JP5266658B2 - ポリマーエマルジョン含有水性塗料 - Google Patents
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Description
缶内面被覆用水性塗料には、従来、BPA型エポキシ樹脂をアクリル樹脂で変性し、カルボキシル基などを分子中に導入した水分散型アクリル変性エポキシ樹脂が主として使用されている。
一般に、乳化重合法には乳化剤として界面活性剤が用いられるので、当然、この重合反応により得られるエマルジョン樹脂中にも、界面活性剤が含まれることになる。そのため、乳化重合法により生成するエマルジョン樹脂を水性塗料として用いた場合、この塗料からなる硬化塗膜は、エマルジョン樹脂中の界面活性剤の影響により耐蒸気殺菌性を悪化させ、塗膜の白化やブリスター(点状剥離)を生じさせる。
以上のように、通常の乳化重合法で合成したエマルジョン型アクリル樹脂は、その構成成分である界面活性剤、及びイオン性の水溶性開始剤が、硬化塗膜の耐蒸気殺菌性を悪化させるため、現段階において工業的実用化には至っていない。
即ち、特許文献1には、カルボキシル基を有する水性樹脂の存在下に、アクリル系モノマーの水性分散体を滴下重合してなる、ソープフリー型アクリル樹脂エマルジョンが缶用水性塗料組成物に用い得る旨記載されており、前記水性塗料組成物は、加工性、密着性、耐煮沸性に優れる塗膜を形成し得るとされる。
しかしながら、しかし、特許文献1に開示される重合方法(プレ乳化法)は、その工程が複雑かつ長時間となり、塗料のコストアップの原因となる。
また、缶用塗料により被覆された缶は、内容物の種類によっては、煮沸より過酷な蒸気殺菌工程を施される場合がある。特許文献1に示された方法によって得られる水性塗料組成物を塗装した缶を、蒸気殺菌した場合、塗膜が白化したりブリスター(点状剥離)を生じたりする。
注意すべきは、この高度な加工は蓋材の両面に硬化塗膜が設けられた後に行われるという点であり、当然、該塗膜にはこの加工の下でも塗膜欠陥を生じさせない高い加工性が求められる。しかしながら、特許文献1記載の方法によって得られる水性塗料組成物を用いた場合、要求される加工性レベルは確保できない。
<被乳化成分(A)>
被乳化成分(A)とは、エチレン性不飽和モノマー(A1)を主たる成分とするもので、その多くは水に不溶もしくは難溶性で、通常、有機溶剤を用いた溶液重合や、界面活性剤を用いた乳化重合に供される。
本発明は、かかる水に不溶もしくは難溶性のモノマーを、いわゆる一般的な低分子量の界面活性剤を用いることなく、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体を含有するカルボキシル基含有成分を高分子乳化剤として用いて、ノニオン性の水溶性ラジカル開始剤(E)によりラジカル重合せしめることに特徴がある。
被乳化成分(A)は、エチレン性不飽和モノマー(A1)以外に、例えばポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコールないしその誘導体等をエチレン性不飽和モノマー(A1)と混合した状態で、被乳化成分としてラジカル重合に供することも出来る。
エチレン性不飽和モノマー(A1)には、通常のアクリル溶液重合に用いられるエチレン性不飽和モノマーや、界面活性剤を用いてアクリル乳化重合を行う際に、乳化される成分であるエチレン性不飽和モノマーと同様のものを用いることができる。
エチレン性不飽和モノマー(A1)の例としては、
(メタ)アクリル酸〔「アクリル酸」と「メタクリル酸」とを併せて「(メタ)アクリル酸」と表記する。以下同様。〕、(無水)イタコン酸、(無水)マレイン酸等のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマー、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー、
スチレン、メチルスチレン等の芳香族系モノマー、
N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、Nーヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、
N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−,イソ)ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−、イソ)ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、及び
(メタ)アクリルアミド等のアミド系モノマーが挙げられる。
上記アミド系モノマーは、いずれも自己架橋性モノマーであり、加熱や、酸性条件下で容易に自己縮合し得る。また、カルボキシル基や水酸基の存在下では、それらの官能基とも反応することが知られている。即ち、上記アミド系モノマーを含有する被乳化成分(A)をラジカル重合してなるポリマーエマルジョンは、その粒子内に自己架橋性を有することが可能となる。
本発明で、アミド系モノマーを含有する被乳化成分(A)をラジカル重合してなるポリマーエマルジョンの架橋反応は、ラジカル重合時、及び塗装時の焼付工程において進行する。ラジカル重合時の架橋反応は、エマルジョン粒子内の高分子量化、三次元構造化に寄与し、得られる塗膜の加工性や耐食性を向上させる。また、焼付工程においてはポリマーエマルジョン粒子間の架橋に寄与し、造膜性を向上させて強固な塗膜を形成することができる。
尚、エチレン性不飽和モノマー(A1)として、N−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれるアミド系モノマーを含有しないエチレン性不飽和モノマー(A1)を用い、かつ後述するカルボキシル基を有するアクリル系共重合体(B1)としても上記のようなアミド系モノマーに由来する架橋性官能基を含有しないものを用いればアミドフリーのポリマーエマルジョンを得ることもできる。
次に、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体(B1)を含有するカルボキシル基含有成分(B)について説明する。
カルボキシル基含有成分(B)は被乳化成分(A)に対し、乳化剤成分として機能するものである。
カルボキシル基含有成分(B)は、被乳化成分(A)をラジカル重合する際に、エチレン性不飽和モノマー(A1)を含有する被乳化成分(A)を液滴としたモノマー滴を形成したり、カルボキシル基含有成分(B)からなるミセル内に被乳化成分(A)を可溶化したりし、ラジカル重合開始剤から発生するラジカルをミセル内に取り込んだ状態で重合を開始させる。つまり、カルボキシル基含有成分(B)は、水に不溶もしくは難溶性のエチレン性不飽和モノマー(A1)に、水中での重合の場を提供するものである。
従ってカルボキシル基含有成分(B)は、重合速度や分子量、粒子の大きさ、エマルジョンの安定性、塗膜物性等に大きく影響するので、本発明にとって最も重要な成分の1つとして位置づけられる。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体(B1)を含有するカルボキシル基含有成分(B)としては、上記アクリル系共重合体(B1)以外に、カルボキシル基を含有するポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコールないしその誘導体等の水に溶解ないし分散可能な成分も用いることが出来る。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体(B1)は、親水性部分としてカルボキシル基を有している。カルボキシル基を有するアクリル系共重合体(B1)は、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマーを共重合してなるものである。カルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマーは、共重合に供されるモノマー100重量%中少なくとも10重量%以上含まれることが好ましく、20〜80重量%含まれることがより好ましい。
また、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体(B1)は、疎水性部分を有することも重要である。そこで、芳香環を有するエチレン性不飽和モノマーもしくは炭素原子数6以上のアルキル鎖を有するエチレン性不飽和モノマーを共重合成分に有することが好ましい。
尚、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体(B1)が、カルボキシル基以外に架橋反応性の官能基をもたない場合、アクリル系共重合体(B1)は有機溶剤を用いずに塊状重合によって合成することもできる。
故に、被乳化成分(A)をラジカル重合する際に、溶液重合によって得たアクリル系共重合体を乳化剤として用いるためには、アクリル系共重合体重合時の有機溶剤を留去しておく必要がある場合が多い。
有機溶剤を留去する方法は、通常の減圧法を用いた脱溶剤の方法が用いられる。
例えば、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体(B1)は、N−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれるアミド系モノマーを少なくとも1種含有するモノマーを共重合してなる共重合体とすることもできる。
N−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれるアミド系モノマーの有する官能基は、硬化塗膜を形成する際に自己架橋反応したり、カルボキシル基含有成分(B)のカルボキシル基、後述するフェノール樹脂等とも架橋反応することができる。また、これらは、(メタ)アクリルアミドとも架橋反応を行う。
これにより、塗膜の硬化性、またその他の物性がより向上する。
酸価が100mgKOH/gより小さいと、ラジカル重合に際して乳化力が低下しラジカル重合が不安定になるという不都合が生じる。酸価が400mgKOH/gより大きい場合には、得られる硬化塗膜の耐水性が低下する傾向にある。
尚、本発明において、カルボキシル基含有成分(B)は、後述するように塩基性化合物(C)、及び水(D)を用いて水に溶解したり分散した状態にしておき、そこに被乳化成分(A)を添加するが、水に溶解した状態にしておくことが好ましい。
塩基性化合物(C)は、本発明において、カルボキシル基含有成分(B)中のカルボキシル基の一部ないし全部を中和し、カルボキシル基含有成分(B)の水溶液ないしエマルジョン(1)を得るために用いられるものである。
アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
これら塩基性化合物(C)は、カルボキシル基含有成分(B)中のカルボキシル基の全量100モル%に対して、20〜70モル%の割合で使用することが好ましい。
水(D)はポリマーエマルジョン(F)を得る際に、カルボキシル基含有成分(B)と塩基性化合物(C)とともにポリマーの水溶液ないしエマルジョン(1)を形成する。
被乳化成分(A)100重量部に対して、水(D)は、100〜1000重量部であることが好ましく、200〜600重量部であることがより好ましい。
尚、乳化を補助する目的で水溶性の溶剤を加えることもできる。一般に、乳化重合は溶剤の存在しない状態で行うことが多いが、水溶性の溶剤は、乳化を補う役割をすることがある。
続いて、ノニオン性の水溶性ラジカル開始剤(E)について説明する。本発明におけるノニオン性のラジカル開始剤は、水への溶解度が20℃条件下1.0%以上のものに限り「水溶性」と定義し、水への溶解度が1.0%未満であるものについては「非水溶性」として扱う。
また、本発明中の「ノニオン性」とは、水中において分子構造中にカチオン部分、アニオン部分のいずれもが生成し得ない性質のことを示し、「ノニオン性」の対義語として表記する「イオン性」とは、水中において分子構造中にカチオン部分、もしくはアニオン部分が存在し得る性質のことを言う。
これら二種類の水溶性ラジカル開始剤は、乳化重合においてエチレン性不飽和モノマーと反応し、ポリマーエマルジョンを形成するという点で共通であるが、ポリマーエマルジョンそのものの性質に着目した場合に大きな差が生じる。
例えば、過硫酸アンモニウムのように分子内にイオン性官能基として過硫酸塩構造を有するイオン性の水溶性ラジカル開始剤で乳化重合を行った場合、ラジカル開始剤由来のイオン性官能基は、重合反応を通してポリマーエマルジョン中に組み込まれる。
このイオン性官能基は親水性に富むため、ポリマーエマルジョン表層、つまり水との界面に介在して一種の界面活性的性質を呈し、ポリマーエマルジョンの親水性向上に寄与することになる。当然、ラジカル開始剤由来のイオン性官能基は、ポリマーエマルジョンからなる硬化塗膜の親水性をも向上させてしまい、結果、硬化塗膜の耐水性、耐蒸気殺菌性は悪化し、塗膜の白化やブリスター(点状剥離)を生じる。
その点、過酸化水素のようなノニオン性の水溶性ラジカル開始剤を使用して乳化重合を行った場合、これからなるポリマーエマルジョン中には親水性を向上させる、開始剤由来のイオン性官能基が存在することはなく、その硬化塗膜の親水性を向上させることもないため、耐水性、耐蒸気殺菌性に優れる良好な塗膜を形成することが可能となる。
過酸化水素、過酸化カリウム、tert−ブチルハイドロパーオキサイド(パーブチルH、日本油脂(株)製)、クメンハイドロパーオキサイド(パークミルH、日本油脂(株)製)、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド(パークミルP、日本油脂(株)製)、p-メンタンヒドロパーオキサイド(パーメンタH、日本油脂(株)製)等の各種過酸化物系ラジカル開始剤や、
2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](和光純薬製、VA−061)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}(和光純薬製、VA−080)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド](和光純薬製、VA−086)等の各種アゾ系開始剤等が用いられ、過酸化物系開始剤がより好ましい。
レドックス系重合の際に使用される還元剤としては、例えば、
アスコルビン酸、エリソルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルムアルデヒドスルホキシラートなどの金属塩等の還元性有機化合物、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物、硫酸第一鉄、塩化第一鉄、ロンガリット、二酸化チオ尿素などを例示できる。
酸化剤、及び還元剤は、エチレン性不飽和モノマー(A1)100重量部に対して、それぞれ0.01〜1重量部、及び0.01〜2重量部程度の量を用いるのが好ましい。
本発明におけるポリマーエマルジョン(F)は、上述したようにポリマー構成成分として被乳化成分(A)の重合体とカルボキシル基含有成分(B)とからなるものである。
そして、上述した被乳化成分(A)の重合体とカルボキシル基含有成分(B)が、主としてポリマーエマルジョン(F)粒子のコア部とシェル部に、それぞれなり得るものと考えられる。
本発明の場合、ポリマーエマルジョンの分散樹脂のTgは、構成成分の各Tgと組成比とで常法に従って求めることができる。例えば、被乳化成分(A)としてポリエステル樹脂等を含まずエチレン性不飽和モノマー(A1)のみを使用し、カルボキシル基含有成分(B)としてもポリエステル樹脂等を含まずカルボキシル基を有するアクリル系共重合体(B1)のみを使用する場合は、アクリル系共重合体(B1)を構成する各モノマー、及びエチレン性不飽和モノマー(A1)の各モノマーからそれぞれ形成され得る各ホモポリマーのTgと、ポリマーエマルジョン中の複合化ポリマーを構成する各モノマーの組成比とから常法に従って計算によって求めることが出来る。
尚、被乳化成分(A)やカルボキシル基含有成分(B)としてポリエスエル樹脂等を含有する場合には、ポリエステル樹脂等のTgと、ポリマーエマルジョン中に含まれるポリエステル樹脂等の割合に基づいて、同様に求めることができる。
本発明の場合も、単なる溶液重合の場合よりもポリマーエマルジョンの分散樹脂が高分子量化しているので、その結果、該ポリマーエマルジョンを含有する水性塗料は、加工性、耐腐食性が良好である塗膜を形成することが出来たものと考察される。
被乳化成分(A)100重量部に対して、カルボキシル基含有アクリル系共重合体(B1)を含有する、乳化剤成分たるカルボキシル基含有成分(B)が5重量部より少ない場合、被乳化成分(A)や重合後の複合化ポリマーが乳化されにくくなる傾向にある。また、被乳化成分(A)100重量部に対して、乳化剤成分たるカルボキシル基含有成分(B)が300重量部より多い場合、焼き付け硬化後の塗膜の加工性の向上があまり期待できない。被乳化成分(A)は、ラジカル重合によって、非常に高分子量になる成分であり、これが硬化塗膜の加工性の向上に寄与することとなる。従って、乳化剤成分たるカルボキシル基含有成分(B)が300重量部よりも多くなると、相対的に被乳化成分(A)が少なくなり、その結果硬化塗膜の加工性の向上があまり期待できなくなる。
フェノール樹脂やアミノ樹脂は、自己架橋反応する他、カルボキシル基含有成分(B)中のカルボキシル基と反応し得る。また、被乳化成分(A)から形成される重合体やカルボキシル基含有成分(B)が水酸基を有する場合には、フェノール樹脂やアミノ樹脂は、それらの水酸基とも反応し得る。さらに、エチレン性不飽和モノマー(A1)がアミド系モノマーに由来する架橋性官能基を有する場合は、これら架橋性官能基とも反応し得る。
本発明において用いられるアミノ樹脂としては、尿素やメラミン、ベンゾグアナミンにホルマリンを付加反応させたもの等を挙げることができる。
上記フェノール樹脂やアミノ樹脂は、ホルマリンの付加により生成したメチロール基の一部ないし全部を、炭素数が1〜12なるアルコール類によってエーテル化した形のものも好適に用いられる。
フェノール樹脂やアミノ樹脂を用いる場合には、ポリマーエマルジョンの樹脂固形分100重量部に対して、0.5〜20重量部添加することが好ましく、2〜10重量部添加することがより好ましい。
ワックスとしては、カルナバワックス、ラノリンワックス、パーム油、キャンデリラワックス、ライスワックス等の動植物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス、ポリオレフィンワックス、テフロン(登録商標)ワックス等の合成ワックス等が好適に用いられる。
親水性有機溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ(イソ)プロピルエーテル、エチレングリコールジ(イソ)プロピルエーテル、エチレングリコールモノ(イソ)ブチルエーテル、エチレングリコールジ(イソ)ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ(イソ)プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ(イソ)プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ(イソ)ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ(イソ)ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ(イソ)プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ(イソ)ブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ(イソ)プロピルエーテル、プロピレングリコールジ(イソ)ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ(イソ)プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ(イソ)ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ(イソ)プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ(イソ)ブチルエーテル等の各種エーテルアルコール類ないしはエーテル類;
メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、フルフリルアルコール等のアルコ―ル類;
メチルエチルケトン、ジメチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のアルコキシエステル類等が挙げられ、これらは1種類のみを用いてもよいし、2種以上の併用でも使用できる。
缶の素材としては、アルミニウム、錫メッキ鋼板、クロム処理鋼板、ニッケル処理鋼板等が用いられ、これらの素材はジルコニウム処理や燐酸処理等の表面処理を施される場合がある。
本発明の水性塗料は、塗装した後、揮発成分が揮発しただけでも皮膜を形成出来るが、優れた耐蒸気殺菌性や加工性、密着性を得るためには焼き付け工程を加えた方が良い。焼き付けの条件としては、150℃〜280℃の温度で10秒〜30分間焼き付けることが望ましい。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽、及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、エチレングリコールモノブチルエーテル100部、イオン交換水100部を仕込んで、90℃まで昇温した。反応容器内の温度を90℃に保ちながら、メタクリル酸96部、スチレン52部、アクリル酸エチル42部、N−ブトキシメチルアクリルアミド10部、及び過酸化ベンゾイル2部からなる混合物を滴下槽から4時間にわたって連続滴下した。
滴下終了から1時間後、及び2時間後に過酸化ベンゾイル0.2部をそれぞれ添加し、滴下終了から3時間にわたって反応を続け、数平均分子量45000、ガラス転移温度73℃、酸価312mgKOH/gのアクリル系共重合体の溶液(固形分50%)を得た。
次に、ジメチルエタノールアミン29.8部を添加して、10分間撹拌した後、イオン交換水368.2部を加えて水溶化せしめ、不揮発分25%のカルボキシル基を有する水性アクリル共重合体の水溶液を得た。これを水性アクリル共重合体(B1−1)水溶液とする。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽、及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、エチレングリコールモノブチルエーテル100部、イオン交換水100部を仕込んで、90℃まで昇温した。反応容器内の温度を90℃に保ちながら、メタクリル酸96部、スチレン52部、アクリル酸エチル42部、N−ブトキシメチルアクリルアミド10部、及び過酸化ベンゾイル8部からなる混合物を滴下槽から4時間にわたって連続滴下した。
滴下終了から1時間後、及び2時間後に過酸化ベンゾイル0.2部をそれぞれ添加し、滴下終了から3時間にわたって反応を続け、数平均分子量11000、ガラス転移温度73℃、酸価312mgKOH/gのアクリル系共重合体の溶液(固形分50%)を得た。
次に、ジメチルエタノールアミン29.8部を添加して、10分間撹拌した後、イオン交換水361.8部を加えて水溶化せしめ、不揮発分25%のカルボキシル基を有する水性アクリル共重合体の水溶液を得た。これを水性アクリル共重合体(B1−2)水溶液とする。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽、及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、エチレングリコールモノブチルエーテル100部、イオン交換水100部を仕込んで、90℃まで昇温した。反応容器内の温度を90℃に保ちながら、メタクリル酸130部、スチレン36部、アクリル酸エチル24部、N−ブトキシメチルアクリルアミド10部、及び過酸化ベンゾイル2部からなる混合物を滴下槽から4時間にわたって連続滴下した。
滴下終了から1時間後、及び2時間後に過酸化ベンゾイル0.2部をそれぞれ添加し、滴下終了から3時間にわたって反応を続け、数平均分子量50000、ガラス転移温度94℃、酸価425mgKOH/gのアクリル系共重合体の溶液(固形分50%)を得た。
次に、ジメチルエタノールアミン29.8部を添加して、10分間撹拌した後、イオン交換水361.8部を加えて水溶化せしめ、不揮発分25%のカルボキシル基を有する水性アクリル共重合体の水溶液を得た。これを水性アクリル共重合体(B1−3)水溶液とする。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽、及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、合成例1で得られたカルボキシル基含有アクリル共重合体(B1−1)水溶液120部、イオン交換水88.9部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ、撹拌しながら70℃まで昇温した。
次に、滴下槽1にスチレン39.0部、アクリル酸エチル23.5部、N−ブトキシメチルアクリルアミド7.5部を仕込み、滴下槽2に1%過酸化水素水3.0部を、滴下槽3に1%エリソルビン酸ナトリウム水溶液3.8部をそれぞれ仕込み、夫々同時に3時間かけて反応容器内の温度を70℃にたもちながら、撹拌下に滴下して、分散樹脂の理論Tgが54℃のポリマーエマルジョンを得た。
その後、イオン交換水114.3部、n−ブタノール50部、エチレングリコールモノブチルエーテル50部を添加し、5μmのフィルターで濾過して内容物を取り出し、不揮発分が20%の水性塗料(1)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽、及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、合成例1で得られたカルボキシル基含有アクリル共重合体(B1−1)水溶液120部、イオン交換水88.9部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ、撹拌しながら90℃まで昇温した。
次に、滴下槽1にスチレン39.0部、アクリル酸エチル23.5部、N−ブトキシメチルアクリルアミド7.5部を仕込み、滴下槽2に1%過酸化水素水3.0部を仕込み、夫々同時に3時間かけて反応容器内の温度を90℃にたもちながら、撹拌下に滴下して、分散樹脂の理論Tgが54℃のポリマーエマルジョンを得た。
その後、イオン交換水114.3部、n−ブタノール50部、エチレングリコールモノブチルエーテル50部を添加し、5μmのフィルターで濾過して内容物を取り出し、不揮発分が20%の水性塗料(2)を得た。
1%過酸化水素水の代わりに、1%tert−ブチルパーオキサイド水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、分散樹脂の理論Tgが54℃、不揮発分が20%の水性塗料(3)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽、及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、合成例1で得られたカルボキシル基含有アクリル共重合体(B1−1)水溶液120部、イオン交換水88.9部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ、撹拌しながら70℃まで昇温した。
次に、滴下槽1にスチレン43.0部、アクリル酸エチル27.0部を仕込み、滴下槽2に1%過酸化水素水3.0部を、滴下槽3に1%エリソルビン酸ナトリウム水溶液3.8部をそれぞれ仕込み、夫々同時に3時間かけて反応容器内の温度を70℃にたもちながら、撹拌下に滴下して、分散樹脂の理論Tgが52℃のポリマーエマルジョンを得た。
その後、イオン交換水114.3部、n−ブタノール50部、エチレングリコールモノブチルエーテル50部を添加し、5μmのフィルターで濾過して内容物を取り出し、不揮発分が20%の水性塗料(4)を得た。なお、本願で実施例4は参考例である。
カルボキシル基含有アクリル共重合体(B1−1)水溶液の代わりに、合成例2で得られたカルボキシル基含有アクリル共重合体(B1−2)水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、分散樹脂の理論Tgが54℃、不揮発分が20%の水性塗料(5)を得た。
カルボキシル基含有アクリル共重合体(B1−1)水溶液の代わりに、合成例3で得られたカルボキシル基含有アクリル共重合体(B1−3)水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、分散樹脂の理論Tgが58℃、不揮発分が20%の水性塗料(6)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽、及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、合成例1で得られたカルボキシル基含有アクリル共重合体(B1−1)水溶液120部、イオン交換水88.9部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ、撹拌しながら70℃まで昇温した。
次に、滴下槽1にスチレン15.0部、アクリル酸エチル47.5部、N−ブトキシメチルアクリルアミド7.5部を仕込み、滴下槽2に1%過酸化水素水3.0部を仕込み、滴下槽3に1%エリソルビン酸ナトリウム水溶液3.8部を仕込み、夫々同時に3時間かけて反応容器内の温度を70℃にたもちながら、撹拌下に滴下して、分散樹脂の理論Tgが23℃のポリマーエマルジョンを得た。
その後、イオン交換水114.3部、n−ブタノール50部、エチレングリコールモノブチルエーテル50部を添加し、5μmのフィルターで濾過して内容物を取り出し、不揮発分が20%の水性塗料(7)を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽、及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、合成例1で得られたカルボキシル基含有アクリル共重合体(B1−1)水溶液120部、イオン交換水88.9部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ、撹拌しながら70℃まで昇温した。
次に、滴下槽1にスチレン52.0部、アクリル酸エチル10.0部、N−ブトキシメチルアクリルアミド7.5部を仕込み、滴下槽2に1%過酸化水素水3.0部を仕込み、滴下槽3に1%エリソルビン酸ナトリウム水溶液3.8部を仕込み、夫々同時に3時間かけて反応容器内の温度を70℃にたもちながら、撹拌下に滴下して、分散樹脂の理論Tgが75℃のポリマーエマルジョンを得た。
その後、イオン交換水114.3部、n−ブタノール50部、エチレングリコールモノブチルエーテル50部を添加し、5μmのフィルターで濾過して内容物を取り出し、不揮発分が20%の水性塗料(8)を得た。
実施例1で得た水性塗料(1)200部の撹拌下に「PR−C−101」(住友ベークライト(株)製、フェノール樹脂)の20%ブタノール溶液8部を添加し、5μmのフィルターで濾過して内容物を取り出し、不揮発分が20%の水性塗料(9)を得た
1%過酸化水素水の代わりに、1%過硫酸アンモニウム水溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、分散樹脂の理論Tgが54℃、不揮発分が20%の水性塗料(10)を得た。
実施例1〜9、比較例1で得た各水性塗料を、厚さ0.26mmのアルミ板に、乾燥膜厚が5〜6μmになるように塗工し、ガスオーブンを用い雰囲気温度200℃で3分間焼き付け、評価用テストパネルを得て、以下のようにして塗膜の性能を評価した。尚、耐レトルト白化評価における塗膜の透明性については、実施例1〜9、比較例1で得た各水性塗料を厚さ0.23mmのブリキ板にアルミ板と同様の塗工、焼き付けを行い、評価用ブリキ板テストパネルを得て評価を行った。結果を表1に示す。
各評価の方法を以下に説明する。
テストパネルを目視で評価する。
◎:塗膜が平滑で、ブツや発泡がない。
○:僅かに微細なブツがあるが、実用上、問題ない。
△:塗膜にブツが多く、実用上、問題あり。
×:塗膜の全面に、著しくブツがある。
2ポンドハンマーにガーゼを巻き、メチルエチルケトンを含浸させ、テストパネルの塗膜上を往復させ、下地のアルミが露見するまでの回数を求める。
◎:200回以上
○:100回以上200回未満
△:50回以上100回未満
×:50回未満
JIS K5400に準拠し、常温で三菱鉛筆「ユニ」により塗膜が剥離しない最高硬度を表示。
◎:5H以上
○:3H−4H
△:H−2H
×:F以下
テストパネルを40×80mmに切断し、塗膜を外側(凸型)にしてデュポン衝撃(1/2インチ、500g、30cm)を加えた後、テストパネルを市販のスポーツ飲料に浸漬したまま、レトルト釜で125℃−30分レトルト処理を行った。その後、浸漬したまま50℃で保存し、4日後に取り出して、平面部、及びデュポン衝撃部のブリスターを評価した。
◎:ブリスターの発生なし
○:デュポン衝撃部にブリスター発生、加工部の50%未満
△:デュポン衝撃部にブリスター発生、加工部の50%以上
×:平面部にブリスター発生
テストパネルを水に浸漬したまま、レトルト釜で130℃−1時間レトルト処理を行った。その塗膜面にカッターにてクロスカットをした後、セロハン粘着テープを貼着し、強く剥離したのちの塗膜面の評価を行った。
◎:全く剥離なし
○:5%未満の剥離あり
△:5〜50%の剥離あり
×:50%を超える剥離あり
テストパネルを水に浸漬したまま、レトルト釜で130℃−1時間レトルト処理を行い、塗膜の外観について目視で評価した。
◎:未処理の塗膜と変化なし
○:ごく薄く白化
△:やや白化
×:著しく白化
ブリキ板テストパネルを水に浸漬したまま、レトルト釜で130℃−1時間レトルト処理を行った。次いで、水銀を用いたアマルガム法により、レトルト処理したブリキ板テストパネルから塗膜を剥離させてフィルム状とし、得られた塗膜フィルムの透明性(ヘイズ値)をヘイズメーター(日本電色工業(株)製「NDH−500W」)にて測定した。
ヘイズ値は、値の低いものほど塗膜の透明性に優れ、高いものほど透明性に劣る。レトルト処理により白化した塗膜は、透明性を低下させるため高いヘイズ値が得られる。
◎:ヘイズ値が2.0%未満
○:ヘイズ値が2.0%以上5.0%未満
△:ヘイズ値が5.0%以上10.0%未満
×:ヘイズ値が10.0%以上
テストパネルを大きさ30mm×50mmに切断し、塗膜を外側にして、試験部位が30mmの幅になるように手で予め折り曲げ、この2つ折りにした試験片の間に厚さ0.26mmのアルミ板を2枚はさみ、1kgの荷重を高さ40cmから折り曲げ部に落下させて完全に折り曲げた。
次いで、試験片の折り曲げ先端部を濃度1%の食塩水中に浸漬させ、試験片の、食塩水中に浸漬されていない金属部分と、食塩水との間を6.0V×6秒通電した時の電流値を測定した。
塗膜の加工性が乏しい場合、折り曲げ加工部の塗膜がひび割れて、下地の金属板が露出して導電性が高まるため、高い電流値が得られる。
◎:1.0mA未満
○:1.0mA以上10mA未満
△:10mA以上20mA未満
×:20mA以上
テストパネルを水に浸漬したまま、レトルト釜で130℃−1時間レトルト処理を行った。
処理したテストパネルを用いて、上記<加工性>と同様にして、電流値を測定した。
◎:10mA未満
○:10mA以上20mA未満
△:20mA以上50mA未満
×:50mA以上
各水性塗料を厚さ0.1mmのアルミ箔に両面塗工し200℃−2分間加熱して硬化させ(膜厚5〜6μm)、得られたテストパネル(2)を10cm×25cm(両面500cm2)の大きさに切断する。この切断後のテストパネル(2)を活性炭処理した水道水500gとともに耐熱瓶に入れ密栓し、125℃−30分のレトルト処理を行い、その後、風味試験を実施する。風味試験の比較対照として、テストパネル(2)を入れない水道水についてもブランクとして同時にレトルト処理する。
◎:無味
○:僅かに味がする
△:味がする
×:かなり味がする
容量12リットルのデシケ−タ−中に、100mm×160mmのテストパネル(2)、及び100μgのリモネンをジエチルエーテルに溶解したものをテストパネル(2)に触れないように入れ、デシケーターの蓋をして密閉し、25℃で24時間静置する。
静置後テストパネル(2)を取り出し、直ちに二硫化炭素中に入れて1時間放置し、塗膜面に吸着したリモネンを抽出し、ガスクロマトグラフィーで吸着していたリモネン量(μg)を求めた。
◎:100μg未満
○:100μg以上500μg未満
△:500μg以上2000μg未満
×:2000μg以上
Claims (8)
- カルボキシル基を有するアクリル系共重合体(B1)を含有するカルボキシル基含有成分(B)、塩基性化合物(C)、及び水(D)を含有してなるポリマーの水溶液ないしエマルジョン(1)の存在下に、N−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれるアミド系モノマーを少なくとも1種含有するエチレン性不飽和モノマー(A1)を含有する被乳化成分(A)を、エチレン性不飽和モノマー(A1)100重量部に対して過酸化水素を0.01〜1重量部用いてラジカル重合してなるポリマーエマルジョン(F)を含有することを特徴とする水性塗料。
- カルボキシル基を有するアクリル系共重合体(B1)の数平均分子量が5000〜10万であることを特徴とする請求項1に記載の水性塗料。
- カルボキシル基を有するアクリル系共重合体(B1)の酸価が、50〜500mgKOH/gであることを特徴とする請求項1または2記載の水性塗料。
- ポリマーエマルジョン(F)の分散樹脂のガラス転移温度が0〜100℃であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の水性塗料。
- フェノール樹脂、及びアミノ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含有することを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の水性塗料。
- 飲料若しくは食品を収容するための缶材の被覆用であることを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の水性塗料
- 飲料若しくは食品を収容するための缶材を請求項6記載の水性塗料で被覆してなることを特徴とする被覆缶。
- カルボキシル基を有するアクリル系共重合体(B1)を含有するカルボキシル基含有成分(B)、塩基性化合物(C)、及び水(D)を含有してなるポリマーの水溶液ないしエマルジョン(1)の存在下に、N−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれるアミド系モノマーを少なくとも1種含有するエチレン性不飽和モノマー(A1)を含有する被乳化成分(A)を、エチレン性不飽和モノマー(A1)100重量部に対して過酸化水素を0.01〜1重量部用いてラジカル重合することを特徴とするポリマーエマルジョンの製造方法。
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