JP5259736B2 - 粒子測定装置及び粒子特性測定方法 - Google Patents

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Description

この発明は、極めて小さい粒子の動的測定を含む、粒子特性の測定に関するものである。
(関連出願)
この出願は、2008年1月15日に出願された米国仮特許出願(出願番号61/011,143)の利益を主張し、ここでは、それが参考として組みこまれる。
光の波長よりも小さい粒子により散乱される光の強度は、粒子のサイズと強い関係にあることが実用上及び理論上の両分野においてよく知られている。粒子の半径が0.1×(照明の波長)より低くなるレイリー散乱限界(Rayleigh Scattering limit)において、散乱強度は第6のパワーまで高められる粒子半径に比例するものであるとともに、散乱角からは実質的に独立したものである。この限界を越えると、角依存が大幅になる。この領域における散乱を説明するためには粒子の光特性が必要であり、粒子の形状も重要となる。ギュスターヴミー(Gustave Mie)に帰因する数学的処理は、これらすべての領域における球状粒子からの散乱を予測するために用いることができる。デーブ(Dave)に帰因するコンピュータプログラムは、これらの効果を計算するための便利なツールであり、非特許文献1のように利用できる。図1は、屈折率が1.6でかつ吸収度が無視できる10nmから10ミクロンの粒子からの波長633nmの散乱光を示す(上記非特許文献1に基づく)。100nm以下のサイズでは散乱角が比較的重要でないが、大きいサイズでは散乱パターンが変動し、その変動は散乱角が大きくなるほど大きくなることを容易に確認できる。
特定サイズ及び屈折率の球体の散乱を計算するのに用いられ得るコンピュータプログラムは非特許文献1に含まれる。この文献は、1968年に出版されたJ.V.デーブによる先行著作に基づく。上記の文献はすべて、ここで参照することにより組み込まれる。
なお、1ミクロン前後では前後散乱比がおよそ10である。したがって、小さい主要な粒子とより大きい種類とを含むサンプルに対する分散光測定は、少ない個数の大きい粒子、または単体の大きい粒子にさえとても感度がよい。これらの不要な汚染物質はすべての種類のシステム内に発見されるかもしれず、それらは主要な粒子、またはいくらかの他の物質の集合体であるかもしれない。発達培地において増殖するウィルス粒子の研究において、例えば、生体細胞全体やフラグメントがしばしば存在する。サイズ除外クロマトグラフィーシステムからの流出のように、流動サンプルの分散光内では、カラム自体からの粒子の破片が重要な分子の種類と混じりうる。
粒子の集団からの散乱光の強度分散を分析するために複数の検出器を同時に使用することが、幅広く利用され、静的光散乱(Static Light Scattering')として知られている。検出される光が、限られた角度範囲を横切る前方向となるように、レンズの焦点面内の検出器の二次元配列、又は同等の光学システムを用いて伝えられるとき、用語「レーザー回折」がしばしば適用される。前方、サイド、及び後方散乱を結合したハイブリッドシステム(Hybrid Systems)は、マスターサイザー(Mastersizer)2000のように、例えば、英国マルバーン(Malvern)のマルバーンインストゥルメンツ(Malvern Instruments)から入手できる。
Bohren,C.F. and Huffman,D.R.著,「小さい粒子による吸収及び散乱(Absorption and Scattering of Light by Small Particles)」,ニューヨーク,ワイリー(Wiley)、1983、付録(Appendix)
この発明のいくつかの側面は、この明細書及びその請求項において示される。一つの一般的な側面では、動的な光散乱の実験において2つ又はさらに多くの光子計数検出器、又は少なくとも1つの光子計数及び1つのアナログ検出器を同時に使用する検出方法が説明される。この方法は、不可避のより大きいサイズの汚染物質、ちり、及び粒団の存在下において、ナノ粒子、生体分子、ウィルス、及び類似した物質の粒子サイズの測定を容易にするよう意図されている。静的な光の散乱に適用された類似する方法も説明される。
ここで説明されるアプローチは、クロマトグラフィー実験や他の部分的に連続する処理において流動サンプルを分析するときの特有値のものであると期待される。クロマトグラフィー実験の溶離剤に光散乱を適用する1つの主要な困難性は、分離カラムがカラム基盤(matrix)から粒子を解放(release)又は放つ(shed)ように意図されていることである。これらの粒子は、クロマトグラフィーのサンプルよりも大幅に大きく、測定を悪くする恐れがある。提案した方法は、このような困難性に取り組むよう意図されている。
本発明は、生体分子、細胞、及びウィルスのサイズと質量とによる特徴付けにおいて特に有用であるかもしれない。タンパク質の集合体の存在がタンパク質を主成分とする薬の治療用途に大きな影響を及ぼすので、それら集合体の検出が重要な問題となっている。本発明に係るシステムは、その集合体の比率の計量の改良を可能にするとともに、主成分のタンパク質のより正確な測定を可能にする。光散乱によるウィルス粒子の測定は、発達媒体内におけるごみの存在によりしばしば妨げられる。同様に、リンパ細胞等の小さい細胞のサンプルは、いくつかのより大きい細胞や、その光の散乱が目標細胞からの信号を無力にする他の物質によりしばしば付随される。
出願のもう一つの領域は、大きい粒団をしばしば含むナノ粒子の散乱の研究のためであり、これらの検出をゲート制御することが主要な粒子の改良された測定を導き得る。
もう一つの一般的な側面において、本発明は、出力光線の進路を有する光源と、前記光源の出力光線の進路内に配置されたサンプルセルと、前記光線の進路外に配置され、第1の散乱角に沿って散乱された光を獲得する少なくとも1つの光子計数検出器と、前記光線の進路外に配置され、前記第1とは異なる第2の散乱角に沿って散乱された光を獲得する補助検出器と、前記光子計数検出器及び補助検出器の両方に応答する同時検出ロジックとを備えた粒子測定装置を特徴としている。前記同時検出ロジックは、粒子特性測定出力と、前記光子計数検出器からの情報と前記補助検出器からの情報との間のタイミングに少なくとも部分的に基づいて、前記粒子特性測定出力を導くように機能する内部検出タイミングロジックとを備える。
好ましい実施形態において、光子計数検出器は、前記光源と前記サンプルセルの同じ側に設置されているとともに、前記光線の進路外に配置されて後方散乱光を獲得でき、前記補助検出器は、サンプルセルから光源の反対に配置されて前方散乱光を獲得する。前記補助検出器は、光子計数検出器であってもよい。前記光源は、可干渉性の可視光の光源であってもよい。前記光源は、狭帯域の可視光の光源であってもよい。前記同時検出ロジックは、動的な光散乱の検出ロジックを含んでいてもよい。前記同時検出ロジックが、前記補助検出器からの情報が前記光子計数検出器からの情報に対してゲート制御を行うことを可能にするようにリアルタイムに作動するようにしてもよい。前記同時検出ロジックが、前記光子計数検出器と前記補助検出器とからのデータの獲得後に、前記光子計数検出器からの後処理獲得データ、及び補助検出器からの獲得データに作用するようにしてもよい。前記同時検出ロジックがデジタル信号処理ロジックを含むようにしてもよい。前記同時検出ロジックが相互に作用するようにしてもよい。前記同時検出ロジックがより大きい汚染粒子の存在下で粒子のサイズを決定するように作用するようにしてもよい。前記同時検出ロジックがより大きい汚染粒子の存在下で粒子の相対的な分量を決定するように作用するようにしてもよい。前記補助検出器は光源の光軸から約5−30度外れて配置されてもよい。前記補助検出器は光源の光軸から約30−90度外れて配置されてもよい。前記光子計数検出器は光源の光軸から約7度外れて配置されてもよい。前記装置が第2の光子計数検出器をさらに備え、前記同時検出器が前記第2の光子計数検出器にさらに応答するようにしてもよい。前記第2の光子計数検出器が、サンプルセルの光源の光軸から約90度外れて配置されるようにしてもよい。前記装置は、直径が100nmよりも小さい粒子を含む粒子検知範囲を有してもよい。前記装置は、直径が10nmよりも小さい粒子を含む粒子検知範囲を有してもよい。前記同時検出ロジックは、前記光子計数検出器からの情報と前記補助検出器からの情報との間の相互相関に少なくとも部分的に基づいて前記粒子特性測定出力を導くように作用する相互相関ロジックを含んでもよい。前記光子計数検出器及び前記補助検出器の出力間の相互相関が所定の閾値を超えるときに前記相互相関ロジックが光子計数検出器からの情報に対してゲート制御を行うようにしてもよい。
さらに一般的な側面において、本発明は、浮遊しているサンプル上に光を照射すること、前記サンプルによる光の散乱から生じる光子計数を獲得すること、前記光子計数を獲得するステップと同時に、前記光とサンプルとの干渉から生じる光の量を検出すること、及び前記獲得するステップからの情報と、検出するステップからの情報との間のタイミングに少なくとも部分的に基づいて、粒子特性の少なくとも1つの大きさを導き出すことを含み、前記検出ステップは、光子計数が獲得された方向とは異なる方向から少なくともいくらかの光を検出するものである粒子特性測定方法を特徴とする。好ましい実施形態において、前記光を照射するステップは、タンパク質等、浮遊している生体分子に光を照射するものであってもよい。
図1は、上記非特許文献1からの、サイズと角度の関数としての散乱の先行技術のグラフである。 図2は、本発明に係る光分散多重検出装置を説明する光学ブロック図である。 図3は、本発明に係る光分散多重検出装置の説明のためのタイミングチャートである。 図4は、図3に用いられたのと同じデータ組を説明する相互相関図である。 図5は、わずかに集められたリゾチームのサンプルに対して得られる強度に対するサイズを説明するグラフである。 図6は、低い濃度のリゾチームのサンプルに対して得られる強度に対するサイズを説明するグラフである。
図2を参照し、本発明の例示的な実施形態をこれからより詳細に説明する。この実施形態では、レーザービームがサンプルセルを通される。光子計数検出器(photon-counting detector)PD1は、好ましくはレーザー光路の外側でサンプルセルの後ろに配置され、例えば光ファイバーを介して上記セルからの後方散乱を受ける。補助検出器PD2は、光子計数検出器であってもなくてもよいが、好ましくはサンプルセルの前方でレーザー光路の外側に配置され、例えば光ファイバーを介して上記セルからの前方散乱を受ける。例えばもう一つの光ファイバーを通過した側方散乱を測定するために、1つ又はそれより多くの更なる光学光子計数検出器(例えば、PD3)を同様に設けてもよい。一つの実施形態では、後方散乱と側方散乱とを得るためにPD1がPD1及びPD2の光ファイバーピックアップの間で単純に切り替えられる。
光子計数検出器は、後方散乱光を得るように配置することが好ましい。その位置では、粒団から受ける信号量が低くなる傾向があるからである。しかし、レーザービームの進路外であればどこに配置してもよい。補助検出器は、上記光子計数検出器よりも低い角度範囲をカバーするようにすることが好ましいが、上記光子計数検出器と異なっていればどのような角度範囲をカバーするようにしてもよい。補助検出器は、更に、すべてのありうる角度をカバーする一体領域を実現して最大の感度を与えるようにしてもよい。
一つの実施形態では、図2中に示される角度が次のようになる。
角度A 7度で効果的な検出(173度--後方散乱)
角度B 5−30度(一般的に)--前方散乱
角度C 90度--側方散乱
PD1−PDNは、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor)集積回路、又は後処理用パーソナルコンピュータ(personal computer)等の信号プロセッサに電気的に接続されうる。折り重ねられた光学装置が、英国マルバーンのマルバーンインストゥルメンツから入手可能なゼータサイザーナノ計器で用いられる。示したようなレンズを用いた上記後方散乱光学装置は、ゼータサイザーナノ内でも用いられ、特許保護の対象となっている(また、「NIBS(non-invasive backscatter:非侵害後方散乱)」と形容されている。)。
補助検出器PD2の出力は、光子計数検出器の1つ又はそれ以上に対してゲート制御を行うために用いられうる。補助検出器の出力が所定の閾値を越えたとき、そのことは汚染粒子がレーザービームを通過していることを示し、システムは光子計数検出器を無能にする。補助検出器のレベルが閾値を下回ったとき、光学計数が再開されうる。ゲート制御はリアルタイムで実行するか、又は後処理動作として実行することができる。デジタル信号処理方法等、他の類型の後処理動作も適用でき、これらは専用又は連携形式で適用されうる。ゲート制御/後処理機能は、専用ハードウェア、汎用プロセッサ上で走るソフトウェア、又は2つの連携を用いて実現されうる。
変動信号は実際には個々の光子の到着時刻へ変換され、PD1により低散乱サンプルが見られる場合には乏しくなるかもしれないことに留意する必要がある。PD2内の信号は、前方散乱が強調される(散乱の物理的性質により)につれてより急速に、かつPD1による相関プロセスに用いられ得る受け入れ角度よりも大きい受け入れ角度を使用することにより潜在的に、統計上の重大さを獲得する。
100nmよりも小さい粒子の場合、散乱はとても弱く、かつ角度に左右されないものとなる。このサイズ範囲では、6ミクロンよりも小さいより大きい粒子と同様に、粒子サイズは、強度の変動が光子計数検出器を用いて記録される動的な光散乱により決定されうる。これらの変動は、信号の相関関数を計算することにより特徴付けられうるブラウン運動を経る粒子から生じる。このことは、上記動作に起因する固有の軽減時間よりも大幅に短い期間中、信号をサンプルすることを要求するとともに、光電子増倍管(PMT:photomultiplier tube)、又はさらに最近のアバランシェフォトダイオード(APD:Avalanche Photo-Diode)等の高速で高感度の検出器を要求する。マルバーンゼータサイザーナノ等最新の器械においては、0.6nmの直径と同程度に小さいであろう最小の種類の貢献を測定するために、典型的な基本サンプル時間は50ナノ秒となる。信号の変動は、例えば8つの連続するサンプルについて記録され、そして2つ1組として加算され、50nsのサンプル時間でさらにもう8つのチャネルについて記録され、100nsではさらにもう8つについて、というように24段階に亘って、最後のサンプリング時間が0.4秒を越えるように記録される。このいわゆる対数の相関プロセスは、サイズの幅広いダイナミックレンジが特徴となるのを可能にする。
より大きい汚染物質からの面倒な散乱は信号に吸収されるであろうし、相関プロセスは記録されたすべてのサンプルを一般に使用するので、上記散乱は発生時に容易に除去できない。173度の後方散乱において計測された10nmの粒子の散乱からの典型的な計数比率は、各秒あたり約10回、又は毎10マイクロ秒あたり1回となりうる。50nsの基本波におけるほとんどのサンプル時間、及び相関器の最初の8区分の合計バージョンは、ほとんどの場合に空であるだろうし、何百万のサンプルが信号を回復させるために加算される。1ミクロンの単一の埃の粒子も、同様に15回程度散乱し、100nmのサイズの粒団、又は汚染物も、同様に150回散乱し、計数比率の増加でさえ、目前のデータの検査により信号をフィルターにかけることを可能にするためには十分ではない。摂氏25度の水の中で拡散する10nmの粒子の緩和(可干渉)時間は、29.3マイクロ秒(633nmの照射波長、及び173度の照射角を前提とする)。およそ300マイクロ秒分ずつデータが集められ得るように、少なくとも10の可干渉時間にわたって、対応関係を算定するのが通例である。このとき、30光子を探知することが期待される。この正確さは、ポアソン計数統計によると、すなわち20%までに制限される。3xの標準偏差の変動は、純粋なサンプルの場合、事例の16%程度において推測されるので、埃の粒子が存在する地面において、およそ45を越える光子を与えたデータの束を除外すると、データ収集の効率が深刻に劣化する。
10の一続きの個体群と光学特性が類似している単独の1ミクロン粒子は、2.7kcpsの効率的な計数速度に貢献するので、300マイクロ秒の期間では0.81光子のみが期待されるかもしれない。しかしながら、12度での同じ単独の粒子からの散乱は、約720倍強い。したがって、類似した光学効率と検出器の感度とを想定すると、約600の光子が期待され得る。
そして、より小さい粒子がその期間において平均30の光子にまだ貢献するので、閾値は検出された光強度に基づいて設定されうる。(およそ)100の光子の閾値が設定されうる。これが上回られたとき、相関プロセスから173度で集められた光子群を除外できる。より洗練されたプロセスは、両角度におけるすべての光子の到達情報を蓄積するとともに、前方の角度データが示される塵がないときに、任意の長さの任意の期間中後部の散乱データを処理する。このように、固定された長さのデータの束を回避することができ、相関プロセスはより効率的になる。
理想的なフィルタ方法は、正確な実験設備に依存するであろう。流動システムにおいて塵の粒子の滞留時間は主に流動速度に依存するであろう。SECカラムからの動的な光散乱測定における典型的な流動容量は、約0.5ml/秒である。横断面2×2mmの典型的な流動セルにおいて線形の流動速度は、2mm/秒となるであろう。レーザービームは約50ミクロンの直径を有しているので、どの単一粒子の滞留時間も25msとなる。この認識が、粒子の衝突を散乱信号の前方に効果的に配置するための適切な基準の精査を可能にする。25度の水における1ミクロンの粒子の散乱定数は、1秒につきおよそ5ミクロン^2である。したがって、一回の散乱実験からこのような侵入粒子を取り除くためには数十秒が必要とされ、相関プロセスのためにより長いオフタイムが適用される。
図3において、前方散乱検出器の計数率がチャンネル1に分類され、また、後方散乱検出器の計数率がチャネル0に分類される。データは、ミクロンサイズのいくつかの粒団も存在する水の中で分散された30nmのサンプルを実測する検出器を用いて取得される。前方検出器の汚染物質に対する感度は、信号の変動が大きく上向きになるほど大きくなり、基本のレベルに対する最大の計数率の比はおよそ10:1に到達する一方、後方検出器の同じ比はおよそ1.3:1である。前方検出器の計数率の「くぎ状のパルス」は、多くの場合(しかしすべてではなく)に、後方の場合のより小さい「くぎ状のパルス」と並んでいることも確認できる。しかしながら、前方検出器の大きい変動は、基準線から明らかに除去され、後方散乱検出器のデータの除去を可能にする。これは、粒団が信号に寄与するが明らかに検知されない領域を除去することにより、後方チャネルのみにそうする場合と同様に、後方散乱信号の処理の改善を可能にする。
図4において、実際の使用におけるプロセス体系が示されている。グラフは、2つの検出器の計数率信号間の相互相関関数の変量(「x相関」)、及び後方散乱検出器単独の光子データから抽出された粒子サイズ(Z平均)である。なお、データは、図3と同じ組からであり、前記相互相関関数において、7.5秒近くにおいて上記サイズの平均の突然の上昇に並ぶ鋭いくぎ状のパルスが存在し、このパルス中に下にある光子データを除去することにより、改良されたサイズ情報を収集できる。また、この「くぎ状のパルス」は、後方散乱検出器が約40000の衝突をカウントするおよそ120msを含んでいる。より小さいくぎ状のパルスは、およそ5.4秒及び6秒に見える。
その図解中で使用される相互相関関数は、
C(T) = G(T) * H(T + t)/(<G> * <H>)
である。
ここで、Gはチャネル0における計数であり、Hはチャネル1における計数である。衝突が将来取って代わられた場合、例えば、検出器が流動サンプルの他の領域を観察するように設定された場合に、おくれ時間「t」が創出されうる。提示したケースでは、検出器はサンプルの同じ領域を観察しており、tは0に設定された。
シェブロン(“<”、“>”)により示された平均は、実験期間の時間窓にわたって取られ、提示したデータ内で50msとなる計数率の各サンプルにおいて関数が計算される。1ms等の他の期間は、後方散乱検出器により処理される拡散信号の多くの干渉回数を示すサンプル期間を供給するために使用されうる。各検出器からのすべての光子の衝突がリアルタイムに蓄積されるので、異なる目的の異なる間隔に亘ってそれらは処理されうる。
図5は、わずかに集められたリゾチームのサンプルに対して獲得された強度に対するサイズを説明するグラフを示す。このグラフにおいて、粒団の存在によりもたらされる2番目の集中ピークがはっきりと目に見える。リゾチームの低い濃度のサンプルに対応して得られる類似するグラフである図6においては、2番目のピークが目に見えず、最も重要なピークがより狭い。これら2つのグラフは、粒団の効果が軽減されるときにサイズ等の粒子特性の検出がどのように改善されるかを説明する。
これまでに多数の特定の実施形態に関連して本発明を説明した。しかしながら、本発明の範囲に入るように意図された非常に多くの変更がその分野の当業者にとって明白である。可視の波形長の幅の測定が目下意図され、例えば、近い赤外線、又はさらに紫外線の波長の測定を実行することもきっと可能であろう。それゆえ、本発明の範囲はこれに添付されたクレームの範囲のみにより限定されないことが意図されている。加えて、請求項の提示の順序は、クレーム内の特定の用語の範囲を限定するように解釈されるべきではない。

Claims (25)

  1. 出力光線の進路を有する光源と、
    前記光源の出力光線の進路内に配置されたサンプルセルと、
    前記光線の進路外に配置され、第1の散乱角に沿って散乱された光を獲得する少なくとも1つの光子計数検出器と、
    前記光線の進路外に配置され、前記第1とは異なる第2の散乱角に沿って散乱された光を獲得する補助検出器と、
    前記光子計数検出器及び補助検出器の両方に応答するとともに、粒子特性測定出力を有する同時検出ロジックとを備え、
    前記同時検出ロジックは、前記光子計数検出器からの情報と前記補助検出器からの情報との間のタイミングに少なくとも部分的に基づいて、前記粒子特性測定出力を導くように機能する内部検出タイミングロジックを含み、
    前記内部検出タイミングロジックは、前記補助検出器の出力が所定の閾値より大きくなる時には、前記少なくとも1つの光子計数検出器の出力を除外するように機能する
    子測定装置。
  2. 前記光子計数検出器は、前記光源と前記サンプルセルの同じ側に設置されているとともに、前記光線の進路外に配置されて後方散乱光を獲得し、前記補助検出器は、サンプルセルから光源の反対に配置されて前方散乱光を獲得する請求項1の装置。
  3. 前記補助検出器は、光子計数検出器でもある請求項1の装置。
  4. 前記光源は、可干渉性の可視光の光源である請求項1の装置。
  5. 前記光源は、狭帯域の可視光の光源である請求項1の装置。
  6. 前記同時検出ロジックが、動的な光散乱の検出ロジックを含む請求項1の装置。
  7. 前記同時検出ロジックが、前記補助検出器からの情報が前記光子計数検出器からの情報に対してゲート制御を行うことを可能にするようにリアルタイムに作動する請求項1の装置。
  8. 前記同時検出ロジックが、前記光子計数検出器と前記補助検出器とからのデータの獲得後に、前記光子計数検出器からの後処理獲得データ、及び補助検出器からの獲得データに作用する請求項1の装置。
  9. 前記同時検出ロジックがデジタル信号処理ロジックを含む請求項8の装置。
  10. 前記同時検出ロジックが相互に作用する請求項8の装置。
  11. 前記同時検出ロジックはより大きい汚染粒子の存在下で粒子のサイズを決定するように作用する請求項1の装置。
  12. 前記同時検出ロジックはより大きい汚染粒子の存在下で粒子の相対的な分量を決定するように作用する請求項1の装置。
  13. 前記補助検出器が光源の光軸から約5−30度外れて配置される請求項1の装置。
  14. 前記補助検出器が光源の光軸から約30−90度外れて配置される請求項1の装置。
  15. 前記光子計数検出器が光源の光軸から約7度外れて配置される請求項1の装置。
  16. 前記装置は第2の光子計数検出器をさらに備え、前記同時検出器が前記第2の光子計数検出器にさらに応答する請求項1の装置。
  17. 前記第2の光子計数検出器が、サンプルセルの光源の光軸から約90度外れて配置される請求項16の装置。
  18. 前記装置は直径が100nmよりも小さい粒子を含む粒子検知範囲を有する請求項1の装置。
  19. 前記装置は直径が10nmよりも小さい粒子を含む粒子検知範囲を有する請求項1の装置。
  20. 前記同時検出ロジックは、前記光子計数検出器からの情報と前記補助検出器からの情報との間の相互相関に少なくとも部分的に基づいて前記粒子特性測定出力を導くように作用する相互相関ロジックを含む請求項1の装置。
  21. 前記光子計数検出器及び前記補助検出器の出力間の相互相関が所定の閾値を超えるときに前記相互相関ロジックが前記光子計数検出器からの情報に対してゲート制御を行う請求項20の装置。
  22. 浮遊しているサンプル上に光を照射すること、
    前記サンプルによる光の散乱から生じる光子計数を獲得すること、
    前記光子計数を獲得するステップと同時に、前記光とサンプルとの干渉から生じる光の量を検出すること、及び
    前記獲得するステップからの情報と、検出するステップからの情報との間のタイミングに少なくとも部分的に基づいて、粒子特性の少なくとも1つの大きさを導き出すことを含
    み、
    前記検出ステップは、光子計数が獲得された方向とは異なる方向から少なくともいくらかの光を検出するものであり、
    前記獲得するステップの出力は、前記検出するステップの出力が所定の閾値より大きくなる時には、前記粒子特性の少なくとも1つの大きさを導き出すステップにおいて除外される粒子特性測定方法。
  23. 前記光を照射するステップは、浮遊している生体分子に光を照射する請求項22の方法。
  24. 前記光を照射するステップは、浮遊しているタンパク質に光を照射する請求項23の方法。
  25. 浮遊しているサンプルに光を照射する手段と、
    前記サンプルによる光の散乱から生じる光子計数を獲得する手段と、
    光子計数の獲得と同時に、前記光とサンプルとの干渉から生じる光の量を検出する手段と、
    前記獲得する手段からの情報と、前記検出する手段からの情報との間のタイミングに少なくとも部分的に基づいて、粒子特性の少なくとも1つの大きさを導き出す手段とを備え、
    前記検出する手段は、光子計数が獲得された方向とは異なる方向から少なくともいくらかの光を検出し、
    前記粒子特性の少なくとも1つの大きさを導き出す手段は、前記検出する手段の出力が所定の閾値より大きくなる時には、前記獲得するステップの出力を除外するように機能する
    子測定装置。
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