JP5251638B2 - レーザ距離測定装置 - Google Patents

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本発明は、レーザ距離測定装置に関するものである。
従来より、検出対象空間にレーザ光を照射して物体までの距離や方位を検出するレーザ距離測定装置が提供されている。この種のレーザ距離測定装置では、空間にレーザ光を投射すると共に、当該レーザ光が物体に照射されたときの反射光を検出しており、レーザ光の投射から反射光の受光までに要した時間に基づいて、その物体までの距離を算出している。なお、このようなレーザ距離測定装置に関する技術としては、例えば特許文献1のようなものがある。
特開平7−160956号公報
上記レーザ距離測定装置は、ある検出エリアに存在する物体を検出するといった使用方法が望まれるが、この種のレーザ距離測定装置は、レーザ光を投射する性質上、何ら条件を設定せずに物体検出を行おうとすると、レーザ光が届く範囲に存在する物体を全て検出してしまうことになる。従って、エリアセンサとして利用する場合には、例えば、装置から一定距離に至るまでの範囲を検出エリアとして定め、装置からの距離が一定距離を超えている物体については、検出エリア外の物体として無視するといった手法が採られている。
また、特許文献1では、上記手法を更に工夫しており、この技術では、作業者に予め距離や角度を具体的に入力させ、その入力データに応じた検出エリアを予め規定している。そして、このような事前設定を行った上で検出処理を行い、当該検出処理において物体からの反射光が検出されたときには、その反射光に基づいて物体までの距離や角度を算出し、物体が検出エリアに存在するものであるか否かを判断している。このような方法を用いると、装置の周囲に所望の検出エリアを設定でき、検出エリア内に存在する物体を選択的に検出できるようになる。
しかしながら、特許文献1の方法では、検出エリアを設定するためのデータの準備や設定装置の準備、或いはデータ入力作業等、相当の労力を要することが懸念される。特に、検出エリアを複雑に設定する場合には、より細かな条件設定が必要となり、膨大なデータを用意しなければならないため、データの準備やデータ入力の負荷が極めて大きくなってしまう。また、入力すべきデータを算出するための演算処理や入力処理については、検出装置(レーザ距離測定装置)以外の情報処理装置(パーソナルコンピュータ等)が必要となり、設定環境が大掛かりなものとなってしまうという問題もある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、検出エリアを設定する際の複雑なデータ入力作業等を極力省略するができ、検出エリアをより簡易に設定可能なレーザ距離測定装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、レーザ光を間欠的に発生させるレーザ光発生手段と、
前記レーザ光発生手段から前記レーザ光が発生したときに、当該レーザ光が検出物体にて反射した反射光を検出する光検出手段と、
所定の中心軸を中心として回動可能に構成された偏向手段を備えるとともに、当該偏向手段により前記レーザ光を空間に向けて偏向させ、且つ前記反射光を前記光検出手段に向けて偏向する回動偏向手段と、
前記回動偏向手段を駆動する駆動手段と、
前記レーザ光発生手段にて前記レーザ光が発生してから、当該レーザ光が前記光検出手段によって検出されるまでの時間を検出する時間検出手段と、
前記時間検出手段によって検出された前記時間に基づいて、前記検出物体までの距離を算出する距離算出手段と、
を備えた装置本体と、
表面部に、明色バーと暗色バーとが交互に配された特定図形が付され、前記明色バーに前記レーザ光が入射したときに反射する光が前記光検出手段での受光レベルを飽和させ得る光となる特定反射光を発する基準物体と、
を有するレーザ距離測定装置であって、
前記回動偏向手段による前記レーザ光の走査エリア上に前記基準物体が配置されたときに、前記光検出手段によって検出される前記反射光が、当該光検出手段において当該光検出手段での飽和レベルの出力と飽和レベル以下の出力とを交互に繰り返す交互出力を生じさせる反射光であるか否かに基づいて前記特定反射光であるか否かを判断する判断手段を備え、
前記時間検出手段は、前記判断手段によって前記特定反射光であると判断されたときに、前記レーザ光発生手段にて前記レーザ光が発生してから、当該レーザ光に応じた前記特定反射光が前記光検出手段によって検出されるまでの前記時間を検出し、
前記距離算出手段は、前記基準物体からの前記特定反射光が検出されるまでの前記時間に基づいて前記基準物体までの前記距離を算出する構成をなしており、
更に、前記距離算出手段によって算出された前記基準物体までの前記距離に基づき、前記回動偏向手段による前記走査エリアにおいて前記検出物体を検出する検出エリアを設定する検出エリア設定手段を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のレーザ距離測定装置において、前記基準物体が複数備えられている。
この構成において、前記光検出手段は、各基準物体からの各特定反射光を受光している。
また、前記時間検出手段は、前記光検出手段によって前記各基準物体からの前記各特定反射光が検出されたとき、前記各基準物体に入射する各レーザ光が前記レーザ光発生手段にて発生してから、当該各レーザ光に応じた前記各基準物体からの前記各特定反射光が前記光検出手段によって検出されるまでの各時間をそれぞれ検出している。
また、前記距離算出手段は、前記各時間に基づいて前記各基準物体までの各距離を算出している。
上記構成に加え、更に、基準物体位置検出手段が設けられており、この基準物体位置検出手段は、前記各基準物体に入射する前記各レーザ光が前記レーザ光発生手段から出射されるときの前記偏向手段の各回動位置と、前記各距離とに基づいて、前記各基準物体の各位置を検出している。
また、前記検出エリア設定手段は、前記基準物体位置検出手段によって検出された前記各基準物体の前記各位置に基づいて前記検出エリアを設定している。
請求項3の発明は、請求項1に記載のレーザ距離測定装置において、前記基準物体が、使用者によって移動可能とされている。
この構成において、前記光検出手段は、その移動する前記基準物体が前記レーザ光の前記走査エリア上に位置するときの各移動位置からの各特定反射光を受光している。
また、前記時間検出手段は、前記光検出手段によって前記基準物体からの前記各特定反射光が検出されたとき、前記基準物体に入射する前記各レーザ光が前記レーザ光発生手段にて発生してから、当該各レーザ光に応じた前記各移動位置からの前記各特定反射光が前記光検出手段によって検出されるまでの各時間をそれぞれ検出している。
また、前記距離算出手段は、前記各移動位置からの前記各特定反射光が検出されるまでの前記各時間に基づいて、前記各移動位置までの各距離を算出している。
上記構成に加え、更に、移動位置検出手段が設けられており、この移動位置検出手段は、前記各移動位置に入射する前記各レーザ光が出射されるときの前記偏向手段の各回動位置と、前記各距離とに基づいて、移動する前記基準物体の前記各移動位置を検出している。
また、前記検出エリア設定手段は、前記移動位置検出手段によって検出された前記各移動位置に基づいて前記検出エリアを設定している。
請求項4の発明は、請求項1に記載のレーザ距離測定装置において、前記基準物体として、第1種類の第1種基準物体と、前記第1種基準物体とは異なる第2種類の第2種基準物体とが設けられている。
この構成において、前記時間検出手段は、前記レーザ光発生手段にて第1レーザ光が発生してから、当該第1レーザ光に応じた前記第1種基準物体からの前記特定反射光が前記光検出手段によって検出されるまでの第1時間と、前記レーザ光発生手段にて第2レーザ光が発生してから、当該第2レーザ光に応じた前記第2種基準物体からの前記特定反射光が前記光検出手段によって検出されるまで第2時間と、を検出している。
また、前記距離算出手段は、前記第1時間に基づいて前記第1種基準物体までの第1距離を算出し、前記第2時間に基づいて前記第2種基準物体までの第2距離を算出している。 また、前記検出エリア設定手段は、前記距離算出手段によって算出された前記第1距離に基づいて第1の検出エリアを設定し、前記距離算出手段によって算出された前記第2距離に基づいて第2の検出エリアを設定している。
請求項5の発明は、請求項4に記載のレーザ距離測定装置において、複数の前記第1種基準物体と、複数の前記第2種基準物体とが備えられている。
この構成において、前記光検出手段は、各基準物体からの各特定反射光を受光している。
また、前記時間検出手段は、前記光検出手段によって各第1種基準物体からの前記各特定反射光が検出されたとき、前記各第1種基準物体に入射する各第1レーザ光が前記レーザ光発生手段にて発生してから、当該各第1レーザ光に応じた前記各第1種基準物体からの前記各特定反射光が前記光検出手段によって検出されるまでの各第1時間をそれぞれ検出し、且つ前記光検出手段によって各第2種基準物体からの前記各特定反射光が検出されたとき、前記各第2種基準物体に入射する各第2レーザ光が前記レーザ光発生手段にて発生してから、当該各第2レーザ光に応じた前記各第2種基準物体からの前記各特定反射光が前記光検出手段によって検出されるまでの各第2時間をそれぞれ検出している。
また、前記距離算出手段は、前記各第1時間に基づいて前記各第1種基準物体までの各第1距離を算出し、前記各第2時間に基づいて前記各第2種基準物体までの各第2距離を算出している。
更に、基準物体位置検出手段が設けられており、この基準物体位置検出手段は、前記各第1種基準物体に入射する前記各第1レーザ光が前記レーザ光発生手段から出射されるときの前記偏向手段の各回動位置と、前記各第1距離とに基づいて、前記各第1種基準物体の各位置を検出し、前記各第2種基準物体に入射する前記各第2レーザ光が前記レーザ光発生手段から出射されるときの前記偏向手段の各回動位置と、前記各第2距離とに基づいて、前記各第2種基準物体の各位置を検出している。
また、前記検出エリア設定手段は、前記基準物体位置検出手段によって検出された前記各第1種基準物体の各位置に基づいて前記第1の検出エリアを設定し、前記各第2種基準物体の各位置に基づいて前記第2の検出エリアを設定している。
請求項6の発明は、請求項4に記載のレーザ距離測定装置において、前記第1種基準物体及び前記第2種基準物体が、使用者によって移動可能とされている。
この構成において、前記光検出手段は、その移動する前記第1種基準物体及び前記第2種基準物体が前記レーザ光の前記走査エリア上に位置するときの各位置からの各特定反射光を受光している。
また、前記時間検出手段は、前記光検出手段によって前記第1種基準物体からの前記各特定反射光が検出されたとき、前記第1種基準物体に入射する各第1レーザ光が前記レーザ光発生手段にて発生してから、当該各第1レーザ光に応じた前記第1種基準物体の各移動位置からの前記各特定反射光が前記光検出手段によって検出されるまでの各第1時間をそれぞれ検出し、前記光検出手段によって前記第2種基準物体からの前記各特定反射光が検出されたとき、前記第2種基準物体に入射する各第2レーザ光が前記レーザ光発生手段にて発生してから、当該各第2レーザ光に応じた前記第2種基準物体の各移動位置からの前記各特定反射光が前記光検出手段によって検出されるまでの各第2時間をそれぞれ検出している。
また、前記距離算出手段は、前記第1種基準物体の各移動位置からの前記各特定反射光が検出されるまでの前記各第1時間に基づいて、前記第1種基準物体の各移動位置までの各第1距離を算出し、前記第2種基準物体の各移動位置からの前記各特定反射光が検出されるまでの前記各第2時間に基づいて、前記第2種基準物体の各移動位置までの各第2距離を算出している。
上記構成に加え、更に移動位置検出手段が設けられており、この移動位置検出手段は、前記レーザ光発生手段から前記各第1種基準物体に入射する前記各第1レーザ光が出射されるときの前記偏向手段の各回動位置と、前記各第1距離とに基づいて、移動する前記第1種基準物体の各移動位置を検出し、前記レーザ光発生手段から前記各第2種基準物体に入射する前記各第2レーザ光が出射されるときの前記偏向手段の各回動位置と、前記各第2距離とに基づいて、移動する前記第2種基準物体の各移動位置を検出している。
また、前記検出エリア設定手段は、前記移動位置検出手段によって検出された前記第1種基準物体の各移動位置に基づいて前記第1の検出エリアを設定し、前記第2種基準物体の各移動位置に基づいて前記第2の検出エリアを設定している。
請求項7の発明は、前記特定図形がバーコードであることを特徴としている。
請求項8の発明は、更に、外部からの操作が可能な操作手段と、モード切替手段とが設けられており、モード切替手段は、前記操作手段による操作に応じて、前記検出エリアを設定する設定モードと、前記検出物体を検出する検出モードとを切り替える構成をなしている。
請求項1の発明は、装置本体とは別体として構成された基準物体を用いており、この基準物体は、レーザ光が入射したときに特定反射光を発する構成をなしている。一方、装置本体側では、レーザ光の走査エリア上に基準物体が配置されたときに、検出される反射光が特定反射光であるか否かを判断しており、特定反射光であると判断されたときには、レーザ光が発生してから、当該レーザ光に応じた特定反射光が検出されるまでの時間を検出し、その検出された時間に基づいて基準物体までの距離を算出している。このようにすると、ユーザが基準物体を所望の位置に配置しさえすれば、装置本体からその位置(ユーザによって基準物体が配置された位置)までの距離を容易に算出できるため、複雑な距離測定作業、距離算出作業、入力作業等を行わずとも、検出エリアの境界を規定する上で基準とするべき距離値を装置本体内に容易に登録することができる。そして、その算出された距離に基づき、走査エリアにおいて検出物体を検出する検出エリアを設定しており、このようにすれば、ユーザが望んだ位置(即ちユーザが実際に基準物体を配置した位置)を境界位置、若しくは境界位置の目安とする検出エリアを容易に且つ正確に設定できる。
また、基準物体の表面部に、明色バーと暗色バーとが交互に配された特定図形が付されている。このような特定図形(明色バーと暗色バーとが交互に配された図形)がレーザ光の走査経路上に偶然配置される可能性は低いため、このような特定図形を表面部に備えた物体を基準物体とすることで、検出される反射光が基準物体からのものであるか否か(即ち、特定反射光であるか否か)を正確に判断できるようになる。
請求項2の発明は、検出エリアの設定の際に、基準物体を複数用いており、装置本体側では、各基準物体に入射する各レーザ光の発生から、当該各レーザ光に応じた各特定反射光が検出されるまでの各時間をそれぞれ検出している。そして、それら各時間に基づいて各基準物体までの各距離を算出しており、それら各距離と、各基準物体に入射する各レーザ光が出射されるときの各回動位置とに基づいて各基準物体の各位置を検出している。
このようにすると、ユーザが各基準物体をそれぞれ所望の位置に配置したときに、装置本体において、当該装置本体を基準とする各基準物体の相対位置を容易に把握できるようになり、ユーザが検出エリアとしてどのあたりを希望しているかを装置本体側で詳細に把握しうる構成を簡易に実現できる。
また、本発明では、上記のように検出された各基準物体の各位置に基づいて検出エリアを設定しており、このようにすれば、ユーザが望んだ各位置(即ちユーザが実際に各基準物体を配置した各位置)を反映した検出エリアを容易に且つ正確に設定できるようになる。特に、各基準物体の距離や方向(装置本体からの方向)をそれぞれ独立して調整できるため、より複雑な検出エリアを簡易に設定できる。
請求項3の発明は、基準物体が使用者によって移動可能とされており、装置本体側では、基準物体が走査エリア上に位置するときの各移動位置からの各特定反射光を受光している。また、各移動位置に入射する各レーザ光の発生から、各移動位置からの各特定反射光が検出されるまでの各時間をそれぞれ検出しており、それら各時間に基づいて、各移動位置までの各距離を算出している。そして、それら各距離と、各移動位置に入射する各レーザ光が出射されるときの偏向手段の各回動位置とに基づいて、移動する基準物体の各移動位置を検出している。
このようにすると、ユーザが基準物体を所望の複数位置に順次移動させたときに、装置本体において各移動位置を容易に特定でき、ユーザが検出エリアとしてどのあたりを希望しているかを装置本体側で詳細に把握することができる。
また、上記のように検出された各移動位置に基づいて検出エリアを設定するように構成することで、ユーザが望んだ各移動位置(即ちユーザが実際に基準物体を移動させた各位置)を反映した検出エリアを容易に且つ正確に設定できるようになる。特に、いずれの移動位置も装置本体からの距離や方向を独立して設定できるため、より複雑な検出エリアを簡易に設定しうる構成となる。
請求項4の発明は、基準物体として、第1種基準物体と第2種基準物体とを用いている。一方、装置本体側では、第1種基準物体からの特定反射光が光検出手段によって検出されるまでの時間(第1時間)に基づいて第1種基準物体までの第1距離を算出し、第2種基準物体からの特定反射光が検出されるまで時間(第2時間)に基づいて第2種基準物体までの第2距離を算出している。そして、算出された第1距離に基づいて第1の検出エリアを設定し、算出された第2距離に基づいて第2の検出エリアを設定している。
このようにすると、ユーザが第1種基準物体を所望の第1位置に配置したときに、装置本体において、その第1位置(ユーザによって第1種基準物体が配置された位置)までの距離を容易に算出でき、ユーザが望む当該第1位置を反映した第1の検出エリアを容易に且つ正確に設定できる。
また、ユーザが第2種基準物体を所望の第2位置に配置したときには、装置本体において、その第2位置(ユーザによって第2種基準物体が配置された位置)までの距離を容易に算出でき、ユーザが望む当該第2位置を反映した第2の検出エリアを容易に且つ正確に設定できる。
また、ユーザに対し、より複雑かつ多様な検出環境を作業負担を抑えて提供でき、ユーザの検出の自由度を効果的に高めることができるため、ユーザの利便性を格段に向上しうることとなる。
請求項5の発明は、基準物体として、複数の第1種基準物体と、複数の第2種基準物体とが備えられている。
一方、装置本体側では、各第1種基準物体からの各特定反射光が検出されるまでの各第1時間に基づいて各第1種基準物体までの各第1距離を算出し、各第2種基準物体からの各特定反射光が検出されるまでの各第2時間に基づいて各第2種基準物体までの各第2距離を算出している。
そして、各第1種基準物体に入射する各第1レーザ光がレーザ光発生手段から出射されるときの偏向手段の各回動位置と、各第1距離とに基づいて、各第1種基準物体の各位置を検出し、各第2種基準物体に入射する各第2レーザ光がレーザ光発生手段から出射されるときの偏向手段の各回動位置と、各第2距離とに基づいて、各第2種基準物体の各位置を検出している。
このようにすると、ユーザが各第1種基準物体をそれぞれ所望の位置に配置したときに、装置本体において、当該装置本体を基準とする各第1種基準物体の相対位置を容易に把握できるようになり、ユーザが第1の検出エリアとしてどのあたりを希望しているかを装置本体側で詳細に把握することができる。また、第2種基準物体についても同様であり、ユーザが第2の検出エリアとしてどのあたりを希望しているかを装置本体側で詳細に把握することができる。
そして、検出された各第1種基準物体の各位置に基づいて第1の検出エリアを設定し、各第2種基準物体の各位置に基づいて第2の検出エリアを設定している。この構成では、各第1種基準物体の距離や方向(装置本体からの方向)をそれぞれ独立して調整した上で、これら第1種基準物体の位置を的確に反映した第1の検出エリアを設定できるため、複雑なエリア設定についても簡易に実現できる。また、第2の検出エリアについても同様であり、各第2種基準物体の距離や方向(装置本体からの方向)をそれぞれ独立して調整した上で、これら第2種基準物体の位置を的確に反映した第2の検出エリアを設定できる。このように、2種類の検出エリアをより自由に設定できるようにすると、より多様な場所、或いはより多様な検出方法に対応できるようになり、ユーザの利便性が益々高まる。
請求項6の発明は、第1種基準物体及び第2種基準物体が、使用者によって移動可能とされている。一方、装置本体側では、第1種基準物体の各移動位置からの各特定反射光が検出されるまでの各第1時間に基づいて、第1種基準物体の各移動位置までの各第1距離を算出し、第2種基準物体の各移動位置からの各特定反射光が検出されるまでの各第2時間に基づいて、第2種基準物体の各移動位置までの各第2距離を算出している。更に、各第1種基準物体に入射する各第1レーザ光が出射されるときの偏向手段の各回動位置と、各第1距離とに基づいて、移動する第1種基準物体の各移動位置を検出し、各第2種基準物体に入射する各第2レーザ光が出射されるときの偏向手段の各回動位置と、各第2距離とに基づいて、移動する第2種基準物体の各移動位置を検出している。
このようにすると、ユーザが第1種基準物体を所望の複数位置に順次移動させたときに、装置本体において、当該第1種基準物体の各移動位置を容易に特定できるようになり、ユーザが第1の検出エリアとしてどのあたりを希望しているかを装置本体側で詳細に把握することができる。また、第2の検出エリアについても同様であり、ユーザが第2種基準物体を所望の複数位置に順次移動させたときに、装置本体において、当該第2種基準物体の各移動位置を容易に特定でき、ユーザが第2の検出エリアとしてどのあたりを希望しているかを装置本体側で詳細に把握することができる。
また、上記のように把握された第1種基準物体の各移動位置に基づいて第1の検出エリアを設定し、第2種基準物体の各移動位置に基づいて第2の検出エリアを設定している。この構成では、第1種基準物体の各移動位置の距離や方向(装置本体からの方向)をそれぞれ独立して調整した上で、これら各移動位置を的確に反映した第1の検出エリアを設定できるため、複雑なエリア設定についても簡易に実現できる。また、第2の検出エリアについても同様であり、第2種基準物体の各移動位置の距離や方向(装置本体からの方向)をそれぞれ独立して調整した上で、これら各移動位置を的確に反映した第2の検出エリアを設定できる。
このように、2種類の検出エリアをより自由に設定できるようにすると、より多様な場所、或いはより多様な検出方法に対応できるようになり、ユーザの利便性が益々高まる。
請求項の発明は、特定図形がバーコードとされている。バーコードがレーザ光の走査経路上に偶然配置される可能性は極めて低いため、バーコードを表面部に備えた物体を基準物体とすると、検出される反射光が基準物体からのものであるか否か(即ち、特定反射光であるか否か)をより一層正確に判断できるようになる。また、バーコードに何等かの情報を記録しておき、装置本体に基準物体を検出させるときに、併せて何等かの情報を伝達するといった使用方法も可能となる。
請求項の発明は、外部操作が可能な操作手段と、モード切替手段とが設けられており、操作手段による操作に応じて、検出エリアを設定する設定モードと、検出物体を検出する検出モードとを切り替えている。このようにすると、ユーザが自己の操作によって設定モードと検出モードとを自由に切り替えることができるようになり、ユーザの利便性を効果的に高めることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るレーザ距離測定装置の装置本体を概略的に例示する断面図である。 図2(a)は、基準物体を概略的に例示する正面図であり、図2(b)は、基準物体の別例1を概略的に示す正面図である。また、図2(c)は、基準物体の別例2を概略的に示す正面図である。 図3は、第1実施形態に係るレーザ距離測定装置によって検出エリアを設定した例を概念的に説明する説明図である。 図4(a)は、図2(a)の基準物体を用いたときの偏向部の角度と受光信号の出力との関係を示すタイミングチャートであり、図4(b)は、図2(b)の基準物体を用いたときの偏向部の角度と受光信号の出力との関係を示すタイミングチャートである。また、図4(c)は、図2(c)の基準物体を用いたときの偏向部の角度と受光信号の出力との関係を示すタイミングチャートである。 図1のレーザ距離測定装置で行われる設定処理の流れを例示するフローチャートである。 図6は、走査エリア上に複数の基準物体が配置された場合において、各基準物体の位置を検出する様子を説明する説明図である。 図7(a)は、図2(b)の基準物体を用いた場合において、明色バーにパルスレーザ光が照射されるときの投受光タイミングを示すタイミングチャートである。図7(b)は、図7(a)から偏向部が変位し、暗色バーにパルスレーザ光が照射されるときの投受光タイミングを示すタイミングチャートである。また、図7(c)は、図7(b)から偏向部が更に変位し、明色バーにパルスレーザ光が照射されるときの投受光タイミングを示すタイミングチャートである。 図8は、第2実施形態に係るレーザ距離測定装置を概略的に説明する説明図である。 図9は、図8のレーザ距離測定装置で行われる設定処理における基準物体検出処理の流れを例示するフローチャートである。 図10は、ユーザによる基準物体の移動を説明する説明図である。 図11は、図8のレーザ距離測定装置による検出エリアの設定方法を説明する説明図である。 図12は、図8のレーザ距離測定装置によって検出エリアを設定した様子を概念的に説明する説明図である。 図13は、第3実施形態に係るレーザ距離測定装置を概念的に説明する説明図である。 図14は、図13のレーザ距離測定装置によって検出エリアを設定する方法を説明する説明図である。 図15は、第4実施形態に係るレーザ距離測定装置によって第1の検出エリアを設定する方法を説明する説明図である。 図16は、第4実施形態に係るレーザ距離測定装置によって第2の検出エリアを設定する方法を説明する説明図である。 図17は、第4実施形態に係るレーザ距離測定装置によって第1の検出エリア及び第2の検出エリアを設定した様子を概念的に説明する説明図である。
[第1実施形態]
以下、本発明のレーザ距離測定装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(装置本体の構成)
まず、図1等を参照して第1実施形態に係るレーザ距離測定装置1の装置本体の構成について説明する。なお、図1は、第1実施形態に係るレーザ距離測定装置の装置本体を概略的に例示する断面図である。
本実施形態に係るレーザ距離測定装置1は、図1のような装置本体2と、図2(a)〜(c)などに例示される基準物体80(後述)とを有しており、例えば、図3のように検出エリアAR1を設定して当該検出エリアAR1に存在する物体(検出物体)を検出するように構成されている。
図1に示すように、装置本体2は、レーザダイオード10と、検出物体からの反射光L2を受光するフォトダイオード20とを備え、検出物体までの距離や方位を検出する装置として構成されている。
レーザダイオード10は、「レーザ光発生手段」の一例に相当するものであり、制御回路70の制御により、図示しない駆動回路からパルス電流を受け、このパルス電流に応じたパルスレーザ光を間欠的に出射している。なお、本実施形態では、レーザダイオード10から検出物体に至るまでのレーザ光については、符号L1を付して概念的に示しており、検出物体からフォトダイオード20に至るまでの反射光については、符号L2を付して概念的に示している。また、以下の説明では、レーザダイオード10から出射されるレーザ光をパルスレーザ光L1又はレーザ光L1と称する。
フォトダイオード20は、「光検出手段」の一例に相当するものであり、レーザダイオード10からレーザ光L1が発生し、そのレーザ光L1が検出物体にて反射したとき、その反射光L2を受光して電気信号に変換している。なお、検出物体からの反射光については所定領域のものが偏向部41に取り込まれる構成となっており、図1では、符号L2で示す2つのライン間の領域の反射光が取り込まれる例を示している。
レーザダイオード10から出射されるレーザ光L1の光軸上にはレンズ60が設けられている。このレンズ60は、コリメートレンズとして構成されるものであり、レーザダイオード10からのレーザ光L1を平行光に変換している。
レンズ60を通過したレーザ光L1の光路上には、ミラー30が設けられている。このミラー30は、レンズ60を透過したレーザ光L1の光軸に対して傾斜した反射面30aを備え、レンズ60を透過したレーザ光L1を回動偏向機構40に向けて反射させている。本実施形態では、レンズ60を通過した水平方向のレーザ光L1をミラー30によって垂直方向(後述する中心軸42aと平行な方向)に反射させており、その反射した垂直方向のレーザ光L1が回動偏向機構40の偏向部41に入射するようになっている。
回動偏向機構40は、「回動偏向手段」の一例に相当するものであり、平坦な反射面41aを有するミラーからなる偏向部41と、この偏向部41を支持する支持台43と、この支持台43に連結された軸部42と、この軸部42を回転可能に支持する図示しない軸受とを備えている。
偏向部41は、「偏向手段」の一例に相当するものであり、ミラー30で反射されたレーザ光L1の光軸上に配置されると共に、中心軸42a(所定の中心軸)を中心として回動可能とされている。この偏向部41は、レーザダイオード10からのレーザ光L1を空間に向けて偏向(反射)させ、且つ検出物体からの反射光L2をフォトダイオード20に向けて偏向(反射)させる構成をなしている。
また、偏向部41の回転中心となる中心軸42aの方向は、ミラー30から当該偏向部41に入射するレーザ光L1の方向と一致しており、レーザ光L1が偏向部41に入射する入射位置P1が中心軸42a上の位置とされている
なお、本実施形態では、中心軸42aの方向を垂直方向(Y軸方向)としており、中心軸42aと直交する平面方向を水平方向としている。また、水平方向の内の所定方向をX軸方向として示している。
図1に示すように、偏向部41の反射面41aは、垂直方向(反射面41aに入射するレーザ光L1の方向)に対して45°の角度で傾斜しており、ミラー30側から入射するレーザ光L1を、水平方向に反射させている。また、偏向部41は入射するレーザ光L1の方向と一致した方向の中心軸42aを中心として回転するため、偏向部41の回転位置に関係なくレーザ光L1の入射角度が常に45°で維持され、位置P1からのレーザ光L1の向きは絶えず水平方向(中心軸42aと直交する方向)となるように構成されている。
また、図1の装置本体2では、偏向部41における反射光を偏向する偏向領域(偏向部41における反射面41aの領域)が、ミラー30におけるレーザ光を反射する反射領域(ミラー30における反射面30aの領域)よりも十分大きく構成されている。
更に、図1の装置本体2には、回動偏向機構40を駆動するモータ50が設けられている。このモータ50は、「駆動手段」の一例に相当するものであり、軸部42を回転させることで、軸部42と連結された偏向部41を回転駆動している。なお、モータ50の具体的構成としては、例えばサーボモータ等を用いても良いし、定常回転するモータを用い、偏向部41が測距したい方向を向くタイミングに同期させてパルスレーザ光を出力することで、所望の方向の検出を可能としてもよい。また、本実施形態では、図1に示すように、モータ50の軸部42の回転角度位置(即ち偏向部41の回転角度位置)を検出する回転角度位置センサ52が設けられている。回転角度位置センサ52は、ロータリーエンコーダなど、軸部42の回転角度位置を検出しうるものであれば様々な種類のものを使用できる。
なお、上記説明では、検出対象となるモータ50の具体例について述べたが、モータ50の種類や構成は上記例に限定されず、例えば、ステップモータなどによって構成してもよく、この場合、1ステップ毎の角度が小さいものを使用すれば、緻密な回動が可能となる。
回動偏向機構40からフォトダイオード20に至るまでの反射光L2の光路上には、フォトダイオード20に向けて反射光を集光する集光レンズ62が設けられ、その集光レンズ62とフォトダイオード20の間にはフィルタ64が設けられている。集光レンズ62は、偏向部41からの反射光L2を集光してフォトダイオード20に導くものであり、集光手段として機能している。
また、フィルタ64は、回動偏向機構40からフォトダイオード20に至るまでの反射光L2の光路上において反射光L2を透過させ且つ反射光L2以外の光を除去するように機能するものである。このフィルタ64は、例えば反射光L2に対応した特定波長の光(例えば一定領域の波長の光)のみを透過させそれ以外の光を遮断する波長選択フィルタによって構成されている。
また、本実施形態では、レーザダイオード10、フォトダイオード20、ミラー30、レンズ60、回動偏向機構40、モータ50等が、ケース3の内部に収容され、防塵や衝撃保護が図られている。ケース3における偏向部41の周囲には、当該偏向部41を取り囲むようにレーザ光L1及び反射光L2の通過を可能とする導光部4が形成されている。導光部4は、偏向部41に入光するレーザ光L1の光軸を中心とした環状形態で、ほぼ360°に亘って構成されており、この導光部4を閉塞する形態でガラス板等からなるレーザ光透過板5が配され、防塵が図られている。
(特徴構成)
次に、本実施形態の特徴的構成について説明する。本実施形態に係るレーザ距離測定装置1は、上記装置本体2とは別体として、図2(a)〜(c)に例示されるような基準物体80が用いられている。この基準物体80は、装置本体2の外部において、レーザ光L1の走査経路上に配置して用いるものであり、回動偏向機構40から空間に投射されたレーザ光L1が入射したときに特定反射光を発するように構成されている。なお、いずれの基準物体80も照射対象部分が板状に構成され、その板状の照射対象部分に棒状の把持部が取り付けられた形態となっているが、レーザ光L1を反射しうる構成であればこれらの形態に限定されるものではない。
例えば、図2(a)は、照射対象部分の表面部がミラーとして構成されており、入射光量(当該表面部に入射するレーザ光L1の光量)と、反射光量(当該表面部から反射する反射光の光量)との差が小さくなるように構成されている。従って、当該ミラーにレーザ光L1が入射したときには、反射光の光量が大きく確保され、その反射光がフォトダイオード20によって受光されるときの受光量も大きく確保されるようになっている。この場合、フォトダイオード20での受光量が所定閾値(ミラーからの反射光か、ミラー以外からの反射光であるかを区別するための閾値)以上となる光を「特定反射光」として扱う。
図4(a)は、図2(a)の基準物体80aをレーザ光L1の走査経路上に配置して検出を行ったときの受光信号の出力(受光量)と、偏向部41の角度との関係を示すものである。ここではフォトダイオード20を所定感度に定めたときの例を示しており、偏向部41がある角度範囲(レーザ光L1が基準物体80aに入射し得る角度範囲)にあるときに、受光信号の出力が所定閾値Vaを超えるようになっている。また、この場合、基準物体80aからの反射光がフォトダイオード20に入射するときに当該フォトダイオード20の出力が飽和するような距離で基準物体80aを使用することを前提とすることができ、このような前提としたときには、上記「所定閾値」を、飽和するときの出力値よりも少し低い値(例えば飽和出力値の7〜8割程度の値)とすることで、基準物体80aからの反射光であるか否かを良好に判別できるようになる。
また、図2(b)に示す基準物体80bは、照射対象部分の表面部において明色バー81と暗色バー82とが交互に配された特定図形Dが付されている。この基準物体80bは、表面部をレーザ光L1の走査経路上に配置し、レーザ光L1によってバー配列方向に沿って走査されるように用いるものであり、この場合、フォトダイオード20において明色バー81からの反射光と暗色バー82からの反射光とが交互に受光されるようになっている。
図4(b)は、図2(b)の基準物体80bをレーザ光L1の走査経路上に配置(より詳しくは、特定図形Dのバー配列方向が水平方向又はほぼ水平方向となるように基準物体80bを配置)して検出を行ったときの受光信号の出力(受光量)と、偏向部41の角度との関係を示している。ここではフォトダイオード20を所定感度に定めたときの例を示しており、偏向部41がある角度範囲(レーザ光L1が明色バー81に入射し得る角度範囲)となったときに、受光信号の出力が第1閾値V1を超えるようになっている。その後、偏向部41が変位し、レーザ光L1が暗色バー82に入射し得る角度範囲となったときには、受光信号の出力が、第1閾値V1以下かつ第2閾値V2以上となり、更にその後、偏向部41が変位してレーザ光L1が明色バー81に入射し得る角度範囲となったときには、受光信号の出力が再び第1閾値V1を超えるようになっている。このように、基準物体80bをレーザ光L1の走査経路上に配置して用いたときには、フォトダイオード20において、第1閾値V1を超える出力(明色バー81からの反射光量に相当する出力)と、第1閾値V1以下かつ第2閾値V2以上の出力(暗色バー82からの反射光量に相当する出力)とが交互に繰り返されることとなり、基準物体80bを用いる場合にはこのような交互の出力を発生させる反射光を「特定反射光」として扱う。
また、フォトダイオード20の感度を一定に定めた上で基準物体80bを用いる場合、明色バー81からの反射光がフォトダイオード20に入射するときに当該フォトダイオード20の出力が飽和し、暗色バー82からの反射光がフォトダイオード20に入射するときには、当該フォトダイオード20の出力が飽和しないような距離(装置本体2からの距離)で基準物体80bを使用することを前提とすることができる。このような前提とするときには、例えば、上記「第1閾値V1」を、飽和するときの出力値よりも少し低い値(例えば飽和出力値の7〜8割程度の値)とし、「第2閾値V2」を、飽和するときの出力値よりもかなり低い値(例えば飽和出力値の1〜2割程度)とすることで、明色バー81からの反射光、及び暗色バー82からの反射光を良好に判別できるようになる。
また、図2(c)の基準物体80cも、図2(b)の基準物体80bと同様、照射対象部分の表面部において明色バーと暗色バーとが交互に配された特定図形が付されており、図2(c)の例では、この特定図形がバーコードBとされている。この基準物体80cも、表面部をレーザ光L1の走査経路上に配置し、レーザ光L1によってバー配列方向に沿って走査されるように用いるものであり、この例では、当該走査によってバーコードBに記録される情報を読み取ることができるようになっている。
図4(c)は、図2(c)の基準物体80cをレーザ光L1の走査経路上に配置(より詳しくは、バーコードBのバー配列方向が水平方向又はほぼ水平方向となるように基準物体80cを配置)して検出を行ったときの受光信号の出力(受光量)と、偏向部41の角度との関係を示している。この場合も図2(b)の場合と同様であり、偏向部41がある角度範囲(レーザ光L1がバーコードBのマージン部又は明色バー83に入射し得る角度範囲)となったときに、受光信号の出力が第1閾値V1を超えるようになっている。その後、偏向部41が変位し、レーザ光L1が暗色バー84に入射し得る角度範囲となったときには、受光信号の出力が、第1閾値V1以下かつ第2閾値V2以上となり、更にその後、偏向部41が変位し、明色バー83に入射し得る角度範囲に変化したときには、受光信号の出力が再び第1閾値V1を超えるようになっている。
このように、基準物体80cをレーザ光L1の走査経路上に配置して用いたときには、フォトダイオード20において、第1閾値V1を超える出力と、第1閾値V1以下かつ第2閾値V2以上の出力とが交互に繰り返されることとなり、基準物体80cを用いる場合にはこのような交互の出力を発生させる反射光を「特定反射光」として扱う。なお、バーコードBを走査したときに得られる受光信号は、図4(c)に示すように、各明色バー83からの各反射光によって得られる各信号のそれぞれ、及び各暗色バー84からの各反射光によって得られる各信号のそれぞれが幅情報を有しており、この幅情報に基づいて公知のデコードを行うことでバーコードBに記録される情報を読み取ることができる。
次に、上記基準物体80を用いて検出エリアを設定する方法について説明する。
図5は、装置本体2で行われる設定処理の流れを例示するフローチャートである。
図5の設定処理は、操作部74(図1)に対して所定操作がなされたときに制御回路70によって開始される処理である。なお、本実施形態では、ケース3の外部にキーやスイッチなどを備えてなる操作部74が設けられた例を示しているが、ケース3の内部に操作部が設けられていてもよく、装置本体2とは別装置として操作部が設けられていてもよい。いずれの場合でも、ユーザがこの操作部74に対して所定操作を行ったときにその操作信号が制御回路70に入力され、図5の設定処理が実行される。
図5の設定処理が開始されると、まず基準物体80を検出する検出処理が行われる(S1)。この基準物体の検出処理では、通常の物体検出処理と同様にレーザ光L1を空間に投射し、このレーザ光L1の走査経路上に存在する基準物体80を検出している。具体的には、例えば、レーザ光L1の走査を所定回動範囲(例えば360°)に亘って行い、各パルスレーザ光の投射に応じて返される各反射光を受光すると共に、上述の「特定反射光」が受光されたか否かを確認する。
基準物体80としては、上述の基準物体80a、80b、80c(図2)のいずれを用いてもよく、例えばユーザが図2(a)の基準物体80aを用いる場合には、上述したように、所定閾値Vaを超える受光信号が発生するような反射光が受光されたか否かを確認する。また、ユーザが、図2(b)の基準物体80bや、図2(c)の基準物体80cを用いる場合には、第1閾値V1を超える出力と、第1閾値V1以下かつ第2閾値V2以上の出力とが交互に繰り返されるような一連の反射光が受光されたか否かを確認する。
なお、本実施形態では、制御回路70が「判断手段」の一例に相当し、回動偏向機構40によるレーザ光L1の走査エリア上に基準物体80が配置されたときに、フォトダイオード20によって検出される反射光が、「特定反射光」であるか否かを判断する機能を有している。
また、S1の検出処理では、偏向部41を所定の角度範囲(例えば360°)回動させて基準物体80の検出を行っており、図6のように走査経路上に複数の基準物体80が存在する場合には、これら複数の基準物体80が検出されることとなる。
図5に示すように、S1の検出処理の後には、S2の距離算出処理が行われる。この距離算出処理では、S1で検出された各基準物体80についての、装置本体2からの各距離X1〜X4が算出される(図6参照)。具体的には、S1で各基準物体80を検出する際に、各基準物体80に投射される各レーザ光L1の発生から、当該各レーザ光L1がフォトダイオード20によって検出されるまでの各時間を検出しており、この検出された各時間と、既知の光速とに基づいて装置本体2から各基準物体80までの各距離X1〜X4を算出している。
なお、本実施形態では、制御回路70が「時間検出手段」「距離算出手段」の一例に相当する。
例えば、図2(a)のような基準物体80aがレーザ光L1の走査経路上に配置される場合、レーザダイオード10から基準物体80aに向けてあるパルスレーザ光L1が出射されるときに、当該パルスレーザ光L1に応じて、上記所定閾値Vaを超える受光信号を発生させる反射光(特定反射光)が返されるため、当該パルスレーザ光L1がレーザダイオード10にて発生した時を基準として、当該パルスレーザ光L1に応じて基準物体80aから返される反射光(特定反射光)がフォトダイオード20によって検出されるまでの時間を検出する。そして、この検出時間と既知の光速とに基づいて、装置本体2から基準物体80aまでの距離を算出する。
また、図2(b)のような基準物体80bがレーザ光L1の走査経路上に配置される場合、明色バー81からの反射光と暗色バー82からの反射光とが交互に受光される角度範囲(図4(b)参照)において、いずれかのパルスレーザ光L1の発生から、当該パルスレーザ光L1に応じた反射光の受光までの時間を検出し、この検出時間に基づいて装置本体2から基準物体80bまでの距離を算出する。
より具体的に述べると、レーザ光L1が特定図柄Dに入射する角度範囲となっているときには、図7のようなタイミングで投受光がなされ、例えば、レーザ光L1がある明色バー81に入射する所定角度となっている場合、図7(a)のように、レーザダイオード10でのパルスレーザ光の発生後、時間T1後にフォトダイオード20にて明色バー81からの反射光(特定反射光)が検出される。また、偏向部41の角度がその所定角度とは別角度であり、レーザ光L1がある暗色バー82に入射する角度となっている場合、図7(b)のように、レーザダイオード10でのパルスレーザ光の発生後、時間T1'後にフォトダイオード20にて暗色バー82からの反射光(特定反射光)が検出される。また、図7(b)のときとは更に別角度となっており、レーザ光L1がある明色バー81に入射する角度となっている場合、図7(c)のように、レーザダイオード10でのパルスレーザ光の発生後、時間T1"後にフォトダイオード20にて明色バー81からの反射光(特定反射光)が検出される。この例では、装置本体2から各明色バー81までの各距離、及び装置本体2から各暗色バー82までの各距離はいずれもほぼ同じとみなすことができるため、上記時間T1、T1'、T1"はほぼ同じ値となる。従って、明色バー81或いは暗色バー82に入射するいずれかのパルスレーザ光L1の発生から、当該パルスレーザ光L1に応じた反射光(特定反射光)がフォトダイオード20によって検出されるまでの時間(例えば、上記時間T1,T1',T1"のいずれか)を代表値として検出することで、この検出時間と既知の光速とに基づいて、装置本体2から基準物体80bまでの距離を算出することができる。なお、ここでは、図2(b)の基準物体80bを用いた場合の距離算出方法を例示したが、図2(c)の場合も同様である。
図5に示すように、S2の距離算出処理の後には、S3の位置特定処理が行われる。この処理は、S2で算出された各距離X1〜X4(図6)に基づいて、各基準物体80の位置を特定する処理である。
具体的には、S1で各基準物体80を検出する際に、上記各検出時間(各基準物体80に投射される各レーザ光L1の発生から、当該各レーザ光L1がフォトダイオード20によって検出されるまでの各時間)と共に、各基準物体80に入射する各レーザ光L1がレーザダイオード10から出射されるときの偏向部41の各回動位置を検出しており、S3では、これら各回動位置と、S2で算出された各距離X1〜X4とに基づいて、各基準物体80の各位置を検出している。
例えば、図6の位置A1にある基準物体80(装置本体2からX1離れた距離にある基準物体)からの特定反射光が検出されるときに、上記検出時間(A1にある基準物体80に入射するあるパルスレーザ光L1の発生から、当該パルスレーザ光L1が受光されるまでの時間)と共に、当該基準物体80に入射するパルスレーザ光L1が出射されるときの偏向部41の「回動位置」をも検出しており、S3の処理では、この「回動位置」によって、位置A1にある基準物体80の方向を特定している。そして、この特定される方向と、S2で求められた距離X1とによって、位置A1にある基準物体80についての、装置本体2を基準とする具体的座標を特定している。
なお、図6では、一例として、所定の基準方向Fにレーザ光L1が投射されるときを偏向部41の位置を基準回動位置(角度0°)とし、「特定反射光が検出されるときの偏向部41の回動位置」として、この基準回動位置からどの程度回転したかを示す回転角度θを求めている。従って、例えば、位置A1にある基準物体80にレーザ光L1が投射されるときの回動位置は、基準回動位置から当該回動位置までの回転角度θ1によって表すことができ、位置A1の基準物体80の座標は、このθ1と距離X1とによって特定できる。
上記説明では、位置A1にある基準物体80の具体的座標を特定する方法を説明したが、他の位置A2〜A4にある基準物体80についても同様の方法で具体的座標を特定できる。
本実施形態では、制御回路70が「基準物体位置検出手段」に相当し、各基準物体80に入射する各レーザ光L1がレーザダイオード10から出射されるときの偏向部41の各回動位置と、各距離X1〜X4とに基づいて、各基準物体80の各位置Pa〜Pdを検出するように機能している。
図5に示すように、S3の処理の後には、S4の検出エリア設定処理が行われる。この検出エリア設定処理は、S3の処理で特定された各基準物体80の各位置Pa、Pb、Pc、Pd(図6)のいずれか又は全てを境界位置とするように検出エリアを設定する。例えば、S3の処理で特定された各基準物体80の各位置Pa〜Pdを環状に結ぶことで、図3のような多角形状の検出エリアを設定することができる。
環状に結ぶ方法は様々に考えられ、その一例としては、各基準物体80の位置Pa〜Pdを検出された順序で結ぶといった方法などが挙げられる。この方法では、例えば位置Pc、Pd、Pa、Pbの順に基準物体80が検出された場合には、Pc−Pd、Pd−Pa、Pa−Pb、Pb−Pcの順にラインを設定すればよい。この場合、各位置Pa〜Pdが検出エリアの各頂点となり、各ラインPc−Pd、Pd−Pa、Pa−Pb、Pb−Pcが検出エリアの境界線となる。
また、検出エリアを定めるためのデータは、メモリ72に記憶される(S5)。メモリ72に記憶するデータとしては、例えば、検出エリアの頂点座標のデータ(上記の例では、各位置Pa〜Pdの座標データ)及び検出エリアの境界線の位置データ(上記の例では、ラインPc−Pd、Pd−Pa、Pa−Pb、Pb−Pcの位置データ)などが挙げられ、これらいずれか又は両方をメモリ72に記憶しておけば、後に、検出エリアを迅速且つ容易に特定できるようになる。
本実施形態では、制御回路70及びメモリ72が「検出エリア設定手段」の一例に相当し、「距離算出手段」によって算出された各基準物体80までの各距離X1〜X4に基づき(より詳しくは、「基準物体位置検出手段」によって検出された各基準物体80の各位置Pa〜Pdに基づき)、回動偏向機構40による走査エリアにおいて検出エリアを設定するように機能している。なお、ここでは、回動偏向機構40から投射されるレーザ光L1が届く領域全てを「走査エリア」としており、この内の一部の領域を「検出エリア」として設定している。
次に、検出モードでの物体検出について説明する。
本実施形態では、操作部74に対して所定操作がなされたときに、図5のような設定処理が開始され、設定モード(設定処理を行うモード)に移行するようになっている。一方、この設定処理が終わると、自動的に、或いは操作部74に対する操作に応じて実際の検出処理を行い得るモード(検出モード)に移行するようになっている。このように、本実施形態では、操作部74に対してなされた操作に応じて設定モードと検出モードとが切り替えられており、制御回路70がこのようなモードの切替を行う「モード切替手段」の一例に相当している。
検出モードでは、図3のように、装置本体2を設定処理のときと同じ位置に配置し、その状態で、レーザダイオード10からパルスレーザ光L1を順次出射し、且つ偏向部41を順次回動してレーザ光L1の走査を行う。パルスレーザ光L1の出射タイミングや偏向部41の回動タイミングは様々に設定できるが、例えば、パルスレーザ光毎に偏向部41を少しずつ回動させることで、偏向部41からの各パルスレーザ光L1の投射方向を水平方向に順次変化させることができる。
このようなレーザ光走査において、走査エリア上に検出物体が存在するときには、偏向部41から投射されたパルスレーザ光L1が当該検出物体にて反射し、この反射光の一部が再び偏向部41に入射する。そして、偏向部41にて反射した後、集光レンズ62によって集光され、フォトダイオード20に入射することとなる。従って、検出モードでは、フォトダイオード20がこのような反射光を受光したか否か(より詳しくは、フォトダイオード20からの出力が閾値を超えたか否か)を、偏向部41の各回動位置毎に確認し、各回動位置に対応する方向に検出物体が存在するか否かを確認している。
また、いずれかの回動位置において、物体からの反射光L2が受光された場合、この反射光L2の元となるパルスレーザ光L1が発生してから、当該パルスレーザ光L1の反射光L2がフォトダイオード20によって受光されるまでの時間Tを検出する。そして、既知の光速Cを考慮し、レーザダイオード10から当該物体までの光路及び当該物体からフォトダイオード20までの光路を加算した光路長L、或いは、当該物体までの距離X(例えば光路長Lの1/2)を求める。更に、当該物体からの反射光L2が受光されるときの偏向部41の回動位置(即ち、反射光L2の元となるパルスレーザ光L1が投射されるときの回動位置)と、当該物体までの上記距離Xとに基づいて、当該物体の座標を特定する。そして、この座標が上述の設定処理(図5)で設定された検出エリア(図3参照)の範囲内にあるか否かを判断し、検出エリア内にあれば、検出エリア内において物体検出がなされたものとして所定の出力処理を行う。なお、所定の出力処理としては、物体検出がなされた旨の報知や、検出された物体の位置データの出力などが挙げられる。一方、得られた座標が検出エリア外の座標であれば、当該物体については、検出されたものとして扱わずに無視する。
なお、図3は、建物91の一方側(例えば玄関口側)に検出エリアを設定して当該検出エリア内の物体検出を行う例を示すものであり、このようにすると、建物91の一方側から人等が接近して検出エリア内に侵入した場合に、その侵入を適切に検出できるようになる。
(本実施形態の主な効果)
本実施形態に係るレーザ距離測定装置1は、パルスレーザ光を投受光可能な装置本体2と、この装置本体2とは別体として構成された基準物体80と備えており、基準物体80は、パルスレーザ光L1が入射したときに特定反射光を発する構成をなしている。一方、装置本体2側では、パルスレーザ光L1の走査エリア上に基準物体80が配置されたときに、検出される反射光が特定反射光であるか否かを判断しており、特定反射光であると判断されたときには、パルスレーザ光L1が発生してから、当該パルスレーザ光L1に応じた特定反射光が検出されるまでの時間を検出し、その検出された時間に基づいて基準物体80までの距離を算出している。このようにすると、ユーザが基準物体80を所望の位置に配置しさえすれば、装置本体2からその位置(ユーザによって基準物体80が配置された位置)までの距離を容易に算出できるため、複雑な距離測定作業、距離算出作業、入力作業等を行わずとも、検出エリアの境界を規定する上で基準とするべき距離値を装置本体内に容易に登録することができる。そして、その算出された距離に基づき、走査エリアにおいて検出物体を検出する検出エリアを設定しており、このようにすれば、ユーザが望んだ位置(即ちユーザが実際に基準物体80を配置した位置)を境界位置、若しくは境界位置の目安とする検出エリアを容易に且つ正確に設定できる。
また、本実施形態では、検出エリアを設定する際に、図6のように基準物体80を複数用いており、装置本体2側では、各基準物体80に入射する各レーザ光の発生から、当該各レーザ光に応じた各特定反射光が検出されるまでの各時間をそれぞれ検出している。そして、それら各時間に基づいて各基準物体80までの各距離X1〜X4を算出しており、それら各距離X1〜X4と、各基準物体80に入射する各レーザ光が出射されるときの各回動位置とに基づいて各基準物体80の各位置Pa、Pb、Pc、Pdを検出している。
このようにすると、ユーザが各基準物体80をそれぞれ所望の位置に配置したときに、装置本体2において、当該装置本体2を基準とする各基準物体80の相対位置を容易に把握できるようになり、ユーザが検出エリアとしてどのあたりを希望しているかを装置本体2側で詳細に把握しうる構成を簡易に実現できる。
また、本発明では、上記のように検出された各基準物体80の各位置Pa、Pb、Pc、Pdに基づいて検出エリアを設定しており、このようにすれば、ユーザが望んだ各位置(即ちユーザが実際に各基準物体80を配置した各位置)を反映した検出エリアを容易に且つ正確に設定できるようになる。特に、各基準物体80の距離や方向(装置本体2からの方向)をそれぞれ独立して調整できるため、より複雑な検出エリアを簡易に設定できるようになる。
また、図2(b)や図2(c)の例では、基準物体80の表面部に、明色バー81(図2(c)の例では明色バー83)と暗色バー82(図2(c)の例では明色バー84)とが交互に配された特定図形が付されている。このような特定図形(明色バーと暗色バーとが交互に配された図形)がレーザ光L1の走査経路上に偶然配置される可能性は低いため、このような特定図形を表面部に備えた物体を基準物体とすることで、検出される反射光が基準物体からのものであるか否か(即ち、特定反射光であるか否か)を正確に判断できるようになる。
また、図2(c)の例では、特定図形がバーコードとされている。バーコードがレーザ光L1の走査経路上に偶然配置される可能性は極めて低いため、バーコードを表面部に備えた物体を基準物体とすると、検出される反射光が基準物体80からのものであるか否か(即ち、特定反射光であるか否か)をより一層正確に判断できるようになる。また、バーコードBに何等かの情報を記録しておき、装置本体2に基準物体80を検出させるときに、併せて何等かの情報を伝達するといった使用方法も可能となる。例えば、バーコードBに基準物体であることを示すデータを記録しておけば、装置本体2側で二重の確認を行うことができ、特定反射光が検出されたか否かを極めて正確に確認できる。
また、本実施形態では、外部操作が可能な操作部74と、モード切替手段とが設けられており、操作部74による操作に応じて、検出エリアを設定する設定モードと、検出物体を検出する検出モードとを切り替えている。このようにすると、ユーザが自己の操作によって設定モードと検出モードとを自由に切り替えることができるようになり、ユーザの利便性を効果的に高めることができる。
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。
図8は、第2実施形態に係るレーザ距離測定装置を概略的に説明する説明図である。図9は、図8のレーザ距離測定装置で行われる設定処理における基準物体検出処理の流れを例示するフローチャートである。図10は、ユーザによる基準物体の移動を説明する説明図である。図11は、図8のレーザ距離測定装置による検出エリアの設定方法を説明する説明図である。図12は、検出エリアが設定された様子を概念的に説明する説明図である。
なお、第2実施形態では、第1実施形態と同一の装置本体2が用いられるため、装置本体2の構成についての詳細な説明は省略する。また、基準物体についても、図2(a)〜図2(c)のいずれかが第1実施形態と同様に用いられるため、基準物体の詳細な説明も省略する。また、装置本体2や基準物体80については、適宜図1、図2を参照することとし、特定反射光については、適宜、図4、図7を参照することとする。また、設定処理については、適宜、図5を参照することとする。
本実施形態のレーザ距離測定装置200は、図8に示すように、単一の基準物体80を用いている点、及びこの基準物体80が使用者によって移動可能とされている点が第1実施形態と異なっている。
以下、第2実施形態のレーザ距離測定装置200にて行われる設定処理について説明する。
第2実施形態のレーザ距離測定装置200でも、図5に示す流れで設定処理が行われ、まず、S1の基準物体検出処理が行われる。この基準物体検出処理の具体的内容は第1実施形態と若干異なっており、本実施形態のレーザ距離測定装置200では、ユーザが基準物体80を、レーザ光L1の走査エリア上における複数位置に移動させることを前提とし、装置本体2側では、ユーザによって基準物体80が順次移動されたときに、それら各移動位置からの各特定反射光を受光している。なお、ユーザによる基準物体80の移動方法は、例えば、図10(a)のように、ユーザが基準物体80を直接把持して移動する方法であってもよく、図10(b)のように、何等かの移動装置201(例えば、運転或いは遠隔操作可能な運搬車など)によって移動する方法であってもよい。
この基準物体検出処理は、具体的には例えば図9のような流れで行われ、まず、基準物体の検出を実際に開始するか否かを判断する処理を行なう(S21)。この判断処理は、例えば、ユーザが操作部74に対して所定の開始指示(基準物体の検出に移行する旨の指示)をしたか否かを確認してもよく、或いは、所定時間が経過したか否か(例えば、図9の基準物体検出処理の開始から所定時間が経過したか否か、或いは前回の基準物体の検出から所定時間が経過したか否か)を確認してもよい。或いはS21の判断処理自体を省略してもよい。
S21にてYesに進む場合には、偏向部41をある回動位置に定めた状態でパルスレーザ光L1を出射し(S22)、その回動位置において反射光の受光を確認する処理を行なう(S23)。そして、特定反射光が検出されたか否かを判断する処理を行う(S24)。S24での判断は、現在(S24の判断を行う時)の回動位置で確認される反射光のみに基づいて「特定反射光」が検出されたか否かを判断してもよく、現在の回動位置以前の複数の回動位置での各反射光に基づいて「特定反射光」が検出されたか否かを判断してもよい。
例えば、図2(a)の基準物体80aが用いられる場合には、S23にて所定閾値Vaを上回る受光信号が検出されたか否かを確認し、検出された場合にはS24にてYesに進む。或いは、図2(b)の基準物体80bが用いられる場合には、現在の回動位置以前の複数の回動位置の反射光に基づいて、図4(b)のような受光信号が得られたか否かを判断し、得られた場合にはS24にてYesに進む。また、図2(c)のような基準物体80cが用いられる場合には、現在の回動位置以前の複数の回動位置の反射光に基づいて、図4(c)のような受光信号が得られ、デコードが正常に行われたか否かを判断し、デコードが正常に行われた場合には、S24にてYesに進む。
なお、特定反射光が検出されない場合には、S24にてNoに進み、偏向部41を1ステップ変化させて次の角度に設定し、S22以降の処理を繰り返す。
S24にてYesに進む場合には、基準物体80に投射されるパルスレーザ光L1がレーザダイオード10にて発生してから、当該パルスレーザ光L1がフォトダイオード20によって検出されるまでの時間を検出する(S26)。この時間検出の方法は、第1実施形態の各基準物体80での検出と同様であり、例えば、図2(a)のような基準物体80aが、レーザ光L1の走査経路上に図8のように配置される場合、レーザダイオード10から基準物体80aに向けてあるパルスレーザ光L1が出射されるときに、当該パルスレーザ光L1に応じて、上記所定閾値Vaを超える受光信号を発生させる反射光(特定反射光)が返されるため、当該パルスレーザ光L1がレーザダイオード10にて発生した時を基準として、当該パルスレーザ光L1に応じて基準物体80aから返される反射光(特定反射光)がフォトダイオード20によって受光されるまでの時間Taを検出する。
また、S26では、上記時間Taの検出と共に、基準物体80に入射するパルスレーザ光L1がレーザダイオード10から出射されるときの偏向部41の回動位置(基準回動位置からの回転角度)を検出する。例えば、図8の移動位置B1にある基準物体80からの特定反射光が検出されるときには、上記時間Ta(B1にある基準物体80に入射するパルスレーザ光L1の発生から、当該パルスレーザ光L1が受光されるまでの時間)と共に、当該基準物体80に入射するパルスレーザ光L1が出射されるときの偏向部41の「回動位置」(基準回動位置からの回動角度θa)を検出する。
なお、ここでは図2(a)のような基準物体80aが配置される場合を例示したが、図2(b)のような基準物体80bが用いられるときも第1実施形態と同様の方法で時間検出がなされ、移動位置B1にある基準物体80に向けて出射されるいずれかのパルスレーザ光L1について、当該パルスレーザ光L1の出射から、当該パルスレーザ光L1に応じた反射光の受光までの時間Taを検出する。そして、当該パルスレーザ光L1が出射されるときの偏向部41の回動位置(回動角度θa)をも検出する。
このように時間Taと回動位置(回動角度θa)が検出された後には、これら値を、移動位置B1を特定する値としてメモリ72に記憶する(S27)。
その後、基準物体の検出処理を終了するか否かを判断する(S28)。この判断は、例えば、ユーザが操作部74に対して所定の終了操作を行ったか否かを判断したり、或いは、最後の基準物体の検出から一定時間経過したか否かを判断するといった方法が挙げられる。
ユーザが所定の終了操作を行ったときに図9の基準物体検出処理を終了する構成とした場合、S28では、操作部74に対して所定終了操作がなされたか否かを判断し、所定終了操作がなされていない場合にはS28にてNoに進み、次の移動位置について、S21以降の処理を繰り返す。一方、所定終了操作がなされた場合にはS28にてYesに進み、当該基準物体検出処理を終了する。
上記基準物体検出処理では、ユーザが図11のように基準物体80を移動したときには、各移動位置B1、B2、B3についてS22〜S27の処理が行われるため、各移動位置B1、B2、B3について上記時間Ta及び回動角度θaが算出される。そして、各移動位置毎に時間Taと回動角度θaとが対応付けられてメモリ72に記憶されることとなる。
図9の基準物体検出処理が終了した場合には、図5のS2以降の処理を行う。S2の処理は第1実施形態と同様であり、第1実施形態では、各基準物体についての各距離を算出していたが、本実施形態では、これと同じ方法で各移動位置についての各距離(各移動位置に配置される基準物体までの各距離)を算出する。即ち、各移動位置毎に検出された上記時間Taに基づいて、各移動位置までの各距離を算出する。例えば、図11のように各移動位置B1、B2、B3が検出されている場合には、メモリ72に記憶される各移動位置毎の時間Taを読み出し、これら時間Taに基づいて装置本体2から各移動位置B1、B2、B3までの距離Xs、Xt、Xuを算出する。
また、S3の位置特定処理(図5)も、第1実施形態と同様であり、第1実施形態では、各基準物体の各座標を検出していたが、本実施形態でも、これと同じ方法で、各移動位置の各座標を検出する。具体的には、各移動位置に入射する各レーザ光L1の出射時における偏向部41の各回動位置と、S2で算出された各距離とに基づいて、基準物体80の各移動位置の座標を検出する。例えば、図11のように各移動位置B1、B2、B3が検出されている場合、移動位置B1については、移動位置B1のときの回動角度θa(図11では、B1のときの回動角度をθa1と例示)と、当該移動位置B1までの距離Xsとに基づいて座標Psを算出する。移動位置B2も同様であり、移動位置B2のときの回動角度θa(図11では、移動位置B2のときの回動角度をθa2と例示)と、当該移動位置B2までの距離Xtとに基づいて座標Ptを算出する。なお、移動位置B3についても同様の方法で、座標Puを算出する。
その後、S4の検出エリア設定処理を行う。なお、S4の処理は第1実施形態と同様であり、S3で特定された複数の座標に基づいて、検出エリアを設定する。なお、図12は、図11のように基準物体が順次移動されたときの検出エリアの設定例を示している。図12では、一部の移動位置をPs、Pt、Pu、Pv、Pw、Px、Py、Pzで示しており、それ以外の移動位置については符号を省略している。
S4で設定された検出エリアに関するデータは、第1実施形態と同様の方法でメモリ72に記憶される(S5)。なお、検出モードの際には、メモリ72に記憶されるデータが読み出され、第1実施形態と同様の方法で検出エリア内の物体検出が行われる。
なお、本実施形態では、制御回路70が、「判断手段」「時間検出手段」「距離算出手段」「移動位置検出手段」の一例に相当する。また、本実施形態でも、制御回路70及びメモリ72が「検出エリア設定手段」の一例に相当する。
本実施形態のレーザ距離測定装置200によれば、ユーザが基準物体80を所望の複数位置に順次移動させたときに、装置本体2において各移動位置を容易に特定でき、ユーザが検出エリアとしてどのあたりを希望しているかを装置本体2側で詳細に把握することができる。また、上記のように検出された各移動位置に基づいて検出エリアを設定しており、このようにすることで、ユーザが望んだ各移動位置(即ちユーザが実際に基準物体を移動させた各位置)を反映した検出エリアを容易に且つ正確に設定できるようになる。特に、いずれの移動位置も装置本体2からの距離や方向を独立して設定できるため、図12のような複雑な検出エリアをより簡易に設定することができる。
[第3実施形態]
次に第3実施形態について説明する。図13は、第3実施形態に係るレーザ距離測定装置を概念的に説明する説明図である。図14は、図13のレーザ距離測定装置によって検出エリアを設定する方法を説明する説明図である。
なお、第3実施形態では、第1実施形態と同一の装置本体2が用いられるため、装置本体2の構成についての詳細な説明は省略する。また、基準物体については、図2(c)に示す基準物体80cが第1実施形態と同様に用いられるため、基準物体の基本的な構成の説明も省略する。また、装置本体2や基準物体については、適宜図1、図2を参照することとし、特定反射光については、適宜、図4、図7を参照することとする。また、設定処理については、適宜、図5を参照することとする。
本実施形態では、基準物体として、第1種類の第1種基準物体380と、第1種基準物体380とは異なる第2種類の第2種基準物体390とが設けられている。いずれの基準物体も、図2(c)のような構成(即ち表面部にバーコードBが付された構成)をなしており、バーコードの内容のみが異なっている。
以下、第3実施形態のレーザ距離測定装置300にて行われる設定処理について説明する。
本実施形態でも、図5と同様の流れで設定処理が行われ、まずS1の基準物体検出処理が行われる。本実施形態では、S1においてバーコードが付されている基準物体を全て検出している。例えば、図13のように、レーザ光L1の操作エリア上に8つの基準物体が存在する場合には、これら8つの基準物体を全て検出する。なお、バーコードが付された基準物体についての特定反射光の検出方法は第1実施形態と同様である。
S1では、更に、付されているバーコードの内容に基づいて、各基準物体を第1種基準物体と第2種基準物体とに選別している。なお、図13の例では、第1種基準物体380のバーコードに、第1種基準物体であることを特定可能な第1の情報が記録されているため、バーコード内にこのような第1の情報が記録されている基準物体を第1種基準物体として特定している。同様に、第2種基準物体390のバーコードには、第2種基準物体であることを特定可能な第2の情報が記録されているため、バーコード内にこのような第2の情報が記録されている基準物体を第2種基準物体として特定している。
また、本実施形態でも、各基準物体を検出する際に、レーザダイオード10にてパルスレーザ光L1が発生してから、当該パルスレーザ光L1が各基準物体で反射した反射光がフォトダイオード20によって受光されるまでの各時間を検出している。なお、以下の説明では、第1種基準物体380に照射されるパルスレーザ光L1を第1レーザ光とし、第2種基準物体390に照射されるパルスレーザ光L1を第2レーザ光としており、S1では、レーザダイオード10にて第1レーザ光が発生してから、当該第1レーザ光に応じた第1種基準物体380からの特定反射光がフォトダイオード20によって検出されるまでの時間(第1時間Ta1〜Ta4)を、各第1種基準物体380についてそれぞれ検出し、更に、レーザダイオード10にて第2レーザ光が発生してから、当該第2レーザ光に応じた第2種基準物体390からの特定反射光がフォトダイオード20によって検出されるまで時間(第2時間Tb1〜Tb4)を、各第2種基準物体390についてそれぞれ検出することになる。
なお、図14の例では、位置C1にある第1種基準物体380に照射される、ある単一のパルスレーザ光L1についての投光から受光(反射光の受光)までの時間をTa1とし、同様に、位置C2にある第1種基準物体380に照射される、ある単一のパルスレーザ光L1についての投光から受光(反射光の受光)までの時間をTa2としている。また、位置C3にある第1種基準物体380に照射される、ある単一のパルスレーザ光L1についての投光から受光(反射光の受光)までの時間をTa3とし、同様に、位置C4にある第1種基準物体380に照射される、ある単一のパルスレーザ光L1についての投光から受光(反射光の受光)までの時間をTa4としている。
また、位置D1にある第2種基準物体390に照射される、ある単一のパルスレーザ光L1についての投光から受光(反射光の受光)までの時間をTb1とし、同様に、位置D2にある第2種基準物体390に照射される、ある単一のパルスレーザ光L1についての投光から受光(反射光の受光)までの時間をTb2としている。また、位置D3にある第2種基準物体390に照射される、ある単一のパルスレーザ光L1についての投光から受光(反射光の受光)までの時間をTb3とし、同様に、位置D4にある第2種基準物体390に照射される、ある単一のパルスレーザ光L1についての投光から受光(反射光の受光)までの時間をTb4としている。
S1の後には、距離算出処理が行われる(S2:図5)。本実施形態では、第1種基準物体380についてそれぞれ得られた各第1時間Ta1〜Ta4に基づいて各第1種基準物体380までの各第1距離Xa1〜Xa4を算出し、第2種基準物体390について得られた各第2時間Tb1〜Tb4に基づいて第2種基準物体390までの各第2距離Xb1〜Xb4を算出している。
S2の後には、位置特定処理が行われる(S3:図5)。本実施形態では、各第1種基準物体380に入射する各第1レーザ光がレーザダイオード10から出射されるときの偏向部41の各回動位置と、S2で得られた各第1距離Xa1〜Xa4とに基づいて、各第1種基準物体380の各位置を検出している。例えば、位置C1にある基準物体380については、当該位置C1の基準物体380に入射する第1レーザ光が出射されるときの偏向部41の回動位置(基準回動位置からの回動角度θc1)を特定し、この回動角度θc1と、S2で得られた第1距離Xa1とに基づいて座標Pc1を検出する。なお、位置C2,C3,C4も同様であり、例えば、位置C2にある基準物体380については、当該位置C2の基準物体380に入射する第1レーザ光が出射されるときの偏向部41の回動位置(基準回動位置からの回動角度θc2)を特定し、この回動角度θc2と、S2で得られた第1距離Xa2とに基づいて座標Pc2を検出する。このようにして、各第1種基準物体の各位置を示す座標Pc1〜Pc4が得られることとなる。
また、各第2種基準物体390については、各第2種基準物体390に入射する各第2レーザ光がレーザダイオード10から出射されるときの偏向部41の各回動位置と、S2で得られた各第2距離Xb1〜Xb4とに基づいて、各第2種基準物体390の各位置を検出している。例えば、位置D1にある基準物体390については、当該位置D1の基準物体390に入射する第2レーザ光が出射されるときの偏向部41の回動位置(基準回動位置からの回動角度θd1)を特定し、この回動角度θd1と、S2で得られた第2距離Xb1とに基づいて座標Pd1を検出する。なお、位置D2,D3,D4も同様であり、例えば、位置D2にある基準物体390については、当該位置D2の基準物体390に入射する第2レーザ光が出射されるときの偏向部41の回動位置(基準回動位置からの回動角度θd2)を特定し、この回動角度θd2と、S2で得られた第2距離Xb2とに基づいて座標Pd2を検出する。このようにして、各第2種基準物体の各位置を示す座標Pd1〜Pd4が得られることとなる。
S3の後には、検出エリア設定処理が行われる(S4:図5)。この検出エリア設定処理では、S3で得られた各第1種基準物体380の各座標Pc1〜Pc4に基づいて、第1の検出エリアを設定する。なお、複数得られた座標に基づいて検出エリアを設定する方法は第1実施形態と同様である。また、S3で得られた各第2種基準物体390の各座標Pd1〜Pd4に基づいて、第2の検出エリアをも設定する。この場合も、複数の座標に基づいて第1実施形態と同様の方法で検出エリアを設定する。なお、図13では、各第1種基準物体380の各座標Pc1〜Pc4に基づいて設定された第1の検出エリアを符号AR1によって概念的に示し、各第2種基準物体390の各座標Pd1〜Pd4に基づいて設定された第2の検出エリアを符号AR2によって概念的に示している。
S4の後には、第1の検出エリア及び第2の検出エリアを設定するための設定データをメモリ72に記憶する処理を行う(S5)。設定データを記憶する方法は、第1実施形態のS5と同様であり、本実施形態では、第1の検出エリアAR1を設定するためのデータと、第2の検出エリアAR2を設定するためのデータとが、それぞれ第1実施形態と同様の方法で記憶される。
次に、検出モードについて説明する。
本実施形態に係るレーザ距離測定装置300は、検出モードにおいて、偏向部41の各ステップ毎にレーザ光L1を投射して空間に存在する物体からの反射光が検出されるか否かを確認する。いずれかの回動位置において反射光が検出されたときには、その検出された反射光の元となるパルスレーザ光L1の投光から当該反射光の受光までの時間に基づいて、装置本体2からその検出された物体(検出物体)までの距離を算出し、当該パルスレーザ光L1の投光時の偏向部41の回動位置(基準回動位置からの回動角度)に基づいて当該検出物体の方向をも特定する。
装置本体2から検出物体までの距離が特定され、検出物体が位置する方向が特定されると、検出物体の具体的位置が判明するため、その検出物体が、第1の検出エリアAR1内及び第2の検出エリアAR2内のいずれか又は両方に位置しているか否かを判断する。検出物体がいずれの検出エリア内にも存在しない場合には、物体検出がなされなかったものとして扱い、特別な処理(報知処理等)を行わずに当該検出物体を無視する。
一方、検出物体が第1の検出エリアAR1内に存在する場合には、第1の検出エリアに対応する処理を行う。第1の検出エリアに対応する処理としては様々な処理が考えられるが、例えば、図13のように、ロボット等の装置301のより近くに第1の検出エリアAR1を設定し、それよりもやや離れたエリアを含むように第2の検出エリアAR2を設定する場合、第1の検出エリアAR1内に物体が存在する場合には、装置301に対して停止信号を出力したり、装置301の電源を遮断するといった処理を行うと、安全面で有効である。
また、検出された物体が第2の検出エリアAR2内に存在する場合には、第2の検出エリアに対応する処理が行われる。この第2の検出エリアに対応する処理も様々な処理が考えられるが、例えば、図13のように、ロボット等の装置301よりもやや離れたエリアを含むように第2の検出エリアAR2を設定する場合、第2の検出エリアAR2内に物体が存在する場合には、上記「第1の検出エリアに対応する処理」とは異なる処理(例えば警報等)を行うようにすると、物体が存在する位置に応じて適用する処理を変化させることができ、安全面や利便性の面でより有利となる。なお、両検出エリア内に物体が存在する場合には、両検出エリアに対応する処理をそれぞれ行ってもよく、いずれかの検出エリアに対応する処理のみを優先的に行ってもよい。
なお、本実施形態では、制御回路70が、「判断手段」「時間検出手段」「距離算出手段」「基準物体位置検出手段」の一例に相当する。また、本実施形態でも、制御回路70及びメモリ72が「検出エリア設定手段」の一例に相当する。
本実施形態では、ユーザが各第1種基準物体380をそれぞれ所望の位置に配置したときに、装置本体2において、当該装置本体2を基準とする各第1種基準物体380の相対位置を容易に把握できるようになり、ユーザが第1の検出エリアとしてどのあたりを希望しているかを装置本体2側で詳細に把握することができる。また、第2種基準物体390についても同様であり、ユーザが第2の検出エリアとしてどのあたりを希望しているかを装置本体2側で詳細に把握することができる。
そして、検出された各第1種基準物体380の各位置に基づいて第1の検出エリアを設定し、各第2種基準物体390の各位置に基づいて第2の検出エリアを設定している。この構成では、各第1種基準物体380の距離や方向(装置本体からの方向)をそれぞれ独立して調整した上で、これら第1種基準物体380の位置を的確に反映した第1の検出エリアを設定できるため、複雑なエリア設定についても簡易に実現できる。また、第2の検出エリアについても同様であり、各第2種基準物体390の距離や方向(装置本体からの方向)をそれぞれ独立して調整した上で、これら第2種基準物体390の位置を的確に反映した第2の検出エリアを設定できる。
更に本実施形態の構成によれば、ユーザに対して、より複雑かつ多様な検出環境を作業負担を抑えて提供でき、ユーザの検出の自由度を効果的に高めることができる。特に、2種類の検出エリアをより自由に且つより簡易に設定できるため、2種類の検出方法を、多様な場所に容易に適用できるようになり、ユーザの利便性を格段に向上できる。
[第4実施形態]
次に第4実施形態について説明する。図15は、第4実施形態に係るレーザ距離測定装置によって第1の検出エリアを設定する方法を説明する説明図であり、図16は、第2の検出エリアを設定する方法を説明する説明図である。また、図17は、第1の検出エリア及び第2の検出エリアを設定した様子を概念的に説明する説明図である。
なお、第4実施形態では、第1実施形態と同一の装置本体2が用いられるため、装置本体2の構成についての詳細な説明は省略する。また、基準物体については、図2(c)に示す基準物体80cが第1実施形態と同様に用いられ、具体的には、第3実施形態と同様の第1種基準物体380と第2種基準物体390とが用いられている。よって、基準物体の基本的な構成の説明も省略する。また、装置本体2や基準物体については、適宜図1、図2を参照することとし、特定反射光については、適宜、図4、図7を参照することとする。また、設定処理については、適宜、図5を参照することとする。
本実施形態のレーザ距離測定装置400は、単一の第1種基準物体380、及び単一の第2種基準物体380を用いている点、及びこれら第1種基準物体380及び第2種基準物体390が使用者によって移動可能とされている点が第3実施形態と異なっている。なお、図15では、第1種基準物体380が位置E1,E2,E3・・・と順次移動される様子を説明しており、図16では、第2種基準物体390が位置F1,F2,F3・・・と順次移動される様子を説明している。
以下、第4実施形態のレーザ距離測定装置400にて行われる設定処理について説明する。
第4実施形態のレーザ距離測定装置400でも、図5に示す流れで設定処理が行われ、まず、S1の基準物体検出処理が行われる。この基準物体検出処理は、第3実施形態と若干異なっており、ユーザが、第1種基準物体380及び第2種基準物体390を、レーザ光L1の走査エリア上における複数位置に移動させることを前提としており、装置本体2側では、ユーザによって移動される第1種基準物体380及び第2種基準物体390がレーザ光L1の走査エリア上に位置するときの各位置からの各特定反射光を検出している。なお、特定反射光が検出されたか否かの判断方法は上記実施形態と同様である。また、ユーザによる基準物体の移動方法は、例えば、図10(a)と同様に、ユーザが基準物体を直接把持して移動する方法であってもよく、図10(b)と同様に、何等かの移動装置201(例えば、運転或いは遠隔操作可能な運搬車など)によって移動する方法であってもよい。
本実施形態では、第1種基準物体380からの特定反射光が検出されるときに、第1種基準物体380に入射する、いずれかのパルスレーザ光L1(第1レーザ光)について、当該パルスレーザ光L1がレーザダイオード10にて発生してから、当該パルスレーザ光L1(第1レーザ光)が移動位置から返されてなる特定反射光がフォトダイオード20によって検出されるまでの時間(第1時間)を検出する。例えば、図15のように、第1種基準物体380が、走査エリア上において移動位置E1、E2、E3と移動する場合には、まず、移動位置E1にある第1種基準物体380に入射する、いずれかのパルスレーザ光L1(第1レーザ光)について、当該パルスレーザ光L1がレーザダイオード10にて発生してから、当該パルスレーザ光L1(第1レーザ光)が移動位置E1から返されてなる特定反射光がフォトダイオード20によって検出されるまでの時間(第1時間Te1)を検出する。また、第1種基準物体380が移動位置E2に移動されたときには、移動位置E2にある第1種基準物体380に入射する、いずれかのパルスレーザ光L1(第1レーザ光)について、当該パルスレーザ光L1がレーザダイオード10にて発生してから、当該パルスレーザ光L1(第1レーザ光)が移動位置E2から返されてなる特定反射光がフォトダイオード20によって検出されるまでの時間(第1時間Te2)を検出する。移動位置E3についても同様に第1時間Te3を検出し、他の移動位置についても同様に第1時間を検出する。
また、第1種基準物体380からの特定反射光が検出されるときには、第1種基準物体380に入射する、いずれかのパルスレーザ光L1(第1レーザ光)がレーザダイオード10にて発生する時の、偏向部41の回動位置(回動基準位置からの回動角度θe)をも検出する。例えば、図15のような場合には、移動位置E1に入射するいずれかのパルスレーザ光L1(第1レーザ光)がレーザダイオード10にて発生する発生時において、偏向部41の回動位置(回動角度θe1)を検出する。また、移動位置E2に移動したときには、移動位置E2に入射するいずれかのパルスレーザ光L1(第1レーザ光)がレーザダイオード10にて発生する発生時において、偏向部41の回動位置(回動角度θe2)を検出する。移動位置E3や他の移動位置についても同様に回動位置を検出する。
各移動位置E1、E2、E3についての第1時間Te1、Te2、Te3及び回動角度θe1、θe2、θe3の検出の流れは特に限定されるものではないが、例えば図9と同様の流れで行うことができる。なお、本実施形態では、制御回路70が「時間検出手段」の一例に相当する。
また、本実施形態では、図9と同様の流れで第1種基準物体380の各移動位置(移動位置E1、E2、E3・・・)について第1時間(Te1、Te2、Te3・・・)及び回動角度(θe1、θe2、θe3・・・)を検出した後、更に、図9と同様の流れで第2種基準物体390の各移動位置についての検出処理を行う。即ち、本実施形態では、図9のような処理が2回行われ、第1種基準物体380の各移動位置についての各値と、第2種基準物体390の各移動位置についての各値とが取得されることとなる。
具体的には、第2種基準物体390からの特定反射光が検出されるときに、第2種基準物体390に入射する、いずれかのパルスレーザ光L1(第2レーザ光)について、当該パルスレーザ光L1がレーザダイオード10にて発生してから、当該パルスレーザ光L1(第2レーザ光)が移動位置から返されてなる特定反射光がフォトダイオード20によって検出されるまでの時間(第2時間)を検出する。例えば、図16のように、第2種基準物体390が、走査エリア上において移動位置F1、F2、F3と移動する場合には、まず、移動位置F1にある第2種基準物体390に入射する、いずれかのパルスレーザ光L1(第2レーザ光)について、当該パルスレーザ光L1がレーザダイオード10にて発生してから、当該パルスレーザ光L1(第2レーザ光)が移動位置F1から返されてなる特定反射光がフォトダイオード20によって検出されるまでの時間(第2時間Tf1)を検出する。また、第2種基準物体390が移動位置F2に移動されたときには、移動位置F2にある第2種基準物体390に入射する、いずれかのパルスレーザ光L1(第2レーザ光)について、当該パルスレーザ光L1がレーザダイオード10にて発生してから、当該パルスレーザ光L1(第2レーザ光)が移動位置F2から返されてなる特定反射光がフォトダイオード20によって検出されるまでの時間(第2時間Tf2)を検出する。移動位置F3についても同様に第2時間Tf3を検出し、他の移動位置についても同様に第2時間を検出する。
また、第2種基準物体390からの特定反射光が検出されるときには、第2種基準物体390に入射する、いずれかのパルスレーザ光L1(第1レーザ光)がレーザダイオード10にて発生する時の、偏向部41の回動位置(回動基準位置からの回動角度θf)を検出する。例えば、図16のような場合には、移動位置F1に入射するいずれかのパルスレーザ光L1(第2レーザ光)がレーザダイオード10にて発生する発生時において、偏向部41の回動位置(回動角度θf1)を検出する。また、移動位置F2に移動したときには、移動位置F2に入射するいずれかのパルスレーザ光L1(第2レーザ光)がレーザダイオード10にて発生する発生時において、偏向部41の回動位置(回動角度θf2)を検出する。移動位置F3や他の移動位置についても同様に回動位置を検出する。
上記のように第1種基準物体380の各移動位置E1、E2、E3・・・についての各値、及び第2種基準物体390の各移動位置F1、F2、F3・・・についての各値を検出した後には、S2の距離算出処理(図5)を行う。
この距離算出処理では、まず、第1種基準物体380の各移動位置(移動位置E1,E2,E3・・・)について得られた各第1時間(第1時間Te1、Te2、Te3・・・)に基づいて各移動位置までの各距離(第1距離Xe1、Xe2、Xe3・・・)を算出する。また、第2種基準物体390の各移動位置(移動位置F1、F2、F3・・・)について得られた各第2時間(第2時間Tf1、Tf2、Tf3・・・)に基づいて各移動位置までの各距離(第2距離Xf1、Xf2、Xf3・・・)を算出する。
なお、本実施形態では、制御回路70が「距離算出手段」の一例に相当する。
S2の後には、S3の位置特定処理が行われる(図5)。この位置特定処理では、第1種基準物体380の各移動位置(移動位置E1、E2、E3・・・)について得られた各回動位置(即ち各回動角度θe1、θe2、θe3・・・)と、各回動位置に対応する各第1距離(第1距離Xe1、Xe2、Xe3・・・)とに基づいて、各移動位置の座標(座標Pe1、Pe2、Pe3・・・)を検出する。また、第2種基準物体390の各移動位置(移動位置F1、F2、F3・・・)について得られた各回動位置(即ち各回動角度θf1、θf2、θf3・・・)と、各回動位置に対応する各第2距離(第2距離Xf1、Xf2、Xf3・・・)とに基づいて、各移動位置の座標(座標Pf1、Pf2、Pf3・・・)を検出する。
なお、本実施形態では、制御回路70が「移動位置検出手段」の一例に相当し、レーザダイオード10から各第1種基準物体(即ち、各移動位置E1,E2,E3・・・の第1種基準物体380)に入射する各第1レーザ光が出射されるときの偏向部41の各回動位置(各回動角度θe1、θe2、θe3・・・)と、各第1距離(各第1距離Xe1、Xe2、Xe3・・・)とに基づいて、移動する第1種基準物体380の各移動位置(具体的には、座標Pe1、Pe2、Pe3・・・)を検出し、更に、レーザダイオード10から各第2種基準物体390(即ち、各移動位置F1、F2、F3・・・の第1種基準物体390)に入射する各第2レーザ光が出射されるときの偏向部41の各回動位置(各回動角度θf1、θf2、θf3・・・)と、各第2距離(各第1距離Xf1、Xf2、Xf3・・・)とに基づいて、移動する第2種基準物体390の各移動位置(具体的には、座標Pf1、Pf2、Pf3・・・)を検出するように機能している。
S3の後には、検出エリア設定処理が行われる(S4:図5)。この検出エリア設定処理では、S3にて検出された第1種基準物体380の各移動位置(具体的には、各移動位置を示す座標Pe1、Pe2、Pe3・・・)に基づいて第1の検出エリアを設定する。なお、複数の座標に基づいて第1の検出エリアを設定する方法は、第(具体的には、各移動位置を示す座標Pf1、Pf2、Pf3・・・)に基づいて第2の検出エリアを設定する。第2の検出エリアについても、得られた複数の座標に基づいて第3実施形態と同様の方法で設定する。なお、図17では、第1種基準物体380の各移動位置を示す各座標Pe1〜Pc3等(他の移動位置の座標は省略)に基づいて設定された第1の検出エリアを符号AR1によって概念的に示し、第2種基準物体390の各移動位置を示す各座標Pf1〜Pf3等(他の移動位置の座標は省略)に基づいて設定された第2の検出エリアを符号AR2によって概念的に示している。
S4の処理の後には、第1の検出エリアを特定するためのデータ及び第2の検出エリアを特定するためのデータをメモリ72に記憶する。なお、各データの記憶方法は第3実施形態と同様である。
また、本実施形態では、このように第1の検出エリア及び第2の検出エリアを設定した上で物体検出が行われるが、2つの検出エリアを設定した上で物体検出を行う方法については第3実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
本実施形態では、ユーザが第1種基準物体380を所望の複数位置に順次移動させたときに、装置本体2において、当該第1種基準物体380の各移動位置を容易に特定できるようになり、ユーザが第1の検出エリアとしてどのあたりを希望しているかを装置本体2側で詳細に把握することができる。また、第2の検出エリアについても同様であり、ユーザが第2種基準物体390を所望の複数位置に順次移動させたときに、装置本体2において、当該第2種基準物体390の各移動位置を容易に特定でき、ユーザが第2の検出エリアとしてどのあたりを希望しているかを装置本体2側で詳細に把握することができる。
また、上記のように把握された第1種基準物体380の各移動位置に基づいて第1の検出エリアを設定し、第2種基準物体390の各移動位置に基づいて第2の検出エリアを設定している。この構成では、第1種基準物体380の各移動位置の距離や方向(装置本体からの方向)をそれぞれ独立して調整した上で、これら各移動位置を的確に反映した第1の検出エリアを設定できるため、複雑なエリア設定についても簡易に実現できる。また、第2の検出エリアについても同様であり、第2種基準物体390の各移動位置の距離や方向(装置本体からの方向)をそれぞれ独立して調整した上で、これら各移動位置を的確に反映した第2の検出エリアを設定できる。このように、2種類の検出エリアをより自由に設定できるようにすると、より多様な場所、或いはより多様な検出方法に対応できるようになり、ユーザの利便性が益々高まる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
第1実施形態では、基準物体を複数用いて検出エリアを設定する方法を例示したが、基準物体を1つのみ用いて検出エリアを設定してもよい。例えば、装置本体2から基準物体までの距離がXwと判明した場合に、装置本体2を中心とする半径Xwの円形の範囲内を検出エリアとして設定するといった方法を用いてもよい。
第3実施形態では、第1種基準物体及び第2種基準物体をそれぞれ複数用いて第1の検出エリア及び第2の検出エリアを設定する方法を例示したが、第1種基準物体を1つのみ用いて第1の検出エリアを設定してもよく、また第2種基準物体を1つのみ用いて第2の検出エリアを設定してもよい。この場合、装置本体2から第1種基準物体までの距離がXyと判明した場合に、装置本体2を中心とする半径Xyの円形の範囲内を第1の検出エリアとして設定するといった方法を用いてもよい。また、第2の検出エリアについても同様であり、装置本体2から第2種基準物体までの距離がXzと判明した場合に、装置本体2を中心とする半径Xzの円形の範囲内を第2の検出エリアとして設定するといった方法を用いてもよい。
第3実施形態は、2種類の基準物体を用いて2種類の検出エリアを設定したが、3種類以上の基準物体を用いて3種類以上の検出エリアを設定してもよい。
第4実施形態では、2種類の基準物体を移動させたが、3種類以上の基準物体を移動させて3種類以上の検出エリアを設定してもよい。
第3、第4実施形態では、2種類の基準物体として、異なるデータが記録されたバーコードを例示したが、これに限定されない。例えば、第1種基準物体及び第2種基準物体のいずれか一方を、図2(a)のようなミラーを有する構成とし、他方を、図2(b)のような特定図柄を有する構成としてもよい。
1,200,300,400…レーザ距離測定装置
2…装置本体
10…レーザダイオード(レーザ光発生手段)
20…フォトダイオード(光検出手段)
40…回動偏向機構(回動偏向手段)
41…偏向部(偏向手段)
42a…中心軸
50…モータ(駆動手段)
70…制御回路(時間検出手段、距離算出手段、判断手段、検出エリア設定手段、基準物体位置検出手段、移動位置検出手段、モード切替手段)
72…メモリ(検出エリア設定手段)
74…操作部(操作手段)
80…基準物体
380…第1種基準物体
390…第2種基準物体
D…特定図柄
B…バーコード(特定図柄)

Claims (8)

  1. レーザ光を間欠的に発生させるレーザ光発生手段と、
    前記レーザ光発生手段から前記レーザ光が発生したときに、当該レーザ光が検出物体にて反射した反射光を検出する光検出手段と、
    所定の中心軸を中心として回動可能に構成された偏向手段を備えるとともに、当該偏向手段により前記レーザ光を空間に向けて偏向させ、且つ前記反射光を前記光検出手段に向けて偏向する回動偏向手段と、
    前記回動偏向手段を駆動する駆動手段と、
    前記レーザ光発生手段にて前記レーザ光が発生してから、当該レーザ光が前記光検出手段によって検出されるまでの時間を検出する時間検出手段と、
    前記時間検出手段によって検出された前記時間に基づいて、前記検出物体までの距離を算出する距離算出手段と、
    を備えた装置本体と、
    表面部に、明色バーと暗色バーとが交互に配された特定図形が付され、前記明色バーに前記レーザ光が入射したときに反射する光が前記光検出手段での受光レベルを飽和させ得る光となる特定反射光を発する基準物体と、
    を有するレーザ距離測定装置であって、
    前記回動偏向手段による前記レーザ光の走査エリア上に前記基準物体が配置されたときに、前記光検出手段によって検出される前記反射光が、当該光検出手段において当該光検出手段での飽和レベルの出力と飽和レベル以下の出力とを交互に繰り返す交互出力を生じさせる反射光であるか否かに基づいて前記特定反射光であるか否かを判断する判断手段を備え、
    前記時間検出手段は、前記判断手段によって前記特定反射光であると判断されたときに、前記レーザ光発生手段にて前記レーザ光が発生してから、当該レーザ光に応じた前記特定反射光が前記光検出手段によって検出されるまでの前記時間を検出し、
    前記距離算出手段は、前記基準物体からの前記特定反射光が検出されるまでの前記時間に基づいて前記基準物体までの前記距離を算出する構成をなしており、
    更に、前記距離算出手段によって算出された前記基準物体までの前記距離に基づき、前記回動偏向手段による前記走査エリアにおいて前記検出物体を検出する検出エリアを設定する検出エリア設定手段を備えたことを特徴とするレーザ距離測定装置。
  2. 複数の前記基準物体を備え、
    前記光検出手段は、各基準物体からの各特定反射光を受光し、
    前記時間検出手段は、前記光検出手段によって前記各基準物体からの前記各特定反射光が検出されたとき、前記各基準物体に入射する各レーザ光が前記レーザ光発生手段にて発生してから、当該各レーザ光に応じた前記各基準物体からの前記各特定反射光が前記光検出手段によって検出されるまでの各時間をそれぞれ検出し、
    前記距離算出手段は、前記各時間に基づいて前記各基準物体までの各距離を算出する構成をなしており、
    更に、前記各基準物体に入射する前記各レーザ光が前記レーザ光発生手段から出射されるときの前記偏向手段の各回動位置と、前記各距離とに基づいて、前記各基準物体の各位置を検出する基準物体位置検出手段を備え、
    前記検出エリア設定手段は、前記基準物体位置検出手段によって検出された前記各基準物体の前記各位置に基づいて前記検出エリアを設定することを特徴とする請求項1に記載のレーザ距離測定装置。
  3. 前記基準物体は、使用者によって移動可能とされ、
    前記光検出手段は、その移動する前記基準物体が前記レーザ光の前記走査エリア上に位置するときの各移動位置からの各特定反射光を受光し、
    前記時間検出手段は、前記光検出手段によって前記基準物体からの前記各特定反射光が検出されたとき、前記基準物体に入射する前記各レーザ光が前記レーザ光発生手段にて発生してから、当該各レーザ光に応じた前記各移動位置からの前記各特定反射光が前記光検出手段によって検出されるまでの各時間をそれぞれ検出し、
    前記距離算出手段は、前記各移動位置からの前記各特定反射光が検出されるまでの前記各時間に基づいて、前記各移動位置までの各距離を算出し、
    更に、前記各移動位置に入射する前記各レーザ光が出射されるときの前記偏向手段の各回動位置と、前記各距離とに基づいて、移動する前記基準物体の前記各移動位置を検出する移動位置検出手段を備え、
    前記検出エリア設定手段は、前記移動位置検出手段によって検出された前記各移動位置に基づいて前記検出エリアを設定することを特徴とする請求項1に記載のレーザ距離測定装置。
  4. 前記基準物体として、第1種類の第1種基準物体と、前記第1種基準物体とは異なる第2種類の第2種基準物体とを備え、
    前記時間検出手段は、前記レーザ光発生手段にて第1レーザ光が発生してから、当該第1レーザ光に応じた前記第1種基準物体からの前記特定反射光が前記光検出手段によって検出されるまでの第1時間と、前記レーザ光発生手段にて第2レーザ光が発生してから、当該第2レーザ光に応じた前記第2種基準物体からの前記特定反射光が前記光検出手段によって検出されるまで第2時間と、を検出し、
    前記距離算出手段は、前記第1時間に基づいて前記第1種基準物体までの第1距離を算出し、前記第2時間に基づいて前記第2種基準物体までの第2距離を算出し、
    前記検出エリア設定手段は、前記距離算出手段によって算出された前記第1距離に基づいて第1の検出エリアを設定し、前記距離算出手段によって算出された前記第2距離に基づいて第2の検出エリアを設定することを特徴とする請求項1に記載のレーザ距離測定装置。
  5. 複数の前記第1種基準物体と、複数の前記第2種基準物体とを備え、
    前記光検出手段は、各基準物体からの各特定反射光を受光し、
    前記時間検出手段は、前記光検出手段によって各第1種基準物体からの前記各特定反射光が検出されたとき、前記各第1種基準物体に入射する各第1レーザ光が前記レーザ光発生手段にて発生してから、当該各第1レーザ光に応じた前記各第1種基準物体からの前記各特定反射光が前記光検出手段によって検出されるまでの各第1時間をそれぞれ検出し、且つ前記光検出手段によって各第2種基準物体からの前記各特定反射光が検出されたとき、前記各第2種基準物体に入射する各第2レーザ光が前記レーザ光発生手段にて発生してから、当該各第2レーザ光に応じた前記各第2種基準物体からの前記各特定反射光が前記光検出手段によって検出されるまでの各第2時間をそれぞれ検出し、
    前記距離算出手段は、前記各第1時間に基づいて前記各第1種基準物体までの各第1距離を算出し、前記各第2時間に基づいて前記各第2種基準物体までの各第2距離を算出する構成をなしており、
    更に、前記各第1種基準物体に入射する前記各第1レーザ光が前記レーザ光発生手段から出射されるときの前記偏向手段の各回動位置と、前記各第1距離とに基づいて、前記各第1種基準物体の各位置を検出し、前記各第2種基準物体に入射する前記各第2レーザ光が前記レーザ光発生手段から出射されるときの前記偏向手段の各回動位置と、前記各第2距離とに基づいて、前記各第2種基準物体の各位置を検出する基準物体位置検出手段を備え、
    前記検出エリア設定手段は、前記基準物体位置検出手段によって検出された前記各第1種基準物体の各位置に基づいて前記第1の検出エリアを設定し、前記各第2種基準物体の各位置に基づいて前記第2の検出エリアを設定することを特徴とする請求項4に記載のレーザ距離測定装置。
  6. 前記第1種基準物体及び前記第2種基準物体は、使用者によって移動可能とされ、
    前記光検出手段は、その移動する前記第1種基準物体及び前記第2種基準物体が前記レーザ光の前記走査エリア上に位置するときの各位置からの各特定反射光を受光し、
    前記時間検出手段は、前記光検出手段によって前記第1種基準物体からの前記各特定反射光が検出されたとき、前記第1種基準物体に入射する各第1レーザ光が前記レーザ光発生手段にて発生してから、当該各第1レーザ光に応じた前記第1種基準物体の各移動位置からの前記各特定反射光が前記光検出手段によって検出されるまでの各第1時間をそれぞれ検出し、前記光検出手段によって前記第2種基準物体からの前記各特定反射光が検出されたとき、前記第2種基準物体に入射する各第2レーザ光が前記レーザ光発生手段にて発生してから、当該各第2レーザ光に応じた前記第2種基準物体の各移動位置からの前記各特定反射光が前記光検出手段によって検出されるまでの各第2時間をそれぞれ検出し、
    前記距離算出手段は、前記第1種基準物体の各移動位置からの前記各特定反射光が検出されるまでの前記各第1時間に基づいて、前記第1種基準物体の各移動位置までの各第1距離を算出し、前記第2種基準物体の各移動位置からの前記各特定反射光が検出されるまでの前記各第2時間に基づいて、前記第2種基準物体の各移動位置までの各第2距離を算出し、
    更に、前記レーザ光発生手段から前記各第1種基準物体に入射する前記各第1レーザ光が出射されるときの前記偏向手段の各回動位置と、前記各第1距離とに基づいて、移動する前記第1種基準物体の各移動位置を検出し、前記レーザ光発生手段から前記各第2種基準物体に入射する前記各第2レーザ光が出射されるときの前記偏向手段の各回動位置と、前記各第2距離とに基づいて、移動する前記第2種基準物体の各移動位置を検出する移動位置検出手段を備え、
    前記検出エリア設定手段は、前記移動位置検出手段によって検出された前記第1種基準物体の各移動位置に基づいて前記第1の検出エリアを設定し、前記第2種基準物体の各移動位置に基づいて前記第2の検出エリアを設定することを特徴とする請求項4に記載のレーザ距離測定装置。
  7. 前記特定図形は、バーコードであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のレーザ距離測定装置。
  8. 外部からの操作が可能な操作手段と、
    前記操作手段による操作に応じて、前記検出エリアを設定する設定モードと、前記検出物体を検出する検出モードとを切り替えるモード切替手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載のレーザ距離測定装置。
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