JP5254075B2 - 蒸気養生用セメント混和材及びセメント組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、主に、土木・建築業界において使用される蒸気養生用セメント混和材及びセメント組成物に関する。
ヒューム管やボックスカルバートなどのコンクリート二次製品は、蒸気養生を施して生産されている。
また、ヒューム管やボックスカルバートは、外圧強度を高めるために膨張材を使用してケミカルプレストレスを導入している。
最近では、ケミカルプレストレスを導入して外圧強度を高める必要のないコンクリート二次製品、例えば、U字溝、L型擁壁、及びコンクリートセグメントなどにも、ひび割れ低減を目的として、膨張材の使用が検討されている。
膨張材としては、古くより数多くの提案があり、近年、新たな提案もなされている(特許文献1〜特許文献4)。
しかしながら、温度上昇が著しい蒸気養生の分野では、蒸気養生後に型枠を脱型した際の温度降下が急激なあまり、温度ひび割れが発生しやすく、その制御は極めて困難であった。
膨張材の使用でケミカルプレストレスを導入することはできるものの、このような急激な温度降下による温度ひび割れを制御することは困難であった。
一方、マスコンクリートの温度ひび割れを抑制する目的で、遅延剤をカプセル化してコンクリートに添加する方法が提案されている(特許文献5、特許文献6)。
これらの方法は水和熱を制御するうえで有効であるが、温度ひび割れを効果的に低減できるものではなかった。
これは、遅延剤が水和を阻害するために、セメント硬化体そのものがひび割れ抵抗性に劣る組織となり、水和熱を抑制したとしても、ひび割れ抑制にはそれほど大きな効果をもたらさないためと考えられる。
また、凝結遅延を伴うために、蒸気養生後に、要求される脱型強度を満たさないという課題があった。
コンクリート二次製品の脱型強度の目安は15N/mm2と言われており、これよりも脱型強度が小さいと、横持ちや、製品を持ち回るハンドリング作業の際の負荷で、製品の欠けや損傷が発生し、歩留まりが悪くなることが予想される。
このため、コンクリート二次製品の温度ひび割れを抑制するためには、遅延剤を用いることは有用でない。
本発明者は、マイクロカプセル化技術によって、膨張材の一部の機能を制御することで、効果的に圧縮応力が導入でき、その結果として、曲げ耐力が向上し、蒸気養生を行うコンクリート二次製品のひび割れを抑止することを目的に検討を重ねた。
これは、単に、水和熱を制御するために、遅延剤をカプセル化する技術とは思想を異にするものである。
また、膨張材は凝結遅延を伴わないため、脱型強度に悪影響を与えるものではない。
1953年、アメリカのレジスターメーカーが、トラブルの多いインクリボンの代わりとなる「ノンカーボン複写紙」の発売を開始した。
これは無色染料液体をマイクロカプセル化し、発色剤と隔離し、筆圧等で、マイクロカプセルが壊れた部分だけ印字される仕組みで、マイクロカプセル技術が世界で初めて製品化されたものであり、今日では、マイクロカプセル技術により、各分野で様々な機能を生み出している。
マイクロカプセルとは、カプセルに入れる内容物(芯物質)をミクロン単位の小さな粒子にし、特定の技術を使って、ごく薄い皮膜であるカプセル壁材の中に封入したりして、使いたい物質を、ごく小さなカプセルの中に閉じこめておき、加熱したり、物理的衝撃を与えることにより、芯物質をカプセル壁材から取り出すものである。
ここで、カプセル壁材とはカプセルの殻であり、芯物質とはカプセルの中に詰めるものをいう。
しかしながら、マイクロカプセルの一般的な製法は、液中での製法が大多数を占めている。このため、水和反応を示すセメントや膨張材などは、マイクロカプセル化を施すことが困難な状態にあった。
特公昭42−021840号公報 特公昭53−031170号公報 特開平07−232944号公報 特開2001−064054号公報 特開平10−081552号公報 特開2005−289718号公報
本発明者は、カプセル化技術のうち、粉体を、直接、ワックスやフィルム溶剤等でコーティングし、冷却もしくは乾燥して、その表面をカプセル化する製法を採用することによって、水和反応を示すセメントや膨張材等もカプセル化することが可能としたもので、一般のマイクロカプセルに比べ、カプセル壁材であるコーティング材の含有量が少なくて済むものである。
本発明は、蒸気養生を行うコンクリート二次製品の脱型時の温度ひび割れの抑制に有効で、かつ、凝結遅延を伴わないために脱型強度に悪影響をおよぼさない蒸気養生用セメント混和材及びセメント組成物を提供する。
即ち、本発明は、芯物質である膨張物質とカプセル壁材とでカプセル化した膨張材と、カプセル化してない膨張材とを含有してなる蒸気養生用セメント混和材であって、前記膨張物質が遊離石灰を含む膨張物質であり、前記カプセル化した膨張材とカプセル化してない膨張材との合計100質量部中、前記カプセル化した膨張材が5〜50質量部であり、前記カプセル化してない膨張材が95〜50質量部であり、前記カプセル壁材が、ろう、硬化油、及びパラフィンからなる群から選ばれる一種又は二種以上であり、前記芯物質が、前記芯物質と前記カプセル壁材の合計100質量部中、60〜98質量部である蒸気養生用セメント混和材であり、前記膨張物質が、無水セッコウを含有してなる、また、アウイン、カルシウムシリケート、カルシウムフェライト、及びカルシウムアルミノフェライトからなる群から選ばれる一種又は二種以上の水硬性化合物を含有してなる、そして、さらに、無水セッコウを含有してなる前記蒸気養生用セメント混和材であり、セメントと、前記蒸気養生用セメント混和材とを含有してなるセメント組成物であって、前記蒸気養生用セメント混和材が、セメント組成物100質量部中、〜9質量部である前記セメント組成物である。
本発明の蒸気養生用セメント混和材及びセメント組成物は、土木分野で用いられるコンクリート二次製品において、蒸気養生後の脱型時の温度ひび割れの抑制に有効で、かつ、凝結遅延を伴わないため、脱型強度に悪影響をおよぼさない。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明における部や%は、特に規定しない限り質量基準で示す。
マイクロカプセルとは、大きさ約1μm〜1mm程度のごく小さな密閉容器のことであり、マイクロカプセル化技術としては、従来より、機械的方法、物理化学的方法、及び化学的方法等が知られ、具体的には、オリフィス法、界面重合法、in situ 重合法、コアセルベーション法、水中乾燥法や油中乾燥法の液中乾燥法、噴霧乾燥法(スプレードライング法)、融解分散冷却法、及び液中硬化皮膜法等があり、本発明では、そのうちの液中乾燥法や噴霧乾燥法によりカプセル化することが好ましい。
本発明では、液中乾燥法や噴霧乾燥法によりカプセル化することが好ましい。これは、粉体に、直接、カプセル壁材であるパラフィンなどをコーティングし、皮膜を形成し、冷却もしくは乾燥してカプセル化する製法である。そのため、水和反応を示すセメントや膨張材等もカプセル化することが可能である。本発明では、特に、コートマイクロカプセル化処理を行うことが好ましい。
また、カプセル化は、複合化しても何ら差し支えなく、目的に応じて適用可能である。ここで言う複合化とは、カプセル壁材を複数層にわたり重ねてコートする方法や、カプセル壁材を混合して用いる方法等を言う。例えば、カプセル壁材を重ねてコートする例としては、硬化油でコートした上に、さらにパラフィンをコートすることなどが挙げられる。また、カプセル壁材を混合して用いる例としては、硬化油とパラフィンを混合して用いることなどが挙げられる。このようなカプセル壁材の複合化により、より多機能・高性能な蒸気養生用セメント混和材を得ることも可能である。
カプセル壁材としては、ゼラチン、尿素樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、及びポリウレア樹脂等の熱可塑性樹脂に加え、ろう、硬化油、パラフィン、油脂、脂肪酸、脂肪酸エステル、金属石鹸、及び高級アルコールなどが挙げられる。本発明では、脱型時の温度ひび割れを抑制できる面から、ろう、硬化油、又はパラフィンを使用する。
ろう(蝋)とは、「ろうそく」を総称するものである。「ろうそく」には大別して、「和ろうそく」と「洋ろうそく」がある。「和ろうそく」は主に蜜蝋を主原料とし、「洋ろうそく」は動物性油(魚油)を主原料としている。しかしながら、現在では、パラフィンとステアリン酸から合成されるものが大量生産されている。
硬化油とは、脂肪油に水素を化合させてつくった人造脂肪を総称するものである。大豆油、ナタネ油、鯨油、及び魚油等の脂肪油は、オレイン酸、リノール酸、及びリノレン酸等の液体脂肪酸を多く含み、常温で液体であるが、これらの脂肪酸に水素を化合させると、常温で固体の脂肪であるステアリン酸になる。これが硬化油である。
パラフィンとは、非揮発性の精製した飽和炭化水素の混合物の総称であり、炭化水素化合物の一種であり、炭素原子の数nが20以上のアルカン(alkane、アルカン族、一般式がCnH2n+2とあらわされる鎖式飽和炭化水素)を総称するものである。
通常、パラフィンは均一の物質ではなく「構成する炭素鎖」に、さまざまなものが混ざっている。
パラフィンのなかで、炭素鎖が長いものを多く含むものは、固体状で、「石油ワックス」と呼ばれる。一方、炭素鎖に短いものが多く含まれるものは、常温常圧で液状であり、「流動パラフィン」(liquid paraffin) と呼ばれる。本発明では、常温で固体状になるパラフィンを用いることが好ましい。
本発明で芯物質として使用する膨張物質としては、遊離石灰や遊離マグネシウムを含むものが挙げられるが、長期安定性の面から、遊離石灰を含むものを使用する。遊離石灰を含むものとしては、遊離石灰と無水セッコウとを含有する膨張物質、遊離石灰と、アウイン、カルシウムシリケート、カルシウムフェライト、及びカルシウムアルミノフェライトからなる群から選ばれる一種又は二種以上の水硬性化合物とを含有する膨張物質、並びに、遊離石灰と、前記水硬性化合物、即ち、アウイン、カルシウムシリケート、カルシウムフェライト、及びカルシウムアルミノフェライトからなる群から選ばれる一種又は二種以上の水硬性化合物と、無水セッコウとを含有する膨張物質が挙げられ、長期安定性が優れるものである。
本発明では、膨張性能が良好なことから、遊離石灰含有量が40%を超える膨張物質が好ましく、なかでも、遊離石灰−水硬性化合物系膨張物質又は遊離石灰−水硬性化合物−無
水セッコウ系膨張物質を用いることがより好ましい。
このような膨張物質としては、市販の膨張材や静的破砕材が使用できる。
膨張材や静的破砕材は、多数市販されており、その代表例としては、電気化学工業社製、商品名「デンカCSA」や「デンカパワーCSA」、住友大阪セメント社製、商品名「サクス」、太平洋マテリアル社製、商品名「エクスパン」、「N-EX」、「ブライスター」、及び「太平洋ジプカル」などが挙げられる。
本発明の芯物質の粒度は特に限定されるものではないが、通常、長期安定性や膨張性が確保できる面から、ブレーン比表面積値(以下、ブレーン値という)で2,000〜6,000cm2/gが好ましい。
本発明における蒸気養生用セメント混和材中の芯物質である膨張物質と、カプセル壁材との配合割合は、カプセル化の効果が得られること、効果的な膨張と、それによるケミカルプレストレスの導入が得られること、膨張率やひび割れ抑制効果が得られることから、芯物質とカプセル壁材の合計100部中、芯物質60〜98部で、カプセル壁材40〜2部であり、芯物質80〜95部で、カプセル壁材20〜5部が好ましい。
本発明における蒸気養生用セメント混和材中のカプセル化した膨張材とカプセル化してない膨張材の割合は、効果的な膨張作用を付与することや膨張率やケミカルプレストレス導入量を確保することなどから、カプセル化した膨張材とカプセル化してない膨張材の合計100部中、カプセル化した膨張材5〜50部で、カプセル化してない膨張材95〜50部であり、カプセル化した膨張材10〜40部で、カプセル化してない膨張材90〜60部が好ましい。
本発明で使用するセメントとしては、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、また、石灰石粉末等や高炉徐冷スラグ微粉末を混合したフィラーセメント、各種の産業廃棄物を主原料として製造される環境調和型セメント、いわゆるエコセメントなどが挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上が使用可能である。
本発明の蒸気養生用セメント混和材の使用量は、ひび割れ抑制効果確保の面や、過膨張とならないように、セメントと蒸気養生用セメント混和材からなるセメント組成物100部中、1〜9部が好ましく、2〜7部がより好ましい。
水の使用量は特に限定されるものではないが、通常、セメント組成物100部に対して、20〜70部が好ましく、30〜60部がより好ましい。20部未満では温度ひび割れの抑制効果が充分でない場合があり、70部を超えると凝結遅延性が顕在化する場合がある。
本発明において、各材料の混合方法は特に限定されるものではなく、それぞれの材料を施工時に混合しても良いし、あらかじめ一部を、あるいは全部を混合しておいても差し支えない。
混合装置としては、既存のいかなる装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ、及びナウタミキサなどの使用が可能である。
以下、実験例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実験例1
表1に示すように膨張物質にカプセル壁材をコートマイクロカプセル化処理によって皮膜し、カプセル化した膨張材を調製した。
調製したカプセル化した膨張材30部と、カプセル化してない膨張材70部とを配合して蒸気養生用セメント混和材を調製した。
セメントと調製した蒸気養生用セメント混和材からなるセメント組成物100部中、蒸気養生用セメント混和材5部を使用し、単位セメント組成物量400kg/m3、単位水量165kg/m3、s/a41%、空気量2.0±1.5%、スランプ3±1.5cmのコンクリートを調製した。
調製したコンクリートを型枠に充填し、2時間静置した後、昇温速度15℃/時間にて蒸気養生を開始し、65℃で2時間保持した後、冷却し、30分後に脱型した。
調製したコンクリートの蒸気養生後の脱型強度と長さ変化率を測定すると共に、コンクリート二次製品(RCセグメント)の蒸気養生後の温度ひび割れの発生状況を確認した。結果を表1に併記する。
<使用材料>
ポルトランドセメント:普通ポルトランドセメント、市販品
芯物質A :膨張物質、遊離石灰−無水セッコウ系膨張物質、遊離石灰含有量50%、無水セッコウ含有量50%、ブレーン値3,000cm2/g
芯物質B :膨張物質、遊離石灰−カルシウムシリケート(3CaO・SiO2)−カルシウムアルミノフェライト(4CaO・Al2O3・Fe2O3)系膨張物質、遊離石灰含有量60%、カルシウムシリケート含有量30%、及びカルシウムアルミノフェライト含有量10%、ブレーン値3,000cm2/g
芯物質C :膨張物質、遊離石灰−アウイン−無水セッコウ系膨張物質、遊離石灰含有量50%、アウイン含有量20%、及び無水セッコウ含有量30%、ブレーン値3,000cm2/g
芯物質D :膨張物質、遊離石灰−アウイン−無水セッコウ系膨張物質、遊離石灰含有量40%、アウイン含有量30%、無水セッコウ含有量30%、ブレーン値3,000cm2/g
芯物質E :膨張物質、遊離石灰−カルシウムシリケート−無水セッコウ系膨張物質、遊離石灰含有量50%、カルシウムシリケート含有量20%、無水セッコウ含有量30%、ブレーン値3,000cm2/g
芯物質F :膨張物質、遊離石灰−カルシウムフェライト(2CaO・Fe2O3)−無水セッコウ系膨張物質、遊離石灰含有量50%、カルシウムフェライト含有量20%、及び無水セッコウ含有量30%、ブレーン値3,000cm2/g
芯物質G :膨張物質、遊離石灰−カルシウムアルミノフェライト(4CaO・Al2O3・Fe2O3)−無水セッコウ系膨張物質、遊離石灰含有量50%、カルシウムアルミノフェライト含有量20%、及び無水セッコウ含有量30%、ブレーン値3,000cm2/g
芯物質H :膨張物質、遊離石灰−カルシウムシリケート(3CaO・SiO2)−カルシウムアルミノフェライト(4CaO・Al2O3・Fe2O3)−カルシウムアルミネート(3CaO・Al2O3)−無水セッコウ系膨張物質、遊離石灰含有量55%、カルシウムシリケート含有量25%、カルシウムアルミノフェライト含有量5%、カルシウムアルミネート含有量5%、及び無水セッコウ含有量10%、ブレーン値3,000cm2/g
芯物質I :遅延剤、市販の酒石酸
カプセル壁材イ:市販のパラフィンワックス、融点58℃
水 :水道水
細骨材 :新潟県姫川産、最大粒径5mm、比重2.62
粗骨材 :新潟県姫川産、最大粒径25mm、比重2.64
<測定方法>
脱型強度 :JIS
A 1108に準じて測定した。
長さ変化率:JIS A 6204(B)に準じて材齢7日の膨張率を測定した。ただし、蒸気養生を行いコンクリート二次製品と同じ温度履歴を与えた。
ひび割れ発生状況:蒸気養生後に脱型したRCセグメントの背面に発生するひび割れを観察した。ひび割れが3本以上発生した場合や、ひび割れの本数は2本以下でも、ひび割れ幅が0.02mm以上のひび割れが発生した場合は不可、ひび割れ幅が0.02mm未満のひび割れが発生した場合は可、ひび割れが認められない場合は良。
Figure 0005254075
表1から、本発明によれば、コンクリートの脱型強度は15N/mm2以上であり、長さ変化率はプラス側で大きく、ひび割れの発生がほとんど無いことが分かる。
一方、従来技術に該当する遅延剤を芯物質とした場合には、脱型強度が15N/mm2を大きく下回り、ひび割れ低減効果も全くないことがわかる。
実験例2
芯物質として膨張物質Cを使用し、表2に示すカプセル壁材と芯物質を配合したこと以外は実験例1と同様に行った。
なお、カプセル化した膨張材とカプセル化してない膨張材の割合は30部対70部である。結果を表2に併記する。
<使用材料>
カプセル壁材ロ:市販の硬化油、融点54℃
カプセル壁材ハ:市販のろう、融点65℃
Figure 0005254075
表2から、本発明によれば、コンクリートの脱型強度は15N/mm2以上であり、長さ変化率はプラス側で大きく、ひび割れの発生がほとんど無いことが分かる。また、カプセル化してない膨張材と比べて膨張性能に優れることがわかる。
一方、カプセル化した膨張材の代わりにカプセル壁材だけを用いた場合には、脱型強度に悪影響が見られ、15N/mm2以上の圧縮強度を得ることができなかった。
実験例3
芯物質の膨張物質C93部と、カプセル壁材7部でカプセル化した膨張材を調製し、それと、カプセル化してない膨張材を表3に示す割合で配合して蒸気養生用セメント混和材を調製したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3に併記する。
Figure 0005254075
表3から、本発明によれば、コンクリートの脱型強度は15N/mm2以上で、長さ変化率はプラス側で大きく、ひび割れの発生がほとんど無いことが分かる。また、カプセル化した膨張材だけを使った場合や、カプセル化してない膨張材だけを使った場合と比べて、カプセル化した膨張材を適量配合すると、脱型強度や膨張率が大きくなる傾向にあり、ひび割れ抵抗性も良好になることがわかる。
実験例4
芯物質の膨張物質C93部と、カプセル壁材7部でカプセル化した膨張材を使用し、カプセル化した膨張材30部とカプセル化してない膨張材70部を配合して蒸気養生用セメント混和材を調製した。セメント組成物100部中の、蒸気養生用セメント混和材の使用量を表4に示すように変化したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表4に併記する。
Figure 0005254075
表4から、本発明によれば、コンクリートの脱型強度は15N/mm2以上で、長さ変化率はプラス側で大きく、ひび割れの発生が殆ど無いことが分かる。
なお、蒸気養生用セメント混和材が、セメント組成物100部中、9部と多くなると、長さ変化率は大きすぎとなる。
本発明の蒸気養生用セメント混和材及びセメント組成物は、蒸気養生を行うコンクリート二次製品の脱型時の温度ひび割れの抑制に有効で、かつ、凝結遅延を伴わないために脱型強度に悪影響をおよぼさないなどの効果を奏する。

Claims (5)

  1. 芯物質である膨張物質とカプセル壁材とでカプセル化した膨張材と、カプセル化してない膨張材とを含有してなる蒸気養生用セメント混和材であって、前記膨張物質が遊離石灰を含む膨張物質であり、前記カプセル化した膨張材とカプセル化してない膨張材との合計100質量部中、前記カプセル化した膨張材が5〜50質量部であり、前記カプセル化してない膨張材が95〜50質量部であり、前記カプセル壁材が、ろう、硬化油、及びパラフィンからなる群から選ばれる一種又は二種以上であり、前記芯物質が、前記芯物質と前記カプセル壁材の合計100質量部中、60〜98質量部である蒸気養生用セメント混和材。
  2. 前記膨張物質が、無水セッコウを含有してなる請求項1に記載の蒸気養生用セメント混和材。
  3. 前記膨張物質が、アウイン、カルシウムシリケート、カルシウムフェライト、及びカルシウムアルミノフェライトからなる群から選ばれる一種又は二種以上の水硬性化合物を含有してなる請求項1に記載の蒸気養生用セメント混和材。
  4. 前記膨張物質が、さらに、無水セッコウを含有してなる請求項3に記載の蒸気養生用セメント混和材。
  5. セメントと、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の蒸気養生用セメント混和材とを含有してなるセメント組成物であって、前記蒸気養生用セメント混和材が、セメント組成物100質量部中、2〜9質量部であるセメント組成物。
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