JP5257728B2 - 紙製畳表加工用水性樹脂分散体、及びそれを被覆加工してなる紙製畳表 - Google Patents
紙製畳表加工用水性樹脂分散体、及びそれを被覆加工してなる紙製畳表 Download PDFInfo
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Description
必須条件1とは、前記樹脂(a)の示差走査熱量計(DSC)によるガラス転移温度(実測Tg)が、10〜50℃の範囲であり、好ましくは20〜40℃の範囲であることである。前記樹脂(a)の実測Tgがかかる範囲であれば、紙製畳表加工用に用いた場合に、被覆加工後の紙製畳表において、天然のイ草様の風合い(即ち、硬さや触感等)を得ることができ、優れた性能を発揮できる。
必須条件2とは、前記樹脂(a)の流動開始温度が、150〜300℃の範囲であり、好ましくは180〜270℃の範囲であることである。前記樹脂(a)の流動開始温度がかかる範囲であれば、皮膜強度が向上し、被覆加工後の紙製畳表の耐摩耗性に優れ、磨耗による劣化が抑制されて長期間の使用に耐えることができ、且つ、造膜性が向上し、優れた密着性と風合いなどを得ることができる。
必須条件3とは、前記樹脂(a)の平均粒子径が、120〜220nmの範囲であり、好ましくは140〜200nmの範囲であることである。前記樹脂(a)の平均粒子径がかかる範囲であれば、平均粒子径が緻密過ぎずに適度となり、造膜性が向上して紙製畳表への密着性に優れ、且つ、ブリスターの発生を抑制させつつ被覆加工後の紙製畳表に樹脂を均一に付着させることができる。
坪量約25g/m2の和紙を幅20mmのテープ状に切り、外径1.0〜1.2mm、内径0.3〜0.4mmになるように巻き、筒状抄繊糸を作成した。
(評価方法1)
実施例1及び比較例1で得られた紙製畳表加工用水性樹脂分散体に水を加え、固形分濃度を19%に調整した含浸液に、坪量約25g/m2の和紙を浸漬し、熱風循環乾燥機中140℃で10分間乾燥キュアして被覆加工を行った後、幅20mmのテープ状に切り、外径1.0〜1.2mm、内径0.3〜0.4mmになるように巻き、被覆加工基材を作成(加工方法Iという。)した。被覆加工基材のブリスターの発生状態を光学顕微鏡により観察し、以下の基準に従い評価し、その評価レベルを記号(○、△、×)で表2に示した。尚、評価時の被覆加工基材に対する樹脂付着量は10〜15%であった。
(評価方法2)
実施例2〜7及び比較例2〜7で得られた紙製畳表加工用水性樹脂分散体に水を加え、固形分濃度を19%に調整した含浸液に、上記で作成した筒状抄繊糸を浸漬し、熱風循環乾燥機中140℃で10分間乾燥キュアして被覆加工し、被覆加工基材を作成(加工方法IIという。)した。被覆加工基材のブリスターの発生状態を光学顕微鏡により観察し、以下の基準に従い評価し、その評価レベルを記号(○、△、×)で表2に示した。尚、評価時の被覆加工基材に対する樹脂付着量は10〜15%であった。
評価方法1及び評価方法2における耐ブリスター性の判定基準
○;光学顕微鏡でブリスターを確認できず、発生していない。
△;光学顕微鏡でブリスターが確認できる程度に、少量発生している。
×;目視でもブリスターが確認できる程、顕著にブリスターが発生している。
(評価方法1)
実施例1及び比較例1で得られた紙製畳表加工用水性樹脂分散体に水を加え、固形分濃度を19%に調整した含浸液に、坪量約25g/m2の和紙を浸漬し、熱風循環乾燥機中140℃で10分間乾燥キュアして被覆加工を行った後、幅20mmのテープ状に切り、外径1.0〜1.2mm、内径0.3〜0.4mmになるように巻き、被覆加工基材を作成(加工方法Iという。)した。被覆加工基材の風合いを触感により、以下の基準に従い評価し、その評価レベルを記号(○、△、×)で表2に示した。尚、評価時の被覆加工基材に対する樹脂付着量は10〜15%であった。
(評価方法2)
実施例2〜7及び比較例2〜7で得られた紙製畳表加工用水性樹脂分散体に水を加え、固形分濃度を19%に調整した含浸液に、上記で作成した筒状抄繊糸を浸績し、熱風循環乾燥機中140℃で10分間乾燥キュアし、被覆加工基材を作成(加工方法IIという。)した。被覆加工基材の風合いを触感により、以下の基準に従い評価し、その評価レベルを記号(○、△、×)で表2に示した。尚、評価時の被覆加工基材に対する樹脂付着量は10〜15%であった。
風合いの判定基準
○;天然のイ草と同様の風合いであり、自然な触感である。
△;天然のイ草に比べて、風合いに若干違和感がある。
×;風合いに明確な違和感があり、明らかに人工的である。
(評価方法1)
実施例1及び比較例1で得られた紙製畳表加工用水性樹脂分散体に水を加え、固形分濃度を19%に調整した含浸液に、坪量約25g/m2の和紙を浸漬し、熱風循環乾燥機中140℃で10分間乾燥キュアを行った後、幅20mmのテープ状に切り、外径1.0〜1.2mm、内径0.3〜0.4mmになるように巻き、被覆加工基材を作成(加工方法Iという。)した。次いで、樹脂を染色する特殊染料「カチオンブルーK−GLH」〔前田化成株式会社製〕の0.01%水溶液に、上記で作成した被覆加工基材を浸漬し1時間煮沸した後、軽く水洗した。被覆加工基材への樹脂の被覆性を顕微鏡観察により以下の基準に従い評価し、その評価レベルを記号(○、△、×)で表2に示した。尚、評価時の被覆加工基材に対する樹脂付着量は10〜15%であった。
(評価方法2)
実施例2〜7及び比較例2〜7で得られた紙製畳表加工用水性樹脂分散体に水を加え、固形分濃度を19%に調整した含浸液に、上記で作成した筒状抄繊糸を浸漬し、熱風循環乾燥機中140℃で10分間乾燥キュアし、被覆加工基材を作成(加工方法IIという。)した。次いで、樹脂を染色する特殊染料「カチオンブルーK−GLH」〔前田化成株式会社製〕の0.01%水溶液に、上記で作成した被覆加工基材を浸漬し1時間煮沸した後、軽く水洗した。被覆加工基材への樹脂の被覆性を顕微鏡観察により以下の基準に従い評価し、その評価レベルを記号(○、△、×)で表2に示した。尚、評価時の被覆加工基材に対する樹脂付着量は10〜15%であった。
被覆性の判定基準
◎;被覆加工基材に染料が均一に濃く染まっており、優れている。
○;被覆加工基材に染料が均一に染まっており、良好である。
△;被覆加工基材に対する染料の染まり具合に色ムラ(薄い箇所)があり若干不良。
×;被覆加工基材に染料が染まっていない箇所があり、不良である。
(評価方法1)
実施例1及び比較例1で得られた紙製畳表加工用水性樹脂分散体に水を加え、固形分濃度を19%に調整した含浸液に、坪量約25g/m2の和紙を浸漬し、熱風循環乾燥機にて140℃で10分間乾燥キュアを行った後、幅20mmのテープ状に切り、外径1.0〜1.2mm、内径0.3〜0.4mmになるように巻き、被覆加工基材を作成(加工方法Iという。)した。作成した被覆加工基材を軽く水で湿らし、「Rubbing Tester(学振型染色物摩擦堅牢度試験機)」〔DAIEI KAGAKU SEIKI MFG. CO.LTD.製〕で耐摩耗性の試験を行った(重り;500g、回数;20回)。被覆加工基材の耐摩耗性を目視により、以下の基準に従い評価し、その評価レベルを記号(○、△、×)で表2に示した。
(評価方法2)
実施例2〜7及び比較例2〜7で得られた紙製畳表加工用水性樹脂分散体に水を加え、固形分濃度を19%に調整した含浸液に坪量約125g/m2のろ紙を浸績し、被覆加工基材に対する樹脂付着量が15〜20%になるようにマングルロールで絞り、熱風循環乾燥機中140℃で10分間乾燥キュアし被覆加工基材を作成(加工方法IIという。)した。作成した被覆加工基材を軽く水で湿らし、「Rubbing Tester(学振型染色物摩擦堅牢度試験機)」〔DAIEI KAGAKU SEIKI MFG. CO.LTD.製〕で耐摩耗性の試験を行った(重り;500g、回数;20回)。被覆加工基材の耐摩耗性を目視により、以下の基準に従い評価し、その評価レベルを記号(○、△、×)で表2に示した。
耐磨耗性の判定基準
○;摩耗されておらず、耐磨耗性に優れる。
△;一部摩耗されている個所があり、やや耐摩耗性に劣る。
×;著しく摩耗されており、耐摩耗性に劣る。
表1に示した如く、撹拌装置を備えた重合容器を窒素ガスで置換後、反応性界面活性剤としてアクアロンKH−10(商標、第一工業製薬株式会社製)0.4部と水475.1部を仕込み、内温80℃に昇温した。
別の容器に反応性界面活性剤としてアクアロンKH−10を9.6部と、エチレン性不飽和単量体(X)として、炭素原子数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x−1)であるアクリル酸エチル(以下EA)180部、アクリル酸ブチル(以下BA)40部、メタクリル酸メチル(以下MMA)124部と、単量体(x−2)であるアクリロニトリル(以下AN)40部と、その他のエチレン性不飽和単量体(x−3)であるN−メチロールアクリルアミド(以下NM)8部、アクリル酸(以下AA)8部と、水100部を仕込み、攪拌を行い乳化させ、乳化液を調整した。
前記乳化液の3重量%を前記重合容器に仕込み、4.8%過硫酸ナトリウム水溶液1.7部を添加し、重合を開始させた。次いで、残りのモノマー混合物の乳化液と4.8%過硫酸ナトリウム水溶液15.1部を2時間かけて滴下し重合を行った。滴下終了後、内温80℃にて1時間保持した。次いで、冷却を行い、アンモニア水で水性樹脂分散体をpH7.0に調整し、本発明の紙製畳表加工用水性樹脂分散体(1)を得た。
本発明の紙製畳表加工用水性樹脂分散体(1)の評価結果を表2に記載したが、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(1)を形成する樹脂の示差走査熱量計(DSC、TAインスツルメント株式会社製)で測定したガラス転移温度(実測Tg)は32℃であり、最低造膜温度測定器(TP−805、東芝キャリア株式会社製)で測定した最低造膜温度(MFT)は39℃であり、高化式フローテスター(CFT−500D−1、株式会社島津製作所製)で測定した流動開始温度は159℃であり、且つ、前記紙製畳表加工用水性樹脂分散体(1)の平均粒子径は170nmであり、耐ブリスター性、風合い、被覆性及び耐磨耗性は何れも優れていた。
表1に示した如く、実施例1における反応前の重合容器内を界面活性剤のラテムルE−118B(商標、花王株式会社製、固形分26%)3.1部と水441.7部に、また、乳化液中の界面活性剤をラテムルE−118Bを35.4部に、エチレン性不飽和単量体(X)としてEA280部、MMA94部、メタクリル酸(以下MAA)16部、NM10部に換えた以外は、実施例1と同様に行い、本発明の紙製畳表加工用水性樹脂分散体(2)を得た。
本発明の紙製畳表加工用水性樹脂分散体(2)の評価結果を表2に記載したが、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(2)を形成する樹脂の実測Tgは12℃であり、MFTは15℃であり、流動開始温度は187℃であり、且つ、前記紙製畳表加工用水性樹脂分散体(2)の平均粒子径は150nmであり、耐ブリスター性、風合い、被覆性及び耐磨耗性は何れも優れていた。
実施例1における反応前の重合容器内を水441.7部に、また、乳化液中の界面活性剤をラテムルE−118Bを38.5部に、エチレン性不飽和単量体(X)としてBA160部、MMA222部、MAA16部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(以下MPS)2部に、初期反応として使用する乳化液を2重量%に換えた以外は、実施例1と同様に行い、本発明の紙製畳表加工用水性樹脂分散体(3)を得た。
本発明の紙製畳表加工用水性樹脂分散体(3)の評価結果を表2に記載したが、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(3)を形成する樹脂の実測Tgは27℃であり、MFTは36℃であり、流動開始温度は198℃であり、且つ、前記紙製畳表加工用水性樹脂分散体(3)の平均粒子径は200nmであり、耐ブリスター性、風合い、被覆性及び耐磨耗性は何れも優れていた。
表1に記載の如く、実施例1における反応前の重合容器内を界面活性剤をE−118B(商標、花王株式会社製、固形分26%)12.3部と水441.7部に、乳化液中の界面活性剤のラテムルE−118Bを33.8部に、エチレン性不飽和単量体(X)としてBA124部、MMA176部、スチレン(以下ST)80部、AA8部、NM10部、MPS2部に換えた以外は、実施例1と同様に行い、本発明の紙製畳表加工用水性樹脂分散体(4)を得た。
本発明の紙製畳表加工用水性樹脂分散体(4)の評価結果を表2に記載したが、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(4)を形成する樹脂の実測Tgは47℃であり、MFTは56℃であり、流動開始温度は264℃であり、且つ、前記紙製畳表加工用水性樹脂分散体(4)の平均粒子径は125nmであり、耐ブリスター性、風合い、被覆性及び磨耗性は何れも優れていた。
表1に記載の如く、実施例1における反応前の重合容器内を界面活性剤のE−118B(商標、花王株式会社製、固形分26%)12.3部と水441.7部に、乳化液中の界面活性剤をラテムルE−118Bを33.8部に、エチレン性不飽和単量体(X)としてBA124部、MMA180部、ST80部、AA8部、NM8部に換えた以外は、実施例1と同様に行い、アンモニア水で水性樹脂分散体をpH7.0に調整した後、最低造膜温度(MFT)が35℃になるまで造膜助剤のブチルセロソルブを添加し、本発明の紙製畳表加工用水性樹脂分散体(5)を得た。
本発明の紙製畳表加工用水性樹脂分散体(5)の評価結果を表2に記載したが、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(5)を形成する樹脂の実測Tgは46℃であり、MFTは35℃であり、流動開始温度は172℃であり、且つ、前記紙製畳表加工用水性樹脂分散体(5)の平均粒子径は125nmであり、耐ブリスター性、風合い、被覆性及び耐磨耗性は何れも優れていた。
表1に記載の如く、実施例1における反応前の重合容器内を水473.2部に、乳化液中の反応性界面活性剤のアクアロンKH−10を10部に、エチレン性不飽和単量体(X)としてEA180部、BA40部、AN40部、MMA122部、AA8部、NM10部に、初期反応として使用する乳化液を2重量%に換えた以外は、実施例1と同様に行い、本発明の紙製畳表加工用水性樹脂分散体(6)を得た。
本発明の紙製畳表加工用水性樹脂分散体(6)の評価結果を表2に記載したが、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(6)を形成する樹脂の実測Tgは32℃であり、MFTは39℃であり、流動開始温度は191℃であり、且つ、前記紙製畳表加工用水性樹脂分散体(6)の平均粒子径は200nmであり、耐ブリスター性、風合い、被覆性及び耐磨耗性は何れも優れていた。
表1に記載の如く、実施例1における反応前の重合容器内を、界面活性剤をラテムルE−118B(商標、花王株式会社製、固形分26%)12.3部と水441.7部に、乳化液中の界面活性剤のラテムルE−118Bを33.8部に、エチレン性不飽和単量体(X)としてBA166部、MMA210部、MAA16部、GMA2部に換えた以外は、実施例1と同様に行い、本発明の紙製畳表加工用水性樹脂分散体(7)を得た。
本発明の紙製畳表加工用水性樹脂分散体(7)の評価結果を表2に記載したが、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(7)を形成する樹脂の実測Tgは24℃であり、MFTは30℃であり、流動開始温度は158℃であり、且つ、前記紙製畳表加工用水性樹脂分散体(7)の平均粒子径は210nmであり、耐ブリスター性、風合い、被覆性及び耐磨耗性は何れも優れていた。
表1に記載の如く、実施例1における乳化液中のエチレン性不飽和単量体(X)としてBA236部、AN40部、MMA98部、MAA16部、NM10部に換えた以外は、実施例1と同様に行い、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(8)を得た。
紙製畳表加工用水性樹脂分散体(8)の評価結果を表2に記載したが、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(8)を形成する樹脂の実測Tgは2℃であり、MFTは9℃であり、流動開始温度は188℃であり、且つ、前記紙製畳表加工用水性樹脂分散体(8)の平均粒子径は170nmであり、耐ブリスター性、被覆性及び耐磨耗性は優れていたものの、風合いは劣っていた。
表1に記載の如く、実施例1における反応前の重合容器内を界面活性剤のラテムルE−118B(商標、花王株式会社製、固形分26%)1.5部と水441.7部に、また、乳化液中の界面活性剤をラテムルE−118Bを37部に、エチレン性不飽和単量体(X)としてBA236部、AN40部、MMA98部、MAA16部、NM10部に換えた以外は、実施例1と同様に行い、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(9)を得た。
紙製畳表加工用水性樹脂分散体(9)の評価結果を表2に記載したが、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(9)を形成する樹脂の実測Tgは2℃であり、MFTは8℃であり、流動開始温度は188℃であり、且つ、前記紙製畳表加工用水性樹脂分散体(9)の平均粒子径は170nmであり、耐ブリスター性、被覆性及び耐磨耗性は優れていたものの、風合いは劣っていた。
表1に記載の如く、実施例1における反応前の重合容器内を界面活性剤のラテムルE−118B(商標、花王株式会社製、固形分26%)1.5部と水441.7部に、また、乳化液中の界面活性剤をラテムルE−118Bを37部に、エチレン性不飽和単量体(X)としてEA108部、MMA282部、AA8部、MPS2部に換えた以外は、実施例1と同様に行い、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(10)を得た。
紙製畳表加工用水性樹脂分散体(10)の評価結果を表2に記載したが、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(10)を形成する樹脂の実測Tgは59℃であり、MFTは65℃以上であり、流動開始温度は232℃であり、且つ、前記紙製畳表加工用水性樹脂分散体(10)の平均粒子径は170nmであり、耐ブリスター性及び耐磨耗性は優れていたものの、被覆性及び風合いは劣っていた。
表1に記載の如く、実施例1における反応前の重合容器内を界面活性剤のラテムルE−118B(商標、花王株式会社製、固形分26%)15.4部と水440.2部に、また、乳化液中の界面活性剤をラテムルE−118Bを30.8部に、エチレン性不飽和単量体(X)としてBA152部、MMA230部、MAA16部、MPS2部に換えた以外は、実施例1と同様に行い、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(11)を得た。
紙製畳表加工用水性樹脂分散体(11)の評価結果を表2に記載したが、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(11)を形成する樹脂の実測Tgは30℃であり、MFTは36℃であり、流動開始温度は193℃であり、且つ、前記紙製畳表加工用水性樹脂分散体(11)の平均粒子径は100nmであり、風合い、被覆性及び耐磨耗性は優れていたものの、耐ブリスター性は劣っていた。
表1に記載の如く、実施例1における反応前の重合容器内を水443.2部に、また、乳化液中の界面活性剤をラテムルE−118Bを30.8部に、エチレン性不飽和単量体(X)としてEA180部、BA40部、AN40部、MMA122部、AA8部、NM10部に、初期反応として使用する乳化液を1重量%に換えた以外は、実施例1と同様に行い、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(12)を得た。
紙製畳表加工用水性樹脂分散体(12)の評価結果を表2に記載したが、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(12)を形成する樹脂の実測Tgは32℃であり、MFTは43℃であり、流動開始温度は191℃であり、且つ、前記紙製畳表加工用水性樹脂分散体(12)の平均粒子径は300nmであり、耐ブリスター性及び風合いは優れていたものの、耐磨耗性、被覆性は劣っていた。
表1に記載の如く、実施例1における反応前の重合容器内を界面活性剤のラテムルE−118B(商標、花王株式会社製、固形分26%)1.5部と水441.7部に、また、乳化液中の界面活性剤をラテムルE−118Bを37部に、エチレン性不飽和単量体(X)としてBA152部、MMA227.2部、MAA16部、MPS0.8部に換えた以外は、実施例1と同様に行い、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(13)を得た。
紙製畳表加工用水性樹脂分散体(13)の評価結果を表2に記載したが、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(13)を形成する樹脂の実測Tgは30℃であり、MFTは39℃であり、流動開始温度は105℃であり、且つ、前記紙製畳表加工用水性樹脂分散体(13)の平均粒子径は170nmであり、耐ブリスター性、被覆性及び風合いは優れていたものの、耐磨耗性は劣っていた。
表1に記載の如く、実施例1における反応前の重合容器内を界面活性剤のラテムルE−118B(商標、花王株式会社製、固形分26%)1.5部と水441.7部に、また、乳化液中の界面活性剤をラテムルE−118Bを37部に、エチレン性不飽和単量体(X)としてEA192部、AN40部、MMA66部、ST20部、AA8部、MPS2部、GMA12部に換えた以外は、実施例1と同様に行い、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(14)を得た。
紙製畳表加工用水性樹脂分散体(14)の評価結果を表2に記載したが、紙製畳表加工用水性樹脂分散体(14)を形成する樹脂の実測Tgは29℃であり、MFTは38℃であり、流動開始温度は320℃であり、且つ、前記紙製畳表加工用水性樹脂分散体(14)の平均粒子径は170nmであり、耐ブリスター性及び耐磨耗性は優れていたものの、被覆性及び風合いは劣っていた。
EA ;アクリル酸エチル
BA ;アクリル酸ブチル
AN ;アクリロニトリル
MMA;メタクリル酸メチル
ST ;スチレン
AA ;アクリル酸
MAA;メタクリル酸
NM ;N−メチロールアクリルアミド
MPS;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
GMA;メタクリル酸グリシジル
実施例8〜14及び比較例8〜14として、前記した実施例1〜7及び比較例1〜7で得た紙製畳表加工用水性樹脂分散体を用い、固形分濃度19%に調整した含浸液に、筒状抄繊糸を浸漬し、熱風循環乾燥機中140℃で10分間乾燥キュアして被覆加工し、この被覆加工基材を用いて、綿の経糸に、緯糸に被覆加工筒状糸を交互に織り密度1.0kg/m2で編織機にて、シート状に加工して、評価用の紙製畳表を得た。上記のようにして被覆加工を施した紙製畳表について、ブリスターの発生の有無、テイバー型磨耗試験による耐摩耗性、45度カンチレバー法による剛軟度、及び引掻き傷防止を目的とした耐擦過性を評価し、その結果を表3に示した。
10cm2の被覆加工した紙製畳表をマイクロスコープ(キーエンス社製)を用い倍率50倍にて、ブリスターの発生個数を観察した。ブリスター発生の個数の少ないもの程、手触りのザラツキが無く、外観が良好であり、耐ブリスター性に優れる、と評価できる。
直径15cmの円盤上に被覆加工した紙製畳表をセットし、テイバー磨耗試験機(株式会社東洋精機社製、T型)で磨耗子CS−10にて500回磨耗する。磨耗前の重量から磨耗後重量を測定し、減量した量を計算にてもとめる。磨耗後の減量(g)が少ないほど、耐磨耗性に優れ、外観の擦り減り等に強い畳表であると、評価できる。
被覆加工した紙製畳表を経方向に巾2cm×長さ30cmに裁断し、JIS L−1096(45度カンチレバー法)により、紙製畳表の風合い(剛軟度、硬さ)を評価した。数値(mm)が大きいほど剛性が強く、また数字が小さいほど柔軟であるが、硬すぎると紙製畳表を畳床に縫い合わせる場合に縫製がしづらくなり、また、柔軟すぎると荷重で凹みが生じた場合に回復性に乏しくなる。風合いは、被覆加工を施す樹脂のガラス転移温度(実測Tg)と相関し、10〜50℃の範囲がよい。
被覆加工紙製畳表を巾2cm×長さ20cmに裁断し、「Rubbing Tester(学振型染色物摩擦堅牢度試験機)」〔DAIEI KAGAKU SEIKI MFG. CO.LTD.製〕にて、磨耗子に400番のサンドペーパーを取り付け、荷重500gで回数20回、被覆加工紙製畳表の表面を引っ掻き、耐擦過性を以下の基準に従い評価し、その程度を1級〜5級の判定を行った。
耐擦過性の判定基準
5級;表面に引っかき傷が全く無い。
4級;表面に一部引っかき傷があるが、殆ど目立たない。
3級;表面の引っかき傷が表面積の50%以下で発生し、外観の色相にやや劣る。
2級;表面の引っかき傷が表面積の50%以上で発生し、明らかな色相変化がある。
1級;表面の全体が著しく摩耗され、擦り切れた状態になった。
応用比較例10は、樹脂の実測Tgが59℃と高すぎて、風合い(剛軟度)が硬く、また、造膜性が悪い為に被覆効果が少なく、よって耐磨耗性、耐擦過性が劣っていた。
応用比較例11は、樹脂の平均粒子径が100nmと小さすぎて、造膜性が速い為にブリスターの発生が多く、耐ブリスター性に劣っていた。
応用比較例12は、樹脂の平均粒子径が300nmと大きく、樹脂の造膜性が低く、耐磨耗性及び耐擦過性に劣っていた。
応用比較例13は、樹脂の流動開始温度が105℃と低く、架橋剤であるγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPS)の量が少ないことで被膜自体の強度が低下し、耐磨耗性及び耐擦過性に劣っていた。
応用比較例14は、樹脂の流動開始温度が320℃と高く、造膜性が低く被覆効果が乏しく、耐磨耗性及び耐擦過性に劣っていた。
Claims (8)
- エチレン性不飽和単量体(X)及び架橋剤(Y)を乳化重合することにより得られる樹脂(a)の水性樹脂分散体からなり、且つ、前記水性樹脂分散体を形成する樹脂(a)のガラス転移温度が10〜50℃の範囲、流動開始温度が150〜300℃の範囲、及び平均粒子径が120〜220nmの範囲であり、前記架橋剤(Y)が、ジ又はトリビニル系単量体、メチロールアミド基又はそのアルコキシ基含有ビニル系単量体、シリル基含有ビニル系単量体、アジリジニル基含有ビニル系単量体、イソシアナート基又はブロック化イソシアナート基含有ビニル系単量体、オキサゾリン基含有ビニル系単量体、及びグリシジル基含有ビニル系単量体からなる群から選ばれる少なくとも一種のビニル系架橋剤であることを特徴とする紙製畳表加工用水性樹脂分散体。
- エチレン性不飽和単量体(X)が、炭素原子数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x−1)とその他のエチレン性不飽和単量体(x−3)、若しくは、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x−1)と(メタ)アクリロニトリル(x−2)とその他のエチレン性不飽和単量体(x−3)を用いてなるものである請求項1記載の紙製畳表加工用水性樹脂分散体。
- エチレン性不飽和単量体(X)が、炭素原子数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x−1)と(メタ)アクリロニトリル(x−2)とその他のエチレン性不飽和単量体(x−3)を含んでなるものである請求項1記載の紙製畳表加工用水性樹脂分散体。
- エチレン性不飽和単量体(X)の合計100重量部に対して、炭素原子数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x−1)80.0〜99.0重量部とその他のエチレン性不飽和単量体(x−3)1.0〜20.0重量部、若しくは、炭素原子数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(x−1)と(メタ)アクリロニトリル(x−2)の合計80.0〜99.0重量部とその他のエチレン性不飽和単量体(x−3)1.0〜20.0重量部を用いてなるものである請求項1記載の紙製畳表加工用水性樹脂分散体。
- 前記樹脂(a)の最低造膜温度が、0〜40℃の範囲である請求項1〜4の何れか一項に記載の紙製畳表加工用水性樹脂分散体。
- 前記水性樹脂分散体が、その他のエチレン性不飽和単量体(x−3)の一部として反応性界面活性剤を用い、ソープフリーで乳化重合してなる水性樹脂分散体である請求項1〜5の何れか一項に記載の紙製畳表加工用水性樹脂分散体。
- 水性樹脂分散体を形成する樹脂(a)のガラス転移温度が20〜40℃の範囲、流動開始温度が180〜270℃の範囲、及び平均粒子径が140〜200nmの範囲である請求項1〜6の何れか一項に記載の紙製畳表加工用水性樹脂分散体。
- 請求項1〜7の何れかに記載の紙製畳表加工用水性樹脂分散体を被覆加工してなることを特徴とする紙製畳表。
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