JP4741430B2 - 成膜装置および成膜方法 - Google Patents

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Description

本発明は、穴を有する被成膜体の穴の内面に堆積膜を形成する技術に関するものであり、とくにアスペクト比の大きな穴の内面に均一に成膜することができる技術に関するものである。
従来、穴の内面に成膜を行う場合、真空蒸着、スパッタリングなどの物理的成膜方法、あるいは化学気層成長法(CVD(Chemical vapor deposition)法)が多く用いられてきた。
化学気層成長法としては、プラズマCVD法や熱CVD法が一般的に用いられる。プラズマCVDの場合は、プラズマの密度により成膜速度が異なるが、穴の内部にまで、プラズマが発生しないため、穴の深部には、ほとんど成膜されない。一方、熱CVDの場合は、被成膜物の均一な加熱が難しく、また、比較的高いガス圧で成膜を行わないと、成膜速度が遅く成るため、穴の内部にまでガスがいきわたらない欠点があった。したがって、化学気相成長法によって、穴の内面に成膜を行なうのは困難である。
穴に成膜を行なう別の方法としては、イオン化したスパッタ原子で穴の内部にまで、成膜原子を到達させる技術(たとえば特許文献1参照)、あるいは無電解メッキによる成膜方法(たとえば特許文献2参照)が開示されている。
しかしながら、スパッタ原子を穴に到達させる方法では、スパッタ原子の穴の深いところでまで到達させ、あるいは穴の内面にスパッタ原子を均一に付着させるのは困難である。一方、無電解メッキによる成膜方法では、ウエットプロセスが必要な点で、使用できる範囲が限られる欠点がある。
近年、化学気層成長法としては、触媒化学気相成長法(CAT−CVD法(HOT−WireCVD法))という成膜方法も提案されている(たとえば特許文献3参照)。この方法は、たとえば図10に示したように、支持体90に被成膜体91を載置した状態において、成膜室92に原料ガスを導入するとともに、ワイヤなどの発熱体93によって原料ガスを分解し、分解成分を被成膜体91に被着させて堆積膜を形成するものである。
特開平10−330932号公報 特開2003−224128号公報 特開2005―48273号公報
図示した手法では、穴94を有する被成膜体91については、穴94の内部にまで十分に分解成分を到達させることが困難である。そのため、穴94の内面には均一な膜を形成することが困難である。とくに、穴94の深さに対して穴94の直径が小さい穴94については、穴94の最深部にまで膜を形成することが困難である。その一方で、原料ガスの分解成分は、被成膜体91の穴94以外に被着するため、穴94に対して堆積膜を選択的に形成することができない。
本発明は、被成膜体の穴に対して、膜厚ムラの少ない均質な膜を、選択的に形成できるようにし、深さに対して直径の小さい穴について適切に膜形成できるようにすることを課題としている。
本発明の第1の側面においては、被成膜体を収容するための成膜室と、前記被成膜体を支持するための支持体と、前記成膜室に原料ガスを供給するための原料ガス供給手段と、前記成膜室において原料ガスを堆積種とするための発熱体と、を備えた成膜装置であって、前記被成膜体が穴を有するものであり、前記穴の内面に堆積膜を形成するための成膜装置において、前記穴は、貫通孔であり、前記発熱体は、前記支持体に前記被成膜体を支持させたときに、前記穴に挿通された状態となるように配置されており、前記支持体および前記発熱体は、複数の被成膜体を1または複数のホルダによって連結し、前記複数の被成膜体の穴に、前記発熱体を一連に挿通させた状態で、前記複数の被成膜体を支持できるように配置され、前記ホルダは、前記被成膜体を嵌合させる環状部と、前記発熱体の断面形状に対応した形状の貫通孔を有する位置決め部と、前記環状部と前記位置決め部とを連結する連結部と、を備えていることを特徴とする、成膜装置が提供される。

本発明の第2の側面においては、貫通孔を有する被成膜体を成膜室に収容し、かつ前記貫通孔に発熱体を挿通する工程Aと、前記成膜室に原料ガスを供給する工程Bと、前記発熱体を加熱して前記貫通孔において原料ガスを堆積種とする工程Cと、を有し、前記工程Aにおいては、複数の被成膜体を1または複数のホルダによって連結した状態において、前記複数の被成膜体の前記貫通孔に、前記発熱体を一連に挿通させた状態で前記被成膜体を配置し、前記ホルダは、前記被成膜体を嵌合させる環状部と、前記発熱体の断面形状に対応した形状の貫通孔を有する位置決め部と、前記環状部と前記位置決め部とを連結する連結部と、を備えていることを特徴とする、成膜方法が提供される。

本発明によれば、被成膜体の穴の内部に発熱体の一部を挿入して発熱体を加熱するため、発熱体の穴において原料ガスの分解が行なわれる。そのため、穴の表面に対して適切に堆積種が接触させられるため、膜厚ムラの小さい適切な堆積膜を穴の内面に選択的に形成することができる。また、アスペクト比の大きな穴であっても、穴が貫通孔として形成されている場合には発熱体を貫通孔に挿通し、非貫通状の穴の場合には穴の底部に近い部位まで発熱体を挿入することにより、穴の内部にムラ無く堆積膜を形成することができる。
本発明によればまた、被成膜体の穴に発熱体を挿入しているため、被成膜体は発熱体の熱輻射により加熱される。そのため、被成膜体を加熱するためにヒータを用いる場合であってもその駆動電力を低減でき、場合によってはヒータを省略することもできる。この場合には、装置が簡単になり、安価に堆積膜形成装置を提供することができるようになる。
本発明において、発熱体の軸心と穴の中心とのオフセット量を、穴の直径または短径の0.2倍以内とすれば、穴の周方向における膜厚ムラをより適切に抑制することができる。
本発明において、ホルダを利用して複数の被成膜体を連結して成膜を行なう場合には、複数の被成膜体の穴に対して同時に堆積膜を形成することができる。そのため、被成膜体の貫通孔に成膜を行い場合において、処理効率が大幅に向上する。
本発明において、ホルダとして位置決め部を有するものを用いた場合には、被成膜体にホルダを装着した状態で被成膜体の穴に発熱体を挿通したときに、位置決め部に対する発熱体の相対位置が規制される。その結果、発熱体と環状部、ひいては発熱体と被成膜体の穴との相対位置が規制される。そのため、位置決め部を有するホルダを用いた場合には、穴の中心もしくはその近傍に発熱体を位置させることができるため、膜厚ムラの小さい堆積膜をより確実に形成することができるようになる。
本発明において、原料ガスにより堆積膜を形成した後に発熱体を蒸発させて蒸着膜を形成する場合には、化学気相成長による成膜と発熱体の蒸着による成膜とを全く同じ構成で、連続して行うことができるので、堆積膜の導電性の制御などの調整範囲が広くなる。
以下、本発明に係る堆積膜形成装置について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態に係る堆積膜形成装置について、図1ないし図4を参照して説明する。
図1に示した堆積膜形成装置1は、容器2によって規定される成膜室20において、貫通孔30を有する被成膜体3の内面31(図2参照)に対して堆積膜を形成するためのものであり、支持体4、ガス供給手段5、シャワープレート6、および発熱手段7を備えている。
容器2は、成膜室20への被成膜体3の出し入れが可能なように、その一部が開閉可能に形成されているとともに、ガス導入口21およびガス排気口22を有している。
ガス導入口21は、成膜室20に原料ガスを導入するためのものであり、ガス供給手段5に接続されている。
ガス排気口22は、成膜室20のガスを外部に排出するためのものであり、図外のポンプ(たとえばメカニカルブースタポンプやロータリーポンプ)に接続されている。成膜室20は、図外のポンプによりガス排気口22を介して成膜室20からガスを排出させることにより真空化が図られる。成膜室20の圧力は、成膜時においては、たとえば1.0Pa以上100Pa以下とされる。また、成膜室20は、成膜前において、予め10−3Pa程度の高真空としておくのが好ましい。そうすれば、成膜前において成膜室20から水分や残留不純物ガスが除去されるため、成膜室20に残留した水分や残留不純物ガスが分解されて被成膜体3に被着されるのを防止することができる。
支持体4は、被成膜体3を支持するためのものであり、その内部に温度調整手段40が設けられている。
温度調整手段40は、被成膜体3の温度を目的温度に維持するものであり、加熱・冷却機構および温度検出機構を有している。加熱機構としては、たとえばニクロム線、シーズヒーターおよびカートリッジヒーターなどの電気的なもの、あるいは油などを熱媒体とするものが使用され、冷却機構としては、たとえば空気および窒素ガスなどの気体、水あるいは油などを冷却媒体とするものが使用される。加熱・冷却機構において、液体や気体を伝熱媒体とするものについては、伝熱媒体が支持体4の内部を循環流動するように構成するのが好ましい。また、温度検出機構としては、サーミスタや熱電対などが用いられる。
このような温度調整手段では、温度検出機構によって支持体4の温度をモニタリングしながら、図外の制御手段によって加熱・冷却機構を制御することにより、成膜前および成膜中において支持体4(被成膜体3)の温度が目的温度に調整される。
ここで、被成膜体3の温度は、被成膜体3の表面に形成すべき堆積膜の組成や被成膜体3の材質などにより決定されるが、たとえばアモルファスシリコン(a−Si)系の堆積膜を形成する場合には、100℃以上400℃以下、好適には200℃以上350℃以下における略一定温度に制御される。
ガス供給手段5は、成膜室20(発熱体6の内部)に対して原料ガスを供給するためのものであり、ガスボンベ50、減圧弁51およびマスフローコントローラ52を備えている。
ガスボンベ50は、成膜室20(発熱体6の内部)に供給すべき原料ガスが充填されたものであり、配管53を介して容器2のガス導入口21に接続されている。ここで、被成膜体3の表面にa−Si系の堆積膜を形成する場合には、Si原子を含むガス、たとえばSiH、Si、Si、SiF、SiCl、あるいはSiClなどを用いることができる。
減圧弁51および52は、成膜室20に導入する各原料ガス成分の流量およびガス圧を調整するためのものである。
シャワープレート6は、ガスボンベ50の原料ガスを、後述する発熱手段7の発熱体70に向けて吹き出すためのものであり、発熱体70に対面するようにして成膜室20の内部に固定されている。このシャワープレート6は、複数のガス吹き出し孔60を有する板状に形成されている。複数のガス吹き出し孔60は、発熱体70に対向するようにして上下方向において等間隔に並んで配置されている。複数のガス吹き出し孔60は、たとえば円形に形成されており、その間隔は、たとえば10mm以上30mm以下とされ、その孔径は、たとえば0.5mm以上2.0mm以下とされる。
もちろん、シャワープレート6の構成は種々に変更可能であり、たとえばガス吹き出し孔60の形状を、三角形、正方形、長方形、菱形あるいは六角形などの円形以外の形状としてもよく、またシャワープレート6に代えて、複数のガス吹き出し孔が形成された中空部材を利用して、原料ガスを成膜室20に導入するようにしてもよい。
発熱手段7は、原料ガスを分解するためものであり、発熱体70および電極71,72を有している。発熱手段7は、電極71,72を介して発熱体70に電力を供給したときに発熱体70において生じるジュール熱により、原料ガスを分解するように構成されている。
発熱体70は、線条の抵抗体により構成されており、支持体4を貫通して上下方向に延びるように配置されている。ただし、支持体4と発熱体70との間に絶縁材73が設けられている。発熱体70は、たとえば1本のワイヤ、フィラメント、あるいはリボンで構成し、これらいずれかの線材を複数本束ねて構成することができる。発熱体70の線径D1(図2(a)参照)は、たとえば0.3mm以上1.0mm以下とされている。発熱体70を形成するための材料としては、原料ガスと触媒反応あるいは熱分解反応を起こして、その反応生成物を堆積種とでき、かつ比較的融点が大きく(たとえば融点が2600℃以上3400℃以下)、発熱体自身が昇華や蒸発により堆積される膜中に混入しにくいものが用いられる。このような材料としては、たとえばタンタル(Ta)、タングステン(W)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)およびレニウム(Re)からなる群より選択される少なくとも1種を主成分または合金成分とする材料を挙げることができる。
一方、電極71,72は、外部からの電源電力を発熱体70に供給するためのものであり、発熱体70に対して導通接続されている。電極71,72は、発熱体70に対して直接接続してもよいが、圧着端子を介して接続してもよい。このような電極71,72は、たとえばAl、Cu、Au、あるいはAgなどの金属材料により形成される。
次に、発熱体CVD装置1を用いて、貫通孔30を有する1つの被成膜体3に対して、被成膜体3の内面31(図2参照)に堆積膜を形成する場合について説明する。
図1に示した発熱体CVD装置1を用いて被成膜体3の内面31に目的とする膜を形成する場合には、まず支持体4に対して被成膜体3をセットする。図2(a)および図2(b)に示したように、被成膜体3は、2つのホルダ8を装着した状態において、貫通孔30に発熱体70が挿通されるように支持体4にセットされる。
ここで、堆積膜の形成対象となる被成膜体3は、たとえば直径が10mm以上50mm以下、貫通孔30の径が1mm以上20mm以下、高さが10mm以上50mm以下のものであり、全体がセラミックスなどの無機材料あるいはAlなどの金属材料により形成されたものである。
図3(a)および図3(b)に示したように、ホルダ8は、被成膜体3の貫通孔30(図2参照)に原料ガスが入り込み易くするものであるとともに、被成膜体3に対する発熱体70の相対位置を規制するものである。ホルダ8は、環状部80、位置決め部81および連結部82を備えたものである。全体がセラミックスなどの絶縁材により形成されている。ホルダ8の全体を絶縁材におり形成した場合には、ホルダ8が発熱体70と接触したときにホルダ8が通電されることが抑制され、また被成膜体3が導体である場合にホルダ8を介して被成膜体3が通電されることが抑制することができる。
環状部80は、被成膜体3が嵌合されるものであり、被成膜体3の外径に対応した内径を有するリング状に形成されている。この環状部80に被成膜体3の嵌合させることにより、被成膜体3に対してホルダ8を固定することができる。
位置決め部81は、発熱体70の断面形状に対応した形状の貫通孔84を有する円板状に形成されている。この位置決め部81の径D3は、環状部80の外径D4よりも小さくされている。図2(a)に示したように、貫通孔84の内径D2は、発熱体70の線径D1と同程度または発熱体70の線径D1よりも若干大きなもの、たとえば発熱体70の線径D1が0.3mm以上1.0mm以下の場合には、0.35mm以上1.05mm以下とされる。このような貫通孔30を有する位置決め部81を設けた場合には、貫通孔30に発熱体70を挿通したときに位置決め部81に対して発熱体70の相対位置が規制される。その結果、発熱体70と環状部80、ひいては発熱体70と被成膜体3の貫通孔30との相対位置が規制される。発熱体70と被成膜体3の貫通孔30との相対位置は、図4(a)に示したように貫通孔30の軸心を発熱体70の軸心が通過する位置関係が好ましい。ただし、図4(b)に示したように貫通孔30の軸心Oに対する発熱体70の軸心Oのオフセット量Lが貫通孔30の内径D5(貫通孔30の横断面における軸心Oを通る最短距離)の0.2倍以下であれば、被成膜体3の内面31に形成される膜の厚みムラが生じるのをより適切に抑制することができる。
図2および図3に示したように、4つの連結部82は、環状部80と位置決め部81との間に空間を設けるためのものである。これにより、被成膜体3にホルダ8を装着することによっても、被成膜体3の貫通孔30に原料ガスが導入されるのが阻害されることを極力抑制することができる。また、位置決め部81の径D3は、環状部80の外径D4よりも小さくされていることから、4つの連結部82は、環状部80との連結部分に比べて、位置決め部81との連結部分のほうが内方に位置するように傾斜している。そのため、隣接する連結部82の間の開口面積を大きく確保できるため、位置決め部81と環状部80との間の距離を小さく設定する場合であっても、連結部82を含めたホルダ8によって阻害されることなく、環状部80と位置決め部81との間の空間、ひいては被成膜体3の貫通孔30に対して原料ガスを適切に導入することができる。
次いで、支持体4に対して被成膜体3をセットした場合には、真空ポンプを用いてガス排気口21から成膜室20のガスを排気して成膜室20を実質的に真空状態に保持した状態で、ガス供給手段6を用いて原料ガスを成膜室20に供給する一方で、各発熱体6を発熱させる。
原料ガスは、減圧弁51およびマスフローコントローラ52により流量およびガス圧が調整された状態で成膜室20に供給される。成膜室20に供給された原料ガスは、シャワープレート6のガス吹き出し孔60を介して発熱体70に向けて吹き出される。このとき、シャワープレート6からの原料ガスは、ホルダ8に阻害されることなく、被成膜体3の貫通孔30に導入される。
一方、発熱体70の発熱は、電極71,72を介して印加する電力を調整することにより行なわれる。ここで、発熱体70の発熱温度は、原料ガスの組成などに応じて設定されるが、原料ガスとしてシランガスを用いてa−Si膜を形成する場合には、たとえば1600℃以上2000℃以下の範囲から選択される目的値に調整される。
なお、成膜室20に原料ガスを供給する前に発熱体70を加熱しておいてもよい。その場合には、発熱体70の熱輻射によって被成膜体3を昇温することができる。これにより、支持体4に設けられた温度調整手段40により支持体4を介して被成膜体3を加熱する必要性が著しく低減し、場合によって温度調整手段40を省略することも可能となる。
このようにして被成膜体3の貫通孔30に原料ガスを導入しつつ、発熱体70を発熱させた場合には、発熱体6の熱によって原料ガスが加熱・分解される。このときに生じた分解成分は、貫通孔30の内面と接触し、堆積させられて堆積膜が形成される。
原料ガスの分解・堆積により貫通孔30の内面31への堆積膜の形成を終了してもよいが、必要に応じて、発熱体70の加熱温度をさらに高め、発熱体70を蒸発させて、その蒸発成分を先に形成した堆積膜に被着させてもよい。このような手法によれば、原料ガスを用いた化学気層成長による成膜と、発熱体70の蒸着による成膜とを全く同じ装置内において連続して行うことができるようになる。そのため、堆積膜の組成の選択の幅が広くなり、堆積膜の導電性の制御などの調整範囲が広くなるといった利点を奏することができる。
もちろん、成膜室20に原料ガスを供給することなく、発熱体70を加熱・蒸発させ、発熱体70の蒸発成分のみにより貫通孔30の内面31に堆積膜を形成するようにしてもよい。
以上に説明した堆積膜形成装置1によれば、被成膜体3の貫通孔30に挿通された発熱体70により原料ガスを分解して堆積膜が形成されるため、アスペクト比の貫通孔30であっても、均一な膜厚の堆積膜を形成することが可能となる。とくに、貫通孔30の軸心Oに対する発熱体70の軸心Oのオフセット量を貫通孔30の内径の0.2倍以下とした場合には、より確実に均一な膜厚の堆積膜を形成することができる。
先に説明した実施の形態においては、貫通孔30を有する1つの被成膜体3の貫通孔30に堆積膜を形成する場合を例にとって説明したが、堆積膜形成装置1においては、図5および図6に示したように複数の被成膜体3の貫通孔30に対して同時に堆積膜を形成することもでき、また図8、図9(a)および図9(b)に示したように非貫通状の穴33を有する被成膜体3の穴33に対して堆積膜を形成する場合にも適用することができる。
図5に示した例では、図3に示した構成の複数のホルダ8を用いて、複数個(図面上は3個)の被成膜体3が支持体4に積み上げられている。発熱体70は、各ホルダ8の位置決め部81における貫通孔84および被成膜体3の貫通孔30に対して一連に挿通されている。
そして、成膜室20に原料ガスを供給した場合には、ホルダ8によって形成される隙間を介して、各被成膜体3の貫通孔30に原料ガスが導入される。一方、発熱体70を加熱した場合には、複数の被成膜体3の貫通孔30のそれぞれにおいて、原料ガスが分解されて各貫通孔30に同時に堆積膜が形成される。また、図3に示した構成のホルダ8を用いているために、支持体4に対して複数の被成膜体3を積み上げる場合であっても、複数の被成膜体3の貫通孔30と発熱体70と相対位置が適切に規制されるため、各被成膜体3における貫通孔30の内面には厚みムラの少ない堆積膜を形成することができる。
複数のホルダ8を利用して複数の被成膜体3を積み上げて成膜を行なう場合には、複数の被成膜体3の貫通孔30に対して同時に堆積膜を形成することができる。そのため、被成膜体3の貫通孔30に成膜を行い場合において、処理効率が大幅に向上する。
図6に示した例は、図7に示した構成のホルダ8′を用いて、複数の被成膜体3を支持体4に積み上げて、各被成膜体3の貫通孔30に堆積膜を形成するものである。
図7に示したホルダ8′は、図3に示したホルダ8と同様に、環状部80′、位置決め部81′および複数の連結部82′を備えたものであるが、位置決め部81′の径が環状部80′の外径と同程度とされて、複数の連結部81′が平行に配置されたものとされている点において図3に示したホルダ8とは異なっている。
このようなホルダ8′を用いる場合であっても、複数の被成膜体3における貫通孔30に厚みムラの少ない堆積膜を同時に形成することができる。また、ホルダ8′は、複数の連結部82′が平行に配置されたものであるため、複数の連結部82が傾斜した構成のホルダ8(図3参照)に比べて、製造が容易であるといった利点がある。
図8に示した例は、非貫通状の穴33に堆積膜を形成するものであり、発熱体73がヘアピン状に折り曲げ加工されている。発熱体73は、一対の直線部74およびこれらの直線部74に連続する折り曲げ部75を有している。被成膜体3の穴33には、折り曲げ部74が穴33の底面34に対峙するように挿入されている。また、各直線部74は、その軸心Oが穴33の軸心Oに対するオフセット量Lが穴33の内径の0.2倍以下に位置するように配置するのが好ましい。そうすれば、穴33の内面35に形成される膜の厚みムラが生じるのを抑制することができる。
本実施例では、被成膜体の貫通孔に堆積膜を形成する場合において、発熱体の位置(オフセット量)が、貫通孔の周方向における堆積膜の膜厚ムラに与える影響を検討した。
被成膜体3としては、外径が20mm、貫通孔30の径が5mm、高さ30mmであるセラミックス製のものを使用した。発熱体70としては、線径が0.5mmであるタンタルワイヤを用いた。成膜条件は下記表1に示した通りとし、ホルダ8を用いずに、発熱体70の位置を変えて行なった。膜厚は、貫通孔30における深さが1.5mmにおける堆積膜の膜厚として、貫通孔30の周方向について光学式膜厚計を用いて測定した。膜厚ムラは、下記数式1の通り定義した。オフセット量Lに対するが周方向の膜厚ムラの測定結果については下記表2に示した。
Figure 0004741430
Figure 0004741430
Figure 0004741430
表2から分かるように、貫通孔30の中心Oとワイヤ中心Oとの位置がずれるほど(オフセット量が大きくなるほど)、堆積膜の膜厚ムラが大きくなった。特に、貫通孔30の径d(=D5)に対して、オフセット量Lが0.3d以上大きくなると、膜厚分布が顕著に悪化した。そのため。成膜時においては、発熱体70は、貫通孔30の中心からのオフセット量が0.3d以下の位置に配置するのが好ましい。
本実施例では、発熱体70としてタングステンワイヤを用い、まず真空中で発熱体70を加熱することにより、被成膜体3の内側にまず第1成膜層を形成した後、成膜室20に原料ガスとしてSiHを導入して第2成膜層を形成した場合の堆積膜の導電性を検討した。第1成膜層および第2成膜層を形成する場合の成膜条件は、下記表3に示した通りである。
Figure 0004741430
堆積膜の導電性は、三菱化学(株)製の「ロレスタ−EP」を用いて比抵抗を測定することにより検討した。その結果、堆積膜の比抵抗は、1×10Ω・cmであり、堆積膜は導電性の高いシリコン被膜であることが確認された。
本実施例では、発熱体70としてタングステンワイヤを用い、断続的に原料ガスを供給しつつ発熱体70を加熱することにより成膜を行なった場合について、堆積膜の導電性について検討した。成膜条件は下記表4に示した通りとした。
Figure 0004741430
堆積膜の導電性は、三菱化学(株)製の「ロレスタ−EP」を用いて比抵抗を測定することにより検討した。その結果、堆積膜の比抵抗は、1×10Ω・cmであり、堆積膜は導電性の高いシリコン被膜であることが確認された。
本実施例では、図1ないし図4を参照して説明した成膜方法(本案)により被成膜体3の貫通孔30に堆積膜を形成した場合について、貫通孔30における軸方向の膜厚ムラについて検討した。被成膜体3としては、アスペクト比(L/d)(Lは貫通孔30の深さ、dは貫通孔30の直径)の異なる種々のものを使用した。より具体的には、貫通孔30の直径dは5mmとして固定する一方で、貫通孔30の深さLについては2.5mm〜60mmの範囲から設定した。
軸方向膜厚は、光学式膜厚計を用いて測定し、膜厚ムラは、同軸位置の周方向4点の平均値について軸方向に膜厚を測定し、その測定値について下記数2によって測定した。軸方向の膜厚ムラの測定結果については、下記表5に示した。
Figure 0004741430
比較として、図10を参照して説明した従来の成膜方法について、本案の場合の同様に、アスペクト比(L/d)の異なる種々の被成膜体について成膜を行なった場合について、貫通孔における軸方向の膜厚ムラについて検討した。膜厚ムラの測定結果については、下記表5に示した。
Figure 0004741430
表5から明らかなように、実施例(本案)および比較例(従来)ともに、アスペクト比(L/d)が大きくなるにつれて軸方向の膜厚ムラが大きくなった。一方、比較では、アスペクト比(L/d)が1以上になると貫通孔の先端の膜厚と貫通孔の終端の膜厚の差が10%を超えるのに対して、本案では、アスペクト比(L/d)が12.0になっても10%以内を保っている。すなわち、本案によれば、アスペクト比の大きな貫通孔であっても、軸方向の膜厚ムラの小さい適切な堆積膜を形成することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るCVD装置を説明するための断面図である。 図1に示したCVD装置の要部を拡大して示した断面図である。 被成膜体に発熱ワイヤを挿通した状態の断面図である。 図3(a)はホルダの全体斜視図であり、図3(b)はホルダの平面図である。 複数の対象物を同時に成膜する場合の例を説明するための断面図である。 ホルダの他の例を説明するための図5に相当する断面図である。 ホルダの全体斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係るCVD装置を説明するための断面図である。 図9(a)は図8に示したCVD装置の要部を示す断面図であり、図9(b)は図8のIXb−IXb線に沿う断面図である。 従来の成膜方法を説明するための断面図である。
符号の説明
1 成膜装置
20 成膜室
3 被成膜体
30 (被成膜体の)貫通孔
33 (被成膜体の)穴
4 支持体
5 原料ガス供給手段
70,73 発熱体
8,8′ ホルダ
80,80′ (ホルダの)環状部
81,81′ (ホルダの)位置決め部
82,82′ (ホルダの)連結部

Claims (2)

  1. 被成膜体を収容するための成膜室と、
    前記被成膜体を支持するための支持体と、
    前記成膜室に原料ガスを供給するための原料ガス供給手段と、
    前記成膜室において原料ガスを堆積種とするための発熱体と、
    を備えた成膜装置であって、
    前記被成膜体が穴を有するものであり、前記穴の内面に堆積膜を形成するための成膜装置において、
    前記穴は、貫通孔であり、
    前記発熱体は、前記支持体に前記被成膜体を支持させたときに、前記穴に挿通された状態となるように配置されており、
    前記支持体および前記発熱体は、複数の被成膜体を1または複数のホルダによって連結し、前記複数の被成膜体の穴に、前記発熱体を一連に挿通させた状態で、前記複数の被成膜体を支持できるように配置され、前記ホルダは、前記被成膜体を嵌合させる環状部と、前記発熱体の断面形状に対応した形状の貫通孔を有する位置決め部と、前記環状部と前記位置決め部とを連結する連結部と、を備えていることを特徴とする、成膜装置。
  2. 貫通孔を有する被成膜体を成膜室に収容し、かつ前記貫通孔に発熱体を挿通する工程Aと、
    前記成膜室に原料ガスを供給する工程Bと、
    前記発熱体を加熱して前記貫通孔において原料ガスを堆積種とする工程Cと、を有し、
    前記工程Aにおいては、複数の被成膜体を1または複数のホルダによって連結した状態において、前記複数の被成膜体の前記貫通孔に、前記発熱体を一連に挿通させた状態で前記被成膜体を配置し、
    前記ホルダは、前記被成膜体を嵌合させる環状部と、前記発熱体の断面形状に対応した形状の貫通孔を有する位置決め部と、前記環状部と前記位置決め部とを連結する連結部と、を備えていることを特徴とする、成膜方法。
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