の導電金具ないしは全ての導電金具が、前記触媒体のうち隣り合う触媒体を把持する導電金具で構成されることを特徴とする。
本発明によれば、前記導電金具に把持された前記触媒体が均等な張力で引っ張られ、前記触媒体同士が接触してショートするようなことがない。
本発明は、前記導電金具の状部分が前記構成部材に形成された貫通穴に非接触で挿入されるとともに、前記触媒体が前記導電金具の状部分に形成された挿通穴に非接触で挿入されることを特徴とする。
本発明によれば、前記導電金具の状部分が前記触媒体の端部への原料ガスの侵入を抑制し、仮に原料ガスが侵入してきたとしても、前記触媒体端部に到達する前に分解されてしまうので、触媒体温度の低い前記触媒体端部のシリサイド化を防止することができる。
本発明は、前記触媒体が棒材からなる棒状又は線状の触媒体であることを特徴とする。
従来、線材からなる触媒線がスプール状(リール状)で市販されており、このスプール状の線材からなる触媒線を、真っ直ぐになるように引っ張って使用している。スプール状の線材からなる触媒線は、メーカーの製造工程にてスプール状(リール状)に曲げており、使用時点では既に弓なりに曲っているため、高温で撓みやすく形状安定性(ノンサグ性)に劣る。また、スプール状の線材からなる触媒線の軸方向に張力を与えるためには、弓なりに曲った触媒線を真っ直ぐになるよう引っ張らなければならず、余分に張力を与えて引っ張ることになる。本発明によれば、前記触媒体が棒材からなることで、スプール状の線材からなる触媒体に比べて小さな張力で真っ直ぐに引っ張ることができる。また、棒材からなる触媒体は形状安定性に優れており、真っ直ぐな状態を維持することが容易である。なお本明細書では、材料面から見た棒材のみならず、スプール状(リール状)に曲げ加工する工程を有しない触媒体を棒材と表現している。
本発明によれば、前記導電金具で前記触媒体を把持することが容易である。
前記触媒体の材質としては、タングステン、モリブデン、タンタル、白金、イリジウム、ニッケル合金、鉄合金が挙げられる。本発明によれば、高融点金属であるタングステンからなる触媒体を張架するのに好適である。
本発明によれば、前記圧縮コイルばねが、向かい合う導電金具のうち一方の導電金具を他方の導電金具から離す方向に押すことで、前記触媒体を張ることとなるが、前記圧縮コイルばねが触媒体を通電する電気回路を構成していないため、通電加熱による前記圧縮コイルばねの劣化が防止される。本発明によれば、前記導電金具に把持された触媒体が均等な張力で引っ張られ、触媒体同士が接触してショートするようなことがない。本発明によれば、前記圧縮コイルばねが位置ずれすることがなく、前記導電金具を均等な力で押すことが容易である。前記枠構成部材前記圧縮コイルばねを、加熱された触媒体から熱遮蔽するので、前記圧縮コイルばねの温度上昇を抑えることとなり、前記触媒体に張力を与えるために必要なばね特性を維持し易い。
本発明によれば、前記触媒体が前記導電金具の状部分に形成された前記触媒体の外径より若干径の大きい挿通穴に非接触で挿入されることで、前記導電金具の状部分が前記触媒体の端部への原料ガスの侵入を抑制し、仮に原料ガスが侵入してきたとしても、前記触媒体端部に到達する前に分解されてしまうので、触媒体温度の低い前記触媒体端部のシリサイド化を防止することができる。本発明によれば、前記触媒体が棒材からなることで、スプール状の線材からなる触媒体に比べて小さな張力で真っ直ぐに引っ張ることができる。また、棒材からなる棒状又は線状の触媒体は形状安定性に優れており、真っ直ぐな状態を維持することが容易である。したがって、前記触媒体の長さを長くしてもその形状を高温で維持するとともに、冷熱サイクルに十分耐えられる触媒体支持構造が実現する。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を引用しながら説明する。
(触媒化学気相成長装置)
最初に、本発明の触媒体支持構造が適用される触媒化学気相成長装置の概要について説明する。図5は、連続式の触媒化学気相成長装置を示す断面図である。触媒化学気相成長装置100は、排気手段(真空ポンプ)104が接続された筐体(真空容器)103と、原料ガスを供給する原料ガス供給手段102と、電力線111を介して電力供給手段101に接続して通電加熱する触媒体4と、触媒体4を張架する触媒体支持枠1と、成膜する基材フィルム107を成膜エリアに引き出して、成膜した基材フィルム117を巻き取るローラ機構105を備える。矢印aは、原料ガスの流れを示す。原料ガス供給手段102から供給された原料ガスは、多数のガス吹き出し孔122を有するガス供給器112から真空容器103内に放出される。ローラ機構105は、3つのローラ105A,105B,105Cと複数のテンションローラ115(図5では2つのテンションローラ)からなる。巻装ローラ105Aに予め巻装された基材フィルム107は、触媒体4近傍の成膜エリアに引き出されて冷却ローラ105Bに密着され、基材フィルム107の始端部が巻取りローラ105Cに巻き取られる。冷却ローラ105Bには冷却手段が備わり、基材フィルム107を低温に保持することで、分解された高温ガスを基材フィルム107上に成膜させる。そして、成膜済みの基材フィルム117が巻取りローラ105Cに巻き取られる。テンションローラ115は、基材フィルム107(及び117)に所定のテンションをかけることで、基材フィルム107(及び117)に皺が寄らないようにする。基材フィルム107は、フィルム状の基板を使用したり、板状の基板を搬送フィルムに貼り付けて使用する。
上記連続式の触媒化学気相成長装置100による成膜手順を以下に説明する。まず、巻装ローラ105Aに予め巻装された基材フィルム107を触媒体4近傍の成膜エリアに引き出して冷却ローラ105Bに密着させ、基材フィルム107の始端部を巻取りローラ105Cに巻き取らせる。次にダクト114を介して真空容器103に接続された真空ポンプ104にて真空容器103を所定の真空度に真空引きする。そして触媒体支持枠1に張架された触媒体4を通電加熱する。例えば触媒体4としてタングステンワイヤを使用する場合、通電により1800℃に加熱して、ガス供給器112から原料ガスを真空容器103内に放出させ、加熱した触媒体4に原料ガスを接触させて、触媒体4の表面での接触分解反応によって原料ガスを分解し、分解種を低温に保持した冷却ローラ105B上の基材フィルム107の露出面に輸送して(堆積させて)薄膜を形成して、成膜した基材フィルム117を巻取りローラ105Cにて連続的に巻き取らせる。残ったガスは、真空ポンプ104にて機外に排出される(矢印aを参照)。規定量の成膜が終了すると、原料ガス供給手段102から真空容器103への原料ガスの供給を停止し、電力供給手段101から触媒体4への電力供給を停止する。そして真空ポンプ104を停止して、所定の気体(空気や窒素等)を真空容器103に注入して大気圧とし、巻取りローラ105Cに巻き取らせた成膜済みの基材フィルム117を機外に取り出す。
(本発明の第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態の触媒化学気相成長装置の触媒体支持構造について、以下に説明する。図1は、本発明の一実施形態の触媒体支持構造による触媒体支持枠1a(1)を示す構造図である。図1(a)は触媒体支持枠1aを上方側から見た正面図であり、図1(b)は触媒体支持枠1aを側面側から見た側面図である。
本実施形態の触媒体支持構造を備えた触媒体支持枠1aは、断面四角形状で棒状の部材3と断面四角形状で棒状の部材21(20)をそれぞれ2つずつ対向配置させて、ネジやや溶接等の固定手段により固定して組み合わせた四角形状の枠である(図1(a))。これらの枠体1aや棒状の部材3,21(20)は、少なくとも表面が絶縁物質であることが好ましいが、耐熱性を考慮し、本実施の形態では、アルミナなどのセラミックス、又は、ステンレスなどの金属製であり、導電金具50(51A,51B)と接触する可能性のある表面は、電気絶縁されるようになっている。触媒体4は、断面円形状で軸方向に真っ直ぐな棒形状の単線であり、図1(a)では触媒体4がそれぞれ平行となる位置で同一形状の1対の導電金具51Aと51Bにて2つずつ把持されている。1対の導電金具50(51A,51B)は枠体21の外側に向かい合って配されている。図1(a)では合計6本の触媒体4が触媒体支持枠1に張架されている。一方側の枠体21には、触媒体4を張架する方向に張力を与える複数のスプリング6が内蔵されている(図1(a))。
スプリング6は、耐熱性金属又はセラミックスからなる圧縮コイルばねであり、図1(a)ではスプリング6が2本それぞれ平行となる位置で枠体21に設置され、スプリング6に近い側の導電金具51Aをスプリング6に遠い側の導電金具51Bから離す方向に押す配置構成となっている。導電金具51Aは、電力線111を介して電力供給手段101の負電位側に接続され、導電金具51Bは、電力線111を介して電力供給手段101の正電位側に接続され、触媒体4を通電する電気回路を構成する。枠体3と枠体21はアルミナなどのセラミックス製、又はステンレスなどの金属製であり、少なくとも導電金具50(51A,51B)との接触面は、電気絶縁される。導電金具50はステンレスやモリブデン等の、高融点で低電気抵抗の金属材料からなる。図1では、触媒体4は並列に電気接続されている。本実施形態は、スプリング6が、枠体1aを挟んで向かい合って配されて触媒体4を把持すると共に触媒体4を通電する電気回路を構成する導電金具50のうちの向かい合う少なくとも一方の導電金具51Aを他方の導電金具51Bから離す方向に押すことで、触媒体4を張架する方向にのみ張力を与える。なお、図1では、スプリング6が導電金具51Aに近い側の枠体21に設置されているが、スプリング6が導電金具51Bに近い側の枠体21に設置されていてもよく、両側の枠体21,21にそれぞれ設置されていてもよい。
図2は、上記実施形態の触媒体支持枠1aから触媒体支持構造部分を抜き出して示す構造図である。図2(a)は触媒体支持構造部分を抜き出して上方側から見た正面図であり、図2(b)は図2(a)に示す触媒体支持構造部分を上方側から見た断面図であり、図2(c)は図2(a)に示す触媒体支持構造部分を分解して上方側から見た正面図である。
本実施形態の導電金具51A(50)は、本体511と、本体511とで触媒体4を挟んで把持する板状部材516からなり、雄ネジ7と本体511に形成された雌ネジ515とで板状部材516を締め付けて触媒体4を把持する(図2(c))。導電金具51Aの本体511の一部は所定間隔で枠体21の方向に突出した1対の管状部分512が形成され、枠体21の当該管状部分512に対応する位置には、管状部分512の外周よりも大きい内周の貫通穴212が形成され、この1対の貫通穴212に管状部分512が非接触で挿入される(図2)。そして導電金具51Aの管状部分512の先端から位置決めガイド部514の側面(管状部分512の反対側の面)までは、触媒体4を挿通するための挿通穴5121が形成されている。挿通穴5121の内径は、触媒体4の外径よりも若干大きく、触媒体4は、非接触で挿通穴5121に挿入される(図2)。
板状部材516が取り付けられる本体511の所定箇所には、上記挿通穴5121と連続して、断面が半円形の溝形状部5122が形成される(図2)。管状部分512の先端の挿通穴5121に触媒体4の端部を挿通し、位置決めガイド部514を突き抜けて溝形状部5122をほぼ横断させると、溝形状部5122にて触媒体4の上半分が上方に突出した形となり、導電金具51Aの本体511と板状部材516とで、触媒体4を挟持する。そして板状部材516は、板状部材516の厚みに応じた高さだけ本体511から上方に突出した位置決めガイド部514にて位置決めされ、雄ネジ7と本体511に形成された雌ネジ515とで板状部材516を締め付けて触媒体4を把持する(図2)。
従来、触媒体4の一種であるタングステンワイヤが、原料ガスの一種であるシランガスと反応してシリコン化合物を生成する現象(シリサイド化)が知られており、このシリサイド化によって触媒体4の抵抗値が下がることで発熱量が減少して、成膜速度が低下する不具合が確認されている。このシリサイド化は、触媒体温度の低い触媒体4の端部から進行する。本実施形態によれば、導電金具51Aの管状部分512に形成された触媒体4の外径より若干径の大きい貫通穴5121に触媒体4が非接触で挿入されることで、導電金具の凸状部分が触媒体の端部への原料ガスの侵入を抑制し、仮に原料ガスが侵入してきたとしても、触媒体4の端部に到達する前に分解されてしまうので、触媒体温度の低い触媒体4の端部のシリサイド化を防止することができる。また、触媒体4の端部付近が挿通された導電金具51A(50)の本体511の管状部分512が枠体21に形成された貫通穴212に非接触で挿入されるため、通電加熱され発熱した触媒体4から枠体21への熱伝導が抑えられる。
本実施形態の導電金具51A(50)は、所定間隔で枠体21の方向に突出した1対の円柱状部分(凸状部分)513が備わり、当該円柱状部分513の外周には、円柱状部分513の外周よりも大きい内周を有する圧縮コイルばね6が挿入される(図2)。枠体21の当該円柱状部分513に対応する位置には、圧縮コイルばね6の外周よりも大きい内周であって圧縮コイルばね6の全長よりも浅い位置に窪み部分213が形成され、かつ、圧縮コイルばね6の内周よりも小さい内周であって円柱状部分513の全長よりも深い位置に窪み部分214が形成され、これら窪み部分213と214の中心軸は同一であり、これら窪み部分213と214とに円柱状部分513が挿入される(図2)。
本実施形態によれば、所定間隔で配された2つの触媒体4の一方が導電金具50の一方に把持され、所定間隔で配された2つのスプリング6が導電金具50の少なくとも一方を押す構成となり、仮にスプリング6が捩れたとしても、導電金具50の一方に所定間隔で把持された2つの触媒体4がそれぞれ均等な張力で平行になるように引っ張られ、触媒体4同士が接触してショートすることがない。
次に、本実施形態の触媒化学気相成長装置の他の触媒体支持構造例を、以下に説明する。図3は、本発明の一実施形態の触媒体支持構造による触媒体支持枠1bを示す構造図である。図3(a)は触媒体支持枠1bを上方側から見た正面図であり、図3(b)は触媒体支持枠1bを側面側から見た側面図である。上述の触媒体支持枠1aとの相違点は、触媒体支持枠1aが触媒体4を電気的に並列接続する構成であるのに対して、触媒体支持枠1bが触媒体4を電気的に直列接続する構成である点である。その他、同じ符号の部材は同一部材であり、それらの説明については省略する。
本実施形態の触媒体支持構造を備えた触媒体支持枠1bは、触媒体4がそれぞれ平行となる位置で、1本の触媒体4だけずれた位置で向かい合って配された同一形状の1対の導電金具51Aと51Bにて2つずつ把持されている。そして枠体3に近接した位置の触媒体4が導電金具51Cに把持されている。導電金具51Aと51Bは所定間隔でそれぞれ2つの触媒体4を把持しており、導電金具51Cは1つの触媒体4を把持している(図3(a))。導電金具51Cは、導電金具51Bを長手方向に2分割して1つの触媒体4を把持する構成としたものである。
導電金具51A,51B,51C(50)は、電力線111を介して電力供給手段101と電気的に直列接続される。図3(a)では、電力供給手段101の正電位側と導電金具51Cが電力線111を介して接続され、導電金具51Cと導電金具51Aが触媒体4を介して接続され、導電金具51Aと導電金具51Bが触媒体4を介して接続され、以下順次同様に接続され、電力供給手段101の負電位側と導電金具51Cが電力線111を介して接続される。
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態の触媒化学気相成長装置の触媒体支持構造について、以下に説明する。図4は、本発明の第2の実施形態の触媒体支持枠1cから触媒体支持構造部分を抜き出して示す構造図である。図4(a)は触媒体支持構造部分を抜き出して上方側から見た正面図であり、図4(b)は触媒体支持構造部分を抜き出して上方側から見た断面図であり、図4(c)は図4(a)に示す触媒体支持構造部分を分解して上方側から見た正面図である。本実施形態の触媒体支持枠1cと上述の触媒体支持枠1a(1b)との相違点は、触媒体支持枠1a(1b)の導電金具51Aは、触媒体4を挿通するための挿通穴5121が形成された管状部分512と、圧縮コイルばね6を挿通する凸状部分513が異なる位置に配置されるが、触媒体支持枠1cの導電金具52Aは、触媒体4を挿通するための挿通穴5121が形成された管状部分522と、圧縮コイルばね6を挿通する凸状部分522が同一である点である(図4)。その他、触媒体支持枠自体の構造は同様であり、同じ符号の部材は同一部材であるため、それらの説明については省略する。
本実施形態によれば、触媒体4を挿通するための挿通穴5121が形成された管状部分522と、圧縮コイルばね6を挿通する凸状部分522が同一であるため、2つの触媒体4同士の間隔を狭くすることができ、小型の触媒体支持枠1cとなる。
(実施例)
本発明の第1の実施形態の触媒体支持構造による触媒体支持枠1aを、触媒化学気相成長装置100に取り付けて、成膜と同様の条件で稼動させ1800℃の高温と常温との冷熱サイクルに耐えられるかどうかの試験を行った。触媒体4は棒材からなるタングステンワイヤであり、原料ガスはシランガスである。
最初に、スプリング6による触媒体4への引っ張り力を150N/mmとしたところ、冷熱サイクル1サイクルにて触媒体4が破断した。次に、スプリング6による触媒体4への引っ張り力を50N/mmとしたところ、冷熱サイクル20サイクルにて触媒体4が約3mm伸び、また通電時に電圧上昇も確認された。そこで、スプリング6による触媒体4への引っ張り力を25N/mmとしたところ、冷熱サイクル100サイクルにて触媒体4の伸びはなく、通電時の電圧上昇もなかった。そして、触媒体4の端部を確認したところ、シリサイド化されていないことを確認した。試験結果から、1本の触媒体4に付与する引っ張り力は、25N/mm以下とすればよいと考えられる。
ここで、挿通穴5121の内径は、触媒体4の外径より0.2mmから2mm程度大きく設定される。挿通穴5121の内径が触媒体4の外径+0.2mm未満の場合、触媒体4と挿通穴5121とが接触する恐れがあり、また、挿通穴5121の内径が触媒体4の外径+2mm以上の場合、挿通穴5121に原料ガスが侵入しやすくなるためである。また、挿通穴5121の長さは8mm以上で30mm以下に設定される。挿通穴5121の長さが8mm未満では、原料ガスの侵入抑制効果がやや不十分で触媒体端部がシリサイド化する場合があり、挿通穴5121の長さが30mmより長くなると、成膜に寄与しない部分の触媒体4の加熱を行うことで電力の浪費となるためである。
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば1つの触媒体4が導電金具50の一方に把持され、所定間隔で配された2つのスプリング6が導電金具50の一方を押す構成としてもよい。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
本発明を適用した一実施形態の触媒体支持構造による触媒体支持枠を示す構造図である。 上記実施形態の触媒体支持枠から触媒体支持構造部分を抜き出して示す構造図であり、図2(a)は触媒体支持構造部分を抜き出して上方側から見た正面図であり、図2(b)は触媒体支持構造部分を上方側から見た断面図であり、図2(c)は触媒体支持構造部分の構成部材を分解して上方側から見た正面図である。 本発明を適用した一実施形態の触媒体支持構造による触媒体支持枠を示す構造図である。 本発明を適用した他の実施形態の触媒体支持構造による触媒体支持枠から触媒体支持構造部分を抜き出して示す構造図であり、図4(a)は触媒体支持構造部分を上方側から見た正面図であり、図4(b)は触媒体支持構造部分を上方側から見た断面図であり、図4(c)は触媒体支持構造部分を分解して上方側から見た正面図である。 本発明の触媒体支持構造が適用される触媒化学気相成長装置の一例を示す断面図である。
符号の説明
1、1a、1b、1c 支持枠(触媒体支持構造)、
20、21、22 枠構成部材(枠体)、
4 触媒体、
51A、51B、52A、52B、50 導電金具、
圧縮コイルばね(スプリング)、
100 触媒化学気相成長装置

Claims (5)

  1. 所定間隔で配される触媒体を介して向かい合う一対の枠構成部材と、前記触媒体の両側を各々把持しつつ前記枠構成部材とは電気絶縁された状態で前記触媒体に通電する電気回路を構成する複数の導電金具と、向かい合う導電金具のうち一方の導電金具を他方の導電金具から離す方向に押す圧縮コイルばねを備え、前記圧縮コイルばねが、前記枠構成部材に内蔵される構成とされ、前記圧縮コイルばねを通電することなく前記触媒体に通電することを特徴とする触媒化学気相成長装置の触媒体支持構造。
  2. 前記圧縮コイルばねが、前記触媒体と対応する所定間隔で配されことを特徴とする請求項1記載の触媒化学気相成長装置の触媒体支持構造。
  3. 前記導電金具のうち一部の導電金具ないしは全ての導電金具が、前記触媒体のうち隣り合う触媒体を把持する導電金具で構成されることを特徴とする請求項1または2記載の触媒化学気相成長装置の触媒体支持構造。
  4. 前記導電金具の状部分が前記構成部材に形成された貫通穴に非接触で挿入されるとともに、前記触媒体が前記導電金具の状部分に形成された挿通穴に非接触で挿入されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の触媒化学気相成長装置の触媒体支持構造。
  5. 前記触媒体が棒材からなる棒状又は線状の触媒体であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の触媒化学気相成長装置の触媒体支持構造。
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