JP2005048561A - 畳表およびその製造方法ならびに該畳表を用いた畳 - Google Patents

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Abstract

【課題】 畳表本来の自然な風合いと機能とを兼ね備え、その表面に高い付着力にて着色や模様が施された長期使用に耐え得る美麗な畳表とその製造方法を提供する。
【解決手段】 畳表10の本体12を構成する筒状抄繊糸12bは、木質繊維を原料としており、畳本来の自然な風合いを有し、吸湿性やクッション性などの機能も従来のイ草からなる畳表と同等である。また、着色や模様16を形成する熱昇華性の分散染料は、畳表10の本体12表面に設けられている高分子樹脂からなるコート層14の内部に浸透してこれに染着するため、畳表の表面に染料やインキが単に固着しただけの従来の模様に比べて、畳表10表面に対する付着力が高く、磨耗による退色が少ない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、その表面に着色や模様が施された意匠性の高い畳表と、この畳表を使用した畳に関するものである。
生活様式の変化や文化的嗜好の変化に伴い、近年、様々な色に着色した畳や表面に模様などを印刷した畳が要求され、上市されている。これらの畳の多くは、その表面にイ草を編織した畳表が配設されており、この畳表の表面に直接塗装や印刷が施されている。ここで、畳表を構成するイ草は塗料やインキとの付着力が弱いので、日焼けや磨耗による退色が激しく長期の使用に耐えないという問題があった。さらに、畳表の表面は、凸部と凹部とが整列した畝状に形成されているので、この表面の凹凸形状によって着色ムラが発生し美麗な表面が得られないという問題もあった。
一方、イ草に替わるものとしてポリプロピレンのスリットヤーンを編織した畳表が開発されている。親油性を有するポリプロピレンは塗料やインキとの付着力が強いので、このポリプロピレン製の畳表に塗装や印刷を施せば、着色や模様の部分の退色が少なく長期の使用に耐えられる畳表を得ることができる。しかしながら、ポリプロピレン製の畳表は吸湿性が殆どないため「べとつき」易く、また、風合いや色合いなど自然感に劣るという問題があった。
これらの問題を解決し得る技術として、サンドペーパーや漂白剤によって畳表を構成するイ草の表皮を剥離させて塗料やインクの付着力を高める技術(例えば、特許文献1参照。)や、凸面と凹面とが整列した畝状に形成される畳表の表面を圧縮して平滑な板状にすることで塗装や印刷を美しくする技術(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
これらの技術によれば畳表の表面における着色塗装や模様印刷の適性をある程度改善することができる。
しかしながら、前者の技術では、イ草の表面を深く剥離させるとイ草の強度や弾性力を破壊するので、適正な加工が難しいという問題があった。また、後者の技術では、畳表の表面全体が圧縮されているので、畳表本来の弾力性や素材感が失われてしまうという問題があった。
実開平3−14234号公報(第1−5頁、第1図) 実開平5−89680号公報(第2−4頁、第2図)
それゆえ、本発明の主たる課題は、畳表本来の自然な風合いと機能とを兼ね備え、その表面に高い付着力にて着色や模様が施された長期使用に耐え得る美麗な畳表とその製造方法を提供することである。また、本発明の更なる課題は、そのような畳表を備えた意匠性の高い畳を提供することである。
請求項1に記載した本発明の畳表(10)は、「木質繊維からなる紙を抄造し、これを筒状に成形した筒状抄繊糸(12b)で編織してなる本体(12)と、高分子樹脂からなり、少なくとも本体(12)の表面に設けられ本体(12)に耐水性および強度を与えるコート層(14)とを備える畳表の表面に、熱昇華性の分散染料にて所定の色や模様(16)を染着させた」ことを特徴とするものである。また、請求項3に記載した発明は、「請求項1に記載の畳表(10)が、畳床(38)の表面に配設されている」ことを特徴とする畳(36)である。
これらの発明では、畳表(10)の本体(12)がイ草よりも比表面積の大きな筒状抄繊糸(12b)で構成されているので、模様(16)を構成する熱昇華性の分散染料と畳表(10)の表面とが十分に接触することができ、畳表(10)の表面に熱昇華性の分散染料で構成された色や模様(16)を高い付着力にて忠実に表現することができる。また、模様(16)を形成する熱昇華性の分散染料は、高分子樹脂からなるコート層(14)の内部に浸透してこれに染着するものである。このため、熱昇華性の分散染料で構成された色や模様(16)は、畳表(10)表面に対する付着力が高く、磨耗による退色が少ない。したがって、熱昇華性の分散染料にて所定の色や模様(16)が染着させている畳表(10)および該畳表(10)が配設されている畳(36)は、表面に施された模様(16)が耐久性を有し、長期の使用に耐えることができる。
なお、畳表(10)の本体(12)を構成する筒状抄繊糸(12b)は木質繊維を原料としているので、かかる筒状抄繊糸(12b)を編織してなる畳表(10)は、畳本来の自然な風合いを有するとともに、吸湿性やクッション性などの機能も従来のイ草からなる畳表と同等のものを備えている。
請求項2に記載した発明は、「木質繊維からなる紙を抄造し、これを筒状に成形した筒状抄繊糸(12b)で編織してなる本体(12)と、高分子樹脂からなり、少なくとも本体(12)の表面に設けられ本体(12)に耐水性および強度を与えるコート層(14)とを備える畳表の表面に、熱昇華性の分散染料にて所定の色や模様(16)が印刷された転写シート(18)の模様印刷面を載置し、畳表(10)と転写シート(18)とを加熱ローラー(20)に押し当てながら加熱して転写シート(18)の色や模様(16)を畳表(10)の表面に転写する」ことを特徴とする畳表(10)の製造方法である。
請求項1に記載した畳表(10)の製造方法であるこの発明では、一旦、転写シートの表面に熱昇華性の分散染料で所定の模様(16)を印刷するようにしているので、畳表(10)の本体(12)に転写される色や模様(16)を直接確認できるとともに、繊細で階調豊かな多色染色の模様(16)を容易に表現することができる。
そして、本体(12)と転写シート(18)とを自転する加熱ローラー(20)に押し当てながら加熱するようにしているので、凹凸を有する畳表(10)の本体(12)表面の凹部にも色や模様(16)を定着させることができる。また、本体(12)および転写シート(18)として長尺のものを準備することによって、着色や模様(16)が施された美麗な畳表(10)を連続して効率よく量産することができる。
請求項1または3に記載した発明によれば、畳表本来の自然な風合いや機能を有するとともに、その表面に耐久性を有する着色や模様が施された畳表ならびに該畳表を用いた畳を得ることができる。
また、請求項2に記載した発明によれば、畳表本来の自然な風合いや機能を有するとともに、畳表の表面に耐久性を有する着色や模様が施された畳表を効率的に製造することができる。
したがって、畳表本来の自然な風合いと機能とを兼ね備え、その表面に高い付着力にて着色や模様が施された長期使用に耐え得る美麗な畳表とその製造方法ならびに該畳表を用いた畳を提供することができる。
図1に示すように、本発明が適用された畳表(10)は、本体(12),コート層(14)および模様(16)で構成されている。
本体(12)は、綿や麻糸などをからなる経糸(12a)に、筒状抄繊糸(12b)を交互に編織して仕上げられた、その表面が凸部と凹部とが整列した畝状に形成されたシート状の部材である。この本体(12)の織り込み密度は0.5〜1.2kg/m2の範囲であることが好ましい。本体の織り込み密度が0.5kg/m2のよりも低い場合には、本体(12)の耐摩耗性や引張強度が劣るようになるとともに、目が粗く下地が透けて見えるようになり、逆に、1.2kg/m2よりも高い場合には、表面の凹凸が大きくなるとともに硬さが増し、風合いや肌触りが悪くなり、しかも編織しにくくなるからである。
ここで、筒状抄繊糸(12b)とは、針葉樹を主体とする繊維長の長い木質繊維を抄造した坪量15〜30g/m2の薄葉紙を15〜40mm幅に裁断し、中心部を空洞にして5〜15巻にて筒状に撚りをかけた径0.7〜1.5mmの糸状部材である。このように木質繊維からなる薄葉紙を筒状に成形しているので、得られる筒状抄繊糸(12b)は比表面積の大きなものとなる。
この筒状抄繊糸(12b)を構成する薄葉紙は坪量15〜30g/m2で抄造するものであるが、坪量が15g/m2より低いものでは紙の強度が弱くなり、逆に、30g/m2より高いものでは紙が厚くなり、ともに筒状抄繊糸(12b)に加工するのが困難になる。このため、薄葉紙の坪量を上記範囲とすることで適当な強度の筒状抄繊糸(12b)を作ることができる。
また、このような坪量の薄葉紙を15〜40mm幅に細く裁断することになるが、筒状抄繊糸(12b)の材料となる紙の幅が15mmより小さいものでは得られる筒状抄繊糸(12b)が細く且つ硬くなり過ぎてクッション性の劣るものとなり、逆に、40mmより大きいものでは得られる筒状抄繊糸(12b)が太くなり過ぎるとともに、太さの割には巻数が増えず柔らかくなる結果、荷重をかけると潰れるようになる。
さらに、中心部を空洞にして5〜15巻の筒状に撚りをかけることになるが、巻数が5巻未満の場合には、巻が緩くなって筒状抄繊糸(12b)が軟らかくなり荷重をかけると潰れるようになる。一方、巻数が15巻より多い場合には巻が硬くなりクッション性に劣るとともに生産性が悪くなる。なお、中心部が空洞の筒状とすることでクッション性ならびに吸湿性が向上する。
そして、筒状抄繊糸(12b)はその径を0.7〜1.5mmとするものであるが、これは筒状抄繊糸(12b)の径を天然のイ草の径に合わせたものであり、これにより編織機を改造することなくそのまま使用することができる。なお、筒状抄繊糸(12b)の径が0.7mm未満の場合には筒状抄繊糸(12b)が細くなり過ぎて、畳表(10)の本体(12)としての厚み感がなくクッション性に劣るとともに、編織の生産性が低下するようになり、逆に、1.5mmより大きい場合には目の粗い織物となって高級感に欠けるだけでなく、厚くてごわごわしたものとなる。
コート層(14)は、本体(12)に耐水性および強度を与えるため、少なくとも本体(12)の表面に設けられた高分子樹脂からなる薄層である。コート層(14)は、通常、上述した筒状抄繊糸(12b)の外周を被覆するように、もしくは、筒状抄繊糸(12b)の表面全体に浸透するようにして設けられているが、畳表(10)の本体(12)における模様(16)の定着性および定着させた模様(16)の耐久性のみを考慮した場合には、少なくとも本体(12)の表面に設けられていればよい。
このコート層(14)を形成する高分子樹脂としては、EVA,酢酸ビニル,エチレン酢酸ビニル,アクリル系樹脂,ナイロン系樹脂,ポリエステル系樹脂,シリコンおよびフッ素などの合成高分子樹脂を単独もしくは適宜組み合わせて用いることができるが、後述する熱昇華性の分散染料との親和力を考慮すると、特に、EVA,アクリル系樹脂,ナイロン系樹脂およびポリエステル系樹脂などが好適である。
模様(16)は、本体(12)の表面に意匠性を付与するためのものであり、具体的には熱昇華性の分散染料によって形成された図柄や紋様である。なお、この模様(16)をベタ状の模様にすると、本体(12)の表面全体を所定の色に着色することができる。
熱昇華性の分散染料は、熱が加えられると染色成分が昇華して被着体の高分子樹脂層に浸透しこれを染着する染料である。このため、本体(12)の表面に熱昇華性の分散染料で模様(16)を形成する際には、予め、熱昇華性の分散染料が浸透しない紙などで構成された転写シート(18)の表面に、グラビア印刷,オフセット印刷,スクリーン印刷,フレキソ印刷およびインクジェット印刷などの印刷法を用いて熱昇華性の分散染料の模様(16)を印刷し、転写シート(18)に印刷した模様(16)を被着体である畳表(10)の本体(12)に密着させながら熱転写しなければならない(図2参照)。このように、一旦、転写シート(18)の表面に熱昇華性の分散染料で所定の模様(16)を印刷しているので、畳表(10)の本体(12)に転写される模様(16)を直接確認できるとともに、繊細で階調豊かな多色染色の模様(16)を容易に表現することができる。また、染料が昇華することによって被着体(高分子樹脂のコート層(14))に浸透し染着するので、被着体に凹凸がある場合であっても着色ムラなく且つ耐擦性よくその表面全体に模様(16)を染着させることができる。そして、特に転写シート(18)への模様(16)の印刷をインクジェット印刷で行なった場合には、模様(16)を印刷するための版が不要となり、小ロットでの生産も可能となる。
次に、本発明の畳表(10)の製造方法について説明する。
本発明の畳表(10)を製造する際には、まず、少なくともその表面にコート層(14)が設けられた筒状抄繊糸(12b)からなる本体(12)をロール状に巻き取ったものを準備する。なお、この本体(12)の製造方法については、例えば特開平8−170422号公報に記載されているような公知の方法を用いることができる。
また、これと共に、転写シート(18)の表面に、本体(12)へ転写する所定の模様(16)を熱昇華性の分散染料で印刷し、本体(12)と同様にロール状に巻き取る。このように、本体(12)および転写シート(18)としてロール状のもの、すなわち、長尺のものを準備することによって、模様(16)が施された美麗な畳表(10)を連続して効率よく量産することができる。
そして、図2に示すような加熱ローラー(20)を用いて、転写シート(18)に印刷した模様(16)を本体(12)の表面に加圧熱転写する。
ここで、加熱ローラー(20)は、金属などの耐熱性材料によって成形された、外面が平滑な回転体であり、その表面温度は熱昇華性の分散染料の染料成分が十分に昇華できる温度(具体的には140〜240℃)に加熱・保持されている。なお、加熱ローラー(20)は図示しない駆動装置によって所定の一方向に向けて自転するようになっている。
また、加熱ローラー(20)の表面には、ガイドロール(22)やテンションロール(24)に案内されたループ状のブランケット(26)が巻着されており、このブランケット(26)はバックアップロール(28)(30)によって加熱ローラー(20)の表面に所定の押付け圧(0.5〜5kgf/cm2)で押付けられている。このため、ブランケット(26)は加熱ローラー(20)の回転に従って一定方向へ向けて搬送されている。
このような加熱ローラー(20)を用いて転写シート(18)に印刷した模様(16)を本体(12)に転写するには、具体的に以下のような方法で行なう。
すなわち、まず始めに、図2に示すように、本体(12)の模様(16)を施したい側の表面と転写シート(18)の模様印刷面とが対面するように、また、転写シート(18)の模様印刷面の反対側の面が加熱ローラー(20)の表面に当接し得るように、ロール状の本体(12)と転写シート(18)とを巻出装置(32)にセットする。
続いて、巻出装置(32)にセットした本体(12)と転写シート(18)とを引き延ばし、本体(12)表面の所定位置に転写シート(18)の模様(16)が転写されるようにこれらを位置決めして重ね合わせ、重ね合わせた本体(12)と転写シート(18)とをバックアップロール(28)側からシワが入らないように加熱ローラー(20)とブランケット(26)との間に噛み込ます。すると、重ね合わせた本体(12)と転写シート(18)とが、加熱ローラー(20)とブランケット(26)とで挟持された状態、すなわち加熱ローラー(20)の表面に密着するように押し当てられた状態で、加熱ローラー(20)の自転に従って搬送される。ここで、転写シート(18)は模様印刷面の反対側の面から加熱されるようになり、この熱が模様印刷面の模様(16)を構成する熱昇華性の分散染料に伝わる。熱昇華性の分散染料は、所定の温度に達すると熱昇華性の分散染料の染色成分が昇華し、転写シート(18)の模様印刷面に密着した本体(12)表面のコート層(14)に浸透しこれに染着する。
そして、バックアップロール(30)で本体(12)の畝状が変形しない程度、具体的には0.5〜5kgf/cm2の押付け圧にて本体(12)と転写シート(18)とを加熱ローラーに押付け、転写シート(18)の模様印刷面と本体(12)表面の凹部を含めた表面全体とを密着させ、転写シート(18)の模様(16)を完全に本体(12)表面に転写する。この後、加熱ローラー(20)とブランケット(26)の間から表へ出てきた本体(12)と転写シート(18)とを引き離しそれぞれ別個の巻取装置(34)で巻き取る。これにより、転写シート(18)に印刷した模様(16)の本体(12)への転写が完了し、畳表(10)が完成する。
このようにして仕上げた畳表(10)は、そのまま床に敷いて使用することもできるが、通常は次のような構成の畳(36)として使用する。すなわち、畳床(38)としてインシュレーションボード(40)とクッション材(42)との積層体を用い、この畳床(38)の表面に、模様(16)が表向きとなるようにして畳表(10)を配設する。そして、畳表(10)の端部を畳床(38)の側面から底面にかけて巻き込むようにし、畳床(38)に配設した畳表(10)がズレたり移動したりしないようにテープ(44)などの固定手段で固定する。これにより、意匠性に優れた美麗な畳を提供することができる。
なお、畳床(38)の構成は上述の場合に限定されるものではなく、例えばインシュレーションボードの単体やウレタンフォームなどのクッション材単体、さらには従来から使用されている稲藁製のものなどいかなるものであってもよい。
以下に、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における特性は、以下の方法で測定した。
(1)耐温水性:表面に模様を施した畳表を100℃の熱湯に10分間浸漬し、熱湯浸漬前後における模様の部分の色差の違いを色差計で測定した。この値が1に近いほど色差変化が小さく耐温水性が高いことを示す。
(2)耐アイロン性:畳表の表面に施した模様の部分に、160℃に設定したアイロンを2分間接触させ、アイロン接触前後における変色の度合いを目視で判定し、変色なし,脱色なし(◎)、変色少ない,脱色なし(○)、変色あり,脱色もあり(△)および変色多い,脱色多い(×)の4水準で表した。
(3)アブレージョン:JIS−A5905の耐洗浄性試験に用いる洗浄試験機の試験台に模様が上を向くように試験片(畳表)を固定する。次に該試験片表面の模様に乾燥した状態(ドライ)もしくは濡らした状態(ウェット)の雑巾を載せ、この雑巾に4.41Nの圧力を加え往復させながら試験片の模様を擦る。雑巾を1000回往復させた後、試験片を取り外し、模様の変色度合い(ドライ,ウェット)および乾燥した雑巾で擦った際の雑巾への色移り(ドライ移り)を目視で判定し、変色なし(◎),変色殆どなし(○),変色多少あり(△)および変色あり(×)の4水準で表した。
針葉樹のパルプを緑色に染色し、坪量18g/m2で抄造した和紙テープを25mm幅に断裁し、9〜10巻にて筒状に撚りをかけて中心部の空洞を径0.5mm、太さ1.1mmの筒状抄繊糸(12b)を形成した。この筒状抄繊糸(12b)をアクリル系樹脂、ワックスおよびフッ素樹脂の混合液に浸漬・乾燥させて筒状抄繊糸(12b)の表面にコート層(14)を形成した後、織り込み密度1.0kg/m2で編織し、畳表(10)の本体(12)を形成した。そして、この本体(12)の表面全体に紫色の熱昇華性の分散染料からなるベタ状の模様(16)を温度200℃,押付圧力1.5kgf/cm2の条件にて加圧熱転写して畳表(10)を得た。得られた畳表(10)の特性を表1に示した。
針葉樹のパルプを黄色に染色した以外は、上述した実施例1と同様の方法にて畳表(10)を得た。得られた畳表(10)の特性を表1に示した。
熱昇華性の分散染料の色を茶色とする以外は、上述した実施例1と同様の方法にて畳表(10)を得た。得られた畳表(10)の特性を表1に示した。
針葉樹のパルプを黄色に染色した以外は、上述した実施例3と同様の方法にて畳表(10)を得た。得られた畳表(10)の特性を表1に示した。
[比較例1]
畳表の本体として織り込み密度0.85kg/m2のイ草一級品を用いた以外は、上述した実施例1と同様の方法にて畳表を得た。得られた畳表の特性を表1に示した。
[比較例2]
畳表の本体として織り込み密度0.85kg/m2のイ草一級品を用いた以外は、上述した実施例3と同様の方法にて畳表を得た。得られた畳表の特性を表1に示した。
Figure 2005048561
表1より、本実施例にかかる畳表(10)はイ草製のものに比べて耐温水性、耐アイロン性およびアブレージョンの全ての特性において優れた特性を示すことが伺える。このことは、本実施例において模様(16)を構成する熱昇華性の分散染料が、本体(12)表面のコート層(14)に浸透しこれを染着していることを示している。
したがって、本実施例によれば、その表面に高い付着力にて着色や模様が施された長期使用に耐え得る美麗な畳表(10)を提供することができる。
本発明にかかる畳表はイ草製品に模様を施したものに比べて磨耗に強いので、畳表としてだけでなく畳の上敷き,玄関の足マット等にも使用できる。さらに、温水,アイロン等に対する耐熱性もあることから、座布団,テーブルクロスに代わるものなどとしても使用できる。
本発明の一実施例の畳表を示す斜視図である。 本発明の一実施例の加熱ローラーを示す概略図である。 本発明の一実施例の畳を示す断面図である。
符号の説明
(10)・・・畳表
(12)・・・本体
(12a)・・・経糸
(12b)・・・筒状抄繊糸
(14)・・・コート層
(16)・・・模様
(18)・・・転写シート
(20)・・・加熱ローラー
(22)・・・ガイドロール
(24)・・・テンションロール
(26)・・・ブランケット
(28),(30)・・・バックアップロール
(32)・・・巻出装置
(34)・・・巻取装置
(36)・・・畳
(38)・・・畳床
(40)・・・インシュレーションボード
(42)・・・クッション材
(44)・・・テープ

Claims (3)

  1. 木質繊維からなる紙を抄造し、これを筒状に成形した筒状抄繊糸を編織してなる本体と、高分子樹脂からなり、少なくとも前記本体の表面に設けられ前記本体に耐水性および強度を与えるコート層とを備える畳表の表面に、熱昇華性の分散染料にて所定の色や模様を染着させたことを特徴とする畳表。
  2. 木質繊維からなる紙を抄造し、これを筒状に成形した筒状抄繊糸を編織してなる本体と、高分子樹脂からなり、少なくとも前記本体の表面に設けられ前記本体に耐水性および強度を与えるコート層とを備える畳表の表面に、熱昇華性の分散染料にて所定の色や模様が印刷された転写シートの模様印刷面を載置し、前記畳表と前記転写シートとを加熱ローラーに押し当てながら加熱して前記転写シートの色や模様を前記畳表の表面に転写することを特徴とする畳表の製造方法。
  3. 請求項1に記載の畳表が、畳床の表面に配設されていることを特徴とする畳。
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