JP5251634B2 - チェーン - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、無段変速装置(CVT)に用いられるロックアップチェーンに関する。
従来、駆動側の回転軸の回転数に対する従動側の回転軸の回転数の比を連続的に変化させる無段変速機構として、例えば、駆動側のプーリと従動側のプーリに掛け渡したVベルトにより回転駆動力の伝達を行なう、「無段変速機構」(特許文献1参照)が知られている。
この「無段変速機構」は、駆動側のプーリと従動側のプーリに歯付きのVベルトを掛け渡しており、プーリの可動シーブのV溝底には、歯付きVベルトと噛み合う歯車が設置されている。
特開昭63−120950号公報
しかしながら、従来の「無段変速機構」においては、歯付きVベルトの歯と、この歯付きVベルトと噛み合う、可動シーブのV溝底の回転軸に設置された歯車の歯は、それぞれ等ピッチ配列で構成されているため、歯付きVベルトの歯と回転軸の歯の噛み合わせによる騒音が大きくなってしまうことが避けられなかった。
この発明に係るチェーンは、噛合歯との噛み合い部の配列ピッチが異なる複数種類のチェーンリンクをランダムに組み合わせて形成する場合に、噛合歯と噛み合う噛み合い部を不等ピッチ配列とすると共に、チェーンリンクと噛合歯との相対的な位置関係を調整する。
この発明によれば、噛合歯と噛み合う、チェーンの噛み合い部は不等ピッチ配列となるので、噛み合い部と噛み合う噛合歯との噛み合わせによる騒音を低減することができ、その上、チェーンと噛合歯との確実な噛み合わせを確保することができる。
この発明の第1実施の形態に係るチェーンを用いた無段変速装置の構成を模式的に示す説明図である。 図1のドリブンプーリのプーリ軸にチェーンが巻き付いていない状態を示す説明図である。 図1のドリブンプーリのプーリ軸にチェーンが巻き付いている状態を示す説明図である。 実施例1のチェーンリンク噛み合い状態を示す説明図である。 実施例2のチェーンリンク噛み合い状態を示す説明図である。 実施例3のチェーンリンク噛み合い状態を示す説明図である。 配列ピッチの異なる2種類のチェーンリンクを組み合わせた場合の進みを表にして示す説明図である。 配列ピッチの異なる3種類のチェーンリンクを組み合わせた場合の進みを表にして示す説明図である。 ピッチの異なるn種類のチェーンリンクを組み合わせた場合の進みを表にして示す説明図である。
以下、この発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1は、この発明の第1実施の形態に係るチェーンを用いた無段変速装置の構成を模式的に示す説明図である。図1に示すように、無段変速装置(CVT)10は、ドライブプーリ(プライマリプーリ)11とドリブンプーリ(セカンダリプーリ)12と共に、ドライブプーリ11とドリブンプーリ12の間に掛け回されたチェーン(ロックアップチェーン)13を有している。
ドリブンプーリ12のプーリ軸14には、プーリ軸14を挿入させプーリ軸14と一体化した状態に円筒形のスペーサ15が装着されており、スペーサ15には、スペーサ15を覆って噛合歯ガイド16が装着されている。噛合歯ガイド16に覆われたスペーサ15には、噛合歯17が組み込まれており、噛合歯17は、スペーサ15により、プーリ周方向への移動が規制されると共に、噛合歯ガイド16により、プーリ径方向及び軸方向への移動が規制される。
このCVT10は、例えば、車両に備えられて、車両の走行速度を無段階に変化させることができる。
駆動源であるエンジン(図示しない)からドライブプーリ11に入力した駆動力は、チェーン13を介してドリブンプーリ12へと伝達され、ドリブンプーリ12の駆動軸(図示しない)から出力される。ドライブプーリ11とドリブンプーリ12は、共に、固定プーリに対し可動プーリを移動させて、固定プーリと可動プーリの間にV字状断面溝(V溝)を形成すると共にV溝幅を変更することができる。そして、駆動する側であるドライブプーリ11と駆動される側であるドリブンプーリ12のV溝幅を連続的に変えることで、駆動する側と駆動される側のチェーン13の伝達ピッチを変化させ、これにより滑らかな無段階変速を行なうことができる。
図2は、図1のドリブンプーリのプーリ軸にチェーンが巻き付いていない状態を示す説明図である。図3は、図1のドリブンプーリのプーリ軸にチェーンが巻き付いている状態を示す説明図である。
図2及び図3に示すように、スペーサ15を覆うようにスペーサ外周面に装着された円筒状の噛合歯ガイド16には、噛合歯ガイド16の半径方向に移動自在に複数の噛合歯17が組み込まれている。噛合歯ガイド16に組み込まれた各噛合歯17は、例えば、コイルスプリング等の付勢部材18により、噛合歯ガイド16の外表面に対し退避自在に突出させており、CVT10のプーリ比が最Hi(例えば、オーバドライブ:OD)時、噛合歯ガイド16の外表面から突出し、プーリ軸14に巻き付いたチェーン13と噛み合った状態(図3参照)になる。
なお、噛合歯17は、ドリブンプーリ12のプーリ軸14に配置されている場合に限らず、ドライブプーリ11に設けられていても良く、この場合、CVT10のプーリ比が最Lo時、噛合歯ガイド16の外表面から突出し、プーリ軸14に巻き付いたチェーン13と噛み合った状態(図3参照)になる。
また、噛合歯ガイド16に組み込まれた各噛合歯17は、噛合歯ガイド16の外表面に対し退避自在に突出させているが、このような退避自在に突出させた構成に限るものではなく、退避不能に常時突出した状態にあっても良い。
チェーン13は、薄板リング状のチェーンリンク19を、ピン20を用いて、重ね合わせた状態で円環状に連結することにより形成されており、ピン20を連結軸として連結された各チェーンリンク19は、ピン20を軸としてピン周りに自在に回動(揺動)する。各チェーンリンク19は、噛合歯17に巻き付く側の噛合歯当接部分に、リンク凹部(被噛合部)19aを有している。リンク凹部19aは、噛合歯17のプーリ軸外表面からの突出形状に対応して形成されており、リンク凹部19aに噛合歯17の突出先端部が入り込み係止状態になることで、噛合歯17とチェーン13が噛み合った状態になる。
このチェーン13は、リンク凹部19aの配列間隔を示すピッチ(配列ピッチ)が短いチェーンリンク19S(Sリンクタイプ)と、リンク凹部19aの配列ピッチが長いチェーンリンク19L(Lリンクタイプ)の2種類のチェーンリンクを組み合わせて構成されている。
次に、リンク凹部19aの配列ピッチが異なる2種類のチェーンリンク19S,19Lの組み合わせについて説明する。
図4は、実施例1のチェーンリンク噛み合い状態を示す説明図である。図4に示すように、チェーン13Aは、リンク凹部19aの配列ピッチが異なる2種類のチェーンリンク19、即ち、配列ピッチが短いチェーンリンク19S(図中、Sと略して示す)と、配列ピッチが長いチェーンリンク19L(図中、Lと略して示す)を、それぞれ1個ずつ連結して形成した合計2個のチェーンリンク19S,19Lを最小組み合わせ単位(モジュール)として、このモジュールを繋ぎ合わせて円環状に形成されている。
従って、チェーン13Aは、チェーンリンク19Sとチェーンリンク19Lが1個ずつS,Lの順番に並んだ、計2個のチェーンリンク19からなるモジュールを繋げて、チェーン一周を構成している。
これら2種類のチェーンリンク19S,19Lは、それぞれのリンク凹部19aの配列ピッチは異なっているが、リンク凹部19aの形状を、等角度間隔に配列されている噛合歯17との噛み合い時に、常に噛み合った状態になることができる形状に形成している。
ここで、2つ並んだチェーンリンク19S,19Lと噛合歯17との噛み合いの関係において、チェーン進行方向前方に位置するチェーンリンク19が噛合歯17と噛み合ったときの、チェーン進行方向後方に位置するチェーンリンク19と噛合歯17との相対的な位置関係を、次のように定義し、「進み」として表す。
0:チェーン進行方向後方に位置するチェーンリンク19が噛合歯17と噛み合う場合。
+方向:噛合歯17に対しチェーン進行方向後方に位置するチェーンリンク19が進んだ場合。このとき、噛み合い始め側の噛合歯17とリンク凹部19aの隙間が大きい。
−方向:噛合歯17に対しチェーン進行方向後方に位置するチェーンリンク19が遅れた場合。このとき、噛み合い始め側の噛合歯17とリンク凹部19aの隙間が小さい。
そして、モジュール内の「進み」について累積値を計算し、得られた累積値の中の最大値から最小値を引いたその絶対値を「累積進み差」とする。これに対し、チェーンリンク19と噛合歯17の諸元又は干渉に関する形状係数をmとして、「累積進み差」が形状係数mより小さい(累積進み差<形状係数m)という関係が成立するように、チェーン13を構成する。
つまり、形状係数mは、「進み」の上限値であり、「累積進み差」が形状係数m以上になると、噛合歯17に対しチェーンリンク19のリンク凹部19aが進み過ぎてしまい、噛合歯17は、リンク凹部19aの壁面に衝突したり、リンク凹部19a内に収まらずにリンク凹部19aから飛び出てしまうことになって、チェーンリンク19と噛合歯17との噛み合いが不可能になったり、チェーンリンク19同士が干渉してしまうことになる。
上述した「進み」により、チェーン13Aにおけるチェーンリンク19と噛合歯17との噛み合い状態について見てみると、2種類のチェーンリンク19S,19Lが並ぶリンク並び順番S,LとL,Sの「進み」は0である(即ち、噛み合っている)ことから、図4に示す、チェーンリンク19Sからチェーンリンク19L迄の連続7個のチェーンリンク19は、噛合歯17と全て噛み合っていて「進み」は0(図中、噛合歯17参照)となり、有効噛み合い率は100%である。
図5は、実施例2のチェーンリンク噛み合い状態を示す説明図である。図5に示すように、チェーン13Bは、リンク凹部19aの配列ピッチが異なる2種類のチェーンリンク19S,19Lを、それぞれ3個ずつ連結して形成した合計6個のチェーンリンク19S,19Lをモジュールとして、このモジュールが連続して形成されている。
つまり、チェーン13Bは、チェーンリンク19Sとチェーンリンク19Lが3個ずつS,L,S,S,L,Lの順番に並んだ、計6個のチェーンリンク19からなるモジュールを繋げて、チェーン一周を構成している。
チェーン13Bにおけるチェーンリンク19と噛合歯17との相対的な位置関係については、2種類のチェーンリンク19S,19Lが並ぶリンク並び順番S,Sの「進み」は+1であり(即ち、噛み合い始め側の噛合歯17とリンク凹部19aとの隙間が大きい)、リンク並び順番L,Lの「進み」は−1である(即ち、噛み合い始め側の噛合歯17とリンク凹部19aとの隙間が小さい)。
従って、図5に示す、6個のチェーンリンク19の並びS,L,S,S,L,Lからなるモジュールに続けて、チェーンリンク19Sを繋げた場合、「進み」は前から順番に0,0,+1,0,−1,0となり、「累積進み」は前から順番に0,0,+1,+1,0,0となって(図中、噛合歯17参照)、モジュール内の「累積進み差」の絶対値は+1である。
ここでは、チェーンリンク19の噛み合い終り側と噛合歯17が干渉してしまうための形状係数mは2(m=2)であるので、「累積進み差」が形状係数mより小さい(累積進み差<形状係数m)という関係が成立し、チェーンリンク19の噛み合い終り側と噛合歯17が干渉することはない。
この6個のチェーンリンク19の並びS,L,S,S,L,Lからなるモジュールの有効噛み合い率は、モジュール内「累積進み」が最小値0である数が4個であることから、4/6×100≒67%になる。
図6は、実施例3のチェーンリンク噛み合い状態を示す説明図である。図6に示すように、チェーン13Cは、実施例1のモジュールと実施例2のモジュールとを組み合わせて、チェーンリンク19Sを5個、チェーンリンク19Lを3個連結して形成した合計8個のチェーンリンク19S,19Lをモジュールとして、このモジュールが連続して形成されている。
つまり、チェーン13Cは、チェーンリンク19Sとチェーンリンク19LがS,L,S,S,L,L,S,Lの順番に並んだ、計8個のチェーンリンク19からなるモジュールを繋げて、チェーン一周を構成している。
チェーン13Cにおけるチェーンリンク19S及びチェーンリンク19Lと噛合歯17との相対的な位置関係を示す「進み」は、実施例1と同じものを使用する。
従って、図6に示す、8個のチェーンリンク19の並びS,L,S,S,L,L,S,Lからなるモジュールに続けて、チェーンリンク19Sを繋げた場合、「進み」は前から順番に0,0,+1,0,−1,0,0,0となり、「累積進み」は前から順番に0,0,+1,+1,0,0,0,0となって(図中、噛合歯17参照)、モジュール内の「累積進み差」の絶対値は+1である。
図6に示す、8個のチェーンリンク19の並びS,L,S,S,L,L,S,Lからなるモジュールの有効噛み合い率は、モジュール内「累積進み」が最小値0である数が6個であることから、6/8×100=75%になる。
次に、配列ピッチの異なる2種類のチェーンリンク、即ち、配列ピッチが短いチェーンリンクS(図中、Sと略して示す)と、配列ピッチが長いチェーンリンクL(図中、Lと略して示す)を組み合わせた場合の「進み」について説明する。
図7は、配列ピッチの異なる2種類のチェーンリンクを組み合わせた場合の進みを表にして示す説明図である。図7に示すように、チェーン進行方向の前方に位置するチェーンリンクと後方に位置するチェーンリンクの組み合わせと、その場合の「進み」は以下のようになる。
チェーン進行方向の前方に位置するのがチェーンリンクSで、後方に位置するのがチェーンリンクSであれば、チェーンリンクの組み合わせはSSとなり、「進み」は+1である。同様に、前方に位置するのがチェーンリンクSで、後方に位置するのがチェーンリンクLであれば、チェーンリンクの組み合わせはSLとなり、「進み」は±0である。
チェーン進行方向の前方に位置するのがチェーンリンクLで、後方に位置するのがチェーンリンクSであれば、チェーンリンクの組み合わせはLSとなり、「進み」は±0である。同様に、前方に位置するのがチェーンリンクLで、後方に位置するのがチェーンリンクLであれば、チェーンリンクの組み合わせはLLとなり、「進み」は−1である。
つまり、2種類のチェーンリンク(チェーンリンクS,チェーンリンクL)を繋げて組み合わせたチェーンの場合、
モジュールについて、
(1)各リンクタイプ数は同一
(2)モジュール内は「進み」0(噛み合い)で始まり「進み」0で終わる
ことにし、
このモジュールを繋げて構成したチェーン一周について、
(3)複数のモジュール(全部同一、一部異なる、全部異なる)で構成する
(4)2(リンクタイプ数:L,S)の倍数からなり、各リンクタイプ数は同一
(5)「進み」の最大・最小の差は2未満
(チェーンリンク同士が干渉するので各リンクタイプは2連続まで)
とする。
このように、チェーン13を、噛合歯17との噛み合い部(リンク凹部19a)の配列ピッチが異なる2種類のチェーンリンクS,Lを上記条件に基づきランダムに組み合わせて形成することにより、チェーン13は不等ピッチ配列となって、チェーン13の噛み合い部と、この噛み合い部と噛み合う噛合歯17との噛み合わせによる騒音を低減することができ、その上、チェーン13と噛合歯17との確実な噛み合わせを確保することができる。また、2種類のチェーンリンクS,Lをモジュール化することで、チェーン組立性の向上を図ることができる。
(第2実施の形態)
第2実施の形態におけるチェーンは、3種類の異なる配列ピッチを持ったチェーンリンクを組み合わせて構成されている。その他の構成及び作用は、第1実施の形態におけるチェーンと同様である。
図8は、配列ピッチの異なる3種類のチェーンリンクを組み合わせた場合の進みを表にして示す説明図である。ここでは、配列ピッチが短いチェーンリンクSと、配列ピッチが長いチェーンリンクLの2種類のチェーンリンクに加え、チェーンリンクSとチェーンリンクLの中間の長さのチェーンリンクMを設定している。この3種類のチェーンリンクを繋げた最小組み合わせ単位をモジュールとし、このモジュールを複数個、円環状に繋ぎ合わせてチェーンを形成している。
図8に示すように、チェーン進行方向の前方に位置するチェーンリンクと後方に位置するチェーンリンクの組み合わせと、その場合の「進み」は以下のようになる。
チェーン進行方向の前方に位置するのがチェーンリンクSで、後方に位置するのがチェーンリンクSであれば、チェーンリンクの組み合わせはSSとなり、「進み」は+2である。同様に、前方に位置するのがチェーンリンクSで、後方に位置するのがチェーンリンクM或いはLであれば、チェーンリンクの組み合わせはSM或いはSLとなり、「進み」は+1或いは±0である。
チェーン進行方向の前方に位置するのがチェーンリンクMで、後方に位置するのがチェーンリンクSであれば、チェーンリンクの組み合わせはMSとなり、「進み」は+である。同様に、前方に位置するのがチェーンリンクMで、後方に位置するのがチェーンリンクM或いはLであれば、チェーンリンクの組み合わせはMM或いはMLとなり、「進み」は±0或いは−1である。
チェーン進行方向の前方に位置するのがチェーンリンクLで、後方に位置するのがチェーンリンクSであれば、チェーンリンクの組み合わせはLSとなり、「進み」は±0である。同様に、前方に位置するのがチェーンリンクLで、後方に位置するのがチェーンリンクM或いはLであれば、チェーンリンクの組み合わせはLM或いはLLとなり、「進み」は−1或いは−2である。
つまり、3種類のチェーンリンク(チェーンリンクS,チェーンリンクM,チェーンリンクL)を繋げて組み合わせたチェーンの場合、
モジュールについて、
(1)各リンクタイプ数は同一
(2)モジュール内は「進み」0(噛み合い)で始まり「進み」0で終わる
ことにし、
このモジュールを繋げて構成したチェーン一周について、
(3)複数のモジュール(全部同一、一部異なる、全部異なる)で構成する
(4)3(リンクタイプ数:L,M,S)の倍数からなり、各リンクタイプ数同一
(5)「進み」の最大・最小の差は2未満
(チェーンリンクSとチェーンリンクLは2連続まで。「進み」の累積は2未満)
とする。
従って、配列ピッチの異なる3種類のチェーンリンクを組み合わせた場合(図8参照)、組み合わせがSSは「進み」が+2となり、組み合わせがLLは「進み」が−2となるので、組み合わせSSとLLは不成立となる。
このように、チェーン13を、噛合歯17との噛み合い部(リンク凹部19a)の配列ピッチが異なる3種類のチェーンリンクS,M,Lを上記条件に基づき組み合わせて形成することにより、上述した効果に加えて、モジュール内で最初に現れるチェーンリンクは、必ず噛合歯17と噛み合うことができるため、噛み合い率の向上を図ることができ、チェーンリンク又は噛合歯17が分担する荷重を低減することができる。
(第3実施の形態)
第3実施の形態におけるチェーンは、n種類(タイプ)の異なる配列ピッチを持ったチェーンリンクを組み合わせて構成されている。その他の構成及び作用は、第1実施の形態におけるチェーンと同様である。
図9は、ピッチの異なるn種類のチェーンリンクを組み合わせた場合の進みを表にして示す説明図である。ここでは、配列ピッチがそれぞれ異なる複数のチェーンリンクS1,S2,…,Snを設定している。このn種類のチェーンリンクを繋げた最小組み合わせ単位をモジュールとし、このモジュールを複数個、円環状に繋ぎ合わせてチェーンを形成している。
図9に示すように、チェーン進行方向の前方及び後方のチェーンリンクの組み合わせと、その場合の「進み」は以下のようになる。
チェーン進行方向の前方に位置するのがチェーンリンクS1で、後方に位置するのがチェーンリンクS1であれば、チェーンリンクの組み合わせはS1S1となり、「進み」はnである。同様に、前方に位置するのがチェーンリンクS1で、後方に位置するのがチェーンリンクS2,…,Snであれば、チェーンリンクの組み合わせはS1S2,…,S1Snとなり、「進み」はn−1,…,±0である。
チェーン進行方向の前方に位置するのがチェーンリンクS2で、後方に位置するのがチェーンリンクS1であれば、チェーンリンクの組み合わせはS2S1となり、「進み」はn−1である。同様に、前方に位置するのがチェーンリンクS2で、後方に位置するのがチェーンリンクS2,…,Snであれば、チェーンリンクの組み合わせはS2S2,…,S2Snとなり、「進み」はn−2,…,−1である。
一般化すると、
チェーン進行方向の前方に位置するのがチェーンリンクSnで、後方に位置するのがチェーンリンクS1であれば、チェーンリンクの組み合わせはSnS1となり、「進み」は±0である。同様に、前方に位置するのがチェーンリンクSで、後方に位置するのがチェーンリンクS2,…,Snであれば、チェーンリンクの組み合わせはSnS2,…,SnSnとなり、「進み」は−1,…,−nである。
つまり、配列ピッチがそれぞれ異なったn種類のチェーンリンクS1,S2,…,Snを繋げて組み合わせたチェーンの場合、
モジュールについて、
(1)各リンクタイプ数は同一
(2)モジュール内は「進み」0(噛み合い)で始まり「進み」0で終わる
ことにし、
このモジュールを繋げて構成したチェーン一周について、
(3)複数のモジュール(全部同一、一部異なる、全部異なる)で構成する
(4)n(リンクタイプ数)の倍数からなり、各リンクタイプ数同一
(5)「進み」の最大・最小の差はm未満
(最大・最小の差がm以上は、チェーンリンク同士干渉或いは噛み合い不可)
とする。

従って、配列ピッチの異なるn種類のチェーンリンクを組み合わせた場合(図9参照)、組み合わせがS1S1は「進み」がnとなり、組み合わせがSnSnは「進み」が−nとなるので、nによって、組み合わせS1S1とSnSn、及び組み合わせS1S1とSnSnのそれぞれの周辺近傍は不成立となる。
このように、チェーン13を、噛合歯17との噛み合い部(リンク凹部19a)の配列ピッチがそれぞれ異なったn種類のチェーンリンクS1,S2,…,Snを繋げて上記条件に基づき組み合わせて形成することにより、上述した効果に加えて、チェーンリンクと噛合歯17の噛み合いの関係を数値化することで、「モジュール内リンク総数」に対する「モジュール内累積進み最小値の数」の比で表される有効噛み合い率(有効噛合い率=モジュール内累積進み最小値の数/モジュール内リンク総数)の高いロックアップチェーンを設計することができる。
この発明は、噛合歯と噛み合う、チェーンの噛み合い部は不等ピッチ配列となるので、噛み合い部と噛み合う噛合歯との噛み合わせによる騒音を低減することができ、その上、チェーンと噛合歯との確実な噛み合わせを確保することができるので、チェーン、特に、ロックアップチェーンに最適である。
10 無段変速装置
11 ドライブプーリ
12 ドリブンプーリ
13,13A,13B,13C チェーン
14 プーリ軸
15 スペーサ
16 噛合歯ガイド
17 噛合歯
18 付勢部材
19,19S,19L チェーンリンク
19a リンク凹部
20 ピン
m 形状係数

Claims (6)

  1. 噛合歯が噛み合う被噛合部の配列ピッチが異なる複数種類のチェーンリンクを連結してモジュールを形成し、前記モジュールを繋ぎ合わせて円環状に形成されたチェーンであって、
    2つ並んだ前記チェーンリンクのチェーン進行方向前方のチェーンリンクが前記噛合歯と噛み合ったとき、チェーン進行方向後方のチェーンリンクと前記噛合歯との相対的な位置関係を、
    チェーン進行方向後方に位置するチェーンリンクが前記噛合歯と噛み合う場合を0、前記噛合歯に対しチェーン進行方向後方に位置するチェーンリンクが進んだ場合を+方向、前記噛合歯に対しチェーン進行方向後方に位置するチェーンリンクが遅れた場合を−方向と定義して「進み」とし、
    前記モジュール内で、2つ並んだ前記チェーンリンク毎にチェーン進行方向後方のチェーンリンクの前記「進み」の大きさ及び方向を計算し、前記計算した「進み」をチェーン周方向に沿って順次加算することで前記噛合歯毎に前記「進み」の累積値を計算し、得られた累積値の中の最大値から最小値を引いたその絶対値を「累積進み差」として、前記「累積進み差」が、前記チェーンリンクと前記噛合歯の諸元に関する形状係数であって前記チェーンリンクの被噛合部の噛み合い終り側と前記噛合歯が干渉する値として予め設定されたものより小さくなるように構成したチェーン。
  2. 前記モジュールを構成する複数種類のチェーンリンクのそれぞれの個数は同一である請求項1に記載のチェーン。
  3. 前記モジュール内においては、前記「進み」0で始まり前記「進み」0で終わる請求項1または2に記載のチェーン。
  4. 前記モジュールを繋げて構成した一周分は、前記モジュールを構成するチェーンリンクの種類の数の倍数から構成され、前記チェーンリンクの種類毎の個数は同一である請求項1から3のいずれか一項に記載のチェーン。
  5. 前記モジュールを繋げて構成した一周分における前記「進み」の累積値の最大・最小の差は、前記形状係数未満である請求項1から4のいずれか一項に記載のチェーン。
  6. 共にプーリ溝幅を変更可能な二つのプーリの間に掛け回されて、一方のプーリの回転駆動力を他方のプーリに伝達する無段変速装置に用いられるロックアップチェーンである請求項1から5のいずれか一項に記載のチェーン。
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