JP5263343B2 - カテーテル収納体 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用カテーテルおよびカテーテル収納体に関する。
腸閉塞の診断や治療にあたっては、カテーテルを経鼻的に食道から胃大弯を通して腸内まで挿入し、腸内容物の排出あるいは腸管内を減圧して内部負荷を軽減することによる閉塞解除法が多用されている。
このような用途に使用されている従来のカテーテル構造は、先端部位にカテーテルの挿入を容易化する複数個の金属球やリング等の錘を数珠状に柔軟性樹脂に埋め込んだ誘導部を設置し、本体チューブには複数個の吸引孔と液体注入によって膨張するバルーンが付設され、本体チューブの端末には各ルーメンに連通する分岐チューブが接続されており、更に本分岐チューブの端末にはコネクターを付設した構造となっている。
本体チューブは、通常2〜3個のルーメンを有しており、基本的には腸内の内容物を体外に排出するための通路となるメインルーメンとバルーンに膨張用流体を注入するためのサブルーメンとにより構成されている。また、吸引効率の向上と、腸壁に対する過度の吸引を防止するためのエアー導入通路となる別のサブルーメンが付設されることもある。
カテーテルの腸管内への挿入は、体外において事前にカテーテル内へガイドワイヤーを差し込んだ状態とし、体内への挿入は、ガイドワイヤーの先端位置を調整しながらカテーテルの方向付け、剛性調整を行いながら目的の部位への挿入操作が行われ、留置後の腸内容物の吸引・排出は、本体チューブの吸引孔から吸引し、メインルーメンを通過して連通する分岐チューブを介してコネクターより体外に排出される(特許文献1)。バルーンは、幽門輪を通過し、次の屈曲部であるトライツ靱帯を通過したのち、腸の蠕動運動によってカテーテルを腸の閉塞部まで進める働きをする。
こういったカテーテルの使用方法が一般的であるが、この用途に用いるカテーテルは、2〜3mのロングチューブであり、併用するガイドワイヤーは、更に長いためにカテーテル内への挿入操作を一人で実施するのは困難であり、清潔操作には非常に気を使って実施されていた。
また、カテーテルが長いためにガイドワイヤーの挿入及び抜去抵抗が大きく、潤滑剤の使用が必要であり、より操作性向上、潤滑剤の取扱性向上のためハイドロゲルコーティングされたガイドワイヤーが用いられるが、ガイドワイヤーを保護用のケース内で注水して潤滑性を付与させるため、手で把持する際に非常に滑りやすく把持しにくい問題があり、これはカテーテル内へ挿入完了後に体内への誘導操作中のガイドワイヤー先端位置の調整操作においても滑りやすく、煩雑な操作を余儀なくされていた。また本品は突発性の腸閉塞の症例に使用されることが多いが、上記の術前操作、および煩雑性により緊急処置の妨げになっていた。
特開2001−299927
本発明の目的は、患者への挿入前にカテーテル内にガイドワイヤーを挿入する操作を省略し、一人操作が行えるようにする医療用カテーテルおよびその収納体を提供するものである。
本発明によれば、体内に挿入され、目的の腸閉塞部位まで到達した後、ガイドワイヤーが取り外されて前記腸閉塞部位に留置されるのに用いられる、腸閉塞処置用カテーテルと、前記腸閉塞処置用カテーテルを収容する容器と、を含むカテーテル収納体であって、前記腸閉塞処置用カテーテルは、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーンゴム、或いはこれらの複合材料により形成され内部に一または二以上のルーメンが設けられた本体チューブを有し、前記ガイドワイヤーの表面にハイドロゲルの塗布層が設けられており、前記ガイドワイヤーは前記腸閉塞処置用カテーテルの基端部から延出しており、前記ガイドワイヤーの延出部分は保護部材により覆われており、前記ガイドワイヤーの前記延出部分の前記塗布層が前記保護部材により保護されており、前記本体チューブは所定の径で巻かれた状態で束ねられ、前記腸閉塞処置用カテーテルの先端部と前記基端部とが、前記束ねられた部分と接触しないように配置されており、前記ルーメンは、内部に前記ガイドワイヤーが挿入されたメインルーメンを含み、前記容器から取り出された前記腸閉塞処置用カテーテルは、前記ガイドワイヤーが挿入されている前記メインルーメンの内部に潤滑剤を注入して使用される、カテーテル収納体(但し、前記容器から取り出される前の前記腸閉塞処置用カテーテルの前記ルーメンの内部に潤滑剤が導入されたものを除く)が提供される。
このカテーテルは、体内誘導用のガイドワイヤーが予めカテーテルのルーメン内に挿入されているため、緊急を要する場合にも一人操作を行うことが可能となる。
この収容体は、ガイドワイヤーが予め挿入した状態でカテーテルを収容するものである。このため、収容体からカテーテルを取り出し、ガイドワイヤーの挿入作業を経ずにすぐに使用することが可能である。したがって、緊急を要する場合にも一人操作を行うことが可能となる。
この収容体において、カテーテルに設けられた誘導部およびバルーンが、前記医療用カテーテルの束ねられた部分と接触しないように配置されていてもよい。こうすることにより、カテーテルの先端側、特に誘導部およびバルーンの損傷を効果的に抑制することができる。
本発明において、カテーテルの先端に設けられた誘導部と、前記誘導部のカテーテル基端側に設けられ、カテーテル内部を視認できるように構成された視認部と、前記視認部のカテーテル基端側に設けられたバルーンと、をさらに備え、前記ガイドワイヤーの先端部が、前記視認部に位置する構成とすることができる。こうすることにより、カテーテルを体内に挿入する前の状態においてガイドワイヤー先端位置を目視で確認でき、また、カテーテルを体内に挿入する際、ガイドワイヤー先端位置をX線で確認しながら操作することが可能となる。
また、カテーテルの基端側に、液体注入部を備える構成としてもよい。ここでいう液体とは、たとえば、ガイドワーヤーに塗布された潤滑剤を溶出または分散させるための液体等が挙げられる。
また、カテーテル基端側にガイドワイヤー固定部、カテーテル先端側にコネクター接続部、中央に注入液ポートを備える分岐注液コネクターが、ガイドワイヤーが挿入されている前記ルーメンの末端に予め接続されている構成としてもよい。
以上に述べた如く、本発明による腸管内挿入用カテーテルは、滅菌袋開封後の体内挿入操作の前準備として、ガイドワイヤーのカテーテル内への挿入という煩雑な操作が不要となるため、時間の短縮、一人操作が可能となる。
実施の形態に係る医療用カテーテルの一実施例としての腸管内挿入用カテーテルに注液コネクターを接続し、ガイドワイヤーを挿入した状態を示す図である。 カテーテルの断面構造を模式的に示す図である。 実施の形態に係る医療用カテーテルの一実施例である腸管内挿入用カテーテルの先端部の断面図詳細構造を示す図で、注液コネクターを接続し、ガイドワイヤーを挿入した状態を示す図である。 実施の形態に係る医療用カテーテル収容体の構造を示す図である。 実施の形態に係る医療用カテーテル収容体の構造を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
第一の実施の形態
本実施形態は、本発明を腸管内挿入用カテーテルに適用した例である。図1は、本実施形態に係るカテーテル1の概略構造を示す図である。図中、左側が先端部、右側が基端部である。
図1に示すように、カテーテル1は、内部に複数のルーメンが設けられた本体チューブ2を備え、その先端部に、カテーテルを体内に誘導する誘導部4が設けられている。本体チューブ2の基端側には、分岐チューブ7が接続されている。分岐チューブ7は、コネクターAの設けられたチューブと、コネクターBの設けられたチューブと、一方弁10の設けられたチューブとにより構成されている。コネクターBには、注液コネクター11が接続して設けられており、その基端側にはガイドワイヤー固定部13が設けられている。ガイドワイヤー20は、カテーテルの基端側端部ガイドワイヤー固定部13から視認部16にわたって本体チューブ2内を挿通するように設けられている。
以下、各部の構成について説明する。
本体チューブ2は、腸内容物を排出するための吸引孔6に通ずるメインルーメン、先端部近傍に設けられたバルーン3を膨張させる流体注入用サブルーメン、および吸引孔6による吸引効果の向上や過度の吸引圧が加わるのを防止するためのエアー導入用サブルーメンを、それぞれ内部に備えている(不図示)。本体チューブ2の後端の各ルーメンには、それぞれ用途に合わせたコネクターA、コネクターBまたは一方弁10が分岐チューブ7を介して気液流通的に接続されている。本体チューブ2の材質としては種々のものを用いることができ、たとえば、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーンゴム、或いはこれらの複合材料等を用いることができる。
本体チューブ2の外周或いはルーメン内には、潤滑性処理を施すことが望ましい。このような処理として、フッ素樹脂のコーティングやシリコーンオイルのカテーテルの樹脂への混練等が挙げられ、そのほか、様々なハイドロゲルのコーティングが実用に供される。ハイドロゲルは、人体に対する毒性を考慮すると、コラーゲン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等が好ましく、カテーテルへの固定は、予め溶液にしたこれらのハイドロゲルをカテーテルにコーティングした後、グルタールアルデヒドにて架橋させる方法やこれらのハイドロゲルのモノマーをコーティング後重合開始剤によって架橋させる方法、光反応性架橋剤で変性したハイドロゲルの溶液をカテーテルにコーティングし、光照射によってカテーテルに固定する方法等を利用することができる。
注液コネクター11は、主にガイドワイヤーを併用しながら体内への留置操作を行うカテーテルに使用するもので、カテーテルの後端に接続して、ガイドワイヤーをカテーテルに一体化固定することが可能となり、同時に潤滑剤、造影剤等の注入を可能にするものである。構造は、カテーテル後端と接続する本体12、および本体12に内蔵した弾性体15を圧縮することにより、ガイドワイヤー20を液密固定するガイドワイヤー固定部13から構成されている。本体12は、先端が竹の子状の接続部をなし、また潤滑剤等を注入するためのシリンジ30が接続できるコネクターをなす注液ポート14(液体注入部)が設置されており、ガイドワイヤー固定部13は、例えば回転させ易いよう外周にリブが設置されており、本体12とはネジ嵌合されている。本品の材質も特に限定されるものではなく、機能を達成するため本体12、ガイドワイヤー固定部13は硬質樹脂、弾性体15は軟質樹脂、ゴム等が用いられる。
注液コネクター11の注液ポート14からは、滅菌生理食塩水等の液体が注入される。この液体は、ルーメン中に導入され、ガイドワーヤーに塗布された潤滑剤を溶出または分散させるものである。注液ポート14には、キャップを被せることが好ましい。キャップを被せることにより、本体チューブ2メインルーメン内に常に滅菌生理食塩水等の潤滑液を確保することができ、ガイドワイヤー20を操作する上で常に流体潤滑下にあり、操作・抜去時の抵抗が軽減できる。
ガイドワイヤー20としては従来公知のものを使用することができる。その形状、大きさ、材質、物性とも特に限定されるものではなく、前記カテーテル材質、または内腔の潤滑性処理により滑り性、剛性、コストに鑑み決定される。
前記カテーテルのルーメン内へのガイドワイヤー20の挿入は、前記ガイドワイヤー固定部13より挿入し、かつ、前記カテーテルを略直線状で行うことができる。カテーテル1を略直線状に伸ばすことで、ガイドワイヤー20表面の損傷を防止でき、使用時のガイドワイヤー20の操作、及び抜去抵抗に影響を及ぼすことがなくなる。
ここで、カテーテルの外周、もしくはカテーテルの各ルーメン内のいずれか少なくとも一つ以上に潤滑性処理が施されていてもよく、また、ガイドワイヤー20に潤滑性処理が施されていてもよい。
誘導部4は、カテーテルの先端にあって、カテーテルを体内に誘導する役割を果たす。誘導部4には、カテーテルの延在方向に数珠状に金属球5が埋設されている。金属球5は錘として機能するものであり、ほかに、リングやコイル等を用いることもできる。
バルーン3は、蠕動運動によるカテーテルの挿入を促す機能を有する。具体的には、幽門輪を通過し、次の屈曲部であるトライツ靱帯を通過したのち、腸の蠕動運動によってカテーテルを腸の閉塞部まで進める働きをする。
図2は、カテーテル1の断面構造を模式的に示す図である。ここでは、バルーン設置部21基端側における断面構造を例に挙げて示した。
本体チューブ2は、断面楕円形状を有している。本体チューブ2内には、第1ルーメン23が設けられ、その両脇に、第2ルーメン24および第3ルーメン25が配置されている。各ルーメンは、本体チューブ2の基端側から先端側に貫通するように設けられ、基端側において開口している。第1ルーメン23は、腸内の内容物を体外に排出するための通路となる。第2ルーメン24は、バルーンに膨張用流体を注入する役割を果たす。第3ルーメン25は、吸引効率の向上と、腸壁に対する過度の吸引を防止するためのエアー導入通路としての役割を果たす。ガイドワイヤー20は、第1ルーメン23の内部を挿通するように設けられている。本体チューブ2の外側面、第1ルーメン23の内側面およびガイドワイヤー20の外側面には、潤滑剤層22が設けられている。本体チューブ2は、その側面の一部にX線不透過ライン26が設けられているが、それ以外の部分はX線を透過する材料により構成されている。
図3は、カテーテル1の先端部の断面詳細構造を示す図である。先端側から、誘導部4、視認部16、バルーン設置部21がこの順で設けられている。視認部16は、目視およびX線を用いた観察により、本体チューブ2内部の様子を確認できる構成となっている。なお、本実施形態においては、視認部16の長さは15mm程度である。
図3には示していないが、図5に示した第1ルーメン23は、カテーテル1の基端側から視認部16にわたって設けられ、このルーメンの内部に、予めガイドワイヤー20が挿入されている。ガイドワイヤー20の先端位置は、誘導部4の後端部からバルーン設置部21の間に設けられた、長さ15mm程度の視認部16に位置している。このような配置とすることにより、ガイドワイヤー20の先端位置を体外では視覚的に確認でき、使用前にガイドワイヤー20の位置調整を行うことなく即座に使用できる。また、体内での先端位置を確認することもできる。ガイドワイヤー先端位置が、視認部16の外にあると、先端位置を確認することが難しくなる。これは、誘導部4、バルーン3およびバルーン設置部21が造影剤を含有しているため、これらの領域にガイドワイヤー20の先端がある場合、造影の際に同化してしまうため、先端位置を確認することが困難となりやすい。
以上説明したように、本実施形態のカテーテル1は、体内誘導用のガイドワイヤー20が予めカテーテルのルーメン内に挿入されている。従来、処置前にカテーテル1の剛性を向上させるため、カテーテル1内にガイドワイヤー20を複数人により挿入一体化させる操作が必要であったが、予めガイドワイヤー20がカテーテルのルーメン内に挿入されているため、処置前の煩雑な操作が無く、緊急を要する腸閉塞の処置において即座に術者が一人で操作を行うことが可能となる。
また、本実施形態のカテーテル1では、注液ポート14から食塩水を導入するように構成されているため、良好な操作性が得られる。従来は、カテーテル基端側からガイドワイヤー保護用のケース内で食塩水を注水して使用するよう構造となっていたため、カテーテル基端側の把持部も濡れてしまうことが多かった。ところが、カテーテルの外壁には潤滑剤が塗ってあるので、食塩水と触れることにより滑りやすい状態になり、操作性が著しく低下することがあった。本実施形態では、このような操作性の低下を防止することができる。
第二の実施の形態
本実施形態では、カテーテルを収容したカテーテル収容体の構成例について説明する。カテーテルの構造は第一の実施の形態で説明したものと同様である。カテーテル1には、先端側から、誘導部4、視認部16、バルーン設置部21がこの順で設けられている。視認部16は、目視およびX線を用いた観察により本体チューブ2内部の様子を確認できる構成となっている。カテーテル1の基端側から視認部16にわたって設けられたルーメンの内部に、予めガイドワイヤー20が挿入されている。ガイドワイヤー20の先端は視認部16に位置している。
図4は、カテーテル1を収容した収容体45を示す図である。この収容体45は、カテーテル1の収容される滅菌袋40と、シリンジ30の収容されたシリンジ収容部を有する。シリンジ30は、バルーン拡張用あるいは造影剤注入用として用いられるものである。シリンジ30はエチレンオキサイドガスの透過しない素材により構成される。
ガイドワイヤー20は、カテーテル1内のルーメン(不図示)に予め挿入されている。ガイドワイヤー20は、カテーテル基端側に設けられた注液コネクター11から延出している。
カテーテル1は、所定の巻き径で巻かれた状態で収容されている。一方、ガイドワイヤー20の延出部分は、(不図示)のテープにより固定化され、上記所定の巻き径よりも小さい巻き径で巻かれた状態で収容されている。こうすることにより、ガイドワイヤー20の延出部分がカテーテル1の他の部分と接触し損傷を与えることを防止している。
シリンジ30には予め滅菌蒸留水を充填し、バルーン拡張用としてすぐに利用できる形態とすることができる。また、シリンジ30内に造影剤を注入し、造影剤注入用としてすぐに利用できる形態としてもよい。こうすることにより、即座に使用可能な緊急用キットとして利用可能となる。
これら構成品の包装状態における配置は、ガイドワイヤー20の先端柔軟部の損傷を防ぐためにカテーテルの先端からは突出しないように配置し、必然的に術者が把持するガイドワイヤー20の後端部は、カテーテル末端の注液コネクター11の後端から突出させておくこととなる。包装材料は、図3のように滅菌袋に直接配しても、トレー等を使用してもよく特に限定されるものではない。
次に、カテーテル1の使用方法を説明する。先ず、滅菌袋40を開封して一体となったカテーテル1、注液コネクター11、ガイドワイヤー20を取り出し、前準備として注液コネクター11の注液ポート14よりシリンジ30にて潤滑剤を注入する。なお、潤滑剤としては、一般的にオリーブオイルが多く使用されるが、カテーテル内腔またはガイドワイヤー20の表面にハイドロゲルのコーティングがなされている場合には、滅菌生理食塩水等が使用される。
以降の鼻腔からの挿入操作は、従来どおり、ガイドワイヤー20先端位置とカテーテル先端位置を調整しながらなされ、目的の腸閉塞部位まで到達せしめ、その後は注液コネクター11およびガイドワイヤー20を取り外し、種々の吸引器、排液貯留容器と接続して留置完了となる。
第三の実施の形態
本実施形態では、カテーテルを収容したカテーテル収容体の構成例について説明する。カテーテルの構造は第一の実施の形態で説明したものと同様である。カテーテル1には、先端側から、誘導部4、視認部16、バルーン設置部21がこの順で設けられている。視認部16は、目視およびX線を用いた観察により本体チューブ2内部の様子を確認できる構成となっている。カテーテル1の基端側から視認部16にわたって設けられたルーメンの内部に、予めガイドワイヤー20が挿入されている。ガイドワイヤー20の先端は視認部16に位置している。
図5は、製品トレー50にカテーテル1を収納した収納体55の概略構造を示す図である。製品トレー50の内部には、平面視において円形形状を有する収容室56が設けられており、この収容室56にカテーテル1が収容されている。
収容室56内には、チューブ抑え51が設けられている。チューブ抑え51は、チューブ2を束ねた状態で固定化する。
また、収容室56内には、リブ52が設けられており、これにより、バルーン3及び誘導部4を含むカテーテル先端部が、カテーテルの他の部分から離れた位置に固定化されるようになっている。
この収容体は、カテーテル1を巻いた状態で収容するものであるが、このようにした場合、バルーン3及びチューブ先端誘導部4が輸送時にチューブと接触して擦れることにより損傷する可能性がある。そこで本実施形態では、カテーテル1を所定の巻き径で巻いた状態とするとともに、バルーン3及びチューブ先端誘導部4を含むカテーテル先端部を、上記所定の巻き径よりも小さい巻き径で巻いた状態とする。すなわち、カテーテルの束ねられた部分の曲率半径と、カテーテル先端部分の曲率半径とが異なるように配置され、カテーテルの先端部と基端部とは、それぞれ一致しないように、かつ、カテーテルの束ねられた部分と接触しないように、配置されている。具体的には、製品トレー50の内側にリブ52を設けており、これにより、カテーテル先端部を内側に配置させカテーテルの他の部分と接触しないようにしている。このような構成とすることで、バルーン3およびチューブ先端誘導部4の損傷防止が図られている。
カテーテル1の巻き径は、ガイドワイヤー20やカテーテル1の内部構造に、変形や表面樹脂層の損傷が発生しない範囲とする。カテーテル1内にガイドワイヤー20が挿入された状態で巻くと、カテーテル1内腔壁面にガイドワイヤー20からの応力が掛かることによりカテーテル1の内腔に変形が生じ、第1〜3のルーメンの内腔が潰れてしまうことが懸念される。このため、外径53は、200〜350mmが好ましく、内径54は、100〜200mmで巻き、収納するのが好ましい。この範囲であれば、ガイドワイヤーに異常な力がかかりにくく、表面がこすれて潤滑性処理層が傷つくことが少ない。
また、製品トレー50における注液コネクター11の配置は、カテーテル1の吸引ルーメン用コネクターに接続しておいても良いが、即座に接続できれば離した位置に配置しても良い。いずれもガイドワイヤー20に通した状態にしておくことが好ましい。カテーテル1の吸引ルーメン用コネクターが塩化ビニル樹脂やポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂では嵌めた状態により、コネクターが変形する可能性があるため、カテーテル1の吸引ルーメン用コネクターには接続せず、離した位置に製品トレー上で配置することが好ましい。シリコーンゴム等の熱硬化性樹脂では嵌めておいても変形は進まないため、嵌合した状態で包装することが好ましい。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
たとえば、ガイドワイヤー20の延出部分は、たとえば樹脂製保護チューブ等の保護部材により覆ってもよい。ガイドワイヤー20の表面には、潤滑剤の塗布層が設けられている。保護部材を設けることにより、この塗布層が好適に保護される。
1 医療用カテーテル
2 本体チューブ
3 バルーン
4 誘導部
5 金属球
6 吸引孔
7 分岐チューブ
8 コネクターA
9 コネクターB
10 一方弁
11 注液コネクター
12 本体
13 ガイドワイヤー固定部
14 注液ポート
15 弾性体
16 視認部
20 ガイドワイヤー
21 バルーン設置部
22 潤滑性処理部
23 第1ルーメン
24 第2ルーメン
25 第3ルーメン
26 X線不透過ライン
30 シリンジ
40 滅菌袋
50 製品トレー
51 チューブ抑えウイング
52 リブ
53 外径
54 内径

Claims (6)

  1. 体内に挿入され、目的の腸閉塞部位まで到達した後、ガイドワイヤーが取り外されて前記腸閉塞部位近傍に留置されるのに用いられる、腸閉塞処置用カテーテルと、
    前記腸閉塞処置用カテーテルを収容する容器と、
    を含むカテーテル収納体であって、
    前記腸閉塞処置用カテーテルは、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーンゴム、或いはこれらの複合材料により形成され内部に一または二以上のルーメンが設けられた本体チューブを有し、
    前記ガイドワイヤーの表面にハイドロゲルの塗布層が設けられており、
    前記ガイドワイヤーは前記腸閉塞処置用カテーテルの基端部から延出しており、前記ガイドワイヤーの延出部分は保護部材により覆われており、前記ガイドワイヤーの前記延出部分の前記塗布層が前記保護部材により保護されており、
    前記本体チューブは所定の径で巻かれた状態で束ねられ、前記腸閉塞処置用カテーテルの先端部と前記基端部とが、前記束ねられた部分と接触しないように配置されており、
    前記ルーメンは、内部に前記ガイドワイヤーが挿入されたメインルーメンを含み、
    前記容器から取り出された前記腸閉塞処置用カテーテルは、前記ガイドワイヤーが挿入されている前記メインルーメンの内部に潤滑剤を注入して使用される、カテーテル収納体(但し、前記容器から取り出される前の前記腸閉塞処置用カテーテルの前記ルーメンの内部に潤滑剤が導入されたものを除く)
  2. 請求項1に記載のカテーテル収納体であって、
    前記腸閉塞処置用カテーテルは、カテーテル先端部近傍に設けられたバルーンを備え、
    前記ルーメンは、前記バルーンに膨張用流体を注入する流体注入用サブルーメンをさらに含む、カテーテル収納体。
  3. 請求項1または2に記載のカテーテル収納体であって、
    前記バルーンが、腸の蠕動運動によるカテーテルの挿入を促す機能を有するバルーンであるカテーテル収納体。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項に記載のカテーテル収納体であって、
    前記腸閉塞処置用カテーテルは、ガイドワイヤーが取り外されて体内に留置された後、吸引器または排液貯留容器と接続して用いられる、カテーテル収納体。
  5. 請求項1乃至4いずれか一項に記載のカテーテル収納体であって、
    前記腸閉塞処置用カテーテルが液体注入部をさらに備えるカテーテル収納体。
  6. 請求項1乃至5いずれか一項に記載のカテーテル収納体であって、
    前記腸閉塞処置用カテーテルは、カテーテル基端側にガイドワイヤー固定部、カテーテル先端側にコネクター接続部、中央に注入液ポートを備える分岐注液コネクターが、前記ガイドワイヤーが挿入されている前記メインルーメンの末端に予め接続されている、カテーテル収納体。
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