JP5264362B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。詳しくは特定のシロキサン変性ポリカーボネート樹脂と特定のポリアリレート樹脂を含有する表面層を有する電子写真感光体、並びにこの電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
従来、電子写真感光体には、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機光導電物質が広く用いられていた。一方、有機光導電物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールに代表される光導電性ポリマーや2、5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1、3、4−オキサジアゾールのような低分子の有機光導電性物質が知られている。更には、このような有機光導電性物質と各種染料や顔料を組み合わせたもの等が知られている。
有機光導電性物質を用いた電子写真感光体は、成膜性が良く、塗工によって生産できるため極めて生産性が高く、安価な電子写真感光体を提供できる利点を有している。また、使用する染料や顔料等の選択により、感光波長域を自在にコントロールすることができる等の利点を有しており、これまで幅広い検討がなされてきた。特に最近では、有機光導電性染料や顔料を含有した電荷発生層と、光導電性ポリマーや低分子の電荷輸送材料を含有した電荷輸送層を積層した機能分離型の電子写真感光体開発されている。これにより、従来の有機電子写真感光体の欠点とされていた感度や、耐久性に著しい改善がなされてきており、これが電子写真感光体の主流となってきている。
一方、当然のことながら、電子写真感光体には、適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気特性、光学特性等を備えていることが要求される。特に、繰り返し使用される電子写真感光体表面には帯電、画像露光、トナー現像、被転写体への転写、残トナーのクリーニング性等の電気的、機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が求められる。具体的には、摺擦による表面の摩耗や傷の発生に対する耐久性、帯電による表面劣化、例えば転写効率や滑り性の低下、更には感度劣化、帯電能の低下等、電気特性の劣化に対する耐久性が要求される。
特に、転写工程後の電子写真感光体上の残存トナーを除去するクリーニング工程は、鮮明な画像を得るために重要な工程である。このクリーニングの方法としては、第一にクリーニングブレードと称するゴム性の板形状部材を電子写真感光体に圧接して電子写真感光体とクリーニングブレードとの間の隙間をなくし、トナーのスリ抜けを防止して残存トナーをかきとる方法が挙げられる。第二に、ファーブラシのローラーを電子写真感光体に接するように回転させて残存トナーを拭き取る、若しくは叩き落す方法も用いられる。これらのクリーニング方法のうち、ゴムブレードの方がコスト、設計の容易さの点で有利であり、現在はクリーニングブレードを用いるクリーニングが主流を占めている。
しかしながら、優れたクリーニング性を示すクリーニングブレードには、電子写真感光体との摩擦力が大きいため、所謂クリーニングブレードのびびりやメクレが起こりやすいという欠点があった。ここで、クリーニングブレードのびびりは、電子写真感光体との摩擦抵抗が大きくなることによるブレードの振動のことであり、メクレは、電子写真感光体の移動方向にブレードが反転して反ってしまう現象である。これらクリーニングブレードの問題は、電子写真感光体の長寿命化のために電子写真感光体表面にポリアリレート樹脂等の耐耗性に優れるものを用いた場合に更に生じやすくなる。
また近年、半導電性、又は表面に誘電層を有する弾性ローラーを現像ローラーとして用いて電子写真感光体の表面に押し当てながら現像を行う、いわゆる接触一成分現像方法が多く用いられている。これは、電子写真感光体表面と現像電極が非常に近接しており現像のエッジ効果を低減できる為、高画質化や高精細化に有利だからである(特許文献1〜2)。
現像ローラーは、電子写真感光体へ強く圧接されると共に現像ローラーの表面から電子写真感光体により多くのトナーを現像させるために、現像ローラーの周速を電子写真感光体の周速より速く設定する必要がある。このため電子写真感光体と現像ローラー間の駆動トルクが高くなり、長期間使用による電子写真感光体表面の傷や摩耗、トナー融着を引き起こし、耐久性が劣化するという問題を有している。
これらの問題を解決する為に、電子写真感光体表面に添加物を含有させるなどで、表面の物性をコントロールする方法が試みられてきた。特に、シロキサン系化合物を電子写真感光体表面層に含有させ、電子写真感光体表面の滑り性や離形性を向上させることが知られている(特許文献3〜6)。
しかし、シロキサン系化合物を多量に添加すると電位特性が悪化することが知られている。これはシロキサンの分極構造が、感光層の中でキャリアの移動を阻害してしまう為と思われる。特に、ベンゼン環等の分極し易い構造とシロキサンが分子構造内で近い位置にあるとき、分子として大きく分極することが考えられる。その結果、電子写真感光体中に含有させることができるシロキサン化合物の量には制限があり、十分に電子写真感光体表面の物性を向上できない場合があった。
そのため、電子写真感光体の耐耗性とトナー融着などのクリーニング問題、更に耐久による電位特性の悪化の問題を全て満足させるには、未だ至っていない。
特開平5−188756号公報 特開平5−188752号公報 特開2007−199688号公報 特開平5−088398号公報 特開平10−182832号公報 特開平5−158249号公報
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものである。すなわち、繰り返し使用時にも安定して優れた電子写真特性を示し、長期間に亘りその表面性が低下することのない高耐久、高安定な電子写真感光体、並びにこの電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することを目的とする。
本発明は、支持体及び該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体において、
該電子写真感光体の表面層が
下記一般式(11)で示される繰り返し単位と下記一般式(12)で示される繰り返し単位とを有するポリカーボネート樹脂と、
下記構造式(21)で示される繰り返し単位、下記構造式(22)で示される繰り返し単位、下記構造式(23)で示される繰り返し単位、下記構造式(24)で示される繰り返し単位、下記構造式(25)で示される繰り返し単位、下記構造式(26)で示される繰り返し単位、及び、下記構造式(27)で示される繰り返し単位の少なくとも1つを有するポリアリレート樹脂と
を含有することを特徴とする電子写真感光体である。

〔式(11)中、R〜R 及びR 〜R 15 は、各々独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、置換基を有してもよい炭素数7〜17のアラルキル基を示し は、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキレン基を示し、aは、0以上の整数を示し、bは、1以上の整数を示す。式(12)中、21〜R24は、各々独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数7〜17のアラルキル基、又は、置換基を有してもよい炭素数2〜12のアルケニル基を示し、Xは、単結合、−O−、−S−、又は置換基を有してもよいアルキリデン基を示す。〕

〔式(24)〜(26)中、Wは、酸素原子又は硫黄原子を示す。
また、本発明は、上記の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくともつの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジである。
また、本発明は、上記の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有する電子写真装置である。
本発明によれば、耐耗性に優れ、トナー融着等の画像欠陥が発生しにくく、更に電位特性が良好な電子写真感光体を提供できる。
特に、現像方式が接触一成分現像方法の高速化された電子写真装置において、定着温度が低いトナーを使用すると問題となり易い上記の点を、初期から多数枚印字の耐久使用において効果的に改善し続けることができる。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明電子写真感光体は、支持体とこの支持体上に形成された感光層とを有し、この電子写真感光体の表面層が所定の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂と、所定の繰り返し単位の少なくともつを有するポリアリレート樹脂とを含有することを特徴とする。
本発明電子写真感光体において、上記のポリカーボネート樹脂は、下記一般式(11)でされる繰り返し単位と下記一般式(12)でされる繰り返し単位とを有する。なお、このポリカーボネート樹脂を、以下、「一般式(11)及び(12)に係るポリカーボネート樹脂」とも称する。
式(11)中、R〜R 及びR 〜R 15 は、各々独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、置換基を有してもよい炭素数7〜17のアラルキル基を示し は、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキレン基を示し、aは、0以上の整数を示し、bは、1以上の整数を示す。式(12)中、21〜R24は、各々独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数7〜17のアラルキル基、又は、置換基を有してもよい炭素数2〜12のアルケニル基を示し、Xは、単結合、−O−、−S−、又は置換基を有してもよいアルキリデン基を示す。〕
また、本発明電子写真感光体において、上記のポリアリレート樹脂は、下記構造式(21)で示される繰り返し単位、下記構造式(22)で示される繰り返し単位、下記構造式(23)で示される繰り返し単位、下記構造式(24)で示される繰り返し単位、下記構造式(25)で示される繰り返し単位、下記構造式(26)で示される繰り返し単位、及び、下記構造式(27)で示される繰り返し単位の少なくともつを有する。なお、このポリアリレート樹脂を、以下、「構造式(21)〜(27)に係るポリアリレート樹脂」とも称する。
式(24)〜(26)中、Wは、酸素原子又は硫黄原子を示す。〕
上記式(11)及び(12) 、R 15及びR21〜R24 において選択され得る置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種異性体ペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基が挙げられる。なかでも、電子写真特性の点で、メチル基が好ましい。
上記式(11)及び(12) 、R 15及びR21〜R24 において選択され得る置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基などが挙げられる。なかでも、電子写真特性の点で、フェニル基が好ましい。
上記式(11)及び(12) 、R 15及びR21〜R24 において選択され得る置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が挙げられる。なかでも、電子写真特性の点で、メトキシ基が好ましい。
上記式(11)及び(12) 、R 15及びR21〜R24 において選択され得る置換基を有してもよい炭素数7〜17のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基などが挙げられる。なかでも、電子写真特性の点で、ベンジル基が好ましい。
上記式(12)21〜R24 において選択され得る置換基を有してもよい炭素数2〜12のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基(2−プロペニル基)、1−プロペニル基、iso−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、スチリル基が挙げられる。なかでも、電子写真特性の点で、ビニル基が好ましい。
上記式(11) において選択され得る置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキレン基としては、メチレン基、メチレン−d2基、ジフルオロメチレン基、エチレン基、エチレン−d4基、パーフルオロエチレン基、プロピレン基、iso−プロピレン基、ブチレン基、2,2−ジメチルプロピレン基が挙げられる。なかでも、電子写真特性の点で、メチレン基が好ましい。
上記式(11)において選択され得る置換基を有してもよいアルキリデン基としては、エチリデン基、イソプロピリデン基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基が挙げられる。なかでも、電子写真特性の点で、エチリデン基が好ましい。
上記のR〜R15及びR21〜R24 において選択され得るアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アラルキル基、アルケニル基及びアルキレン基、並びににおいて選択され得るアルキリデン基に係る置換基としては、特に制約はない。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、フェニル基及びナフチル基等のアリール基、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
般式(11)及び(12)に係るポリカーボネート樹脂は、側鎖型にポリシロキサン部位を有する構造であって、側鎖型シロキサン変性ポリカーボネート樹脂と称される。
一般式(11)及び(12)に係るポリカーボネート樹脂の特徴として、側鎖にポリシロキサン部位を有することで、シロキサン部分の自由度が増加し、よりシロキサンの配向が促進され高い離形性を示すものと思われる。この時、シロキサン鎖が長い方が、離形性向上に有効に作用し、一般式(11)中の平均繰り返し単位数a又はbが10以上の時、特に高い離形性を示す。
また、一般式(11)及び(12)に係るポリカーボネート樹脂の主鎖部位と側鎖のシロキサン鎖の間にRで示されるアルキレン基を挟んでいる。これにより、極性基であるシロキサン鎖と分極しやすいフェニル基が離れ、電荷輸送の弊害になりにくくなっていると思われる。特に、Rは、シロキサン鎖とフェニル基の距離が十分に離れる観点で、炭素数6以上のアルキレン基であることがより好ましい。
構造式(21)〜(27)に係るポリアリレート樹脂は、上記に示される構造のものを用いると十分に本発明の効果が発揮される。
一般式(11)及び(12)に係るポリカーボネート樹脂の重量平均分子量は、3000〜12000の範囲内であり、特に6000〜11000の範囲内が好ましい。また、本発明電子写真感光体において塗布により形成される表面層において、この塗布に用いられる溶剤は、メチラールであることが好ましい。
その理由として、重量平均分子量が上記の範囲外では十分な成膜性や膜強度、離形性を得られない場合がある。また、一般式(11)及び(12)に係るポリカーボネート樹脂は、表面層に添加され、シロキサン部位の表面自由エネルギーにより表面付近へ移行する。この効果は、一般式(11)及び(12)に係るポリカーボネート樹脂の重量平均分子量が小さいほど顕著になり、より強い離形性を示す。また、一般式(11)及び(12)に係るポリカーボネート樹脂を溶剤に溶解させ、塗布により表面層を形成させる工程において、溶剤にメチラールが含まれている方がより強い離形性を示す。これは、メチラールを加えることで側鎖型シロキサン変性ポリカーボネートの溶解性がコントロールでき、より表面への移行を促進することが可能である為と思われる。
一般式(11)及び(12)に係るポリカーボネート樹脂を構成する一般式(11)で示される繰り返し単位及び一般式(12)でされる繰り返し単位の比率は、質量比で、一般式(11)で示される繰り返し単位一般式(12)で示される繰り返し単位=0.1:99.9〜70:30の範囲内であることが好ましい。また、一般式(11)で示される繰り返し単位一般式(12)で示される繰り返し単位=1:99〜50:50の範囲内であることがより好ましい。一般式(11)及び(12)に係るポリカーボネート樹脂を構成するとき、側鎖にシロキサン鎖を有する一般式(11)で示される繰り返し単位の割合が少なすぎると表面改質の効果が劣る場合があり、多すぎると耐熱性が劣る場合がある。
一般式(11)及び(12)に係るポリカーボネート樹脂の含有量は、表面層のバインダー樹脂の全質量に対して1〜90質量%の範囲内であることが好ましく、さらに5〜50質量%の範囲内であることがより好ましい。上記の範囲外では、十分な離形性が得られない場合がある。
構造式(21)〜(27)に係るポリアリレート樹脂の含有量は、表面層のバインダー樹脂の全質量に対して10〜99質量%の範囲内であることが好ましく、さらには50〜95質量%の範囲内であることがより好ましい。上記の範囲外では、十分な耐耗性を得られない場合がある。
一般式(11)及び(12)に係るポリカーボネート樹脂は、下記一般式(11’)でされるビスフェノールと、下記一般式(12’)でされるビスフェノールと、炭酸エステル形成化合物とを反応させ合成することが可能である。
〔式(11’)中、 及びR 15は、各々独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、置換基を有してもよい炭素数7〜17を示し、Rは、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキレン基を示し、aは、0以上の整数を示し、bは、1以上の整数を示す。式(12’)中、R 21 〜R 24 は、各々独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数7〜17のアラルキル基、又は、置換基を有してもよい炭素数2〜12のアルケニル基を示し、Xは、単結合、−O−、−S−、又は、置換基を有してもよいアルキリデン基を示す。
一般式(11’)でされるビスフェノールの具体例としては、以下に示すビスフェノールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらは、2種類以上併用して用いてもよい。上記構造式中の繰り返し単位数d及びeは、それぞれ1〜200が好ましく、更には5〜100の範囲が好ましい。ポリシロキサン部分の繰り返し単位数d及びeに係る繰り返し単位は、相互にランダム共重合及びブロック共重合のいずれの構造で結合してもよいが、ランダム共重合で結合しているものが好ましい。
一般式(11’)でされるビスフェノールにおいて、シロキサン構造単位の置換基(R〜R15)は、メチル基又はフェニル基が好ましい。また、一般式(11’)で示されるビスフェノール1分子当たりの繰り返し単位数及びの合計は、1〜500の範囲が好ましく、更には1〜100の範囲が好ましい。
一般式(12’)でされるビスフェノールの具体例としては、以下に示すビスフェノールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
次に、本発明電子写真感光体の構成について説明する。
本発明電子写真感光体は、支持体及び該支持体上に形成された感光層を有する。感光層は、電荷輸送材料と電荷発生材料とを同一の層に含有する単層型であっても、電荷輸送層と電荷発生層とに分離した積層型でもよいが、電子写真特性的には積層型が好ましい。
使用する支持体は、導電性を有するものであればよく、アルミニウムやステンレス等の金属、あるいは導電層を設けた金属、紙、プラスチック等が挙げられ、形状はシート状や円筒状等が挙げられる。
本発明電子写真感光体は、電子写真感光体に照射されるLBP等の画像入力がレーザー光の場合、散乱による干渉縞防止、又は支持体の傷を被覆することを目的として、支持体上に導電層を有してもよい。この導電層は、カーボンブラックや金属粒子等の導電性粒子をバインダー樹脂に分散させて形成することができる。導電層の膜厚は、5〜40μmが好ましく、特には10〜30μmが好ましい。なお、干渉縞の発生を防止するには、シリンダーの切削やアルマイト処理、乾式や湿式のブラスト等を行ってもよく、その場合は、導電層を設ける必要はない。
本発明電子写真感光体において、支持体又は導電層の上に接着機能及びバリヤー機能を有する中間層を設けてもよい。中間層の材料としては、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、カゼイン、ポリウレタン及びポリエーテルウレタン等が挙げられる。これらは適当な溶剤に溶解して塗布される。中間層の膜厚は、0.05〜5μmが好ましく、特には0.3〜1μmが好ましい。シリンダーに直接アルマイト処理したり、ゾルゲル法による導電成膜を付けている場合等は、中間層を使用しなくても構わない。
本発明において、感光層は、上記の導電層及び/又は中間層を有しない場合には、支持体上に、導電層を有する場合には、導電層上に、中間層を有する場合には、中間層上に積層される。また、感光層は、上記の通り、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一の層に含有する単層型感光層であってもよく、また、電荷発生材料を有する電荷発生層と、電荷輸送材料を有する電荷輸送層とに分離した積層型感光層であってもよい。
本発明に用いられる電荷発生材料としては、下記のものが挙げられる。
セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料フタロシアニン、アントアントロン、ジベンズピレンキノン、トリスアゾ、シアニン、ジスアゾ、モノアゾ、インジゴ、キナクリドン及び非対称キノシアニン系の各顔料
本発明電子写真感光体において、感光層が電荷発生層と電荷輸送層とに機能を分離した積層型感光層の場合、電荷発生層は、上記の電荷発生材料と、この材料の0.3〜4倍量のバインダー樹脂と溶剤とから形成される。これらの成分を共にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル及び液衝突型高速分散機等の方法で充分に分散し、この分散液を塗布、乾燥させて形成される。また、バインダー樹脂を電荷発生材料の分散後に投入したりバインダー樹脂を使用しないことも可能である。電荷発生層の膜厚は、5μm以下が好ましく、特には0.1〜2μmが好ましい。
本発明に用いられる電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物及びチアゾール系化合物等が挙げられる。
本発明電子写真感光体において、電荷輸送層は、下記の通り、形成される。電荷輸送層が表面層である場合は、まず、主として、電荷輸送材料と、上記の一般式(11)及び(12)に係るポリカーボネート樹脂並びに構造式(21)〜(27)に係るポリアリレート樹脂を溶剤中に溶解する。このようにして得られた塗料を塗工乾燥して形成する。
電荷輸送層に更にバインダー樹脂を加える場合、例としては熱可塑性バインダー樹脂及び硬化性バインダー樹脂が挙げられ、具体的には、下記のものが挙げられる。
フェノキシ樹脂ポリアクリルアミド樹脂ポリビニルブチラール樹脂ポリスルホン樹脂ポリアミド樹脂アクリル樹脂アクリロニトリル樹脂メタクリル樹脂塩化ビニル樹脂酢酸ビニル樹脂フェノール樹脂エポキシ樹脂ポリエステル樹脂アルキド樹脂ポリカーボネート樹脂ポリウレタン樹脂スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−マレイン酸コポリマーのような、上記の樹脂の繰り返し単位のうち2つ以上を含む共重合体ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン及びポリビニルピレンのような有機光導電性ポリマー
電荷輸送層の膜厚は、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。電荷輸送材料とバインダー樹脂との質量比は5:1〜1:5が好ましく、より好ましくは3:1〜1:3程度である。なお、塗布する方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、スピナー塗布、ブレード塗布及びロール塗布法等が挙げられる。
本発明電子写真感光体において、感光層が単層型の場合は、上述のような電荷発生材料や電荷輸送材料を上述のようなバインダー樹脂に分散し及び溶解した溶液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。膜厚は5μm以上40μm以下であることが好ましく、特には15μm以上30μm以下であることが好ましい。
本発明電子写真感光体において、各層を構成する色素、顔料、有機電荷輸送材料などの各成分の機能の劣化を保護することを目的として、必要に応じて保護層を設けてもよい。本発明で用いることができる保護層は、上記一般式(11)及び(12)に係るポリカーボネート樹脂と構造式(21)〜(27)に係るポリアリレート樹脂とを含有する溶液を感光層の上に塗布、乾燥することにより形成する。更に、上記のバインダー樹脂を含有してもよい。なかでも、このバインダー樹脂としては、下記のものが好ましい。
ポリエステル樹脂ポリカーボネート樹脂アクリル樹脂メタクリル樹脂ポリアミド樹脂ポリイミド樹脂ポリウレタン樹脂スチレン−ブタジエンコポリマースチレン−アクリロニトリルコポリマースチレン−アクリル酸コポリマー
また、バインダー樹脂として、縮合系モノマーや不飽和基をもつラジカル重合系モノマーを用いた場合は、塗布後、熱や紫外線等のエネルギー光を当てて硬化、形成してもよい。また、必要に応じて、金属や導電性金属酸化物等の導電性粒子や電荷輸送材料を更に含有させてもよい。
保護層の膜厚は、0.05〜20μmであることが好ましい。
次に、本発明電子写真装置について、図1を参照しながら説明する。
本発明電子写真装置は、複写機及びプリンター等として用い得るものであって、図1に示す通り、現像手段60にはトナー61が収容されている。トナーは、磁性トナー又は非磁性トナーである。
前露光71を照射直後にバイアス印加手段62aにより直流バイアスが印加されている帯電手段(帯電ローラー)62で電子写真感光体63の表面を帯電させる。その後、露光光(例えば、レーザー光及びハロゲンランプの光等)64により静電潜像を電子写真感光体63に形成する。トナー塗布ブレード(例えば、弾性ブレード及び金属ブレード等)72及び10〜10Ω・cmの中抵抗の弾性層又は誘電層を表面に有する現像ローラー65を具備している現像手段60に収容されているトナー61で、静電潜像を現像する。現像は、正規現像方式又は反転現像方式を使用する。現像部において、現像ローラー65に電源66により直流バイアス又は交互バイアスが必要により印加される。転写材Pが搬送されて、転写部に来ると、電源68により電圧が印加されている転写手段(例えば、転写ローラー及び転写ベルト等)67により転写材Pの背面(電子写真感光体63側とは反対の側)から押圧しながら帯電する。これにより、電子写真感光体63表面上のトナー像を転写材P上へ静電的に転写する。場合により、電子写真感光体63上のトナー像を、図示していない中間転写体(例えば、中間転写ドラム及び中間転写ベルト等)へ転写し、中間転写体から転写材Pへトナー像を転写してもよい。
電子写真感光体63から分離された転写材P上のトナー像は、加熱加圧手段(例えば、加熱加圧ローラー定着手段等)69により転写材Pに定着される。転写工程後の電子写真感光体63に残留するトナーは、必要によりクリーニング手段(例えば、クリーニングブレード、クリーニングローラー及びクリーニングブラシ等)70により電子写真感光体63の表面から除去される。クリーニング後の電子写真感光体63は、前露光71を照射後、再度、帯電手段(帯電ローラー)62により帯電工程から始まる工程が繰り返される。
更に、図2は、電子写真装置本体から取り出したプロセスカートリッジの一具体例の概略的断面図を示す。本発明プロセスカートリッジは、現像器などの現像手段と電子写真感光体などの静電潜像保持体とを少なくとも一体的にカートリッジ化されており、電子写真装置本体(例えば、複写機及びレーザービームプリンタ等)に着脱自在なように形成されている。図2に示すプロセスカートリッジにおいて、現像器15は、現像ローラー(弾性ローラー)19を有し、現像ローラー(弾性ローラー)は、感光ドラム10とニップ部を形成するように押圧されて設置されている。現像ローラー(弾性ローラー)19には、塗布ブレード8及び塗布ローラー12が圧接して設けられている。このように、現像器と静電潜像保持体とが接触しながら現像される方式は、いわゆる、接触現像による現像方式と称されるものである。更に、帯電ローラー11及びクリーニングブレード13は、感光ドラム10に圧接するように、設けられている。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は、「質量部」を、「Mw」は、「ポリスチレン換算重量平均分子量」を、それぞれ意味する。
まず、本発明における上記一般式(11)及び(12)に係るポリカーボネート樹脂の合成方法を示す。
(合成例1)
500mLセパラフラスコに、下記の成分を入れ、80℃に昇温した。
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−10−ウンデセン(以下「BUD1」と略称;株式会社エーピーアイコーポレーション製) 36.6g(0.1mol
トルエン 150g
白金量1%の白金ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液 0.10g
そこに、下記構造式(A)でされる片末端ハイドロジェンジメチルシロキサン234g(約0.1mol)を滴下し、滴下終了後110℃で3時間反応を行った。反応終了後、トルエンを減圧留去し、目的物(下記構造式(B)でされる化合物;以下「S1」と略称)を得た。目的物の水酸基価は42KOHmg/g(25℃)でペースト状物であった。
5w/w%の水酸化ナトリウム水溶液1100mLにビスフェノールZ(BPZ;本州化学工業株式会社製)90g(0.34mol)と、S1を10gと、ハイドロサルファイト0.1gとを加えて撹拌した。これにメチレンクロライド500mLを追加し、撹拌しつつ、15℃に保ちながら、次いでホスゲン40gを40分で吹き込んだ。
ホスゲン吹き込み終了後、分子量調節剤としてp−t−ブチルフェノール(大日本インキ化学工業株式会社製)1.42gを加え激しく撹拌して、反応液を乳化させ、乳化後0.4mLのトリエチルアミンを加え、20〜25℃にて約1時間撹拌し、重合させた。
重合終了後、反応液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、先相(水相)の導電率が10μS/cm以下になるまで水洗を繰り返した。得られた重合体溶液を、45℃に保った温水に滴下し、溶媒を蒸発除去して白色粉末状沈殿物を得た。得られた沈殿物を濾過し、105℃、24時間乾燥して、重合体粉末を得た。
得られた重合体を赤外線吸収スペクトルにより分析した結果、1770cm−1付近の位置にカルボニル基による吸収、1240cm−1付近の位置にエーテル結合による吸収が認められ、カーボネート結合を有するポリカーボネート樹脂であることが確認された。また、1100〜1020cm−1付近のシロキサン由来の吸収も確認された。一方、3650〜3200cm−1付近の水酸基由来の吸収はほとんど認められなかった。これらの赤外線吸収スペクトルの結果から、下記構造式(A’)で示される繰り返し単位及下記構造式(B’)で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(以下、「PC1」と略称;Mw≒10000)と推測された。
(合成例2)
BPZを70g(0.26mol)とS1を30g、及びホスゲン30gを25分で吹き込んだ以外は、合成例1と同様に合成を行った。構造分析の結果、PC1と同じ繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(以下、「PC2」と略称;Mw≒6200)と推測された。
(合成例3)
ホスゲンの吹き込み時間を45分にした以外は、合成例1と同様に合成を行った。構造分析の結果、PC1と同じ繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(以下、「PC3」と略称;Mw≒11000)と推測された。
(合成例4)
ホスゲン55gを55分間吹き込んだ以外は、合成例1と同様に合成を行った。構造分析の結果、PC1と同じ繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(以下、「PC4」と略称;Mw≒21000)と推測された。
[実施例1]
直径24mm、長さ257mmのアルミニウムシリンダーを支持体とした。
次に、下記の成分をメタノール4部/メトキシプロパノール16部の混合溶剤に溶解して導電層用塗布液を調製した。
SnOコート処理硫酸バリウム(導電性粒子) 10部
酸化チタン(抵抗調節用顔料) 2部
フェノール樹脂(バインダー樹脂) 6部
シリコーンオイル(レベリング剤) 0.001部
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、30分間140℃で熱硬化させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化ナイロン3部と共重合ナイロン3部をメタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶剤に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.7μmの中間層を形成した。
次に、下記成分を、シクロヘキサノン250部にポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1.積水化学工業(株)製)5部を溶解させた液に加えた。
結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン(電荷発生物質)(CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有するもの) 10
これを直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下1時間分散し、分散後、酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.26μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記成分を、クロロベンゼンとジメトキシメタンの混合溶液(質量比65:35)57部に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
下記式(CTM−1)で示される化合物 4部
下記式(CTM−2)で示される化合物 4部
表1に示すポリカーボネート樹脂及びポリアリレート樹脂を各欄に記載の質量比で有する樹脂(バインダー樹脂として) 10部
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、1時間120℃で乾燥させることによって、膜厚が15μmの電荷輸送層を形成した。
次に、評価について説明する。
作製した電子写真感光体の評価は以下に従って実施した。
評価装置としては、ヒューレットパッカード製LBP「レーザージェット3800」(接触帯電方式、プロセススピード:117mm/秒)を、現像ローラーと電子写真感光体との周速差を1.6倍に改造して用いた。
評価は、室温25℃、湿度30%の環境下で行った。
電子写真感光体の表面電位(暗部電位と明部電位)の測定は、電子写真感光体の端部から130mmの位置に電位測定用プローブが位置するように固定された冶具と現像器とを交換して、現像器位置で行った。
A4サイズの普通紙を用いて連続して1000枚の画像出力を行い、1000枚の画像出力後、電子写真感光体の表面のトナー融着を評価した。
さらに、初期の明部電位(VL1)と2000枚後の明部電位(VL2)との差分(ΔVL)を電位特性として評価した。
耗性はフィッシャー(株)製膜厚測定機<フィッシャーMMS渦電流法プローブEAW3.3>により、電子写真感光体の初期膜厚と3000枚耐久後の膜厚差により評価した。結果を表2に示す。
トナー融着のランク付けは以下のように行った。
○:電子写真感光体上に融着の発生は見られない
△:電子写真感光体上の一部に融着の発生が見られる
×:電子写真感光体上の全体に融着の発生が見られる
[実施例2〜7]
電荷輸送層のバインダー樹脂を表1に示す通りにした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
[比較例1]
電荷輸送層のポリアリレート樹脂を、下記構造式(31)で示される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂(Mw≒13200)に変えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作し、評価した。その結果を表2に示す。
[比較例2]
電荷輸送層のポリカーボネート樹脂を、下記構造式(32)で示される構造のポリカーボネート樹脂(Mw≒21000)に変えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作し、評価した。その結果を表2に示す。
[比較例3]
電荷輸送層のポリカーボネート樹脂を、下記構造式(33)で示される繰り返し単位と下記構造式(34)で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(質量比、下記構造式(33)で示される繰り返し単位下記構造式(34)で示される繰り返し単位=98:2;Mw≒21000)に変えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作した。また、この作した電子写真感光体を実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
[比較例4]
実施例1において、電荷輸送層のポリカーボネート樹脂を、下記構造式(35)で示される繰り返し単位と下記構造式(36)で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(質量比、下記構造式(35)で示される繰り返し単位下記構造式(36)で示される繰り返し単位=86:14;Mw≒30000)に変えた。これ以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作した。また、この作した電子写真感光体を実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
[比較例5]
電荷輸送層のポリカーボネート樹脂を、下記構造式(37)で示される繰り返し単位、下記構造式(38)で示される繰り返し単位及び下記構造式(39)で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(質量比、下記構造式(37)で示される繰り返し単位:下記構造式(38)で示される繰り返し単位:下記構造式(39)で示される繰り返し単位=49:49:2;Mw≒32400)に変えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作し、評価した。その結果を表2に示す
[比較例6]
電荷輸送層のバインダー樹脂を、上記構造式(21)で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(Mw≒13400)のみ10部に変えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作し、評価した。その結果を表2に示す。
[比較例7]
電荷輸送層のバインダー樹脂を、PC1(Mw≒10000)のみ10部に変えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作し、評価した。その結果を表2に示す。
[比較例8]
電荷輸送層のポリカーボネート樹脂を、PC4(Mw≒21000)に変え、電荷輸送層用塗布液に用いた混合溶媒に代えて、クロロベンゼンのみを用いた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作し、評価した。その結果を表2に示す。
上記構造式(21)で示される繰り返し単位、上記構造式(22)で示される繰り返し単位、上記構造式(23)で示される繰り返し単位、上記構造式(24)で示される繰り返し単位、上記構造式(25)で示される繰り返し単位、上記構造式(26)で示される繰り返し単位、及び、上記構造式(31)でされる繰り返し単位は、全てイソフタル酸とテレフタル酸を質量比1:1とした。また、実施例において構造式(24)のWは酸素原子とした。

本発明は上記の効果を有するものであり、その効果は、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置においても当然に発揮されることが期待できる。
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の例を示す図である。 本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジの概略構成の例を示す図である。
符号の説明
8 塗布ブレード
10 感光ドラム
11 帯電ローラー
12 塗布ローラー
13 クリーニングブレード
15 現像器
19 現像ローラー(弾性ローラー)
60 現像手段
61 トナー
62 帯電手段(帯電ローラー)
62a バイアス印加手段
63 電子写真感光体
64 露光光
65 現像ローラー
66 電源
67 転写手段
68 電源
69 加熱加圧手段
70 クリーニング手段
71 前露光
72 トナー塗布ブレード
P 転写材
T トナー
V 電源

Claims (7)

  1. 支持体及び該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体において、
    該電子写真感光体の表面層が
    下記一般式(11)で示される繰り返し単位と下記一般式(12)で示される繰り返し単位とを有するポリカーボネート樹脂と、
    下記構造式(21)で示される繰り返し単位、下記構造式(22)で示される繰り返し単位、下記構造式(23)で示される繰り返し単位、下記構造式(24)で示される繰り返し単位、下記構造式(25)で示される繰り返し単位、下記構造式(26)で示される繰り返し単位、及び、下記構造式(27)で示される繰り返し単位の少なくとも1つを有するポリアリレート樹脂と
    を含有することを特徴とする電子写真感光体。

    〔式(11)中、R〜R 及びR 〜R 15 は、各々独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルコキシ基、又は、置換基を有してもよい炭素数7〜17のアラルキル基を示し は、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキレン基を示し、aは、0以上の整数を示し、bは、1以上の整数を示す。式(12)中、21〜R24は、各々独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基、置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数7〜17のアラルキル基、又は、置換基を有してもよい炭素数2〜12のアルケニル基を示し、Xは、単結合、−O−、−S−、又は置換基を有してもよいアルキリデン基を示す。〕

    〔式(24)〜(26)中、Wは、酸素原子又は硫黄原子を示す。〕
  2. 前記ポリカーボネート樹脂における前記一般式(11)で示される繰り返し単位前記一般式(12)でされる繰り返し単位の比率は、質量比で、前記一般式(11)で示される繰り返し単位前記一般式(12)で示される繰り返し単位=0.1:99.9〜70:30の範囲内にある請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記表面層における前記ポリカーボネート樹脂の含有量、前記表面層のバインダー樹脂の全質量に対して1〜90質量%である請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記表面層における前記ポリアリレート樹脂の含有量、前記表面層のバインダー樹脂の全質量に対して10〜99質量%である請求項1〜3のいずれか項に記載の電子写真感光体。
  5. 請求項1〜4のいずれか項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくともつの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
  6. 請求項1〜4のいずれか項に記載の電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有する電子写真装置。
  7. 前記現像手段接触現像手段である請求項に記載の電子写真装置。
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