JP5257634B2 - 位相差層の形成方法 - Google Patents
位相差層の形成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5257634B2 JP5257634B2 JP2011047493A JP2011047493A JP5257634B2 JP 5257634 B2 JP5257634 B2 JP 5257634B2 JP 2011047493 A JP2011047493 A JP 2011047493A JP 2011047493 A JP2011047493 A JP 2011047493A JP 5257634 B2 JP5257634 B2 JP 5257634B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid crystal
- retardation layer
- crystal composition
- crosslinkable
- coating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Optical Filters (AREA)
- Polarising Elements (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
Description
(1)1種または2種以上の正の一軸ネマチック規則性を有する架橋性液晶分子と、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、スルフィド基、メルカプト基より選ばれた少なくとも1種を有するシランカップリング剤と、シリコーン系界面活性剤とを含有し、表面寿命が10msの際の動的表面張力が31mN/m〜50mN/mであり且つシェアレートが100s −1 の際の動的粘度が2.0mPa・s〜4.0mPa・sの範囲内である位相差層形成用液晶組成物を、スリットダイコート法により塗工速度80〜500mm/secで透明基板上に塗布して液晶塗布膜を形成し、減圧乾燥により液晶塗布膜を乾燥させ、液晶塗布膜を加熱して架橋性液晶分子の液晶相転移温度以上で等方相転移温度未満となして液晶塗布膜中の架橋性液晶分子をホメオトロピック配向させた後、紫外線を照射して架橋性液晶分子を架橋重合させ、更に液晶塗布膜の加熱を行う、ことを特徴とする位相差層の形成方法;
(2)透明基板上に着色層を形成した後、着色層上に位相差層形成用液晶組成物を塗布して位相差層を形成する上記(1)に記載の位相差層の形成方法;
(3)架橋性液晶分子の少なくとも1種が、1分子中に1個または2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する上記(1)または(2)に記載の位相差層の形成方法;
を要旨とするものである。
「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」および「メタアクリロイル基」の2つの官能基の総称として用いるものとする。尚、アクリロイル基の例としてはアクリレート基やアクリロキシ基など、メタアクリロイル基の例としてはメタクリレート基やメタクリロキシ基などが挙げられる。
本発明で用いられる液晶組成物に用いる架橋性液晶分子としては、架橋性のネマチック液晶を用いることができ、架橋性ネマチック液晶としては例えば、1分子中に(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキタセン基、イソシアネート基等の重合性基を少なくとも1個有するモノマー、オリゴマー、ポリマー等が挙げられる。このような架橋性液晶分子としては、下記一般式(1)で表される化合物(I)のうちの1種の化合物もしくは2種以上の混合物、化2、化3に示す化合物(II)のうちの1種の化合物もしくは2種以上の混合物、またはこれらを組み合わせた混合物を用いることができる。特に、本発明における架橋性液晶分子を構成する架橋性ネマチック液晶分子の少なくとも1種が1分子中に1個または2個以上の(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。
上記架橋性液晶分子を垂直配向(ホメオトロピック配向)させて固定化することにより、液晶分子の光軸が位相差層の法線方向を向くとともに常光線屈折率よりも大きな異常光線屈折率を位相差層の法線方向に有する、いわゆる正のCプレートを形成することができる。この場合、液晶組成物の塗布面には垂直配向膜を予め形成するか、または液晶組成物に垂直配向助剤を混合するとよい。
一方、液晶分子の光軸が位相差層と並行するとともに常光線屈折率よりも小さな異常光線屈折率を位相差層の法線方向に有する、いわゆる負のCプレートを形成する場合、架橋性ネマチック液晶としてはカイラル剤を添加したコレステリック規則性を有するカイラルネマチック液晶を好適に用いることができる。
液晶分子の光軸が位相差層と並行するとともに、常光線屈折率よりも大きな異常光線屈折率を位相差層の面内方向に有する、いわゆる正のAプレートを形成する場合、ラビング処理などを施した水平配向膜による配向規制力を架橋性液晶分子に負荷するか、または空気界面に対する架橋性液晶分子の表面自由エネルギーを抑制するためのレベリング剤を添加することで該分子を水平配向させることができる。
本発明に用いられる液晶組成物は、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、スルフィド基、メルカプト基の少なくとも1種を有するシランカップリング剤を含有することを特徴とする。上記所定の官能基を有するシランカップリング剤を混合することにより、上述の正のCプレート、負のCプレート、または正のAプレートのいずれを形成するに際しても、本発明に用いられる液晶組成物は基材(下地)との密着性が向上するとともに、さらにシリコーン系界面活性剤の存在と相まって塗工工程時の横スジムラの発生を抑制し、良好な基材塗工性が得られる。また特に正のCプレートを形成するに際しては、上記4種シランカップリング剤の少なくとも1種以上を添加することにより、液晶組成物に含有される架橋性液晶分子のホメオトロピック(垂直)配向性が向上するという効果が得られる。
N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学社製KBM−602、東芝シリコーン社製TSL8345)、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM−603、東芝シリコーン社製TSL8340)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学社製KBE−603、東芝シリコーン社製TSL8331)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM−903)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学社製KBE−903)、3−トリエトキシシリル−N−(1、3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン(信越化学社製KBE−9103)、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM−573)等のアミノ系シランカップリング剤;
ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド(信越化学社製KBE−846)、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド(Gelest社製SIB1824.6)、ビス[m−(2−トリエトキシシリルエチル)トリル]ポリスルフィド(Gelest社製SIB1820.5)等のスルフィド系シランカップリング剤;
及び3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学社製KBM−802)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM−803、東芝シリコーン社製TSL8380)、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(Gelest社製SIM6475.0)、11−メルカプトウンデシルトリメトキシシラン(Gelest社製SIM6480.0)、メルカプトメチルメチルジエトキシシラン(Gelest社製SIM6473.0)、S−(オクタノイル)メルカプトプロピルトリエトキシシラン(Gelest社製SIM6704.0)等のメルカプト系シランカップリング剤;
を挙げることができる。
本発明に用いられる液晶組成物は、スリットダイコート法による塗工に供される際の動的表面張力が表面寿命10msで、31mN/m〜50mN/mの範囲内、好ましくは32mN/m〜50mN/mとした点に大きな特徴を有する。本発明において、液晶組成物の動的表面張力を上記範囲とすることにより、塗工時にコータ下端面と塗工面との間に形成される液晶組成物のビードの形状を安定化させることが可能となり、その結果、形成される位相差層の表面に生じる横スジムラを大幅に低減することができる。本発明においては、シリコーン系界面活性剤の種類および添加量を調整することにより、液晶組成物の動的表面張力を上記範囲とすることができる。
キャピラリ径:φ0.228mm
測定温度:23℃
液量:60cc
表面寿命:10ms
キャピラリ浸漬深さ:10mm
設定密度:1.00g/cm3
上記バブルプレッシャー動的表面張力計の概略を図1に示す。
また本発明に用いられる液晶組成物は、動的表面張力が上記所定範囲であることに加え、さらにシェアレート(ずり速度)が100s−1の際の動的粘度が2.0mPa・s〜4.0mPa・sの範囲内であるが、特に2.5mPa・s〜4.0mPa・sの範囲内であることが好ましい。動的粘度がこの範囲内であることにより、上述した液晶組成物のビード形状をより安定させることができ、結果的に得られる位相差層表面の横スジムラの発生率をさらに低減させることができる。
本発明に用いられる液晶組成物は、塗布性を向上させるために上記固形分を溶媒に溶解した液晶組成物溶液として用いられる。溶媒としては上述した架橋性液晶分子、シランカップリング剤および界面活性剤、ならびに必要に応じて用いられる垂直配向助剤、カイラル剤および後述する光重合開始剤や重合禁止剤等の溶質成分を溶解することが可能であり、かつ塗布する相手側素材の性能を阻害しないものを選択する。
本発明においては、液晶組成物にシリコーン系界面活性剤を添加することにより、その動的表面張力を上記所定の範囲内に調整し、塗工形成される位相差層の横スジムラを抑制することもできる。
本発明に用いられる液晶組成物を紫外線などの電磁波を照射して重合硬化させる場合、光重合開始剤を配合するとよい。光重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤を使用することができる。ラジカル重合開始剤は電磁波のエネルギーによりフリーラジカルを発生する化合物であって、例えばベンゾイン、ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体またはそれらのエステルなどの誘導体;キサントンおよびチオキサントン誘導体;クロロスルフォニル、クロロメチル多核芳香族化合物、クロロメチル複素環式化合物、クロロメチルベンゾフェノン類などの含ハロゲン化合物;トリアジン類;フルオレノン類;ハロアルカン類;光還元性色素と還元剤とのレドックスカップル類;有機硫黄化合物;過酸化物等が挙げられる。光重合開始剤としては、イルガキュアー184、イルガキュアー369、イルガキュアー651、イルガキュアー907(いずれもチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)、ダロキュアー(メルク社製)、アデカ1717(旭電化工業株式会社製)、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール(黒金化成株式会社製)等のケトン系、ビイミダゾール系化合物等が好ましい。これらの重合開始剤は、1種のみまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上を併用する場合には、吸収分光特性を阻害しないように、吸収波長の異なる開始剤を組み合わせるのが良い。上記光重合開始剤が配合された液晶組成物を基材上に塗布して塗膜を形成し、該塗膜中に存在する架橋性液晶分子を配向させた後、該光重合開始剤の感光波長の光を該塗膜に照射することによって、配向した架橋性液晶分子同士を良好に架橋させることができる。
本発明の位相差層の形成方法では、上記位相差層形成用液晶組成物をスリットダイコート法により、塗工速度が80〜500mm/secの範囲内で塗布するが、かつ塗布ギャップが120〜300μmの範囲内の条件でスリットダイコート法により基材(下地)上に塗工することができる。かかる塗工速度による場合、基材とスリットダイコータ口金との衝突の虞がなく、またかかる広い塗布ギャップの条件下でダイコータを用いて位相差層を形成した場合でも、横スジムラの発生が極めて少ない位相差層を得ることができる。
また上記塗布ギャップとは、スリットダイコータ口金の下端面から基材表面までの距離をいい、これが上記範囲のうち、さらに120〜200μm、特に120〜150μmの場合、スリットダイコータ口金と基材との衝突を回避しつつ、ビードの安定性を保つことができる。
基材密着性、すなわち本発明に用いられる液晶組成物を塗工および固定化してなる位相差層と、透明基板や着色層などの下地層との間の剥離強度、を向上することのできる本発明に関する液晶組成物およびこれを備えるカラーフィルタは、加速寿命試験後の位相差層の剥離強度が、JISK5600−5−6の評価基準で1以下であることが好ましい。
加熱寿命試験には、タバイ製加速寿命試験機EHS−411Mを用い、100℃、100%RHで1時間行うものとする。具体的な剥離試験は、加速寿命試験後に温度23±2℃、湿度50±5%程度の環境下、位相差層を塗工形成したサンプル基板に対して、格子状に、各方向に対して1mm間隔で6回カットを行い、5×5個の格子目を設ける。次に、幅25mm、幅25mmあたりの付着力10±1Nを有するテープを約75mm用い、テープの長手方向が格子の何れかの辺に平行となるように格子上に貼り付け、指でこすり付ける。さらに、テープの端をつまみ上げ、テープ非粘着面に対し約60°となる角度で、0.5〜1秒かけて引き剥がした後の格子の状態を以下の6段階で評価する。
評価基準1:カットの交差点における塗膜の小さなはがれはあるが、クロスカット部分で影響を受けるのは、5%以下の状態。
評価基準2:塗膜がカットの縁に沿って、及び/又は交差点においてはがれている。クロスカット部分で影響を受けているのは明確に5%を超えるが、15%を上回ることはない。
評価基準3:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大はがれを生じており、及び/又は目のいろいろな部分が、部分的又は全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に15%を超えるが、35%を上回ることはない。
評価基準4:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大はがれを生じており、及び/又は数か所の目が部分的又は全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に35%を超えるが65%上回ることはない。
評価基準5:はがれの程度が分類4を超える場合(格子の全面が剥離している状態を含む)。
本発明に用いられる液晶組成物は、液晶表示装置において視野角を調整するための位相差層を形成するために用いることができ、位相差層は例えば液晶表示装置のカラーフィルタに代表される光学素子に設けることができる。以下、位相差層を設けたカラーフィルタについて図面に基づいて例示的に説明する。
水平配向膜の場合、透明基板2上にポリイミド等の配向性樹脂を塗布、乾燥させた後、ラビング処理や光配向処理することにより形成することができるが、ラビング処理や光配向処理は必ずしも行わなくてもよい。
また垂直配向膜の場合、透明基板2上に酸化ケイ素を斜め蒸着することで配向膜を形成することもできる。
本発明で用いられる配向膜材料としては、市販の配向膜材料を用いることができる。具体的には日産化学(株)製の配向膜材料(サンエバー)、日立化成デュポンマイクロシステムズ(株)製の配向膜材料(QL,LXシリーズ)、JSR(株)製の配向膜材料(ALシリーズ)、チッソ(株)製の配向剤(リクソンアライナー)などを用いることができる。
図3に示すように、位相差層4の表面には必要に応じて更に保護層9、スペーサー10を順次設けてもよい。保護層9は、多官能アクリレートを含有するアクリル系、アミド系もしくはエステル系ポリマー等の材料からなる透明樹脂材料、または多官能エポキシを含有するアクリル系、アミド系もしくはエステル系ポリマー等の材料からなる透明樹脂塗料を位相差層4の表面に塗布し、さらにこれを乾燥および硬化させて形成することができる。保護層9の硬化には、透明樹脂材料の性質に応じて、例えばUV光を照射するなどの方法を採ることができる。
図4に示すように、本発明を用いて得られるカラーフィルタ1と駆動用回路側基板13とを、熱硬化性樹脂からなるシール剤16によって貼り合わせ、両基板の間に駆動用液晶材料14を封入して液晶セル15を構成することにより、カラーフィルタ1を液晶表示装置11の観察者側(図中上方に相当)に設置される表示側基板12として用いることができる。カラーフィルタ1の位相差層4は、上記のように架橋性液晶分子が透明基板2に対して、例えばホメオトロピック(垂直)配向した状態で固定化された正のCプレートを構成しているものとする。ここで、位相差層4はカラーフィルタ1の透明基板2と、駆動用回路側基板13を構成する透明基板31との間に挟まれるよう配置され、いわゆるインセル型をなす。なお、スペーサー10は図示を省略している。
下記化7に示す化合物(a)〜(d)の混合物を架橋性液晶分子として用い、重合禁止剤としてBHT(2,6−ジーtert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン)、重合開始剤としてイルガキュアー907、そのほか添加剤としてドデカノールを用い、これらを混合して下記組成の架橋性液晶組成物(組成物A)を作製した。架橋性液晶組成物は、特表2004−524385号公報の記載に準じて作製した。尚、以下に示す組成物Aにおける各物質の重量比は、組成物Aの総重量に対する各物質の重量比である。
化合物(a) 32.67重量%
化合物(b) 18.67重量%
化合物(c) 21.00重量%
化合物(d) 21.00重量%
ドデカノール 1.02重量%
BHT 0.04重量%
イルガキュアー907 5.60重量%
・赤顔料・・・・・5.0重量部
(C.I.PR254(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、クロモフタールDPP Red BP))
・黄顔料・・・・・1.0重量部
(C.I.PY139(BASF社製、パリオトールイエローD1819))
・分散剤・・・・・3.0重量部
(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)
・多官能アクリレートモノマー・・・・・4.0重量部
(サートマー(株)製、SR399)
・ポリマー・・・・・5.0重量部
(昭和高分子(株)製VR60)
・光重合開始剤1・・・・・1.4重量部
(チバガイギー社製、イルガキュアー907)
・光重合開始剤2・・・・・0.6重量部
(2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール)
・溶媒・・・・・80.0重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
すなわち定量ポンプにはダイヤフラムポンプを使用し、塗布ギャップを120μmに設定し、スリット先端の吐出口の渡り方向の幅を520mmとした。また、ガラス基板端部より10mmの位置に口金先端の中央部を停止させ、クリアランスを40μmとし、定常塗工時と同じ0.01〜0.03L/minの吐出レートで塗料を0.7sec間吐出し、塗料ビードを形成した。
さらに、塗工終了側の基板端部より10mmの位置にて、塗料の吐出を停止させ、同時に塗料吐出装置をZ軸方向に上昇させ塗工を終了した。
位相差層を構成する架橋性液晶分子の配向状態は、波長589nmの光が位相差層を透過する際に生じる位相差を、次のように測定することによって評価した。なお、位相差の測定には、大塚電子社製のRETS−1250AVを用いた。
位相差はx軸方向、y軸方向ともに対称性に乱れがあり、且つ、z軸方向の位相差の値が4nmより大きい ・・・・・・・・・・・・・ ×
得られた位相差層の基板密着性の測定は、温度100℃、湿度100%、で1時間の加速寿命試験後の光学素子に対してJISK5600−5−6に準じた剥離強度の測定によって実施した。位相差層の基板密着性は次に示すように評価した。結果を表1に示す。
剥離強度の測定による評価基準が2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ○
剥離強度の測定による評価基準が3乃至5(すなわち3以上) ・・・・・ ×
スリットダイコート法により塗工形成された位相差層につき、横スジムラの発生の有無を下記条件化で目視観測により評価した。
単色光光源に波長589nmのナトリウムランプを用い、検査光入射角度を60°、検査光反射角度を45°として該反射光の光ムラを目視観測した。
評価基準は、
・横スジムラが観測されなかった ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ◎
・横スジムラに起因する光ムラが若干観測された ・・・・・・・・・・ ○
・横スジムラに起因する光ムラが観測された ・・・・・・・・・・・・ △
・液晶組成物の液切れによる塗工不良が生じた ・・・・・・・・・・・ ―
とした。評価結果を表2に示す。
白色光の光源として、発光スペクトラムのピークがRGBの三波長に存在する三波長管を用いた。白色光を位相差層の背面から照射し、その透過光の光ムラを目視観測した。
評価基準は、
・良好な白色光が観測された ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ○
・透過光がグレー光として観測された ・・・・・・・・・・・・・・・ △
・透過光不良が生じた ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ×
・液晶組成物の液切れによる塗工不良が生じた ・・・・・・・・・・・ ―
とした。評価結果を表2にあわせて示す。
界面活性剤としてシリコーン系のノニオン系界面活性剤(GE東芝シリコーン社製、TSF−4300)を0.01重量%添加した以外は実施例1と同様にして位相差層を作製した。
液晶組成物溶液の動的表面張力を上記測定装置で測定した結果、34mN/mであった。得られた位相差層の配向性および塗工性を実施例1と同様に測定した。評価結果を表1および表2に示す。
シランカップリング剤として3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン(信越化学社製KBE−9103)を0.01重量%添加した以外は実施例1と同様にして位相差層を作製した。
液晶組成物溶液の動的表面張力を上記測定装置で測定した結果、34mN/mであった。得られた位相差層の配向性および塗工性を実施例1と同様に測定した。評価結果を表1および表2に示す。
シランカップリング剤として3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン(信越化学社製KBE−9103)を0.01重量%添加した以外は実施例2と同様にして位相差層を作製した。
液晶組成物溶液の動的表面張力を上記測定装置で測定した結果、34mN/mであった。得られた位相差層の配向性および塗工性を実施例1と同様に測定した。評価結果を表1および表2に示す。
シランカップリング剤としてビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(信越化学社製KBE−846)を1重量%用いた以外は実施例1と同様にして位相差層を作製した。
液晶組成物溶液の動的表面張力を上記測定装置で測定した結果、34mN/mであった。得られた位相差層の配向性および塗工性を実施例1と同様に測定した。評価結果を表1および表2に示す。
シランカップリング剤としてビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(信越化学社製KBE−846)を1重量%用いた以外は実施例2と同様にして位相差層を作製した。
液晶組成物溶液の動的表面張力を上記測定装置で測定した結果、33mN/mであった。得られた位相差層の配向性および塗工性を実施例1と同様に測定した。評価結果を表1および表2に示す。
シランカップリング剤として3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学社製KBM−802)を1重量%用いた以外は実施例1と同様にして位相差層を作製した。
液晶組成物溶液の動的表面張力を上記測定装置で測定した結果、33mN/mであった。得られた位相差層の配向性および塗工性を実施例1と同様に測定した。評価結果を表1および表2に示す。
シランカップリング剤として3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学社製KBM−802)を1重量%用いた以外は実施例2と同様にして位相差層を作製した。
液晶組成物溶液の動的表面張力を上記測定装置で測定した結果、33mN/mであった。得られた位相差層の配向性および塗工性を実施例1と同様に測定した。評価結果を表1および表2に示す。
シリコーン系界面活性剤を用いなかった以外は実施例1と同様にして位相差層を作製した。液晶組成物溶液の動的表面張力を上記測定装置で測定した結果、38mN/mであった。得られた位相差層の配向性および塗工性を実施例1と同様に測定した。評価結果を表1および表2に示す。
界面活性剤として脂肪酸系のノニオン系界面活性剤(花王製、エマゾールL−10V)を0.1重量%用いた以外は実施例1と同様にして位相差層を作製した。液晶組成物溶液の動的表面張力を上記測定装置で測定した結果、30mN/mであった。得られた位相差層の配向性および塗工性を実施例1と同様に測定した。評価結果を表1および表2に示す。
シランカップリング剤としてビニルメトキシシラン(信越化学社製KBM−1003)を1重量%用いた以外は実施例1と同様にして位相差層を作成した。液晶組成物溶液の動的表面張力を上記測定装置で測定した結果、30mN/mであった。得られた位相差層の配向性および塗工性を実施例1と同様に測定した。評価結果を表1および表2に示す。
溶媒としてエチレングリコールを用いた以外は実施例7と同様にして位相差層を作成した。なお、エチレングリコールの動的表面張力は、表面寿命10msで48.4mN/mである。液晶組成物溶液の動的表面張力を上記測定装置で測定した結果、53mN/mであった。またその動的粘度は、24mPa・sであった。得られた位相差層の配向性および塗工性を実施例1と同様に測定した。評価結果を表1および表2に示す。
シランカップリング剤の対配合物換算値を5重量%とし、かつ界面活性剤として脂肪酸系のノニオン系界面活性剤(花王製、エマゾールL−10V)を0.1重量%用いた以外は実施例7と同様にして位相差層を作成した。液晶組成物溶液の動的表面張力を上記測定装置で測定した結果、35mN/mであった。得られた位相差層の配向性および塗工性を実施例1と同様に測定した。評価結果を表1および表2に示す。
シリコーン系界面活性剤の対配合物換算値を1重量%とした以外は実施例1と同様にして位相差層を作成した。液晶組成物溶液の動的表面張力を上記測定装置で測定した結果、30mN/mであった。得られた位相差層の配向性および塗工性を実施例1と同様に測定した。評価結果を表1および表2に示す。
2 透明基板
3 着色層
4 位相差層
11 液晶表示装置
12 表示側基板
13 駆動用回路側基板
14 駆動用液晶材料
15 液晶セル
Claims (3)
- 1種または2種以上の正の一軸ネマチック規則性を有する架橋性液晶分子と、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、スルフィド基、メルカプト基より選ばれた少なくとも1種を有するシランカップリング剤と、シリコーン系界面活性剤とを含有し、表面寿命が10msの際の動的表面張力が31mN/m〜50mN/mであり且つシェアレートが100s −1 の際の動的粘度が2.0mPa・s〜4.0mPa・sの範囲内である位相差層形成用液晶組成物を、スリットダイコート法により塗工速度80〜500mm/secで透明基板上に塗布して液晶塗布膜を形成し、減圧乾燥により液晶塗布膜を乾燥させ、液晶塗布膜を加熱して架橋性液晶分子の液晶相転移温度以上で等方相転移温度未満となして液晶塗布膜中の架橋性液晶分子をホメオトロピック配向させた後、紫外線を照射して架橋性液晶分子を架橋重合させ、更に液晶塗布膜の加熱を行う、ことを特徴とする位相差層の形成方法。
- 透明基板上に着色層を形成した後、着色層上に位相差層形成用液晶組成物を塗布して位相差層を形成する請求項1に記載の位相差層の形成方法。
- 架橋性液晶分子の少なくとも1種が、1分子中に1個または2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する請求項1または2に記載の位相差層の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011047493A JP5257634B2 (ja) | 2011-03-04 | 2011-03-04 | 位相差層の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011047493A JP5257634B2 (ja) | 2011-03-04 | 2011-03-04 | 位相差層の形成方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006166696A Division JP2007334060A (ja) | 2006-06-15 | 2006-06-15 | 液晶組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011118424A JP2011118424A (ja) | 2011-06-16 |
JP5257634B2 true JP5257634B2 (ja) | 2013-08-07 |
Family
ID=44283739
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011047493A Expired - Fee Related JP5257634B2 (ja) | 2011-03-04 | 2011-03-04 | 位相差層の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5257634B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6398639B2 (ja) * | 2014-11-14 | 2018-10-03 | 大日本印刷株式会社 | 位相差フィルム |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3672677B2 (ja) * | 1995-07-24 | 2005-07-20 | 富士写真フイルム株式会社 | 光学補償シートを製造する方法 |
JP4365643B2 (ja) * | 2002-07-26 | 2009-11-18 | 大日本印刷株式会社 | 着色層形成用塗工液 |
JP2004126206A (ja) * | 2002-10-02 | 2004-04-22 | Fuji Photo Film Co Ltd | 反射防止ハードコートフィルム、偏光板、および画像表示装置 |
JP4329983B2 (ja) * | 2003-02-05 | 2009-09-09 | 大日本印刷株式会社 | 液晶ディスプレイ |
JP4455051B2 (ja) * | 2003-11-28 | 2010-04-21 | 大日本印刷株式会社 | 光学素子及びその製造方法、並びに液晶配向用基板及び液晶表示装置 |
JP4595498B2 (ja) * | 2003-12-12 | 2010-12-08 | チッソ株式会社 | 有機ケイ素化合物含有重合性液晶組成物 |
-
2011
- 2011-03-04 JP JP2011047493A patent/JP5257634B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011118424A (ja) | 2011-06-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7799391B2 (en) | Liquid crystal composition, color filter and liquid crystal display | |
US7704571B2 (en) | Liquid crystal composition, color filter and liquid crystal display apparatus, and method of forming phase difference layer | |
JP2009040984A (ja) | 液晶組成物、該液晶組成物を用いた位相差制御部材、及び、液晶表示装置 | |
JP5316739B2 (ja) | 光学素子、およびこれを用いた液晶表示装置 | |
JP4900597B2 (ja) | 液晶組成物、カラーフィルタ及び液晶表示装置 | |
JP4911297B2 (ja) | 光学素子および液晶表示装置、ならびに光学素子の製造方法 | |
JP2008019434A (ja) | 液晶組成物、これを用いたカラーフィルタ及び液晶表示装置 | |
JP5257633B2 (ja) | 位相差層の形成方法 | |
JP2007334014A (ja) | 液晶組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置 | |
JP5257634B2 (ja) | 位相差層の形成方法 | |
JP2011133904A (ja) | 位相差層の形成方法、位相差層形成用液晶組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置 | |
JP2007334060A (ja) | 液晶組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置 | |
JP2007332270A (ja) | 液晶組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置 | |
JP2007332247A (ja) | 液晶組成物、カラーフィルタ及び液晶表示装置 | |
JP5120540B2 (ja) | 光学素子、上記光学素子を用いた液晶表示装置用部材、上記液晶表示装置用部材を用いた液晶表示装置、上記光学素子の製造方法及び複屈折率機能層の評価方法 | |
JP2007332260A (ja) | 液晶組成物、カラーフィルタ及び液晶表示装置 | |
JP4900585B2 (ja) | 光学素子、光学素子の製造方法、および液晶表示装置 | |
JP2007332291A (ja) | 液晶組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置 | |
JP2008083511A (ja) | 液晶組成物、およびこれを用いたカラーフィルタ及び液晶表示装置 | |
JP2007333896A (ja) | 液晶組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置 | |
JP2007334062A (ja) | 液晶組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置 | |
JP2007332275A (ja) | 液晶組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置 | |
JP5077627B2 (ja) | カラーフィルタ及び液晶表示装置 | |
JP2007332230A (ja) | 液晶組成物、これを用いたカラーフィルタ及び液晶表示装置 | |
JP2007334059A (ja) | 液晶組成物、カラーフィルタおよび液晶表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110304 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120718 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120827 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130327 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130409 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160502 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5257634 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |