JP3460204B2 - 医療用腹腔鏡挿入用外套管 - Google Patents

医療用腹腔鏡挿入用外套管

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JP3460204B2
JP3460204B2 JP36554498A JP36554498A JP3460204B2 JP 3460204 B2 JP3460204 B2 JP 3460204B2 JP 36554498 A JP36554498 A JP 36554498A JP 36554498 A JP36554498 A JP 36554498A JP 3460204 B2 JP3460204 B2 JP 3460204B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として腹腔鏡下
外科手術において、小切開口に挿入しても気密を保持
し、内視鏡のみでなく複数の処置具を挿通するための医
療用腹腔鏡挿入用外套管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、腹腔鏡下外科手術が急速な広まり
を見せ、その適応も拡大しつつある。これは、当初腹腔
鏡下胆嚢摘出術のような比較的易しい物からスタートし
たが、術者の技術向上、器具の改良などによりやがて
胃、大腸の部分切除、総胆管結石の除去など従来開腹手
術でしか成しえなかったような手術を腹腔鏡下で行うよ
うになりつつあるからである。
【0003】これは、腹腔鏡下手術が切開を行わないた
め、患者の術後退院までの期間が短く、また、美容上も
優れていることが患者のニーズに合っていたためと考え
られる。一方で、美容上の問題から挿入する外套管の本
数を減らしたり、外套管の外径をなるべく小さくするな
どの試みもなされている。これは一方で操作性を悪く
し、ひいては術者のストレス、誤操作につながるため、
あまり進んでいないのが現状である。
【0004】傷が目立たないことから、へその部分を切
開し、太径の外套管を入れる手技はしばしば行われる。
この場合、術後の傷はへその中にうまく隠れてしまうた
め、美容上は非常に良好であるが、その反面へその部分
が入り組んでおり、また、伸展性があるために挿入した
外套管と、切開口の隙間から気腹ガスが漏れることがし
ばしばある。気腹ガスとは腹腔鏡下手術を行うために、
体内に送気する二酸化炭素などあり、圧力は大体3〜2
0mmHg程度である。ガスが送気されているために、
腹腔内がテント状に持ち上がり、視野が展開される。
【0005】こうした気腹ガスの漏れを防止するため
に、従来から使用されている外套管に装着するためのバ
ルーンとして、実開平5−053651号公報に医療用
装着用バルーンカテーテルが開示されている。本考案に
よれば、バルーンカテーテルは外套管に装着した後に複
数個のバルーンにより腹壁を挟み込み、バルーンを膨脹
させて気腹ガスの漏れが防止される。また、体壁から外
套管が抜けるのを防止する役割も持つ。
【0006】しかしながらこの発明による医療用装着用
バルーンカテーテルは外套管に密着するような内径を持
つため、外套管への装着がしばしば困難であるという不
具合があった。
【0007】また、一方で、特開平5−161657号
公報に示される腹腔鏡下胆嚢摘出術後処置用バルーン付
トラカールなるものも開示されている。これは腹壁上の
トラカール(外套管)の固定および、切開口との隙間に
よる気腹ガスの漏れ防止が目的であった。この発明によ
るトラカールでは腹壁上への固定及び気密性の維持は優
れており、また、装着の困難さに遭遇することもなかっ
た。しかし、一方で弁が先端部分に位置するために体液
が付着し、不意に弁が固まってしまう恐れがあり、ま
た、内腔が1本しかないために複数の処置具、内視鏡を
同時に挿入することができなかった。さらには腹腔内よ
り胆嚢を摘出する際、従前のトラカールでは、その内腔
に胆嚢を収納し、外套管ごと体外に抜挙することが可能
であったが、この発明によるトラカールでは先端部分の
弁のため、胆嚢を収納できず不便であった。
【0008】また、特開平5−115429号公報では
端部の一部に外部寸法をより大きく拡張させる手段を配
置したトロカール・スリーブ組立体が開示されている。
前述のバルーン同様で腹壁への固定ができ、また、拡張
させる手段にラテックスなどの弾性コーティングを設け
ればバルーン同等の気密も確保できる。しかし、これも
内腔が1本しかないために複数の処置具、内視鏡を同時
に挿入することができなかった。
【0009】更には、特開平6−327617号公報で
は外套管とこの外套管の管内に挿脱可能に挿入される内
針とを備えたトラカールにおいて、外套管にチャンネル
を設けたことを特徴とするトラカールが開示されてい
る。この目的は内視鏡下の手術中に不意の出血が生じた
場合、外套管のチャンネルを通して生体接着剤を使用し
た迅速な止血を行うことができるトラカールを提供する
ことにある。そのため、あくまで生体接着剤を想定して
いるため、サブルーメンに各種鉗子が抜き差しできるよ
うな構造、例えば、ルートに直角部分がなく、抜き差し
の際に気腹が落ちないようにするための弁部材を設ける
ような構造を考慮しておらず鉗子等を挿入することがで
きなかった。
【0010】また、特開平7−265321号公報では
少なくとも2つの外科用具、光学用具、埋め込み具など
の外科備品を挿入し位置固定するように構成されている
挿入器が開示されている。この装置は主に視野を確保す
るための気腹操作を必要としない胸腔鏡による処置を想
定しており、複数の鉗子を挿入可能であるが、腹腔鏡を
使用して気腹下で手術を行う場合のように気腹が落ちな
いようにするための弁部材などが全く考慮されておら
ず、気腹を行わない吊り上げ式での使用は可能である
が、気腹式では使用できない。また、バルーン等の気密
手段も考慮されておらず、気腹下での操作は困難である
と考えられる。
【0011】更に、特表平10−502841号公報で
は複数の作業チャンネルと複数の弁を持った多重ポート
套管針が開示されている。この装置はハウジング内に複
数の弁を持った複数のチャンネルを付設しており、気腹
下で、外径の異なる鉗子を別々に挿入でき、また、同時
に複数の鉗子を挿入して処置を行うことも可能である。
しかし、作業チャンネルは入り口部分を想定されてお
り、実際の鉗子は別々のチャンネル及び弁部材を通過し
た後、ハウジング及び套管内では一緒になるため、例え
ば、腹腔鏡と処置用の鉗子を挿入した場合、双方の用具
を動かすことで、部分的に接触して傷つけたり、かち合
って動かなくなる危険性が考えられた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述の事情に
鑑みてなされたもので、従来の腹腔鏡下外科手術におい
て使用される外套管の性能向上を目指し、種々の検討の
結果なされたもので、複数の処置具や内視鏡が同時に挿
入可能であるばかりでなく、患者に使用する外套管の数
を少なくし、ひいては患者の早期社会復帰、医療経済へ
の削減効果を得る。また、あらかじめカフが付いている
ことによりカフ装着の手間が省け、腹壁上への固定が十
分となり、気腹ガスの気密性も保たれる医療用腹腔鏡挿
入用外套管を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第一
の発明は複数の内腔を有する筒状の外套管であって、そ
の後端部には外気を遮断する弁部材が1つ以上装着され
ていることを特徴とする医療用腹腔鏡挿入用外套管であ
る。さらに第二の発明は第一の弁部材内蔵部とそれと接
続される独立した複数の内腔を末端から先端まで有する
導管、第一の弁部材内蔵部に内蔵されている各々独立し
た複数の内腔に対応した、末端側の第一のシール弁及び
先端側の第二のシール弁、更に、第一の弁部材内蔵部に
取り付けられた気腹ガス注入口、導管に取り付けられた
収縮可能で円周方向に設けられた複数のカフ、複数のカ
フ各々に直接接続されるか、導管にカフ膨脹用のルーメ
ンが配置され、それに接続された内カフ膨脹用チューブ
と外カフ膨脹用チューブ及びそれぞれに更に接続された
気液開閉装置を設置したことを特徴とする医療用腹腔鏡
挿入用外套管である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明を具体的
に説明する。図1(a)は本発明による腹腔鏡挿入用外
套管の一実施例を示す概略図で図1(b)はその断面図
を示す。図2(a)−(f)は複数の処置具挿通腔の組
合せの一例を示す。図3(a)−(c)はシートのスリ
ット形状の一例を示す概略図を示す。図4(a)、
(b)はフラップ形状の一例を示す概略図である。図5
(a)は本発明による医療用腹腔鏡挿入用外套管の別の
一実施例を示す概略図であり、図5(b)はその断面図
を示す。図6はその腹壁への装着例を示す。図7は手術
を行う実施例を示す概略図である。図8(a)は本発明
による腹腔鏡挿入用外套管の他の実施例を示す概略図
で、図8(b)はその断面図を示す。図9はフタの形状
の一例を示す概略図である。図10(a)は本発明によ
る医療用腹腔鏡挿入用外套管の他の一実施例を示す概略
図であり、図10(b)はその断面図を示す。図11
(a)は本発明による医療用腹腔鏡挿入用外套管の他の
一実施例を示す概略図であり、図11(b)はその断面
図であり、図11(c)は別の断面図を示す。図12は
第一のシール弁の形状の一例を示す概略図である。
【0015】本発明による医療用腹腔鏡挿入用外套管
は、体外側より体内側に伸びる導管(1)及び、複数の
処置具挿通腔よりなる。導管(1)は断面が円柱形もし
くは正六角形、正八角形などの対称形を有するものであ
り、外径は1mmからおおむね50mm程度までであ
る。
【0016】導管(1)は天然ゴム、シリコーンゴム、
塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアセタール樹
脂等の可とう性を有する材料もしくはアルミニウム、ス
テンレス、チタン、カーボン、ポリカーボネート樹脂、
ポリサルフォン樹脂等の硬質の材料にて構成される。導
管(1)の外径は処置具挿通腔(6)(7)の内径を考
慮するとφ1〜φ100mmが好ましい。これは、φ1
mm以下であると挿入可能な処置具がなく、また、φ1
00mm以上では患者への侵襲が大きくなり、有用性が
失われてしまうためである。全長は5〜30cmが望ま
しい。これは、全長が5cm以下では肥満の人の場合、
腹壁に埋もれてしまう恐れがあるためであり、また30
cm以上では長いため鉗子の操作性が悪くなるためであ
る。処置具挿通腔(6)(7)の内径はφ0.4〜φ5
0mmまでである。これは内径が0.4mm以下である
と挿入する処置具がなく、φ50mm以上では気腹ガス
の気密を保つのが困難であるためである。また、複数の
処置具挿通腔(6)(7)の組合せは同一の径のもの、
大径のものと小径のものの組合せが考えられるが、その
組合せの例は図2の通りである。
【0017】可とう性を有する材料を使用する際は、処
置具挿通腔(6)や(7)のつぶれを防止するために導
管(1)の軸方向に沿って螺旋状のワイヤーなどにより
補強することもある。ワイヤーの材質としてはステンレ
ス鋼などによるものが望ましく、その径はφ0.01〜
φ5mmが望ましい。これはφ0.01mm以下ではワ
イヤーの強度が不十分であり、また、φ5mm以上では
導管(1)の内腔が狭くなり、有用性が失われるためで
ある。
【0018】導管(1)の体外側に設けられたシート
(2)(3)は処置具挿通腔(6)(7)に処置具や内
視鏡を導入する際に内腔から気腹ガスが漏れることを防
止する。シート(2)(3)は薄板状であり、スリット
が設けられている。スリットの形状は例えば十字形、星
形などであり、場合によっては2枚の板を重ね合わせて
使用することもある。その例を図3に示した。この場
合、十字形の向きを45度ずらして重ね合わせる。シー
トの材質は可とう性を有するものが望ましく、例えば、
天然ゴム、シリコーンゴム、塩化ビニル樹脂、ポリウレ
タン樹脂、SEBS樹脂などである。
【0019】シート(2)(3)の外径は、処置具挿通
腔(6)(7)の内腔と同一もしくはより大きい物が望
ましく、処置具挿通腔(6)(7)にはめ込んで接着す
るか、もしくは導管(1)の体外側表面に接着するのが
望ましい。また、シート(2)(3)の厚みは0.1〜
10mm程度が適当である。これは、0.1mm以下で
は気腹ガスの圧力に耐えられず、また、10mm以上で
は処置具挿入時の摩擦抵抗が大きく、挿入が困難となる
ためである。スリットの幅は、挿入する処置具や内視鏡
により異なるが0.3〜50mmが適当であり、使用す
る処置具や内視鏡の径の±5mmが良い。これは、0.
3mm以下では処置具の挿入が困難であり、また、50
mm以上では処置具挿通腔(6)(7)よりも大きくな
ってしまい、実用性がないためである。
【0020】シート(2)(3)の別の形態として図4
に示すような一方向のフラップ(11)も取りうる。こ
のフラップ(11)は体外側に開くことはなく、体内側
にのみに動くので、処置具や内視鏡が弁に入っていない
ときは体内側の気腹圧により陽圧であるため、フラップ
(11)が体外側方向に押され閉じる。フラップ(1
1)が閉じているために気腹圧が体外に逃げることはな
い。すなわちフラップ(11)が閉じて処置具挿通腔
(6)(7)が外套管の外側に対して非解放の状態とな
る。一方、処置具や内視鏡を入れたときはフラップ(1
1)が体内側に押し込まれ、体内側に導入される。その
際にフラップ(11)と処置具や内視鏡が密着するため
に気腹ガスが漏れることはない。
【0021】フラップ(11)の材質としては可とう性
を有するものであれば特に制限はなく、例えば天然ゴ
ム、シリコーンゴム、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹
脂などが使用できる。気密性維持の面からシリコーンゴ
ムがより好ましい。また、硬質の材質であるアルミニウ
ム、ステンレス、チタン、カーボン、ポリカーボネート
樹脂、ポリサルフォン樹脂等の単体や、その表面に可と
う性を有する材料である天然ゴム、シリコーンゴム、塩
化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂などを表面接着したも
のも用いることができる。フラップ(11)のヒンジ
(12)部分にバネを設けたものもまた好ましい。これ
は、処置具や内視鏡を処置具挿入腔から抜去する際にフ
ラップ(11)の戻りがよりすばやくなり、また、フラ
ップ(11)が閉じた際に気腹圧の漏れがより少なくな
るという利点がある。
【0022】シート(2)(3)の別の形態として図
8、図10に示すようなフタ(13)(14)もとりう
る。導管(1)の体外側に設けられたフタ(13)(1
4)は処置具挿通腔(6)(7)に処置具や内視鏡を挿
入する際に内腔から気腹ガスが漏れることを防止する。
フタ(13)(14)は処置具挿通腔(6)(7)の断
面形状とほぼ同一の断面形状を有する。フタ(13)
(14)の全長は5〜50mmであることが好ましい。
これは、5mm以下では気腹ガスが漏れる恐れがあり、
50mm以上では脱着困難となるためである。フタ(1
3)(14)の形状の例を図9に示す。この場合、管腔
内挿入部は処置具挿通腔の断面形状とほぼ同一であり、
つかみ代の部分はその1〜2倍の大きさであることが好
ましい。これは1倍以下ではつかみにくく、挿入性に問
題があり、2倍以上では他のフタと干渉する恐れがある
ためである。また、つかみ代と導管(1)の間に接続ひ
もを設けることも好ましい。これは、フタ(13)(1
4)の材質は可とう性を有するものが好ましく、例えば
天然ゴム、シリコーンゴム、塩化ビニル樹脂、ポリウレ
タン樹脂などである。
【0023】更に別の形態としては、図11(a)
(b)に示すように、導管(1)の近位端に第一の弁部
材内蔵部(15)を設け、第一のシール弁(16)(1
7)、第二のシール弁(18)(19)を内蔵させても
良い。第一のシール弁(16)(17)は図12に示す
ようなシートで形成され、内視鏡や処置具が挿入された
場合に、それらを気密にシールするような構造であれば
良く、厚みは0.1〜10mm程度が適当であり、内径
は処置具等の外径に合わせ、0.3〜50mmが適当で
ある。第一のシール弁の材質は、可とう性を有するもの
が望ましく、例えば天然ゴム、シリコーンゴム、塩化ビ
ニル樹脂、ウレタン樹脂、SEBS樹脂などが適当であ
る。第二のシール弁(18)(19)は、図3に示した
スリットの入ったシートや図4に示したフラップ形状で
良く、更には、2枚のシートを重ね合わせた弁形状のよ
うに、内視鏡や処置具を抜いたときに気腹が落ちず、気
密を保持できる構造であれば何ら差し支えない。また、
弁部材内蔵部のべつの形態としては、処置具が操作中に
ぶつかったりしないように操作性を良くするために、図
11(c)のように導管(1)に分岐して斜めに接続し
た第二の導管(23)を設け、その近位端に第二の弁部
材内蔵部(24)を形成させ、その中に前述の第一のシ
ール弁及び第二のシール弁を設ける構造にしても良い。
この際、第二の導管(23)は、導管(1)に対して直
角になるような角度で配置すると処置具の挿入が困難あ
るいは不可能となるため、処置具挿通腔の中心軸に対し
て5〜30度程度の角度が良い。第一及び第二の弁部材
内蔵部の材質は、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリサルフォン樹脂など若干硬質の樹脂であれば良
く、制限されない。また、第二の導管(23)の材質
は、導管(1)と同様である。
【0024】次に、図5を用いて説明する。これは、医
療用腹腔鏡挿入用外套管の一例を示したものである。こ
こでは体外側カフ(4)および体内側カフ(5)はそれ
ぞれ導管(1)上に直列に配置されている。カフの形状
は通常球形もしくはドーナッツ形を有しており、円周方
向に均一に設けられていても良い。この場合、カフには
体外側カフ膨脹用パイロットバルーン(8)及び体内側
カフ膨脹用パイロットバルーン(9)を通じて気体もし
くは液体等により膨脹、収縮が可能である。体外側カフ
及び体内側カフは膨脹時はその最大部の径がφ10〜φ
200mmとなり、収縮時はその最大部の径が導管
(1)の外径とほぼ同一になるのが望ましい。
【0025】カフ(4)(5)の材質としては、天然ゴ
ム、シリコーンゴム、軟質塩化ビニル樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂等の可とう性を有するものが望ま
しい。肉厚は0.01mm〜5mmが膨脹特性、膨脹時
内圧の面から望ましい。また、カフ(4)(5)の軸方
向の幅は5〜50mmが望ましく、体内側カフ(5)と
体外側カフ(4)の間隔は3〜50mmが望ましい。更
に、カフ(4)(5)は、その耐圧が少なくとも0.5
kg/cm2以上であることが望ましい。
【0026】体内側カフ(5)と体外側カフ(4)が間
隔を有するため、その間に腹壁を挟み込み、両方のカフ
を膨脹させることにより気腹ガスの漏れを防止する。使
用前カフ(4)(5)は収縮され、その外径が導管
(1)の外径とほぼ同一であり、腹壁上の導管(1)の
径よりもやや大きめに切開された小切開部位より本発明
による医療用腹腔鏡挿入用外套管を体内に導入する。体
内側カフ(5)のみが体内に完全に収納されたら、ま
ず、一方弁などの気液開閉装置の付いた体内側カフ膨脹
用パイロットバルーン(9)より気体又は流体を注入
し、体内側カフ(5)を膨脹させる。これがアンカーと
なり、導管(1)が腹壁から抜けることを防止する。続
いて同様に気液開閉装置の付いた体外側カフ膨脹用パイ
ロットバルーン(8)より気体または流体を注入し、体
外側カフ(4)も膨脹させる。これにより2つのカフ
(4)(5)が体壁に密着し、体内側からの気腹ガスの
漏れが防止される。
【0027】カフ(4)(5)に注入する気体としては
空気、二酸化炭素、窒素などの不活性ガスが望ましい。
これは、万が一カフ(4)(5)から気体が漏れた場合
に爆発等の事故を未然に防ぐためである。また、液体と
しては滅菌蒸留水、生理的食塩水等が考えられるが、滅
菌蒸留水が望ましい。これは、万が一カフから漏れた場
合に汚染・感染等の危険がなく、長期留置した場合にも
溶解性がないため固着する恐れがないためである。空気
を注入する方が容易であるが、一方では、滅菌蒸留水を
注入した方が重さがあるため、安定性の面で望ましいこ
とがある。どちらを選択するかは術者の要望により異な
る。
【0028】また、体外側に設けた気腹ガス注入口(1
0)により腹腔内を気腹させるためのガスの送気が可能
となり、これとは別に気腹針などを刺入する必要がない
ため便利であり、コストもかからず、また、患者の傷も
少なくて済むというメリットがある。気腹ガス注入口
(10)は漏れ防止のため二方活栓などの気液開閉装置
が付いていることが望ましい。
【0029】次に本発明による医療用腹腔鏡挿入用外套
管により実際の手術を行う方法について図6及び7を用
いて解説し、本発明の効果を明確にする。まず、患者の
臍部を鉗子でつかみ、近傍にメスにより小切開を加え
る。小切開部位より本発明による医療用腹腔鏡挿入用外
套管を挿入し、体内側カフ(5)を膨脹させる。続いて
導管(1)を手前に引きながら体外側カフ(4)を膨脹
させる。これにより導管(1)が固定される。(図6)
【0030】続いて内視鏡を導管(1)の処置具挿通腔
(大)(6)に挿入し、また、気腹ガスを注入する。こ
れにより腹腔がドーム状に持ち上がり視野(術野が)が
確保される。続いて従前のトロッカーを1〜3本腹壁上
の適切なる位置に刺入する。これらのトロッカーを通じ
て鉗子、吸引嘴管、電気メス、超音波メス、レーザーメ
スなどを腹腔内に導入し、必要な処置を行う。また、本
発明による医療用腹腔鏡挿入用外套管(1)の処置具挿
通腔(小)(7)にもこれらの処置具が挿通可能である
ため、通常の処置と比較してトロッカーの数を減少させ
ることが可能である。(図7)これにより、患者に与え
る傷の数も減り、ひいては患者の予後がより良好とな
る。抜去時は先端側のカフを萎ませることにより、容易
に抜去も可能である。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、複数の処置具や内視鏡
が同時に挿入可能になるばかりでなく、患者に使用する
外套管の数が少なくなるため患者の傷の数も減り、ひい
ては患者の早期社会復帰、医療経済への削減効果を得る
ことができる。また、カフ装着の手間が省け、確実な気
密を保持できるため手術時間の短縮も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による医療用腹腔鏡挿入用外套管の一実
施例を示す概略図である。
【図2】複数の処置具挿通腔の組合せの一例を示す概略
図である。
【図3】シート上のスリット形状の一例を示す概略図で
ある。
【図4】フラップ形状の一例を示す概略図である。
【図5】本発明による医療用腹腔鏡挿入用外套管の別の
一実施例を示す概略図である。
【図6】本発明による医療用腹腔鏡挿入用外套管の腹壁
への装着例を示す概略図である。
【図7】本発明による医療用腹腔鏡挿入用外套管を用い
て手術を行う実施例を示す概略図である。
【図8】本発明による医療用腹腔鏡挿入用外套管の他の
実施例を示す概略図である。
【図9】フタの形状の一例を示す概略図である。
【図10】本発明による医療用腹腔鏡挿入用外套管の他
の実施例を示す概略図である。
【図11】本発明による医療用腹腔鏡挿入用外套管の他
の実施例を示す概略図である。
【図12】第一のシール弁の形状の一例を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
1. 導管 2. シート(大) 3. シート(小) 4. 体外側カフ 5. 体内側カフ 6. 処置具挿通腔(大) 7. 処置具挿通腔(小) 8. 体外側カフ膨脹用パイロットバルーン 9. 体内側カフ膨脹用パイロットバルーン 10.気腹ガス注入口 11.フラップ 12.ヒンジ 13.フタ(大) 14.フタ(小) 15.第一の弁部材内蔵部 16.第一のシール弁(大) 17.第一のシール弁(小) 18.第二のシール弁(大) 19.第二のシール弁(小) 20.外カフ膨脹用チューブ 21.内カフ膨脹用チューブ 22.気液開閉装置 23.第二の導管 24.第二の弁部材内蔵部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−285156(JP,A) 特開 平7−178108(JP,A) 実開 平7−13301(JP,U) 実開 平5−53651(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 1/00 - 1/32 A61B 17/34

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の弁部材内蔵部とそれと接続される
    独立した複数の内腔を末端から先端まで有する導管、
    管の近位端近傍より複数の内腔の少なくとも一つに分岐
    して斜めに接続した第二の導管、その近位端に付設され
    る第二の弁部材内蔵部、第一の弁部材内蔵部と第二の弁
    部材内蔵部の末端側には処置具の周囲を気密に保つ円形
    の孔の開いた可とう性のある第一のシール弁、先端側に
    処置具の挿入なしに気密を保つ第二のシール弁、更に
    第一の弁部材内蔵部に取り付けられた気腹ガス注入口、
    導管に取り付けられた収縮可能で円周方向に設けられた
    複数のカフ、複数のカフ各々に直接接続されるか、導管
    にカフ膨張用のルーメンが配置され、それに接続された
    内カフ膨張用チューブと外カフ膨張用チューブ及びそれ
    ぞれの末端に更に接続された気液開閉装置を設置したこ
    とを特徴とする医療用腹腔鏡挿入用外套管。
  2. 【請求項2】 カフが可とう性を有する材料から膨脹時
    の形状に成形されており、流体をカフに注入することに
    より、カフは成形された状態まで膨脹し、流体をカフか
    ら吸引することにより、カフは外套管の軸の外径とほぼ
    同一の外径となるとともに、カフの耐圧が少なくとも
    0.5kg/cm2以上である請求項1記載の医療用腹
    腔鏡挿入用外套管。
  3. 【請求項3】 外套管の誘導管に内腔のつぶれを防止す
    るための螺旋状のワイヤーを内蔵させた請求項1又は2
    記載の医療用腹腔鏡挿入用外套管。
  4. 【請求項4】 1つの内腔には内視鏡が挿入され、もう
    一つの内腔には柔軟な鉗子類が挿入される請求項1〜3
    記載のいずれかの医療用腹腔鏡挿入用外套管。
  5. 【請求項5】 柔軟な鉗子が組織、対象物を把持、焼
    灼、切離する機能を有する請求項4記載の医療用腹腔鏡
    挿入用外套管。
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