JP5266738B2 - トレンチゲート型半導体装置の製造方法 - Google Patents

トレンチゲート型半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、トレンチ部の壁面に第1絶縁体を形成し、その内側における所定の深さまで第2絶縁体を、第2絶縁体よりも表面側にゲート電極をそれぞれ配したトレンチゲート型半導体装置の製造方法に関する。
従来、トレンチゲート型半導体装置の製造方法であって、N+ドレイン領域となるN+基板上にエピタキシャル成長およびイオン注入によりN−ドリフト領域、P−ボディ領域およびN+ソース領域を形成し、底部がN−ドリフト領域にまで到達するトレンチを形成し、トレンチの底部からイオン注入および熱拡散処理を行うことでP−フローティング領域を形成し、トレンチ内部に絶縁物を堆積してエッチングすることで堆積絶縁層を形成し、トレンチの壁面に絶縁体である酸化膜を形成し、堆積絶縁層の上部に導体を堆積することでゲート電極を形成するトレンチゲート型半導体装置の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−116822号公報
しかしながら、上記従来の製造方法により製造された半導体装置では、トレンチの壁面に酸化膜を形成する際に、圧縮応力の発生により堆積絶縁層の上面にかけて酸化膜が部分的に薄くなり、ゲート耐圧や信頼性が低下するという問題がある。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、絶縁体の薄膜化によるゲート耐圧や信頼性の低下という不都合を抑制することを、主たる目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、
トレンチ部内にゲート電極を配したトレンチゲート型半導体装置の製造方法であって、
半導体基板内に前記トレンチ部を形成する第一の工程と、
前記トレンチ部の壁面に第1絶縁体を形成する第二の工程と、
前記第1絶縁体の内側における所定の深さまで第2絶縁体を形成すると共に、該所定の深さよりも深い位置まで前記第1絶縁体を除去して窪みを形成する第三の工程と、
前記第三の工程において前記第1絶縁体が除去された部分において、前記第1絶縁体を再形成する第四の工程と、
前記第2絶縁体が形成され前記第1絶縁体が再形成された前記トレンチ部の内部にゲート電極を形成する第五の工程と、を含み、
前記第四の工程において、再形成された前記第1絶縁体の前記ゲート電極の側面と接する部分の厚さは、前記第二の工程で形成された後除去されていない前記第1絶縁体の厚さよりも厚く形成されることを特徴とするトレンチゲート型半導体装置の製造方法である。
この本発明の一態様によれば、熱酸化法等により第1絶縁体を形成する際に圧縮応力を受けることによって第1絶縁体が薄膜化する部分が、第2絶縁体の上面よりも底側に位置することとなり、第2絶縁体とゲート電極の境界面付近においては第1絶縁体が各半導体層とゲート電極との間を埋めるため、ゲート電極と各半導体層との絶縁性が確保され、絶縁体の薄膜化によるゲート耐圧や信頼性の低下という不都合を抑制することができる。
本発明の一態様において、
前記第三の工程は、例えば、前記第1の絶縁体と前記第2の絶縁体のウエットエッチングレートの差を利用して、前記所定の深さよりも深い位置まで前記第1絶縁体を除去する工程を含む。
また、本発明の一態様において、
前記第三の工程において、
前記窪みの入口部における前記トレンチ部の壁面と前記第2絶縁体の間隔を、前記第四の工程において前記第1絶縁体を再形成する際に目標とする前記第1絶縁体の厚さの0.56倍以下とすることを特徴とするものとすると、好適である。
こうすれば、第2絶縁体とゲート電極の境界付近においては第1絶縁体が各半導体層とゲート電極との隙間を完全に閉塞させるため、ゲート耐圧や信頼性の低下という不都合を更に抑制することができる。
また、本発明の一態様において、
熱酸化により前記第1絶縁体に変化する物質を前記第2絶縁体として選択し、
前記窪みの入口部における前記トレンチ部の壁面と前記第2絶縁体の間隔を、前記第四の工程において前記第1絶縁体を再形成する際に目標とする前記第1絶縁体の厚さの1.12倍以下とすることを特徴とするものとしてもよい。
こうすれば、第2絶縁体とゲート電極の境界付近においては第1絶縁体が各半導体層とゲート電極との隙間を完全に閉塞させるため、ゲート耐圧や信頼性の低下という不都合を更に抑制することができる。この場合、第2絶縁体が熱酸化して第1絶縁体に変化する分を考慮して、第2絶縁体が熱酸化して第1絶縁体に変化しない場合に比して窪みを大きくするのが適切である。
また、本発明の一態様において、
前記第三の工程において、
前記窪みの入口部における前記トレンチ部の壁面と前記第2絶縁体の間隔を、前記第四の工程において前記第1絶縁体を再形成する際に目標とする前記第1絶縁体の厚さの0.16倍以上とすることを特徴とするものすると、好適である。
こうすれば、再形成された第1絶縁体が、窪みの入口部付近で薄くなりすぎることを防止することができる。
本発明によれば、絶縁体の薄膜化によるゲート耐圧や信頼性の低下という不都合を抑制することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
<第1実施例>
以下、本発明の第1実施例に係るトレンチゲート型半導体装置の製造方法について説明する。
[半導体装置について]
まずは、本発明の製造方法により製造される半導体装置1について説明する。図1は、半導体装置1の断面図である。半導体装置1は、例えば、トレンチタイプのゲート部を有するトレンチゲート型の縦型パワーMOSである。
図1に示す如く、半導体装置1は、入出力電極としてソース電極2、ドレイン電極3、及び複数のゲート電極4(図1においては単独のものとして表した)を備える。ソース電極2及びドレイン電極3は、例えばアルミニウムであり、ゲート電極4は、例えばポリシリコンが堆積したものである。
ソース電極2側には、N+ソース領域5、及びP−ボディ領域6が形成されている。そして、ドレイン電極3に向けてN−ドリフト領域7及びN+ドレイン領域8が形成されている。これらの半導体層は、シリコン等の真性半導体に不純物を添加(ドーピング)した不純物半導体として構成される。P型半導体を構成するための不純物(アクセプタ)は、例えばボロンである。また、N型半導体を構成するための不純物(ドナー)は、例えば砒素やリンである。
また、半導体装置1は、P−ボディ領域6を貫通してN−ドリフト領域7に達するトレンチ部10を有している。トレンチ部10は、半導体基板に所定の間隔・配列で穿たれた溝(紙面奥行き方向に延在する溝)、ないし穴である。トレンチ部10の壁面には第1絶縁体11が形成され、トレンチ部の底から所定の深さまでは、第2絶縁体が形成されている。そして、第2絶縁体の上側(ソース電極2側)に、ゲート電極4が配された構成となっている。従って、ゲート電極4は、第1絶縁体11及び第2絶縁体12によって各半導体層と電気的に絶縁されている。係る構成においてゲート電極4に電圧が印可されると、P−ボディ領域6がNチャネル化し、N+ソース領域5とN+ドレイン領域8の間が導通することとなる。図2は、P−ボディ領域6がNチャネル化してN+ソース領域5とN+ドレイン領域8の間が導通する様子を示す図である。
更に、トレンチ部10の先端(ドレイン電極3側)には、N−ドリフト領域7に囲まれたP−フローティング領域9が形成されている。
係る構成により、半導体装置1は、以下の如き特性を有する。まず、ゲート電極4に電圧が印加されていないときには、ソース電極1とドレイン電極2の間の電圧によって、N−ドリフト領域7内ではP−ボディ領域6との間の接合部から空乏層が形成され、接合部付近が電界強度のピークとなる。そして、空乏層がP−フローティング領域9に達すると、P−ボディ領域6との接合部からP−フローティング領域9までのN−ドリフト領域7が空乏層となり、P−フローティング領域9がパンチスルー状態となってその電位が固定される。次いで、ソース電極1とドレイン電極2の間の電圧が高くなると、N−ドリフト領域7内において空乏層がP−フローティング領域9の下端部からも形成され、P−フローティング領域9の下端部も電界強度のピークとなる。これにより、電界のピークが分散され、装置の高耐圧化を図ることができ、ひいてはN−ドリフト領域7の不純物濃度を上げて低オン抵抗化を図ることができる。
また、半導体装置1は、トレンチ部10内に第2絶縁体12が形成されているため、イオン注入等によって生じるトレンチ部10の底部の損傷による影響を回避し、素子特性の劣化や信頼性の低下を防止することができる。また、第2絶縁体12の存在により、ゲート電極4とP−フローティング領域9との対面による影響を緩和し、P−ボディ領域6内のオン抵抗を低減することができる。また,第2絶縁体12が形成されていない場合に比して、ゲート電極4を小さくすることができるため、ゲートドレイン間容量を小さくすることができ、スイッチングスピードを速くすることができる。
[半導体装置の製造方法について]
以下、本発明の特徴的な製造方法について説明する。まずは、エピタキシャル成長等により、N+ドレイン領域上に、N−ドリフト領域を形成する。そして、イオン注入等によりP−ボディ領域を形成する。
次に、所望のパターンを転写したSiO2−CVD膜(300[nm])等のマスク材を用いて、上記各領域が形成されたSi基板表面にトレンチ部を形成する。図3は、トレンチ部を形成する工程を説明するための説明図である。本工程のプロセス条件は、例えば、トレンチ深さ:2.0[μm]、トレンチ幅:0.5[μm]、トレンチテーパ:86.5[°]〜89.0[°]である。なお、本工程が、特許請求の範囲における「第一の工程」に相当する。
次に、トレンチ部の壁面にインプラスルー酸化膜を形成する。図4(A)は、インプラスルー酸化膜を形成する工程を説明するための説明図である。本工程のプロセス条件は、例えば、酸化温度:900[℃]、ガス種:O2,又はH2OをN2で希釈したもの、膜厚:20[nm]である。そして、トレンチ部10の底からN−ドリフト領域7に不純物を注入し、P型拡散層を形成する。図4(B)は、P型拡散層を形成する工程を説明するための説明図である。本工程のプロセス条件は、例えば、不純物:B(ボロン)、加速電圧:20[KeV]、ドーズ:1×1013[/cm2]である。
そして、インプラスルー酸化膜をウエットエッチングで除去した後に、トレンチ部の壁面に、熱酸化法によってSiO2膜からなる第1絶縁体を形成する。インプラスルー酸化膜は、B(ボロン)が混入しており絶縁体として用いるのに適さないため、これを除去した後に改めて第1絶縁体を形成する。図5は、第1絶縁体を形成する工程を説明するための説明図である。本工程のプロセス条件は、例えば、酸化温度:1000[℃]、ガス種:O2、膜厚(トレンチ側壁部):40[nm]である。なお、本工程が、特許請求の範囲における「第二の工程」に相当する。
次に、第1絶縁体上に、SiO0.80.2膜からなる第2絶縁体を堆積させ、トレンチ部の内部を閉塞させる。図6は、第2絶縁体を堆積させる工程を説明するための説明図である。本工程のプロセス条件は、成膜温度:700[℃]、ガス種:SiH4,N2O,NH3の混合をN2で20%まで希釈したもの、膜厚:600[nm]である。
そして、所望の深さまで、反応性イオンエッチング(RIE ; Reactive Ion Etching)によって第1絶縁体及び第2絶縁体をエッチバックする。図7は、第1絶縁体及び第2絶縁体をエッチバックする工程を説明するための説明図である。本工程のプロセス条件は、ガス種:C48+O2,又はCF4+O2、第2絶縁体残り(第1絶縁体の底部から第2絶縁体の上面までの長さをいい、第2絶縁体の上面の位置が特許請求の範囲における「所定の深さ」に相当する):1.0[μm]である。
続いて、第1絶縁体と第2絶縁体のウエットエッチングレートの差を利用して、ウエットエッチング法により第1絶縁体を選択的に除去する。係る手法により第1絶縁体を除去するためには、第1絶縁体が第2絶縁体に比してウエットエッチングレートが大きい物質であることを要する。本実施例で例示したSiO2とSiO0.80.2の関係では、SiO2のウエットエッチングレートがSiO0.80.2の30分の1であるため、SiO2が選択的に除去される。図8は、第1絶縁体を選択的に除去する工程を説明するための説明図である。この際に、トレンチ部の壁面と第2絶縁体とで挟まれた窪みが生じることとなる。
次に、犠牲酸化膜を形成した後に、ウエットエッチング法によりこれを除去する。図9は、係る工程を説明するための説明図である。本工程は、反応性イオンエッチングを行なうことにより、荒れた状態(第1絶縁体の再形成に不適切な状態)となっているトレンチ部の壁面を整えると共に、上記窪みを所望の大きさに調整することを目的としている。犠牲酸化膜を形成する工程のプロセス条件は、例えば、酸化温度:1000[℃]、ガス種:O2、膜厚:50[nm]である。また、この時点におけるトレンチ部の壁面は、最初に形成されたトレンチ部の壁面に比して、表面側(ソース電極側)に向けて若干広がった形状となる。窪みの適切な大きさ等に関する考慮については、後述する。
なお、第2絶縁体を堆積させる工程から犠牲酸化膜を形成して除去する工程までが、特許請求における「第三の工程」に相当する。
こうして適切な大きさの窪みが形成されると、第1絶縁体が除去された部分において熱酸化法により第1絶縁体を再形成する。図10は、第1絶縁体を再形成する工程を説明するための説明図である。第1絶縁体を再形成する工程のプロセス条件は、例えば、酸化温度:1000[℃]、ガス種:O2、膜厚:80[nm]である。なお、本工程が、特許請求の範囲における「第四の工程」に相当する。
そして、トレンチ部の内部にゲート電極としてPドープPolyシリコン膜等を埋め込み、N+ソース領域を形成し、アルミニウム配線等を行なって、主な工程が終了することとなる。
ここで、半導体装置1の如きトレンチゲート型の半導体装置を、通常考え得る製造方法により製造した場合に生じる問題について述べる。通常考え得る製造方法とは、トレンチ部を形成し、P型拡散層を形成し、第1絶縁体を形成し、第2絶縁体を堆積させ、所望の深さまで第2絶縁体をエッチバックし、第1絶縁体を再形成するものである。また、必要に応じて犠牲酸化膜が形成及び除去される。従って、上記説明した本発明の製造方法から、第1絶縁体を選択的に除去する工程を省いたものが、通常考え得る製造方法となる。
この場合、第1絶縁体を再形成する際に、底側(ドレイン電極側)から圧縮応力を受けることによって、第2絶縁体とゲート電極の境界面の直ぐ上側(ソース電極側)において、第1絶縁体が薄くなる(図11参照)。係る現象は、熱酸化法により第1絶縁体を再形成する際に、第1絶縁体及び第2絶縁体の表面がトレンチ部の側壁に対して垂直であるため、形成された熱酸化膜が底側(ドレイン電極側)から圧縮応力を受け、成長速度が低下することに起因する。従って、第1絶縁体が局所的に薄膜化し、ゲート耐圧や信頼性の低下という不都合を生じる場合がある。
この点、本実施例の製造方法を用いて製造された半導体装置1は、底側(ドレイン電極側)から圧縮応力を受けることによって第1絶縁体が薄膜化する部分が、第2絶縁体の上面よりも底側(ドレイン電極側)に位置することとなり、第2絶縁体とゲート電極の境界面付近においては第1絶縁体が各半導体層とゲート電極との間を埋めているため、ゲート電極と各半導体層との絶縁性が確保され、ゲート耐圧や信頼性の低下という不都合を抑制している。図12は、図10の一部を拡大した図であり、本実施例の製造方法により製造された半導体装置1がゲート耐圧や信頼性の低下という不都合を抑制している様子を示す図である。
係る効果を十分なものにするために、犠牲酸化膜が除去された後の窪みの入口部(=第2絶縁体とゲート電極の境界面付近である)におけるトレンチ部の壁面と第2絶縁体の間隔d1は、その後に第1絶縁体が再形成される際に目標とする膜厚doxに対して次式(1)の関係を満たすように形成することが好ましい。なお、間隔d1は、最初に第1絶縁体を形成した際の膜厚、ウエットエッチング法により第1絶縁体を選択的に除去する際の温度や反応時間(これにより第2絶縁体が内側に若干量、削られるため)、犠牲酸化膜を形成して除去する際の温度や反応時間等によって決定される。従って、次式(1)を満たすように、これらの要素を予め決定しておく必要がある。
0.16dox≦d1≦0.56dox …(1)
図13(A)は、犠牲酸化膜が除去された時点における、窪み付近の状態を拡大して示す図である。この状態で熱酸化を行なうと、図13(B)の如く、元々のトレンチ部壁面であるSiが酸化されて、内側と外側の双方にSiO2が成長することとなる。その成長比は、凡そ、内側:外側=0.56:0.44となることが判っている。
従って、第1絶縁体が最終的に形成される際の目標膜厚であるdoxに対してd1が0.56倍を超えると、トレンチ部の壁面から第2絶縁体に向かって成長するSiO2が第2絶縁体に到達できないこととなり、窪みの入口部において第1絶縁体と第2絶縁体の隙間が生じてしまう(図14(A)参照)。よって、d1≦0.56doxが好ましいのである。
一方、余りd1が小さいと、窪みの入口部において第1絶縁体と第2絶縁体の隙間は生じないが、当該部分における第1絶縁体の厚みが不十分となってしまう(図14(B)参照)。よって、d1について、ある程度の下限値が必要となる。そこで、前述した通常考え得る製造方法によって半導体装置を製造した場合に第2絶縁体とゲート電極の境界面において第1絶縁体が約60%まで薄膜化することに鑑み、これに比して第2絶縁体とゲート電極の境界面における絶縁性が向上することを担保するためには、第2絶縁体とゲート電極の境界面における第1絶縁体の厚さが目標膜厚doxの60%以上であることが必要である。第2絶縁体とゲート電極の境界面における第1絶縁体の厚さは0.44×dox+d1である。これらに基づき式を整理すると、0.16dox≦d1となり、上式(1)の左側部分が導出される。なお、d1の下限については、0.16dox≦d1の条件を設定せず、例えば(所定値)≦d1等と定めてもよい。
以上のように隙間d1を形成することにより、第2絶縁体とゲート電極の境界付近において、第1絶縁体がトレンチ部壁面と第2絶縁体との隙間を完全に閉塞させると共に、十分な厚みを有することとなるため、ゲート耐圧や信頼性の低下という不都合を更に抑制することができる。
本実施例の半導体装置の製造方法によれば、ゲート耐圧や信頼性の低下という不都合を抑制することができる。
<第2実施例>
以下、本発明の第1実施例に係るトレンチゲート型半導体装置の製造方法について説明する。本実施例によって製造される半導体装置は、第1実施例により製造される半導体装置1と同様であるため、各構成要素について同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、エピタキシャル成長やイオン注入等によりN+ドレイン領域、N−ドリフト領域、P−ボディ領域を形成する工程についても第1実施例と同様である。
続いて、第1実施例と同様に、所望のパターンを転写したマスク材を用いてトレンチ部を形成する(図3参照)。特許請求の範囲における「第一の工程」に相当するものである。
次に、第1実施例と同様に、トレンチ部の壁面にインプラスルー酸化膜を形成し、トレンチ部の底からN−ドリフト領域7に不純物を注入し、P型拡散層を形成する(図4参照)。なお、インプラスルー酸化膜形成する際の酸化温度は、800[℃]〜1000[℃]であってよい。
そして、第1実施例と同様に、インプラスルー酸化膜をウエットエッチングで除去した後に、トレンチ部の壁面に、SiO2膜からなる第1絶縁体を形成する(図5参照)。特許請求の範囲における「第二の工程」に相当するものである。
次に、第1絶縁体上に、高抵抗Polyシリコン膜(SIPOS膜)からなる第2絶縁体を堆積させ、トレンチ部の内部を閉塞させる。図15は、第2絶縁体を堆積させる工程を説明するための説明図である。本工程のプロセス条件は、成膜温度:650[℃]、ガス種:SiH4とN2Oの1:1混合、膜厚:600[nm]である。
そして、所望の深さまで、反応性イオンエッチング(RIE)によって第2絶縁体をエッチバックする。図16は、第2絶縁体をエッチバックする工程を説明するための説明図である。本工程のプロセス条件は、ガス種:Cl2/HBr、第2絶縁体残り(第1実施例と同義):1.0[μm]である。
続いて、ウエットエッチング法により第1絶縁体を選択的に除去する。図17は、第1絶縁体を選択的に除去する工程を説明するための説明図である。本工程は、例えば、バッファードフッ酸を用い、熱酸化膜60[nm]相当のエッチング量で行なう。
次に、犠牲酸化膜を形成した後に、ウエットエッチング法によりこれを除去する。図18は、係る工程を説明するための説明図である。犠牲酸化膜を形成する工程のプロセス条件は、例えば、酸化温度:1000[℃]、ガス種:O2、膜厚:40[nm]である。
なお、第2絶縁体を堆積させる工程から犠牲酸化膜を形成して除去する工程までが、特許請求における「第三の工程」に相当する。
こうして適切な大きさの窪みが形成されると、第1絶縁体が除去された部分において熱酸化法により第1絶縁体を再形成する。図19は、第1絶縁体を再形成する工程を説明するための説明図である。本工程のプロセス条件は、例えば、酸化温度:1050[℃]、ガス種:O2、膜厚:75[nm]である。特許請求の範囲における「第四の工程」に相当するものである。図20は、第1絶縁体が再形成された状態を拡大して表したものである。図示する如く、本実施例で第2絶縁体として用いた高抵抗Polyシリコン膜は、熱酸化により第1絶縁体に変化する物質であるため、トレンチ部壁面と第2絶縁体の双方からSiO2が成長して窪みを埋めることとなる。
そして、トレンチ部の内部にゲート電極としてPドープPolyシリコン膜を埋め込んで、N+ソース領域を形成し、主な工程を終了する。図19は、PドープPolyシリコン膜を埋め込む工程を説明するための説明図である。本工程のプロセス条件は、例えば、成膜温度:620[℃]、ガス種:100%SiH4/4%PH3、膜厚:500[nm]である。
この点、本実施例の製造方法を用いて製造された半導体装置も、第1実施例の製造方法を用いて製造された半導体装置1と同様、第2絶縁体とゲート電極の境界付近においては第1絶縁体が各半導体層とゲート電極との間を埋めているため、ゲート耐圧や信頼性の低下という不都合を抑制している(図20参照)。
なお、前述した如く本実施例ではトレンチ部壁面と第2絶縁体の双方からSiO2が成長するため、上式(1)に代えて、次式(2)を条件として設定する。
0.16dox≦d1≦1.12dox …(2)
以上のように隙間d1を形成することにより、第2絶縁体とゲート電極の境界付近において、第1絶縁体がトレンチ部壁面と第2絶縁体との隙間を完全に閉塞させると共に、十分な厚みを有することとなるため、ゲート耐圧や信頼性の低下という不都合を更に抑制することができる。
本実施例の半導体装置の製造方法によれば、ゲート耐圧や信頼性の低下という不都合を抑制することができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
本発明は、自動車製造業や自動車部品製造業等に利用可能である。
半導体装置1の断面図である。 P−ボディ領域6がNチャネル化してN+ソース領域5とN+ドレイン領域8の間が導通する様子を示す図である。 トレンチ部を形成する工程を説明するための説明図である。 インプラスルー酸化膜を形成し、P型拡散層を形成する工程を説明するための説明図である。 第1絶縁体を形成する工程を説明するための説明図である。 第2絶縁体を堆積させる工程を説明するための説明図である。 第1絶縁体及び第2絶縁体をエッチバックする工程を説明するための説明図である。 第1絶縁体を選択的に除去する工程を説明するための説明図である。 犠牲酸化膜を形成した後に、ウエットエッチング法によりこれを除去する工程を説明するための説明図である。 第1絶縁体を再形成する工程を説明するための説明図である。 第1絶縁体が局所的に薄膜化し、ゲート耐圧や信頼性の低下という不都合を生じる様子を説明するための説明図である。 本実施例の製造方法により製造された半導体装置1がゲート耐圧や信頼性の低下という不都合を抑制している様子を示す図である。 犠牲酸化膜が除去された時点から熱酸化が行なわれてSiO2が成長する様子を示す図である。 間隔d1を適切に決定するために考慮すべき問題を説明するための説明図である。 第2絶縁体を堆積させる工程を説明するための説明図である。 第2絶縁体をエッチバックする工程を説明するための説明図である。 第1絶縁体を選択的に除去する工程を説明するための説明図である。 犠牲酸化膜を形成した後に、ウエットエッチング法によりこれを除去する工程を説明するための説明図である。 第1絶縁体を再形成する工程を説明するための説明図である。 第1絶縁体が再形成された状態を拡大して表したものである。 PドープPolyシリコン膜を埋め込む工程を説明するための説明図である。
符号の説明
1 半導体装置
2 電極
3 ドレイン電極
4 ゲート電極
5 N+ソース領域
6 P−ボディ領域
7 N−ドリフト領域
8 N+ドレイン領域
9 P−フローティング領域
10 トレンチ部
11 第1絶縁体
12 第2絶縁体

Claims (5)

  1. トレンチ部内にゲート電極を配したトレンチゲート型半導体装置の製造方法であって、
    半導体基板内に前記トレンチ部を形成する第一の工程と、
    前記トレンチ部の壁面に第1絶縁体を形成する第二の工程と、
    前記第1絶縁体の内側における所定の深さまで第2絶縁体を形成すると共に、該所定の深さよりも深い位置まで前記第1絶縁体を除去して窪みを形成する第三の工程と、
    前記第三の工程において前記第1絶縁体が除去された部分において、前記第1絶縁体を再形成する第四の工程と、
    前記第2絶縁体が形成され前記第1絶縁体が再形成された前記トレンチ部の内部にゲート電極を形成する第五の工程と、を含み、
    前記第四の工程において、再形成された前記第1絶縁体の前記ゲート電極の側面と接する部分の厚さは、前記第二の工程で形成された後除去されていない前記第1絶縁体の厚さよりも厚く形成されることを特徴とするトレンチゲート型半導体装置の製造方法。
  2. 前記第三の工程は、前記第1の絶縁体と前記第2の絶縁体のウエットエッチングレートの差を利用して、前記所定の深さよりも深い位置まで前記第1絶縁体を除去する工程を含む、請求項1に記載のトレンチゲート型半導体装置の製造方法。
  3. 前記第三の工程において、
    前記窪みの入口部における前記トレンチ部の壁面と前記第2絶縁体の間隔を、前記第四の工程において再形成する前記第1絶縁体の前記ゲート電極の側面と接する一定の厚さ部分の厚さの0.56倍以下とすることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載のトレンチゲート型半導体装置の製造方法。
  4. 熱酸化により前記第1絶縁体に変化する物質を前記第2絶縁体として選択して、前記第四の工程において熱酸化により前記第1絶縁体を再形成し
    前記窪みの入口部における前記トレンチ部の壁面と前記第2絶縁体の間隔を、前記第四の工程において再形成する前記第1絶縁体の前記ゲート電極の側面と接する一定の厚さ部分の厚さの1.12倍以下とすることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載のトレンチゲート型半導体装置の製造方法。
  5. 前記第三の工程において、
    前記窪みの入口部における前記トレンチ部の壁面と前記第2絶縁体の間隔を、前記第四の工程において再形成する前記第1絶縁体の前記ゲート電極の側面と接する一定の厚さ部分の厚さの0.16倍以上とすることを特徴とする、
    請求項3又は4に記載のトレンチゲート型半導体装置の製造方法。
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