JP5258587B2 - 変速機操作用倍力装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に示されているように、変速機操作用倍力装置は、制御弁によって制御されるシリンダ装置と、シリンダ装置のシリンダ室内に摺動自在に配設された中空のピストンロッドと、ピストンロッド内に摺動自在に配設されてチェンジレバーに連結手段を介して連結される操作ロッドと、ピストンロッドに取り付けられたストライカと、変速機をシフトさせるシフトフォークに連結した回動軸と、回動軸に固定されストライカが摺動自在に嵌入された長孔を有するレバーと、を備えている。
そして、変速時に運転手によるチェンジレバーの操作に連動する操作ロッドによって制御弁が操作され、その操作に追従してシリンダ装置のピストンロッドが伸縮作動し、その作動力がストライカおよびレバーを経由してシフトフォークに伝達されることにより、変速機がシフトされる。
このプッシュプルケーブルによる接続であると、自動車への搭載上のレイアウトも自由度が増加し、従来はあまり必要でなかった操作ロッドの軸芯に対する斜め方向からの操作が必要になる。
しかしながら、プッシュプルケーブルから操作ロッドに回転させようとする力が作用すると、ストライカがレバーの長孔に摺動自在に嵌入されているために、ストライカやピストンロッドおよび操作ロッド全体が回動して(倒れて)しまう。
ストライカやピストンロッドおよび操作ロッド全体がレバーに対して回動してしまうと、レバーが所期のストローク量を得ることができないので、変速機操作用倍力装置は適正にシフトすることができない。
(1)制御弁によって制御されるシリンダ装置と、
該シリンダ装置のシリンダ室内に摺動自在に配設された中空のピストンロッドと、
該ピストンロッド内に摺動自在に配設されてチェンジレバーに連結手段を介して連結される操作ロッドと、
前記ピストンロッドに取り付けられたストライカと、
変速機をシフトさせるシフトフォークに連結した回動軸と、
該回動軸に固定され前記ストライカが摺動自在に嵌入された長孔を有するレバーと、
を備えている変速機操作用倍力装置において、
前記ストライカに前記レバーの側面に摺接する倒れ防止部材が設けられていることを特徴とする変速機操作用倍力装置。
(2)前記倒れ防止部材は、前記ストライカに嵌合されたスペーサであることを特徴とする前記(1)に記載の変速機操作用倍力装置。
(3)前記倒れ防止部材は、前記ストライカに摺動自在に嵌合されて前記レバーの長孔開口縁部を挟持するカラーであることを特徴とする前記(1)に記載の変速機操作用倍力装置。
本実施形態において、本発明に係る変速機操作用倍力装置は、バスやトラック等の大型車両に搭載されている。
図1に示されているように、本実施形態に係る変速機操作用倍力装置10は、入力軸としての操作ロッド11と、出力軸としてのピストンロッド13とを備えている。操作ロッド11はチェンジレバー1に連結手段としてのプッシュプルケーブル2を介して連結されている。ピストンロッド13外周にはストライカ3が取り付けられ、ストライカ3は第一レバー4、回動軸5、第二レバー6、シフトレール7を介してシフトフォーク8と連結されている。
詳しくは、第一レバー4は回動軸5の一端に固定され、第一レバー4の長孔4aにストライカ3が挿入されている。第二レバー6は回動軸5の中間部にスプライン(図示せず)を介して取り付けられ、その先端部はシフトジョー9に係合されている。シフトジョー9およびシフトフォーク8はシフトレール7に対して一体的に取付けられており、第二レバー6の動きがシフトレール7を介してシフトフォーク8に伝達するようになっている。
なお、シフトレール7の側方には同様なシフトレール(図示せず)が互いに平行に数本配設されており、チェンジレバー1のセレクト操作に伴いリンク機構を介して第二レバー6が回動軸5に沿って摺動し、他のシフトジョーに係合するようになっている。
ストライカ3、ピストンロッド13および操作ロッド11には、これらを貫通する軸状部材14が操作ロッド11の軸心方向と直交して配設されている。このため、ピストンロッド13には軸状部材14の外径と略同一の大きさに形成された一対の貫通孔15、16が軸心方向と直交する方向に沿って設けられている。
また、操作ロッド11には、軸心方向へ延びる一対の長孔17、18がピストンロッド13の貫通孔15、16と略対応する位置に設けられている。これによって、操作ロッド11のみが軸状部材14と当接するまでピストンロッド13に対して図中左右方向に移動し得るように構成されている。
軸状部材14はストライカ3の内部に収納可能な長さに形成され、上端部はストライカ3の基体部21に取付けたスナップリング26と係止され、ストライカ3から抜け出ないようになっている。
チェンジレバー1を操作すると、このシフト操作力がプッシュプルケーブル2および連結部材28を介して操作ロッド11に伝達されるので、例えば図2において、操作ロッド11のみが右方向に引張され、長孔17、18の壁面が軸状部材14に当接するまで静止状態のピストンロッド13に対して同方向に移動する。
これに伴って、ピストンロッド13に右方向への空気圧が作用するので、ピストンロッド13は操作ロッド11および軸状部材14と共に同方向へ移動する。また、ピストンロッド13と共にストライカ3も右方向に移動するので、ストライカ3に連結されたトランスミッション側の第一レバー4、回動軸5、第二レバー6、シフトジョー9およびシフトフォーク8が作動し、所定のシフト操作が行われる。
本実施形態においては、スペーサ30がストライカ3の円筒部22外周に圧入されているとともに、スペーサ30が第一レバー4の長孔4a開口縁部に摺接されているので、チェンジレバー1のシフト操作時に、プッシュプルケーブル2から操作ロッド11に回転させようとする力が作用することにより、ストライカ3やピストンロッド13および操作ロッド11全体が図3に想像線で示されているように倒れ込もうとしても、スペーサ30が第一レバー4との摺接を維持することにより、倒れ込みを防止する。
しかも、本実施形態に係る変速機操作用倍力装置においては、回動防止機能を損なわずに、ピストンロッドから倍力された変速機操作力を取り出す部分の構造が簡単となるため、部品点数および加工工数を大巾に削減することができ、安価に製造することができる。
本実施形態が前記実施形態と異なる点は、ストライカ3の円筒部22外周には倒れ防止部材としてのカラー31が摺動自在に嵌合されており、カラー31の一端部に突設された鍔部32が第一レバー4の一側面に摺接され、カラー31の他端部にスナップリング33で固定されたリング34が第一レバー4の他の側面に摺接されている点、である。
本実施形態によれば、カラー31がストライカ3の外周に摺動自在に嵌入されているとともに、鍔部32とリング34とが第一レバー4の長孔4a開口縁部を両側から挟持しているので、カラー31は第一レバー4に対するストライカ3やピストンロッド13および操作ロッド11全体の倒れ込みをより一層確実に防止することができるばかりでなく、第一レバー4が操作ロッド11やピストンロッド13に対して平行移動するタイプの変速機操作用倍力装置にも対応することができる。
ストライカにスペーサを圧入するに限らず、ストライカにスペーサを摺動自在に嵌入してもよい。
10…変速機操作用倍力装置、11…操作ロッド、12…シリンダ装置、13…ピストンロッド、14…軸状部材、15、16…貫通孔、17、18…長孔、
21…基体部、22…円筒部、23…取付孔、24…挿入孔、25…差込穴、26…スナップリング、28…連結部材、
30…スペーサ(倒れ防止部材)、
31…カラー(倒れ防止部材)、32…鍔部、33…スナップリング、34…リング。
Claims (3)
- 制御弁によって制御されるシリンダ装置と、
該シリンダ装置のシリンダ室内に摺動自在に配設された中空のピストンロッドと、
該ピストンロッド内に摺動自在に配設されてチェンジレバーに連結手段を介して連結される操作ロッドと、
前記ピストンロッドに取り付けられたストライカと、
変速機をシフトさせるシフトフォークに連結した回動軸と、
該回動軸に固定され前記ストライカが摺動自在に嵌入された長孔を有するレバーと、
を備えている変速機操作用倍力装置において、
前記ストライカに前記レバーの側面に摺接する倒れ防止部材が設けられており、該倒れ防止部材の外径は前記長孔の長軸の長さよりも大きく設定されている、
ことを特徴とする変速機操作用倍力装置。 - 前記倒れ防止部材は、前記ストライカに嵌合されたスペーサであって、前記レバーに摺接されるとともに、前記レバーと前記回動軸の間に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の変速機操作用倍力装置。 - 前記倒れ防止部材は、前記ストライカに摺動自在に嵌合されて前記レバーの長孔開口縁部を挟持するカラーであって、
該カラーは一端部に突設された鍔部が前記レバーの前記回動軸側の一側面に摺接され、前記カラーの他端部にはスナップリングで固定されたリングが前記レバーの他の側面に摺接されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の変速機操作用倍力装置。
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