JP5255148B1 - 津波避難地下シェルター - Google Patents

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Abstract

【課題】東日本大震災で二万人以上の市民が避難を完了することなくして亡くなった、それは避難施設までの移動距離が老人、子供、障害者などにとって非常に長いので、避難時間を大幅に短縮する工法を考案した。
【解決手段】
建築コンクリート基礎(4)に固着した地下シェルターであつて、上方には脱出エントランス(6)を有し、下方にはコンクリート製のシェルター本体(1)又は(2)を備え、脱出エントランス(6)とシェルター本体の間には脱出ハッチ(5)と脱出チューブ(20)
によってつながる地下シェルターである。
【選択図】図2

Description

本発明は、既設建築物の建物内部地下、外部地下に防災用避難シェルターに関する。
先ほど発生した東日本大震災において、午後2時過ぎの明るい時間帯にも関わらず
二万人を超す死亡者が発生した。
主な原因を考察すると、二つの重要な原因が考えられる。その壱は、どうせ津波
なんて来ないであろうという安堵に基づいた避難行動の開始の遅れ。
その弐としては、自宅等から避難場所への移動距離の長さや、土地の標高差がありすぎて、
短時間に避難を完了することが出来ないまま津波に呑み込まれてしまったことが原因と考えられる。
要するに、避難時間が短すぎるということである。通常の社会生活において、緊急避難行動を開始するに当たって最も不利な状況を仮定してみる。冬季、雨天、真夜中、就寝時、入浴時、老人、病人、子供、離島、海岸線、小規模集落などが要件として考えられる。
このような要件が2つ、3つ重なった条件を持つ市民が、最低限の準備を整えて5分以内に自宅から避難行動を開始することが出来るであろうか。ほとんどの人は、不可能と言わざるを得ない。避難時間の短縮のためにこの工法を考案した。
仮にもし、自宅の内部に避難用の地下シェルターがあったならば、かなりの人が津波に巻き込まれることから救うことが出来たであろう。
特開2003―20663号公報
従来の常識的な工法では、シェルター本体を従来の比重1.8〜2.35g/cmを持ったコンクリート材料を使用して地下に現場施工する方法が一般的であった。しかし、従来の工法で建物の内部地下に現場施工するには作業工程が複雑で手間とコストがかかり、工事期間が長期間に渡り、コストも割高になることが問題点であった。また、従来型の地下埋設型シェルターは酸素の取り入れ方法についての具体的解決策がないという問題点もあった。
現在発売されているシェルターには、2種類ある。1つは、海面浮上式である。確かに津波に呑まれて溺死する危険性は軽減されているが、いったん引き潮に乗ってしまい外洋に出てしまったらならば、容易に発見されることはない。津波の発生が深夜ならば、早朝まで捜索は行われないことを前提に考えれば、救助されるまでに相当な距離を外洋に流されてしまっている。もう1つは地下埋設型で完全密閉式のものである。これも確かに、溺死する危険性がかなり軽減されているものの、酸素ボンベと二酸化炭素吸着式清浄機を併用しても、6時間から8時間の酸素の確保しかできない。もし、脱出口が瓦礫で埋まり、酸素の確保がされている間にシェルターから脱出もしくは外気取り入れが出来ない場合は、シェルター内で酸素欠乏にて死にいたる。このような問題点をすべて解決した発明を考案した。
本願出願の発明は、請求項1に記載のとおり建築コンクリート基礎(4)に固着して設ける地下に設ける地下シェルターであって、表面保護コンクリート(3)を介して出入り口を有する脱出エントランス(6)を上方に有し、下方には一層構造又は、二層構造のコンクリート製のシェルター本体(1又は2)を備えており前記脱出エントランス(6)とシェルター本体(1又は2)の間には、開閉可能な防水ハッチ(5)を備えた脱出チューブ(20)を有し、前記脱出エントランス(6)の下部は前記表面保護コンクリート(3)に固着すると共に、当該表面保護コンクリート(3)と前記シェルター本体(1又は2)とは、シェルター本体(1又は2)と一体化された脱出チューブ(20)の上部固着したことを特徴とする地下シェルターである。
又、請求項2としてコンクリート製のシェルター本体(1又は2)は、比重0.6〜2.35g/cmのコンクリート又は、コンクリートと金属板からることを特徴とする請求項1記載の地下シェルターである。
また、請求項3として脱出エントランス(6)は、コンクリート製であって、壁又は、天井に脱出ハッチ(10)及び壁に小規模ハッチ(11)を各々1個以上設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載の地下シェルターである。
本発明は、建物内部に設置、搬入を容易にするために鉄筋コンクリート製のシェルター1及び2を考案した。コンクリートの比重0.6〜2.35g/cmの材料によりシェルター本体1、2を工場内製造にて完成品または、準完成品のものを使用することを考案した。
形状については、立方体、円筒体、多面体とし軽量コンクリート材料又は、金属材料の物性上可能な範囲とする。
また、地上部には空気の取入口の為の小規模ハッチ11及び、自力脱出する為の脱出ハッチ10を装備した脱出エントランス6を配置した。小規模ハッチ11は扉と框とも鉄製であり、扉と框の間はブチルゴム製の防水パッキンで水密性能を確保した。
脱出ハッチも扉と框の隙間には、ブチルゴム製の防水パッキンを装着した。
本体のサイズも比較的小さいものを前提とした。収容人数が1人から30人程度のものを想定して、容積量も1.0〜40mまでのものとした。1人当たりの必要容積は、1.0〜1.5mと考える。
少数人数対応このシェルターを考案した最大の理由は、大規模なシェルターだと、震災瓦礫によって脱出口が塞がれてしまった場合には、自力による脱出は全く不可能と考えられる。
一方、小規模なシェルターを沢山作るという意味は、近隣にあるすべてのシェルターが瓦礫によって脱出が不可能となることはありえないからである。
たとえて考えるならば、100人の市民を一つのシェルターに避難させる場合と、10人用のシェルターに10箇で避難させる場合を比べれば明白であろう。
東日本震災の実例から考えて、自衛隊、消防隊、警察などの到着は少なくても24時間近くはかかることを前提としておいた方がよい。仮に、早期に到着して捜索を開始しても、手がかりの少ない初期のうちは闇雲に探す非効率な捜索行動になってしまう。
だが、小規模シェルターからの脱出に成功した地元の被災者は、現地の状況を誰よりも把握しているので、救出活動への初動が迅速となる。
この工法は、現場での施工時間も短い。従来の現場施工では30〜50日程度必要であるところ、7〜10日程度で完成する。特に、国内の離島、海岸線の小規模集落に設置するにも、小型クレーンのみの用意が必要である。普及の速度も期待できる。近い将来には、全世界の海抜ゼロメートル地帯への普及ができる。工場製造済みのコンクリート製品は、運搬、設置時のみに建設重機などか必要となるのみで、国内の離島や小規模集落、ましてや開発途上国において普及が進む可能性が大きい。
もう一つの利点は、政府などの援助金を待たずに個人負担で工事に着手できる程度の価格帯で販売できることが、最大の利点である。新築住宅の建設時においての避難シェルターの開発は他にも多々あるが、既設の建物については他にない。今後の普及速度の高速化も可能となる。
本発明の全体の平面図を示す。 本発明の縦断図を示す。 本発明のシェルター本体の縦断図を示す。 本発明の脱出エントランスの斜視図を示す。 本発明のシューター本体の縦断図を示す。 (1)は二層式シェルター (2)は一層式シェルター。 分割式シェルター縦断面図を示す。 本発明の脱出エントランスの鉄筋図を示す。(1)は正面図 (2)は背面図 (3)右側面図 (4)は平面図を示す。 本発明のスペーサーの図面を示す。 (1)は斜視図 (2)は側面図を示す。 本発明のシェルター本体の地上設置の断面図を示す。 (1)は縦断面図 (2)は平面図を示す。 本発明のシェルター本体の半地下設置の断面図を示す。 (1)は縦断面図 (2)は平面図を示す。
基本的に、建築工事に於いて床や下地の撤去が完了していることを前提とする。
図2に於いて、本体を設置するにあたって建物22内部の地面に縦横の外周ともにシェルター本体の外部寸法よりも50cm程度大きい寸法で掘り下げる。深さは、建築基礎コンクリート4と土圧の関係があるために一定とはならないが、約2m程度掘削を行う。事前調査の場合によっては、土留工事を行う必要となる場合がある。もし必要となれば、土留工事も同時に進める。土留工事としては、木製矢板にアルミ製の腹起しを使用することが前提として考えられる。
シェルター本体2は、天井、四方向の壁及び床の6面はいずれも鉄筋コンクリート材料を使用した2層構造とした。又は、シェルター本体1が6面の全てが1層構造とした。
人力掘削及び超小型の掘削機を使用して所定の深さまで彫り上げる。掘削作業中は、建物の本体の挙動に注意を払いながら作業を進める。特に1.0m以降の掘削深度には、注意を要する。掘削完了後は、エンジン式プレートにて転圧を行い、続いて砕石を敷きならす。砕石の材料は、再生骨材のJIS規格RC25を使用する。砕石の敷均し後は、エンジンプレートにて転圧作業をして平坦化を図る。
続いて、基礎コンクリート7の打設を行う。厚さは10cmとする。コンクリート材料は、普通ポルトランドセメントを使用する。工事日程の短縮が必要な場合は、早強コンクリートを使用して硬化時間の短縮を行う。コンクリートの圧縮強度は180kgf/cm、スランプ値は10〜18cmとする。木コテ押えは、極力水平に仕上げる。工場製作でシェルター本体が単体の物は、そのまま据え付けを行う。
図6より、工場製作においてシェルター本体が分割式の物は、最初に分割式シェルター下部24を同様の工法にて据え付けた後、分割式シェルター上部23を分割式シェルター下部24の上に据え付けを行う。その後に、結合ボルト27及び結合ナット28にて接合作業を完成させる。
図5(1)において、屋内に設置した場合のシェルター本体1、2の構造について述べる。鉄筋コンクリート製であって、外部シェルター本体13、内部シェルター本体14は軽量コンクリートを使用する場合については、比重が0.6〜1.8g/cmの物を使用する。金属製のシェルターとの複合構造の場合は、外部、内部シェルター本体の金属材料の比重は、1.75〜7.80g/cmのものを使用する。軽量コンクリートで製作した場合の壁の厚みは、一層構造シェルター本体1は10〜25cm、二層構造シェルター本体2は20〜35cmとし、空洞部の厚さは5〜10cmに考案した。金属材料を複合して使用する場合の金属材料の厚さは、1.0〜9.0mmまでとした。
シェルター本体1、2の材料の構成は、外部シェルター本体13は軽量コンクリート材料で比重0.6〜1.8g/cmのもので造り、内部シェルター14は、金属又は樹脂材料で造る複合構造も考案した。
図5(2)より、コンクリート製で一層構造にて製作する場合は、コンクリートの比重が0.6〜1.8g/cmのものを使用することを考案した。
二層構造シェルター本体2の場合は、外部シェルター13と内部シェルター14の間に補強のためにスペーサー15を取り付ける。その理由は、地上面に露出してしまった場合、濁流内の瓦礫と接触した時に衝撃を受けて内部シェルター14が破損することを防止するために衝撃吸収することを考案した。
図8より、スペーサー15は金属製、樹脂製のものを使用する。金属製は鉄製でメッキを施した厚さ5〜15mmとした。スペーサー15の外部シェルター13側は、コンクリート内部に定着ボルト29を呑込ませる設置となる。内部シェルター14側は円錐形状であり、コンクリート内に呑み込ませず設置面積を大幅に増やした設計とし、接触するだけとした。定着ボルトは、鉄製で外径10〜20mmのものと考案した。鉄筋の配筋は、シェルター本体1、2ともたて筋16、よこ筋17はJIS規格D13〜D22をそれぞれ縦横共に15〜20cmの間隔で配置するよう考案した。4図(2)より、一層構造本体1の帯筋18も、15〜20cmの間隔で配置するよう考案した。
図5(1)より、外部と内部の間には樹脂素材の発砲断熱材26を使用することによって断熱効果のさらなる向上も考案した。
図6より、シェルター本体1、2が建物22内部に搬入が困難な場合は、分割式とできるよう考案した。分割シェルター上部23と分割シェルター24の2分割となるよう考案した。接合部には、ブチルゴム製の止水パッキン29を挟み、上部と下部をステンレス鋼製の結合ボルト27と結合ナット28で固定する。結合ボルト27が貫通する部分は、ステンレス鋼製のさや管をコンクリート内に事前に打ち込んでおくことを考案した。
防水ハッチ5は、脱出チューブ20と一体化している。また、脱出チューブ20は金属製、樹脂製であり、シェルター本体1、2と工場製作の過程で一体化させる。脱出チューブ20は、シェルター本体1、2と防水ハッチ5を繋ぐ重要な部位なので水密性と耐衝撃性能を持った強度とする。鋳鉄製であれば厚さ3〜5mm程度とする。樹脂製であれば、鋳鉄製と同程度の強度のものとする。
標準家庭に対応する本体のサイズは、1人当たり1.5mの必要空間として換算とする。一般家族用が4人の収容とする。4人×1.5m=6.0mとなる。幅1.5m、高さ1.5m、長さ2.7mほどの内部サイズとなる。既設建物や収容人数などの条件によってシェルター本体のサイズの変更が可能である。このシェルター内の酸素容量では、30分程度しか酸素呼吸が持たないので、事前に搭載してある酸素ボンベからの酸素供給を行う。酸素ボンベについては、収容人数、子供、大人などの条件によって異なるので、12時間はシェルター内部に滞在できるための容量を確保する。
ラジオなどからの情報に基づき、6〜12時間後に脱出エントランス6にある何れかのハッチの開放を試みる。脱出ハッチ10が全開できれば、即時に問題解決となる。しかし、脱出ハッチ10が全開できない場合は、いずれか他のハッチの開放を試みる。何れか1個のハッチが内側への開放が成功すれば、酸素の確保ができる。小規模ハッチ11及び脱出ハッチ10は、脱出に有利な内開きとした。
外部シェルター13と内部シェルター14との間には、スペーサー15を設けて中が中間層となるような構造に組み立てる。図5(1)より、スペーサー15は図のように補強効果を有し、一定の間隔を確保する。外部からの衝撃を受けて、外部シェルター13が破損した場合においても、水が内部シェルター14に浸入することを防止する。ある程度の間隔を確保することによって、水の侵入可能性を極力小さく抑えることを確保することを考案した。
基本的には、地下に埋設するのが前提であるので、水に対しての浮力を考慮に入れる必要がない。しかし、建物の敷地条件によっては東日本大震災において、敷地自体が洗い流されたケースがある。そのような場合は、浮力を利用して水平な状態のまま、上昇をした方が救助を待つためにも有利となる。一層構造の地下タンクが水に洗い流されて、瓦礫の破壊力よってタンク本体が壊滅した事例があった。
また、二層構造であることから、断熱の効果も期待できる。東日本大震災のように、冬季で寒冷地に於いて、水中で救助を待つのに断熱仕様は生存率を上げる。その上に、濁流に呑まれた場合は、鉄骨などの多くの瓦礫と衝突することが予測されるので、シェルター本体の破損によって沈没する危険性を減少させた。地下に設置するタイプの物には、発泡性の樹脂系断熱材を取り付けると断熱性能がより一層向上するよう考案した。
埋戻しに当たっては、人力作業によって掘削した残土を再利用して行うが、残土の中にコンクリートガラ、砕石が混じっている場合は、シェルター本体1、2を痛める可能性があるので、洗浄済み海砂を使用する。この際、砂の水分が乾燥した状態のものを使用し所定の高さまで埋め戻す。建物の敷地の条件によっては、JIS規格単粒度砕石にて埋め戻す。一部盛土地盤などがあると、盛土部分が津波に洗い流されるために、建築コンクリート基礎4が水平で残される可能性が低いからである。シェルター本体が反転して、脱出ハッチが塞がれることに対しての防止対策である。そのような場合には、埋戻しの際にJIS単粒度砕石によって埋戻しを行う。JIS単粒度砕石の隙間から水を取り入れてシェルター本体1、2の浮力によって水平な状況を確保することを目的とする。図3参照
図3により、表面保護コンクリート3の打設については、建築コンクリート基礎4に振動ドリルを使って内径18mmの穴をあけて、その中にケミカルアンカーを使用してJIS規格異形鉄筋D13、16を定着させる。その後、JIS規格異形鉄筋D13を縦横15cmの間隔で敷き並べて、鉄製結束線にて結合する。結合が済んだ後はコンクリート製のスペーサーを鉄筋の下側に1平方メートルに付き1つの割合で下側に挟む。表面保護コンクリート3打設の前には、建築コンクリート基礎4に十分な水を撒き接着性を確保する。
表面保護コンクリート3の打設厚は、15〜35cmとする。コンクリート材料は、比重が1.8〜2.35g/cmの普通ポルトランドセメントでよいが、工期短縮の必要があるならば早強コンクリートを使用する。また、海岸線に比較的に近い場合は耐塩害性に強い高炉セメントB種を使用することとする。コンクリートの強度は、210〜400Kgf/cm、スランプ値は12cmとする。
図4より、上部の脱出エントランス6の定着用のエントランス定着アンカー12も同時に埋め込む。表面保護コンクリート3の養生期間は、初期強度が発生するまでの期間を必ず確保する。工期の短縮を計るのであれば、早強コンクリートを使用する。
ここで、最も重要なことは、建築コンクリート基礎4と脱出エントランス6と表面保護コンクリート3が一体化となることである。東日本大震災の例から分析しても、建築コンクリート基礎4が残される可能性が高いからである。
脱出エントランス6は工場製造のプレキャストコンクリートとする。コンクリートの厚みは、15〜30cmを基準とする。コンクリート強度は210〜400kgf/cmとする。コンクリートの比重は、0.6〜2.35g/cmのものを使用する。
図7より、内部の鉄筋は、JIS規格異形鉄筋D10〜D40程度で縦横の配筋を行う。また、端部には、補強鉄筋の挿入を行う。 脱出ハッチ10、小規模ハッチ11の周りにも補強鉄筋を配置した。4人用のサイズは、幅1.0m、高さ1.5m、長さ2.0mとする。高さについては、津波によるモーメント力の軽減を計る為に低めに設定した。
また、脱出ハッチ10、小規模ハッチ11、防水ハッチ5は、金属製のものとする。框と扉の間は、ブチルゴムの防水パッキンを装備して水の侵入を防ぐ。エントランス定着アンカー12は、ステンレス製または、鉄製の防食メッキを施した直径20〜90mmのボルト構造のものとする。ナットも同素材の物を使用し、ダブルナット締めとする。
図4より、表面保護コンクリート3が硬化後に脱出エントランス6の据え付けを行う。この部品だけは、重量があるので小型クレーンにて、建物内部に搬入する。先行して表面保護コンクリート3に埋めてあるエントランス定着アンカー12に合わせて据え付ける。据え付け後は、ナットにて締め付けを行う。ナットの締め付け作業は、すべてのナットが均一になるように、トルク式レンチを使用する。また、津波による横からのモーメント力に対抗できるように、建築復旧工事に影響がなければ、表面保護コンクリート3をさらにもう一度打設することとする。
脱出エントランス6を設置した後は、一般建築工事によって内装工事の復旧を行う。床下がコンクリートなので発泡断熱材を敷きつめて、フローリング仕上げが工期短縮で工事ができる。
このように、施工後は屋内に畳1、2枚の面積の突起物が屋内に残るだけである。
図2により、屋外埋設した場合のシェルター本体1、2の据付について説明する。内部地下埋設した場合と異なる点は、1点だけである。表面保護コンクリート3についてである。屋外埋設した場合は、建築コンクリート基礎4がほとんど利用できないので、表面保護コンクリート3の厚さを30センチメートル以上とする。敷地全体が盛土地盤又は、一部が盛土地盤であるところはさらに注意が必要である。津波による表面の洗い流し作用と横からのモーメント作用の2つに対抗する対策が必要である。敷地調査の結果必要であれば、表面保護コンクリート3の厚さを増加させる。敷地地盤に喰いこむ構造の表面保護コンクリートL字型25に変更する。
屋外設置した場合は、シェルター本体1又は2の平面的な設置場所を玄関すぐ横、寝室すぐ前、前庭など避難時に飛び込み易い場所を選定する。敷地が広い場合は、出来る限り建築物基礎以外の既設コンクリート構造物に接合する。
また、本体は二層構造とし、内部シェルター14と外部シェルター13との空間はスペーサー15を設置し、浮力を得るための構造とした。また、不幸にも本体が地中より露出してしまった場合には、浮力により水平バランスを保ったままで浮上することができる。屋外埋設の場合に、シェルター本体2が露出した場合は断熱層となり、寒冷地などに於いての避難時には、効力が発揮できる。津波による横からのモーメント、キャビテーション、エロージョンから守るために表面保護コンクリート3は、建物コンクリート基礎4と一体化させることによって、水の浮力に対して抵抗することを考案した。
脱出エントランス6は、工場製造のプレキャストコンクリート製のものとした。この脱出エントランス6には、1個から3個の脱出ハッチ10及び1個から4個の小規模ハッチ11を装備する。
脱出エントランス6を敢えて重量のあるプレキャストコンクリート製としたのは、東日本大震災で木造家屋、軽量鉄骨家屋の殆どの部位を流されてしまったが、建築コンクリート基礎4と床土間コンクリートが残されたケースが多かったことを根拠とした。建築コンクリート基礎4より上部では、比重の重いコンクリートでないと津波撤退の後には、全く何も残らないことが実証ずみであることを開発の根拠とした。
津波によっての水没後の数時間から12時間程度は、水の流入によりすべての脱出ハッチ10及び小規模ハッチ11は開けることが出来ない。しかし、その後は自力で脱出を試みることが出来る。もし、震災瓦礫によって自力脱出できない場合においても、脱出ハッチ10及び小規模ハッチ11が少しでも空けば、生存の為の酸素の確保ができる。震災瓦礫に埋まってしまっても、どれか1つのハッチがわずかでも開けば外部救助までの時間が稼げる。
最後に、建物22の内部に地下埋設が出来ない場合又は屋外の地下埋設が出来ない場合に於いて、シェルター本体1又は2の地上設置及び半地下埋設について説明する。本来、建物内部地下又は、屋外地下に設置するために軽量コンクリートを使用することにこの発明の価値がある。しかし、狭小なわが国の土地事情を考えると、多様性を持たせる必要がある。地上設置の場合は、津波の濁流を直接受けるので、横モーメントに対抗できる質量のモーメント基礎33を造る。
横モーメントに対抗するだけの十分な質量のコンクリート基礎体とする。厚さの厚い部分は、表面保護コンクリートの3倍以上の厚さを確保することを考案した。
そして、モーメント基礎33の中にU字ベースアンカーボルト31を埋め込む。同時に、工場製作においてシェルター本体1又は2にU字シェルターボルト30を埋め込んで製作する。現地に据え付けを行った最後にステンレスワイャー32によって、結合を行う。
半地下埋設の工法は、シェルター本体1又は2の高さの半分に加え、基礎コンクリート7の打設厚さの分だけ掘削を行う。そのあとに、基礎コンクリート7の打設を行った後に硬化時間の経過後に、シェルター本体1又は2の据え付けを行う。据え付けを完了した後に、掘削土を使用して地盤面の高さまで埋め戻す。エンジンプレートを使用して転圧完了後に地上に露出した部分を保護するために、法面処理34を行う。この処理は、津波による横からのモーメント力を緩和する目的で行うものである。この際、敷地地盤が盛土地盤のように不良な場合は、法面処理34の内部に異形鉄筋JISD13を縦横に20cmで配置することとした。
海外に生産を拡大した場合には、超軽量コンクリートを使用することにより、生産工場から設置現場へも比較的小さなトラックで運搬が可能である。アジア、アフリカ、太平洋の島国など開発途上国の普及にも、非常に有効な発明である。金属製、樹脂製のものと比べると、耐塩害性についても有利な素材を使用することで、メンテナンスに手間がかからない。先行出願を拝見すると共鳴する発明がいくつか存在したが、一般社会への普及を考えると高額で大規模なものがほとんどで、普及に至らないものが多くあった。安い値段で普及する発明を今回目指した。部品の製造拠点は、出来れば東北地域の業者を選定したい。また、国内需要を想定すると他の発明と異なり、復旧のために建物の内部改修工事を必然とされるので、地方の建築、建設業者への工事の発注量の増加が見込まれることを考えれば、内需拡大対策となる。なお、今回の発明のように小規模のシェルターは、21世紀以降の世界に於いて大多数の人命を救う工法と考える。
1 一層構造シェルター本体
2 二層構造シェルター本体
3 表面保護コンクリート
4 建築コンクリート基礎
5 防水ハッチ
6 脱出エントランス
7 基礎コンクリート
8 昇降階段
9 ケミカルアンカーセット
10 脱出ハッチ
11 小規模ハッチ
12 エントランス定着アンカー
13 外部シェルター
14 内部シェルター
15 スペーサー
16 たて筋
17 よこ筋
18 帯筋
19 補強筋
20 脱出チューブ
21 定着ボルト
22 建物
23 分割式シェルター上部
24 分割式シェルター下部
25 表面保護コンクリートL字型
26 発泡断熱材
27 結合ボルト
28 結合ナット
29 止水パッキン
30 U字シェルターアンカーボルト
31 U字ベースアンカーボルト
32 ステンレス鋼ワイヤー
33 モーメント基礎
34 法面処理

Claims (3)

  1. 建築コンクリート基礎(4)に固着して用いる地下に設ける地下シェルターであって、表面保護コンクリート(3)を介して出入り口を有する脱出エントランス(6)を上方に有し、下方には一層構造又は、二層構造のコンクリート製のシェルター本体(1又は2)を備えており脱出エントランス(6)とシェルター本体(1又は2)の間には、開閉可能な防水ハッチ(5)を備えた脱出チューブ(20)を有し、前記脱出エントランス(6)の下部は前記表面保護コンクリート(3)に固着すると共に、当該表面保護コンクリート(3)と前記シェルター本体(1又は2)とは、シェルター本体(1又は2)と一体化された脱出チューブ(20)の上部固着したことを特徴とする地下シェルター。
  2. コンクリート製のシェルター本体(1又は2)は、比重0.6〜2.35g/cm
    のコンクリート又は、コンクリートと金属板からることを特徴とする請求項1記載の地下シェルター。
  3. 脱出エントランス(6)は、コンクリート製であって、壁又は天井に脱出ハッチ(10)及び壁に小規模ハッチ(11)を各々1以上設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載の地下シェルター。
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