JP4498032B2 - 発熱体cvd装置及び発熱体cvd法 - Google Patents

発熱体cvd装置及び発熱体cvd法 Download PDF

Info

Publication number
JP4498032B2
JP4498032B2 JP2004190456A JP2004190456A JP4498032B2 JP 4498032 B2 JP4498032 B2 JP 4498032B2 JP 2004190456 A JP2004190456 A JP 2004190456A JP 2004190456 A JP2004190456 A JP 2004190456A JP 4498032 B2 JP4498032 B2 JP 4498032B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating element
gas
gas supply
supply means
shielding member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004190456A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006009111A (ja
Inventor
大輔 長浜
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2004190456A priority Critical patent/JP4498032B2/ja
Publication of JP2006009111A publication Critical patent/JP2006009111A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4498032B2 publication Critical patent/JP4498032B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明は、原料ガスを発熱体の発する熱で分解することにより、分解成分を堆積させて成膜を行う発熱体CVD装置及び発熱体CVD法に関するものである。
各種半導体デバイスの成膜には、CVD法が多く用いられている。CVD法にはプラズマCVD法、熱CVD法、発熱体CVD法がある。このうち、発熱体CVD法は原料ガスを発熱体の熱によって分解し、これを基体上に成膜するという成膜方法であり、熱CVD法に比べて成膜中の基体の温度を低くできるため、基体材料の使用範囲を広くすることができる上に、プラズマCVD法のように基体上の膜がプラズマによってダメージを受けることもないことから、種々の基体上に良質の膜を得ることができる成膜方法として注目されている。
かかる従来の発熱体CVD装置は、例えば図8に示す如く、基体22及び基体保持手段23を収容する真空容器21と、該真空容器21内に原料ガスを供給するガス供給手段27と、該ガス供給手段27より供給される原料ガスに接触するように真空容器21内に配置された発熱体24と、を備えた構造のものが知られている。
この発熱体CVD装置を用いて、例えば、円筒状基体上にa−Si層を形成する場合、下記の工程を経て成膜される。
(1)まず、真空ポンプを用いて真空容器21内を真空状態に保持する。
(2)次に、円筒基体22を円筒の中心軸を中心に回転させるとともに、a−Si層を形成するための原料ガスを、ガス供給手段27を用いて真空容器21内に供給し、該供給した原料ガスを発熱体24に接触させつつ発熱体24を1200℃〜2500℃で加熱する。
その結果、発熱体24の熱によって原料ガスが分解され、該分解によって生成されたSiが基体22上に堆積され、基体22上にa−Si層が形成される。なお、原料ガスとしては、例えばSiHが使用され、その希釈ガスとしてHが使用される。また、SiHとHとの混合比はガスタンクの減圧弁やマスフローコントローラーなどを用いて調整される。
特許第3145536号公報
ところで、上述した従来の発熱体CVD装置においては、原料ガスの分解時、原料ガスの分解成分は基体22上のみならずガス供給手段27の表面にも堆積する。
一方、ガス供給手段27は基体22と異なり成膜中に静止していることから、その表面に堆積する膜の厚みは比較的大きなものとなりやすく、それ故、ガス供給手段27の表面の膜は剥離しやすい傾向にあった。
また基体22が静止している場合であっても、発熱体24が基体22よりもガス供給手段27に近い位置に配設されていると、ガス供給手段27の表面に堆積する膜の厚みは大きなものとなりやすく、基体22が回転している場合と同様に、ガス供給手段27の表面に付着した膜は剥離しやすい傾向にあった。
しかしながら、ガス供給手段27の表面の膜が剥離した場合、その膜が基体22上に付着するおそれがあり、この場合、その剥離物によって基体上のa−Si層中に欠陥が生じやすくなり、膜質に悪影響を与えていた。
本発明は上記問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は膜欠陥の少ない高性能の発熱体CVD装置及び発熱体CVD法を提供することにある。
本発明の発熱体CVD装置は、基体を収容する真空容器と、該真空容器内に原料ガスを供給するガス供給手段と、該ガス供給手段より供給される原料ガスに接触するように配置された発熱体と、前記ガス供給手段と前記発熱体との間に配置され、且つ前記ガス供給手段からの原料ガスを通過させるための穴部を有する遮蔽部材と、を備え、前記遮蔽部材は円筒状を成し、且つ前記遮蔽部材は、その軸方向に略平行な回転軸を中心に回転することを特徴とする。
また本発明の発熱体CVD装置は、上記発熱体CVD装置において、前記遮蔽部材は前記ガス供給手段の周囲に沿って配置されていることを特徴とする。
また本発明の発熱体CVD装置は、上記発熱体CVD装置において、前記遮蔽部材に形成される穴部の開口面積は0.01mm〜100mm、その形成密度は1×10個/m〜1×10個/mにそれぞれ設定されていることを特徴とする。
一方、本発明の発熱体CVD法は、基体及び発熱体を収容する真空容器内にガス供給手段によって原料ガスを供給するとともに、該原料ガスを前記発熱体の発する熱によって分解し、その分解成分を基体上に堆積させて層形成を行う発熱体CVD法において、前記ガス供給手段と前記基体との間に、前記ガス供給手段からの原料ガスを通過させるための穴部を有する円筒状の遮蔽部材を前記ガス供給手段の周囲に沿って配置するとともに、該遮蔽部材を、その軸方向に略並行な回転軸を中心に回転させながら、前記原料ガスの供給及び前記発熱体の発熱を行うことを特徴とする。
本発明によれば、基体を収容する真空容器と、該真空容器内に原料ガスを供給するガス供給手段と、該ガス供給手段より供給される原料ガスに接触するように配置された発熱体と、前記ガス供給手段と前記基体との間に配置され、且つ前記ガス供給手段からの原料ガスを通過させるための穴部を有する遮蔽部材と、を備えていることから、成膜中にガス供給手段の表面に原料ガスの分解成分が付着しようとしても、遮蔽部材によって良好にブロックされる。従って、従来のようにガス供給手段に付着した堆積物が剥離して基板上に付着し、基体上に成膜される層中に欠陥が生じることが抑制され、良好な層形成を実現できる。
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる発熱体CVD装置内の側面図、図2は図1の発熱体CVD装置内の上面図であり、同図に示す発熱体CVD装置は、大略的に、基体2を収容する真空容器1と、該真空容器1内に原料ガスを供給するガス供給手段7と、該ガス供給手段7より供給される原料ガスに接触するように配置された発熱体4と、ガス供給手段7と基体2との間に配置された遮蔽部材9を備えた構造を有している。
真空容器1は、その内部に基体2や基体支持体3、発熱体4、ガス供給手段7、を収容すべく中空状態に形成されており、基体2の出し入れができるように容器の一部、例えば上蓋が開閉可能に形成される。また真空容器1はガス供給手段7によって導入された原料ガスを排気する際に用いられるガス排気口6を有している。
真空容器1内に収容される基体2としては、円筒状もしくは平板状のものなど、種々の形状のものが使用可能であり(図1では円筒状)、円筒状基体を用いる場合、その内部に円筒状を成す基体支持体を挿入することで真空容器1内にセットされる。また平板状基体を用いる場合、複数個の基体2を略円筒状あるいは多面体状になるように基体支持体上に配置することで真空容器1内にセットされる。
基体2の材質としては、導電性、または絶縁性、あるいは絶縁性基体の表面に導電層を形成したものが使用される。導電性基体としては、例えばアルミニウム(Al)、ステンレススチール(SUS)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、チタン(Ti)等の金属またはこれらの合金が挙げられる。絶縁性基体としては、ホウ珪酸ガラスやソーダガラス、パイレックス(R)ガラス等のガラスやセラミックス、石英、サファイアなどの無機絶縁物、あるいはフッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ビニロン、エポキシ、マイラー等の合成樹脂絶縁物が挙げられる。また絶縁性基体上に導電層を形成する場合、導電層の材料としてはITO(インジウム、錫、酸化物)や酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅やAl、Ni、金(Au)等が挙げられ、かかる導電層は従来周知の薄膜形成技術、例えば、真空蒸着法、活性反応蒸着法、イオンプレーティング法、RFスパッタリング法、DCスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、DCマグネトロンスパッタリング法、熱CVD法、プラズマCVD法、スプレー法、塗布法、浸漬法などで形成される。なお、基体2をAlにより円筒状に形成する場合、従来周知の押出加工法を採用することにより製作される。
また上述の基体2を支持する基体支持体3は、円筒状基体を支持する場合には外形が円筒状に形成される。なお、平板状基体を支持する場合には外形が平板状もしくは多角柱状に形成される。
また基体支持体3は、その内部に加熱手段や冷却手段、温度検出手段を有しており、温度検出手段で基体支持体3の温度を検出するとともに、該検出した温度をモニタリングしながら、図示しない温度調節器を用いて加熱手段と冷却手段を制御することによって、基体温度を所望の温度に維持している。なお、成膜中の基体温度はa−Si系、あるいはa−SiC系の材料を堆積させる場合、100〜500℃、好適には200〜350℃の一定温度に制御される。また加熱手段としては、ニクロム線やシーズヒーター、カートリッジヒーターなどの電気的なものや、油などの熱媒体が使用され、冷却手段としては空気や窒素ガス等の気体や水、油などからなる冷却媒体が使用され、これらが基体支持体3の内部を循環するように流動させることが好ましい。温度検出手段としては、サーミスタや熱電対などが用いられる。
この基体支持体3は、成膜時、回転モーター等の回転手段18に接続された回転伝達手段20によって基体2と共に回転させることが好ましく、これによって発熱体4によって分解された原料ガスの分解成分を基体表面の全体にわたり被着させることができ、略一様な膜厚分布を得ることができる。なお、基体支持体3の回転速度としては、1rpm〜10rpmが好ましい。なお、回転伝達手段20は真空中で接続や切り離しが可能なように構成される。このような接続機構としては電流接続端子とソレノイドの組み合わせやスリップリングとブラシの組み合わせ等が用いられる。また回転や搬送の動力の伝達については、ギヤ同士の組み合わせやギヤとソレノイドの組み合わせ等が用いられる。
一方、真空容器1の内部には、上述の基体2に対して略平行に配される発熱体4が単数、もしくは複数配設され、これら発熱体4はガス供給手段7から供給される原料ガスに接触するように配設されている。
この発熱体4は抵抗材料により形成されており、両端に接続される電極5を介して電力が供給されると、ジュール発熱を起こし、対応する原料ガスを分解するのに必要な温度(例えば1200℃〜2500℃)となる。
なお、発熱体4の抵抗材料としては、原料ガスと触媒反応あるいは熱分解反応を起こして、その反応生成物を堆積種とし、且つ発熱体自身が昇華や蒸発により堆積される膜中に混入しにくいものが用いられ、例えば、タングステン(W)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、モリブデン(Mo)、Ti、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、Ni,Cr,Mnやそれらの合金などが好適に使用される。発熱体4の抵抗材料は比較的融点が大きいことが好ましく、例えば融点が2600℃〜3400℃の抵抗材料が好ましい。
発熱体4の形状としては、本実施形態のような線状や、あるいは、図3、図4に示すように、円筒状基体2よりもひと周り大きな径を有する筒状が挙げられる。線状に成す場合、上述の電気抵抗材料で製作されたワイヤやフィラメント、リボン等を1本単体で構成したり、複数本を束ねて構成したりすることが考えられる。また筒状を成す場合、上述の抵抗材料で製作されたワイヤやフィラメント、リボン等を格子状、網目状に組み合わせて筒状としたり、筒状板体に円形や三角形、正方形、長方形、菱形、六角形など種々の形状の通気孔をパンチングや電気鋳造法などを用いて多数設けたりしたものなどが考えられる。
発熱体4の配設位置は、発熱体4の発熱によって生成された堆積種(分解成分)を基体に向けて効率的に輸送するため、あるいは、発熱体4からの輻射熱による基体や膜への損傷を防止するため、基体2に対して3〜100mm、好適には5〜50mm、更に好適には10〜40mmの間隔を空けた箇所に設定される。また発熱体4が筒状を成す場合、基体2と発熱体4が略等しい距離の間隔を空けるように両者の中心軸が略一致するように配置される。
また発熱体4の両端に接続されている電極5は、外部からの電源電力を発熱体4に供給するための給電配線として機能するものであり、例えばAlやCu、Au、Agなどの金属材料により形成される。このような電極5と発熱体4との電気的接続は、例えば、両者を、圧着端子を介して接続することが考えられる。
一方、原料ガスを真空容器1内に供給するガス供給手段7は、供給される原料ガスが発熱体4の表面に接触するように配置されており、例えば、発熱体4が基体2とガス供給手段7との間に位置するように配置される。
ガス供給手段7は、中空構造を有する筐体に多数のガス吹き出し孔7aを形成した構造を有しており、その一部が図示しないガス導入管を介して複数のガスタンクに接続されている。これらのガスタンクにはSiHやH、Cなど各種のガスが貯蔵されており、これらのガスタンクの減圧弁やマスフローコントローラーなどを用いることでガス供給手段7に導入されるガス成分が調整される。そして、ガス供給手段7に導入された原料ガスは、ガス吹き出し孔7aを介して真空容器1内に供給され、該供給された原料ガスが発熱体4に接触する。原料ガスの発熱体4に対する接触を容易にするためには、ガス吹き出し孔7aは筐体の発熱体側表面に設けることが好ましい。なお、ガス吹き出し孔7aの形状としては、円形や三角形、正方形、長方形、菱形、六角形、スリット形状など、種々の形状が考えられる。
ガス供給手段7の筐体は、筒状や線状(長尺状)など種々の形状が考えられ、真空容器1と別体としても良いし、少なくとも一部一体化させても良いが、一体化させた方が装置の部品点数を少なくすることができるため、発熱体CVD装置の構成を簡素化できる点でメリットがある。ガス供給手段7の筐体と真空容器1とを別体化する場合、真空容器1の内壁と、該内壁よりも内側に内周面を設け、該内周面と内壁とで筐体を構成するようにしても良いし、ガス供給手段7の筐体を真空容器1の内壁に嵌め合わせるようにしても良く、前者の例として図4のガス供給手段7が考えられる。なお、ガス供給手段7を線状(長尺状)とする場合、例として図1のガス供給手段7が考えられ、この場合、原料ガスを効率的に発熱体4に接触させるため、発熱体4を線状にすることが好ましい。
このようなガス供給手段7より供給される原料ガスは、基体への成膜物が電子写真用感光体に使用されるa−Si系の膜である場合、SiとHとからなる化合物やシリコンと水素以外のハロゲン元素とからなる化合物、例えば、SiH、Si、Si、SiF、SiCl、SiCl等が用いられる。
また原料ガスとともに供給される希釈用ガスとしては、H、N、He、Ar、Ne、Xe等が用いられる。原料ガスとともに供給される価電子制御ガス(膜中の価電子数を制御するガス)には、P型不純物として元素周期律表第III族Bの元素(B,Al,Gaなど)を含む化合物、例えばB.B(CH、Al(CH,Al(C、Ga(CHなどが用いられる。N型不純物としては元素周期律表第V族Bの元素(P,As,Sbなど)を含む化合物、例えばPH、P、AsH、SbHなどが用いられる。またバンドギャップ調整用ガスとしては、バンドギャップを拡大する元素であるC、N、Oを含む化合物、例えばCH、C、C、N、NH、NO、NO、NO、O、CO、CO等やバンドギャップを狭める元素であるGe,Snを含む化合物、例えばGeH、SnH、Sn(CH等が用いられる。
また基体への成膜物が電子写真用感光体に使用されるa−SiC系の膜である場合、原料ガスとしてはa−Si系の膜を形成するのと同様のガスに加え、CH、C、C、CO、COなど、Cを含んだ化合物が使用される。
またa−SiC系の膜を成膜する場合に原料ガスとともに供給される希釈ガスとしては、a−Si系の膜を成膜する場合に使用する希釈ガスと同様のガスが用いられる。またバンドギャップ調整用ガスとしては、バンドギャップを拡大する元素であるC、N、Oを含む化合物、例えばCH、C、C、N、NH、NO、NO、NO、O、CO、CO等が用いられる。
なお、上述した原料ガスや価電子制御ガス、バンドギャップ調整用ガスの流量やこれらのガスの混合比は、減圧弁やマスフローコントローラー等を用いることにより所望の値に調整される。また成膜時のガス圧力は、供給された原料ガスが発熱体の熱によって効率的に分解されるとともに、反応生成物同士の2次反応を抑制するために、0.1〜300Pa,好適には2〜6Paに設定される。なお、良質の膜を得る為には、成膜開始に先立って、基体2がセットされた真空容器1内を一旦1×10−2Pa程度まで高真空に排気することで真空容器1内の水分や残留ガスを除去しておくことが好ましい。
一方、ガス供給手段7と基体2との間には、より具体的にはガス供給手段7と発熱体4との間には遮蔽部材9が配置されている。
この遮蔽部材9は、ガス供給手段7の周囲を取り囲むように円筒状に形成されており、その表面には、図5(a)や(b)に示す如く、ガス供給手段7のガス吹き出し孔7aから供給される原料ガスが発熱体4に到達できるように多数の穴部9aが網目状に設けられている。
この遮蔽部材9は、成膜中にガス供給手段7の表面に原料ガスの分解成分が付着しようとするのを防止するとともに、仮にガス供給手段7の表面に原料ガスの分解成分が付着し、該付着物がガス供給手段7より剥離しても、その剥離物が基体2上に付着する確率を低下させるためのものである。
このため、成膜中にガス供給手段7の表面に原料ガスの分解成分が付着しようとしても、遮蔽部材9によって良好にブロックされる。また仮にガス供給手段7に上記分解成分が多量に付着し、これが剥離しても、該剥離物が基体2上に付着することが遮蔽部材9によって良好に抑制される。従って、基体2上に成膜される層中に欠陥が生じることが抑制され、良好な層形成を実現できる。なお、遮蔽部材9によって原料ガスの分解成分のガス供給手段7への付着が防止された場合、遮蔽部材9の表面には上記分解成分が多少なりとも堆積することになるが、遮蔽部材9を後述するように回転させておけば、分解成分の堆積が遮蔽部材9の表面全体にわたり行われることになり、局所的に分解成分が堆積して厚みが大きくなり、遮蔽部材9より堆積物が剥離することが良好に防止される。
遮蔽部材9に形成される穴部9aの開口面積は0.01mm〜100mmに、形成密度は1×10個/m〜1×10個/mにそれぞれ設定することが好ましい。
穴部9aの開口面積が大きすぎると、原料ガスの分解成分がガス供給手段7の表面に付着する量が多くなったり、上記剥離物が穴部9aを通過して基体2上に付着してしまう可能性が高くなる。一方、穴部9aの開口面積が小さすぎると、原料ガスの分解成分が付着して穴部9aが詰まりやすくなる。
この遮蔽部材9の材料としては、発熱体4からの輻射熱に耐えうる材料であれば、金属材料、無機絶縁材料、有機絶縁材料等、種々の材料を広範囲に選択することができるが、穴部9aの形成の容易さから金属材料により遮蔽部材9を形成することが好ましい。なお、金属材料としては、アルミニウム(Al)、ステンレススチール(SUS)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、チタン(Ti)等が挙げられる。無機絶縁材料としては、ホウ珪酸ガラス、ソーダガラス、パイレックス(R)ガラス等のガラスや、アルミナ、ジルコニア等のセラミックス、石英、サファイア等が挙げられる。有機絶縁材料としては、フッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ビニロン、エポキシ、マイラー等が挙げられる。
遮蔽部材9は、例えば、図3や図4に示すように、ガス供給手段7が真空容器1の内壁に沿って形成されている場合であっても、適用可能であり、この場合、例えば、同様にガス供給手段7の周囲に沿って配置させるべく、ガス供給手段7よりも一回り小さい形状に形成すればよい。
尚、遮蔽部材9は、金属材料から成る場合、従来周知の引抜き法、あるいは押出し法により所定形状に製作される。またセラミックスから成る場合、アルミナやジルコニアなどのセラミック原料にYなどの焼結助剤を所定量添加・混合し、中和共沈または加水分解などの方法により反応・固溶させ、しかる後、得られた原料を押出成形やプレス成形、射出成形などにより所定形状に成形し、これを高温で焼成することにより形成される。
一方、遮蔽部材9に端部には回転モーター等の回転手段19と、回転手段19の動力を伝達する回転伝達手段8が接続されており、該回転手段19の動力を利用して遮蔽部材9の回転が行われる。
従って、上述したように遮蔽部材9の表面に付着した堆積物が遮蔽部材9より剥離することが良好に防止される。
なお、上記回転数は好ましくは0.1rpm〜60rpmに、更に好ましくは1rpm〜10rpmに設定する。
かくして上述の発熱体CVD装置は、ガス供給手段7から真空容器1内に供給される原料ガスを発熱体4に接触させつつ発熱体4を発熱させるとともに、その熱によって原料ガスを分解し、該分解された原料ガス成分を基体2上に堆積させることによって成膜を行うことにより発熱体CVD装置として機能する。
なお、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更・改良が可能である。例えば上述の実施形態においては、複数層を順次積層する場合について説明したが、単層を成膜する場合であっても適用可能であることはいうまでもない。
また上述の実施形態においては、発熱体4を1個設けるようにしたが、2個以上であっても適用可能である。
更に上述の実施形態においては、主として基体支持体3、基体2ともに円筒状の場合について説明したが、図6に示すごとく、基体支持体3、基体2ともに平板状の場合にも適用可能である。
次に上述した作用効果を具体的な実施例で確かめる。本実施例は本発明の範囲を限定するものではない。本実施例は、図7に示すようなAl基体10の上面にキャリア注入阻止層11、光導電層12、表面保護層13からなる感光層を有するa−Si感光体14を、本発明の発熱体CVD装置(実施例1〜2)と、従来の発熱体CVD装置(比較例1)を用いてそれぞれ作製し、作製したa−Si感光体を京セラミタ製レーザープリンタ(ECOSYS FS−3800)に搭載して画像出力を行い、画像の黒点数を評価するというものである。
画像の黒点数の評価は、実施例1〜2、比較例1のいずれにおいても、上記レーザープリンタを用いてA4用紙に白ベタ印刷を行い、得られた画像から感光体表面に存在する直径0.1mm以上0.2mm未満の黒点の数量と、直径0.2mm以上の黒点の数量とをそれぞれ測定する作業を10回行い、これらの平均黒点数を算出することにより行った。
なお、画像の黒点は、遮蔽部材から剥離した堆積物が基体に付着することによって、その部分に成膜欠陥が生じた場合に発生するものであり、例えば黒点数が大きい場合は、基体上に付着する堆積物が多く、黒点数が小さい場合は、基体上に付着する堆積物が少ないことを意味する。
実施例1〜2に用いられた発熱体CVD装置においては、図1に示す構成を有する発熱体CVD装置を用いた。具体的には、径が0.5mmで純度99.9%のタンタルワイヤー1本を用いて発熱体を線状に構成し、基体の加熱手段にはカートリッジヒーターを用いた。また遮蔽部材としてはステンレススチールからなる円筒状で、直径0.5mmの円形の穴部が4×10個/mの密度で形成されているものを使用した。また実施例1、2では遮蔽部材の回転速度を1rpm、10rpmにそれぞれ設定した。比較例1では遮蔽部材は設けていない図8に示す構成を有する従来の発熱体CVD装置を用いており、遮蔽部材が無いという点以外は実施例1と同様の構成である。
a−Si感光体14の作製は、上述の発熱体CVD装置の真空容器内に表面を鏡面仕上げした直径30mm、長さ254mmの円筒状Al基体を1本セットし、成膜前に基体温度を250℃に保持しながら真空容器内の真空度を1×10−2Paに設定し、次に表1の条件のもとで基体10上にキャリア注入阻止層11、光導電層12、表面保護層13を順次積層することにより行った。
Figure 0004498032
以上の実施結果を表2に示す。
Figure 0004498032
表2によれば、平均黒点数は比較例1に比べて実施例1〜2の方が少なく、良好な結果が得られている。従って、遮蔽部材を基体とガス供給手段との間に設けることが良好な膜の形成に有効であることがわかる。また遮蔽部材を回転させると特に有効であることがわかる。
本発明の一実施形態にかかる発熱体CVD装置の側面図である。 図1の発熱体CVD装置の上面図である。 本発明の他の実施形態にかかる発熱体CVD装置の側面図である。 図3の発熱体CVD装置の上面図である。 (a)及び(b)は本発明の発熱体CVD装置に組み込まれる遮蔽部材の一例を示す概略図である。 本発明の他の実施形態にかかる発熱体CVD装置の側面図である。 実施例、比較例において作製したa−Si感光体の断面図である。 従来の発熱体CVD装置の側面図である。
符号の説明
1・・・真空容器
2・・・基体
3・・・基体支持体
4・・・発熱体
5・・・電極
6・・・ガス排気口
7・・・ガス供給手段
7a・・・ガス吹き出し孔
8,20・・・回転伝達手段
9・・・遮蔽部材
9a・・・穴部
10・・・Al基体
11・・・キャリア注入阻止層
12・・・光導電層
13・・・表面保護層
14・・・感光体
18,19・・・回転手段

Claims (4)

  1. 基体を収容する真空容器と、該真空容器内に原料ガスを供給するガス供給手段と、該ガス供給手段より供給される原料ガスに接触するように配置された発熱体と、前記ガス供給手段と前記発熱体との間に配置され、且つ前記ガス供給手段からの原料ガスを通過させるための穴部を有する遮蔽部材と、を備え
    前記遮蔽部材は円筒状を成し、且つ前記遮蔽部材は、その軸方向に略平行な回転軸を中心に回転することを特徴とする発熱体CVD装置。
  2. 前記遮蔽部材は前記ガス供給手段の周囲に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載の発熱体CVD装置。
  3. 前記遮蔽部材に形成される穴部の開口面積は0.01mm〜100mm、その形成密度は1×10個/m〜1×10個/mにそれぞれ設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の発熱体CVD装置。
  4. 基体及び発熱体を収容する真空容器内にガス供給手段によって原料ガスを供給するとともに、該原料ガスを前記発熱体の発する熱によって分解し、その分解成分を基体上に堆積させて層形成を行う発熱体CVD法において、
    前記ガス供給手段と前記発熱体との間に、前記ガス供給手段からの原料ガスを通過させるための穴部を有する円筒状の遮蔽部材を前記ガス供給手段の周囲に沿って配置するとともに、該遮蔽部材を、その軸方向に略並行な回転軸を中心に回転させながら、前記原料ガスの供給及び前記発熱体の発熱を行うことを特徴とする発熱体CVD法。
JP2004190456A 2004-06-28 2004-06-28 発熱体cvd装置及び発熱体cvd法 Expired - Fee Related JP4498032B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004190456A JP4498032B2 (ja) 2004-06-28 2004-06-28 発熱体cvd装置及び発熱体cvd法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004190456A JP4498032B2 (ja) 2004-06-28 2004-06-28 発熱体cvd装置及び発熱体cvd法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006009111A JP2006009111A (ja) 2006-01-12
JP4498032B2 true JP4498032B2 (ja) 2010-07-07

Family

ID=35776672

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004190456A Expired - Fee Related JP4498032B2 (ja) 2004-06-28 2004-06-28 発熱体cvd装置及び発熱体cvd法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4498032B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102651759B1 (ko) * 2016-10-11 2024-03-29 삼성디스플레이 주식회사 증착장치

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002110553A (ja) * 2000-09-28 2002-04-12 Fujitsu Ltd 触媒cvd装置及び半導体装置の製造方法
JP2004128322A (ja) * 2002-10-04 2004-04-22 Anelva Corp 発熱体cvd装置及び、発熱体cvd装置における発熱体と電力供給機構との間の接続構造
JP2005179743A (ja) * 2003-12-19 2005-07-07 Toshiba Corp 触媒cvd装置及び触媒cvd法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002110553A (ja) * 2000-09-28 2002-04-12 Fujitsu Ltd 触媒cvd装置及び半導体装置の製造方法
JP2004128322A (ja) * 2002-10-04 2004-04-22 Anelva Corp 発熱体cvd装置及び、発熱体cvd装置における発熱体と電力供給機構との間の接続構造
JP2005179743A (ja) * 2003-12-19 2005-07-07 Toshiba Corp 触媒cvd装置及び触媒cvd法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006009111A (ja) 2006-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0746729B2 (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JP4498032B2 (ja) 発熱体cvd装置及び発熱体cvd法
JP4493379B2 (ja) 発熱体cvd装置
JP4986516B2 (ja) 堆積膜形成装置および堆積膜の形成方法
JP4467281B2 (ja) 発熱体cvd法による成膜方法
JP4903473B2 (ja) 発熱体cvd装置
JP4741430B2 (ja) 成膜装置および成膜方法
JP2004115844A (ja) 薄膜デバイス用製造装置および薄膜デバイスの製造方法
JP2005133162A (ja) 発熱体cvd装置及び発熱体cvd法による成膜方法
JP4054234B2 (ja) 薄膜デバイス用製造装置および薄膜デバイスの製造方法
JP4051233B2 (ja) カセットおよび該カセットを装着した薄膜堆積装置、並びに薄膜堆積方法
JP4383133B2 (ja) 薄膜堆積装置
JP2004083981A (ja) 積層型薄膜デバイスの製造方法
JP2004197209A (ja) ホットワイヤcvd装置
JP4344521B2 (ja) ホットワイヤcvd装置
JP4583061B2 (ja) 発熱体cvd装置
JP2004190132A (ja) ホットワイヤcvd装置
JP4901264B2 (ja) プラズマcvd装置
JP2004091820A (ja) カセットおよび薄膜堆積装置ならびに薄膜堆積方法
JP7028730B2 (ja) 堆積膜形成装置および堆積膜形成方法
JP2004169153A (ja) 薄膜堆積装置
JP2004099917A (ja) 薄膜堆積装置
JP2004091802A (ja) 感光体用カセットおよび薄膜堆積装置ならびに薄膜堆積方法
JP2004084012A (ja) カセットおよび薄膜堆積装置ならびに薄膜堆積方法
JP2004060022A (ja) 薄膜堆積装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070516

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091117

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100316

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100413

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140423

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees