JP5258036B2 - ポリスチレン系樹脂発泡シート - Google Patents

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Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂発泡シートに関する。
ポリスチレン系樹脂発泡シート(以下、「1次発泡シート」と称する場合がある)を熱成形(加熱して2次発泡させた後、金型にて成形する工程)により複数個の成形体が連接されたシート状成形体を、複数枚重ねて熱線(例えば、ニクロム線)を用いて個々の形体に分離する方法は、例えば、納豆容器等の生産に広く用いられている。
熱線切断工程においては、溶断面のカットズレが発生する場合がある。カットズレとは、複数枚重ねて熱線で溶断した際に重ねた成形品の端面が一直線状ではなく、数枚が不揃いとなり凹凸が発生する状態である。カットズレが発生した場合、成形品の寸法精度は低いものとなり、特に、本体と蓋が一体であり精密な寸法精度が求められる納豆容器では、本体と蓋の勘合時に寸法ズレが生じて成形品の美観を損なわれる。これに対して、カットズレを解消する方法としては、熱線の温度を上げる方法が挙げられる。但し、この方法では熱線が切れる頻度が高くなり、生産性を落とすという問題が発生する。
他方、熱線切断工程においては、熱線で溶断することにより溶融されたポリスチレン系樹脂が熱線へ付着して、熱酸化劣化により茶褐色ないし黒色の異物(以下、「異物」と称する)となるため、衛生上の観点から都度作業を中断して熱線を掃除しなければならず、生産効率を大きく低下させる問題がある。
これに対して、熱線への異物付着を防ぐ方法として、発泡シート中の灰分を0.35重量%以下とする方法が知られている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1では、灰分を減少させる手段として、気泡調整剤であるタルクを減らすことが有効であると記載されている。気泡調整剤は、発泡シートの製造工程において、発泡体を構成するセル(気泡)を生成する際の核となるものであり、気泡調整剤を減らすとセル数が少なくなり、発泡シートおよび熱成形品中のセルが大きくなるため、表面のキメが粗くなり外観の劣るものになるため、商品価値を下げる問題がある。また、気泡調整剤量が減少すると、発泡シートを熱成形(2次発泡)して得られる成形体の強度、柔軟性などの品質を高く維持した上で熱線への異物の付着を少なくすることが困難となる。
したがって、熱線切断時にカットズレや熱線への異物の付着が発生しない、ポリスチレン系樹脂発泡シートが望まれている。
特開2004−35712号公報
本発明は、上記状況を鑑みて検討を行ったものであり、発泡シート製造時の気泡調整剤量を減すことなく、良好な外観、成形体の強度、柔軟性などの品質を維持しながら、成形品のカットズレ防止や熱線への異物付着を軽減できるポリスチレン系樹脂発泡シートを提供するものである。
本発明は、容器外観、強度などの品質を維持したまま、熱線溶断面のカットズレ、異物の問題を解決する手段を鋭意検討した結果、ポリスチレン系樹脂発泡シート(1次発泡シート)の基材樹脂のメルトマスフローレイト(以下、「MFR」と称す)、1次発泡シートを加熱して得られる2次発泡シート中でのセル構造、さらには、2次発泡シートの厚み、坪量が大きく影響することを見出し、本発明に至った。
すなわち、熱線切断面のカットズレや異物発生を抑制するには、熱線と2次発泡シートの接触抵抗を小さくすることが有効であり、その手段として、溶融粘度が低い基材樹脂を用い、かつ、2次発泡シート中のセル構造を特定のものとすることにより、接触抵抗を小さくすることができる。さらに、2次発泡シートが熱線切断時に撓みにくくすることがより好ましい。撓みにくくするためには、特にセル構造において、厚み方向での小径セルの含有率を少なくすることが有効であることを見出した。
すなわち、本発明は、
[1]樹脂温度200℃および荷重49Nの条件にて測定するメルトマスフローレイトが2.0〜3.2g/10minであるポリスチレン系樹脂を基材樹脂として用い、上記基材樹脂をイソブタン65〜100重量%及びノルマルブタン0〜35重量%からなる混合ブタンにより発泡させてなるポリスチレン系樹脂発泡シートであって、該発泡シートを加熱して得られる2次発泡シートの長手方向に垂直な縦断面での、全体厚みの上下各20%にあたる表層部を除くコア部において、厚み方向および幅方向でのセル径が、厚み方向での平均セル径の1/2以下である小径セル含有率が、20%以下であることを特徴とする、熱線で分離するシート状成形体用のポリスチレン系樹脂発泡シート、および
[2]ポリスチレン系樹脂発泡シートを加熱して得られる2次発泡シートの厚みが2.0〜3.5mm、坪量が80〜150g/mであり、かつ、ポリスチレン系樹脂発泡シートの厚み方向でのセル数が9〜12個の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の熱線で分離するシート状成形体用のポリスチレン系樹脂発泡シート
に関する。
本発明のポリスチレン系樹脂2次発泡シートは、熱成形により複数個の成形体が連接されたシート状成形品を積み重ねたものを熱線を用いて溶断した際に、溶断面のカットズレが少ないため、容器の本体と蓋を勘合したときの寸法精度が高く、美観な成形品を得ることができる。また、本発明のポリスチレン系樹脂2次発泡シートは、熱線への異物付着量を減らせるため、成形工程での熱線掃除回数が減り、生産効率の高い成形品が得られる。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートは、広く一般的に用いられている方法で製造することができる。すなわち、例えば、ポリスチレン系樹脂に気泡調整剤を加え、タンデム押出機を用いて、1段目押出機内にてポリスチレン系樹脂等を溶融・混合後、発泡剤を圧入し、2段目押出機内にて発泡適性温度まで冷却した後、サーキュラーダイより押出発泡させる。さらに、押出直後の発泡シートに対して冷却エアーを吹き付けて、シート表面の密度を適切に調整すると共に、冷却筒に沿わせて発泡シートを冷却し、その後、筒状の発泡シートを切り開いて、巻取機にてロール状に巻く方法が一般的に用いられている。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シート(1次発泡シート)に用いられる基材樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−メチルスチレンなどのスチレン系単独重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体などのスチレン系共重合体、またはポリスチレンとポリフェニレンオキシドとの混合物などが挙げられる。
本発明における上記基材樹脂としては、JIS K7210に準じて、樹脂温度200℃および荷重49Nの条件にて測定したメルトマスフローレイト(MFR)が、2.0〜3.2g/10minであるものが好ましく、2.2〜3.2g/10minのものがより好ましい。基材樹脂のMFRが2.0g/10min未満の場合には、樹脂の溶融粘度が高いため、発泡シートと熱線の接触抵抗が大きくなり、カットズレが発生する場合がある。また、同時に、カットズレが発生すると、熱線とシートとの接触時間・接触量が多くなり、熱線への異物付着量が増える傾向がある。一方、MFRが3.2g/10minを超える場合は、樹脂の溶融粘度が低いため、熱線の接触抵抗が小さくなり、カットズレが少なく良好な成形体が得られるが、発泡シートを成形加熱した(2次発泡させた)際に、セルが破れやすく良好な成形品が得られない場合がある。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シート(1次発泡シート)に用いられる気泡調整剤としては、多孔質無機粉末、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、酸化チタン、クレー、酸化アルミニウム、ベントナイト、ケイソウ土、タルク等が使用できる。また、必要に応じて、樹脂中の気泡調整剤の分散を良くするために、エチレンビスステアリルアミド、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル等の滑剤等を添加しても良い。
本発明におけるポリスチレン系樹脂発泡シート(1次発泡シート)には、本発明の効果を阻害しない範囲で、添加剤を添加しても良い。添加剤としては、例えば、顔料、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などが挙げられる。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シート(1次発泡シート)に用いられる発泡剤としては、シートの熱成形性・発泡剤ガスの保持性が高く、成形ライフが長くなることから、イソブタン65〜100重量%およびノルマルブタン0〜35重量%からなる混合ブタンを用いる。
次に、本発明のポリスチレン系発泡シート(1次発泡シート)を、熱成形により、容器に成形する方法について述べる。例えば、成形機としては、汎用のシート成形機が使用され、ロール状に巻かれた1次発泡シートは、巻きほどかれ、赤外線ヒーター等を用いて加熱される。この状態の発泡シートが2次発泡シートと称される。この際のヒーター加熱量としては、加熱量を増加させていった場合に得られる最大2次厚みの、80〜90%程度の厚みになるよう加熱することが好ましい。得られた2次発泡シートに対して、成形金型を用いて成形することにより、複数個の成形体が連接した連続シート状成形品が得られる。引き続き、得られた連続シート状成形品を一定間隔でカッター等により切断して、複数個の成形体が連接した枚葉のシート成形品が得られる。このシート成形品を熱線カット装置によって個々の形体に分離させる。
熱線カット工程では、一般的に、ニクロム線径0.5mm、表面温度350℃のニクロム線を用い、送り速度6.0mm/secの条件で溶断を行うと好適である。
上記における加熱成形の例としては、具体的には、プラグ成形、マッチ・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、プラグアシスト成形、プラグアシスト・リバースドロー成形、エアスリップ成形、スナップバック成形、リバースドロー成形、フリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形などの方法があげられるが、容器形状の出方および表面性の点でマッチ・モールド成形が好ましい。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートでは、該発泡シートを加熱して得られる2次発泡シートの長手方向に垂直な縦断面での、全体厚みの上下各20%にあたる表層部を除くコア部において、厚み方向のセル径が厚み方向の平均セル径の1/2以下である小径セルの含有率が、20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。小径セルの含有率が20%を超えると、セル膜数が多くなるため、発泡シートと熱線の接触抵抗が大きくなり、カットズレが発生しやすい傾向がある。さらに、カットズレが発生すると、熱線とシートの接触時間・接触量が多くなり、熱線への異物付着量が増える傾向がある。
ここで、セル径の測定方法について、説明する。
図1のように、2次発泡シートをシート長手方向に垂直な面で切断し、その縦断面の写真を撮影する。得られたシート断面の写真に関して、全体厚みの上下各20%にあたる表層部を除くコア部において、コア部の厚みおよび厚み方向でのセル数を測定し、コア部の厚みを厚み方向でのセル数で除した値を平均セル径とした。
次に、コア部における、シート幅方向での5mmの間に存在する全セル数を数えた。各セルに関して、ノギスを用いて、厚み方向および幅方向のセル径を測定した。
最後に、幅方向および厚み方向のセル径が平均セル径の1/2以下であるセルを、小径セルと定義し、その数を数えた。そして、コア部における幅方向5mmの間に存在する全セル数に対する小径セル数の割合を求め、「小径セル含有率」とした。なお、幅方向での5mm領域での測定は、シート幅方向において等間隔で10点測定し、その相加平均値とした。
本発明において、小径セルの含有率を低くする方法としては、1次発泡シートを製造する際に使用されるサーキュラーダイの樹脂流路に存在する邪魔板や整流板などを少なくする方法が挙げられる。サーキュラーダイ構造は、環状のスリットを持つ金型であり、環状のスリットの外側(外筒)と内側(内筒)のダイスリップから構成されるものである。そのため、内筒を固定するための支持(邪魔板や整流板)が必要である。支持(邪魔板や整流板)が多く入っている場合は、厚み方向の樹脂流れが乱れて、樹脂圧力分布が不均一になりやすいため、発泡ムラが生じ、セル径が不均一になり、小径セル含有率が増加する傾向がある。これに対して、少なくする方法としては、内筒支持部を2箇所だけで支える両端2点構造を持つサーキュラーダイが挙げられる。一方、支持部が多く入っているサーキュラーダイとしては、多数の樹脂流路がある多孔板構造を持つサーキュラーダイが挙げられる。
図2に、上記の両端2点構造を持つサーキュラーダイと多孔板構造を持つサーキュラーダイの一例を示す。図2は、それらダイの支持部の断面図である。なお、図2中の1は内筒、2は外筒、3は支持部、4は樹脂流路を示す。
本発明におけるポリスチレン系樹脂発泡シートを加熱して得られる2次発泡シートの厚みは、2.0〜3.5mmであることが好ましく、さらに好ましくは、2.5〜3.0mmである。2次発泡シートの厚みが2.0mm未満の場合は、熱線溶断時にシートが撓みやすいため、カットズレが発生しやすく、また、成形体の強度が低くなりやすく、許容できる製品が得られにくい傾向がある。一方、2次発泡シートの厚みが3.5mmを超える場合は、カットズレは少ないが、成形体を積み重ねた際の嵩高が大きくなり輸送コストが高くなる傾向がある。
なお、2次発泡シートの厚みは、1次発泡シートの製造時における発泡剤の圧入量、加熱時の加熱熱量、等により、調整することができる。
本発明におけるポリスチレン系樹脂発泡シートを加熱して得られる2次発泡シートの坪量は、80〜150g/mが好ましく、さらに好ましくは、90〜120g/mである。2次発泡シートの坪量が80g/m未満の場合は、カットズレが少なく良好だが、成形体の強度が低く、許容できる製品が得られにくい傾向がある。一方、坪量が150g/mを超える場合は、溶断時に熱線が溶かす樹脂量が多いため、発泡シートと熱線の接触抵抗が大きくなり、カットズレが発生しやすい傾向がある。また、カットズレが発生すると熱線とシートの接触時間・接触量が多くなり熱線への異物付着量が増える傾向がある。
なお、2次発泡シートの坪量は、1次発泡シートの製造時における引取速度により調整することができる。
本発明におけるポリスチレン系樹脂発泡シート(1次発泡シート)のセル数は、9〜12個であることが好ましく、さらに好ましくは10〜11個である。1次発泡シートのセル数が9個未満の場合は、カットズレが少なく良好だが、発泡シートおよび容器のセル(気泡)が大きくなるため、表面のキメが粗くなり、外観の劣るものになる場合がある。一方、セル数が12個を超える場合は、セル膜数が多くなるため、発泡シートと熱線の接触抵抗が大きくなり、カットズレが発生し、またカットズレが発生すると熱線とシートの接触時間・接触量が多くなり熱線への異物付着量が増える場合がある。
なお、ポリスチレン系樹脂発泡シート(1次発泡シート)のセル数は製造時における気泡調整剤量により調整することができる。
次に、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例にて実施した評価方法は、以下のとおりである。
(厚み測定)
シート幅方向に測定点を等間隔に5点設定し、各測定点の厚みをダイヤルゲージ(PEACOCK社製、DIAL THICKNESS GAUGE)を用いて測定し、相加平均値を求めた。
(セル数)
セル数は、厚み方向について、押出方向と直交する幅方向の発泡シートの垂直縦断面を顕微鏡にて投影した。この投影図を用いて測定した厚み方向に積層するセル数を目視で数えることにより求めた。
(2次発泡倍率)
ポリスチレン系樹脂発泡シートの2次発泡シートの厚みを、1次発泡シートの厚みで除した値を、2次発泡倍率とした。
(ニクロム線溶断によるカットズレ評価)
ポリスチレン系樹脂発泡シートを熱成形して複数個の成形体が連接したシート状成形品を、50枚重ねて、ニクロム線(ニクロム線径0.5mm、表面温度350℃)をにて、厚み方向に上から下へ移動(送り速度6.0mm/sec)させて、溶断して個々の成形体に分離した。50枚重ねのシート状成形品の、押出方向と直交する幅方向の切断面の凹凸を観察した。
尚、カットズレの評価基準は、以下のとおりである。
○:50枚重ね凹凸の最大・最小の差が1.0mm以下。
△:50枚重ね凹凸の最大・最小の差が1.0mmより大きく2.0mm以下。
×:50枚重ね凹凸の最大・最小の差が2.0mmより大きい。
(ニクロム線溶断によるニクロム線への異物付着評価)
ポリスチレン系樹脂発泡シートを熱成形して複数個の成形体が連接したシート成形品を、50枚重ねて、ニクロム線で溶断するサイクル(約1min)を繰り返して行った。その際、ニクロム線への異物付着状況および成形容器への異物付着状況を観察し成形体に異物が付着し始めるまでの時間を計測した。異物が付着し始めるまでの時間が2hr以上のものを、合格とした。
(ニクロム線溶断による総合評価)
ニクロム線溶断に関する総合評価は、以下の基準により行った。
◎:カットズレ評価が○で、異物付着評価が合格である。
○:カットズレ評価が○で、異物付着評価が不合格である。または、カットズレ評価が△で、異物付着評価が合格である。
△:カットズレ評価が△で、異物付着評価が不合格である。
×:カットズレ評価が×で、異物付着評価が不合格である。
(実施例1)
ポリスチレン系樹脂としてHH102(PSジャパン(株)社製、MFR=3.0g/10min)を使用し、気泡調整剤としてタルク(林化成(株)社製、タルカンパウダーPK)とステアリン酸マグネシウム(堺化学工業(株)社製、SM−1000)を重量比88:12で混合したものを、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.16重量部混合した。
得られた混合物を、115−150mmφタンデム型押出機に供給し、1段目押出機にて溶融させた後に、発泡剤としてイソブタンとノルマルブタンの組成比が85:15(重量%)の混合ガスを3.0重量部圧入した。その後、2段目押出機にて発泡適正温度まで冷却した後、両端2点構造を持つサーキュラーダイより大気圧下に吐出し、冷却筒にて成形しながら、引取速度16m/minで引取り、上下2枚に切り開きながら巻取り、ポリスチレン系樹脂発泡シートを得た。得られたポリスチレン系樹脂発泡シートの評価結果を、表1に示す。
(実施例2)
ポリスチレン系樹脂としてHRM13N(東洋スチレン(株)社製、MFR=2.2g/10min)を使用し、気泡調整剤としてタルク(松村産業(株)社製、ハイフィラーKA−1)をポリスチレン樹脂100重量部に対して0.30重量部混合した混合物を使用した以外は、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂発泡シートを得た。得られたポリスチレン系樹脂発泡シートの評価結果を表1に示す。
(実施例3)
発泡剤の圧入量を2.2重量部に変更した以外は、実施例2と同様にしてポリスチレン系樹脂発泡シートを得た。得られたポリスチレン系樹脂発泡シートの評価結果を表1に示す。
(実施例4)
引取速度を10.5m/minに変更した以外は、実施例2と同様にしてポリスチレン系樹脂発泡シートを得た。得られたポリスチレン系樹脂発泡シートの評価結果を表1に示す。
(比較例1)
サーキュラーダイ構造を両端2点構造から多孔板構造へ変更した以外は、実施例2と同様にして、ポリスチレン系樹脂発泡シートを得た。得られたポリスチレン系樹脂発泡シートの評価結果を表1に示す。
(比較例2)
タルク(松村産業(株)社製、ハイフィラーKA−1)量をポリスチレン樹脂100重量部に対して0.50重量部へ変えた以外は、実施例2と同様にして、ポリスチレン系樹脂発泡シートを得た。得られたポリスチレン系樹脂発泡シートの評価結果を表1に示す。
(比較例3)
ポリスチレン樹脂としてHRM26(東洋スチレン(株)社製、MFR=1.6g/10min)を使用した以外は、実施例2と同様にして、ポリスチレン系樹脂発泡シートを得た。得られたポリスチレン系樹脂発泡シートの評価結果を表1に示す。
(比較例4)
ポリスチレン樹脂としてHRM26(東洋スチレン(株)社製、MFR=1.6g/10min)を使用し、タルク(松村産業(株)社製、ハイフィラーKA−1)量をポリスチレン樹脂100重量部に対して0.50重量部へ変更し、サーキュラーダイ構造を両端2点構造から多孔板構造へ変更した以外は、実施例2と同様にして、ポリスチレン系樹脂発泡シートを得た。得られたポリスチレン系樹脂発泡シートの評価結果を表1に示す。
表1の結果から、メルトマスフローレイト(MFR)を2.0〜3.2g/10minの範囲であるポリスチレン系樹脂を基材樹脂に用い、小径セルの含有率が20%以下にすることにより、カットズレが少なく、なおかつ、熱線への異物付着量が少なくなるポリスチレン系樹脂発泡シートが得られることが判った。
図1は、発泡シートにおける、長手方向に垂直な縦断面の模式図である。 図2は、サーキュラーダイスの構造を示す模式図である。
符号の説明
D 発泡シートにおける縦断面
s 表層部
c コア部
1 内筒
2 外筒
3 支持部
4 樹脂流路

Claims (2)

  1. 樹脂温度200℃および荷重49Nの条件にて測定するメルトマスフローレイトが2.0〜3.2g/10minであるポリスチレン系樹脂を基材樹脂として用い、上記基材樹脂をイソブタン65〜100重量%及びノルマルブタン0〜35重量%からなる混合ブタンにより発泡させてなるポリスチレン系樹脂発泡シートであって、
    該発泡シートを加熱して得られる2次発泡シートの長手方向に垂直な縦断面での、全体厚みの上下各20%にあたる表層部を除くコア部において、厚み方向および幅方向でのセル径が、厚み方向での平均セル径の1/2以下である小径セル数の含有率が、20%以下であることを特徴とする、熱線で分離するシート状成形体用のポリスチレン系樹脂発泡シート。
  2. ポリスチレン系樹脂発泡シートを加熱して得られる2次発泡シートの厚みが2.0〜3.5mm、坪量が80〜150g/mであり、かつ、ポリスチレン系樹脂発泡シートの厚み方向でのセル数が9〜12個の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の熱線で分離するシート状成形体用のポリスチレン系樹脂発泡シート。
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