JP5253546B2 - 内視鏡用挿入補助具 - Google Patents

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Description

本発明は内視鏡用挿入補助具に係り、特に、内視鏡の挿入部を胆道や膵管内に挿入する際に使用する内視鏡用挿入補助具に関する。
近年、医療分野において、例えば胆道癌や膵臓癌、胆石症、総胆管結石などの胆・膵疾患に対する内視鏡的検査や治療が広く普及しつつある。これらは従来の外科的治療と比べて、低侵襲であり、被検者への負担が少ない利点がある。
これらの検査法及び治療法の1つとして、例えばERCP(Endscopic Retrograde Cholangio-Pancreatography:内視鏡的逆行性膵胆造影)が知られている。ERCPは、内視鏡を用いて胆道や膵管に造影剤を注入して、その部分をX線透視装置によって撮影する診断手法である。造影剤の注入方法は、まず、内視鏡の挿入部の先端部が十二指腸に達するまで挿入する。そして、挿入部の先端部に設けられた鉗子出口からカニューレ(細い管)を出して、十二指腸乳頭から胆道や膵管へ選択的にカニューレを挿入し、カニューレを通じて胆道や膵管に造影剤を注入し、その部分をX線透視装置によって撮影する。
また、一般に胆道鏡や膵管鏡と称される細径内視鏡の挿入部を胆道や膵管に挿入することによって、胆道や膵管の内部における狭窄部の有無の確認、細胞や組織の採取検査(細胞診、生検)、結石の破砕、除去などを行う方法も知られている。
かかる状況下において、内視鏡の挿入部を体腔内に挿入する際、内視鏡用挿入補助具(オーバーチューブやスライディングチューブともいう。)が併用されている。内視鏡用挿入補助具の一例として、特許文献1には、内視鏡の挿入部を挿通させてガイドとして用いる筒状体からなり、筒状体の先端側の側壁部に挿入部の先端を導出可能な開口部(以下、「側壁開口部」という。)が設けられたものが開示されている。この内視鏡用挿入補助具によれば、内視鏡の挿入部を体腔内に挿入する際、挿入部に筒状体を被せた状態で挿入することにより、挿入部の余分な屈曲や撓みを防止しながら、挿入部の挿入操作を容易に行うことが可能となる。また、筒状体の側壁開口部から挿入部の先端を出して体腔内(例えば胆道内)に誘導する際、側壁開口部の縁部で挿入部を受け支えながら挿入することにより、挿入部を体腔内の深部まで容易に押し進めることが可能とされている。
また、特許文献2には、挿入補助具の外周面に潤滑液供給路が設けられるとともに、潤滑液供給路に注入された潤滑液を挿入補助具の内側に供給する開口が所定の間隔をもって複数形成された内視鏡用挿入補助具が開示されている。この内視鏡用挿入補助具によれば、挿入補助具の径を大きくすることなく潤滑液を挿入補助具の内周面全域に潤滑液を均一に供給することができる。
特開昭60−185532号公報 特開2005−237947号公報
しかしながら、特許文献1に開示される従来の内視鏡用挿入補助具では、筒状体の側壁開口部から挿入部の先端を出して体腔内に誘導する際、側壁開口部の縁部で挿入部を受け支えながら挿入されるため、挿入部と側壁開口部の縁部の間に生じる摩擦抵抗によって挿入部の操作性が悪くなる問題がある。
かかる問題に対して、特許文献2に開示される内視鏡用挿入補助具のように、挿入補助具の内周面全域に潤滑液を供給することによって、特許文献1のような挿入操作が行われるときの内視鏡の挿入部の摺動性をある程度向上することができるものの、その効果は十分なものではない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、内視鏡の挿入部を体腔内に挿入するときの操作性を改善した内視鏡用挿入補助具を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る内視鏡用挿入補助具は、内視鏡の挿入部が挿通される挿通路を有する筒状体と、前記筒状体の先端側の側壁部に設けられ、前記挿入部の先端部を導出可能な側壁開口部であって、前記挿入部の先端部を前記側壁開口部から導出して体腔内に誘導する際に前記挿入部を受け支える縁部を有する側壁開口部と、前記側壁開口部の縁部に形成された供給口と、前記供給口に連通され、該供給口に潤滑液を供給する潤滑液供給路と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、筒状体の側壁開口部の縁部には潤滑液が供給されるようになっているので、内視鏡の挿入部を側壁開口部の縁部で受け支えながら体腔内に誘導する際、これらの間で生じる摩擦抵抗を小さくすることができる。これによって、内視鏡の挿入部の操作性を向上させることが可能となる。
本発明では、前記側壁開口部の縁部は、前記側壁開口部の先端側であることが好ましい。この発明によれば、内視鏡の挿入部を側壁開口部の先端側の縁部で受け支えながら体腔内に誘導する際、これらの間で生じる摩擦抵抗を小さくすることができる。
本発明では、前記潤滑液供給路は、前記筒状体の側壁部の内部に設けられていることが好ましい。この発明によれば、筒状体の側壁部の内部スペースを活用することにより筒状体の細径化を図ることができるので、患者の負担を軽減することができる。
本発明では、前記供給口は、前記側壁開口部の縁部に複数設けられていることが好ましい。この発明によれば、潤滑液の安定供給が可能となる。
本発明では、前記側壁開口部の縁部には多孔質体が設けられ、前記供給口は前記多孔質体の表面に形成される微細孔であることが好ましい。この発明によれば、多孔質体の表面に形成される微細孔から潤滑液を一定の流量で低速供給することが可能となり、側壁開口部の周辺部に潤滑液が飛散することなく、挿入部と側壁開口部の縁部の間に生じる摩擦抵抗をより効果的に低減することができる。
本発明では、前記側壁開口部の縁部の角部は面取り加工されていることが好ましい。この発明によれば、筒状体の側壁開口部で挿入部を受け支えながら挿入する際、挿入部が側壁開口部の縁部の角部に接触して潤滑液が掻き落とされてしまうのを防止できる。
本発明によれば、筒状体の側壁開口部の縁部には潤滑液が供給されるようになっているので、内視鏡の挿入部を側壁開口部の縁部で受け支えながら体腔内に誘導する際、これらの間で生じる摩擦抵抗を小さくすることができる。これによって、内視鏡の挿入部の操作性を向上させることが可能となる。
第1の実施形態に係る挿入補助具が適用された内視鏡装置を示す外観図 内視鏡の挿入部の先端部を示す斜視図 挿入補助具の先端付近の構成例を示した概略図(平面図) 挿入補助具の先端付近の構成例を示した概略図(側断面図) 挿入補助具の先端付近の構成例を示した概略図(正断面図) 挿入補助具を用いて内視鏡の挿入部を胆道に挿入する手順を示した説明図 挿入補助具を用いて内視鏡の挿入部を胆道に挿入する手順を示した説明図 挿入補助具を用いて内視鏡の挿入部を胆道に挿入する手順を示した説明図 第2の実施形態に係る挿入補助具の先端付近の構成例を示した平面図 第2の実施形態に係る挿入補助具の先端付近の構成例を示した正断面図 第3の実施形態に係る挿入補助具の先端付近の構成例を示した平面図 第4の実施形態に係る挿入補助具の先端付近の構成例を示した平面図 第4の実施形態に係る挿入補助具の先端付近の構成例を示した正断面図 第5の実施形態に係る挿入補助具の先端付近の構成例を示した側断面図 第6の実施形態に係る挿入補助具の先端付近の構成例を示した側断面図 第7の実施形態に係る挿入補助具の先端付近の構成例を示した側断面図 第8の実施形態に係る挿入補助具の先端側の構成例を示した側断面図 の実施形態に係る挿入補助具の基端側の構成例を示した側断面図 の実施形態に係る挿入補助具に設けられる駒部材を示した斜視図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の実施の形態に係る内視鏡用挿入補助具(以下、単に「挿入補助具」という。)60が適用された内視鏡装置を示す外観図である。図1に示すように内視鏡装置は、主として、内視鏡10と、挿入補助具60とから構成される。
内視鏡10は、手元操作部14と、この手元操作部14に連設され、体内に挿入される挿入部12とを備える。手元操作部14には、ユニバーサルケーブル16が接続され、このユニバーサルケーブル16の先端に不図示のライトガイド(LG)コネクタが設けられる。LGコネクタは不図示の光源装置に着脱自在に連結され、これによって後述の照明光学系(照明窓)54(図2参照)に照明光が送られる。また、LGコネクタには、電気コネクタが接続され、この電気コネクタが画像信号処理等を行うプロセッサに着脱自在に連結される。
手元操作部14には、送気・送水ボタン28、吸引ボタン30、及びシャッターボタン32が並設されるとともに、一対の湾曲操作ノブ36、36が設けられる。
挿入部12は、手元操作部14側から順に軟性部40、湾曲部42及び先端部44で構成され、湾曲部42は、手元操作部14の湾曲操作ノブ36、36を回動することによって遠隔的に湾曲操作される。これにより、先端部44を所望の方向に向けることができる。
図2に示すように、先端部44の先端面45には、観察光学系(観察窓)52、照明光学系(照明窓)54、54、送気・送水ノズル56、鉗子出口58が設けられる。観察光学系52の後方にはCCD、CMOS等の撮像素子(不図示)が配設され、この撮像素子を支持する基板には信号ケーブル(不図示)が接続される。信号ケーブルは図1の挿入部12、手元操作部14、ユニバーサルケーブル16等に挿通されて電気コネクタまで延設され、プロセッサに接続される。よって、観察光学系52で取り込まれた観察像は、撮像素子の受光面に結像されて電気信号に変換され、そして、この電気信号が信号ケーブルを介してプロセッサに出力され、映像信号に変換される。これにより、プロセッサに接続されたモニタに観察画像が表示される。
図2の照明光学系54、54の後方にはライトガイド(不図示)の出射端が配設されている。このライトガイドは、図1の挿入部12、手元操作部14、ユニバーサルケーブル16に挿通され、LGコネクタに入射端が配設される。したがって、LGコネクタを光源装置に連結することによって、光源装置から照射された照明光がライトガイドを介して照明光学系54、54に伝送され、照明光学系54、54から前方に照射される。
図2の送気・送水ノズル56は、図1の送気・送水ボタン28によって操作されるバルブ(不図示)に連通されており、さらにこのバルブはLGコネクタに設けた送気・送水コネクタ(不図示)に連通される。送気・送水コネクタには不図示の送気・送水手段が接続され、エア及び水が供給される。したがって、送気・送水ボタン28を操作することによって、送気・送水ノズル56からエア又は水を観察光学系52に向けて噴射することができる。
図2の鉗子口58は、図1の鉗子挿入部46に鉗子チャンネル(不図示)を介して連通されている。よって、鉗子挿入部46から鉗子等の処置具を挿入することによって、この処置具を鉗子口58から導出することができる。また、鉗子口58は、吸引ボタン30によって操作されるバルブ(不図示)に連通されており、このバルブはさらにLGコネクタの吸引コネクタ(不図示)に接続される。したがって、吸引コネクタに不図示の吸引手段を接続し、吸引ボタン30でバルブを操作することによって、鉗子口58から汚物や残渣等を吸引することができる。
一方、図1に示した挿入補助具60は、チューブ本体64と把持部62とから構成される。チューブ本体64は筒状に形成され、挿入部12の外径よりも僅かに大きい内径を有している。また、チューブ本体64は、可撓性のウレタン系樹脂やシリコン系樹脂の成形品であり、その外周面には潤滑コートが被覆され、内周面にも潤滑コートが被覆されている。チューブ本体64には、図1に示す硬質の把持部62が水密状態で嵌合され、チューブ本体64に対して把持部62が着脱自在もしくは一体で連結されている。なお、挿入部12は、把持部62の基端開口部62Aからチューブ本体64に向けて挿入される。
ここで、チューブ本体64の構成について詳説する。図3〜図5は、チューブ本体64の先端付近の構成例を示した概略図であり、図3は平面図、図4は側断面図(図3中4−4線に沿う断面図)、図5は正断面図(図3中5−5線に沿う断面図)である。
図3〜図5に示すように、チューブ本体64の先端には、開口部(以下、「先端開口部」という。)67が形成されており、その内部には先端開口部67に連通する挿通路66がチューブ本体64の軸方向に沿って延設されている。挿通路66は、内視鏡10の挿入部12(図1参照)が挿通される管路であり、軸方向に直交する断面形状が略円形状に形成されている。
チューブ本体64の先端側の側壁部65には、チューブ本体64の軸方向を長手方向とする長円状の貫通孔からなる開口部(以下、「側壁開口部」という。)68が設けられている。この側壁開口部68は、挿通路66に挿通された挿入部12の先端を導出可能な孔部であり、側壁開口部68の開口幅(チューブ本体64の軸方向に垂直な方向の長さ)は内視鏡10の挿入部12の外径(直径)よりも若干大きく、その長さ(チューブ本体64の軸方向の長さ)は開口幅よりも十分に大きく形成されている。これにより、後述するようにチューブ本体64の挿通路66に挿入した挿入部12を湾曲操作することによって、挿入部12の先端をチューブ本体64の側壁開口部68から導出することができるようになっている。なお、把持部62には、側壁開口部68の向きを示す指標86が設けられていることが好ましい。
図4及び図5に示すように、側壁開口部68の先端側の縁部(以下、「先端縁部」という。)68aには、潤滑液の供給口70が設けられている。この供給口70には、潤滑液供給路72が連通されている。潤滑液供給路72は、チューブ本体64の側壁部65の内部に形成された管路であり、チューブ本体64の軸方向に沿って基端側から先端側まで延設され、その先端側は周方向から基端側に折り返されて供給口70に接続されている。
潤滑液供給路72の基端側は、図1に示す細径のチューブ74に接続され、このチューブ74の先端に設けたコネクタ76を介して潤滑液供給部78が接続される。潤滑液供給部78は、例えば注射器等からなり、コネクタ76に水等の潤滑液を注入する。これにより、潤滑液供給部78からコネクタ76に注入された潤滑液は潤滑液供給路72を通って側壁開口部68の先端縁部68aに形成される供給口70から供給される。
なお、潤滑液供給路72は、チューブ本体64の外周面又は内周面に沿って配設されたチューブ状部材により構成されていてもよい。ただし、本実施形態の如く、潤滑液供給路72をチューブ本体64の側壁部65の内部に形成した構成によれば、チューブ本体64の側壁部の内部スペースを活用することによって、チューブ本体64の細径化を図ることができる。
次に、上記の如く構成された内視鏡装置の操作方法について、図6〜図8を参照しながら説明する。ここでは、内視鏡10の挿入部12を胆道104内に挿入する場合を一例に説明するが、膵管106内に挿入する場合についても同様である。
まず、内視鏡10の挿入部12に挿入補助具60を被せて、図6に示すようにチューブ本体64の挿通路66内に挿入部12を挿通させ、この状態で挿入部12及びチューブ本体64を被検者の口から挿入し、胃を経由してその先端が十二指腸100内に位置するように挿入する。このとき、先端開口部67から挿入部12の先端を導出させ、挿入部12の観察光学系52の観察方向(視野方向)がチューブ軸方向と略一致するようにしておく。
次に、挿入部12の観察光学系52により観察される観察像により十二指腸乳頭102を確認すると、図7に示すように、挿入補助具60を十二指腸100の深部(先端側)に押し込み、チューブ本体64の側壁開口部68が十二指腸乳頭102に対向するように位置合わせを行う。
次に、挿入部12を湾曲操作しながら押し進めて、図8に示すようにチューブ本体64の側壁開口部68から挿入部12の先端を導出し、その先端を十二指腸乳頭102から胆道104内に挿入する。このとき、側壁開口部68から導出された挿入部12を側壁開口部68の先端縁部68aで受け支えながら挿入部12を押し込むようにして挿入部12を湾曲させ挿入操作を行うことにより、挿入部12の先端を胆道104内の深部へと容易に挿入することができる。
このような操作が行われているとき、挿入補助具60の側壁開口部68には潤滑液が供給されている。この潤滑液は、図1の潤滑液供給部78からコネクタ76に注入され、チューブ本体64の側壁部の内部に形成された潤滑液供給路72を介して側壁開口部68の先端縁部68aに設けられた供給口70から供給される。側壁開口部68の先端縁部68aは、挿入部12を受け支える部分であり、この部分に潤滑液を供給することによって、挿入部12との間に生じる摩擦抵抗を低減することができる。
以上説明したように、本実施形態の挿入補助具60によれば、チューブ本体64の側壁開口部68の先端縁部68aには潤滑液が供給されるので、この側壁開口部68の先端縁部68aに受け支えながら挿入部12を体腔内に誘導する際、常に良好な滑り性が得られ、チューブ本体64の側壁開口部68に対する挿入部12の摺動性が向上し、胆道や膵管に挿入部12を容易に挿入することが可能となる。これにより、施術時間を短縮でき、患者の負担を軽減することが可能となる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的部分を中心に説明する。
図9及び図10は、第2の実施形態に係る挿入補助具60Aの先端付近の構成例を示した概略図であり、図9は平面図、図10は正断面図(図9中10−10線に沿う断面図)である。
第2の実施形態では、図9及び図10に示すように、チューブ本体64の側壁開口部68の先端縁部68aには、2つの供給口70A、70Bが設けられるとともに、各供給口70A、70Bにそれぞれ接続される潤滑液供給路72A、72Bがチューブ本体64の側壁部65の内部に形成されている。潤滑液供給路72A、72Bは、チューブ本体64の基端側で共通の供給路(不図示)に接続されていてもよいし、潤滑液供給路72A、72B毎に設けられたチューブ及びコネクタを介して図1の潤滑液供給部78に個別に接続されていてもよい。
第2の実施形態によれば、複数の供給口70A、70Bから潤滑液を安定して供給することが可能となり、挿入部12との間に生じる摩擦抵抗を効果的に低減することができる。また、複数の供給口70A、70Bのうち、いずれか一方の供給口に目詰まりが生じても、他方の供給口から潤滑液を供給することができるので、挿入部12の操作性を安定して維持することが可能となる。
なお、第2の実施形態では、側壁開口部68の先端縁部68aに2つの供給口70A、70Bが設けられた構成を示したが、供給口の数に限定はなく、3つ以上の供給口が設けられていてもよい。
また、第2の実施形態では、2つの供給口70A,70Bに対してそれぞれ潤滑液供給路72A、72Bが設けられた構成を示したが、これに限らず、1つの潤滑供給路から複数の供給口に潤滑液を分配供給するようにしてもよい。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的部分を中心に説明する。
図11は、第3の実施形態に係る挿入補助具60Bの先端付近の構成例を示した概略図(平面図)である。
第3の実施形態では、図11に示すように、チューブ本体64の側壁開口部68の先端縁部68aに供給口70が設けられる点は第1の実施形態と同様である。さらに、第3の実施形態では、側壁開口部68の後端縁部68bに供給口88が設けられるとともに、側壁開口部68の両側の側端部68c、68dにはそれぞれ供給口90、92が設けられている。また、チューブ本体64の側壁部65の内部には2つの潤滑液供給路70A、70Bが設けられている。そして、潤滑液供給路70Aは供給口70、92に連通し、潤滑液供給路70Bは供給口88、9に連通している。
第3の実施形態によれば、挿入補助具60Bと挿入部12との相対的な位置関係の変化によって、側壁開口部68の後端縁部68b又は側端部68c、68dが挿入部12を受け支える部分になったとしても、当該部分には潤滑液が供給されているので、挿入部12との間に生じる摩擦抵抗を効果的に低減することができる。
なお、第3の実施形態では、2つの潤滑液供給路70A、70Bが設けられた構成を示したが、これに限らず、1つの潤滑液供給路から各供給口に分配供給するようにしてもよいし、供給口毎に潤滑液供給路が設けられていてもよい。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的部分を中心に説明する。
図12及び図13は、第4の実施形態に係る内視鏡用挿入補助具60Cの先端付近の構成例を示した概略図であり、図12は平面図、図13は正断面図(図12中13−13線に沿う断面図)である。
第4の実施形態では、図12及び図13に示すように、チューブ本体64の側壁開口部68の先端縁部68aが硬質の多孔質体80で構成されており、潤滑液は供給口70A、70Bから多孔質体80を介して供給されるようになっている。硬質の多孔質体80としては、例えば多孔質セラミックスなどを用いることができる。
第4の実施形態によれば、多孔質体80の毛細管現象によってその表面に形成される微細孔から潤滑液が一定の流量で低速に供給されるので、側壁開口部68の周辺部に潤滑液が飛散することなく、先端縁部68aを潤滑液で常に湿潤させた状態にしておくことが可能となり、挿入部12との間に生じる摩擦抵抗をより効果的に低減することができる。
なお、第4の実施形態では、側壁開口部68の先端縁部68aのみが多孔質体80で構成されているが、これに限らず、側壁開口部68の内壁面全体が多孔質体80で構成されていてもよい。この場合、側壁開口部68の内壁面全体を潤滑液で湿潤させることが可能となる。
<第5の実施形態>
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的部分を中心に説明する。
図14は、第5の実施形態に係る挿入補助具60Dの先端付近の構成例を示した概略図(側断面図)である。
第5の実施形態では、図14に示すように、チューブ本体64の側壁開口部68の先端縁部68aの角部82、84(外側エッジ部82及び内側エッジ部84)がそれぞれR加工された構成となっている。かかる構成によれば、側壁開口部68の先端縁部68aで受け支えながら挿入部12を体腔内に挿入する際、挿入部12が先端縁部68aの角部82、84に接触して潤滑液が掻き落とされてしまうのを効果的に防止することができる。
<第6の実施形態>
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的部分を中心に説明する。
図15は、第6の実施形態に係る挿入補助具60Eの構成例を示した概略図(側断面図)である。
第6の実施形態では、図15に示すように、チューブ本体64の基端側の内部には潤滑液が充填された潤滑剤供給用バルーン(以下、単に「バルーン」という。)94が設けられている。このバルーン94は、チューブ本体64の内壁面の周方向に沿ってドーナツ状(環状)に形成されており、バルーン94の内部(すなわち、チューブ本体64の内壁面との間に形成される空間部)に潤滑剤が充填されている。また、バルーン94の内部には、潤滑液供給路72の基端部が開口している。
バルーン94の中央開口部94aは挿入部12の挿入口となっており、中央開口部94aに挿入部12が挿入される前の状態では、中央開口部94aの開口径は挿入部12の外径より小さな径を有している。これにより、挿入部12が中央開口部94aに挿入されたとき、バルーン94は挿入部12から所定の圧力を受け、バルーン94の内部に充填されている潤滑液を潤滑液供給路72を介して供給口70から側壁開口部68の先端縁部68aに供給することが可能となる。
第6の実施形態によれば、挿入補助具60Eに挿入部12を挿入すると潤滑液が側壁開口部68に自動的に供給されるので、潤滑液を供給するための操作が不要となり、術者の操作負担を軽減することが可能となる。
<第7の実施形態>
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的部分を中心に説明する。
図16は、第7の実施形態に係る挿入補助具60Fの構成例を示した概略図(側断面図)である。
第7の実施形態では、図16に示すように、側壁開口部68よりも先端側となるチューブ本体64の側壁部65の外周面には、挿入補助具60Fを管腔壁(例えば十二指腸の内壁)に固定するための固定用バルーン96が取り付けられている。この固定用バルーン96は、チューブ本体64の側壁部65内にチューブ軸方向に沿って延設された流体管路98に連通している。流端管路98の他端部は、バルーン制御装置(不図示)に接続されている。バルーン制御装置から流体管路98を介して固定用バルーン96内にエア等の流体を供給することにより、固定用バルーン96は、チューブ本体64の周りに環状に膨張し、挿入補助具60Fが管腔壁に固定されるようになっている。また、バルーン制御装置から流体管路98を介して固定用バルーン96内の流体を排出することにより、挿入補助具60Fの管腔壁に対する固定は解除され、挿入補助具60Fを前後に移動させることが可能となる。
固定用バルーン96の内部には、潤滑剤を充填した袋状部材100が設けられている。潤滑液供給路72の一端は側壁開口部68の先端縁部68の供給口70に接続されるとともに他端は袋状部材100内に開口している。これにより、バルーン制御装置から固定用バルーン96内に流体が供給されると固定用バルーン96の内部圧力は高まり、固定用バルーン96は外側に向かって膨張するとともに、袋状部材100は内側に向かって押圧され、袋状部材100内の充填剤は潤滑液供給路72を介して供給口70から押し出されるように供給される。なお、固定用バルーン96の厚みと袋状部材100の厚みの関係等により、固定用バルーン96が膨張する(し始める)際に固定用バルーン96を外側に向かって押し広げる力と内側に向かって袋状部材100を押圧する力に振り分けられるように設定されている。
第7の実施形態によれば、固定用バルーン96を膨張させて挿入補助具60Fを管腔壁に固定する際に潤滑液が側壁開口部68に自動的に供給されるので、潤滑液を供給するための操作が不要となり、術者の操作負担を軽減することが可能となる。
<第8の実施形態>
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的部分を中心に説明する。
図17及び図18は、第8の実施形態に係る挿入補助具60Gの構成例を示した概略図(側断面図)であり、図17は挿入補助具60Gの先端側の構成を示し、図18は挿入補助具60Gの基端側の構成を示している。また、図19は、挿入補助具60Gに設けられる駒部材を示した斜視図である。
第8の実施形態では、図17に示すように、側壁開口部68よりも先端側となるチューブ本体64の側壁部65には、潤滑液供給路72の一部を構成する空間部102が形成されている。また、空間部102と側壁開口部68との間には駒部材104が設けられている。駒部材104は、円板状の基端部106が空間部102内に嵌入されるとともに、半球状の先端部108が側壁開口部68に露出した状態となっており、基端部106と先端部108との間は軸部110を介して接続されている。
また、挿入補助具60Gの基端側には、図18に示すように、チューブ本体64の側壁部65の外周面に潤滑剤を圧入充填した袋状部材112が設けられている。袋状部材112の内部には、潤滑液供給路72の基端部が開口している。本実施形態では、袋状部材112が側壁部65の外周面の周方向全体にわたって形成された構成を示したが、これに限らず、側壁部65の外周面の周方向一部のみに形成されていてもよい。
かかる構成により、側壁開口部68から挿入部12の先端が導出される前の状態では、袋状部材12から潤滑液供給路72を介して空間部102に供給される潤滑液によって、駒部材104はA方向に付勢されており、駒部材104の基端部106によって空間部102と供給口70との間は非連通状態となり、供給口70には潤滑液が供給されないようになっている。
一方、側壁開口部68から挿入部12の先端が導出されるときには、挿入部12が駒部材104の先端部108に当接し、駒部材104がB方向に所定量移動する。これによって、空間部102と供給口70との間は連通状態となり、供給口70には潤滑液が供給されるようになる。
第8の実施形態によれば、側壁開口部68から挿入部12の先端を導出する際に潤滑液が側壁開口部68に自動的に供給されるので、潤滑液を供給するための操作が不要となり、術者の操作負担を軽減することが可能となる。
以上、本発明の内視鏡用挿入補助具について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
10…内視鏡、12…挿入部、14…手元操作部、60…挿入補助具、62…把持部、64…チューブ本体、66…挿通路、68…側壁開口部、68a…先端縁部、70…供給口、72…潤滑液供給路、78…潤滑液供給部、80…多孔質体

Claims (6)

  1. 内視鏡の挿入部が挿通される挿通路を有する筒状体と、
    前記筒状体の先端側の側壁部に設けられ、前記挿入部の先端部を導出可能な側壁開口部であって、前記挿入部の先端部を前記側壁開口部から導出して体腔内に誘導する際に前記挿入部を受け支える縁部を有する側壁開口部と、
    前記側壁開口部の縁部に形成された供給口と、
    前記供給口に連通され、該供給口に潤滑液を供給する潤滑液供給路と、
    を備えたことを特徴とする内視鏡用挿入補助具。
  2. 前記側壁開口部の縁部は、前記側壁開口部の先端側であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用挿入補助具。
  3. 前記潤滑液供給路は、前記筒状体の側壁部の内部に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内視鏡用挿入補助具。
  4. 前記供給口は、前記側壁開口部の縁部に複数設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内視鏡用挿入補助具。
  5. 前記側壁開口部の縁部には多孔質体が設けられ、前記供給口は前記多孔質体の表面に形成される微細孔であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内視鏡用挿入補助具。
  6. 前記側壁開口部の縁部の角部は面取り加工されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内視鏡用挿入補助具。
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