JP5251780B2 - 光学積層体、光学積層体の製造方法、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents
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Description
特許文献3には、分子内にアニオン基及び/又は電子吸引性基を有する可溶化高分子成分と導電性高分子成分とを含む可溶性導電性高分子成分と、ハードコート成分とを含有することを特徴とする帯電防止性樹脂組成物が開示されている。
特許文献4には、分子内の側鎖の末端に不飽和二重結合を有する可溶化高分子成分及び導電性高分子成分を含む可溶性導電性高分子成分と、光硬化性モノマー及び/又は有機溶媒とを含有することを特徴とする導電性高分子溶液が開示されている。
特許文献5又は6には、導電性高分子、ドーパント、並びに、ラジカル重合性基を有するアミド系化合物又はアミン類及びノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する分散剤、を含有し、水の含有量が20重量%以下である導電性高分子/ドーパント錯体有機溶媒分散体が開示されている。
近年、表示画像の品質の更なる向上が求められており、画像のコントラストがより高い光学積層体の実現が求められている。
上記樹脂層用組成物は、更にプロトン性官能基を有する添加剤を含むことが好ましい。
上記プロトン性官能基を有する添加剤は、エポキシアクリレートであることが好ましい。
上記共役系高分子導電性材料は、共役系高分子及びドーパントを含むものであり、上記共役系高分子は、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン及びポリピロールからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
上記ドーパントは、アニオン性化合物であることが好ましい。
上記樹脂層用組成物の水分含有量が20質量%以下であることが好ましい。
本発明の光学積層体は、光透過性基材上に防眩層を更に有し、上記防眩層上に樹脂層を有することが好ましい。
本発明の光学積層体の製造方法において、上記樹脂層用組成物の水分含有量が20質量%以下であることが好ましい。
本発明はまた、最表面に上述の光学積層体、又は、上述の偏光板を備えることを特徴とする画像表示装置でもある。
以下に本発明について詳細に説明する。
具体的には、本発明の光学積層体における樹脂層は、バインダー樹脂、共役系高分子導電性材料及びレベリング剤を特定量含む樹脂層用組成物からなる層である。上記樹脂層がこのような特定の成分から形成される層であるため、本発明の光学積層体では、共役系高分子導電性材料の量が少量であっても、高い導電性を示し、優れた帯電防止性を発揮することができる。また、少量であるため、本発明の光学積層体は、高い光透過性を維持することができる。更に、本発明の光学積層体を画像表示装置に適用した場合、表示される画像のコントラストを高くすることができる。
上記樹脂層は、バインダー樹脂、共役系高分子導電性材料、及び、レベリング剤を含む樹脂層用組成物により形成される。
上記樹脂層用組成物は共役系高分子導電性材料を含む。帯電防止剤として、上記共役系高分子導電性材料を含むことにより、無機化合物の導電性材料と比較して、光透過性を低下させることなく、所望の帯電防止性を付与し、かつ、コントラストの高い光学積層体を実現することができる。
上記共役系高分子としては、例えば、ポリアニリン類、ポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリフラン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアセン類及びポリチオフェンビニレン類等を挙げることができる。これらは置換又は非置換のものであってもよい。なかでも、可視光線透過率の高さ等の点で、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン及びポリピロールからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。これらは単独で用いてもよく、複数を混合して用いてもよい。なお、上記共役系高分子は、非置換のままでも、充分な導電性を得ることができるが、導電性をより高めるために、アルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基等の官能基を高分子中に導入することが好ましい。
上記アニオン性化合物としては、アニオン基として、上記ポリチオフェンへの化学酸化ドープが起こりうる官能基を有するものであればよい。なかでも、製造の容易さ及び安定性の観点から、一置換硫酸エステル基、一置換リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシル基、スルホ基等が好ましい。更に、官能基のポリチオフェン成分へのドープ効果の観点より、スルホ基、一置換硫酸エステル基、カルボキシ基がより好ましい。
(1)上記ポリチオフェン/ドーパント錯体の水分散体を噴霧乾燥し、得られた乾燥固体を、アミン類及び/又はノニオン性界面活性剤と有機溶媒とに混合し、分散処理する方法。
(2)上記ポリチオフェン/ドーパント錯体の水分散体に沈殿剤を添加し、得られたゲル状膨潤体から水を取り除き、アミン類及び/又はノニオン性界面活性剤と、有機溶媒とを加えて分散処理する方法。
(3)上記ポリチオフェン/ドーパント錯体の水分散体に沈殿剤を添加し、得られたゲル状膨潤体から水を取り除き、ラジカル重合性基を有するアミド系化合物と、アミン類及び/又はノニオン系界面活性剤と、有機溶媒とを加えて分散処理する方法。
また、上記以外のモルホリン等の含酸素アミン類やピリジン等も用いることができる。なかでも、ポリアルキレンオキサイド構造を有するアミン類が分散安定性の点で好ましく、特にポリオキシエチレンアルキルアミン類が好ましい。
上記アルコール類としては、水酸基を有するものであれば特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のモノアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジアルコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類等が挙げられる。
上記ケトン類としては、分子中にケトン構造を有するものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
上記エーテル類としては特に限定されず、例えば、ジエチルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル類、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル類等のエーテル類等が挙げられる。
上記アミド類としては特に限定されず、例えば、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
上記スルホキシド類としては特に限定されず、例えば、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
上記スルホン類としては特に限定されず、例えば、スルホラン等が挙げられる。
上記エステル類としては特に限定されず、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル等が挙げられる。
上記ニトリル類としては特に限定されず、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等が挙げられる。
これらは、単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのなかでは、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコール等のアルコール類が取り扱い性と分散安定性の点から好ましい。
また、上記酸類としては特に限定されず、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸類、酢酸、酪酸、シュウ酸、アジピン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、マレイン酸樹脂等のポリカルボン酸、ポリスチレンスルホン酸等のポリスルホン酸等の有機酸が挙げられる。なかでも、ドデシルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸が系に残留した場合の分散安定性の点で好ましい。これら酸類は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記沈殿剤の調製に用いられるアミン類又は酸類の配合量としては特に限定されないが、通常、上記有機溶媒100重量部に対し、0.1〜25重量部程度であることが好ましい。
上記沈殿剤の添加量としては、具体的には、上記ポリチオフェン/ドーパントの合計量(固形分)100質量部に対して、上記沈殿剤中のアミン類又は酸類を好ましくは5〜100質量部、より好ましくは5〜70質量部、更に好ましくは5〜50質量部添加すればよい。
生成した上記ゲル状膨潤体の分離は、例えば、従来公知のろ過、有機溶媒及び水の蒸発により行うことができる。
具体的には、例えば、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、3−アクリルアミドフェニルボロン酸等等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを意味する。
使用する脱水剤としては特に限定されず、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
なお、高度な処理が必要な場合には、ビーズミル、高圧ホモジナイザー等の処理を追加してもよい。
このように上記共役系高分子導電性材料が少量の含有量であるにもかかわらず、本発明の光学積層体が帯電防止性能を発揮しうることから、上記共役系高分子導電性材料は、樹脂層中において、樹脂層全体に分散して存在しているのではなく、樹脂層中の一定の位置に、層状態として存在していることが推測される。ここでいう層状態としては、上記層状態で共役系高分子導電性材料が均一に分散している状態の他、小規模で局在した部分が近接しあうような形態で層状態を形成しているとも推測される。更に、上記共役系高分子導電性材料は、硬度及び帯電防止性を発揮するために、樹脂層中の樹脂層表面側(光透過性基材面とは反対側)寄りであるが、最表面ではない位置に存在することが推測される。
本発明の光学積層体において、上記バインダー樹脂としては、上記共役系高分子導電性材料のドーパントと反応しない材料であれば特に限定されないが、ウレタンアクリレートを含有することが好ましい。ウレタンアクリレートを含有することで、帯電防止性に優れ、高いコントラストを有する光学積層体とすることができる。
なお、本明細書において、「疎水性樹脂」とは、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基等の親水性官能基を含有せず、ビニル基、ウレタン基、(メタ)アクリロイル基等の疎水性官能基を有するアクリル酸エステル樹脂を意味する。
なかでも、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが好適に用いられる。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及びアクリレートを指すものである。
上記溶剤乾燥型樹脂の添加により、塗布面の塗膜欠陥を有効に防止することができる。
好ましい熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂、及び、ゴム又はエラストマー等が挙げられる。
なかでも、上記熱可塑性樹脂としては、通常、非結晶性であり、かつ有機溶剤(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶剤)に可溶な樹脂を使用することが好ましい。特に、成形性又は製膜性、透明性や耐候性の高い樹脂、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
上記レベリング剤を含有することで、上記レベリング剤が上記樹脂層表面へブリードすることにより、塗工乾燥時における上記樹脂層用組成物中の対流ムラや、ベナードセル等の欠陥を防止することができる他、レベリング剤が積極的に樹脂層表面にブリードするので、共役系高分子導電性材料が樹脂層表面にブリードするのを防止できるとともに、上記共役系高分子導電材料を、樹脂層中の適度な位置に好適に配置させることができると推測され、安定かつ好適な帯電防止性能を得ることが出来るものと考えられる。上記レベリング剤としては、上記共役系高分子導電性材料のドーパントと反応しない材料であれば、反応性でも非反応性であっても良く、特に限定されないが、フッ素系及び/又はケイ素系化合物であることが好ましい。
で示される構造を有することが好ましい。
RanSiX4−n
(式中、Raはパーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基、またはパーフルオロアルキルエーテル基を含む炭素数3〜1000の炭化水素基を示し、Xはメトキシ基、エトキシ基、もしくはプロポキシ基等の炭素数1〜3のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、もしくはメトキシエトキシ基等のオキシアルコキシ基、または、クロル基、ブロモ基もしくはヨード基等のハロゲン基等の加水分解性基であり、同一でも異なっていてもよく、nは1〜3の整数を示す。)
で示される構造であってもよい。
このような化合物として、具体的には、TSL8257(GE 東芝シリコーン社製)等のフルオロアルキルシランが挙げられる。
上記プロトン性官能基を有する添加剤を含むことにより、上記共役系高分子導電性材料の分散性及び安定性が向上するとともに、帯電防止性に優れた光学積層体とすることができる。これは、プロトン性官能基を有する添加剤が、ドーパントのように振舞うことが可能であるためと推測される。また、上記プロトン性官能基を有する添加剤を含むことにより、耐光性についてもより安定し好ましい。
上記プロトン性官能基を有する添加剤としては、例えば、エポキシアクリレート、ヒドロキシアクリレート、ビニルスルホン酸等を挙げることができる。なかでも、エポキシアクリレートであることが好ましい。
上記光重合開始剤としては、アセトフェノン類(例えば、商品名イルガキュア184、チバ・ジャパン社製の1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名イルガキュア907、チバ・ジャパン社製の2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリフォリノプロパン−1−オン)、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を挙げることができる。これらは、単独で使用するか又は2種以上を併用してもよい。
上記光重合開始剤の添加量は、上記バインダー樹脂固形分100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。
上記混合は、ペイントシェーカー、ビーズミル、ニーダー等の公知の装置を使用して行うとよい。
上記塗布して被膜を形成する方法としては、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ダイコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ビードコーター法等の公知の各種方法を挙げることができる。
上記紫外線を照射する場合は、40〜300J/cm2の紫外線を照射する方法が挙げられる。
上記光透過性基材としては、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものが好ましい。
上記光透過性基材を形成する材料の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン(PP)、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、又は、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、又は、トリアセチルセルロースを挙げることができる。
上記光透過性基材は、その上に形成する層との接着性を向上させるために、コロナ放電処理、ケン化、酸化処理等の物理的な処理の他、アンカー剤又はプライマー等の塗料の塗布を予め行ってもよい。
上記防眩層を有することにより、外光による反射や、画面のぎらつきを防ぐことができ、視認性を向上させることができる。
本発明の光学積層体は、上記光透過性基材上に防眩層を有し、上記防眩層上に上記樹脂層を有することが好ましい。従来、表面に凹凸形状を有する防眩層の表面に、帯電防止剤を含む帯電防止層を形成してなる光学積層体においては、防眩層による防眩性と帯電防止層による帯電防止性と、光学積層体に本来求められる光透過性とを満たすことは困難であった、しかし、本発明は、上述した構成の樹脂層を防眩層上に有することで、これらの性能を充分に満たすことが可能となる。
30μm<Sm<90μm、
2<θa<15、
0.5μm<Ra<1.5μm
上記Sm、θa及びRaは、JIS B 0601−1994に準拠する方法で得られる値であり、例えば、表面粗さ測定器:SE−3400/小坂研究所製等により測定して求めることができる。
Sm:好ましくは30μm<Sm<600μm、
より好ましくは30μm<Sm<90μm
θa:好ましくは0.1<θa<1.2、より好ましくは0.1<θa<0.5
Ra:好ましくは0.02μm<Ra<1.0μm、
より好ましくは0.02μm<Ra<0.20μm
上記Sm、θa及びRaは、JIS B 0601−1994に準拠する方法で得られる値であり、例えば、表面粗さ測定器:SE−3400/小坂研究所製等により測定して求めることができる。
なかでも、上記防眩層の凹凸形状は、防眩剤を含む防眩層用組成物により形成したものであることが好ましい。
上記防眩剤は微粒子であり、形状は、真球状、楕円状、不定形など、特に限定されない。また、上記防眩剤として、無機系、有機系の微粒子を使用することができ、好ましくは透明性の微粒子がよい。
有機系微粒子の具体例としては、プラスチックビーズを挙げることができる。プラスチックビーズとしては、ポリスチレンビーズ(屈折率1.60)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49〜1.53)、アクリル−スチレン共重合体ビーズ(屈折率1.54〜1.58)、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物ビーズ(屈折率1.66)、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物(屈折率1.66)、ポリカーボネートビーズ(屈折率1.57)、ポリエチレンビーズ(屈折率1.50)、等が挙げられる。上記プラスチックビーズは、その表面に疎水性基を有することが好ましく、例えば、ポリスチレンビーズを挙げることができる。
無機系微粒子としては、不定形シリカ、球状等、ある特定形状を持った無機シリカビーズ等を挙げることができる。
なかでも、上記防眩剤として、アクリル−スチレン共重合体ビーズ及び/又は不定形シリカを使用することが好ましい。
上記防眩剤の含有量は、バインダー樹脂固形分100質量部に対して1〜40質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましい。
上記内部散乱粒子としては、防眩層を構成するバインダー樹脂との屈折率の差が比較的大きい有機粒子が挙げられ、例えば、アクリル−スチレン共重合体ビーズ(屈折率1.54〜1.58)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、ポリスチレンビーズ(屈折率1.60)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率1.60)、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物ビーズ(屈折率1.66)、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物(屈折率1.66)、等のプラスチックビーズを挙げることができる。
これらの粒子は、上記防眩剤としての性質と内部散乱粒子としての性質を兼ね備えたものを使用してもよい。
上記内部散乱粒子の添加量は、バインダー樹脂固形分100質量部に対して0.1〜40質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましい。
上記層厚みは、光学積層体の断面を、電子顕微鏡(SEM、TEM、STEM)で観察することにより測定して得られた値である。
1012Ω/□を超えると、目的とする帯電防止性能が発現しなくなるおそれがある。上記表面抵抗値は、1011Ω/□以下であることがより好ましい。1010Ω/□以下であることが更に好ましい。
上記表面抵抗値は、表面抵抗値測定器(三菱化学社製、製品番号;Hiresta IP MCP−HT260)にて測定することができる。
上記全光線透過率は、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K−7361に準拠した方法により測定することができる。
上記飽和帯電圧が1kV以下であると、表面電荷の影響を受けやすいIPAモードにおいても本発明の光学積層体を特に有効に使用することができる。
上記飽和帯電圧は、0.5kV以下であることがより好ましい。上記飽和帯電圧が0.5kV以下であると、光学積層体の製造工程中における塵付着を防止できるため、製造安定性や歩留まりを向上させることができる。また、上記光学積層体をディスプレイに設置する場合、IPAモードのディスプレイに特に有効に使用することができ、ディスプレイ自体の塵付着を防止するだけでなく、ディスプレイの組み立て作業時等の帯電による塵付着を防止することができる。
上記飽和帯電圧は、スタティックオネストメータH−0110(シシド静電気社製)を用いて、印加電圧10kV、距離20mm、25℃、40%RHの条件下で、JIS L 1094に従い測定することができる。
上記ヘイズは、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K−7136に準拠した方法により測定することができる。
上記樹脂層用組成物において、上記共役系高分子導電性材料の含有量は、上記バインダー樹脂100質量部に対して0.1〜1質量部であり、上記レベリング剤の含有量は、上記バインダー樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部である。
このような本発明の光学積層体を製造する方法もまた、本発明の一つである。
上記光透過性基材、上記樹脂層用組成物、及び、上記樹脂層を形成する方法は、上述した通りである。
上記画像表示装置は、LCD等の非自発光型画像表示装置であっても、PDP、FED、ELD(有機EL、無機EL)、CRT等の自発光型画像表示装置であってもよい。
なお、文中、「部」又は「%」とあるのは特に断りのない限り、質量基準である。
透明基材(厚み80μmトリアセチルセルロース樹脂フィルム、富士写真フィルム社製、TF80UL)を準備し、該透明基材の片面に、下記表1に示した組成の樹脂層用組成物を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜を温度50℃の熱オーブン中で60秒間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が50mJになるように照射して塗膜を硬化させることにより、5μm厚み(乾燥時)の樹脂層(帯電防止性ハードコート層)を形成し、各実施例及び比較例に係る光学積層体を作製した。
透明基材(厚み80μmトリアセチルセルロース樹脂フィルム、富士写真フィルム社製、TF80UL)を準備し、該透明基材の片面に、下記に示した組成の防眩層用組成物を塗布し塗膜を形成した。
(防眩層用組成物)
・アクリル−スチレン共重合体ビーズ(粒径5μm、屈折率1.56) 15質量部
・不定形シリカ(平均粒径1.5μm) 5質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 90質量部
・PMMAポリマー(分子量75000) 10質量部
・イルガキュア184 6質量部
・イルガキュア907 1質量部
・ポリエーテル変性シリコーン 0.025質量部
・トルエン 150質量部
・シクロヘキサノン 80質量部
更に上記防眩層の上層として、下記表1に示した組成の樹脂層用組成物を塗布し塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜を温度50℃の熱オーブン中で60秒間乾燥させ、塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が50mJになるように照射して塗膜を硬化させることにより、3μm厚み(乾燥時)の樹脂層(帯電防止性ハードコート層)を形成し、実施例2に係る光学積層体を作製した。
なお、実施例2で得られた防眩層及び防眩層の上層に樹脂層を設けた光学積層体の表面粗さ値を、JIS B 0601−1994に準拠する方法で、表面粗さ測定器:SE−3400/小坂研究所製により測定して求めたところ、防眩層の表面粗さ値はSm=55.0μm、θa=7.50、Ra=1.00μmであり、防眩層の上層に樹脂層を設けた光学積層体の表面粗さ値はSm=68.0μm、θa=0.30、Ra=0.09μmであった。
<表面抵抗値>
得られた光学積層体の、ハードコート層が形成された表面の表面抵抗値について、表面抵抗値測定器(三菱化学社製、製品番号;Hiresta IP MCP−HT260)を使用して測定した。
各光学積層体の飽和帯電圧について、スタティックオネストメータH−0110(シシド静電気社製)を用いて、印加電圧10kV、距離20mm、25℃、40%RHの条件下で、JIS L 1094に従い測定した。
各光学積層体を、温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS−S−6006が規定する試験用鉛筆(硬度HB〜3H)を用いて、JIS K5600−5−4(1999)が規定する鉛筆硬度評価方法に従い、4.9Nの荷重にて、ハードコート層が形成された表面の鉛筆硬度を測定した。
各光学積層体の全光線透過率及びヘイズについて、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K−7361(全光線透過率)及びJIS K−7136(ヘイズ)に準拠した方法により測定した。
各光学積層体のハードコート層表面の様子を目視にて観察し、塗工ムラがないかどうかを評価した。
比較例1は、PEDOT/PSS添加量が多すぎるために全光線透過率が低下し、所望の高いコントラストが得られなかった。比較例2は、PEDOT/PSS添加量が少ないため、帯電防止性能が現れなかった。比較例3においては、レベリング剤量が多すぎるために最表面の硬度が低下した。比較例4は、レベリング剤を添加しないため塗工ムラがあり、かつ、添加したPEDOT/PSSが最表面側にブリードアウトしているらしく、鉛筆硬度も低下した。
Claims (11)
- 光透過性基材及び前記光透過性基材の一方の面に樹脂層を有する光学積層体であって、
前記樹脂層は、バインダー樹脂、共役系高分子導電性材料及びレベリング剤を含有する樹脂層用組成物を用いて形成された層であり、
前記共役系高分子導電性材料の含有量が、前記バインダー樹脂固形分100質量部に対して0.1〜1質量部であり、
前記レベリング剤の含有量が、前記バインダー樹脂固形分100質量部に対して0.01〜5質量部である
ことを特徴とする光学積層体。 - 樹脂層用組成物は、更にプロトン性官能基を有する添加剤を含む請求項1記載の光学積層体。
- プロトン性官能基を有する添加剤は、エポキシアクリレートである請求項2記載の光学積層体。
- 共役系高分子導電性材料は、共役系高分子及びドーパントを含むものであり、
前記共役系高分子は、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン及びポリピロールからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1、2又は3記載の光学積層体。 - ドーパントは、アニオン性化合物である請求項4記載の光学積層体。
- 樹脂層用組成物の水分含有量が20質量%以下である請求項1、2、3、4又は5記載の光学積層体。
- 光透過性基材上に防眩層を更に有し、前記防眩層上に樹脂層を有する請求項1、2、3、4、5及び6記載の光学積層体。
- 光透過性基材、及び、前記光透過性基材の一方の面に樹脂層を有する光学積層体の製造方法であって、
バインダー樹脂、共役系高分子導電性材料、レベリング剤及び溶剤を含有する樹脂層用組成物を用いて樹脂層を形成する工程を有し、
前記共役系高分子導電性材料の含有量が、前記バインダー樹脂固形分100質量部に対して0.1〜1質量部であり、
前記レベリング剤の含有量が、前記バインダー樹脂固形分100質量部に対して0.01〜5質量部である
ことを特徴とする光学積層体の製造方法。 - 樹脂層用組成物の水分含有量が20質量%以下である請求項8記載の光学積層体の製造方法。
- 偏光素子を有する偏光板であって、
前記偏光板は、前記偏光素子の表面に請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の光学積層体を備えることを特徴とする偏光板。 - 最表面に請求項1、2、3、4、5、6若しくは7記載の光学積層体、又は、請求項10記載の偏光板を備えることを特徴とする画像表示装置。
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