JP5263241B2 - 積層フィルム - Google Patents
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Description
本発明の塗布フィルムの基材フィルムは、ポリエステルからなるものである。かかるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸のようなジカルボン酸またはそのエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールのようなグリコールとを溶融重縮合させて製造されるポリエステルである。これらの酸成分とグリコール成分とからなるポリエステルは、通常行われている方法を任意に使用して製造することができる。
例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させるかして、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下、加熱して重縮合させる方法が採用される。その目的に応じ、脂肪族ジカルボン酸を共重合しても構わない。
本発明におけるポリカーボネート構造を有するポリウレタンとは、ポリウレタンの主要な構成成分のポリオールのひとつとしてポリカーボネート類を使用したものである。
ポリエステルフィルムの塗布層上に、下記に示すとおりの活性エネルギー線硬化樹脂組成物を硬化後の厚さが3μmになるように塗布し、160W/cmのエネルギーの高圧水銀灯を使用し、照射距離150mmにて約10秒間照射し硬化を行って、<ポリエステルフィルム/易接着性塗布層/活性エネルギー線硬化樹脂層>という構成の積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの活性エネルギー線硬化樹脂層に、1インチ幅に碁盤目が100個になるようクロスカットを入れ、直ちに、同一箇所について3回、セロテープ(登録商標)による急速剥離テストを実施し、剥離面積によりその密着性を評価した。判定基準は以下のとおりである。
○:1≦碁盤目剥離個数≦10
△:11≦碁盤目剥離個数≦20
×:21<碁盤目剥離個数
××:全面が剥離
・硬化樹脂組成物:1,9−ノナンジオールジアクリレート100部と、チバスペシャルティケミカルズ製IRGACURE184を4部とからなる組成物
測定するポリエステルフィルムを2枚用意し、それぞれの塗布層同士を重ね合わせて、12cm×10cmの面積をプレスする。条件は、40℃、80%RH、10kg/cm2、20時間。その後、フィルム同士をASTM−D−1893に規定された方法に準じて剥離し、その剥離荷重を測定する。剥離荷重が軽いものほどブロッキングしにくく良好と言える。荷重が150g/10cm未満であれば問題ないと言え、100g/10cm未満であれば良好であると言える。荷重が150g/10cmを超えるものは実用上問題となる場合が出てくる。
JIS−K7136に準じて、日本電色工業社製積分球式濁度計NDH−2000によりフィルムのヘーズを測定し、塗布層を設けていないフィルムと塗布層を設けたフィルムのヘーズの差を計算し、塗布層を設けることによるヘーズの上昇を求めた。塗布層を設けていないフィルムに対して、塗布層を設けることによるヘーズの上昇が小さいほど、塗布層の透明性が優れるといえる。
ポリウレタン樹脂の溶液もしくは水分散液を、乾燥後の膜厚が500μmになるように、テフロン(登録商標)製のシャーレ内で乾燥させ皮膜を得る。乾燥条件は、室温で1週間乾燥させた後、120℃で10分間さらに乾燥させる。得られた皮膜を幅5mmに切り出し、アイティー計測制御(株)製動的粘弾性測定装置(DVA−200型)にチャック間20mmとなるように測定装置にセットし、−100℃から200℃まで、10℃/分の速度で昇温させながら、周波数10Hzで測定する。E’’が最大となる点をTgとした。
(ポリエステル1):実質的に粒子を含有しない、極限粘度0.66のポリエチレンテレフタレート
(ポリエステル2):平均粒径2.5μmの非晶質シリカを0.6重量部含有する、極限粘度0.66のポリエチレンテレフタレート
(U1):1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートからなる数平均分子量が2000のポリカーボネートポリオールを400部、ネオペンチルグリコールを10.4部、イソホロンジイソシアネート58.4部、ジメチロールブタン酸が74.3部からなるプレポリマーをトリエチルアミンで中和し、イソホロンジアミンで鎖延長して得られる、Tgが−30℃のポリウレタン樹脂の水分散体。
(U4):カルボキシル基を有する、Tgが35℃の水分散型ポリカーボネートポリウレタン樹脂であるタケラックW−511(三井化学ポリウレタン社製)
(U5):1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートからなる数平均分子量が400のポリカーボネートポリオールを180部、テレフタル酸およびエチレングリコールからなるポリエステルポリオールを520部、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)を420.4部、ジメチロールブタン酸が121.8部からなるプレポリマーをトリエチルアミンで中和し、イソホロンジアミンで鎖延長して得られる、Tgが60℃のポリウレタン樹脂の水分散体。
(U6):3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸からなる数平均分子量が3000のポリエステルポリオールを400部、ネオペンチルグリコールを41.7部、イソホロンジイソシアネート133部、ジメチロールブタン酸が29.7部からなるプレポリマーをトリエチルアミンで中和し、イソホロンジアミンで鎖延長して得られる、Tgが−47℃のポリウレタン樹脂の水分散体。
(F2):平均粒径0.44μmのシリカゾル水分散体
(C2):メトキシメチロールメラミンであるベッカミン J−101(大日本インキ化学工業製)。官能基(メトキシ、メチロール、イミノ基)量=18mmol/g
ポリエステル1とポリエステル2とを重量比で95/5でブレンドし、十分に乾燥した後、280〜300℃に加熱溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電密着法を用いて表面温度40〜50℃の鏡面冷却ドラムに密着させながら冷却固化させて、未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを作成した。このフィルムを85℃の加熱ロール群を通過させながら長手方向に3.7倍延伸し、一軸配向フィルムとした。この一軸配向フィルムの片面に、表1に示すとおりの塗布組成物を塗布した。次いでこのフィルムをテンター延伸機に導き、その熱を利用して塗布組成物の乾燥を行いつつ、100℃で幅方向に4.0倍延伸し、さらに230℃で熱処理を施し、フィルム厚みが100μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムの上に0.04g/m2の量の塗布層を設けた塗布フィルムを得た。このフィルムの特性を、表2に示す。
実施例1と同様の工程において、塗布液を表1に示すように変更し、フィルム厚みが1
00μmの基材フィルムの上に表1に示す量の塗布層を設けた塗布フィルムを得た。このフィルムの特性を、表2に示す。
実施例1と同様の工程において、塗布層を設けずに二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。このフィルムに実施例1と同様の成分比率の塗布液を、乾燥後の塗布量が0.04g/m2になるように、オフラインでバーコート方式にて塗布し、ドライヤー設定温度100℃で5秒間熱処理して、塗布フィルムを得た。このフィルムの特性は、表2に示すように、易接着層の乾燥、硬化の不足のためと見られる接着性の不足があった。
比較例6において、ドライヤー設定温度を180℃とした以外は同様にして塗布フィルムを得た。このフィルムは、ドライヤー内でフィルムが収縮してしわが入り平面性にきわめて劣るものとなった。その他の特性を表2に示す。
Claims (1)
- ポリエステルフィルムの表面に易接着性塗布層と活性エネルギー線硬化樹脂層とを順次に備えてなる積層フィルムであって、上記の易接着性塗布層は、塗布延伸法により形成され、ポリカーボネート構造とカルボキシル基とを有する、ガラス転移点が10℃以下のポリウレタン樹脂を含有し、更に、オキサゾリン基を有するポリマー型の架橋剤を含有することを特徴とする積層フィルム。
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