JP5252859B2 - 磁性体膜の製造方法および磁性体膜 - Google Patents

磁性体膜の製造方法および磁性体膜 Download PDF

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Description

本発明は、記録媒体として用いる磁性体膜の製造方法、および記録媒体として用いる磁性体膜に関する。
近年、磁気記録媒体の記録密度を高密度化が要望されている。この高密度化技術としては、例えば磁性結晶が分離され、かつ磁性の記録軸を基板面に対して垂直にした、いわゆる垂直磁気記録媒体が知られている。この磁気記録媒体は、磁性結晶体が独立して基板上に設けられ、各々の磁区の干渉が少なくそれぞれの磁性を安定して保持できるため、記録情報を長期間安定して記録・保持できるという利点を有する。
鉄白金合金の磁性体粒子(以下、鉄白金粒子とする)をシリコン基板上やガラス基板上に配置する従来技術には、予め合成した鉄白金粒子を基板上に塗布することにより基板上に島状の結晶体を形成する方法がある。塗布に用いる粒子は当該粒子の凝集を抑制する目的で表面を修飾するための界面活性剤が付けられており、個の働きによって基板に塗布した後に自己組織化現象によって粒子同士がほぼ等間隔に並んだ配列構造を形成する。
したがって、この方法は、スパッタによる薄膜形成とリソグラフィを用いたパターニングが不要になるため、磁性体膜を簡便かつ低コストで製造することが可能になる。この磁性体粒子を垂直磁気記録媒体として用いる場合、粒子が配列していると同時に各々の粒子の磁化容易軸が垂直方向に配向していることが必要であることはもちろんである。
これを達成するために従来は磁場を用いる方法が提案されている(非特許文献1参照)。ところがこの方法では、水平方向に配向させられることが確認されているものの、垂直方向への配向に関しては磁化した粒子同士がお互いに引き合ってしまうことによって多くの粒子が単層とならず粒子が多層に重なってしまい、結果的に必要以上の粒子が消費されコストがかかっていた。
Satoru Momose et al.,Jpn.J. Appl. Phys. 45,6528−6533 (2006)
前述したように粒子状の鉄白金合金の組成を有する磁性体膜が種々開示されている。
しかし、シリコン基板またはガラス基板は鉄白金の結晶軸を垂直記録に対応した向きに配向させることが困難となる。このため、所定の記録容量を確保するには過剰の鉄白金合金の組成を有する結晶体を必要とする。
そこで本発明は、基材表面に形成された、白金層または銀層の面に対して垂直方向に高い保磁力を持つ垂直磁気異方性を有する磁性体膜を製造する方法、および基材表面に形成された、白金層または銀層の面に対して垂直方向に高い保磁力を持つ垂直磁気異方性を有する磁性体膜を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の磁性体膜の製造方法は、基材表面に形成された、(001)面方位を有する白金層上に鉄成分が50原子%を超える鉄白金粒子を含む液を塗布して塗布層を形成する工程と、酸素含有酸化剤存在雰囲気中で前記基材を加熱する工程と、還元性雰囲気中または真空雰囲気中で前記基材を加熱する工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る第2の磁性体膜の製造方法は、基材表面に形成された、(001)面方位を有する白金層上に鉄成分が50原子%を超える鉄白金粒子を含む液を塗布して塗布層を形成する工程と、前記鉄白金粒子表面上および前記白金層表面上の付着物を除去する工程と、還元性雰囲気中または真空雰囲気中で前記基材を加熱する工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る第3の磁性体膜の製造方法は、基材表面に形成された、(001)面方位を有する白金層上に鉄成分が50原子%を超える鉄白金粒子を含む液を塗布して塗布層を形成する工程と、前記鉄白金粒子表面上および前記白金層表面上の付着物を除去する工程と、前記白金層に垂直に磁場を印加する工程と、還元性雰囲気中または真空雰囲気中で前記基材を加熱する工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る第4の磁性体膜の製造方法は、基材表面に形成された、(001)面方位を有する銀層上に鉄成分が40原子%以上60原子%以下の鉄白金粒子を含む液を塗布して塗布層を形成する工程と、前記鉄白金粒子表面上および前記銀層表面上の付着物を除去する工程と、還元性雰囲気中または真空雰囲気中で前記基材を加熱する工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る磁性体膜は前記第1乃至第4の磁性体膜の製造方法のいずれか一の方法により製造されることを特徴とする。
本発明により、基材表面に形成された、白金層または銀層の面に対して垂直方向に高い保磁力を持つ垂直磁気異方性を有する磁性体膜を製造する方法、および基材表面に形成された白金層または銀層の面に対して垂直方向に高い保磁力を持つ垂直磁気異方性を有する磁性体膜を提供できる。
以下、本発明の実施の形態に係る磁性体膜の製造方法、および磁性膜を図を用いて説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明に係る典型的な実施形態に係る磁性体膜の製造方法を示す概略図である。第1の磁性体膜の製造方法は、基材9の表面に形成された、(001)面方位を有する白金層1の上に、鉄成分が50原子%を超える鉄白金粒子2を含む液を塗布して塗布層3を形成する工程(図1(A))と、酸素含有酸化剤存在雰囲気にて350℃以下で加熱する工程(以下、第1の加熱工程とする)(図1(C))と、還元性雰囲気中または真空雰囲気中で350℃以上640℃以下の温度で加熱する工程(以下、第2の加熱工程とする)(図1(D))と、を有することを特徴とする。ここでの各温度は、加熱雰囲気の温度を熱電対等の温度測定手段により計測することができる。
〔基材・白金層〕
基材9として白金、ガラス、マグネシア、アルミナ、シリコン、窒化チタン等の基板を用いることができる。
(001)面方位を持つ白金層1はこれら基材9の表面に形成される。基材9が(001)面方位を持つ白金基板である場合には白金基板である基材9と白金層1とが一体的であることを許容する。前記白金層1としては単結晶白金層または多結晶白金層が挙げられる。
ここで(001)面方位とは完全に(001)面に揃っている場合も含め、実質的に(001)面方位を有していればよい。具体的には、結晶軸が基板表面に対して90°±5°の範囲内であることを許容する。この範囲であれば、本発明の目的、作用効果を同等に満たすからである。
〔鉄白金粒子〕
鉄白金粒子2は、例えば非特許文献1に記載の液相合成法により得ることができる。具体的には、ペンタカルボニル鉄[Fe(CO)]、ビス(アセチルアセトナト)白金(II)[Pt(AcAc)]の混合液を攪拌することにより合成することができる。このほか、ポリオール法なども用いることもできる。
鉄白金粒子2は、鉄成分と白金成分を主成分として構成される。鉄成分が50原子%より多く、特に60原子%以上90原子%以下であることが好ましい。50原子%以下になると磁気特性が急激に低下するため、好ましくない。一方、鉄成分が60原子%以上90原子%以下の範囲では磁気特性が急激に増大するため本発明の目的、効果を発揮するために好ましい。
ここで「50原子%」など「原子%」と記載される単位についての測定方法としては、高角度散乱暗視野走査透過電子顕微鏡法(HAADF STEM)を用いることができる。
また、測定の誤差、サンプルの個体間差などを把握した上で、実質的に所定の原子%とすればよい。すなわち、原子1個単位で50原子%とすることを要するものではない。本発明の実施を適切に行うことができる精度であり、かつ上記測定方法にて管理できる範囲における「原子%」を意味するものである。
このような鉄成分を有する鉄白金粒子2において、後述する加熱時の鉄白金粒子2中の鉄原子と白金層1の白金原子の相互拡散(元素の交換)から低い温度での加熱の場合には鉄成分が低い側の鉄白金粒子2を用い、高い温度での加熱の場合には鉄成分が高い側の鉄白金粒子2を用いることが好ましい。
前記鉄白金粒子2は、例えば前記白金層1と平坦な面で接する球状体または四角柱、五角柱、六角柱のような多角柱状体の形状を有することができる。このような形状の鉄白金粒子2は、単一形状に限らず、2種以上が混在した形状であってもよい。鉄白金粒子2が球状体である場合、2〜10nmの平均径を有することが好ましい。2nmよりも小さくなると室温において磁性を安定に保てないという物理的な限界があり、また、10nmより大きくなると原子の拡散が十分に達成されないからである。
〔塗布液の製造方法〕
塗布層3を形成するために用いる液(スラリー)は、例えばヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、エタノールのような有機溶剤の液4に前記鉄白金粒子2を界面活性剤5とともに分散させた分散液を用いることができる。鉄白金粒子2は界面活性剤5の働きよって凝集することなくスラリーの中に分散される。
界面活性剤5としては公知のイオン性(カチオン性、アニオン性、両性)の界面活性剤および非イオン性(ノニオン性)の界面活性剤のいずれを用いてもよく、単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。以下に、具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルスルホン酸およびその塩、アルキルベンゼンスルホン酸およびその塩、ポリオキシアルキレンスルホン酸およびその塩パーフルオロアルキルスルホン酸およびその塩、パーフルオロアルキルべンゼスルホン酸およびその塩、パーフルオロポリオキシアルキレンスルホン酸およびその塩、ポリスチレンスルホン酸およびその共重合体、ポリビニルスルホン酸およびその共重合体、ポリパーフルオロビニルスルホン酸およびその誘導体、ポリアクリル酸およびその共重合体などが挙げられる。
カチオン性界面剤としては、アルキルトリメチルアンモニウムハライドなどの4級アンモニウム基を持つポリマーおよび高級アルカン誘導体などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、スルホン酸基(RSO )および4級アンモニウム基(R)を分子中内に有するポリマーおよび高級アルカン誘導体(スルホン酸ベタイン)や、カルボキシル基(RCOO)および4級アンモニウム基(R)を分子中に有するポリマーおよび高級アルカン誘導体(ベタイン)などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤は、アルキルスルホン酸エステル、アルキルべンゼスルホン酸エステル、ポリオキシアルキレンとその共重合体、ポリオキシアルキレンスルホン酸エステル、パーフルオロアルキルスルホン酸エステル、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸エステル、パーフルオロポリオキシアルキレとその共重合体、パーフルオロポリオキシアルキレンスルホン酸エステル、ポリスチレンスルホン酸とその共重合体、ポリパーフルオロビニルスルホン酸エステルとその共重合体、およびポリアクリル酸エステルとその共重合体などが挙げられる。
分散方法はスターラーを用いて攪拌させる方法、超音波を用いる方法などが例示される。
〔磁性膜の製造方法〕
磁性体膜を製造する方法を以下に示す。
白金基板を基材9としている場合、白金層1の表面を整えるために前記白金基板を研磨してもよい。具体的には、単結晶または多結晶のような白金基板の表面をその(001)面方位が表出するように研磨する。一方、ガラス、マグネシア、アルミナ、シリコン、窒化チタン等の基板を基材9としている場合には、これら基材9の表面に(001)面方位を有する白金層1を形成したものを用いればよい。
なお、(001)面方位を表出させる前記研磨工程は当該(001)面方位が揃っていれば省略することも可能である。
〔塗布工程(塗布層形成):S1〕
次いで、基材表面に形成された、(001)面方位を有する白金層1の表面上に前記スラリーを塗布し、前記鉄白金粒子2を配列させる(図1(A))。ここで「配列」とは白金層1の表面上に前記鉄白金粒子2を配置することをいう。すなわち、分散技術における規則性をもって堆積する場合も含むものである。
例えばスピンコーティング法を用いて白金層1の表面にスラリーを塗布することにより、白金層1の表面上へ塗布層3を形成し、このことによって鉄白金粒子2の配列を行うことができる。
鉄白金粒子2が球状体である場合、白金層1の表面上に配列する鉄白金粒子2は、その隣接する鉄白金粒子2との間隔がその鉄白金粒子2の径と同等程度であることが好ましい。
塗布層3を白金層1の表面上に形成した後に前記有機溶剤4を乾燥して除去し、鉄白金粒子2を白金層1の表面上に配列させることができる(図1(B))。
〔加熱工程(第1の加熱工程):S21〕
次いで、塗布層を形成した白金層1を加熱する(第1の加熱工程)(図1(C))。加熱は白金層1を有する基材9ごと加熱してもよい。
この第1の加熱工程は、酸素含有酸化剤存在雰囲気中にて350℃以下、より好ましくは300℃以下の温度にて加熱されることが望ましい。350℃以下であれば、鉄白金粒子2が酸化されにくく、これにより磁化を効果的に行うことができるためである。加熱手段は、ヒーター加熱の他に、レーザー照射、電子線照射、ガンマ線照射などにより加熱を行ってもよい。
また、前記有機溶剤4を乾燥除去する操作と、本加熱工程の操作は同時あるいは連続的に行ってもよいし、別々に行ってもよい。
ここで「酸素含有酸化剤存在雰囲気」とは酸素のみならず、オゾン、一酸化炭素など、有機物、無機物を酸化する能力を有するガスを含んだ雰囲気をいう。例えば、大気雰囲気あるいは大気雰囲気よりも酸素リッチな酸化性雰囲気、あるいは大気雰囲気よりも酸素プアな酸化性雰囲気も含まれる。特にオゾンは酸素よりも酸化力が高く、酸素単独の場合に比べ低温処理が可能である。このため、処理時間の短縮、歩留まり向上といった点で利点を有する。
〔加熱工程(第2の加熱工程):S4〕
さらに、前記第1の加熱工程の後、前記白金層1を加熱する(第2の加熱工程)(図1(D))。加熱は白金層1を有する基材9ごと加熱してもよい。
この第2の加熱工程は、還元性雰囲気中または真空雰囲気中、350℃以上640℃以下、より好ましくは450℃以上600℃以下の温度にてなされることが望ましい。
350℃より低温で加熱すると鉄は結晶面方位が白金層1に対して平行にならず、640℃より高温だと鉄白金粒子2が互いに凝集してしまう。一方、450℃以上600℃以下の範囲においては鉄白金結晶体7の(001)面が白金層1の(001)面と平行な面となり、かつ、粒子径が保たれるという利点がある。
還元雰囲気としては例えば水素ガスなどの還元性ガスを流通させている雰囲気を適用することができる。真空雰囲気中としては相対圧で10−4MPa以下であればよく、還元性ガスあるいは不活性ガスに置換した後に減圧すればさらに好ましい。
加熱手段には、ヒータ加熱の他に、レーザー照射、電子線照射、ガンマ線照射などの加熱手段を用いることもできる。
〔磁性体膜〕
このようにして製造された磁性体膜8は(001)面方位を持つ、例えば結晶性を有する白金層1上に、複数の、例えば球に近似した形状の鉄白金結晶体7が配置され、それら鉄白金結晶体7は白金層1の表面に平行な面においてその白金層1の(001)面方位と同じ(001)面方位を有する(図1(D))。前記鉄白金結晶体7は、鉄および白金がそれぞれ50原子%の組成領域を有する。ここで(001)面方位は前述の通りである。
ここで「平行な面」とは、白金層1の(001)面に対して実質的に平行な面であることをいう。すなわち、鉄白金結晶体7の(001)面の方位が0°±5°の範囲内であればよく、完全に平行である場合に限定されるものではない。このように実質的に「平行な面」となっていれば、当該範囲については本発明の目的及び作用・効果を発揮することができるからである。
〔発明の技術的意義〕
このようにして得られる磁性体膜8が白金層1に対して垂直方向に高い保磁力を持つ垂直磁気異方性を有する理由は明らかではないが、以下のような理由が推測される。なお、ここでは第1の実施態様において、白金基板を基材9として用いた場合を例に説明する。
前記本発明に係る第1の実施の態様においては、還元性雰囲気中または真空雰囲気中で加熱する工程(第2の加熱工程)において、鉄白金粒子2中に含まれる鉄原子と白金層1中に含まれる白金原子は相互に拡散する。すなわち、鉄白金粒子2中の鉄原子が白金層1中に拡散移動し、同時に白金層1中の白金原子が鉄白金粒子2中に移動する、元素の交換が行われるのである。
白金層1中では白金元素の位置は結晶の方位に従って固定されている。鉄白金粒子2の結晶構造は、鉄白金粒子2と白金層1の界面にてなされる鉄と白金の元素交換の過程で次第に白金層1と同様な構造を有するようになる。その結果、(001)面方位を有する白金層1上に当該白金層1の有する(001)面方位と平行な(001)面方位を有する島状の鉄白金結晶体7が配置された磁性体膜を得ることができる。
また、鉄白金結晶体7は前述した鉄白金粒子2中に含まれる鉄原子と白金層1の白金原子の相互拡散により、白金層1の界面で白金成分が増大する。すなわち、白金層1の界面から離れるに従い、白金成分が減少する濃度勾配を有する。鉄成分が50原子%を超える、好ましくは鉄成分が60原子%以上90原子%以下の鉄白金粒子2を用いることにより、前記濃度勾配に最も保磁力が強くなる鉄および白金がそれぞれ50原子%の組成領域を存在させることが可能になる。
この場合、組成領域は、例えば白金基板の表面(前記白金層1界面)に対し垂直方向±10nmの部位を前記測定方法で測定することにより明らかとすることができる。
このような第2の加熱工程を効果的に行うためには、その前段の工程が重要であることが発明者の検討により明らかとなってきた。
すなわち、鉄成分が50原子%を超える鉄白金粒子2を含む液(スラリー)を塗布して塗布層3を形成する工程において液中に含まれる有機溶剤4を除去した直後にいきなり前記第2の加熱工程を適用すると本発明のような効果は得られない。この原因は界面活性剤5などの付着物が鉄白金粒子2の表面および白金層1の表面に残留した状態であるため、前記第2の加熱工程を行ったとしても、鉄白金粒子2に含まれる鉄原子と白金層1の白金原子との相互拡散の効果が減じられてしまうためと考えられる。なお、付着物については後述する。
したがって、これら界面活性剤5などの付着物を前記第2の加熱工程の前工程において除去することが必要となる。これに対応する工程として、本発明に係る第1の実施の態様に示す第1の加熱工程が有効である。
この付着物を除去する前工程(いまの場合、第1の加熱工程)を第2の加熱工程の前に適用することにより、本発明特有の効果を有する磁性体膜の製造が可能になったと推測される。
なお、鉄白金粒子2の表面および白金層1の表面を他の付着物で汚染等しなければ、付着物を除去する前工程(いまの場合、第1の加熱工程)と第2の加熱工程との間に本発明の技術的意義を失わない限度において他の工程、例えば不活性ガス雰囲気での冷却工程、真空雰囲気下における検査工程などを含むことを妨げるものではない。
本発明に係る第1の製造方法に示す加熱手段を用いる加熱工程は、最も簡便な手段であり、例えば加熱装置さえ準備できれば、任意の形状のものに対し適用できる利点がある。
〔第1の実施の形態の効果〕
以上、第1の実施の形態によれば白金層1の面に対して垂直方向に高い保磁力を持つ垂直磁気異方性を有する磁性体膜8を得ることができる。このような磁性体膜8は、従来の磁性体膜10(均一な組成の島状磁性体)に比べ約1/2以下の鉄白金結晶体7の量で所定の密度の磁性記録媒体に適用できる。
また、本実施の形態によれば従来の方法(磁性体粒子を塗布後、磁場によって配向させる方法)に比べ約1/5以下の磁性体粒子によって白金層1の面に対して垂直方向に高い保磁力を持つ垂直磁気異方性を有し、所定の密度の磁性記録媒体に適用可能な磁性体膜を製造することができる。
〔第2の実施の形態〕
本発明に係る第2の磁性体膜の製造方法は、基材9の表面に形成した、(001)面方位を有する白金層1の上に、鉄成分が50原子%を超える鉄白金粒子2を含む液(スラリー)を塗布して塗布層3を形成する工程と、鉄白金粒子2の表面上および白金層1の表面上の付着物を除去する工程と、還元性雰囲気中または真空雰囲気中で前記基材9を加熱する工程と、を有することを特徴とする磁性体膜の製造方法である。
ここで、基材、白金層、鉄白金粒子、塗布液(スラリー)の製造方法、塗布工程については前記第1の実施の形態に記載したものと同様の方法を用いることができる。
〔付着物除去工程:S2〕
本発明に係る第2の磁性体膜の製造方法に係る付着物を除去する工程は、前記スラリーを白金層1上に塗布した後に鉄白金粒子2の表面上および白金層1に残留する付着物をこれらの表面上から除去する工程である。
ここで「付着物」とは鉄白金粒子2の表面上および白金層1の表面上に固着している、鉄白金粒子2以外の異物をいう。具体的には、前記有機溶剤4、前記界面活性剤5およびそれ以外の異物6を含む。例えば、第1の実施の形態に記載の350℃以下の温度領域で加熱する工程おいて除去される有機物等が例示される(以下、同じ)。
付着物を除去する手段としては、前記第1の実施の形態に記載した加熱手段(第1の加熱工程)を用いることができる。
また、前記加熱手段(第1の加熱工程)に代えて他の手段も採り得る。例えば、塗布層3をプラズマエッチングする工程、あるいは塗布層3に紫外線照射する工程も適用することができる。もちろん、これらと同等あるいはそれ以上の効果を奏する手段であれば付着物の除去工程の手段として用いることができる。
〔プラズマエッチング工程:S22〕
プラズマエッチングする工程は鉄白金粒子2を塗布した基板を窒素またはアルゴンなどの不活性ガスに対し酸素ガスを1vol%以上10vol%以下の割合で混合させたガス雰囲気中で圧力を130kPa程度に保った後、RF電力として例えば100Wを入力する条件で行うことができる。ガス雰囲気は不活性ガスに塩素ガスなどのガスを混合させた条件下でも行うことが出来る。
プラズマエッチング工程は微細加工に適しており、エッチングの制御が容易、装置の保守管理が容易であり、加熱工程のような加熱・冷却が不要のため処理時間を短くできるという利点がある。
〔紫外線照射工程:S23〕
当該紫外線を照射する工程は鉄白金粒子2を塗布した基板を窒素またはアルゴンなどの不活性ガスに対し、酸素ガスを1vol%以上10vol%以下の割合で混合させたガス雰囲気で、波長300nm以下、100Wの紫外線を照射する条件で行うことができる。
紫外線照射工程は化学物質を積極的には使用しない光学的手法であるため、プラズマエッチング工程のようなエッチングガスが不要であり、間欠運転など操作性が容易で、連続処理にも適しているという利点がある。
〔加熱工程:S4〕
本発明に係る第2の磁性体膜の製造方法において、還元性雰囲気中または真空雰囲気中で加熱する工程は、第1の実施の形態に記載した「第2の加熱工程」を適用することができる。
本発明に係る第2の実施の形態においても前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
〔第3の実施の形態〕
本発明に係る第3の磁性体膜の製造方法は、前記第2の実施の形態において、鉄白金粒子2表面上および白金層1表面上の付着物を除去する工程と、還元性雰囲気中または真空雰囲気中で前記基材を加熱する工程の間に基板面に垂直に磁場を印加する工程を含むものである。
ここで、基材、白金層、鉄白金粒子、塗布液(スラリー)の製造方法、塗布工程については前記第1乃至第2の実施の形態に記載したものと同様の方法を用いることができる。
〔磁場印加工程:S3〕
垂直磁場の印加は後述する実施例45に示すように付着物を除去する前工程(例えば、第1の加熱工程)と第2の加熱工程との間に磁場印加工程を含むことができる。具体的には、基板面に垂直に磁場を印加する工程は磁場強度1Tで15分間という条件で行うことが出来る。
〔加熱工程:S4〕
本発明に係る第3の磁性体膜の製造方法において、還元性雰囲気中または真空雰囲気中で加熱する工程は、第1の実施の形態に記載した「第2の加熱工程」を適用することができる。
本発明に係る第3の実施の形態においても前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
〔第4の実施の形態〕
本発明に係る第4の磁性体膜の製造方法は、前記第1乃至第2の実施の形態における白金層の代わりに銀層を用いたものである。主とする操作は前記第1乃至第2の実施の形態と共通する箇所があるので、以下においてはこれらと相違する点を中心に、図1を用いて説明する。
第4の実施形態に係る磁性体膜の製造方法は、基材9表面に形成された、(001)面方位を有する銀層1上に、鉄成分が40原子%以上60原子%以下の鉄白金粒子2を含む液を塗布して塗布層3を形成する工程と、鉄白金粒子2表面上および銀層1表面上の付着物を除去する工程と、還元性雰囲気中または真空雰囲気中で前記基材を加熱する工程と、を含むことを特徴とする磁性体膜の製造方法である。
〔銀層・基材〕
まず、基材9として白金、銀、ガラス、マグネシア、アルミナ、シリコン、窒化チタン等の基板を基材9として用いることができる。
(001)面方位を持つ銀層1はこれら基材9の表面に形成される。基材9が(001)面方位を持つ銀基板である場合には銀基板である基材9と銀層1とが一体的であることを許容する。銀層1としては単結晶銀層または多結晶銀層が挙げられる。(001)面方位の考え方は第1の実施の形態と同様である。
〔鉄白金結晶体〕
鉄白金粒子2の製造方法は第1の実施の形態に記載した方法と同様の方法を用いることができる。
ただし、鉄白金粒子2は、鉄成分と白金成分を主成分として構成されるが、銀層1に磁性体膜を形成する場合には、鉄成分が40原子%以上60原子%以下であることが好ましい。40原子%未満になると磁気特性が急激に低下するため、好ましくない。一方、鉄成分が40原子%以上になると磁気特性が急激に増大するため本発明の目的、効果を発揮するために好ましい範囲となるが、60原子%より多くなると再び磁気特性が急激に低下するため、好ましくない。
ここで「40原子%」など「原子%」と記載される単位についての測定方法は第1の実施の形態と同様である。
〔磁性膜の製造方法〕
〔スラリーの製造方法、塗布工程:S1〕
ここで、塗布液(スラリー)の製造方法、塗布工程については前記第1の実施の形態に記載したものと同様の方法を用いることができる(図1(A))。
〔付着物除去工程:S2〕
次に、付着物除去工程は第2の実施の形態に記載した方法を用いることができるが、銀層1の場合、第1の実施の形態に対応する加熱を用いる工程において、以下の点が異なる。
すなわち、付着物の除去を目的として加熱する工程(第1の加熱工程)を用いる場合、加熱の温度条件が異なる。第4の実施の形態においては、この第1の加熱工程は、酸素含有酸化剤存在雰囲気中、400℃以下、より好ましくは300℃以下の温度にてなされることが望ましい。400℃より高温になると鉄白金粒子2が酸化され、磁化しなくなるからである。なお、ここで「酸素含有酸化剤存在雰囲気」とは第1の実施の形態に記載した内容と同じである。
加熱手段は、ヒーター加熱の他に、レーザー照射、電子線照射、ガンマ線照射などにより加熱を行ってもよいこと、および前記有機溶剤4の乾燥除去と、本加熱工程を同時あるいは連続的に行ってもよいし、別々に行ってもよいことは第1の実施の形態と同様である。
また、プラズマエッチング、紫外線照射などを用いることができること、およびその条件、ならびにその効果についても第2の実施の形態と同様である。
すなわち、プラズマエッチングする工程は鉄白金粒子2を塗布した基材9を窒素またはアルゴンなどの不活性ガスに対し酸素ガスを1vol%以上10vol%以下の割合で混合させたガス雰囲気中で圧力を130kPa程度に保った後、RF電力として例えば100Wを入力する条件で行うことができる。ガス雰囲気は不活性ガスに塩素ガスなどのガスを混合させた条件下でも行うことができる。
当該紫外線を照射する工程は鉄白金粒子2を塗布した基材9を窒素またはアルゴンなどの不活性ガスに対し、酸素ガスを1vol%以上10vol%以下の割合で混合させたガス雰囲気で、波長300nm以下、100Wの紫外線を照射する条件で行うことができる。
プラズマエッチング工程は微細加工に適しており、エッチングの制御が容易、装置の保守管理が容易であり、加熱工程のような加熱・冷却が不要のため処理時間を短くできるという利点がある。また、紫外線照射工程は化学物質を積極的には使用しない光学的手法であるため、プラズマエッチング工程のようなエッチングガスが不要であり、間欠運転など操作性が容易で、連続処理にも適しているという利点がある。
もちろん、これらと同等あるいはそれ以上の効果を奏する手段であれば付着物の除去工程の手段として用いることができる。
これらの方法によっても前記加熱工程と同様に付着物除去を行うことが可能である(図1(C))。
〔第2の加熱工程:S4〕
本実施の形態に係る還元性雰囲気中または真空雰囲気中で加熱する工程は、第1の実施の形態に記載した「第2の加熱工程」を適用することができる(図1(D))。
ただし、加熱する工程(第2の加熱工程)において、加熱の温度条件が第1の実施の形態と異なる。第4の実施の形態においては、還元性雰囲気中または真空雰囲気中、350℃以上640℃以下、より好ましくは450℃以上600℃以下の温度にてなされることが望ましい。
350℃より低温で加熱すると鉄白金結晶体7の結晶面方位が(001)面に平行にならず、640℃より高温だと鉄白金粒子2が互いに凝集してしまう。逆に、450℃乃至600℃の範囲においては鉄白金結晶体7の(001)面が銀層1の(001)面と平行となり、かつ、粒子径が保たれるという利点がある。
なお、第1の実施の形態同様、(001)面方位を表出させる研磨工程は当該面方位が揃っていれば省略することも可能である。
さらに、第3の実施の形態に示すように、付着物を除去する前工程(例えば、第1の加熱工程)と第2の加熱工程との間に磁場印加工程を含むことができる。
以上、本実施の形態によれば基材9表面に形成された、銀層1の面に対して垂直方向に高い保磁力を持つ垂直磁気異方性を有する磁性体膜8を得ることができる。このような磁性体膜8は、従来の磁性体膜10(均一な組成の島状磁性体)に比べ約1/2以下の鉄白金結晶体7の量で所定の密度の磁性記録媒体に適用できる。
〔発明の技術的意義〕
このようにして得られる磁性体膜8が銀層1に対して垂直方向に高い保磁力を持つ垂直磁気異方性を有する理由は明らかではないが、以下のように推測される。
前記第2の加熱工程において、銀層1中の銀原子がマイグレーションをはじめる。このとき、接している鉄白金粒子2の原子も移動が促進される。つまり、鉄白金粒子2と銀層1の界面にてなされる銀原子のマイグレーションに誘発された鉄および白金の元素の移動の過程で鉄白金粒子2の結晶構造は次第に銀層1と同様な構造を有するようになる。その結果、(001)面方位を有する銀層1上に当該銀層1の(001)面方位と平行な(001)面方位を持つ島状の鉄白金結晶体7が配置された磁性体膜8を得ることができる。また、素材として用いる銀は白金に比較し安価であり、磁性体膜、記録媒体の製造原価低減を図ることができる利点も有する。
〔第5の実施の形態〕
〔磁性体膜・磁気記録媒体〕
前記第1乃至第4の実施の形態に記載のいずれか一の方法により製造される磁性体膜8は従来の方法(磁性体粒子を塗布後、磁場によって配向させる方法)に比べ約1/5以下の磁性体粒子によって白金層1の面に対して垂直方向に高い保磁力を持つ垂直磁気異方性を有し、所定の密度の磁性記録媒体に適用可能な磁性体膜8を製造することができる。
この磁性体膜8は磁気記録媒体として用いることができる。磁性体膜を磁気記録媒体に用いる方法としては種々の公知の方法を用いることができる。磁気記録媒体の対象としては、図3に示すような高密度ハードディスクドライブに用いられる記録媒体が例示されるが、これに限定されるものではない。
以下、本発明に係る実施例を図および表を用いて説明する。ただし、以下に説明する実施例はこの発明の技術思想を具体化するものを例示したものであり、本発明を限定させるものではない。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
予め、鉄成分量が60原子%で平均粒径が3nmの鉄白金粒子2をヘキサン中に10重量%分散させて鉄白金粒子2を含有するスラリーを調製した。このとき、界面活性剤5としてオレイルアミン30mol%ヘキサン溶液を用いて分散させた。
基材9として単結晶白金基板を用いた。この単結晶白金基板の表面を白金層1として(001)面方位が表出するように研磨した。つづいて、この白金層1板上に前記鉄白金粒子2を含有するスラリーを塗布し、塗布層3を形成した(図1(A))。
所定時間乾燥させて単結晶白金基板9上の白金層1上に鉄白金粒子2を固定させた(図1(B))。乾燥後の鉄白金粒子2を電子顕微鏡観察した。その結果、約3nmの鉄白金粒子2が約3nmで等間隔に配置されていた。
ここで、白金層1の表面を蛍光X線分析装置で観察したところ、1原子%より多くの炭素成分が認められた。
次いで、鉄白金粒子2を乾燥固定化した単結晶白金基板を空気中で100℃/分の速度で昇温し、300℃で5分間保持した(第1の加熱工程)。このような第1の加熱工程により白金層1上および鉄白金粒子2上の界面活性剤5およびそれ以外の付着物6が除去された(図1(C))。
ここで、白金層1の表面を蛍光X線分析装置で観察したところ、炭素成分が1原子%以下であった。
さらに、水素雰囲気中、100℃/分の速度で昇温し、450℃にて30分間保持した(第2の加熱工程)。このような第2の加熱工程により、(001)面方位を有する単結晶白金基板上に約3nmの粒状鉄白金結晶体7が約3nmで等間隔に配置され、鉄白金結晶体7の(001)面方位が単結晶白金基板の(001)面方位と平行である磁性体膜8を得た(図1(D))。
また、得られた磁性体膜8について外部磁場を印加したときの単結晶白金基板表面に垂直方向および水平方向の磁化を測定した。
この測定方法は、以下の通りである。試料片を超伝導磁束量子干渉計(Superconducting Quantum Interference Device、SQUID)を用いて−30kOeから30kOeまでの外部磁場をかけた後、この外部化磁場を取り除いて開放した時の残留磁化を測定した。その結果を図2に示す。ここで図2の曲線(A)は垂直方向の、曲線(B)は水平方向のヒステリシスをそれぞれ示している。この図2から磁性体膜8は、単結晶白金基板表面に対し、特に垂直の方向に大きな磁化を示すことがわかる。このときの保磁力は、3kOeであった。これを表1に示す。
実施例1における第1の加熱工程を用いる方法は大気雰囲気で処理を行うことができる
ため、その方法は後述のプラズマエッチングや紫外線照射といった方法に比較して簡便で
あるという利点がある。
Figure 0005252859
(比較例1)
実施例1に記載の第1の加熱工程のみを省略した以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。このときの工程概念図を図5に示す。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、図6のようになり、実施例1に比較して磁化特性が劣ることが判明した。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1に記載の鉄成分量について90原子%とした以外は実施例1と同様の方法でスラリーを調製し、次いで実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例3)
実施例1に記載の鉄成分量について75原子%とした以外は実施例1と同様の方法でスラリーを調製し、次いで実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例4)
実施例1に記載の鉄成分量について51原子%とした以外は実施例1と同様の方法でスラリーを調製し、次いで実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例5)
実施例1に記載の鉄成分量について95原子%とした以外は実施例1と同様の方法でスラリーを調製し、次いで実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(比較例2)
実施例1に記載の鉄成分量について49原子%とした以外は実施例1と同様の方法でスラリーを調製し、次いで実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例6)
実施例1に記載の第1の加熱温度を400℃とした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例7)
実施例1に記載の第1の加熱温度を350℃とした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例8)
実施例1に記載の第2の加熱工程の条件を600℃とした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例9)
実施例1に記載の第2の加熱工程の条件を350℃とした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例10)
実施例1に記載の第2の加熱工程の条件を640℃とした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例11)
実施例1に記載の第2の加熱工程の条件を340℃とした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例12)
実施例1に記載の第2の加熱工程の条件を650℃とした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例13)
実施例1に記載の第2の加熱工程の条件を450℃とした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(比較例3)
実施例1に記載の第2の加熱工程を省略した以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例14)
実施例1に記載の第1の加熱工程をプラズマエッチングとした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。
具体的には、条件は以下の通りである。すなわち、プラズマエッチングは不活性ガス(アルゴンガス)に対し酸素ガスを0vol%としたガス雰囲気中で圧力を130kPa程度に保った後、RF電力100Wを入力した条件下でプラズマエッチングを行った。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例15)
実施例1に記載の第1の加熱工程をプラズマエッチングとした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。
具体的には、条件は以下の通りである。すなわち、プラズマエッチングは不活性ガス(アルゴンガス)に対し酸素ガスを1vol%混合させたガス雰囲気中で圧力を130kPa程度に保った後、RF電力100Wを入力した条件下でプラズマエッチングを行った。
得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例16)
実施例1に記載の第1の加熱工程をプラズマエッチングとした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。
具体的には、条件は以下の通りである。すなわち、プラズマエッチングは不活性ガス(アルゴンガス)に対し酸素ガスを10vol%混合させたガス雰囲気中で圧力を130kPa程度に保った後、RF電力100Wを入力した条件下でプラズマエッチングを行った。
得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例17)
実施例1に記載の第1の加熱工程をプラズマエッチングとした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。
具体的には、条件は以下の通りである。すなわち、プラズマエッチングは不活性ガス(アルゴンガス)に対し酸素ガスを11vol%混合させたガス雰囲気中で圧力を130kPa程度に保った後、RF電力100Wを入力した条件下でプラズマエッチングを行った。
得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例18)
実施例1に記載の第1の加熱工程を紫外線照射とした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。
具体的には、条件は以下の通りである。すなわち、紫外線照射は不活性ガス(アルゴンガス)に対し酸素ガスを0vol%としたガス雰囲気で、波長300nm以下、100Wの紫外線を照射した。
得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例19)
実施例1に記載の第1の加熱工程を紫外線照射とした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。
具体的には、条件は以下の通りである。すなわち、紫外線照射は不活性ガス(アルゴンガス)に対し酸素ガスをそれぞれ1vol%混合させたガス雰囲気で、波長300nm以下、100Wの紫外線を照射した。
得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例20)
実施例1に記載の第1の加熱工程を紫外線照射とした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。
具体的には、条件は以下の通りである。すなわち、紫外線照射は不活性ガス(アルゴンガス)に対し酸素ガスを10vol%混合させたガス雰囲気で、波長300nm以下、100Wの紫外線を照射した。
得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例21)
実施例1に記載の第1の加熱工程を紫外線照射とした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。
具体的には、条件は以下の通りである。すなわち、紫外線照射は不活性ガス(アルゴンガス)に対し酸素ガスを11vol%混合させたガス雰囲気で、波長300nm以下、100Wの紫外線を照射した。
得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例22)
実施例1に記載の基材をSiOとし、この表面に(001)面方位を有する白金層を形成した以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。SiOはPtのように高額ではないため、安価な磁性体膜を提供することに利点がある。
(実施例23)
実施例1に記載の基材をMgOとし、この表面に(001)面方位を有する白金層を形成した以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。MgOはPtのように高額ではないため、安価な磁性体膜を提供することに利点がある。
(比較例4)
実施例1に記載の白金層1をランダムとした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例24)
実施例1に記載の界面活性剤5をオレイン酸10mol%ヘキサン溶液とした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例25)
予め、鉄成分量が60原子%で平均粒径が3nmの鉄白金粒子2をヘキサン中に10重量%分散させて鉄白金粒子2を含有するスラリーを調製した。このとき、界面活性剤5としてクエン酸ナトリウムを用いて分散させた。
基材9として単結晶銀基板を用いた。単結晶銀基板の表面を銀層1として(001)面方位が表出するように研磨した。つづいて、この単結晶銀基板上に前記鉄白金粒子2のスラリーを塗布した。所定時間乾燥させて単結晶銀基板上に鉄白金粒子2を固定させた。乾燥後の鉄白金粒子2を電子顕微鏡観察した。その結果、約3nmの鉄白金粒子2が約3nmで等間隔に配置されていた。
この表面を蛍光X線分析装置で観察したところ、1原子%より多くの炭素成分が認められた。
次いで、鉄白金粒子2を乾燥固定化した単結晶銀基板を空気中で100℃/分の速度で昇温し、300℃で5分間保持した(第1の加熱工程)。このような第1の加熱工程により銀層1上および鉄白金粒子2上の界面活性剤5およびそれ以外の付着物6が除去された。この銀層1の表面を蛍光X線分析装置で観察したところ、炭素成分は1原子%以下であった。
さらに、水素雰囲気中、100℃/分の速度で昇温し、450℃にて30分間保持した(第2の加熱工程)。このような加熱により、(001)面方位を有する単結晶銀基板上に約3nmの粒状鉄白金結晶体7が約3nmで等間隔に配置され、鉄白金結晶体7の(001)面方位が単結晶銀基板の(001)面方位と平行である磁性体膜を得た。
得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。このように当該磁性体膜は、単結晶銀基板表面に特に垂直の方向に大きな磁化を示した。
(比較例5)
実施例25に記載の第1の加熱工程だけを省略した以外は実施例25と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例26)
実施例25に記載の鉄成分量について40原子%とした以外は実施例25と同様の方法でスラリーを調製し、次いで実施例25と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(比較例6)
実施例25に記載の鉄成分量について39原子%とした以外は実施例25と同様の方法でスラリーを調製し、次いで実施例25と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(比較例7)
実施例25に記載の鉄成分量について61原子%とした以外は実施例25と同様の方法でスラリーを調製し、次いで実施例25と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例27)
実施例25に記載の第1の加熱工程の条件を405℃とした以外は実施例25と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例28)
実施例25に記載の第1の加熱工程の条件を395℃とした以外は実施例25と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例29)
実施例25に記載の第2の加熱工程の条件を600℃とした以外は実施例25と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例25と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例30)
実施例25に記載の第2の加熱工程の条件を350℃とした以外は実施例25と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例25と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例31)
実施例25に記載の第2の加熱工程の条件を640℃とした以外は実施例25と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例25と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例32)
実施例25に記載の第2の加熱工程の条件を340℃とした以外は実施例25と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例25と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例33)
実施例25に記載の第2の加熱工程の条件を650℃とした以外は実施例25と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例25と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例34)
実施例25に記載の第2の加熱工程の条件を真空雰囲気(相対圧で10−4MPa以下)とし、かつ450℃とした以外は実施例25と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例25と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(比較例9)
実施例25に記載の第2の加熱工程を省略した以外は実施例25と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例25と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例35)
実施例25に記載の第1の加熱工程をプラズマエッチングとした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。具体的な条件は実施例14と同様である。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例36)
実施例25に記載の第1の加熱工程をプラズマエッチングとした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。具体的な条件は実施例15と同様である。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例37)
実施例25に記載の第1の加熱工程をプラズマエッチングとした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。具体的な条件は実施例16と同様である。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例38)
実施例25に記載の第1の加熱工程をプラズマエッチングとした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。具体的な条件は実施例17と同様である。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例39)
実施例25に記載の第1の加熱工程を紫外線照射とした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。具体的な条件は実施例18と同様である。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例40)
実施例25に記載の第1の加熱工程を紫外線照射とした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。具体的な条件は実施例19と同様である。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例41)
実施例25に記載の第1の加熱工程を紫外線照射とした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。具体的な条件は実施例20と同様である。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例42)
実施例25に記載の第1の加熱工程を紫外線照射とした以外は実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。具体的な条件は実施例21と同様である。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例43)
実施例25に記載の基材をSiOとし、この表面に(001)面方位を有する銀層を形成した以外は実施例25と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例44)
実施例25に記載の基材をMgOとし、この表面に(001)面方位を有する白金層を形成した以外は実施例25と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(比較例10)
実施例25に記載の銀層をランダムとした以外は実施例25と同様の方法で磁性体膜を製造した。得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、表1に示す結果が得られた。
(実施例45)
実施例1に記載の第1の加熱工程と第2の加熱工程の間に磁場印加を行った。
磁場印加は、磁束密度1Tに相当する強度の磁場を15分間印加した。これ以外については実施例1と同様の方法で磁性体膜を製造した。
得られた磁性体膜の特性を実施例1と同様の方法で測定したところ、この結果を表1に示す。
(実施例46)
単結晶白金基板をガラス基材に代えた以外は、実施例1記載の方法を用いて磁性体膜を形成し、記録媒体(ハードディスクドライブ)を製造した(図3)。具体的には上記方法で製造した磁性体膜に表面保護膜(カーボン)を蒸着させた後に図3に示す形態になるよう駆動機構等をつけた。
本ハードディスクドライブは1平方センチメートル当たりの記録ビットのエラー率(書き込みおよび読み込み不良率)は0.1%以下であった。
(実施例47)
単結晶白金基板をガラス基材に代えた以外は、実施例8記載の方法を用いて磁性体膜を形成し、記録媒体(ハードディスクドライブ)を製造した。製造方法は実施例18と同様である。
本ハードディスクドライブは1平方センチメートル当たりの記録ビットのエラー率(書き込みおよび読み込み不良率)は0.1%以下であった。
(比較例11)
単結晶白金基板をガラス基材に代えた以外は、比較例1記載の方法を用いて磁性体膜を形成し、記録媒体(ハードディスクドライブ)を製造した。製造方法は実施例18と同様である。
本ハードディスクドライブは1平方センチメートル当たりの記録ビットのエラー率(書き込みおよび読み込み不良率)は0.1%より大きかった。
(比較例12)
単結晶白金基板をガラス基材に代えた以外は、比較例7記載の方法を用いて磁性体膜を形成し、記録媒体(ハードディスクドライブ)を製造した。製造方法は実施例18と同様である。
本ハードディスクドライブは1平方センチメートル当たりの記録ビットのエラー率(書き込みおよび読み込み不良率)は0.1%より大きかった。
本発明に係る実施の形態の磁性体膜製造工程の概念図。 本発明に係る実施の形態の磁性体膜の磁気特性図。 本発明に係る実施の形態の磁気記録媒体の斜視図。 本発明に係る実施の形態の磁性体膜製造のプロセスフロー図。 従来の実施例に係る磁性体膜製造工程の概念図。 従来の実施例に係る磁性体膜の磁気特性図。
符号の説明
1…白金層
2…鉄白金粒子
3…塗布層
4…有機溶剤
5…界面活性剤
6…界面活性剤以外の付着物
7…鉄白金結晶体
8…磁性体膜
9…基材
10…従来例の実施例に係る磁性体膜
21…磁気記録媒体
22…アーム
23…磁性体膜を有する円盤
24…磁気ヘッド
25…アクチュエータ
26…制御回路

Claims (8)

  1. 基材表面に形成された、(001)面方位を有する白金層上に鉄成分が50原子%を超える鉄白金粒子を含む液を塗布して塗布層を形成する工程と、
    酸素含有酸化剤存在雰囲気中で前記基材を加熱する工程と、
    還元性雰囲気中または真空雰囲気中で前記基材を加熱する工程と、
    を有することを特徴とする磁性体膜の製造方法。
  2. 前記酸素含有酸化剤存在雰囲気中で前記基材を加熱する工程は350℃以下の温度で加熱することを特徴とする請求項1記載の磁性体膜の製造方法。
  3. 基材表面に形成された、(001)面方位を有する白金層上に鉄成分が50原子%を超える鉄白金粒子を含む液を塗布して塗布層を形成する工程と、
    前記鉄白金粒子表面上および前記白金層表面上の付着物を除去する工程と、
    還元性雰囲気中または真空雰囲気中で前記基材を加熱する工程と、
    を有することを特徴とする磁性体膜の製造方法。
  4. 基材表面に形成された、(001)面方位を有する白金層上に鉄成分が50原子%を超える鉄白金粒子を含む液を塗布して塗布層を形成する工程と、
    前記鉄白金粒子表面上および前記白金層表面上の付着物を除去する工程と、
    前記白金層に垂直に磁場を印加する工程と、
    還元性雰囲気中または真空雰囲気中で前記基材を加熱する工程と、
    を有することを特徴とする磁性体膜の製造方法。
  5. 基材表面に形成された、(001)面方位を有する銀層上に鉄成分が40原子%以上60原子%以下の鉄白金粒子を含む液を塗布して塗布層を形成する工程と、
    前記鉄白金粒子表面上および前記銀層表面上の付着物を除去する工程と、
    還元性雰囲気中または真空雰囲気中で前記基材を加熱する工程と、
    を有することを特徴とする磁性体膜の製造方法。
  6. 前記鉄白金粒子表面上および前記銀層表面上の付着物を除去する工程は、酸素含有酸化剤存在雰囲気中で加熱する方法、プラズマエッチングによる方法、紫外線を照射する方法のうち、少なくとも一つの方法で行うことを特徴とする請求項5に記載の磁性体膜の製造方法。
  7. 前記還元性雰囲気中または真空雰囲気中で前記基材を加熱する工程は、450℃以上640℃以下の温度にてなされることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の磁性体膜の製造方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の方法により製造された磁性体膜。
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