JP5255525B2 - 半導体ウエハ加工用粘着テープおよびその製造方法 - Google Patents

半導体ウエハ加工用粘着テープおよびその製造方法 Download PDF

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本発明は、シリコンウエハ等の半導体装置を製造するにあたり、ウエハの加工のために使用される半導体ウエハ加工用粘着テープであって、特にバックグラインディング工程と、バックメタル工程等の加熱工程とに使用される半導体ウエハ加工用粘着テープに関する。
半導体ウエハの加工には、ウエハの表面の保護や破損の防止のため、粘着テープが用いられるが、半導体の高機能化および多様化により、半導体ウエハの薄膜化およびウエハ加工工程の複雑化の傾向にあり、各工程に対応できるよう半導体ウエハ加工用粘着テープも多様化してきている。例えば、半導体素子製造の後工程のバックグラインディング工程を行った後に、バックメタル工程を行う場合、バックグラインディング工程時には研削性に優れるバックグラインドテープを用い、バックグラインドテープを剥がした後にバックメタルに対応できる耐熱性に優れる加工用粘着テープへ張り替えを行い、加工することが行われている(特許文献1を参照)。
バックグラインディング工程とは、裏面研削工程とも呼ばれ、半導体ウエハの表面に回路パターンを形成した後、裏面を研削し、半導体ウエハを厚さ100μm程度にまで薄くする工程である。バックグラインディング工程においては、回路パターンを保護するため、半導体ウエハの表面にバックグラインドテープを貼付した後に研削を行う。そのため、バックグラインディングテープには、研削時に半導体ウエハが損傷しないようなクッション性、半導体ウエハを固定可能な保持性、収縮により半導体ウエハに余分な応力を加えない耐反り性が求められている。
一方、バックメタル工程は、裏面電極形成工程とも呼ばれ、研削後の半導体ウエハの裏面に、裏面電極を形成する工程である。裏面電極は、ディスクリート半導体(単機能半導体、個別半導体)を製造する際に、必要な場合が多く、銅やアルミなどの金属の薄膜を蒸着等により形成されることが多い。その際に、シリコンと金属の密着性を向上させるために、真空中で180度程度の高温にまで加熱することが多く、表面を保護する加工用粘着テープからのアウトガスが多いと、真空に到達するまでの時間が掛かり、作業性が悪くなるという問題点があった。
しかし、特に100μm以下に薄膜化したウエハの場合、テープの貼合および剥離を繰り返すことで、ウエハの損傷が懸念されるという問題点があった。また、複数のテープを用いることで、加工工程が増え、コストも高くなるという問題点もある。そこで、粘着テープの張り替えなしで、バックグラインディング工程とバックメタル工程とに使用できるテープが求められている。
特開2002−270676号公報
しかしながら、例えば、バックメタル工程、プラズマエッチング工程、ダイボンディングフィルム貼合工程等の、熱分解物によるウエハの汚染やアウトガスの発生が懸念される加熱工程のみに使用される加工用粘着テープでも、現状、アウトガスを抑制する知見は少なく、バックグラインディング工程および加熱工程等を含む一貫工程を、加工用粘着テープを張り替えずに行うことは、バックグラインディング工程における薄膜研削性と、加熱工程におけるアウトガスの発生抑制の両立が必要となり、困難であった。特にバックメタル工程に代表される真空系での加工を要する工程では、高真空到達時間の短縮化や真空系への汚染の改善のため、特にアウトガスの発生抑制が望まれている。
本発明は、上記のような課題を解決すべくなされたものであり、その目的とすることは、ウエハを薄膜化させるバックグラインディング工程中に半導体ウエハを破損させることなく、テープの残留応力によるウエハの反りを小さくすることができるとともに、バックメタル工程等の加熱工程において加工用粘着テープからのアウトガスの発生量が少なく、バックグラインディング工程からバックメタル工程等の加熱工程の一貫工程に対応することが可能な半導体ウエハ加工用粘着テープを提供することである。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、基材フィルムと粘着剤層の間に中間樹脂層を設けることでバックグラインディング時のクッション性を確保し、その中間樹脂層の硬化剤として硬化物が耐熱性に優れるイソシアヌレート型イソシアネートを用いることで、ウエハ加工時の加熱工程においてもアウトガスの発生量が抑制できることを見出した。本発明は、この知見に基づきなされたものである。
すなわち本発明は、以下の半導体ウエハ加工用粘着テープなどを提供するものである。
(1)基材フィルム上に中間樹脂層および粘着剤層がこの順に積層されており、
前記中間樹脂層が、粘着成分と硬化成分とを含む中間樹脂層組成物が硬化して形成されており、前記硬化成分が、イソシアヌレート型イソシアネート硬化剤を含み、前記イソシアヌレート型イソシアネート硬化剤のイソシアネート基(NCO)の合計モル数(α)と、前記粘着成分に含まれる全てのヒドロキシル基(OH)の合計のモル数(β)の混合比が0.5≦α/β≦5を満たすことを特徴とする半導体ウエハ加工用粘着テープ。
(2)基材フィルム上に中間樹脂層および粘着剤層がこの順に積層されており、
前記中間樹脂層が、粘着成分と硬化成分とを含む中間樹脂層組成物が硬化して形成されており、前記硬化成分が、イソシアヌレート型イソシアネート硬化剤を含み、TPD−MS法(He雰囲気、測定温度範囲:室温(20℃)〜250℃、昇温速度10℃/min)により測定した各種アウトガスの総量が、テープ重量に対して5000重量ppm以下であることを特徴とする半導体ウエハ加工用粘着テープ。
(3)前記中間樹脂層組成物の前記粘着成分がアクリル系粘着剤であることを特徴とする(1)または(2)に記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
(4)前記中間樹脂層組成物の前記粘着成分が、メタクリル酸n−ブチルとヒドロキシエチルアクリレートの(メタ)アクリル酸エステル共重合体であることを特徴とする(1)または(2)に記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
(5)前記基材フィルムとしてポリエステル系樹脂を用いることを特徴とする(1)または(2)に記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
(6)前記粘着剤層の主成分がアクリル系粘着剤であることを特徴とする(1)または(2)に記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
(7)基材フィルム上に粘着成分と硬化成分とを含む中間樹脂層組成物を塗布・乾燥して中間樹脂層を形成する工程と、前記中間樹脂層上に粘着剤組成物を塗布・乾燥して粘着剤層を形成する工程と、を具備し、前記中間樹脂層組成物の前記硬化成分にイソシアヌレート型ポリイソシアネート硬化剤を含み、前記中間樹脂層組成物において、前記硬化成分に含まれる前記イソシアヌレート型イソシアネート硬化剤のイソシアネート基(NCO)の合計モル数(α)と、前記粘着成分に含まれる全てのヒドロキシル基(OH)の合計のモル数(β)の混合比を0.5≦α/β≦5とすることを特徴とする半導体ウエハ加工用粘着テープの製造方法。
本発明の半導体ウエハ加工用粘着テープは、バックグラインディング工程およびバックメタル工程等の加熱工程に用いることができ、バックグラインディング工程においては良好な研削性を、加熱工程においてはウエハの汚染改善、アウトガスの発生抑制が可能となる。
本発明に係る半導体ウエハ加工用粘着テープ1の概略を示す断面図。
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各図は各構成要素を模式的に示したもので、実際の縮尺を反映したものではない。本発明の半導体ウエハ加工用粘着テープ1は、基材フィルム3上に中間樹脂層5および粘着剤層7がこの順に積層され、必要に応じて、更に粘着剤層7上に剥離フィルム9が積層してなる。半導体ウエハ加工用粘着テープ1は、例えば、剥離フィルム9上に中間樹脂層組成物を塗布、乾燥して得られる中間樹脂層5を、基材フィルム3上へと転写することや、中間樹脂層組成物を基材フィルム3へと直接塗布することで中間樹脂層5を形成し、その後中間樹脂層5上へ同様にして粘着剤層7を転写することや、直接塗布することにより製造することができる。
〔基材フィルム3〕
本発明の半導体ウエハ加工用粘着テープ1を構成する基材フィルム3について説明する。基材フィルム3としては、公知のプラスチック、ゴム等を用いることができるが、加熱工程での収縮性の面から、ビカット軟化点(JIS K 7206、荷重:50N、昇温速度:50℃/h、試験片サイズ:10mm×10mm×4mm)が120℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましい。基材フィルム3は、特に、中間樹脂層5や粘着剤層7に放射線硬化性の組成物を使用する場合には、その組成物が硬化する波長の放射線の透過性の良いものを選択するのがよい。なお、ここで、放射線とは、例えば、紫外線のような光、あるいはレーザ光、または電子線のような電離性放射線を総称して言うものであり、以下、これらを総称して放射線と言う。
このような基材フィルム3の材料として選択し得るポリマーの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマー等のα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のエンジニアリングプラスチック、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物がある。また、これらを複層にしたものを使用してもよい。特に耐熱性の面から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系化合物を含有する樹脂組成物からなるものが好ましい。基材フィルム3の厚みは、強伸度特性、放射線透過性、熱による収縮の観点から5〜100μmが適当であり、更に10〜50μmであるものが好ましい。
基材フィルム3の中間樹脂層5が設けられる側の表面には、中間樹脂層5との接着性を向上させるために、コロナ処理、あるいはプライマー層を設ける等の処理を適宜施してもよい。なお、基材フィルム3の中間樹脂層5が設けられない側の表面をシボ加工もしくは滑剤コーティングすることが好ましく、これによって、ブロッキング防止等の効果が得られる。
〔中間樹脂層5〕
本発明の半導体ウエハ加工用粘着テープ1を構成する中間樹脂層5は、好ましくは粘着剤層7より硬いものがよい。典型的には、中間樹脂層5の80℃における貯蔵弾性率は、粘着剤層7の80℃における貯蔵弾性率よりも大きいものである。常温での剛性をもたせるために中間樹脂層5のガラス転移点(Tg)の好ましい範囲は、−20℃〜100℃であり、より好ましくは0℃〜50℃である。中間樹脂層5は、例えば、粘着成分と硬化成分とを含む中間樹脂層組成物を基材フィルム上に塗工した後、硬化させることによって設けられる。中間樹脂層組成物には、室温で1週間程度放置することによって徐々に硬化し、好ましい範囲の弾性率となるような材料を用いることが好ましい。中間樹脂層を硬くする方法としては、中間樹脂層組成物に使用される粘着成分のガラス転移点(Tg)を高くする、中間樹脂層組成物に添加される硬化成分量を多く配合する、中間樹脂層組成物に無機化合物フィラーを加える等の方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、中間樹脂層組成物に放射線照射によって硬化する材料を使用し、放射線照射によって硬化させて中間樹脂層5の硬さを調整してもよい。中間樹脂層5の厚さは、バックグラインディング工程でのクッション性および加熱工程でのアウトガス抑制の観点から、厚さ20〜200μmであるものが好ましく、30〜100μmであるものがより好ましく、40〜60μmであるものが更に好ましい。中間樹脂層5の厚さが20μm以下であるとバックグラインディング工程時のクッション性が小さくなり、200μm以上であると加熱工程でのアウトガス発生量低減の効果が薄れる可能性がある。なお、中間樹脂層はアウトガスの発生が問題とならない範囲で、複数の層が積層された構成であってもよい。
中間樹脂層組成物の粘着成分は、イソシアヌレート型イソシアネート硬化剤と相溶性がよい種々の汎用粘着剤を用いることができるが、本発明においては、耐熱性やアウトガス抑制の観点から、特にアクリル系粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルモノマーおよび(メタ)アクリル酸誘導体から導かれる構成単位とからなる(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。ここで(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが用いられる。特に、架橋点間距離増大による可とう性向上の観点からメタクリル酸n−ブチル(n−BMA)が好ましい。また、(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、水酸基を有するヒドロキシエチルアクリレートを挙げることができる。粘着成分は、中間樹脂層組成物中70質量%以上であることが好ましい。残りの成分としては、粘着成分と相溶性がよいものであり、粘着性に問題が生じないものであれば、他の樹脂を配合することができる。
中間樹脂層組成物の硬化成分として、イソシアヌレート型イソシアネートを必須化合物として含むものであり、単独で使用することも、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。また、必要に応じてイソシアヌレート型イソシアネート以外の硬化剤を更に加えることもできる。本発明におけるイソシアヌレート型イソシアネートとは下記一般式(I)に表される化合物である。ここで、(I)式中のR、R、Rはそれぞれ独立に、例えば、アルキル基等の有機基であるが、耐熱性を損なわない範囲であれば任意の原子、有機基を用いることができる。イソシアヌレート型イソシアネートとして、具体的には、市販品として、デュラネート(登録商標) TKA−100(旭化成ケミカルズ株式会社製)等を用いることができる。イソシアヌレート型イソシアネートは、例えば、ジイソシアネートを重合することにより製造される。そのようなジイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4′−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等を挙げることができる。
Figure 0005255525
なお、式(I)で示す基本骨格は、イソシアヌレート環を1つ有するジイソシアネートが3量体の場合であるが、イソシアヌレート型イソシアネートには、イソシアヌレート環を2つ有する5量体や、イソシアヌレート環を3つ有する7量体が含まれていても良い。
これらの硬化成分は架橋剤として働き、アクリル樹脂等の粘着成分等架橋に取り込むことができる官能基を有する成分と反応した結果できる架橋構造により、中間樹脂層5は三次元網状構造を有し、ウエハ加工時に生じる温度上昇時にも軟化しにくいものとなる。イソシアヌレート型イソシアネートは耐熱性の高い環構造を有するため、それを用いた硬化後の中間樹脂層5および、未反応の硬化成分自体がウエハ加工時の熱によって分解し、ウエハを汚染することや、アウトガスとして発生されることを抑制することができる。
本発明におけるイソシアヌレート型イソシアネート硬化剤の好ましい配合量は、硬化後の中間樹脂層組成物の架橋点の増加によるアウトガス発生抑制の観点から、中間樹脂層組成物の硬化成分のイソシアヌレート型イソシアネート硬化剤のイソシアネート基(NCO)の合計モル数(α)に対し、中間樹脂層組成物の粘着成分に含まれる全てのヒドロキシル基(OH)の合計モル数(β)の混合比で0.5≦α/β≦5.0、好ましくは0.8≦α/β≦2.0、より好ましくは1.0≦α/β≦1.5である。α/βが0.5より小さいと硬化後の組成物中粘着成分の未架橋部分が多く、加熱時に分解しやすいため、アウトガス発生の原因となりやすい。また、α/βが5より大きいと、ベースポリマーと反応せずに残った硬化剤が空気中などの水分との反応による尿素等のガスの発生が汚染原因となることや硬化剤自体が汚染の原因となる可能性がある。
更に、中間樹脂層5に放射線硬化性をもたせること、好ましくは紫外線硬化樹脂とすることで、バックグラインディング工程後に放射線硬化により硬化収縮させ耐熱性を向上させたうえで加熱工程へと送ることもできる。放射線硬化性をもたせるためには、例えば、中間樹脂層5に光重合性炭素−炭素二重結合を有するアクリレート系オリゴマーを添加することが挙げられる。これらのオリゴマーとしては光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物が広く用いられ、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートや、オリゴエステルアクリレート等が広く適用可能である。また、上記のようなアクリレート系化合物のほかに、ウレタンアクリレート系オリゴマーを用いることもできる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル型等のポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナート等)を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート等)を反応させて得られる。
放射線により中間樹脂層5を硬化させる場合には、中間樹脂層5に光重合性開始剤を更に添加できる。例えば、光重合性開始剤としてイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ベンジルメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を併用することができる。これらのうち1種類以上を中間樹脂層に添加することにより、効率よく重合反応を進行させることができる(特開2006−0495097号公報)。更に中間樹脂層には必要に応じて粘着付与剤、粘着調整剤、界面活性剤等、あるいはその他の改質剤等を配合することができる。
〔粘着剤層7〕
以上のように基材フィルム3に中間樹脂層5が形成された後、中間樹脂層5上に更に粘着剤層7が形成され、本発明の半導体ウエハ加工用粘着テープ1が製造される。粘着剤層7の形成は、基材フィルム3に形成された中間樹脂層5上に粘着剤を塗工して製造してよく、粘着剤の塗工は、中間樹脂層5が塗工された後であればよい。粘着剤層7は、バックグラインディング工程時にウエハ割れを起こさない、パターン表面が研削時のダスト浸入で汚染されない程度の密着性をもっているものが好ましい。更には、半導体ウエハの薄化に伴って粘着剤の紫外線硬化収縮によりウエハ割れが発生する危険もあるため、紫外線硬化後の収縮が小さいもの、加熱工程により発生するガスが少ないもの、加熱工程を経た後でも紫外線照射により十分に粘着力が低下するものがよい。例えば、本発明実施例に挙げたような、分子中にヨウ素価0.5〜20の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)と、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる化合物(B)とを含むアクリル系粘着剤を用いることができる。
粘着剤層の主成分の1つである化合物(A)について説明する。前記化合物(A)の放射線硬化性炭素−炭素二重結合の好ましい導入量は、ヨウ素価で0.5〜20、より好ましくは0.8〜10である。ヨウ素価が0.5以上であると、放射線照射後の粘着力の低減効果を得ることができ、ヨウ素価が20以下であれば、化合物(A)そのものに安定性があり、製造が容易となる。上記化合物(A)は、ガラス転移点(Tg)が−70℃〜0℃であることが好ましい。ガラス転移点(Tg)が−70℃以上であれば、放射線照射に伴う熱に対する耐熱性が十分である。
上記化合物(A)はどのようにして製造されたものでもよいが、例えば、アクリル系共重合体またはメタクリル系共重合体等の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有し、かつ、官能基をもつ化合物((1))と、その官能基と反応し得る官能基をもつ化合物((2))とを反応させて得たものが用いられる。このうち、前記の放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物((1))は、アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステル等の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する単量体((1)−1)と、官能基を有する単量体((1)−2)とを共重合させて得ることができる。
単量体((1)−1)としては、炭素数6〜12のヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、デシルアクリレート、または炭素数5以下の単量体である、ペンチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、またはこれらと同様のメタクリレート等を列挙することができる。単量体((1)−1)として、炭素数の大きな単量体を使用するほどガラス転移点は低くなるので、所望のガラス転移点のものを作製することができる。また、ガラス転移点の他、相溶性と各種性能を上げる目的で酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等の炭素−炭素二重結合をもつ低分子化合物を配合することも単量体((1)−1)の総質量の5質量%以下の範囲内で可能である。
単量体((1)−2)が有する官能基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、環状酸無水基、エポキシ基、イソシアネート基等を挙げることができ、単量体((1)−2)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸、フタル酸、2−ヒドロキシアルキルアクリレート類、2−ヒドロキシアルキルメタクリレート類、グリコールモノアクリレート類、グリコールモノメタクリレート類、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アリルアルコール、N−アルキルアミノエチルアクリレート類、N−アルキルアミノエチルメタクリレート類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸、無水フタル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部を水酸基またはカルボキシル基および放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する単量体でウレタン化したもの等を列挙することができる。
化合物((2))において、用いられる官能基としては、化合物((1))、つまり単量体((1)−2)の有する官能基が、カルボキシル基または環状酸無水基である場合には、水酸基、エポキシ基、イソシアネート基等を挙げることができ、水酸基である場合には、環状酸無水基、イソシアネート基等を挙げることができ、アミノ基である場合には、エポキシ基、イソシアネート基等を挙げることができ、エポキシ基である場合には、カルボキシル基、環状酸無水基、アミノ基等を挙げることができ、具体例としては、単量体((1)−2)の具体例で列挙したものと同様のものを列挙することができる。
化合物((1))と化合物((2))の反応において、未反応の官能基を残すことにより、酸価または水酸基価等の特性に関して、本発明で規定するものを製造することができる。上記の化合物(A)の合成において、反応を溶液重合で行う場合の有機溶剤としては、ケトン系、エステル系、アルコール系、芳香族系のものを使用することができるが、中でもトルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ベンゼンメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン等の、一般にアクリル系ポリマーの良溶媒で、沸点60〜120℃の溶剤が好ましく、重合開始剤としては、α,α′−アゾビスイソブチルニトリル等のアゾビス系、ベンゾイルペルオキシド等の有機過酸化物系等のラジカル発生剤を通常用いる。この際、必要に応じて触媒、重合禁止剤を併用することができ、重合温度および重合時間を調節することにより、所望の分子量の化合物(A)を得ることができる。また、分子量を調節することに関しては、メルカプタン、四塩化炭素系の溶剤を用いることが好ましい。なお、この反応は溶液重合に限定されるものではなく、塊状重合、懸濁重合など別の方法でもさしつかえない。
以上のようにして、化合物(A)を得ることができるが、本発明において、化合物(A)の分子量は、30万〜150万程度が好ましい。30万未満では、低分子量成分によるウエハ表面汚染が生じやすくなる。この汚染を、極力防止するためには、分子量が、40万以上である方が好ましい。また、分子量が150万を越えると、合成時および塗工時にゲル化する可能性がある。なお、化合物(A)が、水酸基価5〜100となるOH基を有すると、放射線照射後の粘着力を減少することによりテープ剥離不良の危険性を更に低減することができるので好ましい。なお、ヨウ素価は、Wijs法に基づき算出したものであり、分子量は、テトラヒドロフランに溶解して得た1%溶液を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ウオータース社製、商品名:150−C ALC/GPC)により測定した値をポリスチレン換算の質量平均分子量として算出したものである。また、水酸基価は、FT−IR法にて算出したものであり、酸価は、JIS K 5407の11.1に準じて算出したものである。
次に、粘着剤層のもう1つの主成分である化合物(B)について説明する。化合物(B)は、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる化合物であり、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。この化合物(B)は架橋剤として働き、化合物(A)と反応した結果できる架橋構造により、化合物(A)および(B)を主成分とした粘着剤の凝集力を、粘着剤塗布後に向上することができる。ポリイソシアネート類としては、特に制限がなく、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4′−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等を挙げることができ、具体的には、市販品として、コロネートL(日本ポリウレタン(株)製)等を用いることができる。また、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂としては、具体的には、市販品として、ニカラックMX−45(三和ケミカル社製)、メラン(日立化成工業株式会社製)等を用いることができる。更に、エポキシ樹脂としては、TETRAD−X(三菱化学株式会社製)等を用いることができる。本発明においては、特にポリイソシアネート類を用いることが好ましい。(B)の添加量としては、化合物(A)100質量部に対して0.1〜10質量部とすることが好ましく、0.4〜3質量部とすることがより好ましい。その量が0.1質量部未満では凝集力向上効果が十分でない傾向があり、10質量部を越えると粘着剤の配合および塗布作業中に硬化反応が急速に進行し、架橋構造が形成される傾向があるため、作業性が損なわれるおそれがある。
また、本発明において、粘着剤層には、光重合開始剤(C)が含まれていることが好ましい。粘着剤層に含まれる光重合開始剤(C)には基材および中間樹脂層を透過する放射線により反応するものであれば、特に制限はなく、従来知られているものを用いることができる。例えば、ベンゾフェノン、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン等のアントラキノン類、2−クロロチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジル、2,4,5−トリアリ−ルイミダゾール二量体(ロフィン二量体)、アクリジン系化合物等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。(C)の添加量としては、化合物(A)100質量部に対して0.1〜10質量部とすることが好ましく、0.5〜5質量部とすることがより好ましい。
更に本発明に用いられる中間樹脂層5や粘着剤層7には必要に応じて粘着付与剤、粘着調整剤、界面活性剤等、あるいはその他の改質剤等を配合することができる。また、無機化合物フィラーを適宜加えてもよい。粘着剤層は厚さ5〜100μmであるものが好ましく、5〜50μmであるものがより好ましく、10μm〜30μmであるものが更に好ましい。更には、中間樹脂層と粘着剤層を合わせた厚さが25〜200μmであることが好ましい。なお、粘着剤層は複数の層が積層された構成であってもよい。
〔剥離フィルム9〕
また、剥離フィルム9は、セパレーターや剥離層、剥離ライナーとも呼ばれ、粘着剤層7を保護する目的のため、また粘着剤を平滑にする目的のために、必要に応じて設けられる。剥離フィルム9の構成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムや紙などが挙げられる。剥離フィルム9の表面には粘着剤層7からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の剥離処理が施されていても良い。また、必要に応じて、粘着剤層7が環境紫外線によって反応してしまわないように、紫外線防止処理が施されていてもよい。剥離フィルム9の厚みは、通常10〜100μm、好ましくは25〜50μm程度である。
以下に実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
下記のように中間樹脂層組成物、粘着剤組成物を調製し、実施例の作製方法のもとに粘着テープを作製し、特性評価を行った。
[実施例1]
厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート基材フィルム(PET)の片面に中間樹脂層組成物1Aを50μm(dry)の厚さで塗布、乾燥させた。更に、中間樹脂層上に粘着剤層組成物2Aを25μm(dry)の厚さで塗布乾燥させ厚さ100μmの半導体ウエハ加工用粘着テープを得た。
[実施例2]
基材フィルムとして厚さ25μmのポリエチレンナフタレート基材フィルム(PEN)を用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ウエハ加工用粘着テープを得た。
[実施例3]
中間樹脂層組成物として中間樹脂層組成物1Bを用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ウエハ加工用粘着テープを得た。
[実施例4]
中間樹脂層組成物として中間樹脂層組成物1Bを用いた以外は実施例2と同様の方法で半導体ウエハ加工用粘着テープを得た。
[実施例5]
中間樹脂層組成物として中間樹脂層組成物1Cを用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ウエハ加工用粘着テープを得た。
[実施例6]
中間樹脂層組成物として中間樹脂層組成物1Cを用いた以外は実施例2と同様の方法で半導体ウエハ加工用粘着テープを得た。
[実施例7]
中間樹脂層組成物として中間樹脂層組成物1Dを用いた以外は実施例2と同様の方法で半導体ウエハ加工用粘着テープを得た。
[実施例8]
中間樹脂層組成物として中間樹脂層組成物1Eを用いた以外は実施例2と同様の方法で半導体ウエハ加工用粘着テープを得た。
[比較例1]
中間樹脂層組成物として中間樹脂層組成物1Fを用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ウエハ加工用粘着テープを得た。
[比較例2]
中間樹脂層組成物として中間樹脂層組成物1Fを用いた以外は実施例2と同様の方法で半導体ウエハ加工用粘着テープを得た。
[比較例3]
中間樹脂層組成物として中間樹脂層組成物1Gを用いた以外は実施例1と同様の方法で半導体ウエハ加工用粘着テープを得た。
[比較例4]
中間樹脂層組成物として中間樹脂層組成物1Gを用いた以外は実施例2と同様の方法で半導体ウエハ加工用粘着テープを得た。
[比較例5]
中間樹脂層組成物として中間樹脂層組成物1Hを用いた以外は実施例2と同様の方法で半導体ウエハ加工用粘着テープを得た。
[比較例6]
中間樹脂層組成物として中間樹脂層組成物1Iを用いた以外は実施例2と同様の方法で半導体ウエハ加工用粘着テープを得た。
[比較例7]
中間樹脂層を設けなかったこと以外は実施例1と同様の方法で半導体ウエハ加工用粘着テープを得た。
[比較例8]
中間樹脂層を設けなかったこと以外は実施例2と同様の方法で半導体ウエハ加工用粘着テープを得た。
〔イソシアネートの説明〕
[デュラネート(DURANATE、登録商標) TKA−100]
旭化成ケミカルズ(株)製、イソシアヌレート型、固形分:100wt%、NCO%:21.7%、粘度:2600mPa・s(25℃)
[デュラネート(登録商標) MFA−75B]
旭化成ケミカルズ(株)製、イソシアヌレート型、固形分:75wt%、NCO%:13.7%、粘度:250mPa・s(25℃)、溶剤:酢酸nブチル
[デュラネート(登録商標) MHG−80B]
旭化成ケミカルズ(株)製、イソシアヌレート型、固形分:80wt%、NCO%:15.1%、粘度:900mPa・s(25℃)、溶剤:酢酸nブチル
上記のイソシアヌレート型イソシアネートである、TKA−100、MFA−75B、MHG−80Bの基本骨格は下記の式(II)で示すとおりである。なお、Rは−(CH−である。
Figure 0005255525
[コロネートL(登録商標)]
日本ポリウレタン(株)製、アダクト型
上記のコロネートLは下記の式(III)で示すとおりである。
Figure 0005255525
[デュラネート(登録商標) 21S−75E]
旭化成ケミカルズ(株)製、ビウレット型、固形分:75wt%、NCO%:15.5%、粘度:170mPa・s(25℃)、溶剤:酢酸エチル
[デュラネート(登録商標) 24A−100]
旭化成ケミカルズ(株)製、ビウレット型、固形分:100wt%、NCO%:23.5%、粘度:1800mPa・s(25℃)
上記のビウレット型イソシアネートである、21S−75E、24A−100の基本骨格は下記の式(IV)で示されたとおりである。なお、Rは−(CH−である。
Figure 0005255525
〔中間樹脂層組成物の調製〕
[中間樹脂層組成物1A]
アクリル樹脂(メタクリル酸nブチル)(質量平均分子量:20万、ガラス転移温度20℃)100質量部、硬化剤としてイソシアヌレート型イソシアネート(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:TKA-100)をNCO/OH=1.5になるように混合して中間樹脂層組成物1Aを得た。
[中間樹脂層組成物1B]
アクリル樹脂(メタクリル酸nブチル)(質量平均分子量:20万、ガラス転移温度20℃)100質量部、硬化剤としてイソシアヌレート型イソシアネート(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:TKA-100)をNCO/OH=1.0になるように混合して中間樹脂層組成物1Bを得た。
[中間樹脂層組成物1C]
アクリル樹脂(メタクリル酸nブチル)(質量平均分子量:20万、ガラス転移温度20℃)100質量部、硬化剤としてイソシアヌレート型イソシアネート(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:TKA-100)をNCO/OH=0.5になるように混合して中間樹脂層組成物1Cを得た。
[中間樹脂層組成物1D]
アクリル樹脂(メタクリル酸nブチル)(質量平均分子量:20万、ガラス転移温度20℃)100質量部、硬化剤としてイソシアヌレート型イソシアネート(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:MFA−75B)をNCO/OH=1.5になるように混合して中間樹脂層組成物1Dを得た。
[中間樹脂層組成物1E]
アクリル樹脂(メタクリル酸nブチル)(質量平均分子量:20万、ガラス転移温度20℃)100質量部、硬化剤としてイソシアヌレート型イソシアネート(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:MHG−80B)をNCO/OH=1.5になるように混合して中間樹脂層組成物1Eを得た。
[中間樹脂層組成物1F]
アクリル樹脂(メタクリル酸nブチル)(質量平均分子量:20万、ガラス転移温度20℃)100質量部、硬化剤としてアダクト型イソシアネート(日本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネートL)をNCO/OH=1.5になるように混合して中間樹脂層組成物1Fを得た。
[中間樹脂層組成物1G]
アクリル樹脂(メタクリル酸nブチル)(質量平均分子量:20万、ガラス転移温度20℃)100質量部、硬化剤としてアダクト型イソシアネート(日本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネートL)をNCO/OH=1.0になるように混合して中間樹脂層組成物1Gを得た。
[中間樹脂層組成物1H]
アクリル樹脂(メタクリル酸nブチル)(質量平均分子量:20万、ガラス転移温度20℃)100質量部、硬化剤としてビウレット型イソシアネート(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:21S-75E)をNCO/OH=1.5になるように混合して中間樹脂層組成物1Fを得た。
[中間樹脂層組成物1I]
アクリル樹脂(メタクリル酸nブチル)(質量平均分子量:20万、ガラス転移温度20℃)100質量部、硬化剤としてビウレット型イソシアネート(旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:24A−100)をNCO/OH=1.5になるように混合して中間樹脂層組成物1Iを得た。
〔粘着剤層組成物の調製〕
[粘着剤層組成物2A]
溶媒のトルエン400g中に、n−ブチルアクリレート128g、2−エチルヘキシルアクリレート307g、メチルメタアクリレート67g、メタクリル酸1.5g、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整し、反応温度および反応時間を調整し、官能基をもつ化合物(1)の溶液を得た。次にこのポリマー溶液に、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(2)として、別にメタクリル酸とエチレングリコールから合成した2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.5g、重合禁止剤としてハイドロキノンを、適宜滴下量を調整して加え、反応温度および反応時間を調整して、放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)の溶液を得た。続いて、化合物(A)溶液中の化合物(A)100質量部に対してポリイソシアネート(B)としてコロネートL(日本ポリウレタン社製)を、2質量部を加え、光重合開始剤としてイルガキュアー184(日本チバガイギー社製)を0.5質量部、溶媒として酢酸エチル150質量部を化合物(A)溶液に加えて混合して、放射線硬化性の粘着剤層組成物2Aを調製した。
[特性評価試験]
実施例1〜8、比較例1〜8の半導体ウエハ加工用粘着テープについて、特性評価試験を下記のように行った。
[ウエハ反り]
ウエハ裏面研削後の反りは、DISCO社製フルオートグラインダDFG8540を用いて、加工用粘着テープ貼合済み8インチ(inch) Siベアウエハを100μmの厚さまで研削した場合の平置き反りを測定した。
[アウトガス発生量]
加熱によるアウトガスの発生量は、加工用粘着テープをTPD−MS法(Temperature Program Desorption- Mass Spectrometry)(He雰囲気、測定温度範囲:室温(20℃)〜250℃、昇温速度10℃/min)により測定した各種アウトガスの総量(テープ重量に対する重量ppm)で評価した。
それぞれの実施例、比較例におけるウエハ裏面研削後の反りおよびアウトガス発生量を、表1、表2にまとめた。
Figure 0005255525
Figure 0005255525
表1に示すように、各種イソシアヌレート型イソシアネートを用いた中間樹脂層を有する実施例1〜8についてはいずれも研削による割れがなく、研削後の反り量も小さいことに加え、アウトガスの発生量も抑制できた。
表2に示すように、中間樹脂層の硬化剤としてイソシアヌレート型イソシアネート以外の硬化剤を用いた比較例1〜6においては、研削は可能なものの加熱により多量のアウトガスの発生が見られた。また、中間樹脂層を設けず、基材フィルムへ粘着剤を直接塗布した構成である比較例7および8においては、研削中にウエハが割れてしまった。このようにイソシアヌレート型イソシアネート硬化剤を用いた加熱時にアウトガスの発生が少ない中間樹脂層を設けることで、研削性とアウトガス抑制の両立が可能となる。
以上、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………半導体ウエハ加工用粘着テープ
3………基材フィルム
5………中間樹脂層
7………粘着剤層
9………剥離フィルム

Claims (7)

  1. 基材フィルム上に中間樹脂層および粘着剤層がこの順に積層されており、
    前記中間樹脂層が、粘着成分と硬化成分とを含む中間樹脂層組成物が硬化して形成されており、
    前記硬化成分が、イソシアヌレート型イソシアネート硬化剤を含み、前記イソシアヌレート型イソシアネート硬化剤のイソシアネート基(NCO)の合計モル数(α)と、前記粘着成分に含まれる全てのヒドロキシル基(OH)の合計のモル数(β)の混合比が0.5≦α/β≦5を満たすことを特徴とする半導体ウエハ加工用粘着テープ。
  2. 基材フィルム上に中間樹脂層および粘着剤層がこの順に積層されており、
    前記中間樹脂層が、粘着成分と硬化成分とを含む中間樹脂層組成物が硬化して形成されており、
    前記硬化成分が、イソシアヌレート型イソシアネート硬化剤を含み、
    TPD−MS法(He雰囲気、測定温度範囲:室温(20℃)〜250℃、昇温速度10℃/min)により測定した各種アウトガスの総量が、テープ重量に対して5000重量ppm以下であることを特徴とする半導体ウエハ加工用粘着テープ。
  3. 前記中間樹脂層組成物の前記粘着成分がアクリル系粘着剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
  4. 前記中間樹脂層組成物の前記粘着成分が、メタクリル酸n−ブチルとヒドロキシエチルアクリレートの(メタ)アクリル酸エステル共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
  5. 前記基材フィルムとしてポリエステル系樹脂を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
  6. 前記粘着剤層の主成分がアクリル系粘着剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体ウエハ加工用粘着テープ。
  7. 基材フィルム上に粘着成分と硬化成分とを含む中間樹脂層組成物を塗布・乾燥して中間樹脂層を形成する工程と、
    前記中間樹脂層上に粘着剤組成物を塗布・乾燥して粘着剤層を形成する工程と、
    を具備し、
    前記中間樹脂層組成物の前記硬化成分にイソシアヌレート型ポリイソシアネート硬化剤を含み、
    前記中間樹脂層組成物において、前記硬化成分に含まれる前記イソシアヌレート型イソシアネート硬化剤のイソシアネート基(NCO)の合計モル数(α)と、前記粘着成分に含まれる全てのヒドロキシル基(OH)の合計のモル数(β)の混合比を0.5≦α/β≦5とすることを特徴とする半導体ウエハ加工用粘着テープの製造方法。
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