JP2004099917A - 薄膜堆積装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真特性などのデバイス特性が成膜面にわたって、とくに長手方向にわたって均一とする。
【解決手段】HW−CVD装置21においては、発熱体25を配設するに当り、発熱体25と被成膜用基体24との間隔を、これら軸方向にそって均等な電力密度分布にすべく違えたことで、筒状の被成膜用基体24の端部に対応する発熱体25の部分における電力密度分布を、その中央部に対応する発熱体の部分の電力密度分布に比べて大きくする。
【選択図】図4
【解決手段】HW−CVD装置21においては、発熱体25を配設するに当り、発熱体25と被成膜用基体24との間隔を、これら軸方向にそって均等な電力密度分布にすべく違えたことで、筒状の被成膜用基体24の端部に対応する発熱体25の部分における電力密度分布を、その中央部に対応する発熱体の部分の電力密度分布に比べて大きくする。
【選択図】図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はホットワイヤーCVD法によって筒状の被成膜用基体上に、たとえばアモルファスシリコン系等の薄膜を形成するホットワイヤーCVD装置(以下、ホットワイヤーCVD装置をHW−CVD装置と略す)と呼ばれる薄膜堆積装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、アモルファスシリコン(以下、アモルファスシリコンをa−Siと略記する)系の材料を用いた電子写真感光体や太陽電池、イメージセンサ、光センサ、TFT(薄膜トランジスタ)等の製作には、主にグロー放電プラズマCVD法を用いた成膜装置が広く用いられてきた。
【0003】
この成膜装置にてa−Siからなる電子写真感光ドラムを製作するには、図5に示すようなグロー放電プラズマCVD装置1が用いられる。
【0004】
同図はグロー放電プラズマCVD装置1の概略構成図であって、2は円筒状の真空容器であり、この真空容器2の内部のほぼ中央に、アルミニウム金属材などからなる円筒状の導電性基体4を配置し、この導電性基体4上にグロー放電プラズマによりa−Si系膜を成膜する技術である。
【0005】
導電性基体4は、その内部に設けたSUSなどからなる円筒状の支持体3により保持され、導電性基体4を接地電極とし、この外周面と等距離になるように囲んだSUSなどからなる円筒状の金属電極5を他方の高周波電力印加電極として配置している。
【0006】
金属電極5には、成膜用の原料ガスを導入するガス導入管6が接続されており、金属電極5の内周面に設けられたガス吹き出し孔7から、導電性基体4に向けて両電極間に原料ガスが導入される。
【0007】
金属電極5の上下には、接地との絶縁のためのセラミックスなどからなる絶縁リング8、8’が設けられ、金属電極5と導電性基体4との間には、高周波電源9が接続され、ガスの導入とともに、導電性基体4と金属電極5との間にてグロー放電プラズマを発生させるように成している。
【0008】
このようなグロー放電プラズマを発生させるに当り、支持体3の内部には、ニクロム線やカートリッジヒーターなどからなる基体加熱手段10が設けられ、導電性基体4を所望の温度に設定する。また、支持体3と導電性基体4は、回転用のモーター11によって、回転伝達手段12を介して一体して回転させ、これによって膜厚や膜質の均一化を図っている。
【0009】
上記構成のグロー放電プラズマCVD装置1を用いてa−Si系の膜を成膜するに当たって、所定の流量やガス比に設定された原料ガスを、ガス導入管6からガス吹き出し孔7を介して両電極間に導入すると共に、真空ポンプ(図示せず)に接続された排気配管13からの排気量を調整することにより、所定のガス圧力に設定し、そして、高周波電源9により高周波電力を印加して、両電極間にグロー放電プラズマを発生させて原料ガスを分解し、所望の温度に設定した導電性基体4上にa−Si系膜を成膜する。
【0010】
しかしながら、上記のグロー放電プラズマCVD法によれば、成膜中のa−Si系膜の表面がプラズマによりダメージを受けるため、膜特性の向上や積層膜の界面特性の制御に限界があるという問題点があった。
【0011】
また、グロー放電プラズマCVD装置1毎にグロー放電プラズマ発生用の高価な高周波電源が必要となることで製造コストが大きくなっていた。さらに高周波によるグロー放電プラズマの発生に伴って、電力の一部が高周波ノイズとして成膜装置の各部や外部に漏洩し、ガス流量やガス圧力ならびに基体温度の各種制御機器に対し誤動作を引き起こすという問題点もあった。
【0012】
加えて、プラズマによる分解生成物として、a−Si系膜の成膜中に副生成物として黄色の易燃性粉体が多量に発生し、真空容器内の導電性基体4以外の部位、すなわち電極や容器の内壁、排気配管系等にも付着し堆積し、その粉体が成膜中の導電性基体4表面に飛来して、成膜欠陥の発生原因となっていた。そして、成膜毎に反応炉内の粉体洗浄作業を必要とし、その取扱いに危険が伴っていた。
【0013】
これらの課題を解消し、a−Si系膜の特性を改善することを目的として、ホットワイヤーCVD法(このホットワイヤーCVD法をHW−CVD法と略記する。これは触媒CVD法もしくはCat―CVD法とも呼ばれる)と呼ばれる成膜方法ならびにその装置が提案されている(特許文献1と特許文献2参照)。
【0014】
このHW−CVD装置を図6に示す装置の概略図に基づいて説明する。
真空容器からなる反応室14内には、被成膜用の基体16を基体保持台15の上に保持設置し、基体16の上部に、適当な間隔をおいてタングステン等からなる発熱体17が配置され、その発熱体17を通過して基体16上に原料ガスを供給できるように、ガス導入管18が配置される。19は排気のために用いる真空ポンプ、20は基体加熱手段としてのヒーターである。
【0015】
このHW−CVD装置を用いてa−Si系膜を成膜するには、真空ポンプ19により真空状態に排気した反応室14内に、SiH4とH2の混合ガスなどからなる原料ガスをガス導入管18より導入し、1000〜2000℃に加熱された発熱体17を通過させて触媒反応を起こさせ、その反応により分解生成した反応生成物を基体16に到達させて、a−Si系膜を堆積させる。
【0016】
さらに発熱体と被成膜用の基体との間に気体が通過可能な開口部を有する輻射断熱部材を設け、これによって発熱体からの輻射による基体の温度上昇を防止する技術が提案されている(特許文献3参照)。
【0017】
以上のようなHW−CVD装置に関して、発熱体に含まれた重金属等の不純物が膜中へ混入することを防止する技術も提案されている(特許文献4と特許文献5参照)。
【0018】
また、H2などの材料ガスが発熱体によって分解活性化されて活性種が生成される活性種生成空間と、SiH4などの原料ガスがこの活性種との化学反応によって基体上に膜堆積する成膜処理空間を同一真空容器内で隔離することによって、発熱体にて使用される高融点金属、たとえばタングステン線などがSiH4と反応してシリコン化合物が生成し、その結果引き起こされる発熱体の劣化を防止する技術が提案されている(特許文献6参照)。
【0019】
さらにまた、発熱体端部の支持部をカバーで覆い、その間隙に希釈ガス、不活性ガス等を導入して発熱体端部の温度低下部を原料ガスと隔離することにより、前記シリコン化合物の生成を防止する技術が提案されている(特許文献7参照)。
【0020】
このようなHW−CVD法によれば、成膜反応においてプラズマによるダメージがなくなり、これによって優れた膜特性が得られ、積層膜の界面特性も良好となり、しかも、水素を含むa−Si:H膜中の水素含有量を低減でき、これにより、a−Si:H膜の光学的バンドギャップが小さくなり、その結果、太陽電池の光電変換効率が向上し、太陽電池やイメージセンサにおける光劣化が改善され、TFTでのキャリア移動度が改善される。
【0021】
【特許文献1】
特許第1704110号公報
【特許文献2】
特許第3145536号公報
【特許文献3】
特許2692326号公報
【特許文献4】
特開2000―277501号公報
【特許文献5】
特開2000−277502号公報
【特許文献6】
特開2001−345280号公報
【特許文献7】
特開2002−93723号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した提案のHW−CVD装置を用いて、たとえば電子写真感光体のごとく、筒状の被成膜用基体に対しa−Si系膜を成膜したところ、基体の成膜面において、基体端部に向かって膜厚が減少し、これにより、電子写真特性などのデバイス特性が不均一になることがわかった。
【0023】
この課題に対し、一般的に、基体に対し十分な大きさを持つ発熱体を使用したり、もしくは基体と発熱体との間隔(ギャップ)を大きくすることが考えられるが、その反面、これらの改善をおこなったことで、装置自体の大型化し、ガスの利用効率が低下していた。
【0024】
一方、このような課題については、第48回応用物理学関係連合講演会の29a−ZQ−2にて報告されており、そして、そのための解決策として触媒体一体型シャワーヘッドを任意に配置する技術が提案されているが、その反面、構成が複雑化し、小型化に対し制約されることで、いまだ十分満足にし得る程度にまで膜厚均一性が得られず、製造コストが大きくなっていた。
【0025】
本発明は上記事情に鑑みて完成されたものであり、その目的は筒状の被成膜用基体に対し、その成膜面にわたって均一な膜厚にて成膜し、そして、均等な特性を達成した薄膜堆積装置を提供することにある。
【0026】
本発明の他の目的は製造コストを下げることで、低コストな薄膜デバイス製品が得られる薄膜堆積装置を提供することにある。
【0027】
さらに本発明の目的は成膜面に対し均等な電子写真特性が得られた高品質かつ低コストな電子写真ドラムを提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜堆積装置は、ガス導入孔を設けた反応室内にガス通過孔を形成した円筒状の密閉容器を配し、この密閉容器の内部に筒状の発熱体を配設し、この発熱体の内部に筒状の被成膜用基体を設け、さらに被成膜用基体を温度調整する基体温度設定手段を設けてホットワイヤーCVD法により被成膜用基体上に成膜せしめるように成し、そして、前記発熱体と被成膜用基体との間隔を、これら軸方向にそって均等な電力密度分布にすべく違えたことを特徴とする。
【作用】
本発明は上記構成のように発熱体と被成膜用基体との間隔を、これら軸方向にそって均等な電力密度分布にすべく違えたことで、これにより、発熱体の電力密度分布を基体の長手寸法にわたって均等にする。
【0029】
すなわち、たとえば基体面に対して湾曲状に発熱体を配置した構成において、基体端部側に向かって基体と発熱体との間隔(ギャップ)を小さくすると、筒状の被成膜用基体の端部に対応する発熱体の電力密度分布を、その中央部に対応する発熱体の電力密度分布に比べて大きくしたことで、これに伴なって成膜レート(成膜速度)が大きくなり、基体の成膜面の端部に向かって成膜性能を高め、膜厚の減少傾向に対し補完させることができ、その結果、電子写真特性などのデバイス特性が成膜面にわたって、とくに長手方向にわたって均一となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の薄膜堆積装置(HW−CVD装置)を図面にて詳述する。
図1は本発明のHW−CVD装置21の概略構成図であり、図2はこの装置21の横断面図である。
【0031】
図1と図2に示すHW−CVD装置21によれば、前記反応室である円筒状の真空容器22のほぼ中央に配された円筒状の基体24上に、ガス吹き出し手段26から原料ガスを円筒状の発熱体25を通して供給し、HW−CVD法によってa−Si系の膜を成膜するものである。
【0032】
真空容器22は、基体24のセットや取り出しが出来るように、容器の一部、たとえば上蓋が開閉可能に形成される。23はSUSなどからなる基体支持体であり、その内部に加熱手段27と冷却手段28と温度検出手段29とが設けられ、基体支持体23に装着される基体24の成膜時の温度を制御する。
【0033】
これら加熱手段27と冷却手段28と温度検出手段29とでもって、前記基体温度設定手段を構成する。
【0034】
温度検出手段29としては、熱電対やサーミスタ等を用いて基体支持体23の外壁の温度を検出するように取り付け、外壁を介して基体支持体23に保持された基体24の温度状態をモニターしながら、温度調節器(図示せず)により加熱手段27と冷却手段28を制御して、基体温度を所望の値に維持する。
【0035】
加熱手段27には、ニクロム線やシーズヒーター、カートリッジヒーター等の電気的なものや、油等の熱媒体が用いられる。
【0036】
冷却手段28には、空気や窒素ガス等の気体や、水、油等からなる冷却媒体が、基体支持体23内部を循環するようにして用いられる。
【0037】
このような構成の基体温度制御手段により、成膜中の基体温度は、100〜500℃、好適には200〜350℃の一定温度に制御される。
【0038】
さらに基体支持体23は回転軸を備えており、容器22との接点には装置内部の真空を維持しつつ基体温度制御手段を機能させる回転機構が設けられる。このような回転機構としては、回転軸を二重もしくは三重構造にして、オイルシールやメカニカルシール等の真空シール手段を用いて、中空にした回転軸内部に温度検出手段やヒーターの配線および媒体の循環経路を設ける。内部の配線や媒体の循環経路と外部の制御機器との接続には、スリップリングや回転導入端子等を用いる。
【0039】
基体支持体23を回転させる回転伝達手段31は、上記のように基体温度制御手段を内蔵した基体支持体23の回転軸を兼ねたものを用いてもよい。もしくは、基体支持体23の下側に基体温度制御手段を内蔵した回転軸を、上側に回転を支持する軸を設けて、基体回転の位置精度を高めるような構成にしてもよい。
【0040】
あるいは図1に示したように、基体支持体23の軸とは反対側に回転伝達のみを行なう軸を設けたものとする。
【0041】
このような構成であれば、基体支持体23には回転伝達手段31を介して基体回転用のモーター30が接続されており、成膜中に基体支持体23と基体24とが一体に回転される。
【0042】
ガス吹き出し手段26は、前記ガス通過孔であるガス吹き出し孔32を多数設けた内周面33を有し、この内周面33と真空容器22とでもって中空状をなし、ガス導入管34を介して原料ガスが導入される。
【0043】
25はワイヤを張り巡らした発熱体であり、基体24とガス吹き出し手段26との間に配置し、そして、ワイヤでもって概略円筒形状(樽状)をなす。
【0044】
発熱体25の材料としては、原料ガスの少なくとも一部に触媒反応あるいは熱分解反応を起こして、その反応生成物を堆積種となし、かつ発熱体材料自身が、昇華や蒸発により堆積される膜中に混入しにくいものが選択される。
【0045】
このような材料には、タングステン(W)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、モリブデン(Mo)、Ti、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、Ni、Cr、Mnやそれらの合金がある。
【0046】
35は、図示しない真空ポンプに接続されたガス排気配管である。容器22には、この他に真空度をモニターする圧力計(図示せず)も接続されている。この装置21にて用いる基体24の形状は円筒状であるが、その材質は、製品の用途に応じて、導電性または絶縁性あるいは絶縁性基体の表面に導電処理を施したものが選択される。
【0047】
導電性基体としては、たとえばアルミニウム(Al)、ステンレススチール(SUS)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、チタン(Ti)等の金属もしくはこれらの合金がある。
【0048】
絶縁性基体としては、ホウ珪酸ガラスやソーダガラス、パイレックス(R)ガラス等のガラスや、セラミックス、石英、サファイヤ等の無機絶縁物、あるいはフッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ビニロン、エポキシ、マイラー等の合成樹脂絶縁物がある。
【0049】
これらの絶縁性基体は、必要に応じて、少なくとも成膜を行なう側の表面が導電処理される。この導電処理は、絶縁性基体の表面にITO(インジウム・スズ・酸化物)、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅等の導電層や、Al、Ni、金(Au)等からなる金属層を、真空蒸着法、活性反応蒸着法、イオンプレーティング法、RFスパッタリング法、DCスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、DCマグネトロンスパッタリング法、熱CVD法、プラズマCVD法、スプレー法、塗布法、浸漬法等で形成することで行なう。
【0050】
以上のように基体24が円筒形状であれば、その中心軸は、発熱体25、ガス吹き出し手段26および反応室22の各中心軸と一致させると、均一な成膜が得られるという点で好適である。
【0051】
また、発熱体25については、反応室22の外部から電流端子36を介して電力が供給され、通電によるジュール熱で500〜2200℃、好適には800〜2000℃の高温に加熱される。
【0052】
そして、基体支持体23に保持された被成膜用基体24の位置については、発熱体25からの熱輻射が発散され、これが吸収されるように、効果的な設計をおこなうとよい。
【0053】
本発明者が繰り返しおこなった実験によれば、基体支持体23および被成膜用基体24の材質、厚さ、大きさ等によっても異なるが、熱輻射と堆積密度、膜厚の均一性などの点から、被成膜用基体24と発熱体25との間隔を10〜150mm、好適には40〜80mm、最適には50〜70mmとするとよい。
【0054】
本発明のHW−CVD装置21を用いてa−Si系膜を成膜する場合には、そのa−Si系膜の原料ガスは、グロー放電プラズマCVD法にて用いられるものと同じである。
【0055】
成膜原料ガスとしては、シリコンと水素やハロゲン元素とからなる化合物、たとえばSiH4 、Si2 H6 、Si3 H8 、SiF4 、SiCl4 、SiCl2 H2 等が用いられる。
【0056】
希釈用ガスとしては、H2 、N2 、He、Ar、Ne、Xe等が用いられる。
【0057】
価電子制御ガスには、P型不純物としては元素周期律表第III族Bの元素(B、Al、Ga等)を含む化合物、たとえばB2 H6 、B(CH3 )3 、Al(CH3)3 、Al(C2 H5 )3 、Ga(CH3)3 等が用いられ、N型不純物としては元素周期律表第V族Bの元素(P、As、Sb等)を含む化合物、たとえばPH3 、P2 H4 、AsH3 、SbH3 等が用いられる。
【0058】
また、バンドギャップ調整用ガスとしては、バンドギャップを拡大する元素であるC、N、Oを含む化合物、たとえばCH4 、C2 H2 、C3 H8 、N2 、NH3 、NO、N2 O、NO2 、O2 、CO、CO2 等や、バンドギャップを狭める元素であるGe、Snを含む化合物、たとえばGeH4 、SnH4 、Sn(CH3)3 等が用いられる。
【0059】
成膜に当たっては、これらのガスを減圧弁やマスフローコントローラーなどを用いて所望の流量や混合比に調整し、反応室22に導入して、ガス吹き出し手段26の多数のガス吹き出し孔32を通して、発熱体25に供給される。
【0060】
成膜時のガス圧力は、0.133〜2660Pa、好適には0.665〜133Pa、最適には1.33〜66.5Paに設定するとよく、ガス圧力をこの範囲内に設定することで、供給されたガスが効率的に分解され、輸送される。また、反応生成物同士の気相中での2次反応が抑制され、その結果、基体上に良質なa−Si系膜を形成することができる。
【0061】
なお、より高品質の膜を得るためには、成膜を開始するに先立って、基体がセットされた後の反応室22内を一旦10−6Pa程度の高真空に排気し、反応室22内の水分や残留不純物ガスを除去しておくことが望ましい。また、反応室22には、さらに真空度をモニターする圧力計(図示せず)も接続する。
【0062】
以上のような構成のHW−CVD装置21によれば、a−Si系電子写真感光ドラムを作製するに当り、円筒状の基体支持体23に円筒状の基体24を保持し、そして、基体支持体23の内部に温度検出手段29および基体温度制御手段(加熱手段27と冷却手段28と温度検出手段29)を設けたことで、成膜中に発熱体25からの輻射熱を受けても、ガスの利用効率を低下させることなく基体温度が所定とおりに維持できた。また、基体24を基体支持体23とともに回転させる機構を設け、その位置精度も高めたことで、基体24上に対し均質かつ均等な厚みの成膜をおこなうことができた。
【0063】
そして、本発明のHW−CVD装置21においては、ワイヤを張り巡らした発熱体25を配設し、さらにこのワイヤ構造については、筒状の被成膜用基体24の端部に対応する発熱体25の部分における電力密度分布を、その中央部に対応する発熱体の部分の電力密度分布に比べて大きくしたことが特徴である。
【0064】
すなわち、被成膜用基体24の端部側に向かって基体24と発熱体25との間隔(ギャップ)を小さくして、筒状の被成膜用基体24の端部に対応する発熱体25の電力密度分布を、その中央部に対応する発熱体の電力密度分布に比べて大きくしたことで、これに伴なって成膜レート(成膜速度)が大きくなり、基体の成膜面の端部に向かって成膜性能を高め、膜厚の減少傾向に対し補完させることができ、その結果、電子写真特性などのデバイス特性が成膜面にわたって、とくに長手方向にわたって均一となる。
【0065】
図4は発熱体25の構成を示す。
41は小さい径の上リング、42は小さい径の下リングであり、43はこれらリング41、42のほぼ中央に配した大きな径の中央リングである。また、上リング41と下リング42との間には、各リングを支持固定するための支持棒44が4本配設されている。そして、これら支持棒44によって各リング41、42、43を支持し、さらにこれらリング41、43、42にわたって発熱体用のワイヤ45を張ったものである。このワイヤ45は、同一材でもって、その線条に同一断面形状をなすものであって、この両端は、電力端子46と接続する。なお、これら各リング41、42、43の中心軸と円筒状基体24の中心軸とが合わさるように、双方を配置するとよい。
【0066】
かくして本発明のHW−CVD装置21によれば、上記構成のごとく、発熱体ワイヤ25に対し、図4に示すごとく、被成膜用基体24の端部側に向かって基体24と発熱体25との間隔(ギャップ)を小さくして、筒状の被成膜用基体24の端部に対応する発熱体25の電力密度分布を、その中央部に対応する発熱体の電力密度分布に比べて大きくしたことで、円筒状基体24に均一な膜厚の成膜ができる。
【0067】
本発明の他のHW−CVD装置21を図3に示す。
この他のHW−CVD装置21を図1と図3に示すと、図1は本発明のHW−CVD装置21の概略構成図であり、図3はこの装置21の横断面図である。
【0068】
上述した図1と図2に示すHW−CVD装置21によれば、被成膜用基体24が円筒状であったが、これに代えて、本例のHW−CVD装置21は、断面多角形の筒状基体24を用いて、その周面を平坦状にした構成である。その他の構成は、図1と図2に示すHW−CVD装置21と同じである。
【0069】
このような多面体状の被成膜用基体24にしたことで、その平坦面の上にさらに別途、平板を配置し、この平板の上に成膜させることができる。そして、a−Si系の膜を成膜した光センサを同時に多数個作製することができる。
【0070】
【実施例】
本発明のHW−CVD装置21を用いて、円筒状の被成膜用基体24(外径φ30mm×長手寸法260mm)の周面に図7に示す層構成のa−Si膜の電子写真感光ドラムを作製した。
【0071】
同図において、アルミニウム金属からなる基体37の上に酸素、硼素をドープしたa−Siから成るキャリア注入阻止層38、光導電層39およびカーボンや窒素、酸素をドープした表面保護層40を順次積層している。これら各層の成膜条件は表1に示すとおりである。
【0072】
【表1】
【0073】
発熱体25は、つぎのような構造である。
上リング41、下リング42および中央リング43はセラミックスからなる絶縁性部材からなり、そして、図4に示すごとく、4本の支持棒44にて90度角に固定し骨組みを作り、さらに発熱体ワイヤー(Ta線φ0.5mm)45を45度角にて支持棒44に重ならないように8本張って発熱体を作製した。
【0074】
そして、表2に示すごとく、上下リング41,42の直径(a)と中央リング43の直径(b)をそれぞれ変更した。
【0075】
【表2】
【0076】
このようにリング径を変えることで、さまざまな成膜をおこなった。
【0077】
そして、各感光体に対し、それぞれ膜厚を測定した。この測定には、円筒基体の両端より30mm(上部から30mmと下部から30mm)と80mm(上部から80mmと下部から80mm)の各部位、さらに中央の部位の5点に対し測定し、さらに平均値も求め、評価した。その結果を表2に示す。
【0078】
また、膜厚のムラも求めた。これは、最大の膜厚と最小の膜厚を求め、その差を膜厚平均値でもって割算し、その比率{(最大の膜厚−最小の膜厚)/膜厚平均値}が10%以下が非常に良好であるとして、◎印にて表記する。〇印は、これにより若干劣るが、良好である場合である。×は膜厚ムラが著しく大きく、実用上支障がある場合である。
【0079】
△印は複写機やプリンター等に用いる帯電用ワイヤの高さを調整して補正することで、使用できる場合である。
【0080】
表2から明らかなとおり、筒状の被成膜用基体の端部に対応する発熱体の電力密度分布を、その中央部に対応する発熱体の電力密度分布に比べて大きくして、すなわち、本発明のごとく被成膜用基体24の端部側に向かって基体24と発熱体25との間隔(ギャップ)を小さくして、これによって、発熱体の電力密度分布を基体の長手寸法にわたって均等にしたことで、基体の成膜面の端部に向かって成膜性能を高め、膜厚の減少傾向に対し補完させることができ、その結果、電子写真特性などのデバイス特性が成膜面にわたって、とくに長手方向にわたって均一となった。
【0081】
本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更や改良等はなんら差し支えない。
【0082】
たとえば、上記の実施形態例によれば、同一材かつ同一径のワイヤ45でもって、ワイヤリングのピッチを変えることで、電力密度を調整した場合を説明したが、これに代えて、同一材のワイヤを用いるにしても、その径を変えてもよい。
【0083】
すなわち、ワイヤの抵抗値Rは、 R=ρ*L/Sの関係にあるが(ρ=抵抗率、L=長さ、S=断面積)、ワイヤの線径が細くなれば、抵抗が増加し、電流一定であれば、電力が増加するという特性を利用してもよい。
【0084】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明の薄膜堆積装置によれば、ガス導入孔を設けた反応室内にガス通過孔を形成した円筒状の密閉容器を配し、この密閉容器の内部に筒状の発熱体を配設し、この発熱体の内部に筒状の被成膜用基体を設け、さらに被成膜用基体を温度調整する基体温度設定手段を設けてホットワイヤーCVD法により被成膜用基体上に成膜せしめるように成した装置において、前記発熱体と被成膜用基体との間隔を、これら軸方向にそって均等な電力密度分布にすべく違えたことで、基体の成膜面の端部に向かって成膜性能を高め、膜厚の減少傾向に対し補完させることができ、その結果、電子写真特性などのデバイス特性が成膜面にわたって、とくに長手方向にわたって均一となった。
【0085】
また、本発明によれば、かかる構成によって膜厚の均一化を図り、安価で品質が安定し、量産性に優れたHW−CVD装置が提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のHW−CVD装置の概略構成図を示す説明図である。
【図2】本発明のHW−CVD装置の横断面図を示す説明図である。
【図3】本発明の他のHW−CVD装置の横断面図である。
【図4】本発明に係る発熱体の斜視図である。
【図5】従来のグロー放電分解装置の概略構成図を示す説明図である。
【図6】従来のHW−CVD装置の概略構成図を示す説明図である。
【図7】感光体の層構成を示す断面図である。
【符号の説明】
21・・・HW−CVD装置
22・・・真空容器
23・・・基体支持体
24・・・円筒状の基体
25・・・発熱体
26・・・ガス吹き出し手段
【発明の属する技術分野】
本発明はホットワイヤーCVD法によって筒状の被成膜用基体上に、たとえばアモルファスシリコン系等の薄膜を形成するホットワイヤーCVD装置(以下、ホットワイヤーCVD装置をHW−CVD装置と略す)と呼ばれる薄膜堆積装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、アモルファスシリコン(以下、アモルファスシリコンをa−Siと略記する)系の材料を用いた電子写真感光体や太陽電池、イメージセンサ、光センサ、TFT(薄膜トランジスタ)等の製作には、主にグロー放電プラズマCVD法を用いた成膜装置が広く用いられてきた。
【0003】
この成膜装置にてa−Siからなる電子写真感光ドラムを製作するには、図5に示すようなグロー放電プラズマCVD装置1が用いられる。
【0004】
同図はグロー放電プラズマCVD装置1の概略構成図であって、2は円筒状の真空容器であり、この真空容器2の内部のほぼ中央に、アルミニウム金属材などからなる円筒状の導電性基体4を配置し、この導電性基体4上にグロー放電プラズマによりa−Si系膜を成膜する技術である。
【0005】
導電性基体4は、その内部に設けたSUSなどからなる円筒状の支持体3により保持され、導電性基体4を接地電極とし、この外周面と等距離になるように囲んだSUSなどからなる円筒状の金属電極5を他方の高周波電力印加電極として配置している。
【0006】
金属電極5には、成膜用の原料ガスを導入するガス導入管6が接続されており、金属電極5の内周面に設けられたガス吹き出し孔7から、導電性基体4に向けて両電極間に原料ガスが導入される。
【0007】
金属電極5の上下には、接地との絶縁のためのセラミックスなどからなる絶縁リング8、8’が設けられ、金属電極5と導電性基体4との間には、高周波電源9が接続され、ガスの導入とともに、導電性基体4と金属電極5との間にてグロー放電プラズマを発生させるように成している。
【0008】
このようなグロー放電プラズマを発生させるに当り、支持体3の内部には、ニクロム線やカートリッジヒーターなどからなる基体加熱手段10が設けられ、導電性基体4を所望の温度に設定する。また、支持体3と導電性基体4は、回転用のモーター11によって、回転伝達手段12を介して一体して回転させ、これによって膜厚や膜質の均一化を図っている。
【0009】
上記構成のグロー放電プラズマCVD装置1を用いてa−Si系の膜を成膜するに当たって、所定の流量やガス比に設定された原料ガスを、ガス導入管6からガス吹き出し孔7を介して両電極間に導入すると共に、真空ポンプ(図示せず)に接続された排気配管13からの排気量を調整することにより、所定のガス圧力に設定し、そして、高周波電源9により高周波電力を印加して、両電極間にグロー放電プラズマを発生させて原料ガスを分解し、所望の温度に設定した導電性基体4上にa−Si系膜を成膜する。
【0010】
しかしながら、上記のグロー放電プラズマCVD法によれば、成膜中のa−Si系膜の表面がプラズマによりダメージを受けるため、膜特性の向上や積層膜の界面特性の制御に限界があるという問題点があった。
【0011】
また、グロー放電プラズマCVD装置1毎にグロー放電プラズマ発生用の高価な高周波電源が必要となることで製造コストが大きくなっていた。さらに高周波によるグロー放電プラズマの発生に伴って、電力の一部が高周波ノイズとして成膜装置の各部や外部に漏洩し、ガス流量やガス圧力ならびに基体温度の各種制御機器に対し誤動作を引き起こすという問題点もあった。
【0012】
加えて、プラズマによる分解生成物として、a−Si系膜の成膜中に副生成物として黄色の易燃性粉体が多量に発生し、真空容器内の導電性基体4以外の部位、すなわち電極や容器の内壁、排気配管系等にも付着し堆積し、その粉体が成膜中の導電性基体4表面に飛来して、成膜欠陥の発生原因となっていた。そして、成膜毎に反応炉内の粉体洗浄作業を必要とし、その取扱いに危険が伴っていた。
【0013】
これらの課題を解消し、a−Si系膜の特性を改善することを目的として、ホットワイヤーCVD法(このホットワイヤーCVD法をHW−CVD法と略記する。これは触媒CVD法もしくはCat―CVD法とも呼ばれる)と呼ばれる成膜方法ならびにその装置が提案されている(特許文献1と特許文献2参照)。
【0014】
このHW−CVD装置を図6に示す装置の概略図に基づいて説明する。
真空容器からなる反応室14内には、被成膜用の基体16を基体保持台15の上に保持設置し、基体16の上部に、適当な間隔をおいてタングステン等からなる発熱体17が配置され、その発熱体17を通過して基体16上に原料ガスを供給できるように、ガス導入管18が配置される。19は排気のために用いる真空ポンプ、20は基体加熱手段としてのヒーターである。
【0015】
このHW−CVD装置を用いてa−Si系膜を成膜するには、真空ポンプ19により真空状態に排気した反応室14内に、SiH4とH2の混合ガスなどからなる原料ガスをガス導入管18より導入し、1000〜2000℃に加熱された発熱体17を通過させて触媒反応を起こさせ、その反応により分解生成した反応生成物を基体16に到達させて、a−Si系膜を堆積させる。
【0016】
さらに発熱体と被成膜用の基体との間に気体が通過可能な開口部を有する輻射断熱部材を設け、これによって発熱体からの輻射による基体の温度上昇を防止する技術が提案されている(特許文献3参照)。
【0017】
以上のようなHW−CVD装置に関して、発熱体に含まれた重金属等の不純物が膜中へ混入することを防止する技術も提案されている(特許文献4と特許文献5参照)。
【0018】
また、H2などの材料ガスが発熱体によって分解活性化されて活性種が生成される活性種生成空間と、SiH4などの原料ガスがこの活性種との化学反応によって基体上に膜堆積する成膜処理空間を同一真空容器内で隔離することによって、発熱体にて使用される高融点金属、たとえばタングステン線などがSiH4と反応してシリコン化合物が生成し、その結果引き起こされる発熱体の劣化を防止する技術が提案されている(特許文献6参照)。
【0019】
さらにまた、発熱体端部の支持部をカバーで覆い、その間隙に希釈ガス、不活性ガス等を導入して発熱体端部の温度低下部を原料ガスと隔離することにより、前記シリコン化合物の生成を防止する技術が提案されている(特許文献7参照)。
【0020】
このようなHW−CVD法によれば、成膜反応においてプラズマによるダメージがなくなり、これによって優れた膜特性が得られ、積層膜の界面特性も良好となり、しかも、水素を含むa−Si:H膜中の水素含有量を低減でき、これにより、a−Si:H膜の光学的バンドギャップが小さくなり、その結果、太陽電池の光電変換効率が向上し、太陽電池やイメージセンサにおける光劣化が改善され、TFTでのキャリア移動度が改善される。
【0021】
【特許文献1】
特許第1704110号公報
【特許文献2】
特許第3145536号公報
【特許文献3】
特許2692326号公報
【特許文献4】
特開2000―277501号公報
【特許文献5】
特開2000−277502号公報
【特許文献6】
特開2001−345280号公報
【特許文献7】
特開2002−93723号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した提案のHW−CVD装置を用いて、たとえば電子写真感光体のごとく、筒状の被成膜用基体に対しa−Si系膜を成膜したところ、基体の成膜面において、基体端部に向かって膜厚が減少し、これにより、電子写真特性などのデバイス特性が不均一になることがわかった。
【0023】
この課題に対し、一般的に、基体に対し十分な大きさを持つ発熱体を使用したり、もしくは基体と発熱体との間隔(ギャップ)を大きくすることが考えられるが、その反面、これらの改善をおこなったことで、装置自体の大型化し、ガスの利用効率が低下していた。
【0024】
一方、このような課題については、第48回応用物理学関係連合講演会の29a−ZQ−2にて報告されており、そして、そのための解決策として触媒体一体型シャワーヘッドを任意に配置する技術が提案されているが、その反面、構成が複雑化し、小型化に対し制約されることで、いまだ十分満足にし得る程度にまで膜厚均一性が得られず、製造コストが大きくなっていた。
【0025】
本発明は上記事情に鑑みて完成されたものであり、その目的は筒状の被成膜用基体に対し、その成膜面にわたって均一な膜厚にて成膜し、そして、均等な特性を達成した薄膜堆積装置を提供することにある。
【0026】
本発明の他の目的は製造コストを下げることで、低コストな薄膜デバイス製品が得られる薄膜堆積装置を提供することにある。
【0027】
さらに本発明の目的は成膜面に対し均等な電子写真特性が得られた高品質かつ低コストな電子写真ドラムを提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜堆積装置は、ガス導入孔を設けた反応室内にガス通過孔を形成した円筒状の密閉容器を配し、この密閉容器の内部に筒状の発熱体を配設し、この発熱体の内部に筒状の被成膜用基体を設け、さらに被成膜用基体を温度調整する基体温度設定手段を設けてホットワイヤーCVD法により被成膜用基体上に成膜せしめるように成し、そして、前記発熱体と被成膜用基体との間隔を、これら軸方向にそって均等な電力密度分布にすべく違えたことを特徴とする。
【作用】
本発明は上記構成のように発熱体と被成膜用基体との間隔を、これら軸方向にそって均等な電力密度分布にすべく違えたことで、これにより、発熱体の電力密度分布を基体の長手寸法にわたって均等にする。
【0029】
すなわち、たとえば基体面に対して湾曲状に発熱体を配置した構成において、基体端部側に向かって基体と発熱体との間隔(ギャップ)を小さくすると、筒状の被成膜用基体の端部に対応する発熱体の電力密度分布を、その中央部に対応する発熱体の電力密度分布に比べて大きくしたことで、これに伴なって成膜レート(成膜速度)が大きくなり、基体の成膜面の端部に向かって成膜性能を高め、膜厚の減少傾向に対し補完させることができ、その結果、電子写真特性などのデバイス特性が成膜面にわたって、とくに長手方向にわたって均一となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の薄膜堆積装置(HW−CVD装置)を図面にて詳述する。
図1は本発明のHW−CVD装置21の概略構成図であり、図2はこの装置21の横断面図である。
【0031】
図1と図2に示すHW−CVD装置21によれば、前記反応室である円筒状の真空容器22のほぼ中央に配された円筒状の基体24上に、ガス吹き出し手段26から原料ガスを円筒状の発熱体25を通して供給し、HW−CVD法によってa−Si系の膜を成膜するものである。
【0032】
真空容器22は、基体24のセットや取り出しが出来るように、容器の一部、たとえば上蓋が開閉可能に形成される。23はSUSなどからなる基体支持体であり、その内部に加熱手段27と冷却手段28と温度検出手段29とが設けられ、基体支持体23に装着される基体24の成膜時の温度を制御する。
【0033】
これら加熱手段27と冷却手段28と温度検出手段29とでもって、前記基体温度設定手段を構成する。
【0034】
温度検出手段29としては、熱電対やサーミスタ等を用いて基体支持体23の外壁の温度を検出するように取り付け、外壁を介して基体支持体23に保持された基体24の温度状態をモニターしながら、温度調節器(図示せず)により加熱手段27と冷却手段28を制御して、基体温度を所望の値に維持する。
【0035】
加熱手段27には、ニクロム線やシーズヒーター、カートリッジヒーター等の電気的なものや、油等の熱媒体が用いられる。
【0036】
冷却手段28には、空気や窒素ガス等の気体や、水、油等からなる冷却媒体が、基体支持体23内部を循環するようにして用いられる。
【0037】
このような構成の基体温度制御手段により、成膜中の基体温度は、100〜500℃、好適には200〜350℃の一定温度に制御される。
【0038】
さらに基体支持体23は回転軸を備えており、容器22との接点には装置内部の真空を維持しつつ基体温度制御手段を機能させる回転機構が設けられる。このような回転機構としては、回転軸を二重もしくは三重構造にして、オイルシールやメカニカルシール等の真空シール手段を用いて、中空にした回転軸内部に温度検出手段やヒーターの配線および媒体の循環経路を設ける。内部の配線や媒体の循環経路と外部の制御機器との接続には、スリップリングや回転導入端子等を用いる。
【0039】
基体支持体23を回転させる回転伝達手段31は、上記のように基体温度制御手段を内蔵した基体支持体23の回転軸を兼ねたものを用いてもよい。もしくは、基体支持体23の下側に基体温度制御手段を内蔵した回転軸を、上側に回転を支持する軸を設けて、基体回転の位置精度を高めるような構成にしてもよい。
【0040】
あるいは図1に示したように、基体支持体23の軸とは反対側に回転伝達のみを行なう軸を設けたものとする。
【0041】
このような構成であれば、基体支持体23には回転伝達手段31を介して基体回転用のモーター30が接続されており、成膜中に基体支持体23と基体24とが一体に回転される。
【0042】
ガス吹き出し手段26は、前記ガス通過孔であるガス吹き出し孔32を多数設けた内周面33を有し、この内周面33と真空容器22とでもって中空状をなし、ガス導入管34を介して原料ガスが導入される。
【0043】
25はワイヤを張り巡らした発熱体であり、基体24とガス吹き出し手段26との間に配置し、そして、ワイヤでもって概略円筒形状(樽状)をなす。
【0044】
発熱体25の材料としては、原料ガスの少なくとも一部に触媒反応あるいは熱分解反応を起こして、その反応生成物を堆積種となし、かつ発熱体材料自身が、昇華や蒸発により堆積される膜中に混入しにくいものが選択される。
【0045】
このような材料には、タングステン(W)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、モリブデン(Mo)、Ti、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、Ni、Cr、Mnやそれらの合金がある。
【0046】
35は、図示しない真空ポンプに接続されたガス排気配管である。容器22には、この他に真空度をモニターする圧力計(図示せず)も接続されている。この装置21にて用いる基体24の形状は円筒状であるが、その材質は、製品の用途に応じて、導電性または絶縁性あるいは絶縁性基体の表面に導電処理を施したものが選択される。
【0047】
導電性基体としては、たとえばアルミニウム(Al)、ステンレススチール(SUS)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、チタン(Ti)等の金属もしくはこれらの合金がある。
【0048】
絶縁性基体としては、ホウ珪酸ガラスやソーダガラス、パイレックス(R)ガラス等のガラスや、セラミックス、石英、サファイヤ等の無機絶縁物、あるいはフッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ビニロン、エポキシ、マイラー等の合成樹脂絶縁物がある。
【0049】
これらの絶縁性基体は、必要に応じて、少なくとも成膜を行なう側の表面が導電処理される。この導電処理は、絶縁性基体の表面にITO(インジウム・スズ・酸化物)、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅等の導電層や、Al、Ni、金(Au)等からなる金属層を、真空蒸着法、活性反応蒸着法、イオンプレーティング法、RFスパッタリング法、DCスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、DCマグネトロンスパッタリング法、熱CVD法、プラズマCVD法、スプレー法、塗布法、浸漬法等で形成することで行なう。
【0050】
以上のように基体24が円筒形状であれば、その中心軸は、発熱体25、ガス吹き出し手段26および反応室22の各中心軸と一致させると、均一な成膜が得られるという点で好適である。
【0051】
また、発熱体25については、反応室22の外部から電流端子36を介して電力が供給され、通電によるジュール熱で500〜2200℃、好適には800〜2000℃の高温に加熱される。
【0052】
そして、基体支持体23に保持された被成膜用基体24の位置については、発熱体25からの熱輻射が発散され、これが吸収されるように、効果的な設計をおこなうとよい。
【0053】
本発明者が繰り返しおこなった実験によれば、基体支持体23および被成膜用基体24の材質、厚さ、大きさ等によっても異なるが、熱輻射と堆積密度、膜厚の均一性などの点から、被成膜用基体24と発熱体25との間隔を10〜150mm、好適には40〜80mm、最適には50〜70mmとするとよい。
【0054】
本発明のHW−CVD装置21を用いてa−Si系膜を成膜する場合には、そのa−Si系膜の原料ガスは、グロー放電プラズマCVD法にて用いられるものと同じである。
【0055】
成膜原料ガスとしては、シリコンと水素やハロゲン元素とからなる化合物、たとえばSiH4 、Si2 H6 、Si3 H8 、SiF4 、SiCl4 、SiCl2 H2 等が用いられる。
【0056】
希釈用ガスとしては、H2 、N2 、He、Ar、Ne、Xe等が用いられる。
【0057】
価電子制御ガスには、P型不純物としては元素周期律表第III族Bの元素(B、Al、Ga等)を含む化合物、たとえばB2 H6 、B(CH3 )3 、Al(CH3)3 、Al(C2 H5 )3 、Ga(CH3)3 等が用いられ、N型不純物としては元素周期律表第V族Bの元素(P、As、Sb等)を含む化合物、たとえばPH3 、P2 H4 、AsH3 、SbH3 等が用いられる。
【0058】
また、バンドギャップ調整用ガスとしては、バンドギャップを拡大する元素であるC、N、Oを含む化合物、たとえばCH4 、C2 H2 、C3 H8 、N2 、NH3 、NO、N2 O、NO2 、O2 、CO、CO2 等や、バンドギャップを狭める元素であるGe、Snを含む化合物、たとえばGeH4 、SnH4 、Sn(CH3)3 等が用いられる。
【0059】
成膜に当たっては、これらのガスを減圧弁やマスフローコントローラーなどを用いて所望の流量や混合比に調整し、反応室22に導入して、ガス吹き出し手段26の多数のガス吹き出し孔32を通して、発熱体25に供給される。
【0060】
成膜時のガス圧力は、0.133〜2660Pa、好適には0.665〜133Pa、最適には1.33〜66.5Paに設定するとよく、ガス圧力をこの範囲内に設定することで、供給されたガスが効率的に分解され、輸送される。また、反応生成物同士の気相中での2次反応が抑制され、その結果、基体上に良質なa−Si系膜を形成することができる。
【0061】
なお、より高品質の膜を得るためには、成膜を開始するに先立って、基体がセットされた後の反応室22内を一旦10−6Pa程度の高真空に排気し、反応室22内の水分や残留不純物ガスを除去しておくことが望ましい。また、反応室22には、さらに真空度をモニターする圧力計(図示せず)も接続する。
【0062】
以上のような構成のHW−CVD装置21によれば、a−Si系電子写真感光ドラムを作製するに当り、円筒状の基体支持体23に円筒状の基体24を保持し、そして、基体支持体23の内部に温度検出手段29および基体温度制御手段(加熱手段27と冷却手段28と温度検出手段29)を設けたことで、成膜中に発熱体25からの輻射熱を受けても、ガスの利用効率を低下させることなく基体温度が所定とおりに維持できた。また、基体24を基体支持体23とともに回転させる機構を設け、その位置精度も高めたことで、基体24上に対し均質かつ均等な厚みの成膜をおこなうことができた。
【0063】
そして、本発明のHW−CVD装置21においては、ワイヤを張り巡らした発熱体25を配設し、さらにこのワイヤ構造については、筒状の被成膜用基体24の端部に対応する発熱体25の部分における電力密度分布を、その中央部に対応する発熱体の部分の電力密度分布に比べて大きくしたことが特徴である。
【0064】
すなわち、被成膜用基体24の端部側に向かって基体24と発熱体25との間隔(ギャップ)を小さくして、筒状の被成膜用基体24の端部に対応する発熱体25の電力密度分布を、その中央部に対応する発熱体の電力密度分布に比べて大きくしたことで、これに伴なって成膜レート(成膜速度)が大きくなり、基体の成膜面の端部に向かって成膜性能を高め、膜厚の減少傾向に対し補完させることができ、その結果、電子写真特性などのデバイス特性が成膜面にわたって、とくに長手方向にわたって均一となる。
【0065】
図4は発熱体25の構成を示す。
41は小さい径の上リング、42は小さい径の下リングであり、43はこれらリング41、42のほぼ中央に配した大きな径の中央リングである。また、上リング41と下リング42との間には、各リングを支持固定するための支持棒44が4本配設されている。そして、これら支持棒44によって各リング41、42、43を支持し、さらにこれらリング41、43、42にわたって発熱体用のワイヤ45を張ったものである。このワイヤ45は、同一材でもって、その線条に同一断面形状をなすものであって、この両端は、電力端子46と接続する。なお、これら各リング41、42、43の中心軸と円筒状基体24の中心軸とが合わさるように、双方を配置するとよい。
【0066】
かくして本発明のHW−CVD装置21によれば、上記構成のごとく、発熱体ワイヤ25に対し、図4に示すごとく、被成膜用基体24の端部側に向かって基体24と発熱体25との間隔(ギャップ)を小さくして、筒状の被成膜用基体24の端部に対応する発熱体25の電力密度分布を、その中央部に対応する発熱体の電力密度分布に比べて大きくしたことで、円筒状基体24に均一な膜厚の成膜ができる。
【0067】
本発明の他のHW−CVD装置21を図3に示す。
この他のHW−CVD装置21を図1と図3に示すと、図1は本発明のHW−CVD装置21の概略構成図であり、図3はこの装置21の横断面図である。
【0068】
上述した図1と図2に示すHW−CVD装置21によれば、被成膜用基体24が円筒状であったが、これに代えて、本例のHW−CVD装置21は、断面多角形の筒状基体24を用いて、その周面を平坦状にした構成である。その他の構成は、図1と図2に示すHW−CVD装置21と同じである。
【0069】
このような多面体状の被成膜用基体24にしたことで、その平坦面の上にさらに別途、平板を配置し、この平板の上に成膜させることができる。そして、a−Si系の膜を成膜した光センサを同時に多数個作製することができる。
【0070】
【実施例】
本発明のHW−CVD装置21を用いて、円筒状の被成膜用基体24(外径φ30mm×長手寸法260mm)の周面に図7に示す層構成のa−Si膜の電子写真感光ドラムを作製した。
【0071】
同図において、アルミニウム金属からなる基体37の上に酸素、硼素をドープしたa−Siから成るキャリア注入阻止層38、光導電層39およびカーボンや窒素、酸素をドープした表面保護層40を順次積層している。これら各層の成膜条件は表1に示すとおりである。
【0072】
【表1】
【0073】
発熱体25は、つぎのような構造である。
上リング41、下リング42および中央リング43はセラミックスからなる絶縁性部材からなり、そして、図4に示すごとく、4本の支持棒44にて90度角に固定し骨組みを作り、さらに発熱体ワイヤー(Ta線φ0.5mm)45を45度角にて支持棒44に重ならないように8本張って発熱体を作製した。
【0074】
そして、表2に示すごとく、上下リング41,42の直径(a)と中央リング43の直径(b)をそれぞれ変更した。
【0075】
【表2】
【0076】
このようにリング径を変えることで、さまざまな成膜をおこなった。
【0077】
そして、各感光体に対し、それぞれ膜厚を測定した。この測定には、円筒基体の両端より30mm(上部から30mmと下部から30mm)と80mm(上部から80mmと下部から80mm)の各部位、さらに中央の部位の5点に対し測定し、さらに平均値も求め、評価した。その結果を表2に示す。
【0078】
また、膜厚のムラも求めた。これは、最大の膜厚と最小の膜厚を求め、その差を膜厚平均値でもって割算し、その比率{(最大の膜厚−最小の膜厚)/膜厚平均値}が10%以下が非常に良好であるとして、◎印にて表記する。〇印は、これにより若干劣るが、良好である場合である。×は膜厚ムラが著しく大きく、実用上支障がある場合である。
【0079】
△印は複写機やプリンター等に用いる帯電用ワイヤの高さを調整して補正することで、使用できる場合である。
【0080】
表2から明らかなとおり、筒状の被成膜用基体の端部に対応する発熱体の電力密度分布を、その中央部に対応する発熱体の電力密度分布に比べて大きくして、すなわち、本発明のごとく被成膜用基体24の端部側に向かって基体24と発熱体25との間隔(ギャップ)を小さくして、これによって、発熱体の電力密度分布を基体の長手寸法にわたって均等にしたことで、基体の成膜面の端部に向かって成膜性能を高め、膜厚の減少傾向に対し補完させることができ、その結果、電子写真特性などのデバイス特性が成膜面にわたって、とくに長手方向にわたって均一となった。
【0081】
本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更や改良等はなんら差し支えない。
【0082】
たとえば、上記の実施形態例によれば、同一材かつ同一径のワイヤ45でもって、ワイヤリングのピッチを変えることで、電力密度を調整した場合を説明したが、これに代えて、同一材のワイヤを用いるにしても、その径を変えてもよい。
【0083】
すなわち、ワイヤの抵抗値Rは、 R=ρ*L/Sの関係にあるが(ρ=抵抗率、L=長さ、S=断面積)、ワイヤの線径が細くなれば、抵抗が増加し、電流一定であれば、電力が増加するという特性を利用してもよい。
【0084】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明の薄膜堆積装置によれば、ガス導入孔を設けた反応室内にガス通過孔を形成した円筒状の密閉容器を配し、この密閉容器の内部に筒状の発熱体を配設し、この発熱体の内部に筒状の被成膜用基体を設け、さらに被成膜用基体を温度調整する基体温度設定手段を設けてホットワイヤーCVD法により被成膜用基体上に成膜せしめるように成した装置において、前記発熱体と被成膜用基体との間隔を、これら軸方向にそって均等な電力密度分布にすべく違えたことで、基体の成膜面の端部に向かって成膜性能を高め、膜厚の減少傾向に対し補完させることができ、その結果、電子写真特性などのデバイス特性が成膜面にわたって、とくに長手方向にわたって均一となった。
【0085】
また、本発明によれば、かかる構成によって膜厚の均一化を図り、安価で品質が安定し、量産性に優れたHW−CVD装置が提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のHW−CVD装置の概略構成図を示す説明図である。
【図2】本発明のHW−CVD装置の横断面図を示す説明図である。
【図3】本発明の他のHW−CVD装置の横断面図である。
【図4】本発明に係る発熱体の斜視図である。
【図5】従来のグロー放電分解装置の概略構成図を示す説明図である。
【図6】従来のHW−CVD装置の概略構成図を示す説明図である。
【図7】感光体の層構成を示す断面図である。
【符号の説明】
21・・・HW−CVD装置
22・・・真空容器
23・・・基体支持体
24・・・円筒状の基体
25・・・発熱体
26・・・ガス吹き出し手段
Claims (1)
- ガス導入孔を設けた反応室内にガス通過孔を形成した円筒状の密閉容器を配し、この密閉容器の内部に筒状の発熱体を配設し、この発熱体の内部に筒状の被成膜用基体を設け、さらに被成膜用基体を温度調整する基体温度設定手段を設けてホットワイヤーCVD法により被成膜用基体上に成膜せしめるように成した薄膜堆積装置であって、前記発熱体と被成膜用基体との間隔を、これら軸方向にそって均等な電力密度分布にすべく違えたことを特徴とする薄膜堆積装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002259387A JP2004099917A (ja) | 2002-09-04 | 2002-09-04 | 薄膜堆積装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002259387A JP2004099917A (ja) | 2002-09-04 | 2002-09-04 | 薄膜堆積装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004099917A true JP2004099917A (ja) | 2004-04-02 |
Family
ID=32260428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002259387A Pending JP2004099917A (ja) | 2002-09-04 | 2002-09-04 | 薄膜堆積装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004099917A (ja) |
-
2002
- 2002-09-04 JP JP2002259387A patent/JP2004099917A/ja active Pending
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