JP3852923B2 - 腹腔鏡下手術用ドレナージ器具 - Google Patents

腹腔鏡下手術用ドレナージ器具 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、腹腔鏡下において総胆管切石術後や、経胆嚢管的に切石を行った後などに、胆汁をドレナージするためのカテーテル及び該カテーテルを挿入する器具となる、腹腔鏡下手術用ドレナージ器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
腹腔鏡下外科手術の発展に伴い、従来禁忌とされていた総胆管結石治療においても腹腔鏡下手術が導入されてきている。この中で、総胆管切石術後に総胆管を一期的に縫合した場合や、経胆嚢管的に切石を行ったあとなどには、術後、胆汁により総胆管の内圧が上昇するのを防止したり、胆汁漏出を防止する目的で、該胆汁をドレナージするためのCチューブと呼ばれる細径のチューブを経胆嚢管的に総胆管に留置することが一般的となっている。従来この手技に好適な胆嚢管ドレナージチューブとして、特許3209896の内視鏡下手術用ドレナージチューブがある。これは、先端部及びその近傍に内腔と連通する開口及び複数の側孔を有し、チューブ全体の外径がほぼ同じで段差が無く、かつ後端部でチューブ内腔を気密的に閉鎖する封止部を有する可撓性チューブと、該チューブの後端封止部を切除した後に嵌合する接続コネクターとで構成されたドレナージチューブで、該チューブを胆嚢管に挿入するための器具となる穿刺針と外筒管とからなる2重針と共に使用されるものである。
【0003】
例えばこのチューブを、腹腔鏡下総胆管切石術に使用する場合は、まず腹部切開部より前記2重針を刺入し、その先端を胆嚢管に導入し穿刺針のみを抜去し外筒管を留置する。次に外筒管の開口部よりチューブを導入するが、その際チューブの後端部が封止されているため腹腔内の気腹ガスがチューブの内腔を通じて体外に放出することを防止している。チューブを外筒管をガイドとして胆嚢管内に留置し、外筒管を抜去し、チューブの挿入された胆嚢管の外側に伸縮性縫合糸をかけ、強く引っ張りながらクリップをかけチューブが抜けないように固定し装着する。その後、チューブ後端部の封止部を切断し、コネクターを接続し、胆汁ドレナージを行う。また、チューブが不要になった場合は、体外よりチューブを引き抜くと胆嚢管の周りにかけられた伸縮性縫合糸により胆嚢管の開口部が自発的に閉塞するため術後に何ら処置を必要としない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これら従来の器具は、チューブや外筒管が樹脂製で柔らかく、また直線形状を採っている一方で、実際にチューブを挿入する胆嚢管から総胆管への経路は直線状ではなく曲がっており、また、挿入操作は腹腔鏡下による鉗子等を利用しての遠隔操作となるため、外筒管の胆嚢管への挿入、及び外筒管をガイドとしてのカテーテルの胆嚢管、総胆管への挿入は、チューブや外筒管が折れ曲がってしまったり、胆嚢管等の曲がり部で引っかかってしまうなどにより、しばしば挿入操作が困難となることある。
【0005】
そこで、本発明は腹腔鏡下外科手術において胆嚢管へドレナージカテーテルを留置するさい、挿入操作が容易で確実な腹腔鏡下手術用ドレナージ器具を提供することを課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の腹腔鏡下手術用ドレナージ器具は、先端部をJ形状に湾曲した可撓性チューブよりなる外筒と、該外筒の内腔に挿抜自在な硬性パイプよりなる外筒ガイド管と、該外筒ガイド管の内腔に挿抜自在で先端に刃先を設けた棒状体よりなる内針と、前記外筒、外筒ガイド管及び内針各々の後端部に設けられる、外筒基、外筒ガイド管基及び内針基よりなる手元操作部とで構成し、該手元操作部の外筒基及び外筒ガイド管基は、同心円上に配置
された円筒状部材として形成され、両者の摺動面の一方に形成された長手方向の移動溝、及びこの移動溝の両端部及び中間部に設ける周方向の固定溝に、前記摺動面の他方に形成された突起が係合する構成を有し、前記移動溝の前記突起の移動範囲内で相対的に移動し、前記突起を前記固定溝に係合させると、前記外筒基及び外筒ガイド管基の長手方向の移動が規制される手段を備え、手元操作により、前記外筒に前記外筒ガイド管を挿入したさいに、外筒の先端部が外筒ガイド管の挿入の深度により、曲付けされたJ形状から外筒ガイド管により矯正された直線形状の範囲で形状変化可能な穿刺キットと、
前記外筒ガイド管の内腔部に挿通可能で、先端部に開口部及び/あるいは先端近傍側面にサイドホールを有するカテーテルと、該カテーテルの後端部あるいは中途部に着脱自在で、かつ、カテーテルの内腔通路を閉塞及び開口可能なアダプターとを有して構成した。
【0007】
前記の構成に加え、内腔に前記カテーテルを挿通可能で、かつ前記外筒ガイド管基の後端部に着脱自在とし、内針抜去後に該後端部に接続することにより、前記外筒ガイド管の内腔通路を閉塞する逆止弁を有して構成した。
【0008】
前記カテーテルの先端部は、予めJ形状に曲付けし、湾曲形状とした。
【0009】
また、前記カテーテルの先端部を、先細りのテーパー形状とした。
【0010】
前記外筒、及び/または、前記カテーテルは、可撓性樹脂の中でも比較的硬質なテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂により形成した。また、該カテーテルには必要に応じて、目盛りやX線非透過性を備えた。
【0011】
【作用】
本構成の腹腔鏡下手術用ドレナージ器具の穿刺キットによれば、J形状に湾曲して形成した可撓性樹脂よりなる外筒の湾曲した部分に、硬質パイプよりなる外筒ガイド管を挿入(前進)することで、可撓性の外筒は硬質のパイプにより矯正され徐々に湾曲を小さくし、先端部まで挿入すると直線状となる。一方、挿入された状態で外筒より外筒ガイド管を抜去(後退)すると、可撓性の外筒は、硬質パイプの影響をはなれ、徐々に湾曲を深くして、外筒ガイド管の先端が外筒の直線部(非湾曲部)に到達すると予め曲付けしたJ形状に戻ることから、外筒への外筒ガイド管の挿入深度により、J形状から直線状の範囲で形状を可変することができ、体腔内へ穿刺するさいは穿刺しやすい直線状として、腹腔内で胆嚢管に挿入するさいは胆嚢管の長軸に沿った形状に合った、挿入しやすい湾曲形状を選択して操作することができる。
また、外筒を比較的硬質な可撓性樹脂であるフッ素系樹脂で形成することに加え、外筒の内腔に硬質な外筒ガイド管を挿着しているため、非常にコシの強い外筒となり、遠隔操作となる外筒の胆嚢管への挿入のさい、外筒の折れやコシ砕けなどの挿入に支障を来す原因を排除することができ、また手元操作への追従性を向上することができる。
更に、カテーテルの内腔通路を閉塞及び開口可能で、かつ、カテーテルに着脱自在なアダプターを設けることにより、腹腔鏡下によるカテーテルの挿入手技中は通路を閉塞することでカテーテル後端開口部からの気腹ガスの漏れを防止することができ、手術後は通路を開口あるいはアダプターを外すことで胆汁のドレナージが可能で、更に、術中等に該カテーテルを通路として造影剤などを注入する場合には、アダプター後端部をルアーテーパーとしておくとそのまま薬液の注入口とすることができる。
【0012】
また、外筒ガイド管基の後端部に着脱可能な逆止弁を設けると、穿刺キットを腹腔に穿刺し内針を抜去した後に内針基に替えて接続することにより、外筒ガイド管の内腔通路を閉塞することで、カテーテル挿入、留置操作の間、腹腔内の気腹ガスの漏れを防止することができる。また、該逆止弁は、前記の通り腹腔側からの気腹ガスの漏れは防止するが、体外側からは該逆止弁の内腔を通してカテーテルを挿通可能な構造とすることで、外筒ガイド管に装着した状態でカテーテルを挿入できるため、カテーテル挿入操作中の外筒ガイド管及びカテーテルの隙間からの気腹ガスの漏出も最小限にすることができる。
【0013】
前記カテーテルの先端部を予めJ形状に曲付けし、湾曲形状とすると、前記外筒及び外筒ガイド管をガイドとして該カテーテルを胆嚢管から総胆管へ挿入するさい胆嚢管の長軸や胆嚢管から総胆管への移行部の曲がった経路に自然に沿って挿入でき、先端部が引っかかることがない。また、前記カテーテルの先端部を、先細りのテーパー形状とすると、更に胆嚢管や総胆管への挿入のさいの引っかかりなどが防止でき、また外筒及び外筒ガイド管の内腔への挿通操作もスムーズにすることができる。
【0014】
外筒及びカテーテルを可撓性樹脂の中でも比較的硬質なテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂で形成することにより、コシの強いものとなるため、腹腔鏡下外科手術のような遠隔的な操作となっても、胆嚢管への外筒及びカテーテルの挿入のさい、折れやコシ砕けなどの挿入に支障を来す原因を排除することができる。
【0015】
手元操作部の外筒基及び外筒ガイド管基を、摺動可能に同心円上に配置し、外筒基及び外筒ガイド管基の摺動面の一方に移動溝(長手方向)と複数の固定溝(周方向)を形成し、他方の摺動面に該移動溝及び固定溝と係合する突起を形成し、移動溝の範囲で長手方向に突起が移動し、突起を固定溝に周方向に回動して係合させると、前記長手方向の移動が規制される構成としたことで、前記した外筒内腔への外筒ガイド管の挿入深度、即ち外筒の湾曲形状(あるいは直線形状)を手元操作部で調整することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例を図面を参考にして詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の実施の形態の一例を示す腹腔鏡下手術用ドレナージ器具の全体構成図を示し、胆嚢管にドレナージカテーテルを挿入、留置するさい、体腔に穿刺して、カテーテルの挿入ガイド(通路)となる穿刺キット1、該穿刺キット1に挿通して胆嚢管に挿入、留置され胆汁ドレナージ(必要に応じて造影剤等の薬液の注入)の目的に使用されるカテーテル2、及び該カテーテル2の後端部に接続されカテーテル2の内腔を閉塞可能なアダプター3より基本構成される。
穿刺キット1は後段で詳細するが、外筒11、外筒ガイド管13、内針15及び各々の基端部に接続する外筒基12、外筒ガイド基14、内針基16により構成され、外筒11の内腔に外筒ガイド管13、外筒ガイド管13の内腔に内針15が挿着され、外筒基12と外筒ガイド基14、外筒ガイド基14と内針基16が係合、接続されて一体として構成される。(尚、図面では構成を明確にするため、内針を引き出した状態を示すが、当然穿刺時には外筒ガイド管基14後端に内針基16が接続されている。)
カテーテル2は、前記外筒ガイド管13の内腔部に挿通可能な外径(本例では、4Fr.、950mm)でかつガイドワイヤーが挿入できる内径(本例では、0.8mmのガイドワイヤーが挿入できる内径)のテトラフルオロエチレン樹脂により成形されたチューブで、胆汁ドレナージ等のため、内腔に連通する先端部の開口21及び、先端近傍側面にサイドホール22を複数設けて構成し、また先端部は胆嚢管への挿入を容易とするため予めJ形状に曲付けされた湾曲形状23とし、更に先端部を先細りのテーパー形状24として形成している。また、必要に応じて、体腔や胆嚢管への挿入深さを確認するための目盛り25や、留置位置を確認するためX線非透過性を備えても良い。
アダプター3は、カテーテル2の後端部あるいは中途部に着脱自在で、かつ、カテーテルの内腔通路を閉塞及び開口可能なものとして、本例では、アダプター本体31、締め付けリング32、及びロックリング33よりなり、アダプター本体31、及びロックリング33は硬質な樹脂よりなり、アダプター本体31後端部のねじ部と、ロックリング33前端部のねじ部を接続し一体化して用い、一方締め付けリング32はゴム弾性を有し、中央にカテーテルを挿通するための通孔を設けてリング状に形成されてなり、アダプター本体31及びロックリング33の内部に挟持されるように装着され構成されており、前記した、アダプター本体31のねじ部と、ロックリング33ねじ部を相互に強く締め付けることにより内部に装着されている締め付けリング32が押しつぶされて通孔の内径を小さくし、締め付けを緩めることで通孔の径を大きくする構造となっている。これにより、カテーテル2を通孔に挿入したさい、ロックリング33をある程度締め付けることで通孔が締まりカテーテル2が接続固定され、更に強く締め付けることで通孔が更に締まりカテーテル2の内腔を閉塞し、逆にこれを緩めることで通孔が開かれカテーテル内腔が開口、更に緩めることでカテーテルから外すことを可能としている。当然、術中胆嚢管にカテーテル2を挿入するさいは締め付け閉塞され、術後、ドレナージ中はこれを緩め、あるいは外してカテーテル内腔通路が開口するように扱われる。また、ロックリング33の後端部にロックキャップ34を接続するとより確実にカテーテル内腔通路を閉塞することが可能となる。更に、ロックリング33の後端部は雌ルアーテーパーとして形成されており、術中等に造影剤等の薬液を注入するさいは、そのまま薬液注入口としても使用することができる。
【0018】
図2は、本実施の形態の一例の穿刺キット1を外筒部(図A)、外筒ガイド部(図B)、内針部(図C)に分離した各部の構成図を示す。
外筒部Aは、外筒11と外筒基12が外筒11の基端部で接続されなり、外筒11はテトラフルオロエチレン樹脂により成形され、先端部を予めJ形状に曲付けした湾曲形状111として形成される。外筒基12は樹脂成型品で内面が外筒11の内腔と連通してなり、該内面が外筒ガイド管基14との摺動面となっており、該摺動面の長手方向に移動溝121、及び該移動溝121の両端部及び中間部の周方向に固定溝122a、b、cを設けて、後記する外筒ガイド管基14の突起141と係合されるように構成される。
外筒ガイド部Bは、外筒ガイド管13と外筒ガイド管基14が外筒ガイド管13の基端部で接続されてなり、外筒ガイド管13はステンレスパイプよりなり、先端部切断面の辺縁は研磨されてなる。外筒ガイド管基14は樹脂成型品で内面が外筒ガイド管13の内腔と連通してなり、外面が外筒基12との摺動面となっており、該摺動面に突起141を設けて、前記した外筒基12の移動溝121、及び固定溝122a、b、cと係合されるように構成されている。また、外筒ガイド管基14の後端部142は雌ルアーテーパーを形成しており、必要であれば薬液注入等の注入口としても使用することも可能で、更に、内針15を抜去して、別に設ける逆止弁17を外筒ガイド基の後端部142に接続することで、内針15抜去後も外筒ガイド管13内腔の閉塞状態を維持することが可能で、術中穿刺キット1を体腔内に穿刺し、内針15を抜去した後、カテーテル2を挿入、留置するまでの間、該逆止弁17を接続しておくことで気腹ガスの漏れを防止することができる。本実施例の逆止弁17は、前端側の外筒ガイド管基14に接続可能な接続リング171と、後端側のカテーテル2が挿入可能で、かつ、カテーテル2装着時に気密を維持できる径の通孔を設けたゴム弾性部材172とで構成し、該ゴム弾性部材172の通孔に、前述したアダプター3により内腔を閉塞したカテーテル2を挿着することで、逆止弁17を外筒ガイド管基14の後端部142に接続したさいに、外筒ガイド管13の内腔を閉塞し気腹を維持できるものとして構成した。また、この逆止弁17として、前記構成に加え、内部にダックビル弁やクロススリット弁等の公知の逆流防止弁機構を設けても良く、その場合は、カテーテル2を挿通しない状態であっても外筒ガイド管13内腔の閉塞が維持することができる。
内針部Cは、内針15と内針基16が内針15の基端部で接続されてなり、内針15はステンレス線よりなり、先端部は腹腔内への穿刺のため鋭利な刃先151を設けて構成した。内針基16は、樹脂成型品よりなり外筒ガイド管基14の後端部142と接続可能に形成される。
【0019】
図3は本実施の形態の手元操作部の外筒基及び外筒ガイド管基を示し、外筒基12の内面及び外筒ガイド管基14の外面が摺動面とし、互いに摺動可能に同心円上に配置した円筒状部材として構成し、外筒基12には、長手方向に移動溝121を、また、この移動溝121の両端部及び中間部1カ所の周方向に固定溝122a、b、cを形成し、一方、外筒ガイド管基14の摺動面には前記移動溝121及び固定溝122と係合する突起141を設けて、外筒基12及び外筒ガイド管基14は、移動溝121と突起141による移動範囲内で相対的に摺動可能で、かつ突起142を周方向に回動して固定溝122に係合させると、前記外筒基12及び外筒ガイド管基14の長手方向の移動が規制される構成を有している。これにより外筒12の移動溝121(固定溝122)と外筒ガイド管基14の突起141の相対的な位置を設定することで、外筒11内腔への外筒ガイド管13の挿入深度、即ち外筒11の湾曲形状(あるいは直線形状)を手元操作部で調整することができる。
尚、本実施の形態においては、固定溝を前記した3カ所としたため、対応して外筒11の先端形状は、直線状、予めJ形状に曲付けした湾曲形状及びその中間の湾曲形状の3形態を選択することができる。
【0020】
図4は、本実施の形態の外筒先端の形状変化の状態を示し、Aが直線状態、Cが予め形成したJ形状の湾曲状態、Bが中間部での湾曲状態を示す。前記説明したとおり、手元操作部10の外筒基12と外筒ガイド管基14との相対的な位置(外筒11への外筒ガイド管13の挿入深度)により形状変化可能で、図Aの状態では、外筒ガイド基管14の突起141が外筒基12の移動溝121の先端側の固定溝122aの位置にあり、硬質パイプよりなる外筒ガイド管13の先端が可撓性樹脂よりなる外筒11先端より突出しているため、外筒11は該外筒ガイド管13により矯正され直線状を形成している。尚、この直線形状は体腔への穿刺の際に有効であり、この形態で内針15が装着されるが、当然内針15先端部は外筒ガイド管の先端より刃先151を突出するように構成される。
一方、図Cの状態では、外筒ガイド管基14の突起141が外筒基12の移動溝121の後端側の固定溝122cの位置にあり、外筒ガイド管13の先端が外筒12内腔の湾曲部を外れた直線部に位置するため、外筒11先端は外筒ガイド管13の影響をはなれ、予めJ形状に曲付けされた湾曲形状となっている。
図Bの状態は、図Aと図Cの中間で、外筒ガイド管基14の突起141が外筒基12の移動溝121の中間部に位置する固定溝122bにあり、外筒ガイド管13の先端が外筒12内腔の湾曲部の中途に位置するため、予め形成した湾曲と直線との中間の湾曲形状となっている。これら湾曲形状は前述したとおり胆嚢管への外筒11先端及びカテーテル2の挿入の際に有効な形状で、胆嚢管の経路に合わせて適当な湾曲形状が選択され使用される。
【0021】
次に、腹腔鏡下総胆管切石術における本器具の使用方法を簡単に説明する。尚、説明は想定される本器具の使用例を示すもので、実際の手技を説明するものではない。
一連の結石摘出、総胆管の閉鎖を完了した後、
1.腹腔鏡下に、胆嚢管に切開を加え、体外部より直線状とした穿刺キット1を切開した胆嚢管に向かって穿刺する。
2.内針15のみを抜去し、外筒ガイド管基14に、アダプター3により通路を閉塞したカテーテル2を挿着した逆止弁17を接続して、気腹を維持できる状態とし、外筒11を胆嚢管の長軸に沿わせるように位置させ、胆嚢管の形状に合わせて手元操作により湾曲を決め、胆嚢管切開部に密着させるようにして外筒11を固定する。
3.穿刺キット1の内腔をガイドとして、カテーテル2を胆嚢管を経て総胆管まで挿入する。尚、胆嚢管が細く挿入が困難な場合は0.8mmのガイドワイヤー(図示せず)を先に挿入して、あとにカテーテル2を挿入する。
4.挿入ができたら、カテーテル2を残し穿刺キット1を抜去し、以下、前述した従来の方法と同様に、伸縮性縫合糸にて胆嚢管とカテーテル2を結紮し、ドレナージを行う。
【0022】
【発明の効果】
本発明の腹腔鏡下外科手術用ドレナージ器具によれば、穿刺キットの外筒先端が、J形状から直線状の範囲で形状を可変することができ、穿刺するさいは穿刺しやすい直線状をなし、腹腔内で胆嚢管に挿入するさいは胆嚢管の長軸に沿った形状に合わせた、挿入しやすい湾曲形状を選択して操作することができ、またカテーテルも胆嚢管や総胆管の挿入通路に自然に沿う湾曲形状とすることで、腹腔鏡下による遠隔的な操作であっても、胆嚢管等への外筒やカテーテルの挿入に際し、該外筒やカテーテルの引っかかりや、折れ曲がりを防止でき、スムーズで容易な留置を可能にすることができる。更にカテーテルの先端をテーパー状に形成するとよりスムーズな挿入が可能になる。
【0023】
また、外筒やカテーテルを比較的硬質のテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂とし、更に外筒の内腔に硬質な外筒ガイド管を挿着したことにより、コシが強いものとなり、腹腔鏡下による遠隔的な操作であっても、胆嚢管等への外筒やカテーテルの挿入に際し、該外筒やカテーテルの折れ曲がり等の挿入に支障を来す原因を排除でき、手元での操作が外筒先端まで忠実に伝わることによりスムーズで確実な挿入が可能になる。
【0024】
腹腔鏡下総胆管切石術は一期的に治療が可能で、腹腔鏡下胆嚢摘出術前後に内視鏡的逆行性胆管膵管造影により切石を行うのに比べて、入院期間の短縮等、利点の多い手術であるが、それにも関わらずあまり普及しないのは切石操作や総胆管切開部の縫合操作の煩雑さに加え、胆汁ドレナージチューブ挿入操作の煩雑さがあったと考えられることから、本発明のドレナージ器具により、一つの課題か解消されることになり、今後この術式が更に普及することが予想され、患者にとって、また術者にとってもよりよい術式を可能とする腹腔鏡下手術用ドレナージ器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態を示す腹腔鏡下外科手術用ドレナージ器具の全体構成図
【図2】 前記器具の穿刺キット各部(外筒、外筒ガイド管、内針)の構成図
【図3】 前記穿刺キットの手元操作部の外筒基及び外筒ガイド基を示す拡大図
【図4】 前記器具の外筒先端の形状変化の状態を示す説明図
【符号の説明】
1. 穿刺キット
10. 手元操作部
11. 外筒
111.湾曲部
12. 外筒基
121.移動溝
122.固定溝
13. 外筒ガイド管
14. ガイド筒基
141.突起
142.(ガイド管基)後端部
15. 内針
151.刃先
16. 内針基
17. 逆止弁
171.接続リング
172.ゴム弾性部材
2. カテーテル
21. 先端開口
22. サイドホール
23. 湾曲部
24. 先端テーパー部(先細り部)
25. 目盛り
3. アダプター
31. アダプター本体
32. 締め付けリング
33. ロックリング
34. ロックキャップ

Claims (5)

  1. 先端部をJ形状に湾曲した可撓性チューブよりなる外筒と、該外筒の内腔に挿抜自在な硬性パイプよりなる外筒ガイド管と、該外筒ガイド管の内腔に挿抜自在で先端に刃先を設けた棒状体よりなる内針と、前記外筒、外筒ガイド管及び内針各々の後端部に設けられる、外筒基、外筒ガイド管基及び内針基よりなる手元操作部とを有し、該手元操作部の外筒基及び外筒ガイド管基は、同心円上に配置された円筒状部材として形成され、両者の摺動面の一方に形成された長手方向の移動溝、及びこの移動溝の両端部及び中間部に設ける周方向の固定溝に、前記摺動面の他方に形成された突起が係合する構成を有し、前記移動溝の前記突起の移動範囲内で相対的に移動し、前記突起を前記固定溝に係合させると、前記外筒基及び外筒ガイド管基の長手方向の移動が規制される手段を備え、該手元操作により、前記外筒に前記外筒ガイド管を挿入したさいに、外筒の先端部が外筒ガイド管の挿入の深度により、J形状から直線形状の範囲で形状変化可能な穿刺キットと、
    前記外筒ガイド管の内腔部に挿通可能で、先端部に開口部及び/あるいは先端近傍側面にサイドホールを有するカテーテルと、
    該カテーテルの後端部あるいは中途部に着脱自在で、かつ、カテーテルの内腔通路を閉塞及び開口可能なアダプターと、を有することを特徴とする腹腔鏡下手術用ドレナージ器具。
  2. 前記請求項1の構成に加え、内腔に前記カテーテルを挿通可能で、かつ前記外筒ガイド管基の後端部に着脱され、接続することにより前記外筒ガイド管の内腔通路を閉塞する逆止弁を有する請求項1の腹腔鏡下手術用ドレナージ器具。
  3. 前記カテーテルの先端部がJ形状に湾曲してなる請求項1乃至2のいずれか1項に係る腹腔鏡下手術用ドレナージ器具。
  4. 前記カテーテルの先端部が先細りのテーパー形状となる請求項1乃至3のいずれか1項に係る腹腔鏡下手術用ドレナージ器具。
  5. 前記外筒、及び/または、前記カテーテルは、テトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂よりなる請求項1乃至4のいずれか1項に係る腹腔鏡下手術用ドレナージ器具。
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