JP5253287B2 - ギヤポンプ - Google Patents
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Description
このようなギヤポンプは、回転する両ギヤのかみ合い部分においてギヤが接近する方向に回転する側の吸い込みポートから流体を吸い込み、反対側の吐出ポートから流体を吐出する仕組みになっている。
そこで、上記高圧部において両ギヤの両側面をシールし、ギヤ側面から流体の漏れがないようにする必要がある。そのために、上記ギヤの側面とボディ内壁との間にサイドプレートを介在させ、このサイドプレートのボディ側に吐出ポートから高圧を導いてその圧力を利用し、サイドプレートをギヤの側面に密着させるようにしている(特許文献1,2参照)。
そこで、上記ギヤポンプが作動し、負荷圧が高まってサイドプレートのボディ側が高圧となるが、サイドプレートとギヤ側面との間は、低圧側と連通しているので、サイドプレートの両側で圧力差が生じる。この圧力差によってサイドプレートがギヤ側面に押し付けられ、容積効率を確保できることになる。
なお、ギヤ1の他方の側面1bと、この側面1bと対向する図示しないサイドプレートの対向面についても上記と同様にする必要がある。
しかし、砥石gによって、上記シャフト2の周囲を研削する場合、側面1aを正確に上記平面Aに仕上げることは難しい。特に、ギヤ1の両側面1a,1bは、別々に研削するので、左右間のばらつきや、砥石交換によるロット間のばらつきなどによって、どちらの側面も軸線Lに直交する平面Aに仕上げられないことがある。具体的には、ギヤ側面1aの歯先1cよりも、シャフト2側である中心側1dの方が外側に位置したり、内側に位置したりすることがある。
また、無負荷状態でサイドプレート3とギヤ1の中心側1dとが接触するので、シャフト2とシャフト孔4との間を介しての連通が遮断され、サイドプレート3とギヤ側面1aとの間へ低圧が導かれなくなってしまう。そのため、吐出圧が高くなってもサイドプレート3の両側の圧力差が大きくならず、サイドプレート3の押し付け力が弱く、容積効率が低下してしまう。
さらに、サイドプレート3側のばらつきによっても、ギヤ1の歯先1c側に大きな隙間ができるとともに、低圧の導入が阻害されることがあり、この場合にも上記と同様に容積効率が低下してしまう。
この発明の目的は、加工時に、ギヤ側面やサイドプレートの対向面にばらつきがあったとしても、そのばらつきを吸収して容積効率を確保できるギヤポンプを提供することである。
第2の発明は、上記サイドプレートであって上記ギヤとの対向面を、シャフト孔中心に向かって傾斜させた凹面としてなる点に特徴を有する。
第2の発明では、サイドプレート側に形成した凹面によって、ギヤ側面とサイドプレートとの間の隙間をシャフト孔中心に向かって大きくするようにしている。上記サイドプレートは、プレス加工などで形成でき、ギヤの側面よりも容易に寸法精度を保つことができるため、上記凹面を再現性良く形成できる。従って、さらに生産性を上げることができる。
このサイドプレート3は、図1の断面図のように、ギヤ1のシャフト2を挿入するシャフト孔4と、図示しないもう一方のギヤのシャフトを挿入するシャフト孔5とを備えている。
そして、サイドプレート3であって、上記ギヤ1及び他のギヤに対向する対向面3aには、一方のシャフト孔4の中心に向かって傾斜する凹面6と、他方のシャフト孔5の中心に向かって傾斜する凹面7とを備えている。
なお図中符号L’は、上記シャフト孔5の中心を通る軸線である。
なお、上記凹面6,7は同様に形成され、対向するギヤとの関係も同じなので、以下には、上記ギヤ1と、このギヤ1の側面1aに対向する凹面6とについてのみ説明する。
なお、図2〜図4において、ギヤ1は歯溝を省略し、外形のみを表わしている。
そして、この側面1aが、図2のように目的の通りに平面Aに一致した場合には、ギヤポンプを組み立てたとき、上記凹面6の外周側がギヤ1の歯先1cに接触するが、ギヤの側面1aとサイドプレート3の対向面3aとの間の隙間はシャフト2に向かって徐々に大きくなる。
ただし、上記凹面6,7は、図1〜4では、説明のため極端に表しているが、実際には数(μm)のへこみである。
上記のように、少なくとも歯先1c部分がサイドプレート3に接触することで、容積効率が確保できる理由は以下のとおりである。
また、特に、圧力差の大きいシャフト側で、押し付け力が大きくなるため、サイドプレート3が撓むこともある。このようにサイドプレート3が撓んで、中心側1dの隙間がより小さくなれば、さらに流体の漏れを小さくすることができる。
従って、仮にサイドプレート3がギヤ側面1aに面接触していなくても、少なくとも歯先1c部分が接触していれば、ギヤポンプとして不良品となるような容積効率の低下はないのである。
ただし、ギヤ1の側面1aを形成する際には、上記したように研削工程でのばらつきがあり、全てのギヤ1の側面1aを上記平面Aと一致させることができない場合がある。しかし、上記ギヤ1の側面1aが多少ばらついた場合でも、この第1実施形態のギヤポンプなら容積効率を確保できる。
この図3においても、ギヤ1の側面1a側のへこみを極端に表しているが、実際には数(μm)であり、サイドプレート3の凹面6との間の隙間は、最大となる中心側1dでも、10(μm)以下にすることができる。
上記のように、図1に示す第1実施形態のサイドプレート3を用いれば、ギヤ1の側面1aが目的の平面に対して多少ばらついて形成されても、それらのばらつきを吸収して、容積効率を確保することができる。従って、不良品の発生率を下げることができる。
なお、上記では、ギヤ1の一方の側面1a側についてのみ説明したが、ギヤ1にかみ合う他方のギヤと上記凹面7との関係は、上記側面1aと凹面6と同様である。また、上記側面1aと反対側の側面1b側についても上記と同様である。
この第2実施形態の場合には、ギヤ1の側面1aを、上記凸面8を収容可能な凹面となるように加工する必要がある。そのため、ギヤ1の加工時には歯先1cに対して中心側1dが内側にへこんだ面を目的の側面1aとしている。
なお、この第2実施形態においても、上記ギヤ1にかみ合う他方のギヤや、他方の側面についても、上記と同様の構成が必要である。
1a 側面
1b 側面
1c 歯先
2 シャフト
3 サイドプレート
3a 対向面
4 シャフト孔
5 シャフト孔
6 凹面
7 凹面
Claims (2)
- ボディに一対のギヤを組み込むとともに、ギヤ側面とボディの内壁面との間にサイドプレートを介在させ、このサイドプレートのボディ側には高圧を導くとともに、サイドプレーのギヤ側にはギヤのシャフト周りを介して低圧を導入可能にし、上記サイドプレートでギヤの歯溝をシールする構成にしたギヤポンプにおいて、上記ギヤ側面と上記サイドプレートとの相対的な形状を、少なくとも上記ギヤの歯先が上記サイドプレートに接触するとともにギヤ側面と上記サイドプレート間の隙間がギヤシャフトの中心に向かって徐々に大きくなる構成にしたギヤポンプ。
- 上記サイドプレートであって上記ギヤとの対向面を、シャフト孔中心に向かって傾斜させた凹面としてなる請求項1に記載のギヤポンプ。
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