JP5254870B2 - 熱伝導性シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シートの厚み方向に熱を伝達する熱伝導性シートに関する。
電子機器には、ICチップ等の発熱部品が搭載されている。電子機器の動作を安定化させるには、発熱部品からヒートシンク等の冷却部品に熱を逃がす必要がある。このため、電子機器には、発熱部品を放熱すべく熱伝導性シートが用いられている。
熱伝導性シートは、シートの厚み方向に熱を伝達するように形成されている。このため、熱伝導性シートは、発熱部品と冷却部品とに対しそれらの間に挟まれて固定されることにより、発熱部品から冷却部品へと熱を効率良く伝達することができる。よって、熱伝導性シートには、シートの厚み方向に高い熱伝導性が要求されている。また、熱伝導性シートには、発熱部品や冷却部品との密着性を確保するため、軟質性も求められている。
例えば、特許文献1〜特許文献3には、シート状に形成された熱伝導性成形体が開示されている。上記各文献に開示の熱伝導性成形体は、高分子マトリックスと、熱伝導性充填材としての炭素繊維とを含む。炭素繊維は、高分子マトリックス中に均一に分散すると共に、シートの厚み方向に沿って配向されている。このため、熱伝導性成形体は、シートの厚み方向に20W/m・K以上の高い熱伝導率を有している。
特開2007−326976号公報 特開2006−335958号公報 特開2006−335957号公報
ICチップ等の電子部品においては、電子回路の誤動作や半導体素子の損傷を回避するため、静電気放電対策、即ち、ESD対策が施されている。また、電子部品には、安全上の規格を満たすため、グラウンド接続等の対策が施されている。一般に、ESD対策に対応する電気抵抗の目標値は100Ω以下であり、グラウンド接続に対応する電気抵抗の目標値は1Ω以下である。熱伝導性シートにおいても、電子部品と同様に、ESD対策やグラウンド接続に対応する電気抵抗の目標値と同レベルの導電性が要求されることがある。このような熱伝導性シートを作製するには、高分子マトリックス中の導電性充填材の含有量を増やすことが考えられる。
しかしながら、上記各文献に開示されているように、導電性充填材が炭素繊維である場合、炭素繊維の含有量の増大に伴い、熱伝導性成形体を形成する成形材料の粘度も上昇する。そのため、炭素繊維を一方向に配向させることが難しくなり、シートの厚み方向の熱伝導性が低下する。また、炭素繊維の含有量の増大に伴い、熱伝導性シートの柔軟性も失われる。このように、熱伝導性シートの機能や特性を維持しつつ、ESD対策やグラウンド接続に要求されるレベルにまで導電性を高めることは困難である。
本発明の目的は、シートの厚み方向における熱伝導性が高く、ESD対策やグラウンド接続に要求されるレベルの導電性を有し、かつ柔軟性に富む熱伝導性シート及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、高分子マトリックスと炭素繊維とを含み、高分子マトリックス内で炭素繊維がシートの厚み方向に沿って配向されている熱伝導性シートにおいて、熱伝導性シートは、更に、球状カーボンを含み、球状カーボンは、炭素繊維間に位置しており、シートの厚み方向における体積抵抗率は1×10Ω・cm未満であることを要旨とする。
この構成によれば、球状カーボンが配合されることにより、熱伝導性シートを形成する成形材料の粘度が低く抑えられる。よって、炭素繊維の配向が容易に行えるため、シートの厚み方向に高い熱伝導性を有することができる。また、熱伝導性シートの柔軟性が失われることもない。更に、球状カーボンを介して複数の炭素繊維が互いに接続されるため、熱伝導性シートの熱伝導性に加え、導電性を向上させることもできる。従って、シートの厚み方向における熱伝導性が高く、ESD対策やグラウンド接続に要求されるレベルの導電性を有し、かつ柔軟性に富む熱伝導性シートを提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、球状カーボンはガラス状カーボンビーズであることを要旨とする。
この構成によれば、ガラス状カーボンビーズは、表面が平滑で、ビーズ同士の付着が少ないため、熱伝導性シートの成形材料の粘度を低く抑えることができる。また、ガラス状カーボンビーズは高い導電性及び熱伝導性を有しているため、熱伝導性シートの導電性及び熱伝導性がより一層向上する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、炭素繊維の平均繊維長は5μm〜10000μmであることを要旨とする。
この構成によれば、熱伝導性シートの成形材料中において、炭素繊維を容易に配向させることができる。また、球状カーボンを介して複数の炭素繊維が互いに接続されることにより、所望の熱伝導性及び導電性を得ることもできる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、炭素繊維の端面は、熱伝導性シートの表面から表出していることを要旨とする。
この構成によれば、炭素繊維の端面が高分子マトリックスにより覆われていないため、ICチップ等の発熱部品やヒートシンク等の冷却部品に対し直接的に炭素繊維を接触させることができる。よって、熱伝導性シートの熱伝導性及び導電性がより一層向上する。
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の発明において、炭素繊維の端面は、平坦に潰されていることを要旨とする。
この構成によれば、炭素繊維の端面が平坦であるため、熱伝導性シートの表面に生じる凹凸を小さく抑えることができる。これにより、発熱部品や冷却部品に対する炭素繊維の接触面積を増大させることができる。よって、熱伝導性シートの熱伝導性及び導電性が更に向上する。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、シートの厚み方向における熱抵抗値は0.5℃/W以下であることを要旨とする。
この構成によれば、発熱部品と冷却部品とに対しそれらの間に熱伝導性シートを固定することにより、発熱部品から冷却部品へと熱を効率良く逃がすことができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の発明において、厚みが0.5mmである熱伝導性シートは、UL94規格においてV−0の難燃性を有していることを要旨とする。
この構成によれば、熱伝導性シートを、ICチップ等の発熱部品を搭載した電子機器等に適用することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の発明において、熱伝導性シートの比重は2.0以下であることを要旨とする。
この構成によれば、熱伝導性シートの重量が小さく抑えられるため、電子機器の軽量化に寄与することができる。
請求項9に記載の発明は、高分子マトリックス、炭素繊維、及び球状カーボンを含み、高分子マトリックス内で炭素繊維がシートの厚み方向に沿って配向され、球状カーボンが炭素繊維間に位置しており、シートの厚み方向における体積抵抗率が1×10Ω・cm未満である熱伝導性シートの製造方法において、高分子マトリックスに炭素繊維と球状カーボンとを配合して混合することにより、成形材料を調整する調整工程と、成形材料に磁場又は電場を印加して炭素繊維を一方向に配向させる配向工程と、成形材料を固化して成形体を形成する成形工程とを備えることを要旨とする。
この構成によれば、シートの厚み方向における熱伝導性が高く、ESD対策やグラウンド接続に要求されるレベルの導電性を有し、かつ柔軟性に富む熱伝導性シートを製造することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項9記載の発明において、炭素繊維と交差する方向に沿って成形体をスライスすることにより、熱伝導性シートの表面から炭素繊維の端面を露出させる露出工程を備えることを要旨とする。
この構成によれば、熱伝導性シートの熱伝導性及び導電性をより一層向上させることができる。
請求項11に記載の発明は、請求項10記載の発明において、炭素繊維の端面を平坦に潰すため、熱伝導性シートの表面から露出した炭素繊維の端面を研磨する研磨工程を備えることを要旨とする。
この構成によれば、熱伝導性シートの熱伝導性及び導電性を更に向上させることができる。
シートの厚み方向における熱伝導性が高く、ESD対策やグラウンド接続に要求されるレベルの導電性を有し、かつ柔軟性に富む熱伝導性シート及びその製造方法を提供することができる。
本発明の熱伝導性シートの断面図。 本発明の熱伝導性シートの断面図。 本発明の熱伝導性シートの断面図。 本発明の熱伝導性シートの断面の電子顕微鏡写真。 本発明の熱伝導性シートの断面の電子顕微鏡写真。
以下、本発明の熱伝導性シートを具体化した一実施形態について図1〜図3を参照して説明する。
図1に示すように、熱伝導性シート10は、高分子マトリックス11、炭素繊維12、及び球状カーボン13を含む。炭素繊維12は、高分子マトリックス11内でシートの厚み方向に沿って配向されている。球状カーボン13は、シートの厚み方向に沿って配向された炭素繊維12間に位置している。また、シートの厚み方向における体積抵抗率は1×10Ωcm未満である。本発明の熱伝導性シート10は、柔軟性に富み、シートの厚み方向に高い熱伝導性を有し、ESD対策やグラウンド接続に要求されるレベルの導電性を有している。
高分子マトリックス11は、炭素繊維12及び球状カーボン13を熱伝導性シート10内に保持する。高分子マトリックス11は、熱伝導性シート10に要求される機械的強度や耐熱性、及び電気特性等に応じて選択される。このため、高分子マトリックス11には、液化状態で低い粘度を有し、固化状態で低い硬度を有する材料が用いられ、具体的には、公知の合成樹脂、合成ゴム、熱可塑性エラストマー等が用いられる。公知の合成樹脂として、好ましくは、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が用いられる。合成ゴムとして、好ましくは、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、及びポリイソブチレンゴム等が用いられる。熱可塑性エラストマーとして、好ましくは、スチレン系熱可塑性エラストマーが用いられる。
炭素繊維12は、熱伝導性充填材として、高分子マトリックス11内に含有されている。炭素繊維12は、ピッチ類を原料として製造される炭素繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)を原料として製造される炭素繊維、メソゲン基を有する液晶性高分子繊維を炭化及び黒鉛化して得られる炭素繊維、又はそれらの組合せからなる。本実施形態において、繊維軸方向の熱伝導性及び導電性をより高くするため、炭素繊維12は、黒鉛化されていることが好ましい。
炭素繊維12は、高分子マトリックス11内でシートの厚み方向に沿って配向されている。炭素繊維12の長さは、後述する調整工程で他の材料と混合し易く、かつ炭素繊維12の配向を容易に行えるように、所定の範囲に設定されている。具体的には、炭素繊維12の平均繊維長は、5μm〜10000μmであり、好ましくは、50μm〜6000μmであり、より好ましくは、100μm〜200μmである。炭素繊維12の平均繊維長が10000μmよりも長い場合、高い熱伝導性や導電性が得られるものの、他の材料との均一な混合や炭素繊維12の配向が困難になる。一方、炭素繊維12の平均繊維長が5μmよりも短い場合、高い熱伝導性や導電性を得ることができない。
球状カーボン13は、炭素繊維12と共に、熱伝導性充填材として、高分子マトリックス11内に含有されている。球状カーボン13は、シートの厚み方向に沿って配向された炭素繊維12間に位置している。このため、複数の炭素繊維12は、一又は複数の球状カーボン13を介して互いに接続されている。球状カーボン13は、熱硬化性樹脂からなり、具体的には、アルキド樹脂、アリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、ジビニルベンゼン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、キシレン樹脂、ユリア樹脂、アクリル樹脂、及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。
球状カーボン13は、球状の樹脂ビーズを炭化することにより形成されている。このため、球状カーボン13は、原料である樹脂ビーズと同じく、ほぼ真球に近い形状を有している。球状カーボン13として、表面が平滑で、ビーズ同士の付着が少なく、高い導電性及び熱伝導性を有しているとの理由から、ガラス状カーボンビーズ(アモルファスカーボン)を用いることが好ましい。ガラス状カーボンは、非常に均質かつ緻密な構造を有する炭素材料であり、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を所定の焼成条件により熱処理して形成されている。
球状カーボン13の大きさは、熱伝導性シート10の機能や特性を満たすように、所定の範囲に設定されている。具体的には、球状カーボン13の平均粒径は、5μm〜1000μmであり、より好ましくは、5μm〜100μmである。球状カーボン13の平均粒径が5μmよりも小さい場合、球状カーボン13による炭素繊維12間の接続が不十分となり、高い熱伝導性及び導電性が得られない。一方、球状カーボン13の平均粒径が100μmよりも大きい場合、熱伝導性シート10の表面に球状カーボン13による凹凸が形成されるため、熱伝導性シート10が固定される部品との密着性が確保できず、好ましくない。
図2に示すように、炭素繊維12の端面は、熱伝導性シート10の表面から表出していることが好ましい。この場合、熱伝導性シート10が固定される部品に対して炭素繊維12を直接的に接触させることができる。よって、発熱部品から冷却部品へと熱が一層伝達し易くなり、熱伝導性シート10の導電性を高めることもできる。また、炭素繊維12の端面は、図3に示すように、平坦に潰されていることがより好ましい。この場合、炭素繊維12の表出により形成される凹凸が小さくなり、熱伝導性シート10が固定される部品に対する炭素繊維12の接触面積が大きくなる。よって、発熱部品から冷却部品へと熱がより一層伝達し易くなり、熱伝導性シート10の導電性を一層高めることもできる。
本発明の熱伝導性シート10は、ESD対策やグラウンド接続に要求されるレベルの導電性を有している。具体的には、シートの厚み方向における体積抵抗率は、1×10Ωcm未満であり、好ましくは、1×10Ωcm未満であり、より好ましくは、1×10Ωcm未満である。熱伝導性シート10は、発熱部品から冷却部品へと熱を伝達するため、シートの厚み方向に低い熱抵抗値を有している。具体的には、シートの厚み方向における熱抵抗値は、0.5℃/W以下であり、好ましくは、0.4℃/W以下であり、より好ましくは、0.3℃/W以下である。
熱伝導性シート10は、電子部品内において発熱部品と冷却部品とに対しそれらの間に挟まれた状態で固定される。このため、熱伝導性シート10は、耐久性やハンドリング性等の観点から、所定の厚さ及び比重を有している。具体的には、熱伝導性シート10の厚さは、0.1mm〜10mmであり、好ましくは、0.15mm〜5mmであり、より好ましくは、0.2mm〜2mmである。厚さが0.1mmよりも小さい場合、強度や耐久性が不足し、ハンドリング性も低下するため、好ましくない。厚さが10mmよりも大きい場合、電子部品の小型化及び薄型化に寄与することができず、好ましくない。また、熱伝導性シート10の比重は、2.0以下であり、好ましくは、1.5以下である。比重が2.0よりも大きい場合、電子部品の軽量化に寄与することができず、好ましくない。
熱伝導性シート10は、電子機器に適用されるため、安全上の面から、難燃性を有するように設計されている。難燃性とは、素材の燃え難さを表す指標であり、一般的には、使用する素材に着火し、その燃え方や発煙等により燃え難さが判定される。本実施形態において、厚みが0.5mmである熱伝導性シート10は、UL94規格においてV−0の難燃性を有している。なお、ULは、米国の民間検査機関であるアンダーライターズ・ラボラトリーズ・インク(Underwriters Laboratories Inc.)が定めた燃焼性の安全規格である。UL規格では、難燃性のランクとして、燃え難い方から順に、5V、V−0、V−1、V−2、HBが設定されている。
次に、上記の熱伝導性シート10の製造方法について説明する。
熱伝導性シート10は、成形材料を調整する調整工程と、炭素繊維12を一方向に配向させる配向工程と、成形材料を固化して成形体を形成する成形工程と、熱伝導性シート10の表面から炭素繊維12の端面を露出させる露出工程と、熱伝導性シート10の表面から露出した炭素繊維12の端面を研磨する研磨工程とを経て製造される。
調整工程では、熱伝導性シート10の成形材料を得るため、まず、高分子マトリックス11に炭素繊維12と球状カーボン13とを所定量配合する。そして、脱泡操作を行いながら、混合することにより、成型材料を調整する。混合装置として、具体的には、ブレンダー、ミキサー、振動撹拌機、ロール、押出し機などの混合装置や混練装置が用いられる。
次に、配向工程が行われる。配向工程では、まず、成形材料を型に流し込む。そして、成形材料に含まれる炭素繊維12を一方向に配向させる。配向方法としては、磁場又は電場を用いる方法や、流動場や剪断場を用いる方法等が挙げられる。本実施形態において、炭素繊維12は異方性磁化率を有しており、その炭素繊維12が均一に配向し易いとの理由から、磁場又は電場を用いる配向方法を採用することが好ましい。この場合、磁場発生装置として、具体的には、永久磁石や電磁石、超伝導磁石などが用いられる。
調整工程及び配向工程中、成形材料の粘度は、均一な分散及び配向のため、高分子マトリックス11中を炭素繊維12及び球状カーボン13が円滑に移動できる程度に調整されていることが好ましい。また、配向工程中、炭素繊維12の配向を促進させるため、型内の成形材料に外部から振動を与えることが好ましい。振動は、高分子マトリックス11や球状カーボン13等を介して炭素繊維12に付与される。このため、特に、配向工程中、成形材料の粘度は、外部からの衝撃により同成形材料が流動できる程度に調整されていることが好ましい。具体的には、成形材料の回転粘度は、1rpm、25℃の条件下で、500,000mPa・s以下であることが好ましい。
また、配向工程中、外部から付与される振動の周波数、加速度、及び振幅は、炭素繊維12が振動により均一に配向されるように、所定の範囲にそれぞれ設定されている。具体的には、振動の周波数は、0.1Hz〜4500Hzであり、より好ましくは、1Hz〜100Hzである。また、振動の加速度は、1G以上であり、より好ましくは、30G〜50Gである。振動の振幅は、0.1mm〜20mmであり、より好ましくは、1mm〜20mmである。
次に、成形工程が行われる。成形工程では、炭素繊維12を一方向に配向したまま、成形材料を固化する。これにより、成形体が得られる。成形材料の固化は、高分子マトリックス11の種類に応じて、架橋反応や冷却固化等により行われる。熱伝導性シート10は、成形材料を最終形状と同形状のキャビティを有する型に流し込み、型成形することにより、一枚ずつ形成することができる。これとは別の方法として、ブロック状の成形体を型成形し、これをスライスすることにより、一つの成形体から複数の熱伝導性シート10を形成してもよい。
次に、露出工程が行われる。露出工程では、刃物などを用いて、炭素繊維12と交差する方向に沿って上記成形体、又は熱伝導性シート10の表面をスライスする。これにより、図2に示すように、炭素繊維12の端面が、熱伝導性シート10の表面から露出させられる。最後に、研磨工程が行われる。研磨工程では、研磨紙や布やヤスリなどを用いて、熱伝導性シート10の表面から露出した炭素繊維12の端面を研磨する。これにより、図3に示すように、炭素繊維12の端面が平坦に潰される。こうして、熱伝導性シート10が製造される。
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)熱伝導性シート10は、高分子マトリックス11、炭素繊維12、及び球状カーボン13を含む。炭素繊維12は、高分子マトリックス11内でシートの厚み方向に沿って配向されている。球状カーボン13は、熱伝導性シート10の厚み方向に沿って配向された炭素繊維12間に配置されている。
この構成によれば、球状カーボン13が配合されることにより、熱伝導性シート10を形成する成形材料の粘度が低く抑えられる。よって、炭素繊維12の配向が容易に行えるため、シートの厚み方向に高い熱伝導性を有することができる。また、熱伝導性シート10の柔軟性が失われることもない。更に、球状カーボン13を介して複数の炭素繊維12が互いに接続されるため、熱伝導性シート10の熱伝導性に加え、導電性を向上させることもできる。従って、シートの厚み方向における熱伝導性が高く、ESD対策やグラウンド接続に要求されるレベルの導電性を有し、かつ柔軟性に富む熱伝導性シート10を提供することができる。
また、炭素繊維12及び球状カーボン13はいずれも比重が小さいため、熱伝導性シート10の軽量化に寄与することもできる。また、炭素繊維12及び球状カーボン13の比重はいずれも高分子マトリックス11の比重と近いため、成形材料を調整する調整工程や炭素繊維12を配向する配向工程において、高分子マトリックス11中に炭素繊維12及び球状カーボン13を均一に分散させることもできる。更に、球状カーボン13は、その形状が真球に近いため、高分子マトリックス11中への高充填を可能にする。また、熱伝導性及び導電性の向上のため金属を充填する場合と比べて、難燃性を確保することもできる。
(2)球状カーボン13として、ガラス状カーボンビーズ(アモルファスカーボン)を用いることが好ましい。この構成によれば、ガラス状カーボンビーズは、表面が平滑で、ビーズ同士の付着が少ないため、熱伝導性シート10の成形材料の粘度を低く抑えることができる。また、ガラス状カーボンビーズは高い導電性及び熱伝導性を有しているため、熱伝導性シート10の導電性及び熱伝導性がより一層向上する。
(3)炭素繊維12の平均繊維長は5μm〜10000μmである。この構成によれば、熱伝導性シート10の成形材料中において、炭素繊維12を容易に配向させることができる。また、球状カーボン13を介して複数の炭素繊維12が互いに接続されることにより、所望の熱伝導性及び導電性を得ることもできる。
(4)炭素繊維12の端面は、熱伝導性シート10の表面から表出していることが好ましい。この構成によれば、炭素繊維12の端面が高分子マトリックス11により覆われていないため、ICチップ等の発熱部品やヒートシンク等の部品に対し直接的に炭素繊維12を接触させることができる。よって、熱伝導性シート10の熱伝導性及び導電性がより一層向上する。
(5)炭素繊維12の端面は平坦に潰されていることがより好ましい。この構成によれば、炭素繊維12の端面が平坦であるため、熱伝導性シート10の表面に生じる凹凸を小さく抑えることができる。これにより、発熱部品や冷却部品に対する炭素繊維12の接触面積を増大させることができる。よって、熱伝導性シート10の熱伝導性及び導電性が更に向上する。
(6)熱伝導性シート10の厚み方向における熱抵抗値は0.5℃/W以下である。この構成によれば、発熱部品と冷却部品とに対しそれらの間に熱伝導性シート10を固定することにより、発熱部品から冷却部品へと熱を効率良く逃がすことができる。
(7)厚みが0.5mmである熱伝導性シート10は、UL94規格においてV−0の難燃性を有している。この構成によれば、熱伝導性シート10を、ICチップ等の発熱部品を搭載した電子機器等に適用することができる。
(8)熱伝導性シート10の比重は2.0以下である。この構成によれば、熱伝導性シート10の重量が小さく抑えられるため、電子機器の軽量化に寄与することができる。
(9)熱伝導性シート10は、成形材料を調整する調整工程と、炭素繊維12をシートの厚み方向に配向させる配向工程と、成形材料を固化して成形体を形成する成形工程と、熱伝導性シート10の表面から炭素繊維12の端面を露出させる露出工程と、熱伝導性シート10の表面から露出した炭素繊維12の端面を研磨する研磨工程とを経て製造される。この構成によれば、シートの厚み方向における熱伝導性が高く、ESD対策やグラウンド接続に要求されるレベルの導電性を有し、かつ柔軟性に富む熱伝導性シート10を製造することができる。
次に、実施例、比較例を挙げて本発明の熱伝導性シートについて更に具体的に説明する。
(実施例1)
実施例1では、以下の工程に従って、熱伝導性シートを作製した。具体的には、まず、高分子マトリックスとして付加型の液状シリコーンゴム(比重1.0、硬化前の25℃での粘度400mPa・s)100重量部に対して、硬化触媒0.3重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー株式会社「XN−100−03Z」粉砕品 平均繊維長100μm、比重2.225)60重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー株式会社「XN−100−03Z」粉砕品 平均繊維長200μm、比重2.225)60重量部、球状カーボン(群栄化学工業株式会社「マリリンGC−010」平均粒径6μm、比重1.4)100重量部をそれぞれ配合した。そして、振動攪拌装置を用いて混合することにより、成形材料を調整した。次に、炭素繊維を一方向に配向させるため、成形材料を型に流し込み、型内の成形材料に振動を与えながら、10テスラの磁場を印加した。次に、成形材料を硬化した後、型から成形体を取り出した。続いて、成形体をスライスして、厚さ0.5mmのシート材を得た。そして、シート材の表面を研磨紙で研磨し、炭素繊維の端面を平坦に潰すことにより、図3に示す熱伝導性シートを得た。図4は、実施例1の熱伝導性シートの断面を400倍に拡大した電子顕微鏡写真であり、図5は、同熱伝導性シートの断面を200倍に拡大した電子顕微鏡写真である。図4及び図5から、球状カーボンが炭素繊維間に配置されていることを確認できた。
(実施例2〜6)
実施例2〜6では、高分子マトリックスとして付加型の液状シリコーンゴム(比重1.0、硬化前の25℃での粘度400mPa・s)100重量部に対して、硬化触媒0.3重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー株式会社「XN−100−03Z」粉砕品 平均繊維長100μm、比重2.225)A重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー株式会社「XN−100−03Z」粉砕品 平均繊維長200μm、比重2.225)B重量部、球状カーボン(群栄化学工業株式会社「マリリンGC−010」平均粒径6μm、比重1.4)C重量部を配合した。表1に、A,B,Cの値をそれぞれ示す。実施例2〜6の熱伝導性シートは、材料の配合量を除き、実施例1の熱伝導性シートと同じである。
(比較例1)
比較例1では、高分子マトリックスとして付加型の液状シリコーンゴム(比重1.0、硬化前の25℃での粘度400mPa・s)100重量部に対して、炭素繊維(日本グラファイトファイバー株式会社「XN−100−03Z」粉砕品 平均繊維長100μm、比重2.225)120重量部、球状アルミナ(株式会社マイクロン「AH3−2」平均粒径3.5μm、比重3.95)475重量部を配合した。比較例1の熱伝導性シートは、材料の種類及び配合量を除き、実施例1の熱伝導性シートと同じである。
表1に、実施例1〜6及び比較例1の熱伝導性シートにおける材料の配合量、成形材料の回転粘度、磁場配向性の良否、シート表面の研磨の有無、熱伝導性シートの硬度、電気抵抗値、体積抵抗値、熱抵抗値、難燃性のランク、比重をそれぞれ示す。
(実施例1−2〜実施例6−2)
実施例1−2〜6−2では、シートの表面を研磨しないことを除き、実施例1〜6と同じ材料、同じ配合量で熱伝導性シートを作製した。なお、実施例1−2〜6−2は、実施例1〜6にそれぞれ対応している。
(比較例2)
比較例2では、高分子マトリックスとして付加型の液状シリコーンゴム(比重1.0、硬化前の25℃での粘度400mPa・s)100重量部に対して、硬化触媒0.3重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー株式会社「XN−100−03Z」粉砕品 平均繊維長200μm、比重2.225)120重量部、球状アルミニウム(東洋アルミニウム株式会社「07−0010」平均粒径11μm、比重2.7)80重量部を配合した。比較例2の熱伝導性シートは、材料の種類及び配合量を除き、実施例1の熱伝導性シートと同じである。
表2に、実施例1−2〜6−2及び比較例2の熱伝導性シートにおける材料の配合量、成形材料の回転粘度、磁場配向性の良否、シート表面の研磨の有無、熱伝導性シートの硬度、電気抵抗値、体積抵抗値、熱抵抗値、難燃性のランク、比重をそれぞれ示す。
<硬度>
各実施例及び比較例において、熱伝導性シートの硬度を、JIS K6253に準拠し、タイプEデュロメータを用いて測定した。
<熱抵抗値>
各実施例及び比較例において、熱伝導性シートから、縦10mm、横10mm、厚さ0.5mmの試験片を得た。その後、試験片を、発熱量が25Wである熱源及びヒートシンクで挟持するように配置した。そして、試験片に対しその厚さ方向に40Nの荷重(圧力0.4MPa)を加えた状態で、試験片の熱抵抗値を測定した。試験片を10分間放置した後、試験片の熱源側の温度T1とヒートシンク側の温度T2とをそれぞれ測定し、下記式(1)により、熱伝導性シートの熱抵抗値を算出した。

熱抵抗値(℃/W)=(T1(℃)−T2(℃))/発熱量(W) …(1)

<難燃性>
厚さ0.5mmの各熱伝導性シートについて、米国の安全規格であるUL規格のうち、プラスチック材料の燃焼性について規定するUL94規格に従って燃焼試験を行った。
<電気抵抗値及び体積抵抗率>
厚さ0.5mmの熱伝導性シートを、直径20mmの電極間に荷重5N(圧力3.9kPa)で挟持するように配置した。熱伝導性シートを5分間放置した後、日置電機株式会社製「3540ミリオームハイテスタ」を用いて、熱伝導性シートの電気抵抗値を測定した。
表1の結果から、実施例1〜6では、シートの厚み方向の体積抵抗率が2.5×10Ω・cm未満であり、電気抵抗値が350mΩ未満であった。これに対し、比較例1では、シートの厚み方向の体積抵抗率が1.0×10Ω・cm以上であり、電気抵抗値が1.0×10mΩ以上であった。また、実施例1〜6及び比較例1では、シートの厚み方向の熱抵抗値が0.25℃/W〜0.28℃/Wの範囲内であり、実施例と比較例との間に大きな差は見られなかった。また、実施例1〜6及び比較例1では、熱伝導性シートの硬度がE50〜E60の範囲内であり、実施例と比較例との間に大きな差は見られなかった。
表2の結果から、シートの表面を研磨しない場合であっても、実施例1−2〜5−2では、シートの厚み方向の体積抵抗率が1.6×10Ω・cm以下であり、電気抵抗値が226mΩ以下であった。これに対し、実施例6−2では、シートの厚み方向の体積抵抗率が1.7×10Ω・cmであり、電気抵抗値が1Ω以上であった。実施例6−2においては、シート表面の研磨をしていない影響が、体積抵抗率や電気抵抗値に大きく現れた。
比較例2では、金属粉末を配合したため、シートの厚み方向の体積抵抗率が7.5×10Ω・cmであり、電気抵抗値が107mΩであり、いずれも低い値が得られた。しかしながら、成形材料の粘度が高くなりすぎたため、充填材の分散性や磁場配向性が悪化したのに加え、所望のレベルでの難燃性を実現することができなかった。また、シートの厚み方向の熱抵抗値については、実施例1〜6及び比較例1よりも若干高く、0.33℃/W〜0.41℃/Wの範囲内であり、実施例と比較例との間に大きな差は見られなかった。また、熱伝導性シートの硬度については、E50〜E60の範囲内であり、実施例と比較例との間に大きな差は見られなかった。
上述したように、ESD対策に対応する電気抵抗の目標値は100Ω以下であり、グラウンド接続に対応する電気抵抗の目標値は1Ω以下である。表1及び表2の結果によれば、高分子マトリックスと炭素繊維とを含む熱伝導性シートに球状カーボンを配合することにより、シートの厚み方向における熱伝導性が高く、ESD対策やグラウンド接続に要求されるレベルの導電性を有し、かつ柔軟性に富む熱伝導性シートを作製できることが裏付けられた。具体的には、シートの厚み方向における熱抵抗値が0.5℃/W以下であり、シートの厚み方向における体積抵抗率が1×10Ω・cm未満であり、かつタイプEデュロメータを用いて測定した硬度がE60以下である熱伝導性シートを作製できることが裏付けられた。
また、実施例1〜6及び比較例1では、成形材料の回転粘度は400,000mPa・s以下であり、外部からの衝撃により流動性を示す程度の粘度であった。これに対し実施例1−2〜6−2では、成形材料の回転粘度は400,000mPa・s以下であったが、比較例2では、成形材料の回転粘度は510,000mPa・sであった。比較例2では、成形材料の回転粘度が高く、外部からの衝撃により流動性を示さなかったため、磁場を印加しても炭素繊維を十分に配向させることができなかった。また、比較例2では、高分子マトリックス中における充填材の分散状態が良くないため、スライスしたときに厚みのばらつきが生じた。難燃性評価についても、燃焼が30秒以上継続したため、米国の安全規格であるUL94規格を満たさなかった。これらは、球状カーボンや球状アルミナ等のセラミック粒子に代えて、球状アルミニウム等の金属粒子が配合されたことによるものと推測される。
10…熱伝導性シート、11…高分子マトリックス、12…炭素繊維、13…球状カーボン。

Claims (11)

  1. 高分子マトリックスと炭素繊維とを含み、前記高分子マトリックス内で前記炭素繊維がシートの厚み方向に沿って配向されている熱伝導性シートにおいて、
    前記熱伝導性シートは、更に、球状カーボンを含み、前記球状カーボンは、前記炭素繊維間に位置しており、シートの厚み方向における体積抵抗率は1×10Ω・cm未満であることを特徴とする熱伝導性シート。
  2. 請求項1記載の熱伝導性シートにおいて、
    前記球状カーボンはガラス状カーボンビーズであることを特徴とする熱伝導性シート。
  3. 請求項1又は2に記載の熱伝導性シートにおいて、
    前記炭素繊維の平均繊維長は5μm〜10000μmであることを特徴とする熱伝導性シート。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱伝導性シートにおいて、
    前記炭素繊維の端面は、前記熱伝導性シートの表面から表出していることを特徴とする熱伝導性シート。
  5. 請求項4記載の熱伝導性シートにおいて、
    前記炭素繊維の端面は、平坦に潰されていることを特徴とする熱伝導性シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱伝導性シートにおいて、
    前記シートの厚み方向における熱抵抗値は0.5℃/W以下であることを特徴とする熱伝導性シート。
  7. 請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の熱伝導性シートにおいて、
    厚みが0.5mmである熱伝導性シートは、UL94規格においてV−0の難燃性を有していることを特徴とする熱伝導性シート。
  8. 請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の熱伝導性シートにおいて、
    前記熱伝導性シートの比重は2.0以下であることを特徴とする熱伝導性シート。
  9. 高分子マトリックス、炭素繊維、及び球状カーボンを含み、前記高分子マトリックス内で前記炭素繊維がシートの厚み方向に沿って配向され、前記球状カーボンが前記炭素繊維間に位置しており、前記シートの厚み方向における体積抵抗率が1×10Ω・cm未満である熱伝導性シートの製造方法において、
    前記高分子マトリックスに炭素繊維と球状カーボンとを配合して混合することにより、成形材料を調整する調整工程と、
    前記成形材料に磁場又は電場を印加して前記炭素繊維を一方向に配向させる配向工程と、
    前記成形材料を固化して成形体を形成する成形工程と
    を備えることを特徴とする熱伝導性シートの製造方法。
  10. 請求項9記載の熱伝導性シートの製造方法は、更に、
    前記炭素繊維と交差する方向に沿って前記成形体をスライスすることにより、前記熱伝導性シートの表面から炭素繊維の端面を露出させる露出工程を備えることを特徴とする熱伝導性シートの製造方法。
  11. 請求項10記載の熱伝導性シートの製造方法は、更に、
    前記炭素繊維の端面を平坦に潰すため、前記熱伝導性シートの表面から露出した前記炭素繊維の端面を研磨する研磨工程を備えることを特徴とする熱伝導性シートの製造方法。
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