JP5426633B2 - タッチセンサの信号処理回路、およびタッチセンサ - Google Patents

タッチセンサの信号処理回路、およびタッチセンサ Download PDF

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Description

本発明は、静電容量型のタッチパネルを含むタッチセンサの信号処理回路などに関するものである。
従来、この種のタッチパネルを含むタッチセンサに関する発明としては、例えば特許文献1に記載される発明が知られている。
この特許文献1に記載の発明は、図1に示すように、XラインX1〜X4とYラインY1〜Y4とを含むタッチパネル100と、このタッチパネル100上のタッチ位置を検出するための信号処理回路200とを備えている。タッチパネル100と信号処理回路200とは、別個に構成されている。
また、タッチパネル100上には、図1に示すように、外部の信号処理回路200と接続するために複数の外部接続端子300が配置され、その複数の外部接続端子300のそれぞれは、駆動ラインY1〜Y4および検出ラインX1〜X4の各一端と接続されている。
信号処理回路200は、図1に示すように、制御回路201と、駆動回路202と、検出回路203と、座標検出回路204と、を備えている。
制御回路201は、タッチパネル100へのタッチ位置の検出のときに、駆動回路202と検出回路203のそれぞれの制御を行う。駆動回路202は、駆動ラインY1〜Y4の中から2つを順次選択し、この選択された2つの駆動ラインのそれぞれに異なる電圧を供給する。検出回路203は、検出ラインX1〜X4の中から選択した1つの検出ラインと選択された一方の駆動ラインとの間の静電容量Aと、選択した検出ラインと選択された他方の駆動ラインとの間の静電容量Bとの間の容量差(A−B)を検出する。座標検出回路204は、駆動ラインおよび検出ラインの位置と、容量差(A−B)に基づき観察者のタッチパネルへのタッチ位置を演算する。
特開2009−15489号公報
ところで、タッチパネル100上に配置される複数の外部接続端子300の配置位置は、タッチパネル100のサイズや用途などにより決まり、図1の他に図16のような場合があり、その配置位置は様々である。
このため、従来、タッチセンサの信号処理回路を設計する場合には、タッチパネル上に配置される外部接続端子の配置位置を考慮あるいは意識しながら設計する必要がある。
そこで、本発明の目的は、タッチパネル上に配置される外部接続端子の配置位置を考慮あるいは意識することなく設計することができるタッチセンサの信号処理回路を提供することにある。
上記の課題を解決して本発明の目的を達成するために、本発明は、以下のように構成される。
第1の発明は、複数の第1のラインと、前記複数の第1のラインと絶縁層を介して交差するように配置される複数の第2のラインと、を備えるタッチパネルを含むタッチセンサの信号処理回路であって、駆動ラインに電圧を供給する駆動部と、検出ライン上の電圧を検出する電圧検出部と、タッチパネルのタッチ位置の検出のときの動作手順に従って予め定めてあるラインの選択と接続に係る設定データを基に、前記複数の第1のラインおよび前記複数の第2のラインのうちから、予め定められたラインを前記駆動ラインとして選択して前記駆動部と接続し、かつ、前記設定データを基に、前記複数の第1のラインおよび前記複数の第2のラインのうちから、予め定められたラインを前記検出ラインとして選択して前記電圧検出部と接続する選択部と、前記設定データを格納するメモリと、前記メモリに格納する設定データを読み出して前記選択部に出力する制御部と、を備える。
さらに第1の発明の前記選択部は、前記複数の第1のラインごとに設けた複数の第1のスイッチ部と、前記複数の第2のラインごとに設けた複数の第2のスイッチ部と、を備え、前記複数の第1のスイッチ部のそれぞれは、前記第1のラインと前記駆動部と接続する第1のスイッチと、前記第1のラインと前記電圧検出部と接続する第2のスイッチと、を備え、前記複数の第2のスイッチ部のそれぞれは、前記第2のラインと前記駆動部と接続する第3のスイッチと、前記第2のラインと前記電圧検出部と接続する第4のスイッチと、を備える。
の発明は、第の発明において、前記複数の第1のスイッチ部のそれぞれは、前記第1のラインとグランドとを接続する第5のスイッチをさらに備え、前記複数の第2のスイッチ部のそれぞれは、前記第2のラインとグランドとを接続する第6のスイッチをさらに備える。
の発明は、第または第の発明において、前記選択部は、前記複数の第1のスイッチ部ごとに設けた複数の第1デコーダと、前記複数の第2のスイッチ部ごとに設けた複数の第2デコーダと、をさらに備え、前記複数の第1デコーダのそれぞれは、前記設定データにしたがって前記第1のスイッチと前記第2のスイッチを選択的にオンし、前記複数の第2デコーダのそれぞれは、前記設定データにしたがって前記第3のスイッチと前記第4のスイッチを選択的にオンする。
本発明によれば、タッチパネル上に配置される外部接続端子の配置位置を考慮あるいは意識することなく設計することができる。
また、本発明によれば、タッチパネルへのタッチ位置の検出方式に差異があっても、駆動部、選択部の構成を共通化できるので、各種の検出方式に柔軟に対応できる。
本発明の実施形態が適用されるタッチセンサの構成を示すブロック図である。 実施形態の選択回路の具体的な構成を示す回路図である。 実施形態の駆動部の具体的な構成を示す回路図である。 実施形態の電圧検出回路の具体的な構成を示す回路図である。 駆動回路および電圧検出回路の状態1、2の動作のタイミングと、そのときのスイッチのオンオフ状態を示す図である。 駆動回路および電圧検出回路の状態1〜4の動作のタイミングと、そのときのスイッチのオンオフ状態を示す図である。 駆動回路および電圧検出回路の状態1〜4の動作と、これに対応するスイッチのオンオフ状態との関係をまとめた図である。 実施形態の駆動回路と電圧検出回路の動作を説明する説明図である。 実施形態の検出パターン1〜4と、それに対応する駆動回路および電圧検出回路と各ラインの接続関係を示す図である。 実施形態の検出パターン5〜8と、それに対応する駆動回路および電圧検出回路と各ラインの接続関係を示す図である。 デコーダの入力データと、これに対応するスイッチのオンオフ状態との関係を示す図である。 端子と、この端子と接続される相手側のタッチパネルのラインとの対応関係を説明する図である。 メモリに格納される設定データの形式を説明する図である。 メモリの格納内容を説明する図である。 従来のタッチセンサの構成例を示す図である。 タッチパネルの他の構成例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(実施形態の構成)
図1は、本発明の実施形態が適用されるタッチセンサの構成を示すブロック図である。
実施形態が適用されるタッチセンサは、図1に示すように、タッチパネル1と、選択回路2と、駆動回路3と、電圧検出回路4と、A/D変換回路5と、容量算出回路6と、タッチ位置検出回路7と、制御回路8と、アドレス生成回路9と、メモリ10と、ラッチ11と、を備えている。
ここで、選択回路2、駆動回路3、電圧検出回路4、A/D変換回路5、容量算出回路6、タッチ位置検出回路7、制御回路8、アドレス生成回路9、メモリ10、およびラッチ11は、タッチパネル1上のタッチ位置を検出するための信号処理回路13を形成する。この信号処理回路13は、タッチパネル1とは別個に構成される。
タッチパネル1は、ガラスなどからなる基板(図示せず)で形成され、その基板上に、例えば8本のXラインX1〜X8がX方向に所定の間隔で配置される。また、その基板上に、XラインX1〜X8と絶縁層を介して交差するように、例えば8本のYラインY1〜Y8がY方向に所定の間隔で配置される。このため、XラインX1〜X8とYラインY1〜Y8とは絶縁層を介して互いに絶縁され、かつ容量結合している。
また、タッチパネル1上には、図1に示すように、選択回路2と接続するために複数の外部接続端子1−1〜1−8および1−11〜1−18配置されている。外部接続端子1−1〜1−8にはXラインX1〜X8の各一端が接続され、外部接続端子1−11〜1−18にはYラインY1〜Y8の各一端が接続されている。
選択回路2は、メモリ10から読み出されてラッチ11に記憶される設定データを基に、タッチパネル1のXラインX1〜X8およびYラインY1〜Y8のうちから2つを駆動ラインとして選択する。例えば、YラインY1〜Y8のうちから2つを駆動ラインとして選択する。
また、選択回路2は、メモリ10から読み出されてラッチ11に記憶される設定データを基に、タッチパネル1のXラインX1〜X8およびYラインY1〜Y8のうちから所定のラインを検出ラインとして選択する。例えば、タッチパネル1のXラインX1〜X8のうちの一部を第1の検出ラインとして選択し、XラインX1〜X8のうちの残りを第2の検出ラインとして選択する。
駆動回路3は、後述のように電圧値(振幅)が変化する電圧を生成し、この生成した電圧を選択回路2で駆動ラインとして選択された2つのラインに駆動電圧として供給する。
電圧検出回路4は、選択回路2で選択された第1および第2の検出ライン上に生ずる一方の電圧と他方の電圧との差の電圧を、出力電圧として出力する。
A/D変換回路5は、電圧検出回路4の出力電圧をA/D変換し、このA/D変換した電圧を容量算出回路6に出力する。
容量算出回路6は、A/D変換回路5でA/D変換された電圧検出回路4の各出力電圧と、後述の変換行列を基に演算を行い、選択回路2で選択された一方の駆動ラインと選択回路2で選択された各検出ラインとの各交差部における静電容量と、選択回路2で選択された他方の駆動ラインと選択回路2で選択された各検出ラインとの各交差部における静電容量との差の静電容量をそれぞれ算出する。
タッチ位置検出回路7は、容量算出回路6が算出した各静電容量に基づいて、タッチパネル1のタッチ位置を検出する。
制御回路8は、タッチパネル1のタッチ位置を検出するときに、駆動回路3、電圧検出回路4、アドレス生成回路9、およびラッチ11を後述のようにそれぞれ制御する。
アドレス生成回路9は、制御回路8からの指示に基づき、メモリ10に格納される選択回路2の動作を制御するための設定データを読み出すためのアドレスを生成する。
メモリ10は、タッチパネル1のタッチ位置を検出するときの動作手順に従って予め定めてある、選択回路2が行うラインの選択と接続の制御に係る設定データを格納する。その設定データは、具体的には選択回路2の後述のスイッチをオンオフ制御するデータである。メモリ10は、データの読み出し専用のメモリ、データの書き換えが可能な不揮発性のメモリ、あるいはデータの書き換えが可能な揮発性のメモリを使用する。
ラッチ11は、選択回路2の後述のスイッチをオンオフ制御する場合に、メモリ10から読み出される設定データを一時的に記憶する。
次に、図1の選択回路2の具体的な構成について、図2を参照して説明する。
選択回路2は、図2に示すように、スイッチ部21−1〜21−8と、スイッチ部22−1〜22−8と、デコーダ23−1〜23−8と、デコーダ24−1〜24−8と、接続ライン25〜29と、を備えている。
スイッチ部21−1〜21−8は、XラインX1〜X8ごとに設けられている。そして、スイッチ部21−1〜21−8のそれぞれは、自己のXラインと、電圧検出回路4、駆動回路3、およびグランド電圧VSSのうちのいずれかとの接続を、接続ライン25〜29を介して行う。
スイッチ部22−1〜22−8は、YラインY1〜Y8ごとに設けられている。そして、スイッチ部22−1〜22−8のそれぞれは、自己のYラインと、電圧検出回路4、駆動回路3、およびグランド電圧VSSのうちのいずれかとの接続を、接続ライン25〜29を介して行う。
このため、スイッチ部21−1〜21−8およびスイッチ部22−1〜22−8のそれぞれは、5つのスイッチSW11〜SW15を備えている。
スイッチSW11は、電圧検出回路4の入力端子44とXラインX1〜X8およびYラインY1〜Y8のうちの1つのラインとの接続のために使用する。スイッチSW12は、電圧検出回路4の入力端子45とXラインX1〜X8およびYラインY1〜Y8のうちの1つのラインとの接続のために使用する。
スイッチSW13は、駆動回路3の出力端子33とXラインX1〜X8およびYラインY1〜Y8のうちの1つのラインとの接続のために使用する。スイッチSW14は、駆動回路3の出力端子34とXラインX1〜X8およびYラインY1〜Y8のうちの1つのラインとの接続のために使用する。スイッチSW15は、XラインX1〜X8およびYラインY1〜Y8のうちの1つのラインをグランド電圧VSSに接続するために使用する。
デコーダ23−1〜23−8は、スイッチ部21−1〜21−8に対応して設けている。そして、デコーダ23−1〜23−8のそれぞれは、メモリ10から読み出されてラッチ11に記憶される設定データに応じて、スイッチ部21−1〜21−8のそれぞれが備えるスイッチSW11〜SW15のオンオフ制御を行う。
デコーダ24−1〜24−8は、スイッチ部22−1〜22−8に対応して設けている。そして、デコーダ24−1〜24−8のそれぞれは、メモリ10から読み出されてラッチ11に記憶される設定データに応じて、スイッチ部22−1〜22−8のそれぞれが備えるスイッチSW11〜SW15のオンオフ制御を行う。
デコーダ23−1〜23−8およびデコーダ24−1〜24−8のそれぞれには、図11に示すように、3ビットの設定データが入力され、これに応じてスイッチSW11〜SW15をオンオフ制御するようになっている。
この実施形態では、たとえば、タッチパネル1のXラインとYラインの合計が30本までの場合に対応して、信号処理回路13に、図示しない端子1〜端子30を設けている(図12参照)。この端子1〜端子30は、各デコーダで制御されるスイッチSW11〜SW15と、タッチパネル1の各ラインとを接続するためのものであり、選択回路2内の所定の位置に配置されている。
そして、タッチパネル1が8個のXラインX1〜X8、12個のYラインY1〜Y12を有する場合には、XラインX1〜X8とYラインY1〜Y12は、図12に示す各端子に接続するように割り当てられている。
次に、メモリ10の各アドレスに格納される設定データの形式について、図13を参照して説明する。
この設定データは、図13に示すように、上記の端子の個数Nに応じて(3ビット×N個)ビットのデータからなる。図12に示すように、端子の個数が30の場合には、その設定データは90ビットからなる。
次に、図12の接続に対応してメモリ10に格納される設定データの内容の一例について、図14を参照して説明する。
この例では、図14に示すように、メモリ10の番地0〜7のそれぞれに、図9、図10で示す検出パターン1〜8に対応する各設定データが格納される。
なお、8番地以降には、駆動ライン(Yライン)を変更した検出パターンに応じた設定データを格納する。
図14において、各数値は各端子に係る3ビットのデータを10進数で置き換えたものである。また、最上位のデータは端子30に係る設定値であり、最下位のデータは端子1に係る設定値である。
図14において、符号Aで示す部分の各データは、使用しない端子1〜5をフローティングに設定するデータである。符号Bで示す部分の各データは、端子6〜10をグランドに接続するデータ、すなわち駆動ラインとして使用しないYラインY4、Y6、Y8、Y10、Y12をグランドに接続するデータである。
符号Cで示す部分のデータは、端子11を駆動回路3の出力端子33に接続するデータ、すなわち駆動ラインとして使用するYラインY2を駆動回路3の出力端子33に接続するデータである。
符号Dで示す部分のデータは、端子12〜19を電圧変換回路4の入力端子44、45と接続するデータ、すなわち検出ラインとして使用するXラインX1〜8を電圧検出回路4の入力端子44、45と接続するデータである。いずれの入力端子に接続されるかは検出パターンに従う。
符号Eで示す部分のデータは、端子20を駆動回路3の出力端子34に接続するデータ、すなわち駆動ラインとして使用するYラインY1を駆動回路3の出力端子34に接続するデータである。
符号Fで示す部分の各データは、端子21〜25をグランドに接続するデータ、すなわち駆動ラインとして使用しないYラインY3、Y5、Y7、Y9、Y11をグランドに接続するデータである。符号Gで示す部分の各データは、使用しない端子25〜30をフローティングに設定するデータである。
次に、図1の駆動回路3の具体的な構成について、図3を参照して説明する。
駆動回路3は、図3に示すように、第1駆動回路31と、第2駆動回路32と、2つの出力端子33、34とを備えている。
第1駆動回路31は、スイッチSW1とスイッチSW2を直列に接続し、スイッチSW1の一端に高電位の電源電圧VDD(例えば3.3V)を印加し、スイッチSW2の一端に低電位の電源電圧VSS(例えば0V)を印加している。そして、スイッチSW1、SW2をオンオフ制御することにより、電源電圧VDDと電源電圧VSSとを出力端子33から選択的に出力する。
第2駆動回路32は、スイッチSW3とスイッチSW4を直列に接続し、スイッチSW3の一端に電源電圧VDDを印加し、スイッチSW4の一端に電源電圧VSSを印加している。そして、スイッチSW3、SW4をオンオフ制御することにより、電源電圧VDDと電源電圧VSSとを出力端子34から選択的に出力する。
次に、図1の電圧検出回路4の具体的な構成について、図4を参照して説明する。
電圧検出回路4は、図4に示すように、後述の入力電圧を積分する積分回路41と、後述の入力電圧を積分する積分回路42と、積分回路41の出力電圧と積分回路42の出力電圧との差分を求める演算をする減算回路43と、2つの入力端子44、45と、を備えている。
積分回路41は、図4に示すように、オペアンプOP1と、積分コンデンサCfと、スイッチSW6と、を備えている。
オペアンプOP1の反転入力端子(−)には入力電圧が入力され、オペアンプOP1の非反転入力端子(+)には電圧VCOM(VDD/2)が印加される。また、オペアンプOP1の反転入力端子と出力端子との間には、積分コンデンサCfとスイッチSW6との並列回路が接続されている。
積分回路42は、図4に示すように、オペアンプOP2と、積分コンデンサCfと、スイッチSW5と、を備えている。
オペアンプOP2の反転入力端子には入力電圧が入力され、オペアンプOP2の非反転入力端子には電圧VCOM(VDD/2)が印加される。また、オペアンプOP2の反転入力端子と出力端子との間には、積分コンデンサCfとスイッチSW5との並列回路が接続されている。
減算回路43は、図4に示すように、オペアンプOP3と、4つの抵抗R1〜R4と、を備えている。
オペアンプOP3の反転入力端子には、積分回路42の出力が抵抗R2を介して供給され、オペアンプOP3の非反転入力端子には、積分回路41の出力が抵抗R1を介して供給される。また、オペアンプOP3の非反転入力端子は、抵抗R3を介してVCOM(VDD/2)に接続されている。そして、オペアンプOP2の反転入力端子と出力端子との間には、帰還抵抗として抵抗R4が接続されている。
次に、駆動回路3および電圧検出回路4の動作について、図5および図6を参照して説明する。
駆動回路3および電圧検出回路4は、図5に示すように、「状態1」の動作(充電動作)と「状態2」の動作(電荷−電圧変換動作)を一つの動作とし、これを繰り返す。
「状態1」では、駆動回路3のスイッチSW1、SW4がオン、SW2、SW3がオフとなり、電圧検出回路4のスイッチSW5、SW6がオンになる。「状態2」では、駆動回路3のスイッチSW1、SW4がオフ、SW2、SW3がオンとなり、電圧検出回路4のスイッチSW5、SW6がオフとなる。
また、駆動回路3および電圧検出回路4は、図6に示すように、「状態1」〜「状態4」の動作を一つの動作とし、これを繰り返すようにしても良い。
図6の場合は、「状態1」および「状態2」では、スイッチSW1〜SW6は第1の動作と同様にオンオフ動作する。そして、「状態3」では、駆動回路3のスイッチSW1、SW4がオフ、SW2、SW3がオンとなり、電圧検出回路4のスイッチSW5、SW6がオンになる。「状態4」では、駆動回路3のスイッチSW1、SW4がオン、SW2、SW3がオフとなり、電圧検出回路4のスイッチSW5、SW6がオフになる。
このような「状態1」〜「状態4」の動作と、これに対応するスイッチSW1〜SW6のオンオフ状態をまとめると、図7のようになる。
図6に示す動作の場合には、状態1、2と状態3、4では、駆動回路3が同一の駆動ラインに極性の異なる電圧を印加することができ、電圧検出回路4は2回の測定を行うことができる(図8参照)。前記2回の測定の差をとることにより、低周波ノイズを除去する効果がある。
(実施形態の動作)
次に、実施形態の動作について、図面を参照して説明する。
まず、駆動回路3および電位検出回路4の動作について、図8を参照して説明する。
図8は、タッチパネル1のYラインY1、Y2が駆動回路3に接続され、タッチパネル1のXラインX1、X2が電圧検出回路4に接続された場合であり、XラインX1、X2とYラインY1、Y2の各交差部に形成される静電容量をC1〜C4とする。
そして、駆動回路3および電圧検出回路4は、図5に示すような「状態1」と「状態2」の動作を行う。
「状態1」の動作では、駆動回路3のスイッチSW1、SW4がオン、SW2、SW3がオフとなり、電圧検出回路4のスイッチSW5、SW6がオンになり、スイッチSW1〜SW6のオンオフ状態は図8に示すようになる。
このため、駆動回路3により、YラインY2には高電位の電源電圧VDD(例えば3.3V)が印加され、YラインY1には低電位の電源電圧VSS(例えば0V)が印加される。またスイッチSW5、SW6がオンになることにより、オペアンプOP1、OP2はボルテージフォロワとなり、X1、X2は電圧VCOMに駆動される。これにより、静電容量C1、C2が充電されるとともに静電容量C3、C4が充電される。
その後、「状態2」の動作では、駆動回路3のスイッチSW1、SW4がオフ、SW2、SW3がオンとなり、電圧検出回路4のスイッチSW5、SW6がオフとなる。このため、静電容量C1、C2、C3、C4に充電された電荷の一部が積分回路41、42の積分コンデンサCfに移動し、オペアンプOP1の出力端子には、以下の(1A)式のような出力電圧Vout1が現れ、オペアンプOP2の出力端子には、以下の(1B)式のような出力電圧Vout2が現れる。
Vout1=VCOM+{(C1−C2)/Cf}×VDD・・・(1A)
Vout2=VCOM+{(C3−C4)/Cf}×VDD・・・(1B)
オペアンプOP3では、オペアンプOP1の出力電圧とオペアンプOP2の出力電圧の差を求める演算が行われる。この結果、電圧検出回路4の出力電圧Voutは、以下の(1C)式のようになる。
Vout=VCOM+{(C1−C2−C3+C4)/Cf}×VDD・・・(1C)
電圧検出回路4の出力電圧Voutは、図5に示すように、「状態2」の期間内の所定のタイミングでA/D変換される。
次に、実施形態において、タッチパネル1のタッチ位置を検出する場合の動作について、図1、図2などを参照して説明する。
実施形態では、タッチパネル1のタッチ位置の検出のときの動作手順(駆動と検出の手順の組み合わせ)に従って予め定めてある、選択回路2の選択と接続の制御に係るデータが、メモリ10に予め格納されている。
すなわち、メモリ10には、例えば図14に示すように、予め定めてある駆動パターンおよび検出パターン1〜8に応じて作成した、選択回路2のスイッチ部21−1〜21−8およびスイッチ部22−1〜22−8のそれぞれのスイッチSW11〜SW15をオンオフ制御するための設定データが格納されている。
ここで、上記の検出パターン1〜8は、後述のようにアダマール変換行列に応じて定めたものである。
そして、タッチパネル1のタッチ位置の検出動作が開始されると、制御回路8は、選択回路2の所定動作の制御に必要な設定データをメモリ10から読み出すためのアドレスの生成を、アドレス生成回路9に指示する。この指示により、アドレス生成回路9はそのアドレスを生成し、この生成アドレスにより必要な設定データが、メモリ10からラッチ11に読み出される。
ラッチ11に記憶される設定データに応じて、選択回路2は、タッチパネル1のYラインY1〜Y8のうち、予め定めてある2つのラインを駆動ラインとして選択する。この例では、駆動ラインとしてYラインY1、Y2を選択し、この選択したYラインY1、Y2を駆動回路3と接続する。この場合には、デコーダ24−1がスイッチ部22−1のスイッチSW13をオンとし、デコーダ24−2がスイッチ部22−2のスイッチSW14をオンとする(図2参照)。
また、選択回路2は、ラッチ11に記憶される設定データに応じて、タッチパネル1のXラインX1〜X8のうちの一部を第1の検出ラインとして選択して電圧検出回路4の一方の入力端子と接続し、XラインX1〜X8のうちの残りを第2の検出ラインとして選択して電圧検出回路4の他方の入力端子と接続する。
ここで、メモリ10に図14に示す設定データが格納されており、例えば4番地の設定データが読み出された場合について説明する。ここで、4番地の設定データは、検出パターン5の動作に対応する(図10(A)参照)。
この場合には、デコーダ24−1に設定データ「1:(001)」が入力され、デコーダ24−2に設定データ「2:(010)」が入力される。このため、デコーダ24−1がスイッチ部22−1のスイッチSW13をオンとし、デコーダ24−2がスイッチ部22−2のスイッチSW14をオンとする。
このため、YラインY2が駆動回路3の出力端子33と接続され、YラインY1が駆動回路3の出力端子34と接続される。
また、デコーダ23−1〜23−4のそれぞれには、設定データ「5:(101)」が入力されるので、スイッチ部21−1〜21−4のスイッチSW11をオンとする。さらに、デコーダ23−5〜23−8のそれぞれには、設定データ「6:(110)」が入力されるので、スイッチ部21−5〜21−8のスイッチSW12をオンとする。
このため、XラインX1〜X4が電圧検出回路4の入力端子44に接続され、XラインX5〜X8が電圧検出回路4の入力端子45に接続される。
図9(A)〜(D)および図10(E)〜(H)は、アダマール変換行列に応じて定めた8つの検出パターン1〜8と、これらの検出パターンに応じたXラインX1〜X8と電圧検出回路4との接続状態を示している。
例えば、図9(A)に示す検出パターン1の場合には、XラインX1〜X8が電圧検出回路4の一方の入力端子に接続され、電圧検出回路4の他方の入力端子はVCOMに接続される。また、図9(B)に示す検出パターン2の場合には、XラインX1、X3、X5、X7が電圧検出回路4の一方の入力端子に接続され、XラインX2、X4、X6、X8が電圧検出回路4の他方の入力端子は接続される。
なお、図9および図10における符号C1〜C8は、YラインY2と、XラインX1〜X8との各交差部に形成される静電容量であり、符号C9〜C16は、YラインY1と、XラインX1〜X8との各交差部に形成される静電容量である。
図9(A)に示す検出パターン1の場合には、電圧出力回路4の出力電圧D1は次のようになる。
D1=VCOM+{(C1+C2+C3+C4+C5+C6+C7+C8−C9−C10−C11−C12−C13−C14−C15−C16)/Cf}×VDD
図9、図10で示した検出パターンによる出力電圧Dnは、次の(1D)式で表すことができる。
Figure 0005426633
また、図9および図10における符号「+」と「−」は、「+」がsk=+1であることを意味し、「−」がsk=−1であることを意味する。
次に、上記の検出パターン1〜8ごとに、駆動回路3および電圧検出回路4は、図5に示す「状態1」と「状態2」の動作を行い、電圧検出回路4はその検出パターンに応じた電位差を検出し、この検出電圧を出力電圧として出力する。
電圧検出回路4が、上記の検出パターン1〜8に応じて8つの電位差をそれぞれ検出する演算処理は、次の(2)式で表すことができる。
Figure 0005426633
(2)式において、D1〜D8は、8つの検出パターン1〜8に応じて得られる電圧検出回路4の出力電圧(検出電圧)である。右辺の変換行列は、アダマール変換行列である。C1〜C8は、YラインY2とXラインX1〜X8との間の容量である。C9〜C16は、YラインY1とXラインX1〜X8との間の静電容量である。
アダマール変換行列の8つの各行は、上記の8つの検出パターン1〜8に相当する。また、各行の1、−1とは、各検出パターンのXラインX1〜X8と電圧検出回路4の接続状態に対応する。
電圧検出回路4の出力電圧D1〜D8は、図5の「状態2」の動作の所定のタイミングにおいて、A/D変換回路5でそれぞれA/D変換される。このA/D変換された各出力電圧D1〜D8は、容量算出回路6に順次記憶される。そして、出力電圧D1〜D8の記憶が完了すると、容量算出回路6は、記憶した出力電圧D1〜D8と変換行列であるアダマール変換行列とに基づき、静電容量差(C1−C9)、(C2−C10)・・・(C8−C16)をそれぞれ算出する演算を行う。
この容量算出回路6が行う演算処理は、次の(3)式で表すことができる。
Figure 0005426633
タッチ位置検出回路7は、容量算出回路6が算出した静電容量値(C1−C9)、(C2−C10)・・・(C8−C16)に基づいて、タッチパネル1の位置を検出する。
以上の動作は、タッチパネル1上のタッチ位置を1次元的な動作により検出する例であるが、タッチパネル1上のタッチ位置を2次元的な動作により検出する場合には、上記の動作を繰り返すことになる。
この場合には、駆動パターンに応じて選択回路2がYラインY1〜Y8と駆動回路3との接続を順次変更し、この変更ごとに、電圧検出回路4が、上記の検出パターン1〜8に応じて8つの電圧を検出する演算処理を行う。
以上のように、実施形態では、選択回路2やメモリ10を備え、メモリ10には、予め定めてある駆動パターンおよび検出パターン1〜8に応じて作成した、選択回路2のスイッチ部21−1〜21−8およびスイッチ部22−1〜22−8のそれぞれのスイッチSW11〜SW15をオンオフ制御するための設定データを格納するようにした。
このため、実施形態によれば、タッチパネル1とは独立の信号処理回路13を設計するときに、タッチパネル1上に配置される外部接続端子1−1〜1−8および1−11〜1−18の配置位置を考慮あるいは意識することなく設計することができる。
また、実施形態では、電圧検出回路4が、第1〜第8の検出パターンに応じた演算処理を行なって出力電圧D1〜D8をそれぞれ得るようにし、その各出力電圧D1〜D8を得るときに差動増幅を行うようにした。このため、その出力電圧D1〜D8を得るときにノイズを軽減できる上に、S/Nの向上を図ることができる。
さらに、実施形態では、電圧検出回路4が出力電圧D1〜D8を得るために、タッチパネル1のライン間に形成される静電容量をオフセット調整用のコンデンサとして使用するようにしたので、かかるコンデンサを特に設ける必要がない。
本発明のタッチセンサの信号処理回路は、タッチセンサに適用できる上に、そのタッチセンサを含む表示装置にも適用することができる。
1・・・タッチパネル
2・・・選択回路
3・・・駆動回路
4・・・電圧検出回路
5・・・A/D変換回路
6・・・容量算出回路
7・・・タッチ位置検出回路
8・・・制御回路
9・・・アドレス生成回路
10・・・メモリ
11・・・ラッチ
13・・・信号処理回路
21−1〜21−8、22−1〜22−8・・・スイッチ部
23−1〜23−8、24−1〜24−8・・・デコーダ
25〜29・・・接続ライン
SW1〜SW6・・・スイッチ
SW11〜SW15・・・スイッチ

Claims (5)

  1. 複数の第1のラインと、前記複数の第1のラインと絶縁層を介して交差するように配置される複数の第2のラインと、を備えるタッチパネルを含むタッチセンサの信号処理回路であって、
    駆動ラインに電圧を供給する駆動部と、
    検出ライン上の電圧を検出する電圧検出部と、
    タッチパネルのタッチ位置の検出のときの動作手順に従って予め定めてあるラインの選択と接続に係る設定データを基に、前記複数の第1のラインおよび前記複数の第2のラインのうちから、予め定められたラインを前記駆動ラインとして選択して前記駆動部と接続し、かつ、前記設定データを基に、前記複数の第1のラインおよび前記複数の第2のラインのうちから、予め定められたラインを前記検出ラインとして選択して前記電圧検出部と接続する選択部と、
    前記設定データを格納するメモリと、
    前記メモリに格納する設定データを読み出して前記選択部に出力する制御部と、
    を備え
    前記選択部は、
    前記複数の第1のラインごとに設けた複数の第1のスイッチ部と、
    前記複数の第2のラインごとに設けた複数の第2のスイッチ部と、
    を備え、
    前記複数の第1のスイッチ部のそれぞれは、
    前記第1のラインと前記駆動部と接続する第1のスイッチと、
    前記第1のラインと前記電圧検出部と接続する第2のスイッチと、
    を備え、
    前記複数の第2のスイッチ部のそれぞれは、
    前記第2のラインと前記駆動部と接続する第3のスイッチと、
    前記第2のラインと前記電圧検出部と接続する第4のスイッチと、
    を備えることを特徴とするタッチセンサの信号処理回路。
  2. 前記複数の第1のスイッチ部のそれぞれは、前記第1のラインとグランドとを接続する第5のスイッチをさらに備え、
    前記複数の第2のスイッチ部のそれぞれは、前記第2のラインとグランドとを接続する第6のスイッチをさらに備えることを特徴とする請求項に記載のタッチセンサの信号処理回路。
  3. 前記選択部は、
    前記複数の第1のスイッチ部ごとに設けた複数の第1デコーダと、
    前記複数の第2のスイッチ部ごとに設けた複数の第2デコーダと、
    をさらに備え、
    前記複数の第1デコーダのそれぞれは、前記設定データにしたがって前記第1のスイッチと前記第2のスイッチを選択的にオンし、
    前記複数の第2デコーダのそれぞれは、前記設定データにしたがって前記第3のスイッチと前記第4のスイッチを選択的にオンすることを特徴とする請求項または請求項に記載のタッチセンサの信号処理回路。
  4. 前記メモリは、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ、および前記第4のスイッチのそれぞれをオンオフ制御するデータが格納されていることを特徴とする請求項乃至請求項のうちのいずれか1項に記載のタッチセンサの信号処理回路。
  5. 請求項1乃至請求項のうちのいずれか1項に記載のタッチセンサの信号処理回路を備えることを特徴とするタッチセンサ。
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