JP5264636B2 - 指示体位置検出装置及び指示体位置検出方法 - Google Patents

指示体位置検出装置及び指示体位置検出方法 Download PDF

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Description

本発明は一般に、タッチスクリーンを用いて実装されたマンマシンインターフェース(MMI)を含む装置に関し、より具体的には、そのようなタッチスクリーンに対するユーザーの操作を識別する指示体位置検出装置および方法に関する。
タッチスクリーン技術は、固定および移動機器用のディスプレイ分野では比較的新しい。従来、ユーザーの接触を検知できるように埋設されたラインの層がパターン化されて配置されていて、接触された点の座標を示す信号を得るべく繰り返し監視される。初期のシステムは、単一の接触を検知すべく設計されていた。しかし、複数の同時接触を正確に検知できるタッチスクリーン技術の開発に新たに力点が置かれている。複数の指による接触を扱う現行技術では、行及び列に配置された導体を帯電および放電させ、接触がなされた際の電荷の変化を測定することにより検出する。
タッチスクリーン技術としては、例えばタッチパネルの平面内の別々の位置で同時に生じる複数の接触あるいは接触に近い状態を検知するために、駆動ラインと感知ラインを備えた静電結合方式のマルチポイント・タッチスクリーンが提案されている(特許文献1参照)。
特表2007−533044号公報
タッチスクリーンを操作するユーザーによる実在する/真正の接触位置と、実在しない/誤認された接触位置(例:実際のユーザーの接触に対応していない検知信号)を区別するための十分な解決策を従来技術は与えない。更に、非実在/誤認接触位置と、実在/真正接触位置を実際に区別しようと試みた従来技術の解決策は多くの場合、そのような問題への対処にかなり大規模なハードウェア装置を必要とする。明らかに、タッチスクリーンおよびタッチスクリーンシステムの設計を考慮する際にコスト、複雑度、サイズ等を削減する努力が求められる。従来技術はこれら多くの問題に対して、十分且つ費用対効果のある解決策を与えることができない。
上記課題を解決するため、本発明の指示体位置検出装置は、第1の方向に配置された複数の第1の導体と、この第1の方向とは異なる第2の方向に配置された複数の第2の導体から構成される導体パターンと、第1の方向に配置された複数の第1の導体のそれぞれの導体に生起する信号を検知することで導体パターン上にて指示体が指示する位置に対応した第1の方向に配置された導体を特定する第1の信号検知回路と、第2の方向に配置された前記複数の第2の導体のそれぞれの導体に生起する信号を検知することで導体パターン上にて指示体が指示する位置に対応した第2の方向に配置された導体を特定する第2の信号検知回路を備えている。
更に、本発明の指示体位置検出装置は、第1の信号検知回路によって特定された第1の方向に配置された第1の導体に信号を供給するとともに、第2の信号検知回路によって特定された第2の方向に配置された第2の導体に生起する応答信号が第2の信号検知回路によって検知された結果に基づいて、第1の信号検知回路によって特定された第1の方向に配置された導体と第2の信号検知回路によって特定された第2の方向に配置された導体とによって形成される交差点に指示体の指示位置が存在するか否かを識別するための応答信号処理回路とを備えていることで、指示体による導体パターン上での多点指示位置を検出可能としている。
また、本発明の指示体位置検出方法は、第1の方向に配置された複数の第1の導体のそれぞれの導体に生起する信号を検知することで導体パターン上にて指示体が指示する位置に対応した第1の方向に配置された導体を特定する第1の信号検知ステップと、第2の方向に配置された複数の第2の導体のそれぞれの導体に生起する信号を検知することで導体パターン上にて指示体が指示する位置に対応した第2の方向に配置された導体を特定する第2の信号検知ステップを含む。
そして、第1の信号検知ステップによって特定された第1の方向に配置された第1の導体に信号を供給するとともに、第2の信号検知ステップによって特定された第2の方向に配置された第2の導体に生起する応答信号が第2の信号検知ステップによって検知された結果に基づいて、第1の信号検知ステップによって特定された第1の方向に配置された導体と第2の信号検知ステップによって特定された第2の方向に配置された導体とによって形成される交差点に指示体の指示位置が存在するか否かを識別するための応答信号処理ステップとを含むことで、指示体による導体パターン上での多点指示位置を検出可能とする。
本発明は、以下の図面の簡単な説明、発明の詳細な説明、および特許請求の範囲に詳述する装置および動作方法により明確に説明される。本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照する以下の発明の詳細な説明から明らかになろう。
本発明の指示体位置検出装置及び指示体の位置を検出する方法によれば、タッチスクリーンを操作するユーザーによる実在する/真正の接触位置と、実在しない/誤認された接触位置を区別するための十分な解決策を与えることができる。また、本発明によれば、大規模なハードウェア装置を必要としないので、タッチスクリーンおよびタッチスクリーンシステムの設計を行う際にシステムの複雑度を減らして、コスト削減に貢献することができる。
(a)は携帯媒体機器の実施形態を示す図、(b)はコンピュータの実施形態を示す図、(c)は無線通信機器の実施形態を示す図、(d)は携帯情報端末(PDA)の実施形態を示す図、(e)はラップトップコンピュータの実施形態を示す図、(f)はパームレスト上の一体化されたタッチスクリーン(例:タブレット)を有するラップトップコンピュータの実施形態を示す図、(g)は電子タブレットの実施形態を示す図である。 タッチスクリーンに対するユーザーの操作を検知すべくゾーン検知が実行されるタッチスクリーンの実施形態を示す図である。 (a)はタッチスクリーン内の導電パターンの配置の実施形態を示す図、(b)はタッチスクリーン内の導電パターンの配置の別の実施形態を示す図である。 導体と、同一導電パターンの隣接導体からの付随する信号応答の対の実施形態を示す図である。 導体と、同一導電パターンの隣接導体からの付随する信号応答の対の別の実施形態を示す図である。 信号検知回路の実施形態を示す図である。 補間された軸位置を特定する方法の実施形態を示す図である。 (a)は本発明の一実施形態によるタッチスクリーンへの接触を検知する信号発生および検知回路の機能ブロック図、(b)は本発明の一実施形態によるタッチスクリーンへの接触を検知する信号発生および検知回路の動作を示す信号図、(c)は本発明の一実施形態によるタッチスクリーンへの接触を検知する信号発生および検知回路の動作を示す信号図である。 複数の信号発生/検知回路を含む本発明の一実施形態によるタッチスクリーンへの接触を検知する信号発生回路の機能ブロック図である。 多点接触用のタッチスクリーンに対するユーザーの操作の位置を検出すべく接触検知用のゾーン走査が実行されるタッチスクリーンの実施形態を示す図である。 本発明の一実施形態に従い、多点接触の場合にタッチスクリーンに対するユーザーの操作の位置を検出すべくクロスポイント走査が実行されるタッチスクリーンの実施形態を示す図である。 本発明の一実施形態に従い、多点接触用の場合にタッチスクリーンに対するユーザーの操作の位置を検出すべくクロスポイント走査が実行されるタッチスクリーンの実施形態を示す図である。 本発明の一実施形態に従い、フィードバック信号が結合される第1導体を除く複数の導体の全ての導体を接地する接地回路の少なくとも一部の機能ブロック図である。 導体を信号発生/検知回路または接地電位に適宜選択/切替すべく代替的に利用できるスイッチング回路の機能ブロック図である。 (a)、(b)は、スイッチング回路の実施形態の例示的な図である。 本発明の一実施形態による動作を更に示す、行導体および列導体を有するシステムの機能図である。 本発明の一実施形態による動作を更に示す、行導体および列導体を有するシステムの機能図である。 クロスポイント走査を更に示す行導体および列導体を有するシステムの機能図である。 真正すなわち実在する接触位置、並びに誤認すなわち実在しない接触位置を含む、識別された接触位置の候補を示す機能図である。 ゾーン走査中に識別された、クロスポイント走査を実行できる多接触領域の候補を示す機能図である。 真正/実在、および非実在接触位置の各々に対する検知信号を示す機能図である。 (a)は、本発明の一実施形態に従い、多接触の場合に接触位置を識別する方法を示すフロー図、(b)は、タッチスクリーンの少なくとも1個の接触位置を検知する方法を示すフロー図である。 タッチスクリーンの少なくとも1個の接触位置を検知する方法を示すフロー図である。
何らかの形式のマンマシンインターフェース(MMI)を含む装置が様々な局面で用いられる。ユーザーが装置に情報を提供して、装置から情報を取り出すことを可能にする様々な種類のMMI(例:コンピュータ等の装置のキーボード、セルフサービスの給油設備、空港でのセルフサービスチェックイン端末等、任意の個数の装置における対話型パネル/タッチスクリーン)がある。タッチスクリーンを用いて実装された若干のMMIが普及しており、ユーザーが指あるいは他の何らかの機器(例:タッチスクリーン上の位置をユーザーが選択するためのスタイラスその他の手段)を用いてタッチスクリーンを操作する。広範な種類の装置はいずれも、少なくとも一部がタッチスクリーンにより実装されているMMIを含んでいてよい。
そのようなタッチスクリーンにおいて、多数の導体から成る導電パターンがタッチスクリーンの少なくとも1つの層に実装されている。導電パターンは、ポリエステルその他何らかの適当な材料からなる基板上に積層するようにインジウム酸化スズ(ITO)を用いて実装できる。また、インジウム酸化スズ(ITO)を用いる場合には、透明基板上に実装することで透明スクリーンを形成してもよい。
一実施形態において、複数の第1導体がタッチスクリーンにおける第1の方向に整列配置され、複数の第2導体がタッチスクリーンにおける第2の方向に整列配置されている。第1および第2導体は、互いに交差する関係を備えて実装することも、あるいは他の何らかの(例:互いに交差しない)配列も使用できる。これらの第1および第2導体は、互いに直接電気的に結合しないように、例えばエアギャップ、SiO等の材料からなるものを含む任意の種類の誘電体層、ポリマー基板、接合材等を用いて、配置または配列することができる。これらは同一の平面または層に配置されていても、あるいはそれぞれが異なる平面または層に配置されていてもよい。
タッチスクリーンに対するユーザーの操作の位置を特定すべく、導電パターンの第1または第2導体のうちの所定の導体、例えば1つの導体に信号が供給される。タッチスクリーンに対するユーザーの操作位置の特定に役立てるべく同一信号、すなわち信号が供給された導体からの受信信号を監視しても、あるいは、ユーザーの操作位置の特定に役立てるべく導電パターンを構成する別の導体から受信した信号を用いてもよい。いくつかの実施形態において、これら2通りの検知方法の組合せを用いてもよい。
いくつかの実施形態において、第1導体は第1の方向に整列配置され、タッチスクリーンの第1層(例:上位および/または最上位層)に配置されており、第2導体は第2の方向に整列配置され、タッチスクリーンの第2層(例:下位および/または最下位層)に配置されている。このような実施形態において、第1導体間の各々の間隔は、第2導体間の各々の間隔より広くてもよい。これは、第1導体を互いに離して整列配置することにより実現できる。これはまた、第1導体の少なくとも1つの導体の内部に穴または空間を備えて、電圧供給された信号を第1導体の少なくとも1つの導体と第2導体の少なくとも1つの導体との交差箇所で静電容量を介して第1導体への結合を許すことにより実現できる。
また、第2導体のうち1つの導体が通電または帯電されるとき、第2導体の他の導体を接地することで第2導体が第1導体に悪影響を及ぼさないようにできる。従って、多数のソース(例:システム、LCDバックライト、タッチスクリーン下側および/または裏面におけるノイズ源等)のいずれから発生するノイズを抑制する効果的な電磁干渉(EMI)シールドとして機能させることができる。導電パターンのこの効果的な固体裏面層(例:第2導体)は、効果的にタッチスクリーンの下側または裏面で生じたノイズから上位の層または層群を保護する。
第2または最下位層あるいは平面上の複数の第2導体により形成されたEMIシールドはまた、タッチスクリーンの基板の撓み(例:タッチスクリーンに対するユーザーの操作等、何らかの負荷によりタッチスクリーンが若干曲げられたような場合)に起因して容量結合の変化があればこれを除去すべく動作させることができる。そのような影響の除去および/または減少により、タッチスクリーン内で各種の基板を用いることができる。一例として、特にタッチスクリーン内で非剛性材料を用いることができる。公知のように、多くのタッチスクリーン内で剛性が必要とされるために特定のアプリケーションではタッチスクリーンの実装が行なえない。
図1(a)に携帯機器101の実施形態を示す。携帯媒体機器101は、様々な保存機能、すなわちMPEG音声層3(MP3)ファイルまたはWindows(登録商標)媒体アーキテクチャ(WMA)ファイル等の音声コンテンツ、ユーザー向けに再生するためのMPEG4ファイル等の映像コンテンツ、および/またはデジタル・フォーマットで保存可能な他の任意の種類の情報の保存機能を提供する。歴史的に、そのような携帯媒体機器101は、主に音声媒体の保存および再生に用いられてきた。しかし、そのような携帯媒体機器101は、事実上あらゆる媒体(例:音声媒体、映像媒体、写真媒体等)の保存および再生に使用できる。更に、そのような携帯媒体機器101はまた、有線および無線通信用に一体化された通信回路等、他の機能を含んでいてよい。
ユーザーが携帯媒体機器101のタッチスクリーンを介して命令を与えたり、特定の機能を選択したりすることができるように、携帯媒体機器101は少なくとも1個のタッチスクリーンを含んでいる。ユーザーの指または他の身体部分によりタッチスクリーン上において特定の選択等の操作を行なうことができる。あるいは、携帯媒体機器101は、ユーザーが携帯媒体機器101のタッチスクリーンを介して命令を与えたり、特定の機能を選択するために使用できる、何らかのユーザー提供機器(例:スタイラス等の機器)を含んでいてよい。
図1(b)にコンピュータ102の実施形態を示す。コンピュータ102は、デスクトップコンピュータ、または冗長配列(RAID)アレイで構成されたディスク、ストレージルータ、エッジルータ、ストレージスイッチ、および/またはストレージディレクタ等のストレージアレイに取り付けられたホストコンピュータで構成されたサーバのような業務用記憶装置であってよい。
コンピュータ102が備える実際のモニタは、タッチスクリーン機能を有していてよい(またはモニタの一部だけがタッチスクリーン機能を有していてもよい)。あるいは、コンピュータ102の周辺装置(例:キーボードその他の周辺装置)が自身にタッチスクリーンを備えていてもよい。ユーザーは、コンピュータ102のタッチスクリーンを介して命令を与えたり、特定の機能を選択することができる。ユーザーの指(または他の身体部分)、またはコンピュータ102のタッチスクリーンを介してユーザーが命令を与えたり、特定の機能を選択すべく使用可能なユーザー提供機器(例:スタイラスその他の機器)によりタッチスクリーンの表示領域に接触することにより、タッチスクリーン上で特定の選択を行なうことができる。本明細書において、ユーザーがタッチスクリーンに接触することに対する全ての言及は、タッチスクリーンに接触する全ての方法を含んでいる。
図1(c)に無線通信機器103の実施形態を示す。無線通信機器103は、セルラー、個人通信サービス(PCS)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、移動通信用グローバルシステム(GSM)、および統合デジタル拡張ネットワーク(iDEN)等の無線ネットワークまたは無線通信の送受信が可能な他の無線通信ネットワークを介して通信することができる。更に、無線通信機器103は、電子メールへのアクセス、コンテンツのダウンロード、ウェブサイトへのアクセス、ストリーミング音声および/または映像プログラミングを提供すべくインターネットを介して通信できる。このように、無線通信機器103は、通話、電子メール等のテキストメッセージ、ショートメッセージサービス(SMS)、ページおよび文書、音声ファイル、映像ファイル、画像、および他のグラフィックス等の添付情報を含み得る他のデータメッセージを送受信することができる。
無線通信機器103は、通信装置103のユーザーが通信装置103に命令を与えて、特定の機能を選択できるようにするタッチスクリーンを含んでいる。ユーザーは、タッチスクリーンに接触することにより通信装置103のタッチスクリーンを操作して、通信装置103のタッチスクリーンを介して命令を与えたり、および/または特定の機能を選択することができる。例えば、ユーザーが特定の位置でタッチスクリーンに接触して選択を指示する、あるいはユーザーが特定の方法でタッチスクリーンに接触して(例:タッチスクリーンを2回素早く叩く)、特定の命令を指示することができる。
図1(d)に携帯情報端末(PDA)104の実施形態を示す。PDA104は、PDA104のユーザーがPDA104に命令を与えて、特定の機能を選択できるようにするタッチスクリーンを含んでいる。ユーザーは、タッチスクリーンに接触することによりPDA104のタッチスクリーンを操作して、PDA104のタッチスクリーンを介して命令を与えたり、および/または特定の機能を選択する等の操作を行うことができる。例えば、ユーザーが特定の位置でタッチスクリーンに接触して選択を指示する、あるいはユーザーが特定の方法でタッチスクリーンに接触することにより特定の命令を指示することができる。
図1(e)にラップトップコンピュータ105の実施形態を示す。ラップトップコンピュータ105が備える実際のモニタは、タッチスクリーン機能を有していてよい(またはモニタの一部だけがタッチスクリーン機能を有していてよい)。あるいは、ラップトップコンピュータ105の周辺装置(例:外部キーボードその他の周辺装置)が自身にタッチスクリーンを備えていてもよい。ユーザーは、ラップトップコンピュータ105のタッチスクリーンを介して命令を与えて、特定の機能を選択することができる。ユーザーは、タッチスクリーンに接触することによりラップトップコンピュータ105のタッチスクリーンを操作して、ラップトップコンピュータ105のタッチスクリーンを介して命令を与えたり、および/または特定の機能を選択する等の操作を行うことができる。例えば、ユーザーが特定の位置でタッチスクリーンに接触して選択を指示する、あるいはユーザーが特定の方法でタッチスクリーンに接触することにより特定の命令を指示することができる。
図1(f)に、パームレスト上に一体化されたタッチスクリーン(例:タブレット)を有するラップトップコンピュータ106の実施形態を示す。ユーザーは、ラップトップコンピュータ106の一体化されたタッチスクリーン(例:タブレット)を介して命令を与えて、特定の機能を選択することができる。ユーザーは、タッチスクリーンに接触することによりラップトップコンピュータ106のタッチスクリーンを操作して、ラップトップコンピュータ106のタッチスクリーンを介して命令を与えたり、および/または特定の機能を選択する等の操作を行うことができる。例えば、ユーザーが特定の位置でタッチスクリーンに接触して選択を指示する、あるいはユーザーが特定の方法でタッチスクリーンに接触することによりラップトップコンピュータ106の一体化されたタッチスクリーン(例:タブレット)を介して特定の命令を指示することができる。
図1(g)に電子タブレット107の実施形態を示す。電子タブレット107は、ユーザーが電子タブレット107に命令を与えて、特定の機能を選択すべく用いるスタイラスを含んでいる。電子タブレット107はまた、電子タブレット107がコンピュータまたはラップトップコンピュータのように動作できるようにする、一体化されたコンピューティング、データ保存等を支援する機能を含んでいてよい。しかし、電子タブレット107は一体化されたキーボードを含んでいない。但し、電子タブレット107に仮想キーボードを表示でき、且つユーザーが用いるスタイラスによりそのボタンを選択できることに注意されたい。無論、そのような電子タブレットの別の実施形態はスタイラスを含んでおらず、ユーザーの接触によりそのような電子タブレット上で特定の選択を行なえることに注意されたい。
以上からわかるように、各種の装置でタッチスクリーンを用いることにより、マンマシンインターフェース(MMI)の少なくとも一部を実現することができる。そのようなタッチスクリーンに対するユーザーの操作を検知できる各種の手段がある。
図2に、タッチスクリーンに対するユーザーの操作を検知すべくゾーン検知が実行されるタッチスクリーン201を備えた指示体位置検出装置の実施形態を示す。図2はタッチスクリーンに対する指示体の位置、例えばユーザーの操作の位置(接触点)、を検出すべくゾーン走査または検知が実行されるタッチスクリーンの一般的な実施形態を示す。いくつかの実施形態において、タッチスクリーン機能が有効となる表面領域はタッチスクリーン自体より僅かに小さい部分である。例えば、タッチスクリーンの有効な表面領域の境界または周辺部を用いてよい。
タッチスクリーンの1以上の層に導電パターン(例:ポリエステルその他の材料からなる基板にインジウム錫酸化物(ITO))から成る、行および列を形成する多数の導体を積層し、タッチスクリーン全体を透明スクリーンとすることができる。いくつかの実施形態において、導電パターンの第1部分(例えば列)が第1層に配置され、導電パターンの第2部分(例えば行)が第2層に配置されていて、第1および第2の層は、いくつかの実施形態において誘電材料により分離されていてよい。あるいは、行および列方向に並んでいる導体は、同一層に配置されていて、トレース、ビア、ボンドワイヤを含む結合要素の公知の技術を用いて、導電パターンの第1部分(例えば列)が導電パターンの第2部分(例えば行)と直接接触しないことを保証できる。上記および他の実施形態が本質的に互いに交差する行および列を記載するのに対し、複数の第1導体が第1の方向に整列配置され、且つ複数の第2導体が第1の方向とは異なる第2の方向に整列配置される他の実施形態もあってよく、第1および第2の方向の向きには特段の要件が無い。換言すれば、導体は必ずしも互いに交差している必要がない(但し参照している一実施形態では交差している)。更に、上記の実施形態ではそのような向きが示されているが、導体が垂直および水平軸方向を向いている必要はない。
上述のように、いくつかの実施形態において、タッチスクリーンの有効な表面領域20laはタッチスクリーン201の僅かに小さい部分とされる。
この実施形態は、特定の行の導体へ信号を供給し、且つその特定行の導体に供給された信号の変化を検知するために用いられる信号発生/検知回路210を含んでいる。信号発生/検知回路210は信号選択回路(MUX)212と協調動作して信号を供給し、タッチスクリーンの導電パターンの各々の行(N本)および列(M本)に供給された信号を検知する。信号選択回路(MUX)212による導体選択を行うために、行/列選択信号が(a)が供給される。
ユーザーがタッチスクリーンを操作した際に、ユーザーの操作位置に対応して静電容量が増大するなどの変化が生じる。この静電容量の増大により、ユーザーの操作位置においてインピーダンス経路の減少がもたらされ、特定の行または列に与えられている信号に変化が生じる。タッチスクリーンの導電パターンの各行および列に信号を供給し、これら順次供給された信号に変化があればこの変化を検知することにより、タッチスクリーンに対するユーザーの操作の位置を特定することができる。
従って、特定の行の導体に与えられる信号の変化を検知し、且つ特定の列の導体に与えられる信号の変化を検知することにより、識別された行および列の交差によりタッチスクリーンに対するユーザーの操作の位置を計算して推測することができる。
上述のゾーン検知方法(および本明細書の他の箇所で記載するクロスポイント検知)を実行する際に信号を連続して供給する必要はない。例えば、信号は必ずしも1行目、2行目、次いで3行目・・・の順に順次供給される必要はない。代わりに、信号は、1行目、8行目、次いで2行目・・・の順にランダムに供給されてもよい。別の実施形態では、最初に信号をN行目毎に(Nは整数)に供給し、次いで信号を1行目とN−1行目の間の全ての行に供給して、次いでN+1行目から2N−1行目に供給してもよい。後述の実施形態のクロスポイント検知またはゾーン検知方法のいずれかに応じて、広範な走査技術を実施することができる。
図3に、本発明の導電パターンおよび実施形態と合わせて利用できる走査方法を例示する。一般に、タッチスクリーンの各種の導体の形状、幅、その他は、本発明の範囲および概念から逸脱することなく任意の所望の形状、幅、その他であってよい。
図3(a)に、タッチスクリーンにおける導電パターン配置の実施形態を示す。図3(a)からわかるように、第1導体の最上位層(a)(例:タッチスクリーンの最上位層として配置されている)は、タッチスクリーンを操作する際に指示体(ユーザーの指)が接触することできる側とされる。更に図3(a)からわかるように、誘電体層(b)が導体の第1および第2の層(c)(各々複数の第1および第2導体)を分離する。誘電体層(b)は、空気、Si0を含む半導体材料、ポリマー基板材料、接合材料等を含むがこれらに限定されない任意の公知の誘電体を用いることができる。
図3(b)に、タッチスクリーン内の導電パターンの配置の別の実施形態を示す。具体的には、指示体(ユーザーの指)が導体の最上位層に直接接触しないように、追加のタッチスクリーン表面層(d)(例:ポリマー層、保護層、または別途)が導体の最上位層(a)の上に配置されている。本明細書に記載するように、第1および第2導体に対するユーザーの操作を許すタッチスクリーン表面を形成する任意の公知の材料を用いてよい。
従来技術によるシステムにおいて、タッチスクリーンで用いられる従来技術の導体パターンは往々にして、互いに接続される離散的なダイヤモンド形状の接触領域からなる。従来技術の導電パターンを有するタッチスクリーンの有効領域を横断するようにタッチスクリーンに対するユーザーの操作が直線的に移動した場合必然的に、そのようなユーザーの操作を検知すべく用いられる信号の信号応答に非線型性が生じる。この信号応答はなるべく滑らか且つ線型であることが理想的であるが、従来技術の導電パターンは単にそのような滑らか且つ線型な応答を提供することができない。その理由は、従来技術の導電パターンでは、導体間のピッチが大きいほど、接触点の下にある導体(パッド)の数が減少し、従ってユーザーの動きまたは位置識別に関する「階段ステップ」応答が生じるからである。これは更に、従来技術のタッチスクリーンで用いられる従来技術の離散的ダイヤモンド形状パターンに固有の有害な影響を及ぼす。タッチスクリーンにおけるそのようなユーザーの操作を検知すべく用いられる信号の出力のこの「階段ステップ」に関しては、従来技術の設計においては、ダイヤモンド形状の接触領域のサイズの関数となっている。ピッチの増大に対応すべく接触領域の面積を増やせば、行および列間のエネルギーの不均一性(例:タッチスクリーン表面の法線方向、またはxおよびy軸がタッチスクリーン表面とみなされる場合はz軸方向)が生じ、タッチスクリーンシステムに接触/非接触を判別するための閾値を設定することが困難になる。
本明細書に提案する新規のタッチスクリーン・アーキテクチャの実施形態およびその等価物は、ユーザーの操作がタッチスクリーンの表面を横断する場合にたとえ斜めの方向であっても、タッチスクリーンに対するユーザーの操作に対してより滑らか且つ線型な応答を提供するのに役立つ。一実施形態において、そのような新規のタッチスクリーンは、導体が隣接する導体内へ伸張または突出する細長く互いにメッシュ状の突起状パターンを用いることにより、これらの導体間における線型メッシュ化の影響を増大させる。
また、上位および/または最上位層(例:タッチスクリーンに対するユーザーの操作位置に最も近い層)の導体における穴または空間により、接触箇所下側のメッシュ化部分を増大させることができる。パターン形状としては、空間、突出および/または伸張など、所望の形状(例:ダイヤモンド形、三角形、円形等)にて形成できる。好適な一実施形態において、細長いダイヤモンド形状により、水平方向および垂直方向の間に良好な線型メッシュ化が生じる。必要ならば、対称形に設計することにより、ある導体から別の導体への伸張または突出部を設け、タッチスクリーンに対するユーザーの操作(例:ユーザーの指)が第1の方向に整列配置された第1導体から第2の方向に整列配置された第2導体へ移動するのに応じて接触箇所下側の線型領域を定めることができる。更に、突出部および/または伸張(例:導体の子要素とも呼ばれる)の箇所の数が増大するにつれて、これらの導体同士の結合、相互メッシュ化、およびインターレース化の度合いも増す。
図4の実施形態は、導電パターンに関し、ある導体による信号応答と、該導体に隣接する導体からの信号応答との関係を示す。図4は最下層において、隣接する第2導体のメッシュ状突起部を示す。本明細書においては最上位層において、隣接する第1導体間の相互作用にも同様に適用できる。各導体は外側に伸びる突起部を含んでおり、これらの突起部はインターレース化されており、隣接する導体の突起部とメッシュ状をなしている。従来技術のシステムでは、軸位置は接触された導体の軸に一致する。しかしここでは、外側に伸びる突起部は先細り状であって、導体の軸心から伸びるにつれて次第に小さくなるため、タッチスクリーンに対するユーザーの操作(例:接触点)に応じてメッシュ状をなす突起部との接触度合いが異なる。図4においては、接触点は、導体404aの突起部の接触領域が導体404bの突起部の接触領域よりも相当大きいことを示している。従って、導体404aの信号応答408aは、導体404bの信号応答408bよりも相当大きい。図4に示すように、信号応答408aと信号応答408bとを比較することで、補間された軸位置(a)を求めることができる。
図5の実施形態は、導電パターンに関し、ある導体による信号応答と、該導体に隣接する導体からの信号応答との関係についての他の例を示す。図5からわかるように、この例では接触点は、導体504aの突起部の接触領域が導体504bの突起部の接触領域とほぼ等しい。従って、導体504aの信号応答は508aは、導体504bの信号応答508bとほぼ等しい。図5に示すように、信号応答508aと信号応答508bと比較することで、補間された軸位置(a)を求めることができる。補間された軸位置(a)は、導体504aおよび504bの間での中間位置である。
図4で示す実施形態、および図5で示す実施形態では、隣接する導体の突起部との間でメッシュ状をなす突起部を有する導体を用いているが、タッチスクリーンの各種の導体の形状、幅、その他が任意の所望の形状、幅、その他を有していても本発明の各種の態様に従い動作することに注意されたい。一般に、タッチスクリーンのための各種の導体の形状、幅、その他はまた、単純且つ直線的(例:図16、図17、および図18参照)でありながら、タッチスクリーンシステム全体に本明細書に示す本発明の各種の態様を適用することができる。
図6に、信号検知回路610aの実施形態を示す。この実施形態において、信号検知回路610aは、本明細書に記載するどの実施形態(例:図8(a)、図9参照)を用いても実装可能である。一般に、実施形態の信号検知回路610aは、信号比較回路610、位置補間回路620、および軸位置に関する応答信号差のマッピングを含むマッピング・テーブル630を含んでいる。軸位置は、補間された軸位置である。一般に、信号比較回路610は、信号応答(例:図4、5に示すような)を比較して差異を判定する。例えば、差異をある導体の他の導体に対する信号応答の百分率で表わすことができる。差異はまた、絶対測定値(例:ボルトまたはアンペア)で表わすことができる。
信号比較回路610の判定に基づいて、位置補間回路620は、接触の補間された軸位置を特定すべく動作可能である。これは、位置を計算するコンピュータに実装可能な方法により、あるいはマッピング・テーブル630と通信することにより、信号応答において検知された差異のマッピングされた結果を得ることにより行なわれる。一実施形態において、マッピング・テーブル630は、各々の補間された位置値に対して差異の範囲を指定する。従って、例えば、200個の補間された位置(b)がある場合、各々の位置は差異値の1%の1/2の範囲を定めることができる。差異の範囲は、装置または信号特徴の数値で、または相対差異(a)(例:図に示す百分率)で指定してもよい。
図7に、補間された軸位置を特定する方法の実施形態を示す。本方法は、ブロック710に示すように第1導体から第1の信号または信号応答を受信し、ブロック720に示すように第2導体から第2の信号または信号応答を受信することにより動作する。その後で、本方法はブロック730で第1および第2の信号を比較し、ブロック740で第1および第2導体に対するユーザーの相対的な操作を識別して補間された軸位置を特定するステップを含んでいる。そのような処理は、例えば図6に示唆する方法であってよく、検知された差異をマッピング・テーブルに関して評価することにより補間された位置が決定される。あるいは、補間された位置を計算することができ、例えば、相対的な位置を特定するために信号におけるサイズの差異をアルゴリズムへの入力として用いることができる。
図8(a)は、本発明の一実施形態に従いタッチスクリーンへの接触を検知する信号発生および検知回路の機能ブロック図である。回路800aは、入力信号に基づいて出力信号およびフィードバック信号を生成する差動差動増幅回路804を含んでいる。フィードバック信号は、接触を検知するゾーンまたはクロスポイント走査のいずれかを行なうべく、複数の第1導体の1個の第1導体に、または複数の第2導体の1個の第2導体に結合されていてよい。図からわかるように、差動差動増幅回路804は、信号発生回路808から入力信号Vsignalを受信すべく結合される。より具体的には、入力信号Vsignalは差動差動増幅回路804の正入力で受信される。更に、任意の所望の大きさの値を有するコンデンサCと抵抗Rの並列的な組合せが、差動増幅回路804の出力と差動増幅回路804の負入力との間に結合されている。従って、フィードバック信号が差動増幅回路804の出力から負入力に結合される。差動増幅回路804の出力はまた、差動増幅回路812の正入力に結合されている。また、差動増幅回路812の出力信号(c)は図9における信号選択回路928に供給される。
また、図からわかるように、フィードバック信号はまた、第1または第2の方向(例:列導体または行導体)に整列配置された導体の1個に外からタッチスクリーン用のタッチスクリーン入力信号として与えられる。より具体的には、フィードバック信号は信号選択回路(マルチプレクサー:MUX)816を介して選択された導体(例:行または列導体)へ与えられる。ここに、信号選択回路(マルチプレクサー:MUX)816はN:2MUXである(「N」はMUXが結合されている、第1の方向(例えば行)または列における導体の数を表わす。
N:2MUX816は、フィードバック信号をタッチスクリーンの選択された導体(a)を介して結合することにより動作し、タッチスクリーンの選択されなかった導体の全てを接地電位に結合する(b)。換言すれば、一実施形態において、N:2MUX816に結合された各々の導体は、任意の所与の時点で接地電位またはフィードバック信号に結合されていて、任意の所与の時点(その間他の全ての導体が接地電位に結合されている)で導体の1個だけがフィードバック信号に結合されている点に再び注意されたい。必要ならば、2個以上の導体もまた、所与の時点(その間他の/残りの導体の全てが接地電位に結合されている)でフィードバック信号に結合されて、導電材料のより広い表面領域(例:隣接しているか否かに関わらず実質的に「1個の」導体として動作する2個以上の導体)を実現することができる。この原理はまた、一度に1個の導体からしか信号を検知できないことに対し、(合せて「1個」の導体として有効に動作する)2個以上の導体からの信号検知に拡張可能である。
従って、ユーザーがタッチスクリーン、より具体的には、フィードバック信号が与えられている導体が配置されたタッチスクリーンの箇所に接触している場合、ユーザーが操作している導体の静電容量の変化に起因してフィードバック信号の信号特徴の変化が生じる。静電容量の変化は従って、タッチスクリーン入力信号の信号特徴(例:信号電流、電圧、周波数特徴その他の特性)を変化させる。従って、差動増幅回路804からは、ユーザーがタッチしている導体の静電容量の変化に起因して出力される信号IRtouch(例:差動増幅回路804の出力)と元の入力信号Vsignalが合計された信号が出力される。
信号発生回路808は、動作モードに基づいている制御コマンドに従い複数の入力信号タイプのうち1つを生成すべく動作可能である。一実施形態において、信号発生回路808は、直流(DC)電圧(例:DCオフセット)を有する交流電流(AC)信号を生成するか、またはそれにより発生する信号はDCオフセット成分を有していなくてもよい。あるいは、信号発生回路808は、定常DC電圧信号であると見なせるヌル信号を生成する。一動作モードにおいて、信号発生回路808は、接触を検知すべくゾーン走査ステップを実行する際に使用するAC信号を生成する。別の動作モードにおいて、信号発生回路808は、異なる導体のグループ(例:タッチスクリーンの液晶ディスプレイ素子に最も近い最下層に配置された列導体)の導体に与えられる信号を受信すべく接触のクロスポイント検知を支援するためのヌル信号を生成する。
一般に、信号発生回路808(または、本明細書に記載するような他の任意の信号発生回路または信号発生回路/検知器)により生成された信号は、振幅、周波数、形状、および/または所与の実施形態に望まれる他の任意のパラメータの形式で任意の所望の特徴を有していてよいことに注意されたい。ある実施形態は、正弦波形信号を使用し、他のものは矩形または正方形の信号等を使用することができる。明らかに、信号発生回路808の異なるインスタンス化(または、本明細書に記載するような他の任意の信号発生回路または信号発生回路/検知器)は、本発明の範囲および概念から逸脱することなく異なる特徴を有する信号を用いてもよい。
動作時において、ユーザーの接触により、接触されている導体の総静電容量が増える(これによりインピーダンスが減る)ため、タッチスクリーン入力信号の電流が増える。電流はフィードバック抵抗(R)を通って引かれて電圧低下を引き起こす。差動増幅回路804は、差動増幅回路804の正および負の入力を一定に保つべく大きさが増した信号を生成する。従って、差動増幅回路804の出力信号は、IRtouchとして特徴付けられる接触から生じた成分を含んでいる。
タッチスクリーンへの接触を検知する信号発生回路はまた、信号発生回路808により与えられた入力信号と第1の差動増幅回路804の出力信号との差異に基づいて応答信号を生じる第2の差動増幅回路812を含んでいて、応答信号はタッチスクリーンに対するユーザーの操作に対応する。より具体的には、差動増幅回路812は信号IRtouchを生成する。図からわかるように、第2の差動増幅回路812は、信号発生回路808により与えられる入力信号Vsignalと共に第1の差動増幅回路804の出力を受信すべく結合される。信号発生回路808により与えられる入力信号Vsignalは第2の差動増幅回路812の負入力で受信され、一方、第1の差動増幅回路804の出力は第2の差動増幅回路812の正入力で受信される。第2の差動増幅回路812の出力は従って、入力信号Vsignalと共にIRtouchを含む第1の差動増幅回路804の出力から入力信号が相殺(減算)されたため、成分IRtouchに等しい。
図8(b)は、本発明の一実施形態によるタッチスクリーンへの接触を検知する信号発生および検知回路の動作を示す信号図800bである。より具体的には、(図8(a)における)第1の差動増幅回路804の出力を表わす第1の信号がIRtouchとVsignalの和である。入力信号Vsignalもまた示している。従って、2個の信号の差は信号IRtouchである。一般に、導体の静電容量を変えるタッチスクリーンへのユーザーの接触が無ければ、(図8(a)における)第1の差動増幅回路804の出力は単にVsignalである。しかし、接触の結果生じる静電容量の増大によりタッチスクリーン入力信号の大きさが増し、従って成分IRtouchが生じる。
図8(c)は、本発明の一実施形態によるタッチスクリーンへの接触を検知する信号発生および検知回路の動作を示す信号図800cである。この実施形態は先の図に多少類似していて、信号IRtouchおよびVsignalが入力信号Vsignalと比較して若干の位相シフトをも含む点が少なくとも一つの違いである。換言すれば、信号IRtouchおよびVsignalの振幅が入力信号Vsignalと比較して若干の振幅の差異があるだけでなく、入力信号Vsignalに比べて若干の位相シフトをもたらす場合がある。IRtouchおよびVsignalの振幅と位相のいずれか一方または両方を用いてタッチスクリーンに対するユーザーの操作を識別することができる。
図9は、本発明の指示体位置検出装置に関し、複数の信号発生/検知回路を含む、本発明の一実施形態によるタッチスクリーンへの接触を検知する信号発生回路の機能ブロック図である。より具体的には、図9の回路900は、回路800a、並びに回路800aと同様の回路902を含んでいる。より具体的には、回路902は、少なくとも1個の追加の入力信号に基づいて、少なくとも1個の追加の出力信号および少なくとも1個の追加のフィードバック信号を生成する第3の差動増幅回路904を含んでいて、この少なくとも1個の追加のフィードバック信号が複数の第2導体の1個の第1導体に結合されている。回路800aと同様に、第3の差動増幅回路904は、信号発生回路(ここでは信号発生回路908)並びにフィードバック信号導体により、(任意の特定の設計選択値の)RとCの並列な組合せを介して与えられた入力信号を受信すべく結合されている2個の入力を含んでいる。上述の実施形態における入力信号は、図8(a)の信号発生回路808により与えられた信号と同様である。図9に示すように、回路800aおよび902の両方を用いるシステムにおいて、ゾーン走査およびクロスポイント走査機能を適用可能であって、ユーザー仕様に応じて実行することができる。
また、第3の差動増幅回路904のフィードバック信号は、複数の第2導体(複数の第1導体とは対照的に)の1個の導体にタッチスクリーン入力信号として与えられる。回路902は更に、少なくとも1個の追加の入力信号と少なくとも1個の追加の出力信号との少なくとも1個の追加の差異に基づいて、少なくとも1個の追加の応答信号を生成する第4の差動増幅回路912を含んでいて、この少なくとも1個の追加の応答信号もまたタッチスクリーンに対するユーザーの操作に対応している。従って回路902もまた、複数の第2導体の1個の導体が接触されていることを検知すべく用いられてよい。また、タッチスクリーンへの接触を検知すべく回路804または904のうち1個だけを用いているが、2個のそのような回路、すなわち804および904を有するゾーン走査技術を用いることにより、クロスポイント走査または検知を実行することも可能になり、ユーザーがタッチスクリーンの複数の位置に同時に接触している多点接触の検知に役立つ。ゾーン走査およびクロスポイント走査の両方を用いる場合の更なる説明を、図9に続く図についての検討に関して以下に記載する。
更に図からわかるように、差動増幅回路804のフィードバック信号を複数の第1導体の選択された導体に与えるべく信号選択回路(マルチプレクサー:MUX)916が結合されている一方、差動増幅回路904のフィードバック信号を複数の第2導体の選択された導体に与えるべく第2の信号選択回路(MUX920が結合されている。具体的には、複数の第1導体が導体の行を含んでいる一方、複数の第2導体が導体の列を含んでいる場合、信号選択回路(マルチプレクサー:MUX)916および920の各々は、論理またはプロセッサにより与えられた対応する行または列選択信号918または922を受信する。従って、タッチスクリーンの行導体および列導体の各々回路800aおよび回路902への結合を制御すべくクロスポイント検知を用いることができる。あるいは、回路800aまたは902もまた、上述のように単にタッチスクリーン入力信号の信号特徴を評価するだけでゾーン検知に用いることができる。
上述の実施形態において、回路900は更に、タッチスクリーンに対するユーザーの操作の位置を識別すべく応答信号(例:回路800aの)および少なくとも1個の追加の応答信号(例:回路902の)を処理する応答信号処理回路924を含んでいる。一実施形態において、応答信号処理回路924は、行/列応答選択信号930に基づいて信号選択回路(マルチプレクサー:MUX)928により与えられて選択された応答信号を受信するエイリアスフィルタ932、ゲイン回路936、離散フーリエ変換(DFT)回路940、およびプロセッサ944を含んでいる。
また、2個以上の別々の信号応答処理回路が互いに並列/同時に動作可能である(例:各々が異なる周波数で動作、各々がタッチスクリーンの異なる部分/セグメント[象限等]にサービスすべく動作する、等)ように、複数の応答信号処理回路924を実行できることに注意されたい。
回路932〜940の各々は、選択された応答信号を処理して処理済み応答を生成し、プロセッサ944が、接触がなされたか否か、および接触位置または多点接触の場合は複数の接触位置を特定できるようにする。一般に、応答信号処理回路924は、本発明の範囲および概念から逸脱することなく、ゲイン調整、フィルタリング、各種の周波数時間変換(例:DFT)等を含む、信号に対する所望の数の操作のうち任意のものを実行することができる。
一実施形態において、同期信号が一方または両方の回路に供給される。その結果生じる波形は、固定アナログ回路または適応型デジタル−アナログ変換回路を介して位相および振幅をヌル化することができる。次いで信号がDFT機能を介して同期的に復調される。DFT機能は、長さとサンプル速度を変更してフィルタリングおよび応答時間を調整することができ、そのエンベロープ機能を変更して信号周波数を通すかまたは不必要なノイズ周波数を拒絶することができる。その結果生じるデータが位相、振幅、および大きさを与える。各種の方法を用いて様々な方向(例:行および列)の列を走査して、一回の指接触からタッチスクリーンシステムにおける全ての交差箇所の全体領域マップが得られる。
一般に、当分野で平均的な技術を有する者には理解されるように、これらのブロックは設計要件に従い規定されたデジタル処理ブロックを表わす。図から更にわかるように、応答信号処理回路924のプロセッサ944は、タッチスクリーン入力信号を受信すべく行方向の導体を選択する行選択信号918、タッチスクリーン入力信号を受信すべく列を選択する列選択信号922、および対応する行/列方向の導体から応答信号を選択する行/列応答選択信号930を生成する。
動作時において、回路900は、回路800aまたは902あるいはその両方を用いて、導体の近傍におけるタッチスクリーンへの接触を検知すべく「ゾーン」走査または検知の実行を支援する。本明細書で言うところの導体への「接触」とは、導体の容量値が変化する導体に近い位置でのタッチスクリーンへの接触を含むものと理解されたい。
ゾーン検知の利点は、潜在的に極めて少ない検知ステップ数により、接触を素早く検知できる点である。例えば、ゾーン検知技術により、20行および20列を有するタッチスクリーンへの1回の接触の場合、40個(20+20)以下の検知ステップで接触点を特定できる。検知ステップは、単に行または列導体の信号応答を評価して接触がなされたか否かを判定するだけである。しかし、クロスポイント検知方法を用いる場合、全ての行に対して全ての列を評価するため、接触点の特定に最大400個(20×20)の検知ステップを必要とする。
回路900はまた、クロスポイント検知にも対応している。従って、回路800aと902の一方が、選択された導体、例えば列導体に結合される信号を与える一方、回路800aおよび902の他方を用いて、関連付けられた導体の任意のものへの接触を検知することができる。従って、回路900を用いる実施形態の動作に従い、ゾーン検知を用いて多点接触(例:ユーザーが複数の指を用いてタッチスクリーンの複数の位置に同時に接触する)の接触位置の候補を検知し、次いでクロスポイント検知を用いて接触位置の候補を評価して実在する接触位置を(例:ゾーン検知技術を用いて生成された接触位置の候補のリスト内の誤認接触位置を除去すべく)特定することができる。従って、回路900はゾーンおよびクロスポイント検知技術の組合せを用いて、400個の接触位置の候補(例:20×20タッチスクリーンにおける)全てにクロスポイント検知技術を適用する必要なしに、多点接触における複数の接触位置の効率的な特定を支援する。そのような動作のより詳細な説明を以下の図に関して与える。
図10には、本発明の指示体位置検出装置に関し、多点接触の場合にタッチスクリーンに対する指示体(ユーザーの指)の操作位置を特定すべく接触検知用のゾーン走査が実行されるタッチスクリーン1004の実施形態を示す。信号発生/検知回路1006は、タッチスクリーン入力信号を生成して、行選択信号918または列選択信号922に基づいてタッチスクリーン入力信号を選択された行または列に結合する信号選択回路(マルチプレクサー:MUX)1008に与える。信号発生/検知回路1006は、例えば、図8(a)および図9に関して述べたように、回路800aまたは902のいずれか、あるいは両方を含んでいてよい。
動作時において、タッチスクリーン入力信号(例:図8(a)に関してフィードバック信号としても述べている)が複数の第1導体(例えば行)の各々に、次いで複数の第2導体(例えば列)に「ゾーン」検知スキームにより連続的に与えられる。1個の接触位置しか存在しない場合、接触位置を識別すべく信号の大きさまたは電流が増大されて第1導体のうち1個および第2導体のうち1個について先に述べたIRtouch成分を生成する。ここに、接触位置は、フィードバック信号にIRtouch成分(応答信号にも存在する)を有する2個の導体のクロスポイントである。
しかし、多接触における複数の接触位置の場合、複数の多接触位置の候補がゾーン検知を用いて識別され、接触位置の候補のいくつかが実在する接触位置であるのに対し、他のものは誤認接触位置である。図10における第1の接触点1016として示す2個の接触位置を示すために、ゾーン検知技術は、第1接触点1016および第1の誤認(すなわち非実在)点1020を含む4個の候補位置を識別する。同様に、第2の接触点1024の場合、第2接触点1024並びに第2誤認点1028が識別される。ゾーン走査はまた、誤認(すなわち非実在)点1020a、および誤認(すなわち非実在)点1028aを識別することに注意されたい。読者はまた、これらの追加の誤認(すなわち非実在)点1020aおよび1028aがゾーン走査に従いどのように生じるかに関する更なる詳細について図19および以下の付随する記載を参照されたい。
誤認点1020および1028が存在する理由は、ゾーン検知技術が各行または各列を識別単位として識別し、それにより接触位置の候補を識別するからである。例えば、行のそれぞれが順次的に識別された後で、列のそれぞれが順次的に識別される(またはその逆)ため、接触が検知された2行および2列のそれぞれの導体が識別された結果、4個の接触位置の候補が存在することが認識される。従って、第1接触点1016と識別される2個の接触位置に対して、図からわかるように、2行および2列のそれぞれの導体からの信号にはIRtouch成分が含まれる。従ってゾーン走査または検知を用いることで第1の接触点1016並びに第1の誤認点1020が識別される。ここで図10に第1接触点1016および第2接触点1024として示すように、多点接触の位置の4個の実在/真正接触位置に対してゾーン走査を用いた結果、接触位置の候補はまた第1および第2の誤認点1020および1028並びに誤認点1020aおよび1028aを含んでいるため16個の接触位置の候補が存在することになる。多接触検知の場合でもゾーン検知技術を用いる利点の一つは、最小の検知ステップ数で接触領域を素早く識別できる点である。例えば、これら16個の接触位置の候補は、20×20タッチスクリーン(例:20行の導体および20列の導体)の場合40個(20+20)以下の検知ステップで識別できる。対照的に、クロスポイント検知だけを用いたならば、4個の実在接触位置を識別するのに400個の検知ステップが必要となる。
本発明の実施形態は、全ての接触点の候補を走査するクロスポイント走査と同等の正確な結果を与える。しかし、これらの実施形態はゾーンおよびクロスポイント検知の組合せを用いて動作する。従って、ゾーン検知を用いて(この例では)16個の接触領域の候補を識別し、次いで接触領域に交差検知を用いて実在接触点を識別して接触位置の候補のリストから誤認点を除去する。
図11には、本発明の指示体位置検出装置の一実施形態に従い、多点接触の場合にタッチスクリーンに対する指示体(ユーザーの指)の操作位置を特定すべくクロスポイント走査が実行されるタッチスクリーン1104の実施形態を示す。信号発生/検知回路1106aは、信号選択回路(マルチプレクサー:MUX)1108aにタッチスクリーン入力信号を与え、信号選択回路(マルチプレクサー:MUX)1108aは当該タッチスクリーン入力信号を図9の行選択信号918に基づいて選択された行に与える。信号発生/検知回路1106aは、図8(a)および図9に関して述べたように、例えば、回路800aまたは902のいずれかを含んでいてよい。信号発生/検知回路1106bは、信号選択回路(マルチプレクサー:MUX)1108bにタッチスクリーン入力信号を与え、信号選択回路(マルチプレクサー:MUX)1108bは当該タッチスクリーン入力信号を列選択信号922に基づいて選択された列に与える。信号発生/検知回路1106bは、図8(a)および図9に関して述べたように、例えば、回路800aまたは902のいずれかを含んでいてよい。
動作時において、論理演算および/または回路を用いて(例:図9のプロセッサ944を用いて)行および列選択信号918および922を生成し、ゾーン検知ステップ実行中に識別された接触位置の候補のリストに基づいて1個以上のクロスポイント走査領域を決定することができる。
図10の実施形態において、信号発生/検知回路1006は信号選択回路(マルチプレクサー:MUX)1008に信号を与え、信号選択回路(マルチプレクサー:MUX)1008は信号発生/検知回路1006からの当該信号を、導電パターンの第1の複数の導体の1個の第1導体(例:選択された行または列)に、次いで第2の複数の導体の1個の第1導体(選択された行または列)に選択的に供給する。
しかし、図11の実施形態において、タッチスクリーン入力信号は、信号発生/検知回路1106bにより第1の複数の導体の1個の第1導体(例:列方向の導体)に供給され、信号発生/検知回路1106aは、導電パターンの第2の複数の導体(例:選択された行)の導体の1個からの信号を信号選択回路(マルチプレクサー:MUX)1108aから受信する。一般に、信号発生/検知回路1106aにより第1導体に与えられた信号は、接触位置で第2導体に容量結合されてから信号発生/検知回路1106bにより受信されるかまたはその逆である。
クロスポイント走査は、タッチスクリーンの全ての位置(すなわち、タッチスクリーンの行導体および列導体の交差箇所に対応する各位置)を各々走査することができる。しかし、別の実施形態で望まれるように、タッチスクリーン内の全ての位置の部分集合だけをクロスポイント走査することもできる。図10の先に述べた実施形態(ゾーン走査を実行するもの)と比較して、本実施形態に見られるように、クロスポイント走査では誤認点が識別されることはない。例えば、真正/実在する第1の接触点1116および第2の接触点1124だけがクロスポイント走査により識別される。
例えば、ユーザーがタッチスクリーンを操作する場合、静電容量の増大(インピーダンスの減少)がユーザーの操作位置に対応する導電パターンに生じる。この静電容量の増大により、ユーザーまたはユーザーが用いた機器(例:スタイラス)により行および列(例:第1および第2導体)間で静電容量の増大が生じるため、インピーダンス経路の減少が生じる。容量リアクタンス(Z)は静電容量に反比例する(すなわち、Z=1/jωC、但しωは1秒当たりの発光周波数、Cはファラド単位の静電容量)ため、接触位置におけるユーザーの接触により静電容量が増大するにつれてインピーダンスは減少する。従って、特定の行に与えられて特定の列で検知された信号の変化を検知することにより、タッチスクリーンに対するユーザーの操作の位置を特定することができる。
図12には、本発明の指示体位置検出装置の一実施形態に従い、多点接触の場合にタッチスクリーンに対する指示体(ユーザーの指)の操作を検出すべくクロスポイント走査が実行されるタッチスクリーン1204の実施形態を示す。この図の構成要素の多くは、図11の実施形態に示すものと同じであるため、共通の参照番号を用いて参照する。
しかし、図12の実施形態では、クロスポイント走査領域1204および1208が最初にゾーン走査を用いて決定される。また、対応する誤認点を含む2個の追加のクロスポイント走査領域1220aおよび1228aもまた、最初にゾーン走査を用いて決定される。
一般に、クロスポイント走査領域とは、隣接する接触位置の候補のグループを最小限含むものであり、ゾーン走査を用いて最初に識別できる。例えば、図11を参照するに、図12のクロスポイント走査領域1204は、図11の第1接触点1116および第1の誤認点1220を含む接触位置の候補のグループに基づいており、これらはゾーン走査を用いて最初に識別できる。同様に、図12のクロスポイント走査領域1208は、図11の第2の接触点1124および第2の誤認点1228を含んでいて、これらはゾーン走査を用いて最初に識別できる。
各々の場合において、クロスポイント走査領域は、隣接する接触点および誤認/非実在位置を含むクロスポイントの最小の組を含んでいる。従って、本明細書に記載するように、クロスポイント検知は、判定された接触領域または領域群を有するクロスポイント(図11、12の実施形態と同様に)だけに対して実行される。従ってクロスポイント検知を用いることにより、多点接触の場合の実在/真正接触位置が識別される。
一実施形態において、クロスポイント走査領域1204および1208(例:第1接触点1116および第2接触点1124を含むように示す)の各々において「真正」または実在接触位置と共にクロスポイント走査領域1220aおよび1228aが識別され、粗クロスポイント走査を用いてその各々から非実在または誤認位置が除去された後で、接触位置または形状をより正確にマッピングすべく実在接触位置の近傍で精密クロスポイント走査が実行される。
全体的な効率の観点から、ゾーン検知およびクロスポイント検知の組合せにより、タッチスクリーンの全ての接触位置の候補についてクロスポイント検知を実行する際の検知ステップの総数が大幅に減る。この例では、4個の実在/真正接触位置の場合、40個(20+20)のゾーン検知ステップに続いて16個(4×4)のクロスポイント検知ステップが実行されて、400個(20×20)のクロスポイント検知ステップを用いることなく、4個の実在/真正接触位置が正確に識別される。対角径12.1インチのタッチスクリーン領域で現在必要とされる20×40配列を含む一つの好適な用途において、10個の真正接触位置が存在する多点接触の場合でさえ、大幅な速度向上を実現することができる。走査の総数は、60個(20+40)のゾーン検知ステップに続いて100個(10×10)の精密クロスポイント検知ステップが実行される。従って、総計160個(60+100)の走査を行えばよい。ちなみに、クロスポイント走査だけを用いる場合、10個の接触位置を識別するために全てのクロスポイントを検知する必要があり、20×40=800回の走査を実行する必要がある。また、新規の接触を検知するために依然として完全な「ゾーン」走査が必要であるが、ファームウェアにより真正点を追跡できるためデータの「真正」/「誤認」テストが削減されるか、または不要となる。これにより、全点テストに対してオーバーヘッドのテストを大幅に減らすことができる。
図13は、本発明の一実施形態に従い、フィードバック信号が結合されている第1導体を除く複数の導体の全ての導体を接地する接地回路の少なくとも一部の機能ブロック図である。一般に、回路1300の機能は、タッチスクリーン入力信号が結合されている、および/または所与の時点で(例:信号発生/検知回路1310により)応答信号が受信されている1個の導体を除いて、一群の導体、例えば複数の第1導体または複数の第2導体(行または列)の全ての導体を接地することである。従って、図からわかるように、信号選択回路(マルチプレクサー:MUX)1310aは、対応する複数の結合スイッチ1304により複数の第1または第2導体の対応する複数の導体に動作可能な状態で結合される複数の出力を含んでいる。より具体的には、行選択信号1318または列選択信号1322がフィードバック信号(タッチスクリーン入力信号)を選択された行または列に結合する場合、切替信号が、フィードバック信号を選択された行または列に結合し、接地点または回路共通点(集合的に「接地点」と呼ぶ)を切り離すべく動作する。図示する例では、フィードバック信号がスイッチ動作を駆動する。しかし、この図が本質的に機能的である点を理解されたい。フィードバック信号を選択された行または列に効率的に結合して、選択された行または列から接地点を切り離し、且つ全ての選択されなかった導体も接地点に結合する任意のスイッチング回路も用いてもよい。例えば、そのような切換動作に対応すべく回路が生成した制御信号および/またはそれにより実行される論理演算(例:図9のプロセッサ944)を用いてもよい。
動作時において、図13からわかるように、フィードバック信号(タッチスクリーン入力信号)はこのように、行選択信号1318または列選択信号1322に基づいて選択された行または列に与えられる一方、残りの行または列(N−1個またはM−1個の選択されなかった行または列として示す)は接地されたままでよい。そのような接地は、干渉のブロッキング/シールディングおよびユーザー対接地インピーダンスが増大する等、多くの理由により有用である。
本図に示すように、各スイッチ1304はまた、接地点または回路共通点に結合されていて、付随する導体(行または列)は通常、接地点を導体に結合するのではなくタッチスクリーン入力信号を導体に結合すべく切替信号が送られない限り、接地点または回路共通点に結合されている。図に示す特定の例において、タッチスクリーン入力信号は、タッチスクリーン入力信号を導体に結合させるために対応スイッチ1304の位置を切り替える切替信号としても動作可能な状態で結合されている。
図14は、導体を信号発生/検知回路または接地電位に適宜選択/切替えるべく代替的に利用できるスイッチング回路の機能ブロック図1400である。図に示す実施形態において、プロセッサは、スイッチアレイにビットを結合してスイッチアレイの切り替えを指定するシフトレジスタ(導体の行を制御するもの、または導体の列を制御するもの)にビットストリームを生成する。行および列シフトレジスタは分離されていて、シフト出力はラッチされている。このように、シフトレジスタのビットの論理状態を設定または変更することにより出力を設定またはクリアして行または列の最終的な設定を生成し、次いで先の設定が用いられている間にシフトレジスタにロードすることができる。また、本システムにより、ごく少数のビットおよび制御ビットを操作するだけで走査機能を可能にする。
ここに記載する実施形態において、シフトレジスタへの第1の出力により、駆動回路を本発明の記載されている実施形態における行または列の導体片(a)に接続することが可能になる。第2の出力により、駆動接続が無効にされ、同時に行または列の導体片(b)を接地点に切り替える。例えば、無接続、単一接続、並列接続、交差構成(行および列)、並列交差接続等、任意の接続の組合が可能である。
この回路は、低インピーダンス状態(仮想ノードを介して)のままでありながら、行または列が信号(AC、DCまたはその組合せ)により駆動できるようにする。先に検討したように、導体片を流れる電流が測定されてゲインを有する電圧に変換される間、低インピーダンス状態を維持できる。本発明の記載する実施形態において、回路は差動の入力対ではなく、単一端の入力を用いる。図15(a)、図15(b)を参照しつつ詳述するように、一実施形態において、特定の出力を除く全ての出力を接地点に接地して、指定された出力を入力に結合すべくスイッチ配列が動作する。従って、タッチスクリーン入力信号はスイッチアレイを介して導体に結合されて、更にゾーン走査またはクロスポイント走査用のタッチスクリーンの行/列導体用の信号検知回路を支援できる一方、他の全ての導体が接地点または回路共通点に結合されている。
図15(a)および図15(b)は、各々スイッチング回路の実施形態1500aおよび1500bの例示的な図である。より具体的には、任意の所与の時点で、1個の選択された導体を除く全ての導体が接地点に結合されている。スイッチアレイは、N:2MUX動作の信号選択を機能的に実行しているものと見なすことができる。図15(a)において、信号発生/検知回路は、行/列導体1に結合されている一方、他の全ての導体は接地電位(例:0ボルト)に結合されている。図15(b)において、信号発生/検知回路は、行/列導体2に結合されている一方、他の全ての導体は接地電位(例:0ボルト)に結合されている。
必要ならば、制御信号(デジタル)がスイッチアレイのスイッチの結合性を制御して当該動作を実現することができる。例えば、図15(a)の結合性を実現する適当な制御信号は(行/列導体1を接続すべく)1000...0であってよく、図15(a)の結合性を実現する適当な制御信号は(行/列導体2を接続すべく)0100...0であってよい。
再び図15(a)において、行/列導体1が信号発生/検知回路に結合されている一方、他の全ての行/列導体は接地点に結合されていることがわかる。図15(b)において、行/列導体2が信号発生/検知回路に結合されている一方、他の全ての行/列導体は接地点に結合されている。図15(a)、図15(b)に、スイッチアレイまたは信号選択回路(マルチプレクサー:MUX)により切替えを駆動する「制御信号」を示す。一実施形態において、上で検討されて図14に示すように、この制御信号がシフトレジスタにより与えられる点を理解されたい。この制御信号は代替的に、スイッチアレイの構造および能力に応じて、他の回路または論理演算により容易に他の任意の公知の形式で与えることができる。
図16および17は各々、行導体および列導体を有するシステムの機能図1600および1700であって、本発明の一実施形態による動作をより詳しく示すものである。
図16に示す、本発明の指示体位置検出装置の実施形態においては、行方向の複数の第1導体が、列方向の複数の第2導体の上に配置されて示されている。行導体および列導体を含むシステムは、本発明の一実施形態によるゾーン走査を例示している。信号発生/検知回路1610aの一部として実装された信号発生回路1608aは、対応するタッチスクリーン入力信号をタッチスクリーンの行方向の導体の各々に順次且つ連続的に与える。信号発生回路/検知器1610bの一部として実装された信号発生回路1608bは、対応するタッチスクリーン入力信号をタッチスクリーンの列方向の導体の各々に順次且つ連続的に与える。図示する位置において指示体(ユーザーの指)が接触する場合、行導体1が走査された際に応答信号が信号発生回路/検知器1610aにより受信される。同様に、列導体1が走査された際に応答信号が信号発生回路/検知器1610bにより受信される。一般に、ゾーン走査/検知の場合、例えば上で図8(a)、図8(b)に関して述べたように、接触を検知すべくゾーン走査が実行される。図8(a)、図8(b)、および図8(c)に関連して述べたIRtouch成分を含む応答信号をここに示す。
図17に示す、本発明の指示体位置検出装置の実施形態において、行導体3および列導体3の応答信号が本質的に平坦であり(入力信号を減算した後で応答信号が存在せず、恐らく微小なノイズ成分しか含まれていない)、接触が検知されなかったことを示すことがわかる。
図18は、本発明の指示体位置検出装置に関し、更にクロスポイント走査を示す行導体および列導体を有するシステムの機能図1800である。図18の実施形態において、行方向の複数の第1導体が、列方向の複数の第2導体の上に配置されて示されている。図に示す行導体および列導体を含むシステムは、本発明の一実施形態によるクロスポイント走査を示す。図からわかるように、信号発生回路/検知器1810aの一部として実装された信号発生回路1808a、および信号発生回路1810bの一部として実装された信号発生回路/検知器1810bは各々、行導体および列導体に対するタッチスクリーン入力信号を生成すべく、且つ行/列導体から応答信号を受信すべく結合されている。ここに、信号発生回路/検知器1810bは、タッチスクリーンの列方向の導体の少なくとも1個にタッチスクリーン入力信号を順次与える。
また、信号発生回路/検知器1810aは、タッチスクリーンの少なくとも1個の行方向導体から応答信号を受信する。図に示す位置における接触の場合、信号発生回路/検知器1810bによりタッチスクリーン入力信号が列導体(ここでは列導体1)に与えられている間に行導体1が走査された際に応答信号が信号発生回路/検知器1810aにより受信される。一般に、クロスポイント走査の場合、指示体(ユーザーの指)の接触は最初に列導体(ここでは列導体1)に、次いで行導体(ここでは行導体1)に容量結合されて、信号発生回路1808bにより列導体1に与えられたタッチスクリーン信号を行導体に結合して信号発生回路/検知器1810aにより検知できるようにする。タッチスクリーン入力信号を受信していない(従って走査されていない)行導体への容量結合があった場合、そのような結合の効果を除去すべく付随する信号が接地点へ導通される。ここに示す応答信号は、図8(a)および図8(b)に関して記載したものと同様のIRtouch成分を含んでいる。
信号発生/検知器1810aの出力が、クロスポイント走査実行中の列「ゾーン」信号レベルを含んでいることに注意されたい。クロスポイント走査実行中の変化を検知すべく、このレベルを監視することができる。列の「ゾーン」エネルギーレベルがベースラインならば、接触が無いためクロスポイント走査を行なう必要が無い。
図19は、真正すなわち実在する接触位置、並びに誤認すなわち実在しない接触位置を含む識別された接触位置の候補を示す機能図1900である。図19(a)に見られるように、ゾーン走査を用いた場合、図19(b)には、3個の実在接触位置が6個の非実在接触位置と共に識別されている。更にわかるように、(例:人の手の親指の大きさを最小/最後の子指と比較して)真正接触位置のうち1個が他の接触位置よりかなり大きい。精密クロスポイント走査、およびオプションとして補間を用いて、図11および12に関して検討したように、指定されたクロスポイント走査領域について接触位置の正確なマッピングを識別することができる。
一般に、クロスポイント走査は、全ての非実在、および真正/実在接触位置に基づく領域に対して実行される。ここに、3個の実在/真正接触位置から合計9個(3×3)の領域がテスト対象となるが、この例ではそれらの中の2個は列方向に対し互いに比較的近くにあるため、結果的に合計6個(3×2)の領域がテスト対象となる。
この場合も、図16、図17、および図18の実施形態は長方形の導体を用いているが、本発明の範囲および概念から逸脱することなく、任意の所望の形状、幅、その他を有する各種のタッチスクリーンの導体を用いてもよいことに注意されたい。
図20は、クロスポイント走査も実行可能であって、ゾーン走査実行中に識別された多接触領域の候補を示す機能図2000である。先の図を参照するに、タッチスクリーンに対して実行されるゾーン走査中に識別された6個の多接触領域の候補がある(図20(a))。ゾーン走査を行なって、実在接触位置を識別しようとの試みの中で更に監視すべき行導体および/または列導体の部分集合を識別することができる。ゾーン走査は、更に監視すべきタッチスクリーン領域全体の部分集合を識別すべく、これらの多接触領域の候補の識別を実行していると見なすことができる(例えばクロスポイント走査および/またはクロスポイント走査とゾーン走査の組合せを用いる)。
更に、多接触領域の候補が一旦識別されたならば(図20(b))、クロスポイント走査等を用いて所定個数の位置または点(例:行導体および列導体の交差により画定された)を更に監視することができる。例えば、多接触領域の候補が識別された場合、タッチスクリーンの所定個数の位置または点からなる領域(例:領域内1個の点/位置、または領域内の全ての点/位置、n×m領域を画定するn行m列を含むn×m領域等、領域内の所定個数の点/位置)を当該領域の近傍で監視することができる。複数の多接触領域の候補が識別できる各種の手段があり、本発明の範囲および概念から逸脱することなく(各々の多接触領域内の1個以上の点/位置を含む)それらの1個以上に対して引き続きクロスポイント走査を実行することができる。
次いで、何らかの多接触領域の候補が一旦識別されたならば、各々の識別された多接触領域内で、少なくとも1個の位置(例:行導体および列導体の交差箇所)に対してクロスポイント走査を実行することができる(図)20(c)。必要ならば、本発明の範囲および概念から逸脱することなく、各々の多接触領域の候補の複数の位置または唯1個の位置をクロスポイント走査することができる。図の左下部を考察するに、各々の多接触候補領域内に多数の位置(例:行導体および列導体の交差箇所)が存在してもよいことがわかる。
この場合も、各々の多接触候補領域内の各々の位置または点は、1個の行導体と1個の列導体の交差箇所と見なすことができる。番号3が付与された多接触領域を拡大した図を図20(d)として示す(すなわち、図20(b)は、各種の多接触領域の候補の番号付けを示す)。図20(d)からわかるように、真正/実在接触位置に関連付けられた位置または点がクロスポイント走査を実行することで判明する。
図21は、真正/実在する、および誤認接触位置の各々における検知信号を示す。図21(a)、図21(b)を参照するに、この場合も、真正/実在接触位置に関連付けられた位置または点だけがクロスポイント走査実行中にそのように出現する。説明用にこれらの図もまた、先の図から番号3が付与された多接触領域を用いる。
図21(b)を考察するに、番号3が付与された多接触領域内の各種の位置または点の番号付けを示す。図21(c)を参照し、番号1、2、5、および9が付与された点/位置をクロスポイント走査した際に検知されたクロスポイント信号は、実在接触が検知されなかったことを示す。しかし、図21(d)を参照し、番号3、4、6、7、8、10、11、および12が付与された領域をクロスポイント走査した際に検知されたクロスポイント走査信号は、実在接触が検知されたことを示す。
本明細書に記載するゾーン走査および/またはクロスポイント走査の各々に関して、各種の走査シーケンスを任意の順に実行してよいことに注意されたい。例えば、図16および図17に従ってゾーン走査を実行する場合、ゾーン走査は、全ての列について順次、次いで全ての行について順次、更に再び全ての列について順次、等々のように動作することができる。必要ならば、異なる周波数の信号を行および列に同時に与えてもよい。例えば、第1の周波数を有する第1の信号を全ての列に順次与える一方、第2の周波数を有する第2の信号を全ての行に順次与えることができる。
同様に、ただ1個の点/位置だけが所定の時点でクロスポイント走査されるように、点/位置に基づいて点/位置に対してクロスポイント走査を実行することができる。あるいは、第1の周波数を有する第1の信号を用いて第1の点/位置のクロスポイント走査を実行する一方、第2の周波数を有する第2の信号を用いて第2の点/位置のクロスポイント走査を実行することができる。追加の信号/検知回路を用いて同一期間に複数の位置のクロスポイント走査を実行できることに注意されたい。明らかに、これら各種の可能な実施形態の各々は、タッチスクリーンの適切な走査を実現すべく何らかの調整およびタイミング管理を含んでいる。
図22(a)は、本発明の一実施形態に従い多接触の場合に接触位置を識別する方法を示すフロー図である。ブロック2204aに示すように、複数の多接触位置の各々について接触位置の候補を識別することから始まる。これには、タッチスクリーンの第1の方向に整列配置された複数の第1導体の行ゾーン走査の実行と、タッチスクリーンの第2の方向に整列配置された複数の第2導体の列ゾーン走査を実行して、行ゾーン走査および列ゾーン走査に基づいてタッチスクリーンに対するユーザーの操作に対応する、誤認接触位置が含まれていることがある、複数の多接触位置の候補を識別するステップが含まれる。その後で、ブロック2208aに示すように、複数の多接触位置の候補の少なくとも1個のクロスポイント走査を実行し、識別された複数の多接触位置の候補に基づいて、タッチスクリーンに対するユーザーの操作に対応する少なくとも1個の実在接触位置を識別するステップを含む。
2個以上の実在接触位置が存在する多接触ゾーン検知ステップ(行のゾーン走査および列のゾーン走査を含む)の場合、実在接触が接触された導体のうち1個と軸方向に整列していなければ、2個の誤認位置が識別される。従って、本方法は、識別された接触位置の候補(接触位置の候補により画定される領域で)に対してクロスポイント走査を実行するステップを含んでいる。
クロスポイント走査の実行には、クロスポイント走査を複数回繰り返し実行するステップが含まれていてよい。例えば、本発明の一実施形態において、接触領域をより正確に画定すべく粗クロスポイント走査を実行する。その後で、内部論理に基づいて、タッチスクリーンに対するユーザーの操作に対応する全ての実在接触位置を識別すべく精密クロスポイント走査(例:先に実行した粗クロスポイント走査よりも比較的精密である精密クロスポイント走査)が実行される。また、一実施形態において、粗または精密クロスポイント走査のいずれかが、本明細書で先に述べた補間と同様に、隣接して軸方向に整列配置された第1または第2導体の接触位置を補間するための走査を含んでいてよい。
図22(b)は、タッチスクリーンの少なくとも1個の接触位置を検知する方法を示すフロー図である。この方法は、ブロック2204bに示すように、タッチスクリーン入力信号を生成して、複数の第1導体の1個の第1導体または複数の第2導体の1個の第2導体に結合して、タッチスクリーンに対するユーザーの操作により生じる信号の変化を検知するステップを含んでいる。タッチスクリーンに対するユーザーの操作により生じる信号の変化を検知するステップは、ブロック2208bに示すように、タッチスクリーン入力信号から入力信号を減じて、ブロック2212bに示すように、信号特徴を評価して対応する導体(例:第1または第2導体)が接触されているか否かを判定するステップを含んでいる。
一実施形態において、変化を検知するステップは、タッチスクリーン入力信号から入力信号を減じて信号成分(例:IRtouch)を識別するステップを含んでおり、信号成分は接触により生じた信号応答に基づく。その後で、本方法は、ブロック2216bに示すように、接触位置の候補に関連付けられた接触領域について少なくとも一種類のクロスポイント走査(検知)を実行するステップを含んでいる。
一般に、クロスポイント走査は、第1の信号を複数の第1導体の1個の第1導体に結合して、タッチスクリーンに対するユーザーの操作から生じた複数の第2導体の1個の第2導体における応答信号を検知するステップを含んでいる。従来、クロスポイント検知は行および列方向の導体間の物理的結合を含んでいる。しかし、ここでは容量結合を用いる。そのような容量結合は、下位層の導体(上位層導体と同じ形状および/または大きさを有していない)が与える遮蔽に起因して生じるため、少なくとも部分的には利用でき、記載する実施形態ではタッチスクリーンの有効な表面領域をかなりの程度カバーする。また、導体を接地点、回路の共通点または仮想接地点に接地することは、干渉および不要な容量結合の削減に役立つ。裏面導体がスペースまたはウインドウ無しに連続的に形成される場合、裏面導体だけがLCD(裏面または下位層導体の下に配置されている)に容量結合され、裏面導体だけがLCDに対して寄生的な静電容量を有する。最上位導体は、裏面導体だけに対して寄生的な静電容量および/または容量結合を有する。
クロスポイント走査の場合、記載する実施形態において、複数の第1導体は裏面導体または下層導体であって、ここでは列方向に配置されている。接触位置を特定するステップは、接触位置に対応する第1導体と第2導体の交差箇所を、タッチスクリーンに対するユーザーの操作に基づいて識別するステップを含んでいる。通常、記載する実施形態において、クロスポイント走査は、ゾーン走査に続いて、または接触または接触の移動が生じたことを示す信号応答の状態変化があれば実行される。
ゾーン検知は、行および列をゾーン走査して、複数の多接触位置の各々についてタッチスクリーンに対するユーザーの操作に対応する複数の接触位置の候補を識別するステップを含んでいる。多点接触の場合の複数の接触位置を検知する効率的な走査方法は従って、行および列に対してゾーン走査を実行し、次いで複数の多接触位置の候補の各々に対して(または複数の多接触位置の候補の少なくとも1個で)クロスポイント走査を実行して、複数の多接触位置の候補の複数の実在接触位置を識別するステップを含んでいる。上述のように、複数の多接触位置の候補が実在接触位置および誤認位置を含んでいてよい。
図23は、タッチスクリーンの少なくとも1個の接触位置を検知する方法を示すフロー図である。ブロック2310に示すように、タッチスクリーン内で第1の方向に整列配置された複数の第1導体に対し行ゾーン走査を実行するステップを含んでいる。その後で、ブロック2320に示すように、タッチスクリーン内で第2の方向に整列配置された複数の第2導体に対し列ゾーン走査を実行するステップを含んでいる。行ゾーン走査および列ゾーン走査に基づいて、ブロック2330に示すように、タッチスクリーンに対するユーザーの操作に対応する複数の多接触位置の候補を識別するステップを含んでいる。
最後に、ブロック2340に示すように、識別された複数の多接触位置の候補に基づいて、複数の多接触位置の候補の少なくとも1個のクロスポイント走査を実行して、タッチスクリーンに対するユーザーの操作に対応する少なくとも1個の実在接触位置を識別するステップを含んでいる。接触検知のためにクロスポイント走査を実行するステップは、ブロック2340aに示すような粗クロスポイント走査またはブロック2340bに示すような精密クロスポイント走査の任意のものまたはそれらの組合せを含んでいてよい。一例として、粗クロスポイント走査は、n本(nは整数)毎の対象導体にクロスポイント走査を行なうステップを含んでいてよく、また精密クロスポイント走査は、(n/m)本(n/mも整数であって、精密クロスポイント走査は粗クロスポイント走査より多くのクロスポイントを走査する)毎の対象導体にクロスポイント走査を行なうステップを含んでいてよい。例えば、n=2、m=1とすれば、粗クロスポイント走査では、粗クロスポイントのために走査される導体は1本おきに配置された導体が対象となる。すなわち、粗クロスポイントのために走査される導体は1本毎にスキップされて選択される。また、精密クロスポイントでは、対象とされる導体が順次走査されることになる。
粗クロスポイント走査において、接触位置の候補の部分集合がクロスポイント走査領域(例:図20の領域1〜6)において選択される。精密クロスポイント走査において、より大きな接触識別(解像度)を提供すべく相対的により多くの個数の接触位置候補がその同じクロスポイント走査領域内で探索される。個数がより多いことで、クロスポイント走査領域(未だ探索されていない)内の全ての接触位置候補または接触位置候補の部分集合を含んでいてよく、この部分集合は粗クロスポイント走査に関して走査された、より多くの個数の接触位置候補を有している。
また、本明細書に記載する各種のゾーンまたはクロスポイント走査の実施形態のいずれも、本発明の範囲および概念から逸脱することなくオーバーサンプリング(例:同じ位置を2回以上再サンプリングすること)を含む各種の信号処理スキームを実行できることに注意されたい。
当分野で平均的な技術を有する者であれば、本明細書で用いる用語「相当の」、「大幅に」、「ほぼ」、「近似的に」および/またはこれらの変型が、その対応する用語に業界で認められた許容範囲を与えることが理解されよう。業界で認められたそのような許容範囲は、1パーセント未満から20パーセントまでにわたり、成分値、集積回路工程変動、温度変化、立ち上がりおよび立ち下がり時間、熱雑音、および/または他のパラメータに対応するがこれらに限定されない。更に、タッチスクリーンの有効な表面領域を実質的に被覆する基準は、当該タッチスクリーンの製造(すなわち、そのような手段を用いて隣接する導体を可能な限り互いに近接して配置)に用いられる処理および製造手段により許されるものと同程度であってよい。一実施形態において、現在利用可能な技術の一つを用いて導体を配置できる最も近い距離は40ミクロンである。
本明細書に記載する各種の回路(例:信号発生回路、信号検知回路、結合信号発生/検知回路、応答信号処理回路等)が単一の処理装置または複数の処理デバイスであってもよいことに注意されたい。そのような処理デバイスは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央演算処理装置、フィールドプログラム可能ゲート・アレイ、プログラム可能論理装置、状態機械、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、および/または動作命令に基づいて信号(アナログおよび/またはデジタル)を操作する任意の装置であってよい。動作命令はメモリに保存できる。メモリは、単一のメモリ装置または複数のメモリ装置であってよい。そのようなメモリ装置は、読出し専用メモリ、ランダム・アクセス・メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、静的メモリ、動的メモリ、フラッシュメモリ、および/またはデジタル情報を保存する任意の装置でもあってよい。また、処理回路が、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、および/または論理回路を介してその1個以上の機能を実装する際に、対応する動作命令を保存しているメモリが状態機械、アナログ回路、デジタル回路、および/または論理回路を含む回路に埋め込まれることに注意されたい。そのような実施形態では、本明細書において図示および/または説明するステップおよび/または機能の少なくともいくつかに対応する動作命令をメモリが保存し、当該メモリに結合された処理回路が実行する。
本発明はまた、特定の機能およびその関係の性能を示す方法ステップを利用して上に述べてきた。これらの機能的な構成ブロックおよび方法ステップの境界およびシーケンスは説明の便宜上、本明細書において任意に定義されている。指定された機能および関係が適切に実行される限り、代替的な境界およびシーケンスを定義することができる。そのような代替的な境界またはシーケンスは従って、権利請求された本発明の範囲および概念に含まれる。
本発明はまた、特定の機能の性能を示す機能的な構成ブロックを利用して上に述べてきた。これらの機能的な構成ブロックの境界は説明の便宜上、任意に定義されている。特定の重要な機能が適切に実行される限り、代替的な境界を定義することができる。同様に、特定の有意な機能性を例示すべく本明細書においてフロー図ブロックもまた任意に定義することができる。用いる範囲で、フロー図ブロックの境界およびシーケンスを別途定義しながら依然として特定の重要な機能を実行することができる。機能的な構成ブロックおよびフロー図ブロックおよびシーケンスのそのような代替的な定義は従って、権利請求される本発明の範囲および概念に含まれる。
当分野において平均的な技術を有する者はまた、本明細書における機能的な構成ブロック、および他の例示的なブロック、回路、および構成要素を図示するように、または別個の構成要素、アプリケーション固有の集積回路、適切なソフトウェアを実行するプロセッサ等またはそれらの任意の組合せにより実装できることを認識されよう。
更に、明快さおよびわかりやすさを旨として本発明を上述の実施形態を用いて詳述しているが、本発明は上述の実施形態に限定されない。当分野において平均的な技術を有する者には、添付の請求項のみに規定される本発明の概念および範囲内で各種の変更および変型が実施できることは明らかであろう。
101 携帯機器、102 コンピュータ、103 無線通信機器、104 携帯情報端末、105,106 ラップトップコンピュータ、107 電子タブレット、201 タッチスクリーン、201a タッチスクリーンの有効表面領域、210 信号発生/検知回路、212 信号選択回路、300a,300b 導電パターンの配置、404a,404b 導体、408a,408b 信号応答、504a,504b 導体、508a,508b 信号応答、800a 信号発生および検知回路、804 増幅回路、808 信号発生回路、812 増幅回路、816 信号選択回路、904 増幅回路、908 信号発生回路、912 増幅回路、918 行選択信号、920 信号選択回路、922 列選択信号、924 応答信号処理回路、928 信号選択回路、930 行/列応答選択信号、932 エイリアスフィルタ、936 ゲイン回路、944 プロセッサ、1004 タッチスクリーン、1006 信号発生/検知回路、1008 信号選択回路、1016 第1接触点、1020 第1誤認点、1020a 誤認点、1024 第2接触点、1028 第2誤認点、1028a 誤認点、1104 タッチスクリーン、1106a,1106b 信号発生/検知回路、1108a,1108b 信号選択回路、1116 第1接触点、1124 第2接触点、1204 第1クロスポイント走査領域、1208 第2クロスポイント走査領域、1220 第1誤認点、1220a クロスポイント走査領域、1228 第2誤認点、1300 接地回路、1304 結合スイッチ、1310 信号発生/検知回路、1310a 信号選択回路、1318 行選択信号、1322 列選択信号、1400 スイッチング回路、1500a,1500b スイッチング回路、1608a,1608b 信号発生回路、1610a,1610b信号発生回路/検知器、1808a,1808b 信号発生回路、1810a,1810b 信号発生回路/検知器

Claims (18)

  1. 第1の方向に配置された複数の第1の導体と、前記第1の方向とは異なる第2の方向に配置された複数の第2の導体から構成される導体パターンと、
    前記第1の方向に配置された前記複数の第1の導体のそれぞれの導体に生起する信号を検知することで前記導体パターン上にて指示体が指示する位置に対応した前記第1の方向に配置された導体を特定する第1の信号検知回路と、
    前記第2の方向に配置された前記複数の第2の導体のそれぞれの導体に生起する信号を検知することで前記導体パターン上にて指示体が指示する位置に対応した前記第2の方向に配置された導体を特定する第2の信号検知回路と、
    前記第1の信号検知回路によって特定された前記第1の方向に配置された第1の導体に信号を供給するとともに、前記第2の信号検知回路によって特定された前記第2の方向に配置された第2の導体に生起する応答信号が前記第2の信号検知回路によって検知された結果に基づいて、前記第1の信号検知回路によって特定された前記第1の方向に配置された導体と前記第2の信号検知回路によって特定された前記第2の方向に配置された導体とによって形成される交差点に前記指示体の指示位置が存在するか否かを識別するための応答信号処理回路とを備えていることで、前記指示体による前記導体パターン上での多点指示位置を検出可能とした指示体位置検出装置。
  2. 前記第1の信号検知回路には、前記複数の第1の導体に供給すべき信号を発生させるための信号発生回路が備えられており、
    前記第2の信号検知回路には、前記複数の第2の導体に供給すべき信号を発生させるための信号発生回路が備えられており、
    前記第1の信号検知回路及び前記第2の信号検知回路のそれぞれによって各導体に信号を供給するとともに該信号に応答した信号を検知することで、前記指示体が指示する位置に対応した前記第1の導体と前記第2の導体を特定するようにした
    ことを特徴とする請求項1に記載の指示体位置検出装置。
  3. 前記第1の信号検知回路を前記複数の第1の導体と前記複数の第2の導体のそれぞれに選択的に接続して信号検知を行う信号選択回路を備えることで、前記第1の信号検知回路を前記第2の信号検知回路として使用して前記指示体が指示する位置に対応した前記第1の導体と前記第2の導体を特定するようにした
    ことを特徴とする請求項1に記載の指示体位置検出装置。
  4. 前記第1の信号検知回路には各導体に供給すべき信号を発生させるための信号発生回路が備えられ、更には前記第1の信号検知回路を前記複数の第1の導体と前記複数の第2の導体のそれぞれに選択的に接続して信号送信及び信号検知を行う信号選択回路を備えることで、前記第1の信号検知回路を前記第2の信号検知回路として使用して前記指示体が指示する位置に対応した前記第1の導体と前記第2の導体を特定するようにした
    ことを特徴とする請求項1に記載の指示体位置検出装置。
  5. 前記第1の信号検知回路には、前記複数の第1の導体に供給すべき信号を発生させるための信号発生回路が備えられており、前記第1の信号検知回路から前記特定された第1の導体に信号を供給し、記第2の信号検知回路によって前記特定された第2の導体から、前記特定された第1の導体に供給された前記信号に応答した信号を検知するようにした
    ことを特徴とする請求項1に記載の指示体位置検出装置。
  6. 前記第1の信号検知回路は、前記第1の信号検知回路によって特定された前記第1の導体を所定の本数、スキップさせて信号を供給するようにした
    ことを特徴とする請求項5に記載の指示体位置検出装置。
  7. 前記第1の信号検知回路と前記複数の第1の導体とを選択的に接続して信号検知を行う信号選択回路を備え、前記信号選択回路によって、前記第1の信号検知回路と接続された導体を除く他の導体は所定の電位とされるようにした
    ことを特徴とする請求項1に記載の指示体位置検出装置。
  8. 前記第1の信号検知回路には、前記複数の第1の導体に供給すべき信号を発生させるための信号発生回路が備えられており、前記信号発生回路と前記複数の第1の導体とを選択的に接続して信号供給を行う信号選択回路を備え、前記信号選択回路によって、前記信号発生回路と接続された導体を除く他の導体は所定の電位とされるようにした
    ことを特徴とする請求項1に記載の指示体位置検出装置。
  9. 前記第1の信号検知回路および第2の信号検知回路は、前記導体パターン上で前記指示体指示する位置に対応して変化する静電結合状態に基づいて信号を検知するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の指示体位置検出装置。
  10. 第1の方向に配置された複数の第1の導体のそれぞれの導体に生起する信号を検知することで導体パターン上にて指示体が指示する位置に対応した前記第1の方向に配置された導体を特定する第1の信号検知ステップと、
    第2の方向に配置された複数の第2の導体のそれぞれの導体に生起する信号を検知することで前記導体パターン上にて指示体が指示する位置に対応した前記第2の方向に配置された導体を特定する第2の信号検知ステップと、
    前記第1の信号検知ステップによって特定された前記第1の方向に配置された第1の導体に信号を供給するとともに、前記第2の信号検知ステップによって特定された前記第2の方向に配置された第2の導体に生起する応答信号が前記第2の信号検知ステップによって検知された結果に基づいて、前記第1の信号検知ステップによって特定された前記第1の方向に配置された導体と前記第2の信号検知ステップによって特定された前記第2の方向に配置された導体とによって形成される交差点に前記指示体の指示位置が存在するか否かを識別するための応答信号処理ステップとを備えていることで、前記指示体による前記導体パターン上での多点指示位置を検出可能とした指示体位置検出方法。
  11. 前記第1の信号検知ステップには、前記複数の第1の導体に供給すべき信号を発生させるための信号発生ステップが備えられており、
    前記第2の信号検知ステップには、前記複数の第2の導体に供給すべき信号を発生させるための信号発生ステップが備えられており、
    前記第1の信号検知ステップ及び前記第2の信号検知ステップのそれぞれによって前記複数の第1の導体および前記複数の第2の導体を構成するそれぞれの導体に信号を供給するとともに該信号に応答した信号を検知することで、前記指示体が指示する位置に対応した前記第1の導体と前記第2の導体を特定するようにした
    ことを特徴とする請求項10に記載の指示体位置検出方法
  12. 前記第1の信号検知ステップを前記複数の第1の導体と前記複数の第2の導体のそれぞれに選択的に接続して信号検知を行うための信号選択ステップを備えることで、前記第1の信号検知ステップを前記第2の信号検知ステップとして使用して前記指示体が指示する位置に対応した前記第1の導体と前記第2の導体を特定するようにした
    ことを特徴とする請求項10に記載指示体位置検出方法
  13. 前記第1の信号検知ステップには各導体に供給すべき信号を発生させるための信号発生ステップが備えられ、更には前記第1の信号検知ステップを前記複数の第1の導体と前記複数の第2の導体のそれぞれに選択的に接続して信号送信及び信号検知を行うための信号選択ステップを備えることで、前記第1の信号検知ステップを前記第2の信号検知ステップとして使用して前記指示体が指示する位置に対応した前記第1の導体と前記第2の導体を特定するようにした
    ことを特徴とする請求項10に記載指示体位置検出方法
  14. 前記第1の信号検知ステップには、前記複数の第1の導体に供給すべき信号を発生させるための信号発生ステップが備えられており、前記第1の信号検知ステップから前記特定された第1の導体に信号を供給し、前記第2の信号検知ステップによって前記特定された第2の導体から前記特定された第1の導体に供給された前記信号に応答した信号を検知するようにした
    ことを特徴とする請求項10に記載指示体位置検出方法
  15. 前記第1の信号検知ステップは、前記第1の信号検知ステップによって特定された前記第1の導体を所定の本数スキップさせて信号を供給するようにした
    ことを特徴とする請求項10に記載の指示体位置検出方法。
  16. 前記第1の信号検知ステップと前記複数の第1の導体とを選択的に接続して信号検知を行うための信号選択ステップを備え、前記信号選択ステップによって、前記第1の信号検知ステップと接続された導体を除く他の導体は所定の電位とされるようにした
    ことを特徴とする請求項10に記載指示体位置検出方法
  17. 前記第1の信号検知ステップには、前記複数の第1の導体に供給すべき信号を発生させるための信号発生ステップが備えられており、前記信号発生ステップと前記複数の第1の導体とを選択的に接続して信号供給を行うための信号選択ステップを備え、前記信号選択ステップによって、前記信号発生ステップと接続された導体を除く他の導体は所定の電位とされるようにした
    ことを特徴とする請求項10に記載の指示体位置検出方法。
  18. 前記第1の信号検知ステップおよび第2の信号検知ステップは、前記導体パターン上前記指示体指示する位置に対応して変化する静電結合状態に基づいて信号を検知するようにした
    ことを特徴とする請求項10に記載の指示体位置検出方法
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