JP4583061B2 - 発熱体cvd装置 - Google Patents

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Description

本発明は、原料ガスを発熱体の発する熱で分解することにより、分解成分を基体上に堆積させて成膜を行う発熱体CVD装置及び発熱体CVD法による成膜方法に関するものである。
各種半導体デバイスの成膜には、CVD法が多く用いられている。CVD法にはプラズマCVD法、熱CVD法、発熱体CVD法がある。このうち、発熱体CVD法は原料ガスを発熱体の熱によって分解し、これを基体上に成膜するという成膜方法であり、熱CVD法に比べて成膜中の基体の温度を低くできるため、基体材料の使用範囲を広くすることができる上に、プラズマCVD法のように基体上の膜がプラズマによってダメージを受けることもないことから、種々の基体上に良質の膜を得ることができる成膜方法として注目されている。
かかる従来の発熱体CVD装置は、例えば図8に示す如く、基体22及び基体保持手段23を収容する真空容器21と、該真空容器21内に原料ガスを供給するガス供給手段27と、該ガス供給手段27より供給される原料ガスに接触するように真空容器21内に配置された発熱体24と、を備えた構造のものが知られている。
この発熱体CVD装置は、例えば、基体上にa−Si系の膜を堆積させる場合、真空ポンプを用いて真空容器21内を真空状態に保持した状態で、SiHとHを所定の比率で混合してなる原料ガスを、ガス供給手段27を用いて真空容器21内に供給するとともに、該供給された原料ガスを発熱体24に接触させつつ発熱体24を1200℃〜2500℃で加熱し、その熱によって原料ガスを分解し、該分解された原料ガス成分(Si)を基体22上に堆積させることにより、基体22上にa−Si系膜を成膜する。
なお、真空容器21内に配置される発熱体24は、例えばTa,W,Moなどの電気抵抗材料により形成されており、その両端には一対の電極25が接続されている。そしてこの電極25を介して発熱体24に所定の電力が印加されると、発熱体24がジュール発熱を起こし、発熱体24が所定の温度で発熱する。
特許第3145536号公報 特開2002−93723号公報
ところで、発熱体24に接続される電極25の位置は通常固定されている。この状態で発熱体24を発熱させると、その熱によって発熱体24が膨張して長さが大きくなり、発熱体24の一部がたわんでしまう。その結果、たわみが生じた領域と他の領域とで発熱体24と基体22との間の距離が異なることとなり、基体22上の膜の厚みが不均一になるおそれがあった。
本発明は上記課題に鑑み案出されたものであり、その目的は基体上に形成された膜の厚みを略均一にすることが可能な発熱体CVD装置及び発熱体CVD法による成膜方法を提供することにある。
本発明は、基体を収容する真空容器と、該真空容器内に原料ガスを供給するガス供給手段と、該ガス供給手段より供給される原料ガスに接触するように配置された、鉛直方向に沿って延びた長尺状の発熱体と、を備え、前記ガス供給手段からの原料ガスを前記発熱体の発する熱によって分解し、該分解された原料ガス成分を基体上に堆積させて成膜を行う発熱体CVD装置において、前記発熱体の上方側端部および下方側端部それぞれに電極が接続され、前記上方端部側の電極が前記真空容器に対して固定されるとともに、前記下方
端部側の電極が鉛直方向に沿って移動可能に保持されており、前記発熱体には、前記下方端部側の電極にかかる重力による鉛直下向きの引張力が付与されており、前記下方端部側の電極は、接続部材を介して外部電源と電気的に接続し、前記接続部材が、前記下方端部側の電極に鉛直下向きの引張力を重畳することを特徴とする発熱体CVD装置を提供する。
また、前記下方端部側の電極は、接続部材を介して外部電源と電気的に接続しており、前記接続部材は、前記下方端部側の電極に、鉛直下向きの引張力を重畳することが好ましい。
更にまた本発明の発熱体CVD装置は、上記装置において、前記引張力の印加時における前記発熱体中の応力が弾性限度以下に設定されていることを特徴とする。
また本発明の発熱体CVD装置は、上記装置において、前記基体及び前記発熱体が略平行に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、発熱体CVD法による成膜に供する発熱体を発熱させる際、長尺状の発熱体の端部を長手方向に移動可能としたことから、成膜時における発熱体の熱によって発熱体が膨張したとしても、発熱体のたわみを良好に防止して発熱体を略直線状に保持することができ、発熱体と基体との間の距離を長手方向にわたり略一定とすることが可能となる。その結果、基体上に形成される膜の厚みを略均一とすることができる。
また本発明によれば、前記引張力の印加時における前記発熱体中の応力を弾性限度以下に設定することにより、発熱体に印加される引張力により発熱体が大きく伸びることが良好に防止される。従って、発熱体の断面積が大幅に変化して発熱体の発熱特性が大きく変動したり、あるいは、発熱体に断線が生じたりすることを防止できる。
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る発熱体CVD装置内の側面図、図2は図1の発熱体CVD装置内の上面図である。なお、これらの図面は模式的なものである。
図1に示す発熱体CVD装置は、大略的に、基体2を収容する真空容器1と、該真空容器1内に原料ガスを供給するガス供給手段7と、該ガス供給手段7より供給される原料ガスに接触するように配置された発熱体4と、を備えた構造を有している。
真空容器1は、その内部に基体2や基体支持体3、発熱体4、ガス供給手段7等を収容すべく中空状態に形成されており、基体2の出し入れができるように容器の一部、例えば上蓋が開閉可能に形成される。また真空容器1はガス供給手段7によって導入された原料ガスを排気する際に用いられるガス排気口を有している。なお、容器自体はステンレス鋼やアルミニウムなどの金属材料により形成されているのが一般的である。
また真空容器1内に収容される基体2は円筒状に形成されており、その内部を真空容器1内にセットされた円筒状の基体支持体に挿入することで真空容器1内に収容される。
基体2の材質としては、導電性、または絶縁性、あるいは絶縁性基体の表面に導電層を形成したものが使用される。導電性基体としては、例えばアルミニウム(Al)、ステンレススチール(SUS)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、チタン(Ti)等の金属またはこれらの合金が挙げられる。絶縁性基体としては、ホウ珪酸ガラスやソーダガラス、パイレックス(R)ガラス等のガラスやセラミックス、石英、サファイアなどの無機絶縁物、あるいはフッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ビニロン、エポキシ、マイラー等の合成樹脂絶縁物が挙げられる。また絶縁性基体上に導電層を形成する場合、導電層の材料としてはITO(インジウム、錫、酸化物)や酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅やAl、Ni、金(Au)等が挙げられ、かかる導電層は従来周知の薄膜形成技術、例えば、真空蒸着法、活性反応蒸着法、イオンプレーティング法、RFスパッタリング法、DCスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、DCマグネトロンスパッタリング法、熱CVD法、プラズマCVD法、スプレー法、塗布法、浸漬法などで形成される。なお、基体2がAlにより円筒状に形成する場合、従来周知の押出加工法を採用することにより製作される。
また上述の基体2を支持する基体支持体3はステンレス鋼やアルミニウムにより円筒状に形成されており、成膜時、回転モータなどの動力を用いて中心軸を中心に基体2と共に回転させることが好ましく、これによって発熱体4によって分解された原料ガスの分解成分を基体表面の全体にわたり被着させることができ、略一様な膜厚分布を得ることができる。なお、基体支持体3の回転速度としては、1rpm〜10rpmが好ましい。
また基体支持体3は、その内部に加熱手段や冷却手段、温度検出手段を有しており、温度検出手段で基体支持体3の温度を検出するとともに、該検出した温度をモニタリングしながら、図示しない温度調節器を用いて加熱手段と冷却手段を制御することによって、基体温度を所望の温度に維持している。なお、成膜中の基体温度はa−Si系の材料を堆積させる場合、100〜500℃、好適には200〜350℃の一定温度に制御される。また加熱手段としては、ニクロム線やシーズヒーター、カートリッジヒーターなどの電気的なものや、油などの熱媒体が使用され、冷却手段としては空気や窒素ガス等の気体や水、油などからなる冷却媒体が使用され、これらが基体支持体3の内部を循環するように流動させることが好ましい。温度検出手段としては、サーミスタや熱電対などが用いられる。
一方、真空容器1の内部には、上述の基体2に対して略平行に配される長尺状の発熱体4がガス供給手段7から供給される原料ガスに接触するように配設され、更に発熱体4の長手方向両端には電極5が電気的に接続されている。
この発熱体4は、抵抗材料から成っており、両端に接続される電極5を介して電力が供給されると、ジュール発熱を起こし、接触する原料ガスを分解するのに必要な温度(例えば1200℃〜2500℃)となる。
発熱体4の抵抗材料としては、原料ガスと触媒反応あるいは熱分解反応を起こして、その反応生成物を堆積種とし、且つ発熱体自身が昇華や蒸発により堆積される膜中に混入しにくいものが用いられ、例えば、タングステン(W)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、モリブデン(Mo)、Ti、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、Ni,Cr,Mnやそれらの合金などが好適に使用される。またこれらの抵抗材料は融点が比較的高いものが好ましく、例えば融点が2600℃〜3400℃であることが好ましい。
また長尺状の発熱体4は、上述の抵抗材料で製作されたワイヤやフィラメント、リボン等を1本単体で構成したり、複数本を束ねて構成したりすることにより形成される。
発熱体4の配設位置は、発熱体4の発熱によって生成された堆積種(分解成分)を基体に向けて効率的に輸送するため、あるいは、発熱体4からの輻射熱による基体や膜への損傷を防止するため、基体2に対して3〜100mm、好適には5〜50mm、更に好適には10〜40mmの間隔を空けた箇所に設定される。
また発熱体4の両端に接続される一対の電極5は、例えばAlやCu、Au、Agなどの金属材料により形成されており、両電極5間に所定の電位差が生じるように外部電源の端子に接続され、該電位差に応じた電流が発熱体4に供給される。なお、電極5と発熱体4との電気的接続は例えば圧着端子を介して行われる。
そして、この電極5は、その一方もしくは双方が発熱体4の長手方向に沿って移動可能となっている。本実施形態においては、上方(重力の向きと反対側)の電極5が真空容器内に固定され、下方(重力の向き)の電極5が真空容器内に固定されずに移動可能に保持されているため、下方の電極5は発熱体4に引張力を付与している。
この移動可能な下方の電極5の周囲には、支持部材6bと、該支持部材6b及び電極5を電気的に接続する接続部材6aと、が配設されている。
接続部材6aは、アルミニウムや金、銀、銅等の導電性材料により形成された板バネ、つる巻きバネなどの各種バネや金属性のワイヤ、空圧、油圧サスペンションなど、電極5と支持部材6bとを電気的に接続可能な部材により形成されている(本実施形態においては板バネ)。
この接続部材6aは、電極5の質量が小さいために電極5による発熱体4への引張力だけでは発熱体4を直線状に保持することが困難である場合、電極5に十分な引張力を付与できる部材(バネ、サスペンション等)により形成されることが好ましい。例えば、接続部材6aが板バネの場合、電極5に引張力を付与できるように板バネを伸長させた状態で真空容器1内に設置する。一方、電極5の質量が大きいために電極5の重みだけで発熱体4を直線状に保持することが可能な場合、接続部材6aは必ずしも電極5に引張力を付与するような部材で形成する必要はなく、単に電極5と支持部材6bとを電気的に接続できる部材であれば良い。
また支持部材6bは、アルミニウムやステンレス鋼等の導電性材料により形成され、本実施形態においては、内部に電極5を収容する空間を有した箱型に形成されている。この支持部材6bは、上述の接続部材6aを支持するとともに接続部材6aを外部電源と電気的に接続する作用を為す。なお、電極5が左右に振れて位置が不安定になるのを防止するため、電極5を収容する支持部材6bの空間は電極5の配設位置近傍で幅を電極5の幅よりも大きく、且つ1.1倍以下に設定することが好ましい。
このように下方の電極5が真空容器1内で固定されるのではなく、接続部材6aや支持部材6bによって移動可能に保持されていることから、電極5の自重により発熱体4の端部が長手方向外側に適度な大きさの引張力が印加された状態にある。従って、発熱体4の発熱によって発熱体4が熱膨張しても、発熱体4に大きなたわみが生じたりすることを良好に防止し、発熱体4を略直線状に保持することができる。従って、発熱体4と基体2との間の距離を長手方向にわたり略一定とすることが可能となり、基体上に形成される膜の厚みを略均一とすることができる。
なお、発熱体4に印加される引張力の大きさは、電極5の重さ、接続部材(バネ)6aの長さ・バネ定数等を適宜可変させることにより調整される。
また引張力の印加時における発熱体4中の応力は弾性限度以下に設定することが好ましく、この場合、発熱体4の端部の移動により発熱体4が大きく伸びることが良好に防止される。従って、発熱体4の断面積が大幅に変化して発熱体4の発熱特性が大きく変動したり、あるいは、発熱体4に断線が生じたりすることを防止できる。なお、発熱体4中の応力は、(発熱体4に印加される引張力の最大値)/(成膜前の発熱体4の断面積)と定義するものとする。
一方、原料ガスを真空容器1内に供給するガス供給手段7は、供給する原料ガスが発熱体4の表面に接触するように配置されており、例えば、発熱体4が基体2とガス供給手段7の間に位置するように配置される。
ガス供給手段7は、中空構造を有する筐体に多数のガス吹き出し孔8を形成した構造を有しており、外部より筐体内に供給される原料ガスを、ガス吹き出し孔8を介して真空容器1内に供給している。そして、供給された原料ガスは発熱体4に接触される。
ガス供給手段7の筐体は、筒状や長尺状など種々の形状が考えられる(本実施形態においては長尺状)。ガス供給手段7の筐体は、真空容器1と一体化しても別体化しても良い(本実施形態においては別体)。
またガス供給手段7に設けられるガス吹き出し孔8は、円形や三角形、正方形、長方形、菱形、六角形、スリット形状など、種々の形状が考えられ、原料ガスが発熱体4に容易に接触させるため、筐体の発熱体側表面に設けることが好ましい。
一方、ガス供給手段7より供給される原料ガスは、成膜対象がa−Si系の膜である場合、SiとHとからなる化合物やシリコンと水素以外のハロゲン元素とからなる化合物が用いられ、例えば、SiH、Si、Si、SiF、SiCl、SiCl等が用いられる。
また原料ガスとともに供給される希釈用ガスとしては、H、N、He、Ar、Ne、Xe等が用いられる。原料ガスとともに供給される価電子制御ガス(膜中の価電子数を制御するガス)には、P型不純物として元素周期律表第III族Bの元素(B,Al,Gaなど)を含む化合物、例えばB、B(CH、Al(CH,Al(C、Ga(CHなどが用いられる。N型不純物としては元素周期律表第V族Bの元素(P,As,Sbなど)を含む化合物、例えばPH、P、AsH、SbHなどが用いられる。またバンドギャップ調整用ガスとしては、バンドギャップを拡大する元素であるC、N、Oを含む化合物、例えばCH、C、C、N、NH、NO、NO、NO、O、CO、CO等やバンドギャップを狭める元素であるGe,Snを含む化合物、例えばGeH、SnH、Sn(CH等が用いられる。
なお、上述した原料ガスや価電子制御ガス、バンドギャップ調整用ガスの流量やこれらのガスの混合比は、減圧弁やマスフローコントローラー等を用いることにより所望の値に調整される。また成膜時のガス圧力は、供給された原料ガスが発熱体の熱によって効率的に分解されるとともに、反応生成物同士の2次反応を抑制するために、0.1〜300Pa,好適には2〜6Paに設定される。なお、良質の膜を得る為には、成膜開始に先立って、基体2がセットされた真空容器1内を一旦1×10−2Pa程度まで高真空に排気することで真空容器1内の水分や残留ガスを除去しておくことが好ましい。
かくして上述の発熱体CVD装置は、ガス供給手段7から真空容器1内に供給される原料ガスを発熱体4に接触させつつ発熱体4を発熱させるとともに、その熱によって原料ガスを分解し、該分解された原料ガス成分を基体2上に堆積させることによって成膜を行うことにより発熱体CVD装置として機能する。
このとき、発熱体4の端部が長手方向に沿って移動可能となっていることから、発熱体4の発熱によって発熱体自体の長さが膨張したり、収縮したりしても、発熱体4に大きなたわみが生じることが良好に防止され、発熱体4を略直線状に保持することができる。従って、発熱体4と基体2との間の距離を長手方向にわたり略一定とすることが可能となり、基体上に形成される膜の厚みを略均一とすることができる。
なお、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更・改良が可能である。
例えば上述の実施形態において、移動可能な電極5の周囲の構成を図4(a)〜(d)のように成しても良い。
すなわち、上述の実施形態においては、電極5を接続部材6aのみで支持するようにしたが、図4(a)に示す如く、電極5を接続部材6aで支持するとともに、電極5を支持部材6bの側壁に設置されるスライド手段6cによって支持するようにしても良い。この場合、電極5の左右(発熱体4の長手方向と直交する方向)の位置を固定することができる。なお、スライド手段6cは支持部材6bの側壁に沿って移動できるように支持部材6bとの接触面に車輪等が設けられている。
また図4(b)や図4(c)に示す如く、電極5を複数の接続部材6aで側方より支持するようにしても良い。この場合、電極5の位置が左右に振れやすいため、電極5及び支持部材6bの一方に突起を、他方に該突起が挿入される穴をそれぞれ設け、電極5の左右の位置を安定させるようにすることが好ましい。
さらに発熱体4の端部に印加される引張力を生じさせる手段として、電極5の自重以外の他の手段であっても良い。例えば、図4(d)に示す如く、支持部材6b及び/または電極5表面に磁石を設置し、該磁石の磁力によって発熱体4を長手方向に引っ張り、発熱体4のたわみを防止するようにしても良い。この場合、磁力が電極5と支持部材6bとが互いに引き寄せあうように磁石の極性を設定する。また、発熱体4の端部に印加される引張力を生じさせる手段として、図4(a)のスライド手段6cを用い、該スライド手段6cを自動制御によって移動させて発熱体4に引張力を印加するようにしても良いし、あるいは、電極5を移動させることで発熱体4を移動させるのではなく、発熱体4の端部を直接引っ張るようにして発熱体4の端部を長手方向に移動させるようにしても良い。
また上述の実施形態においては、接続部材6aを支持部材6bを介して外部電源に接続するようにしたが、支持部材6bを介さずに接続部材6aを外部電源に接続するようにしても良く、この場合、支持部材6bを省略することができる。
また更に上述の実施形態においては、単一の真空容器1で発熱体CVD装置を構成する場合について説明したが、複数の真空容器を連結してなる発熱体CVD装置においても適用可能である。
更にまた上述の実施形態においては、主として基体2が円筒状の場合について説明したが、基体2が平板状の場合にも適用可能であり、この場合、例えば、図5のように、平板状の基体支持体で基体2を支持して発熱体CVD装置を構成する。この場合、発熱体4の端部を電極5の自重により移動させる場合は、発熱体4を重力の向きに対して略平行となるように発熱体CVD装置を構成することが好ましい。またあるいは、多角柱状に形成された基体支持体の各側面に基体2を取着して発熱体CVD装置を構成する。
次に上述した作用効果を具体的な実施例で確かめる。この実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
本実施例は、図6に示すようなAl基体9の上面にキャリア注入阻止層10、光導電層11、表面保護層12を順次積層してなるa−Si感光体13を、本発明の最良の形態における発熱体CVD装置(実施例1)と、図10に示す従来の発熱体CVD装置(比較例1)を用いてそれぞれ作製し、作製したa−Si感光体の表面保護層12の膜厚ムラを評価するというものである。キャリア注入阻止層10、光導電層11、表面保護層12の成膜条件は表1に示す通りである。
Figure 0004583061
表面保護層12の膜厚を評価する理由は、表面保護層12を構成するa−SiCの方が光導電層11を構成するa−Siよりも成膜時の発熱体4の発熱温度が高く、発熱体4の熱膨張が大きいため、表面保護層12の形成時の方が従来技術の問題点が顕著に出やすく、本発明の作用効果を確認しやすいためである。
なお、感光体の作製に用いた発熱体CVD装置は、実施例、比較例ともに、径が0.5mmで純度99.9%のタングステンワイヤー1本を用いて発熱体を長尺状に構成し、発熱体と基体との距離を30mm、発熱体とガス供給手段との距離を30mmとした。基体の加熱手段にはカートリッジヒーターを用いた。また接続部材としては縦160mm、横20mm、厚み200μmのアルミニウム箔を7回、蛇腹状に折り返したものを用いた。電極としてはアルミニウム製で重さが14gのものを用いた。このCVD装置の真空容器内に表面を鏡面仕上げした直径30mm、長さ254mmの円筒状Al基体を1本セットし、基体温度を250℃に保持しながら真空容器内の真空度を1×10−2Paに設定した。次に発熱体の発熱温度(発熱体の長手方向中央の温度)を1800℃に設定した状態で、表1の条件のもとで基体9上にキャリア注入阻止層10、光導電層11、表面保護層12を順次積層し、a−Si感光体13を作製した。
膜厚の測定箇所は感光体の長手方向に沿った9箇所で行った。また膜厚は、光学式干渉膜厚計(大塚電子製MC−850A)を用い、波長領域970nm〜1000nmとして測定した。
以上の実施結果を図7に示す。同図において、横軸は表面保護層12の膜厚(Å)、縦軸は感光体の長手方向の位置である。同図より明らかなように、比較例1に比べて実施例1は均一な膜厚が得られた。
なお、成膜時の発熱体の熱膨張量は約10mmであり、実施例1では発熱体の伸びを移動手段によって吸収し、発熱体を直線状に維持することができた。しかしながら、比較例1においては発熱体の端部の位置が固定されているため、発熱体の伸びの分を吸収できずに発熱体にたわみが生じ、発熱体と基体との距離が不均一となり、発熱体と基体との距離が離れた領域では表面保護層12の膜厚が小さくなる結果となった。
本発明の一実施形態に係る発熱体CVD装置内の側面図である。 図1の発熱体CVD装置内の上面図である。 図1の発熱体CVD装置内に配置された移動可能な電極の周辺の構成を示す断面図である。 (a)〜(d)は本発明の他の実施形態に係る発熱体CVD装置内に配置された移動可能な電極の周辺の構成を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る発熱体CVD装置内の側面図である。 実施例1、比較例1において作製したa−Si感光体の断面図である。 実施例1、比較例1において作製したa−Si感光体の表面保護層の膜厚分布を示す線図である。 従来の発熱体CVD装置内の側面図である。
符号の説明
1・・・真空容器
2・・・基体
3・・・基体支持体
4・・・発熱体
5・・・電極
6a・・・弾性部材(バネ)
6b・・・支持部材
6c・・・スライド手段
7・・・ガス供給手段
8・・・ガス吹き出し孔
9・・・Al基体
10・・・キャリア注入阻止層
11・・・光導電層
12・・・表面保護層
13・・・感光体

Claims (3)

  1. 基体を収容する真空容器と、該真空容器内に原料ガスを供給するガス供給手段と、該ガス供給手段より供給される原料ガスに接触するように配置された、鉛直方向に沿って延びた長尺状の発熱体と、を備え、
    前記ガス供給手段からの原料ガスを前記発熱体の発する熱によって分解し、該分解された原料ガス成分を基体上に堆積させて成膜を行う発熱体CVD装置において、
    前記発熱体の上方側端部および下方側端部それぞれに電極が接続され、
    前記上方端部側の電極が前記真空容器に対して固定されるとともに、前記下方端部側の電極が鉛直方向に沿って移動可能に保持されており、
    前記発熱体には、前記下方端部側の電極にかかる重力による鉛直下向きの引張力が付与されており、
    前記下方端部側の電極は、接続部材を介して外部電源と電気的に接続し、前記接続部材が、前記下方端部側の電極に鉛直下向きの引張力を重畳することを特徴とする発熱体CVD装置。
  2. 前記引張力の印加時における発熱体中の応力が弾性限度以下に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の発熱体CVD装置。
  3. 前記基体及び前記発熱体が略平行に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の発熱体CVD装置。
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