JP5264420B2 - オレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡体を形成するのに有用な帯電防止性を有するオレフィン系樹脂組成物、この樹脂組成物で形成された発泡体、及びこの発泡体の製造方法に関する。
オレフィン系樹脂発泡体は、柔軟性などに優れる特性を有しており、種々の分野において広く検討されている。例えば、ポリエチレン系樹脂に帯電防止性を付与するために、グリセリン脂肪酸エステルなどの帯電防止剤が使用されている。
例えば、特開2005−8667号公報(特許文献1)には、JIS K6922−1で測定した密度が880〜930kg/mの範囲であり、JIS K6922−1によるメルトフローレートが5〜100g/10分の範囲であるメタロセン触媒により重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体(A)50〜99重量%と、JIS K6922−1で測定した密度が910〜935kg/mの範囲であり、JIS K6922−1によるメルトフローレートが0.5〜10g/10分の範囲である高圧ラジカル重合法で得られる低密度ポリエチレン(B)1〜50重量%とを含むエチレン系樹脂組成物100重量部に対し、帯電防止剤(C)として、(a)モノグリセリン脂肪酸エステル0.03〜0.7重量部、(b)ポリグリセリン脂肪酸エステル0.03〜0.7重量部、及び(c)ポリオキシエチレンエーテル0〜0.2重量部が配合された押出ラミネート用樹脂組成物が開示されている。
また、特開平11−140227号公報(特許文献2)には、アルキル基の炭素数が7〜13の脂肪酸ジエタノールアミド40〜80重量部と、アルキル基の炭素数が15〜21の脂肪酸エステル60〜20重量部とを含む帯電防止剤が開示されている。この文献には、帯電防止剤は、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂の帯電防止剤として好適であることが記載されている。
しかし、これらの文献では、ポリエチレン樹脂を用いるため、成形体の剛性が低下する。また、帯電防止剤がブリードアウトして成形体のべたつきや白化が生じ、外観特性が低下する。この問題を解決するために、少なくとも環状オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂及び環状オレフィン系樹脂)を含む樹脂組成物が検討されている。
しかし、環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物では、グリセリン脂肪酸エステルなどの帯電防止剤を用いると、発泡体を形成後、帯電防止性を発揮するまで、長時間(約2日)を要する。さらに、低湿度下では、帯電防止性が不十分である。特に、発泡成形に、ブタン、ペンタンなどの可燃性発泡剤を用いると、発泡成形の過程で発火しやすいため、発火を防止するために帯電防止剤を用いる必要がある。しかし、発泡成形などの低湿度の条件下では、帯電防止性を発揮するのが困難である。
特開2005−8667号公報(請求項1) 特開平11−140227号公報(請求項1、段落番号[0013])
従って、本発明の目的は、発泡体形成後、早期に帯電防止性を発揮するとともに、低湿度下であっても、長期にわたって帯電防止性を発揮するオレフィン系樹脂組成物、この樹脂組成物で形成された発泡体、及びこの発泡体の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、帯電防止剤が少量であっても、高い帯電防止性を維持できるオレフィン系樹脂組成物、この樹脂組成物で形成された発泡体、及びこの発泡体の製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、高い帯電防止性を発揮できるとともに、成形時に発火を防止できるオレフィン系樹脂組成物、この樹脂組成物で形成された発泡体、及びこの発泡体の製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、べたつきや白化が抑制され、外観特性に優れた発泡体、及びこの発泡体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、少なくとも環状オレフィン系樹脂を含むオレフィン系樹脂、及び特定の帯電防止剤を組み合わせると、発泡体形成後、早期に帯電防止性を発揮するとともに、低湿度下であっても、長期にわたって帯電防止性を発揮することを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明のオレフィン系樹脂組成物は、少なくとも環状オレフィン系樹脂を含むオレフィン系樹脂、及び帯電防止剤を含む樹脂組成物であって、前記帯電防止剤が、グリセリン脂肪酸エステルと、ポリグリセリン脂肪酸エステルと、活性水素原子を有する疎水性化合物のエチレンオキサイド付加体及び/又は窒素原子にアルキル基が結合していてもよいジエタノールアミン脂肪酸エステルとを含む。前記環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィンと鎖状オレフィンとの共重合体であって、環状オレフィン系樹脂の環状オレフィン含有量が、環状オレフィン系樹脂全体に対して、60〜85モル%程度であってもよい。前記ポリエチレン系樹脂は、低密度ポリエチレンであってもよい。前記オレフィン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂及び環状オレフィン系樹脂を含んでいてもよい。オレフィン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂及び環状オレフィン系樹脂を含んでいると、柔軟性及び剛性を両立できる。ポリエチレン系樹脂と環状オレフィン系樹脂との割合(重量比)は、前者/後者=5/95〜95/5程度であってもよい。前記活性水素原子を有する疎水性化合物のエチレンオキサイド付加体は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルであってもよい。前記窒素原子にアルキル基が結合していてもよいジエタノールアミン脂肪酸エステルは、N−アルキル−N,N−ジエタノールアミン脂肪酸エステルであってもよい。前記帯電防止剤の割合は、オレフィン系樹脂100重量部に対して、0.5〜50重量部程度であってもよい。ポリグリセリン脂肪酸エステル、及び活性水素原子を有する疎水性化合物のエチレンオキサイド付加体及び/又は窒素原子にアルキル基が結合していてもよいジエタノールアミン脂肪酸エステルの総量100重量部に対して、グリセリン脂肪酸エステルの割合は、30〜200重量部程度であってもよい。活性水素原子を有する疎水性化合物のエチレンオキサイド付加体及び/又は窒素原子にアルキル基が結合していてもよいジエタノールアミン脂肪酸エステルの総量100重量部に対して、ポリグリセリン脂肪酸エステルの割合は、10〜100重量部程度であってもよい。活性水素原子を有する疎水性化合物のエチレンオキサイド付加体と、窒素原子にアルキル基が結合していてもよいジエタノールアミン脂肪酸エステルとの割合(重量比)は、前者/後者=10/90〜90/10程度であってもよい。前記樹脂組成物は、発泡剤で発泡する樹脂組成物であってもよい。
本発明には、前記樹脂組成物で形成された発泡体も含まれる。前記発泡体の帯電電位は、−3kV〜3kVであってもよい。前記発泡体の発泡倍率は、10〜160倍程度であってもよい。
本発明には、前記樹脂組成物を発泡成形して、前記発泡体を製造する方法も含まれる。
本発明のオレフィン系樹脂組成物では、少なくとも環状オレフィン系樹脂を含むオレフィン系樹脂、及び特定の帯電防止剤を含むため、発泡体形成後、早期に帯電防止性を発揮するとともに、低湿度下であっても、長期にわたって帯電防止性を発揮する。さらに、帯電防止剤が少量であっても、高い帯電防止性を維持することができる。さらにまた、高い帯電防止性を発揮できるとともに、成形時に発火を防止できる。前記樹脂組成物は、特定の帯電防止剤の組合せにより、ブリードアウトを抑制できるためか、べたつきや白化が抑制され、外観特性に優れた発泡体を形成できる。
本発明のオレフィン系樹脂組成物は、少なくとも環状オレフィン系樹脂を含むオレフィン系樹脂、及び帯電防止剤を含む。
[オレフィン系樹脂]
オレフィン系樹脂としては、環状オレフィン系樹脂、鎖状オレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)などが挙げられ、少なくとも環状オレフィン系樹脂を含んでいる。
(環状オレフィン系樹脂)
環状オレフィン系樹脂は、環内にエチレン性二重結合を有する重合性の環状オレフィンを少なくとも重合成分とする樹脂であればよい。環状オレフィンは、単環式オレフィンであってもよく、多環式オレフィンであってもよい。
代表的な環状オレフィンとしては、例えば、シクロアルケンなどの単環式オレフィン;ノルボルネン類、シクロペンタジエン類又はジシクロペンタジエン類、ノルボルネン類とシクロペンタジエンとの縮合により得られる1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン類、ヘキサシクロ[6.6.1.1.1.0.0]ヘプタデセン−4類、1−ブテンとシクロペンタジエンとから合成される6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどの多環式オレフィンが例示できる。
また、環状オレフィンは、置換基{例えば、炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、メチル基などのC1−10アルキル基、好ましくはC1−5アルキル基)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基などのC5−10シクロアルキル基)、アリール基(例えば、フェニル基などのC6−10アリール基)、アルケニル基(例えば、プロペニル基などのC2−10アルケニル基など)、シクロアルケニル基(例えば、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などのC5−10シクロアルケニル基など)、アルキリデン基(例えば、エチリデン基などのC2−10アルキリデン基、好ましくはC2−5アルキリデン基など)など]、アルコキシ基(例えば、メトキシ基などのC1−10アルコキシ基、好ましくはC1−6アルコキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基などのC2−5アシル基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基などのC1−10アルコキシ−カルボニル基)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基(=O)、複素環基(ピリジル基などの窒素原子含有複素環基など)など}を有していてもよい。環状オレフィンは、単独で又は二種以上組み合わせて置換基を有していてもよい。
具体的な環状オレフィンとしては、単環式オレフィン[例えば、シクロアルケン(例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどのシクロC3−10アルケンなど)など、シクロアルカジエン(例えば、シクロペンタジエンなどのシクロC3−10アルカジエン)など];二環式オレフィン{例えば、ビシクロアルケン[例えば、ノルボルネン類(例えば、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,5又は5,6−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5,6−ジメトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5,6−ジ(トリフルオロメチル)−2−ノルボルネン、7−オキソ−2−ノルボルネンなど)などのC4−20ビシクロアルケンなど]、ビシクロアルカジエン[例えば、ノルボルナジエン類(例えば、2,5−ノルボルナジエン、5−メチル−2,5−ノルボルナジエン、5−シアノ−2,5−ノルボルナジエン、5−メトキシカルボニル−2,5−ノルボルナジエン、5−フェニル−2,5−ノルボルナジエン、5,6−ジメチル−2,5−ノルボルナジエン、5,6−ジ(トリフルオロメチル)−2,5−ノルボルナジエン、7−オキソ−2−ノルボルナジエンなど)など]など}、三環式オレフィン{例えば、トリシクロアルケン[例えば、ジヒドロジシクロペンタジエン類(ジヒドロジシクロペンタジエンなど)などのC6−25トリシクロアルケンなど]、トリシクロアルカジエン[例えば、ジシクロペンタジエン類(ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエンなど)、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,7−ジエン、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,8−ジエンなどのC6−25トリシクロアルカジエンなど]など}、四環式オレフィン[例えば、テトラシクロアルケン(例えば、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンなどのC8−30テトラシクロアルケンなど)など]、五環式オレフィン[例えば、ペンタシクロアルカジエン(例えば、トリシクロペンタジエンなどのC10−35ペンタシクロアルカジエン)など]、六環式オレフィン[例えば、ヘキサシクロアルケン(例えば、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘプタデセンなどのC12−40ヘキサシクロアルケン)など]などの多環式オレフィンなどが挙げられる。
これらの環状オレフィンは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの環状オレフィンのうち、多環式オレフィン(特に、ノルボルネン類などの二環式オレフィン)が好ましい。
環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィンの単独又は共重合体(例えば、単環式オレフィンと多環式オレフィンとの共重合体など)であってもよく、環状オレフィンと共重合可能なモノマーとの共重合体であってもよい。
共重合可能なモノマーとしては、環状オレフィンと共重合可能な限り特に限定されず、鎖状オレフィン(エチレン、1−プロピレン、1−ブテンなどのC3−20α−直鎖状オレフィン;3−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテンなどのC3−20α−分岐鎖状オレフィンなど);アルカジエン(1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役アルカジエン、ブタジエン、イソプレンなどの共役アルカジエンなど);エチレン系不飽和カルボン酸及びその酸無水物[(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸など];(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸アルキルエステル、グリシジル(メタ)アクリレートなど];飽和カルボン酸ビニルエステル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど)などが挙げられる。これらの共重合可能なモノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの共重合可能なモノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。共重合可能なモノマーのうち、鎖状オレフィン(エチレンなどの直鎖状オレフィンなど)などが好ましい。
また、環状オレフィンの共重合体は、通常、ランダム共重合体又は交互共重合体である。
環状オレフィン系共重合体において環状オレフィン(特に、ノルボルネンなどの二環式オレフィン)単位の割合(環状オレフィン含有量)は、環状オレフィン系樹脂全体に対して、40〜100モル%程度の範囲から選択でき、例えば、60〜85モル%、好ましくは65〜83モル%、さらに好ましくは70〜80モル%程度であってもよい。
好ましい環状オレフィン系樹脂としては、環状オレフィンと鎖状(直鎖状又は分岐鎖状)オレフィンとの共重合体、例えば、多環式オレフィン(二乃至六環式オレフィンなど)と鎖状オレフィンとの共重合体[二環式オレフィンと鎖状オレフィンとの共重合体(特に、ノルボルネン類とエチレンとの共重合体など)など]などが挙げられる。
環状オレフィン系樹脂の数平均分子量は、例えば、5,000〜300,000、好ましくは10,000〜200,000、さらに好ましくは20,000〜150,000(特に、30,000〜120,000)程度であってもよい。
前記環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度は、40〜180℃(例えば、45〜175℃)、好ましくは60〜170℃(例えば、65〜165℃)、さらに好ましくは70〜160℃(例えば、80〜155℃)、特に、90〜150℃(例えば、100〜145℃)程度であり、通常、60〜180℃程度である。環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が低すぎると、剛性などの機械的特性が低下し、ガラス転移温度が高すぎると弾性が低下する。
環状オレフィン系樹脂は、付加重合により得られた樹脂であってもよく、開環重合(開環メタセシス重合など)により得られた樹脂であってもよい。また、環状オレフィン系樹脂(例えば、開環メタセシス重合により得られた樹脂など)は、水素添加された水添樹脂であってもよい。また、環状オレフィン系樹脂は、結晶性又は非晶性樹脂であってもよく、通常、非晶性樹脂であってもよい。なお、環状オレフィン系樹脂は、慣用の重合方法(例えば、チーグラー型触媒を用いた付加重合、メタロセン系触媒を用いた付加重合、メタセシス重合触媒を用いた開環メタセシス重合など)により調製してもよい。
(ポリエチレン系樹脂)
前記オレフィン系樹脂は、さらにポリエチレン系樹脂を含んでいてもよい。ポリエチレン系樹脂としては、エチレンの単独又は共重合体が挙げられる。エチレンの単独重合体としては、ポリエチレン[低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)など]などが挙げられる。前記エチレンの単独重合体は、単独で又は組み合わせて使用してもよい。
前記ポリエチレン系樹脂は、エチレンと共重合可能なモノマーとの共重合体であってもよい。前記共重合可能なモノマーとしては、環状オレフィン系樹脂の項で例示の共重合可能なモノマー(ただし、エチレンを除く)などが挙げられる。これらの共重合可能なモノマーのうち、鎖状オレフィン(1−プロピレン、1−ブテンなどの直鎖状オレフィンなど)などを用いる場合が多い。
エチレンの共重合体は、通常、ランダム共重合体又は交互共重合体である。
前記ポリエチレン系樹脂のエチレン単位の割合(エチレン含有量)は、ポリエチレン系樹脂全体に対して、50モル%以上(例えば、60〜100モル%程度)、好ましくは70モル%以上(例えば、80〜99モル%程度)、さらに好ましくは90モル%以上(例えば、95〜98モル%程度)であってもよい。前記ポリエチレン系樹脂のエチレン含有量は、特に、95〜100モル%(例えば、97〜100モル%程度)であるのが好ましい。
これらのポリエチレン系樹脂のうちポリエチレン[低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)など]などが好ましい。これらのポリエチレン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
ポリエチレン系樹脂の数平均分子量は、8,000〜300,000、好ましくは10,000〜200,000、さらに好ましくは15,000〜100,000程度であってもよい。前記ポリエチレン系樹脂の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)において、測定温度140℃で、溶媒としてオルトジクロロベンゼンを用いて測定した値である。
前記ポリエチレン系樹脂の融点又は軟化点は、70〜120℃、好ましくは80〜110℃、さらに好ましくは90〜100℃(特に、95〜100℃)程度であってもよい。
また、温度190℃、荷重21.2Nの条件下、ポリエチレン系樹脂のメルトフローレートは、例えば、0.2〜5g/10分、好ましくは0.25〜4.5g/10分、さらに好ましくは0.3〜4g/10分程度であってもよい。
前記ポリエチレン系樹脂と前記環状オレフィン系樹脂との割合(重量比)は、ポリエチレン系樹脂/環状オレフィン系樹脂=0/100〜95/5の範囲から選択でき、例えば、5/95〜95/5、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましく15/85〜85/15(例えば、20/80〜80/20)程度であってもよい。
前記オレフィン系樹脂がポリエチレン系樹脂及び環状オレフィン系樹脂を含む場合、高い相溶性を有するため、相溶化剤(例えば、環状オレフィン単量体又は環状オレフィン重合体がグラフト重合したポリエチレン系樹脂など)は、必ずしも必要ではないが、含んでいてもよい。
[帯電防止剤]
帯電防止剤は、グリセリン脂肪酸エステルと、ポリグリセリン脂肪酸エステルと、活性水素原子を有する疎水性化合物のエチレンオキサイド付加体及び/又は窒素原子にアルキル基が結合していてもよいジエタノールアミン脂肪酸エステルとを含む。
グリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸としては、飽和又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。なお、脂肪酸には、脂肪酸を含む成分、例えば、脂肪酸を主成分(例えば、50重量%以上)として含む成分(例えば、ヤシ油などの油脂など)も含まれる。脂肪酸は、C6−40脂肪酸(例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、モンタン酸などのC8−26飽和脂肪酸、オレイン酸、エルカ酸などのC8−26不飽和脂肪酸など)、好ましくはC8−24脂肪酸、さらに好ましくはC10−22飽和又は不飽和脂肪酸(例えば、C10−20飽和又は不飽和脂肪酸)、特にC10−18飽和又は不飽和脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸又はこれらの混合物(ヤシ油脂肪酸など)、オレイン酸などの不飽和脂肪酸など)などであってもよい。これらの脂肪酸のうち、ラウリン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸などのC10−20飽和脂肪酸などを用いる場合が多い。
グリセリン脂肪酸エステルは、トリグリセリドであってもよいが、通常、モノグリセリド又はジグリセリドである場合が多い。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、グリセリンモノ又はジC8−26飽和又は不飽和脂肪酸エステル(グリセリンモノ又はジカプリル酸エステル、グリセリンモノ又はジラウリン酸エステル、グリセリンモノ又はジステアリン酸エステル、グリセリンモノ又はジベヘン酸エステル、グリセリンモノ又はジオレイン酸エステルなど)などが挙げられる。これらのグリセリン脂肪酸エステルは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのグリセリン脂肪酸エステルのうち、グリセリンモノラウリン酸エステルなどのグリセリンモノC10−20飽和脂肪酸などを用いる場合が多い。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸としては、前記グリセリン脂肪酸エステルの項で例示された飽和又は不飽和脂肪酸が使用できる。これらの脂肪酸のうち、ラウリン酸などのC10−20飽和脂肪酸などを用いる場合が多い。ポリグリセリンの平均重合度は、2以上(例えば、2〜30程度)、好ましくは2〜20、さらに好ましくは2〜15(特に、2〜10)程度であってもよい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ジグリセリン脂肪酸エステル(ジグリセリンモノカプリル酸エステル、ジグリセリンモノラウリン酸エステル、ジグリセリンモノパルミチン酸エステル、ジグリセリンモノステアリン酸エステルなど)、トリグリセリン脂肪酸エステル(トリグリセリンモノラウリン酸エステル、トリグリセリンジステアリン酸エステルなど)、テトラグリセリン脂肪酸エステル(テトラグリセリンモノカプリル酸エステル、テトラグリセリンモノラウリン酸エステル、テトラグリセリンジパルミチン酸エステル、テトラグリセリンモノステアリン酸エステルなど)、デカグリセリン脂肪酸エステル(デカグリセリンジラウリン酸エステル、デカグリセリンジステアリン酸エステルなど)などの重合度2〜15程度のポリグリセリンとC8−20飽和又は不飽和脂肪酸とのエステル類などが挙げられる。これらのポリグリセリン脂肪酸エステルは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのポリグリセリン脂肪酸エステルのうち、ジグリセリンモノラウリン酸エステルなどの重合度2〜10程度のポリグリセリンとC8−20飽和脂肪酸とのエステル類などを用いる場合が多い。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの平均エステル化度は、5〜70%、好ましくは10〜60%、さらに好ましくは20〜50%程度であってもよい。
活性水素原子を有する疎水性化合物のエチレンオキサイド付加体において、活性水素原子を有する疎水性化合物としては、例えば、高級アルコール(ラウリルアルコールなどのC8−24アルコールなど)、芳香族ヒドロキシ化合物(フェノール類、アルキルフェノール類など)、ヒドロキシル基を有する多価アルコール脂肪酸エステル、ヒドロキシル基を有する油脂(ヒマシ油、硬化ヒマシ油など)などが例示できる。なお、多価アルコール脂肪酸エステルにおいて、脂肪酸は単一の脂肪酸に限らず、複数の脂肪酸のエステル(混合脂肪酸エステル)であってもよい。
前記エチレンオキサイド付加体において、オキシエチレン単位の平均付加モル数は、例えば、2〜100、好ましくは2〜50、さらに好ましくは3〜30程度であってもよく、2〜10程度であってもよい。
前記エチレンオキサイド付加体としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル(好ましくはポリオキシエチレンC8−26アルキルエーテル、さらに好ましくはポリオキシエチレンC10−20アルキルエーテル);ポリオキシエチレンフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル(好ましくはポリオキシエチレンC6−10アリールエーテルなど)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル(好ましくはポリオキシエチレンC4−26アルキルC6−10アリールエーテルなど);ポリオキシエチレングリセリンステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトールステアリン酸エステルなどのポリオキシエチレン鎖を有するC8−26脂肪酸エステル(好ましくはポリオキシエチレン鎖を有するC10−20脂肪酸エステルなど);ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヤシ油などのヒドロキシル基含有油脂のエチレンオキサイド付加体などが含まれる。これらの活性水素原子を有する疎水性化合物のエチレンオキサイド付加体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのエチレンオキサイド付加体のうち、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチレンC12−20アルキルエーテルなどを用いる場合が多い。
前記エチレンオキサイド付加体の数平均分子量は、例えば、150以上(例えば、150〜35,000)、好ましくは200〜30,000、さらに好ましくは200〜20,000程度である。
ジエタノールアミン脂肪酸エステルは、窒素原子にアルキル基が結合していてもよい。すなわち、ジエタノールアミン脂肪酸エステルは、N,N−ジエタノールアミン脂肪酸エステルであってもよく、N−アルキル−N,N−ジエタノールアミン脂肪酸エステルであってもよい。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、へキシル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基(ステアリル基)、ノナデシル基、エイコシル基などのC1−22アルキル基(好ましくはC4−20アルキル基、さらに好ましくはC8−20アルキル基など)などが挙げられる。これらのアルキル基うち、オクタデシル基などのC12−20アルキル基などを用いる場合が多い。
前記ジエタノールアミン脂肪酸エステルの脂肪酸としては、前記グリセリン脂肪酸エステルの項で例示された飽和又は不飽和脂肪酸が使用できる。これらの脂肪酸のうち、ラウリン酸、ステアリン酸などのC10−20飽和脂肪酸などを用いる場合が多い。
ジエタノールアミン脂肪酸エステルは、ジエタノールアミンモノ脂肪酸エステルであってもよく、ジエタノールアミンジ脂肪酸エステルであってもよい。
前記ジエタノールアミン脂肪酸エステルとしては、N,N−ジエタノールアミンモノ又はジラウリン酸エステル、N,N−ジエタノールアミンモノ又はジミリスチン酸エステル、N,N−ジエタノールアミンモノ又はジステアリン酸エステルなどのN,N−ジエタノールアミン脂肪酸エステル(例えば、N,N−ジエタノールアミンC6−24脂肪酸エステル、好ましくはN,N−ジエタノールアミンC10−20脂肪酸エステル);N−オクチル−N,N−ジエタノールアミンモノ又はジラウリン酸エステル、N−デシル−N,N−ジエタノールアミンモノ又はジミリスチン酸エステル、N−ドデシル−N,N−ジエタノールアミンモノ又はジステアリン酸エステルなどのN−アルキル−N,N−ジエタノールアミン脂肪酸エステル(例えば、N−C6−24アルキル−N,N−ジエタノールアミンC6−24脂肪酸エステル、好ましくはN−C10−20アルキル−N,N−ジエタノールアミンC10−20脂肪酸エステル)などが挙げられる。これらのジエタノールアミン脂肪酸エステルは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのジエタノールアミン脂肪酸エステルのうち、N−C10−20アルキル−N,N−ジエタノールアミンC16−20脂肪酸エステル(N−オクタデシル−N,N−ジエタノールアミンステアリン酸エステルなど)などを用いる場合が多い。
帯電防止剤の割合は、前記オレフィン系樹脂100重量部に対して、0.5〜50重量部(例えば、1〜45重量部)、好ましくは2〜40重量部、さらに好ましくは4〜38重量部程度であってもよい。また、帯電防止剤の割合は、少量であってもよく、前記オレフィン系樹脂100重量部に対して、2〜30重量部、好ましくは5〜25重量部、さらに好ましくは8〜20重量部程度であってもよい。帯電防止剤の割合が多すぎると、帯電防止剤がブリードアウトし、発泡体のべたつきが生じ、帯電防止剤の割合が少なすぎると、帯電防止性が低下する。
ポリグリセリン脂肪酸エステル、及び前記エチレンオキサイド付加体及び/又は前記ジエタノールアミン脂肪酸エステルの総量100重量部に対して、グリセリン脂肪酸エステルの割合は、30〜200重量部、好ましくは40〜150重量部、さらに好ましくは50〜120重量部程度であってもよい。前記割合では、べたつきや白化が抑制され、外観特性に優れた発泡体を形成できる。
前記エチレンオキサイド付加体及び/又は前記ジエタノールアミン脂肪酸エステルの総量100重量部に対して、ポリグリセリン脂肪酸エステルの割合は、10〜100重量部、好ましくは20〜95重量部、さらに好ましくは30〜90重量部(例えば、40〜85重量部)程度であってもよい。
前記エチレンオキサイド付加体と、前記ジエタノールアミン脂肪酸エステルとの割合(重量比)は、前者/後者=10/90〜90/10、好ましくは20/80〜80/20、さらに好ましくは30/70〜70/30程度であってもよい。
また、前記樹脂組成物は、高い緩衝性を有する発泡体を形成できるが、必要により、柔軟性、緩衝性などを高めるために、熱可塑性エラストマー(例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーなど)を含んでいてもよい。
さらに、前記樹脂組成物は、添加剤を含んでいてもよい。前記添加剤としては、安定剤[酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤など)、紫外線吸収剤、耐熱安定剤、耐候安定剤など]、有機又は無機充填剤(粉粒状又は繊維状補強剤を含む)、滑剤、離型剤、潤滑剤、着色剤(染料や顔料など)、表面平滑剤、収縮防止剤、発泡核剤、難燃剤、抗菌剤、防腐剤、防カビ剤、防虫剤、消臭剤などが挙げられる。これらの添加剤は単独で又は二種以上組み合わせてもよい。各添加剤の割合は、それぞれ、前記オレフィン系樹脂100重量部に対して、0.1〜30重量部、好ましくは0.15〜20重量部(例えば、0.2〜15重量部)、さらに好ましくは0.5〜10重量部程度であってもよい。なお、前記安定剤は、オレフィン系樹脂に対して、重量換算で1000ppm以下(例えば、1〜950ppm)、好ましくは50〜900ppm、さらに好ましくは100〜800ppm程度であってもよい。
前記樹脂組成物の形態は、特に制限されず、ペレット状などであってもよい。
[発泡体]
前記樹脂組成物は、前記オレフィン系樹脂、及び特定の帯電防止剤を組合せることにより、発泡体形成後、早期に帯電防止性を発揮するとともに、長期にわたって帯電防止性を発揮できるため、発泡体を形成するのに有用である。
前記発泡体の気泡構造は、連続気泡構造であってもよく、独立気泡構造であってもよい。
前記発泡体の独立気泡率は、例えば、85〜100%、好ましくは90〜100%(例えば、90〜99%)、さらに好ましくは93〜100%(例えば、93〜99%)程度であってもよい。
また、前記発泡体の発泡倍率は、例えば、10〜160倍、好ましくは30〜140倍、さらに好ましくは50〜120倍(特に、60〜100倍)程度であってもよい。
発泡体の密度(見掛密度)は、例えば、0.005〜0.1g/cm、好ましくは0.008〜0.08g/cm(例えば、0.009〜0.06g/cm)、さらに好ましくは0.01〜0.05g/cm(例えば、0.01〜0.03g/cm)程度であってもよい。
湿度50%RH、温度23℃の条件下で、前記発泡体の帯電電位は、−3kV〜3kV、好ましくは−2kV〜2.5kV、さらに好ましくは−1kV〜2kV程度であってもよく、通常、−1.5kV〜1.5kV(好ましくは−1kV〜1kV、さらに好ましくは−0.5kV〜0.8kV)程度であってもよい。
また、36%RHの低湿度、温度23℃の条件下であっても、前記発泡体の帯電電位は、前記同様の範囲から選択できる。
なお、発泡体形成直後(発泡体が口金から流出直後)(例えば、10〜20秒後)であっても、長時間経過後[30分以上(30分〜40日)経過後、特に、7日以上(例えば、7〜30日)経過後]であっても、前記発泡体は、前記範囲の帯電電位を維持することができる。
前記発泡体の形状は特に制限されず、例えば、棒状、紐状などの一次元的形状、シート状、フィルム状、二次元網目(ネット)状などの二次元的形状、ブロック状、板状、パイプ状などの三次元的形状であってもよい。
[発泡体の製造方法]
本発明の発泡体は、前記樹脂組成物を発泡成形して製造することができる。発泡体を製造する工程において、発泡剤を使用してもよい。
前記発泡剤としては、物理発泡に用いられる揮発性発泡剤や、化学発泡に用いられる分解性発泡剤などが挙げられる。揮発性発泡剤としては、例えば、不活性又は不燃性ガス(窒素、炭酸ガス、フロン、代替フロンなど)、水、可燃性物理発泡剤[例えば、脂肪族炭化水素(プロパン、n−ブタン、イソブタン、ペンタン(n−ペンタン、イソペンタンなど)、ヘキサン(n−ヘキサンなど)など)、芳香族炭化水素(トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(三塩化フッ化メタンなど)、エーテル類(ジメチルエーテル、石油エーテルなど)、ケトン類(アセトンなど)など]が挙げられる。また、分解性発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウムなどの無機炭酸塩又はその塩;クエン酸などの有機酸又はその塩(クエン酸ナトリウムなど);2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸アミドなどのアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジドなどのスルホニルヒドラジド化合物;N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DNPT)などのニトロソ化合物;テレフタルアジドなどのアジド化合物などが挙げられる。これらの発泡剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。本発明のオレフィン系樹脂組成物は、燃焼性が高い可燃性物理発泡剤(n−ブタン、イソブタン、ペンタンなど)を用いても、発火を抑制でき、早期に帯電防止性を発揮するとともに、低湿度下であっても、長期にわたって帯電防止性を発揮できる。
発泡剤の割合は、前記オレフィン系樹脂100重量部に対して、0.1〜40重量部、好ましくは0.3〜30重量部、さらに好ましくは0.5〜20重量部程度であってもよい。
なお、発泡剤は、前記樹脂組成物(樹脂ペレットなどを含む)に予め含有させてもよく、発泡成形過程で樹脂組成物に添加又は圧入してもよく、樹脂ペレット又はビーズに発泡剤を含浸してもよい。
通常、前記樹脂組成物を溶融混練し、発泡成形することにより、発泡体を得ることができる。溶融混練は、慣用の溶融混練機、例えば、一軸又はベント式二軸押出機などを用いて行うことができる。また、溶融混練に先だって、慣用の方法、例えば、混合機を用いて、オレフィン系樹脂と、他の成分(相溶化剤、発泡剤、発泡核剤、添加剤など)などとを予備混合してもよい。
発泡成形法としては、慣用の方法、例えば、押出成形法(例えば、Tダイ法、インフレーション法など)、射出成形法、ビーズ発泡成形法などが使用できる。
本発明のオレフィン系樹脂組成物は、発泡体形成後、早期に帯電防止性を発揮するとともに、低湿度下であっても、長期にわたって帯電防止性を発揮するため、種々の用途、例えば、食品用容器(弁当用容器、総菜用容器など);飲料などの液体充填用容器;電子部品用ケース(又はトレー)(例えば、電子部品用非導電性ケースなど);電化製品(テレビジョン、パーソナルコンピュータ、冷蔵庫など)、電気部品(モーター、制御機器部位など)、家具(テーブル、椅子、箪笥など)の緩衝材などに有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例では、下記の成分(A)〜(E)を用いた。
(A)ポリエチレン系樹脂(低密度ポリエチレン、住友化学工業(株)製、F101−1)
(B)環状オレフィン系樹脂
(B−1)環状オレフィン系樹脂(ポリプラスチックス(株)製、TOPAS 8007)
(B−2)環状オレフィン系樹脂(ポリプラスチックス(株)製、TOPAS 9506)
(B−3)環状オレフィン系樹脂(ポリプラスチックス(株)製、TOPAS 6013)
(C)グリセリン脂肪酸エステル(ステアリン酸モノグリセライドを25重量%の割合で含むLDPEマスターバッチ、理研ビタミン(株)製、ELB−348、ベース樹脂:低密度ポリエチレン(LDPE)、LDPEのメルトインデックス(MI):8)
(D)理研ビタミン(株)製、EAR−5(ジグリセリンモノラウリン酸エステル及びポリオキシエチレンアルキルエーテルを12重量%の割合で含むLDPEマスターバッチ、ジグリセリンモノラウリン酸エステル/ポリオキシエチレンアルキルエーテル(重量比)=50/50、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのアルキル基の炭素数:12〜13、ベース樹脂:LDPE、LDPEのメルトインデックス(MI):8)
(E)理研ビタミン(株)製、ESR−381(ジグリセリンモノラウリン酸エステル及びN−ドデシル−N,N−ジエタノールアミンモノステアリン酸エステルを15重量%の割合で含むLDPEマスターバッチ、ジグリセリンモノラウリン酸エステル/N−ドデシル−N,N−ジエタノールアミンモノステアリン酸エステル(重量比)=80/20、ベース樹脂:LDPE、LDPEのメルトインデックス(MI):8)
(F)発泡剤(ブタン/ペンタン(重量比)=50/50の混合発泡剤)。
実施例1〜7、9〜11、13〜16、参考例8、12及び比較例1〜2
ポリエチレン系樹脂及び/又は環状オレフィン系樹脂、及び発泡剤を表1〜表2に示す割合で用いて、押出機(口金16mmΦ)を使用して、断面花びら形状の棒状に押し出し、発泡体を得た。得られた発泡体を長さ20mmに切断して試験片を作製し、下記に従って評価した。
[見掛密度]
発泡体の見掛体積(cm)に対する発泡体の質量(g)で示した。
[発泡倍率]
発泡体の発泡倍率は、以下の式に基づいて算出した。
発泡倍率=樹脂組成物の密度/発泡体の密度。
[帯電電位]
湿度50%RH、温度23℃の条件下、静電気測定器(春日電機(株)製、KSD−013)を用いて、発泡体形成後(発泡体が口金から流出後)、15秒後、7日後、及び30日後の帯電電位を測定した。
[表面状態]
(べたつき)
発泡体形成後、湿度50%RH、温度40℃の条件下に3日間放置した後、発泡体の外観を目視で観察した。
○…べたつきなし
×…べたつきあり。
(白化)
発泡体形成後、湿度50%RH、温度40℃の条件下に3日間放置した後、発泡体の外観を目視で観察した。
○…表面の変色がない
×…表面の変色がある。
結果を表1及び表2に示す。
Figure 0005264420
Figure 0005264420
表1及び表2から明らかなように、比較例に比べ、実施例の発泡体は、形成後、早期に帯電防止性を発揮するとともに、低湿度下であっても、長期にわたって帯電防止性を発揮できた。さらに、帯電防止剤が少量であっても、帯電防止性を維持できた。さらにまた、べたつきや白化が抑制され、外観特性に優れていた。なお、36%RHの低湿度、温度23℃の条件下において、発泡体形成後24時間後に前記同様、帯電電位を測定したところ、実施例1では0.5kV、比較例1では10kVであった。

Claims (14)

  1. ポリエチレン系樹脂及び環状オレフィン系樹脂を含むオレフィン系樹脂、及び帯電防止剤を含むオレフィン系樹脂組成物で形成された発泡体であって、
    ポリエチレン系樹脂と環状オレフィン系樹脂との割合(重量比)が、前者/後者=5/95〜50/50であり、
    前記帯電防止剤が、グリセリン脂肪酸エステルと、ポリグリセリン脂肪酸エステルと、活性水素原子を有する疎水性化合物のエチレンオキサイド付加体及び/又は窒素原子にアルキル基が結合していてもよいジエタノールアミン脂肪酸エステルとを含み、かつ
    発泡倍率が50〜120倍である発泡体
  2. 環状オレフィン系樹脂が、環状オレフィンと鎖状オレフィンとの共重合体であって、環状オレフィン系樹脂の環状オレフィン含有量が、環状オレフィン系樹脂全体に対して、60〜85モル%である請求項1記載の発泡体
  3. ポリエチレン系樹脂が低密度ポリエチレンである請求項1又は2記載の発泡体
  4. ポリエチレン系樹脂と環状オレフィン系樹脂との割合(重量比)が、前者/後者=5/95〜3070である請求項1〜3のいずれかに記載の発泡体
  5. 活性水素原子を有する疎水性化合物のエチレンオキサイド付加体が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルである請求項1〜のいずれかに記載の発泡体
  6. 窒素原子にアルキル基が結合していてもよいジエタノールアミン脂肪酸エステルが、N−アルキル−N,N−ジエタノールアミン脂肪酸エステルである請求項1〜のいずれかに記載の発泡体
  7. 帯電防止剤の割合が、オレフィン系樹脂100重量部に対して、0.5〜50重量部である請求項1〜のいずれかに記載の発泡体
  8. ポリグリセリン脂肪酸エステル、及び活性水素原子を有する疎水性化合物のエチレンオキサイド付加体及び/又は窒素原子にアルキル基が結合していてもよいジエタノールアミン脂肪酸エステルの総量100重量部に対して、グリセリン脂肪酸エステルの割合が、30〜200重量部である請求項1〜のいずれかに記載の発泡体
  9. 活性水素原子を有する疎水性化合物のエチレンオキサイド付加体及び/又は窒素原子にアルキル基が結合していてもよいジエタノールアミン脂肪酸エステルの総量100重量部に対して、ポリグリセリン脂肪酸エステルの割合が、10〜100重量部である請求項1〜のいずれかに記載の発泡体
  10. 活性水素原子を有する疎水性化合物のエチレンオキサイド付加体と、窒素原子にアルキル基が結合していてもよいジエタノールアミン脂肪酸エステルとの割合(重量比)が、前者/後者=10/90〜90/10である請求項1〜のいずれかに記載の発泡体
  11. 発泡剤で発泡された請求項1〜10のいずれかに記載の発泡体
  12. 帯電電位が−3kV〜3kVである請求項1〜11のいずれかに記載の発泡体。
  13. 発泡倍率が60100倍である請求項1〜12のいずれかに記載の発泡体。
  14. オレフィン系樹脂組成物を発泡成形して、請求項1〜13のいずれかに記載の発泡体を製造する方法。
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