JPH09201330A - ドレナージチューブ組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 体腔内へドレナージチューブを挿入する際の
気腹ガスの漏れが無く、良好な視野の下で鉗子等を使用
することなく容易に目的部位へ留置することの出来るド
レナージチューブを提供する。 【解決手段】 ドレナージチューブ組立体は、ドレナー
ジチューブ１と、このドレナージチューブ１の内腔１１
に挿着されるスタイレット２から構成されてなり、ドレ
ナージチューブ１は好ましくはこれを保護するプロテク
タ３で被覆されている。ドレナージチューブ１の先端１
２は閉鎖されており、閉鎖先端１２に近接して側孔１３
が設けられている。術創部の血液や膿汁、体液等はこの
側孔１３から内腔１１を通って外部に排出される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、内視鏡下外科手術
において、術創部より血液や膿汁、体液等の排出を行う
ドレナージチューブ組立体に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、内視鏡下外科手術において、ドレ
ナージチューブ等の医療用具を体腔内へ導入、留置する
場合、腹壁に経皮的に刺入、留置されたトラカール等を
通して気腹された体腔内の留置部位に導入、留置してい
る。ところが、ドレナージチューブは、その柔軟性のた
めに真っ直ぐに留置部位へは届かず、途中で曲がってし
まう等の欠点があり、従って、ドレナージチューブの先
端部を留置部位へ誘導する場合、先ず、ドレナージチュ
ーブを術者側のトラカール（正中ポートに留置）から腹
腔内に挿入し、把持鉗子を用いて外側ポートに留置され
た別のトラカールから引出し、さらにドレナージチュー
ブの先端を胆嚢床に誘導して適切な位置に留置するとい
う技術を必要としていた。また、従来の技術では、ドレ
ナージチューブを挿入留置する際に、ドレナージチュー
ブの内腔を通じて気腹ガスが漏れ、視野が悪くなり、ド
レナージチューブの留置場所が見えにくくなるという欠
点があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたもので、体腔内へドレナージチューブ
を挿入する際の気腹ガスの漏れが無く、良好な視野の下
で鉗子等を使用することなく容易に目的部位へ留置する
ことの出来るドレナージチューブを提供することを目的
とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、鋭意検討の結果、ドレナージチューブ
の先端を閉鎖し、この閉鎖先端の近傍に側孔を設けるこ
とにより、上記の課題が解決することを見出し、本発明
に到達した。すなわち、本発明は、先端が閉鎖されると
ともに該閉鎖先端に近接して側孔が設けられてなるドレ
ナージチューブと、該ドレナージチューブの内腔に挿着
されるスタイレットから構成されてなるドレナージチュ
ーブ組立体である。ここで、側孔は複数個設けるのが好
ましい。また、ドレナージチューブはプロテクタで被覆
され保護されていてもよく、プロテクタの基端には把手
を設けるのが好ましい。

【０００５】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施例について図面
に基づいて説明する。図１は本発明のドレナージチュー
ブ組立体の縦断面図であり、図２および図３は本発明の
ドレナージチューブ組立体を体腔内に留置する操作の説
明図である。図１に示すように、本発明のドレナージチ
ューブ組立体は、ドレナージチューブ１と、このドレナ
ージチューブ１の内腔１１に挿着されるスタイレット２
から構成されてなり、ドレナージチューブ１は好ましく
はこれを保護するプロテクタ３で被覆されている。ドレ
ナージチューブ１の先端は閉鎖されており、閉鎖先端１
２に近接して側孔１３が設けられている。術創部の血液
や膿汁、体液等はこの側孔１３から内腔１１を通って外
部に排出される。

【０００６】ドレナージチューブ１は軟質の合成樹脂、
例えばポリエチレンや軟質ポリ塩化ビニル、天然ゴム、
シリコーンゴム等で形成された、通常、長さ３０ｃｍ、
直径３〜１０ｍｍの柔軟なチューブであり、先端が閉鎖
され、この閉鎖先端１２に近接して１個または複数の側
孔１３が設けられている。この構成では、内腔１１に挿
着されたスタイレット２の進入がドレナージチューブ１
の先端１２で阻止されるので、スタイレット２の操作に
より、ドレナージチューブ１を留置部位に導入すること
ができる。先端を閉鎖することによって失われた排液の
入口は、閉鎖先端１２に近接して形成された側孔１３に
よって補償されている。側孔１３は限定するものではな
いが、直径２〜３ｍｍの大きさであり、通常３〜５個設
けられる。尚、閉鎖先端１２の形成はチューブ形成後に
同一材料を流し込んでチューブの先端に形成するように
しても、同一材料により別途形成した先端チップを接着
剤を用いて接続するようにしてもよい。

【０００７】スタイレット２はステンレスなどの金属
や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリエステル、ＡＢＳ樹脂等の合成樹脂で必要に応じて
直線状または湾曲形状に形成された硬質または軟質の棒
状体である。スタイレット２の先端は、通常、挿入時に
ドレナージチューブを破損しないように丸く形成されて
いる。尚、スタイレット２をドレナージチューブ１から
抜去し易くするために、ドレナージチューブ１とスタイ
レット２の間に潤滑剤を塗布しておいてもよい。ドレナ
ージチューブ１を保護するプロテクタ３はポリプロピレ
ンやポリエチレン、軟質ポリ塩化ビニル等の合成樹脂で
チューブ状に形成されており、その基端には、好ましく
はドレナージチューブ１の導入操作がし易いように把手
３１が設けられている。

【０００８】次に本発明のドレナージチューブ組立体の
使用方法について説明する。先ず、体腔内に留置された
外側ポート側のトラカールＴを介して、図２に示すよう
にドレナージチューブ組立体Ｄを挿入する。次に、内視
鏡下スタイレット３を操作してドレナージチューブ１を
留置部位に誘導した後、ドレナージチューブ組立体Ｄか
ら図３に示すように外側のプロテクタ３とトラカールＴ
を抜去し、次いで、ドレナージチューブ１が術創部から
外れないよう、その後端を摘みながらドレナージチュー
ブ１からスタイレット２を抜去すればよい。

【０００９】

【発明の効果】以上説明してきたことから明らかなよう
に、本発明のドレナージチューブ組立体を採用すること
により、次のような効果を奏することができる。 ドレナージチューブの先端を閉鎖して側壁に側孔を設
けるとともに、内腔にスタイレットを挿入しているの
で、ドレナージチューブの内腔からの気腹ガスの漏れを
防止することができる。 スタイレットによりドレナージチューブの柔軟性に関
係なく容易に留置部位へドレナージチューブを誘導する
ことができる。また、鉗子を使用する必要がないので、
体腔内留置操作が容易である。 外側ポート側のトラカールからドレナージチューブを
挿入し、術創部まで誘導後、スタイレットを抜去するだ
けで、ドレナージチューブを所望の部位に留置すること
ができるので、ドレナージチューブの体腔内留置操作が
容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のドレナージチューブ組立体の縦断面図
である。

【図２】本発明のドレナージチューブ組立体を体腔内に
留置する操作の説明図である。

【図３】本発明のドレナージチューブ組立体を体腔内に
留置する操作の説明図である。

【符号の説明】

１ ドレナージチューブ １２ 閉鎖先端 １３ 側孔 ２ スタイレット ３ プロテクタ ３１ 把手 Ａ 腹壁 Ｄ ドレナージチューブ組立体 Ｔ トラカール

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端が閉鎖されるとともに該閉鎖先端に
   近接して側孔が設けられてなるドレナージチューブと、
   該ドレナージチューブの内腔に挿着されるスタイレット
   から構成されてなるドレナージチューブ組立体。
2. 【請求項２】 側孔が複数個設けられている請求項１に
   記載のドレナージチューブ組立体。
3. 【請求項３】 ドレナージチューブがプロテクタで被覆
   されてなる請求項１または２に記載のドレナージチュー
   ブ組立体。
4. 【請求項４】 プロテクタの基端に把手が設けられてな
   る請求項３に記載のドレナージチューブ組立体。