実施の形態1.
以下、本発明を実施するための冷凍サイクル装置の室外機について説明する。説明にあたって、冷凍サイクル装置の室外機の実施形態として、セパレート型の空気調和機の室外機を使用する。図1は、この実施の形態1を示す空気調和機(冷凍サイクル装置)の室外機100の正面側からの外観斜視図であり、図2は、図1に示す室外機100の吹出グリル3aを取り外した状態での外観斜視図である。そして、図3は、図2の状態からさらに天面パネル2と正面パネル3を取り外した状態での外観斜視図である。
図4は、図1に示す室外機100にて筐体の天面パネル2と側面パネル6を取り外した状態での上面図であり、図5は、室外機100の天面パネル2を取り外した状態での背面側からの外観斜視図、図6は、室外機100の背面側からの外観斜視図である。さらに、図7は、この室外機100に設置される送風ファン10の正面側からの単体斜視図であり、図8は、この室外機100に設置されるファンモータ支持部材20の背面側からの単体斜視図である。
この室外機100は、建物の屋上を含めて屋外に設置されるものであり、屋内に設置された室内機(図示なし)と冷媒配管で接続されることで、冷媒が循環する冷凍サイクル回路が構成される。室外機100と室内機とは、一方から他方へ電力を供給する電源線や互いに制御信号を送受信する通信線などのケーブルでも接続されている。
室外機100の外郭を成す筐体(箱体)は、複数の板状板金部品が組み合わさって構成されており、その筐体の底部を担う底板1には、室外機100の内部(筐体内部)を左右に区切る仕切板7が直立状に設置されている。この仕切板7によって、送風ファン10と熱交換器30を有するファン室Fと、冷媒を圧縮して冷凍サイクル回路に冷媒を循環させる圧縮機9が設置される機械室Mとに分けられている。
この熱交換器30は、フィンアンドチューブ型熱交換器であり、室外機100の上下方向に各々伸びる複数の金属製薄板状のフィン34が、所定の間隔(間隙寸法E)で互いが略平行となるように水平方向に並列し、それらのフィン34を水平方向に貫通しながら上下方向に複数列を成して挿設される金属製の伝熱管35により構成されている(図9参照)。図4に示すように、熱交換器30は、上面視で略L字状を呈している。そして、そのL字の長辺に該当する部分となる長辺部31が、ファン室Fの背面側に位置し、L字の短辺に該当する短辺部32が、ファン室Fの左側に位置する。長辺部31と短辺部32との間には、円弧状に曲がったコーナー部33が位置している。平坦に形成された熱交換器を、コーナー部33にて円弧状に約90度折り曲げることで、上面視が略L字状の熱交換器30が成形される。
機械室Mは、下部に圧縮機9が設置され、図示していないが、上部にこの室外機100を運転制御するための電気電子部品を収めた電気品ユニットが配置される。電気品ユニットと圧縮機の間や圧縮機の側方といった機械室M内の空間には、冷凍サイクル回路を構成する膨張弁(減圧装置)や四方弁、冷凍サイクル回路をつなぐ冷媒配管、室内機への接続配管をつなぐ接続バルブなどが配置される。
室外機100の筐体は、室外機100を支える脚部1aを底面に有し、筐体の底部をなす底板1の他、ファン室Fの正面と左側面の前側一部を覆うファン室正面パネル3、機械室Mの正面と右側面の前方半分を覆う機械室正面パネル4、機械室Mの背面と右側面の後方半分を覆う機械室背面パネル5、ファン室Fの左側面と背面の左側一部を覆う側面パネル6、ファン室Fと機械室Mとに跨がって室外機100の上面を覆う天面パネル2により構成されており、これらはいずれも板金製である。なお、これらのパネルは、個々が分離しておらず、いくつかが一体的に成形されていても構わない。
矩形状の天面パネル2の四方周囲には、底板1の方向(下方)へ約90度折り曲げられ、ファン室正面パネル3や機械室正面パネル4らの上端と重なり合うフランジ部2aが形成される。また、矩形状の底板1の四方周囲にも、同様な天面パネル2の方向(上方)へ約90度折り曲げられたフランジ部1bが形成されている。
側面パネル6には、外部から熱交換器30に向かう空気流を通す通風孔6aが多数設けられている。また、図2に示すように、ファン室正面パネル3には、送風ファン10の翼外径よりも大きな内径を有してファン室Fと外部を連通し、送風ファン10の回転によって生成される空気流を外部に向かって吹き出す吹出口3aが設けられる。そして、円形の吹出口3aの開口縁全周には、ファン室F内部に円筒状に突出して送風ファン10からの吹出空気をガイドするベルマウス3bが一体的に形成されている。
回転する送風ファン10との接触を防止するために、所定の間隔を空けて並ぶ複数の縦桟と横桟により構成され格子状に開口する吹出グリル8が、吹出口3aをファン室正面パネル3の正面側から覆っている。吹出グリル8は、ファン室正面パネル3の正面に取り付けられ固定されている。
ここで、図1や図4に示すように、この実施形態の説明において、吹出グリル8が外部に面している方向を正面側として、その反対方向を背面側とする。そして、正面側と背面側を結ぶ方向を前後方向と呼ぶ。また、その正面から見て機械室Mが位置する方向を右側、ファン室Fが位置する方向を左側とし、右側と左側を結ぶ方向を左右方向と呼ぶ。また、正面側を前方や前側、背面側を後方や後ろ側、右側を右方向、左側を左方向と説明する場合もある。
ファン室F中央の正面寄りには、送風ファン10が設置される。送風ファン10はプロペラファンであり、図7に示すように、室外機100の背面側に開口してモータ軸13(図4参照)を嵌挿する軸孔を中心に有した円筒状のボス11と、このボス11の外周面に周方向に等間隔を空けて配置された複数の翼12とから構成される。この送風ファン10は、3枚の翼12を有している。ボス11と翼12は、樹脂にて一体成形される。送風ファン10は、後述するファンモータ15の回転駆動力により、モータ軸13を介して、図中ω方向で示す翼12の後縁方向へと回転し、回転することで、翼12の後方から前方へと向かう空気流を生成する。この空気流が熱交換器30を通過し、ファン室正面パネル3の吹出口3aから外部へと吹き出る。
図5において、符号Lを付した一点差線は、円筒状のボス11の中心軸線を表すとともに、送風ファン10の回転軸線である。送風ファン10は、回転軸線Lを中心にω方向に回転する。送風ファン10を回転させるファンモータ15の回転駆動力を送風ファン10に伝達するモータ軸13の軸線も、回転軸線Lに一致し、モータ軸13も回転軸線Lを中心にω方向に回転する。
モータ軸13は、室外機100の前後方向にその軸線を伸ばしており、熱交換器30の長辺部31に対してほぼ垂直となる。円筒状のベルマウス3aは、その中心線が回転軸線Lにほぼ一致し、送風ファン10の翼12の前方部分の外周を囲って、吹出空気流を吹出口3aに案内する。
これより、この実施の形態で示す室外機100の特徴的な構成となるファンモータ支持部材20の配置について説明する。ここで、図4に示すように、熱交換器30の長辺部31の後端(背面側の端面で、実際には薄板状フィン34の背面側の端となる)を上流端31a、長辺部31の前端(正面側の端面で、実際にはフィン34の正面側の端となる)を下流端31bと定義する。長辺部31においては、送風ファン10の回転によって生成される空気流は、並列するフィン34間を上流端31aから下流端31bに向かって流れて熱交換器30を通過し、吹出口3aから吹き出される。
図4に示すように、この室外機100では、熱交換器30の長辺部31の下流端31bと送風ファン10との間には、モータ軸13は存在するが、ファンモータ15およびファンモータ15を支持するファンモータ支持部材20(以後、単に支持部材20と表現する場合もある)は存在しない。ファンモータ支持部材20およびファンモータ15は、位置としては、熱交換器30の長辺部31の後方に、送風ファン10によって生成される空気流で言えば、熱交換器30の長辺部31よりも上流側に配置されている。
ファンモータ15を熱交換器長辺部31の上流側に位置させるために、そのファンモータ15を所定の位置に固定して保持するファンモータ支持部材20を、図4や図5に示すように、熱交換器長辺部31の上流端31aよりも後方に、すなわち熱交換器長辺部31の上流側に位置させている。なお、図4においては、図3に図示されている支持部材20のフック23(詳細は後述)の図示を省略している。このように、ファンモータ15とそれを保持するファンモータ支持部材20を、熱交換器長辺部31の下流端31bと送風ファン10との間には設置せず、熱交換器長辺部31の上流端31aよりも後方(背面側)に、すなわち熱交換器長辺部31の上流側に設置している構成が、この室外機100の特徴である。
このような構成を実現させるために、図6に示すように、熱交換器長辺部31の後方に室外機100本体の上下端部に跨がるような板状のファンモータ支持部材20を設置し、この支持部材20に、熱交換器長辺部31の後方に位置するようにファンモータ15を取り付けている。ファンモータ支持部材20は、熱交換器長辺部31の上流端31aとは所定寸法Kの隙間(図3参照)を空けて設置されており、ファンモータ15は、ファンモータ支持部材20から熱交換器長辺部31側へと突出しないように、支持部材20に取り付けられている。
ファンモータ支持部材20は、板金製の一体板状部品であり、図8の単体斜視図に示すように、左右方向の両端部にそれぞれ位置して上下方向に伸びる2本の支柱21と、それら支柱21の上下方向略中央の位置で左右の支柱21間に跨がって形成されるモータ固定板22(以降、単に固定板22と表現する場合もある)と、この固定板22の上方と下方のそれぞれにて固定板22とは所定の距離を隔てた位置で、支柱21間を左右方向に跨がる横リブ25と、左右方向の略中央で、固定板22の上方と下方のそれぞれにて横リブ25と固定板22とを上下方向に跨がる縦リブ26と、を有している。
固定板22は、ファンモータ15を取り付けてボルト固定する箇所であり、その略中央には、ファンモータ15の外径よりも少しばかり大きな内径を有して、ファンモータ15の外周と嵌り合うモータ嵌入穴24が形成されている。モータ嵌入穴24の周囲には、複数(ここでは4つ)のモータ用ねじ穴27が設けられている。また、支柱21の上端部には、支柱21に外被せ状態にされる天面パネル2のフランジ部2aとボルト締結するためのねじ穴29がそれぞれ設けられている。
また、支柱21の下端部には、底板1のフランジ部1bにその背面側で重なって、支柱21をフランジ部1bにボルト締結するための固定ボルト19が挿通するボルト穴28がそれぞれに設けられている。横リブ25と縦リブ26は、板状部品である支持部材20の剛性を高めるために設けられている。
支柱21の上端面には、左右それぞれに位置する支柱21に跨がるとともに、正面側へと略水平に突き出て、その突端部分が下方へと約90度折れ曲がったフック23が形成されている。フック23の突端(前端)に形成される折曲部23aと支柱21との前後方向の間隔は、熱交換器長辺部31の前後方向の幅、すなわち上流端31aから下流端31bまでの水平距離よりも少しばかり大きい長さとなっている。
次に、この室外機100の組み立て方法について説明する。底板1に熱交換器30が固定された状態にて、ファンモータ支持部材20を、フック23が熱交換器長辺部31の上端に掛かるように、併せて支柱21の下端部にあるボルト穴28が底板1の背面側に位置するフランジ部1bに形成されているねじ穴(図示せず)に重なるように位置させる。そして、ボルト穴28に固定ボルト19を挿通させて、左右2本の支柱21と底板フランジ部1bとを固定ボルト19で締結固定させる。この状態において、支持部材20は、下端部が底板フランジ部1bに固定され、上端部ではフック23が熱交換器長辺部31に引っ掛かって仮固定されている。
ファンモータ15には、予めモータ軸13の一端が回転支持されるように接続されており、ファンモータ15からモータ軸13の他端側が突出した状態であり、すでに熱交換器長辺部31の背面側で直立しているファンモータ支持部材20の後方から、そのモータ嵌入穴24に、モータ軸13を他端側の突端から挿通させ、モータ軸13はそのまま熱交換器長辺部31に形成した貫通路36(詳細は後述する)を貫通させるようにして、その後にファンモータ15の前端部分の外周をモータ嵌入穴24に嵌め合わせ、ファンモータ取付脚16の前端面をモータ固定板22に接触させる。このとき、ファンモータ15の前端は、ファンモータ支持部材20から熱交換器長辺部31側に突出していない。
また、併せて、複数の取付脚16のそれぞれに取付脚16を貫通して設けられたボルト穴(図示せず)が、モータ固定板22に設けられたモータ用ねじ穴27と重なるようにして、ファンモータ15の周方向位置を定める。この状態では、モータ軸13の他端側のみが熱交換器長辺部31を貫通して、下流端31bより空気流における下流側に突き出ている。そして、それぞれの取付脚16のボルト穴に固定ボルト19を挿通しモータ用ねじ穴27とねじ結合させて、ファンモータ15をモータ固定板22にボルト固定する。これにより、ファンモータ15の取り付けを完了する。
なお、モータ嵌入穴24をファンモータ15の外径よりも小さく、モータ軸13の外径よりも大きい内径とし、ファンモータ15と取付脚16の前端面を平坦状に、もしくは取付脚16が前側に突出するようにして、ファンモータ15をモータ嵌入穴24に嵌合させずに、ファンモータ15全体を支持部材20の背面側に位置させて固定板22に取り付けてもよい。この場合は、モータ軸13だけがモータ嵌入穴24を通過することになる。
モータ軸13が熱交換器長辺部31を前後方向に貫通できるように、すなわち、ファンモータ15に一端が接続されたモータ軸13が、熱交換器長辺部31を空気流における上流側から下流側にかけて貫通できるように、熱交換器長辺部31には、予めモータ軸13を通す貫通路36を設けておく。図9は、その貫通路36およびモータ軸13と貫通路36の関係を説明するための説明用模式図である。
図9に示すように、貫通路36は、もともと所定の寸法Eの間隙でほぼ等間隔に並列しているフィン34間のある一つの間隙を、上下方向(フィン34の長手方向)の所定の範囲だけその間隙が広がるように、その間隙を境にしてそれぞれ左右に位置する複数のフィン34をそれぞれ左右方向に、すなわち間隙が広がる方向に湾曲させ、当該間隙を略円形状に拡大させることで形成する。貫通路36は、回転するモータ軸13がフィン34と接触することがない十分な大きさに形成する。モータ軸13が断面円形であるので、ここに示す貫通路36も概ね上下方向の断面が円形状になるように形成している。貫通路36の断面形状は円形にこだわらなくてもよい。
貫通路36形成のために、特定の1箇所のフィン34間の間隙を所定の高さ(上下方向の長さ)だけ強制的に拡大させるので、貫通路36近傍に並列する複数のフィン34では、その貫通路36の左右に位置する部分で、隣り合うフィン34間同士の間隙が、貫通路36の形成の影響を全く受けていないフィン34間の通常の間隙寸法Eよりも小さい、もしくは隣り合うフィン34間同士が接触している状態となる。図9では、貫通路36のために湾曲しているフィンが、左右それぞれ2枚ずつであるが、模式図として簡略化しているだけであり、それぞれ2枚よりももっと多い枚数のフィン34が湾曲し、それらの間隙が部分的に狭まっている。
熱交換器長辺部31に貫通路36を形成するのは、熱交換器30単体の状態のときでもよいし、熱交換器30を底板1に固定した後であってもよい。先端が間隙寸法Eよりも小さい外径であり、錘状にその外径が大きくなっていき、最終的にモータ軸13外径よりも大きい貫通路36の内径に相当する外径を有する円柱状となって、その円柱状部分を熱交換器長辺部31の前後方向幅よりも長く有するような貫通路形成治具を、貫通路36を形成する部分のフィン34間の間隙に、その先端から挿入させ、貫通路36の内径に相当する外径を有する円柱状部分が、反対側に突き出てくるまで押し込むことで、貫通路36が形成できる。
なお、貫通路36を形成するにあたっては、フィン34を水平方向に貫通しながら上下方向に複数列を成している伝熱管35のその列間のすきまよりも貫通路36の上下方向寸法を大きくしなければならない場合もある。その場合には、図9に一点差線で示すように、貫通路36が形成される箇所を横切ることになる伝熱管35を1本もしくは複数本抜かして、その上下に位置する伝熱管34を熱交換器30の両側にて折り返し接続するように構成することで、貫通路36を形成するスペースを確保することができる。
熱交換器30に形成された貫通路36を通過して、モータ軸13の他端側のみが熱交換器長辺部31からその前方へ、すなわち熱交換器長辺部31の下流域へと突き出た状態から、次に、その突き出たモータ軸13の他端側に送風ファン10を装着する。モータ軸13の他端側の先端部をボス11の内部に形成されている軸孔に嵌合させ、モータ軸13と送風ファン10が同期回転するようにボス11と連結させる。これらの連結は、キーを用いた結合であっても、モータ軸13の先端部をねじ加工し、ボス11の正面部分から突き出させて、そこにナットを締結することで結合させるようにしてもよい。
送風ファン10をモータ軸13に取り付けた後で、ファン室正面パネル3を底板1に固定する。そうすれば、ベルマウス3bが送風ファン10の翼12の前方部分の外周を囲うようになる。最後に、天面パネル2を室外機100本体の上部に被せるが、このとき、天面パネル2のフランジ部2aが、ファンモータ支持部材20の支柱21の背面側に位置する外被せ状態にする。このとき、フランジ部2aに形成されたボルト穴(図示せず)が、支柱21のねじ穴29と重なり、固定ボルト19により、天面パネルフランジ部2aと左右2本の支柱21とを締結させる。これにより、フック23によって仮固定状態だった支持部材20の上端部もしっかりと固定される。
図6では図示を省略しているが、天面パネル2は、支持部材20が位置する箇所で、支持部材20の左右幅に相当する幅だけ、背面側に突出するような形状にしたり、左右2本の支柱21が位置する2箇所のそれぞれで、支柱21の左右幅に相当する幅だけ、背面側に突出するような形状にしたりすることにより、底板フランジ部1bの後方に位置することになる支持部材20の支柱21に対して外被せ状態にすることができる。このように、ファンモータ支持部材20は、熱交換器長辺部31の後方にて、支柱21が底板1のフランジ部1bと、天面パネル2のフランジ部2aに跨がって固定される。以上により、ファンモータ支持部材20およびそれに固定されるファンモータ15を、熱交換器長辺部31の後方(背面側)、すなわち熱交換器長辺部31の空気流における上流側に設置することが可能となる。
続いて、上記したようにファンモータ支持部材20およびファンモータ15を熱交換器長辺部31の後方に配置した室外機100の作用効果について説明するが、説明をわかり易くするために、従来の室外機と対比させて説明する。まず、図10は、熱交換器長辺部31と送風ファン10との間に、ファンモータ支持部材20およびそれに取り付け固定されるファンモータ15が位置する従来の室外機を示す説明用の模式図であり、本発明の実施形態を示す室外機100と同一または相当する部分には同じ符号を付している。
図10に示すような従来の室外機では、先に述べたとおり、ファンモータ支持部材20の下流側領域とファンモータ支持部材20のない領域とでは、送風ファン10に向かって流れる空気流に大きな速度差が生じることとなる。ファンモータ支持部材20のない領域の方が流速が速い。そのため、ファンモータ支持部材20のない領域を流れる空気流の一部が、ファンモータ支持部材20の下流側へと流れ込む際に、そこに大きな渦Sが発生する。渦Sは、発生位置から送風ファン10の翼12に至るまでの距離が短く、またファンモータ支持部材20と送風ファン10の翼12との間で渦Sを破壊するようなものが存在しないので、渦Sは空気流に混入して翼12へと流入することとなる。渦Sは空気流に対して圧力が低いので、空気流に大きな渦Sによる負圧域が生じていることとなり、翼12の表面に大きな大きな圧力変動が生じ、そのため騒音が発生していた。
しかし、この実施の形態に示す室外機100では、ファンモータ支持部材20を熱交換器長辺部31の後方に、すなわち送風ファン10へと向かう空気流に対して熱交換器長辺部31よりも上流側に位置させている。図11は、この室外機100におけるファンモータ支持部材20周辺の熱交換器30を通過する空気流を説明するための模式図である。図10に示した従来室外機と同様に、ファンモータ支持部材20の下流側領域とファンモータ支持部材20のない領域との速度差から、ファンモータ支持部材20の下流側領域には渦Sが発生する。
しかし、ファンモータ支持部材20の下流域に生じた渦Sは、送風ファン10へと向かう空気流に運ばれる過程で、熱交換器30を通過することになる。そのため、通過する際に渦Sは、熱交換器30のフィン34や伝熱管35によって分断される。なお、ここでは図示を省略しているが、金属製のフィン34に伝熱管35が貫通する穴を形成する際にバーリング加工によりフィンカラーと呼ばれる円筒状の切り起こしを形成させており、実際にはフィン34間では、伝熱管35は露出しておらずそのフィンカラーが伝熱管35の外周を覆っている。そのため、正確には渦Sは伝熱管35とは接触するのではなく、そのフィンカラーと接触することになる。ここでは、このフィンカラーに接して分断されることを、伝熱管35によって分断されると表現しておく。
また、フィン34の上下方向において、伝熱管35が貫通する穴と穴の間には、通過する空気との熱交換面積増加のために、矩形状に切り起こしたスリット(図示せず)が形成されることが多く、渦Sは、そのスリットの切り起こし片によっても分断される。
渦Sは上記のようにフィン34や伝熱管35に直接的にぶつかって分断される場合だけでなく、フィン34や伝熱管35との摩擦によってもその勢いが弱められる。よって、熱交換器長辺部31を通過後の下流端31bの下流域では、ファンモータ支持部材20の下流域に生じた渦Sは、熱交換器長辺部31を通過することによって、フィン34や伝熱管35で分断されたり、それらとの摩擦によって衰退したりして、消滅してしまっているか、もしくは発生時の大きさに比べて十分に小規模なものになっている、すなわち空気流に対する圧力低下度合い(負圧の程度)が大幅に小さくなっている。
さらに、熱交換器30の通過では消滅まではしないで小規模化された渦も、下流端31bから送風ファン10の翼12までの距離が、図10の従来室外機におけるファンモータ支持部材20と翼12との距離に比べて十分に長いので、下流端31bから翼12に流入するまでの間に、空気流との摩擦によってさらに弱められ、もっと小さくなったり、消滅したりすることとなる。
熱交換器長辺部31を通過後の空気流についても、ファンモータ支持部材20の下流領域と上流側にファンモータ支持部材20のない領域とで、空気流の速度差が生じてしまうことは否めない。しかし、ファンモータ支持部材20のすぐ下流の領域、すなわちファンモータ支持部材20と熱交換器長辺部31との寸法Kなる隙間での空気流の流速とファンモータ支持部材20ない領域で熱交換器長辺部31に流れ込む直前の空気流の流速との速度差に比べれば、モータ支持部材20から距離があって、寸法Kなる隙間へと流れ込む空気流や、さらに上下方向(フィン34の長手方向)にフィン34間を通ってモータ支持部材20の下流域へと入り込んでくる空気流もあることにより、その速度差は小さいものとなる。
そのため、熱交換器長辺部31を通過後の空気流の速度差によって生じる渦は、熱交換器長辺部31の上流側で生じる渦Sに比べれば小さく、さらにそこで生じた渦も、熱交換器長辺部31の通過により渦Sが小規模化された渦と同様に、送風ファン10までの距離が長いので、翼12に流入するまでの間に、空気流との摩擦によって弱められより小さくなったり、消滅したりすることとなる。
したがって、この室外機100では、送風ファン10の翼12へは、渦がほとんど混入していない、もしくは混入していたとしても小規模な、すなわち空気流に対しての圧力低下の度合いが小さな渦となることから、翼12へと流入する空気流の圧力を安定的にすることができる、もしくは翼12へと流入する空気流の圧力変動を非常に小さく抑えることができるので、送風ファン10の翼12へ流入する空気流の圧力変動によってもたらされる騒音の発生を防ぐことができ、従来室外機に比べて低騒音な室外機となる。
ただし、この室外機100では、図10に示す従来室外機と比べると、一端がファンモータ15に回転支持されたモータ軸13の他端側で送風ファン10を片持ち支持するこちとになる当該モータ軸13の長さ、すなわちファンモータ15の下流端(前端)から送風ファン10のボス11に至るまでの距離が長くなる。そのため、室外機100のモータ軸13が、図10に示す従来室外機におけるモータ軸13と同等の剛性のままであれば、モータ軸13のたわみ剛性が不足して、送風ファン10の安定した回転が得られなくなる恐れが生じる。
そこで、この室外機100のモータ軸13は、従来室外機のモータ軸13に比べて軸径を大きくして剛性を高めている。軸径を大きくするだけでなく、軸材料をより弾性率の高い材料に変えても剛性を高められる。軸材料を弾性率の高い材料に変えて、かつ軸径を大きくすればたいへん有効である。いずれにしても、片持ち支持する送風ファン10が安定した回転ができるまで剛性を高める必要がある。
次に、熱交換器長辺部31の上流端31aとファンモータ支持部材20との隙間の幅寸法Kについて述べる。この寸法Kが小さいと、熱交換器長辺部31と支持部材20が近接することで、熱交換器30に阻害されて上流端31aとファンモータ支持部材20との隙間に大きな渦Sができにくくなるが、上流端31aと支持部材20との隙間への空気流の流れ込みも少量となるため、支持部材20の下流領域とそうでないエリアとで、熱交換器長辺部31通過した空気流の速度差が大きくなり、熱交換器長辺部31を通過後に比較的大きめな渦が生じてしまう恐れがある。
仮にそうであっても、先に述べたように、渦の発生箇所から送風ファン10の翼12までの距離が長いので、翼12に流入するまでの間に空気流との摩擦によってその渦も弱められ小さくなる、場合によっては消滅するので、それでも図10の従来室外機に比べれば、翼12へ流入する空気流の圧力変動を小さく抑えることはできる。
しかし、渦の発生は可能な限り防止しておくのがよいので、上流端31aとファンモータ支持部材20との隙間の幅寸法Kはなるべく大きく確保して、支持部材20の下流領域とそうでないエリアとにおける熱交換器長辺部31を通過した空気流の速度差をできるだけ小さくすることが望ましい。しかし、寸法Kをあまり大きくすると、室外機100本体からの背面側への出っ張り量が大きくなり、室外機100の梱包や積載が容積的に非効率になることが考えられる。そのため、隙間寸法Kは、少なくともフィン34間の間隙寸法Eよりは大きくするものとして、この室外機100では、寸法Kを概ね寸法Eの4倍に確保している。
以上のように、一端がファンモータ15に接続されるモータ軸13に熱交換器長辺部31を空気流における上流側から下流側にかけて貫通させ、ファンモータ支持部材20およびその支持部材20に保持されるファンモータ15を、熱交換器長辺部31の後方に、すなわち空気流における熱交換器長辺部31の上流端31aよりも上流側に位置させ、送風ファン10を熱交換器長辺部31の下流側に突き出たモータ軸13の他端側に装着し熱交換器長辺部31の下流側に位置させたことにより、送風ファン10の翼12へ、渦が混入していない、もしくはたとえ混入していたとしても、空気流に対する圧力低下の度合いが小さい小規模な渦とさせることができるので、翼12へと流入する空気流の圧力変動を非常に小さく抑えることができ、よって空気流の圧力変動によってもたらされる騒音の発生を防ぐことができ、低騒音な冷凍サイクル装置の室外機が得られる効果がある。
実施の形態2.
上記の実施の形態1に示す室外機100では、ファンモータ15をファンモータ支持部材20より前方へ、すなわち熱交換器長辺部31側へと突出させないように構成した。このため、熱交換器長辺部31の背面側に位置している板状の支持部材20から、その中央部分でファンモータ15がさらに後方へと突出する出っ張り幅が大きい。
このように、おおよそ長方体を呈する室外機100本体から、後方へ出っ張り幅の大きい部分的な突出部となるファンモータ15があると、この室外機100を梱包するに際し、出っ張ったファンモータ15を保護するために、梱包材を大きくする必要が生じる。そのため、梱包された室外機100の保管や搬送に際し、これらを積載する場合に、より大きなスペースが必要となってくる。そこでこの実施の形態2では、翼12へと流入する空気流の圧力変動を小さく抑えつつ、ファンモータ15の後方への出っ張り幅をなるべく小さくする構成の室外機200について説明する。
図12は、この実施の形態2を示す空気調和機(冷凍サイクル装置)の室外機200の天面パネル2と側面パネル6を取り外した状態での上面図であり、先に述べた実施の形態1における図4と対比させている。なお、この室外機200において、上述した実施の形態1を示す室外機100と同一または相当する部分には同じ符号を付してその説明は省略する。
図12に示すように、この室外機200では、ファンモータ15が、ファンモータ支持部材20のモータ嵌入穴24を貫き、その前側の一部分が、支持部材20より前方に突出し、さらに熱交換器長辺部31にその上流端31a側から入り込んでいる。このため、支持部材20から後方へと突出するファンモータ15の出っ張り幅が、実施の形態1の室外機100に比べて小さく抑えられる。
熱交換器長辺部31へファンモータ15が入り込む穴は、実施の形態1の室外機100における貫通路36(図9参照)と同様な方法で、室外機100の貫通路36よりも上下方向(フィン34の長手方向)に長い範囲で、間隙をより拡大させることで形成する。ファンモータ15の外径はモータ軸13の軸径より大きいため、ファンモータ15が入り込める貫通路36を形成するためには、上下方向に伝熱管35を抜く本数が増加することになる。
ファンモータ15の前方を流れる空気流とファンモータ15より外側を流れる空気流との速度差によって渦が生じる恐れがあるため、ファンモータ15の前端から送風ファン10の翼12までの距離をできる限り長くして、ファンモータ15の前方に生じた渦を、翼12に至るまでに、空気流との摩擦により小規模化させる、もしくは消滅させるようにするのがよい。そのため、ファンモータ15が熱交換器長辺部31を貫通して、下流端31bよりも前方へ突出するような形態では、その突出幅が大きいと、ファンモータ15の前方に生じた渦が、空気流との摩擦によって十分に弱まるまでの距離が確保できずに、その渦が混入することによる空気流の圧力変動によって騒音が発生しかねない。
そのため、ファンモータ15は、熱交換器長辺部31を貫通しないように熱交換器長辺部31に入り込ませる、言い換えれば、上流端31aから熱交換器長辺部31に入り込ませたファンモータ15を、熱交換器長辺部31の下流端31bから前方のファン室F内に突出させないようにすることがよい。
図12に示す寸法Bは、ファンモータ15の前端が下流端31bから後方へどれくらい進んだ位置にあるか、その距離(前後方向の距離)を表しており、下流端31bを基準にそれより後方に位置している場合が正、前方に突出している場合が負の値を示すものである。ファンモータ15の前端から送風ファン10の翼12までの距離をできる限り長くするために、寸法Bは正の値として大きくすることが望ましく、図12に示すように、この室外機200は、B≧0としている。
寸法Bが正の値として大きければ大きいほど、ファンモータ15がファンモータ支持部材20の後方へ突出する出っ張り幅が大きくなることになるので、ファンモータ15の前方に発生する渦に起因した送風ファン10の騒音が発生しないレベルの最小の寸法Bを実機試験等により見つけ出し、翼12へ流入する空気流の圧力変動を小さく抑えて、空気流の圧力変動によってもたらされる騒音の発生を防ぎ、かつ、ファンモータ15の後方への出っ張り幅をなるべく小さくするようにするのがよい。
以上のように、ファンモータ支持部材20を、熱交換器長辺部31の後方に、すなわち熱交換器長辺部31の上流端31aよりも上流側に設置するとともに、その支持部材20に保持されるファンモータ15を、その支持部材20より熱交換器長辺部31の方向へ突出させ、熱交換器長辺部31を貫通しない程度に熱交換器長辺部31の上流端31a側から熱交換器長辺部31に入り込ませたことにより、送風ファン10の翼12へ渦が混入していない、もしくは混入していたとしても、空気流に対する圧力低下の度合いが小さな小規模な渦となるので、翼12へと流入する空気流の圧力変動を小さく抑えて、空気流の圧力変動によってもたらされる騒音の発生を防ぐことができるとともに、熱交換器長辺部31の背面側におけるファンモータ15の後方への出っ張り幅を小さく抑えることができ、低騒音であり、かつ積載スペースの容積拡大を低く抑えられる冷凍サイクル装置の室外機が得られる効果がある。
実施の形態3.
上記の実施の形態1に示す室外機100、および実施の形態2に示す室外機200では、熱交換器長辺部31の背面側に位置するファンモータ支持部材20に固定されたファンモータ15に一端を回転支持され、他端側がファンモータ15の前方へと伸びるモータ軸13が、その他端側の先端部に送風ファン10を片持ち支持していた。ファンモータ15から送風ファン10までの水平距離が従来室外機(図10参照)よりも長いため、モータ軸13の軸径を従来室外機の場合より大きくしたり、軸材料を高弾性率の材料に変更したりしてモータ軸13の剛性を高め、送風ファン10の安定した回転を得ていた。
この実施の形態3では、実施の形態1や2のように、熱交換器長辺部31の後方にファンモータ支持部材20を位置させた構成でありながら、従来室外機に比べ、ことさらモータ軸13の剛性を高めなくても、送風ファン10の安定した回転が得られる室外機300について説明する。
図13は、この実施の形態3を示す空気調和機(冷凍サイクル装置)の室外機300の天面パネル2と側面パネル6を取り外した状態での上面図であり、先に述べた実施の形態1における図4と対比させているが、この図13では、さらにベルマウス3bの図示も省略している。また、図14は、図13に示す室外機300の説明用斜視図であり、一部の図示を省略している。なお、この室外機300において、上述した実施の形態1を示す室外機100と同一または相当する部分には同じ符号を付してその説明は省略する。
図13に示すように、この室外機300では、モータ軸13が送風ファン10のボス11を貫通して、ボス11の前方に突き出て、その突き出た先端部が、図14に示すように、吹出グリル8のほぼ中央に設けられた軸受ボス17に装着されている軸受18に嵌合している。軸受18はここでは玉軸受を用いているが、コロ軸受や、含油すべり軸受であってもよい。この軸受18がモータ軸13のボス11から前方へ突き出た先端部を支持し、モータ軸13は、ファンモータ15と軸受18とでその両端が回転支持されることになるので、送風ファン10を片持ち支持でなく、両持ち支持することができる。
このため、送風ファン10の重量によるモータ軸13のたわみ変形が抑制されるので、モータ軸13の剛性を高めなくても、モータ軸13は振れまわることなく安定的に回転し、送風ファン10の安定した回転が得られる。また、モータ軸13の剛性を高めながら、かつ同様な送風ファン10の両持ち支持構造とすれば、重量が大となる翼面積大の送風ファンや翼枚数の多い送風ファンの適用も可能となり、同じ風量を得るための回転数を低く抑えられるので、より低騒音化が図れることとなる。
このようなモータ軸13の両端支持による送風ファン10の両持ち支持構造を達成するために、この室外機300では、モータ軸13と送風ファン10のボス11の軸孔とは、モータ軸13の外周とボス11の軸孔の内周とにそれぞれ設けたキー溝に、両キー溝に跨るように別体のキーを嵌入させるキー結合によって結合させて、モータ軸13と送風ファン10の同期回転を得ており、モータ軸13はそのまま軸孔を通ってボス11の前面からさらに前方へとその先端部が突出する。
突出した先端部が嵌合され、それを回転支持する軸受18は、図14に示すように、樹脂製の吹出グリル8のほぼ中央に、複数の桟により格子状に形成されて通風可能なグリル部と一体成形される軸受ボス17に背面側を臨むように圧入固定されている。なお、図14では、軸受18等の説明をわかり易くするために、側面パネル6、熱交換器30の短辺部32およびコーナー部33、そして送風ファン10の図示を省略している。
この室外機300は、送風ファン10のボス11から正面側へと突き出たモータ軸13の先端部に、吹出グリル8の軸受ボス17に予め圧入固定した軸受18を嵌合させながら、吹出グリル8をファン室正面パネル3に固定することにより、モータ軸13の両端支持による送風ファン10の両持ち支持構造が達成される。
軸受18を固定する正面視が略円形状の軸受ボス17は、送風ファン10のボス11と同心であり、その軸線は回転軸線Lに一致している。さらに、軸受ボス17の外径は、送風ファン10のボス11の外径よりも小さい構成となっている。軸受ボス17を形成することで、軸受ボス17の面積分だけ、吹き出しグリル8の吹き出し空気が通過する面積が低減されることになってしまうが、もともと吹き出し空気の流量がきわめて少量な送風ファン10のボス11の正面側に、そのボス11の外径よりも小さい径でボス11と同心で軸受ボス17を設けることで、軸受ボス17の設置によって吹出グリル8の通風面積が減少しても、吹き出し空気の流量の低減を招かず、送風ファン10の送風効率が低下しないようにしている。
図13に示す室外機300は、実施の形態1に示すファンモータ15がファンモータ支持部材20よりも前方に突出しない室外機100に対して、モータ軸13を両端支持として送風ファン10を両持ち支持するようにしているが、この実施の形態3で示すモータ軸13の両端支持による送風ファン10を両持ち支持構造は、実施の形態2に対して適用しても、実施の形態1に適用させた室外機300と同様な効果が得られる。
以上のように、ファンモータ支持部材20を、熱交換器長辺部31の後方に設置するとともに、モータ軸13に送風ファン10のボス11を貫通させて、その突き出た先端部に、吹出グリル8に固定されている軸受18と嵌合させ、モータ軸13をその両端で回転支持されるようにして、送風ファン10を両持ち支持する構造としたことにより、翼12へと流入する空気流の圧力変動を小さく抑えて、空気流の圧力変動によってもたらされる騒音の発生を防ぐことができるとともに、仮に送風ファン10が大型なものであっても、回転ぶれ等がない安定した送風ファン10の回転が得られる効果がある。
ここまで説明した本発明の実施の形態1〜3は、いずれも空気調和機の室外機を用いて説明してきた。ただし、例えば、ヒートポンプ給湯機の熱源機における空気と熱交換して冷媒を蒸発させる蒸発器を担う熱交換器とそれに空気流を送る送風ファンとの部分にも、本発明が適用でき、同様な効果を得ることができる。このように、本発明は、空気調和機の室外機だけでなく、熱交換器と、この熱交換器を通過する空気流を生成する送風ファンとを有して屋外に設置される冷凍サイクル装置の室外機に適用可能である。