JP5251379B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
従来より、燃料極に供給される燃料ガスと酸化剤極に供給される酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより発電を行う燃料電池を備える燃料電池システムが知られている。
例えば、特許文献1には、燃料電池システムの起動時に、燃料電池の温度が高い程、燃料電池から取り出し可能な出力の制限値を大きな値に設定する手法が開示されている。一方、例えば、特許文献2には、燃料電池システムの起動時に、燃料極における不純物濃度が低い程、燃料電池から取り出し可能な出力の制限値を大きな値に設定する手法が開示されている。
特開2004−178998号公報 特開2004−172026号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示された双方の手法を行う場合には、燃料電池の温度が高い程不純物濃度が高くなり、燃料電池の温度が低い程不純物濃度が低くなる傾向があるため、いずれか一方の手法による出力制限値が働くことにより、出力制限が緩和されないという問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、起動時における出力制限の緩和を図ることである。
かかる課題を解決するために、本発明は、燃料電池の燃料極側に存在する不純物量に応じた第1の出力制限値、および燃料電池の温度に応じた第2の出力制限値のうち小さい方の値に基づいて、出力取出手段によって取り出される出力を制限する。また、第2の出力制限値が第1の出力制限値と対応するように、温度調整手段により燃料電池の温度が制御される。
本発明によれば、第2の出力制限値が第1の出力制限値と対応するように、燃料電池の温度を制御することにより、第2の出力制限値による出力制限の場合は第2の出力制限値による制限が解消する方向に働き、第1の出力制限値による出力制限の場合は第1の出力制限値による制限が解消する方向に働くので、いずれか一方の出力制限が強く働くといった事態を抑制することができる。これにより、出力制限を緩和することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる燃料電池システムの構成を模式的に示すブロック図である。燃料電池システムは、例えば、車両に搭載されており、この車両は燃料電池システムから供給される電力によって駆動する。
燃料電池システムは、固体高分子電解質膜を介して酸化剤極2と燃料極3とが対設された燃料電池構造体を、セパレータを介して複数積層することにより構成される燃料電池スタック(燃料電池)1を備える。この燃料電池スタック1は、酸化剤極(反応極)に酸化剤ガス(反応ガス)が供給されるとともに燃料極(反応極)2に燃料ガス(反応ガス)が供給されることにより、燃料ガスおよび酸化剤ガスを電気化学的に反応させて電力を発生する。本実施形態では、燃料ガスとして水素を、酸化剤ガスとして空気を用いるケースについて説明する。
燃料電池システムには、燃料電池スタック1に空気を供給するための空気系と、燃料電池スタック1に水素を供給するための水素系と、燃料電池スタック1を冷却するための冷却系とが備えられている。
空気系において、酸化剤ガスである空気は、空気供給手段から空気供給流路L1を介して燃料電池スタック1に供給される。具体的には、空気供給流路L1には、コンプレッサ10が設けられている。コンプレッサ10は、大気(空気)を取り込むとともに、これを加圧して吐出する。また、空気供給流路L1には、アフタークーラ11と、加湿装置12とが設けられている。コンプレッサ10から吐出された空気は、アフタークーラ11によって冷却されるとともに加湿装置12によって加湿された後に、燃料電池スタック1に供給される。
燃料電池スタック1における個々の酸化剤極2からの排出ガス(酸素が消費された空気)は、空気排出流路L2を介して外部に排出される。空気排出流路L2は、上述した加湿装置12を経由して配置されており、加湿装置12では、酸化剤極2側からの排出ガスと、コンプレッサ10から供給される空気との間で水分交換を行うことにより、加湿が行われる。空気排出流路L2には、空気調圧バルブ13が設けられている。この空気調圧バルブ13の開度は、燃料電池スタック1の酸化剤極2における空気の圧力が所望の圧力(例えば、燃料電池スタック1の燃料極3における水素の圧力)となるように、制御部40によって制御される。
水素系において、燃料ガスである水素は、燃料ガス供給手段から水素供給流路L3を介して燃料電池スタック1に供給される。具体的には、水素は、例えば、高圧水素ボンベといった燃料タンク20に貯蔵されており、この燃料タンク20から水素供給流路L3を介して燃料電池スタック1に供給される。
水素供給流路L3には、燃料タンク20の下流にタンク元バルブ(図示せず)が設けられているとともに、タンク元バルブの下流に減圧バルブ(図示せず)が設けられている。燃料タンク20内の水素は、タンク元バルブが開状態とされることにより、水素供給流路L3へと供給され、減圧バルブによって所定の圧力まで機械的に減圧される。また、水素供給流路L3には、減圧バルブの下流側に水素調圧バルブ21が設けられている。この水素調圧バルブ21の開度は、燃料電池スタック1の燃料極3における水素の圧力および流量が所望の値となるように、制御部40によって制御される。
燃料電池スタック1における個々の燃料極3からの排出ガスは、水素循環流路L4に排出される。水素循環流路L4の他方の端部は、水素供給流路L3における水素調圧バルブ21よりも下流側に接続されている。この水素循環流路L4には、例えば、水素循環ポンプ22といった水素循環手段が設けられている。燃料電池スタック1の燃料極からの排出ガスは、水素循環手段によって燃料タンク20からの水素に合流させられることにより、燃料電池スタック1の燃料極に循環する。
ところで、酸化剤ガスとして空気を用いるケースでは、発電に寄与することのない不純物(例えば、窒素)が、酸化剤極2から燃料極3へと電解質膜を介して透過する。透過する窒素の量は、酸化剤極2と燃料極3との窒素分圧差や電解質膜の温度に応じた値となる。水素循環ポンプ22の循環流量には、水素循環ポンプ22のガス循環性能、および、燃料極3および水素循環流路L4の圧力損失に基づいた限界値が存在する。そのため、燃料電池スタック1の発電に応じて要求される水素流量に応じて、燃料極および水素循環流路L4を含む循環系に許容できる窒素量の限界値(以下「許容窒素量」という)が存在する。循環系における窒素量を許容窒素量以下に調整するため、酸化剤極2からの透過窒素を外部へ排出する必要がある。
そこで、水素循環流路L2には、循環系内から窒素をパージするためのパージ流路L5が接続されている。パージ流路L5には、パージバルブ24が設けられており、このパージバルブ24の開度を制御することにより、水素循環流路L4を流れる循環ガスを外部に排出することができる。これにより、循環系内から窒素をパージすることができる。この窒素のパージにより、循環系内における窒素量を許容窒素量以下に調整することができる。このパージ流路L5の他方の端部は、空気排出流路L2に接続されている。
冷却系は、ラジエータ30と、このラジエータ30と燃料電池スタック1との間で冷却液が循環する閉ループ状の循環流路L6とを有している。ラジエータ30には、ラジエータ30を送風するファン31が設けられている。循環流路L6には、冷却液を循環させる循環ポンプ(以下「冷却液循環ポンプ」という)32が設けられている。冷却液循環ポンプ32を動作させることにより、循環流路L6内の冷却液が循環する。燃料電池スタック1の冷却によって温度が上昇した冷却液は、循環流路L6を経由して、ラジエータ30に流れ、ラジエータ30によって冷却される。冷却された冷却液は、燃料電池スタック1に供給される。必要に応じて、ファン31を駆動することでラジエータ30からの放熱量を増加させることができる。
また、循環流路L6には、冷却液がラジエータ30を迂回して循環するためのバイパス流路L7が設けられている。バイパス流路L7と循環流路L6との接続部には三方弁33が設けられている。三方弁33の開度を調整し、冷却液をラジエータ30側に供給することで、冷却液の熱をラジエータ30から外部へ放熱する。一方、三方弁33の開度を調整し、バイパス路L7側へ冷却液を流すことにより、外部への放熱を規制する。
このように、三方弁33の開度を調整することにより冷却液の温度を調整することができる。本実施形態では、燃料電池スタック1の入口における冷却液の温度(以下「入口冷却液温度」という)を燃料電池スタック1の温度として管理するため、この入口冷却液温度が目標運転温度と対応するように、制御部40によって冷却液の温度制御が行われる。また、本実施形態では、燃料電池スタック1において、燃料極3から排出される水素の出口側と、冷却液の入口側とにおいて熱交換を行う構成になっている。燃料極3に流入した水素と冷却液との間の熱交換によって、燃料極3からの排出ガスの温度と、入口冷却液温度とは対応した温度となる。
燃料電池スタック1には、燃料電池スタック1から取り出す出力(例えば、電流)を制御する出力取出装置(出力取出手段)4が接続されている。燃料電池スタック1において発電された電力は、出力取出装置4を介して車両駆動用の電動モータといった負荷や、燃料電池システムを動作させるために必要な補機に供給される。
制御部40は、システム全体を統合的に制御する機能を担っており、制御プログラムに従って動作することにより、システムの運転状態を制御する。制御部40としては、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。この制御部40は、システムの状態に基づいて、各種の演算を行い、この演算結果を制御信号として各種のアクチュエータ(図示せず)に出力する。これにより、各種のバルブの状態、コンプレッサ10の回転数、および、冷却液循環ポンプ32の回転数、出力取出装置4から取り出される出力などが制御される。
制御部40には、システムの状態を検出するために、各種センサ等からのセンサ信号が入力されている。空気圧力センサ41は、燃料電池スタック1の酸化剤極2における空気の圧力を検出するセンサであり、水素圧力センサ(圧力検出手段)42は、燃料電池スタック1の燃料極3における水素の圧力を検出するセンサである。湿度センサ43は、パージ流路L5におけるガスの湿度を検出し、水素濃度センサ44は、パージ流路L5におけるガス中の水素濃度を検出する。冷却液温度センサ(温度検出手段)45は、燃料電池スタック1の温度、すなわち、入口冷却液温度を検出する。また、大気圧センサ(図示せず)は、大気圧を検出する。
本実施形態との関係において、制御部40は、燃料極に残留する窒素を水素で置換するために、燃料電池システムの起動時に行う起動制御として、以下の処理を行う。具体的には、制御部40は、燃料電池スタック1の燃料極側に存在する窒素量(以下「残留窒素量」という)を検出する(不純物量検出手段)。制御部40は、残留窒素量に基づいて、第1の出力制限値を算出するとともに、入口冷却液温度に基づいて、第2の出力制限値を算出する(演算手段)。そして、制御部40は、演算結果に基づいて、出力取出装置4、および、燃料電池スタック1の温度を調整する温度調整手段(本実施形態では、ラジエータ30、ファン31、三方弁33)を制御する(制御手段)。ここで、制御部40は、第1の出力制限値および第2の出力制限値のうち小さい方の値に基づいて、出力取出装置4によって取り出される出力を制限するとともに、第2の出力制限値が第1の出力制限値と対応するように、温度調整手段により燃料電池スタック1の温度を制御する。
図2は、本発明の第1の実施形態にかかる燃料電池システムの制御方法、具体的には、起動制御の手順を示すフローチャートである。同図に示す処理は、例えば、イグニッションスイッチのオン信号をトリガーとして、制御部40によって実行される。まず、ステップ1(S1)において、制御部40は、パージバルブ24を開状態に制御する。
図3は、残留窒素量Ncの演算手順を示す説明図である。ステップ2(S2)において、制御部40は、残留窒素量Ncを推定(検出)する。ここで、残留窒素量Ncは、燃料電池スタック1の燃料極3に存在する窒素の量である。まず、制御部40は、パージバルブ24からの窒素排出流量Qnoを算出する。具体的には、制御部40は、予め設定されているパージバルブ24の流量特性に、パージバルブ24における入口圧力、出口圧力、ガス密度を適用し、パージバルブ24からの排出流量を算出する。そして、この排出流量に窒素濃度を積算することにより、窒素排出流量Qnoが算出される。ここで、パージバルブ24の入口圧力は、水素圧力センサ42のセンサ値Phiから推定し、パージバルブ24の出口圧力は、図示しない大気圧センサのセンサ値Phoから推定する。ガス密度は、圧力と温度とガス組成から算出することができる。そのため、水素圧力センサ42のセンサ値Phi、冷却液温度センサ45のセンサ値Tci、水素濃度センサ44のセンサ値Chおよび湿度センサ43のセンサ値Hcから水素濃度、水蒸気濃度、窒素濃度が算出され、これらのガス状態の情報に基づいてガス密度が算出される。
つぎに、制御部40は、窒素排出流量Qnoに制御周期Tcyを積算することにより、パージバルブ24から排出される窒素排出量Nocを算出し、この窒素排出量Nocを制御周期毎に積算することで総窒素排出量Notを算出する。そして、制御部40は、残留窒素量初期値Ninから総窒素排出量Notを減算することにより残留窒素量Ncを算出する。ここで、残留窒素量初期値は、燃料電池システム起動時における水素圧力センサ42のセンサ値Phi、冷却液温度センサ45のセンサ値Tci、水素濃度センサ44のセンサ値Chおよび湿度センサ43のセンサ値Hcから窒素濃度を算出し、このガス状態の情報と水素調圧バルブ21の下流側からパージバルブ24の上流側までの体積とに基づいて算出される。
ステップ3(S3)において、制御部40は、残留窒素量Ncが許容窒素量Nthよりも大きいか否かが判定される。ここで、許容窒素量Nthは、燃料電池システムのシステム構成を考慮して、実験やシミュレーションを通じてその最適値が予め設定されている。このステップ3において肯定判定された場合、すなわち、残留窒素量Ncが許容窒素量Nthよりも大きい場合には(Nc>Nth)、ステップ4(S4)に進む。一方、ステップ3において否定判定された場合、すなわち、残留窒素量Ncが許容窒素量Nth以下の場合には(Nc≦Nth)、ステップ9(S9)に進む。
ステップ4において、制御部40は、第1の出力制限値Plaを算出する。ここで、第1の出力制限値Plaは、燃料極3に残留する窒素量を考慮して、燃料電池スタック1から取り出される出力がそれ以上の値となることがないように、出力を制限するための値である。具体的には、制御部40は、ステップ2において推定された残留窒素量Ncに基づいて、第1の出力制限値Plaを算出する。第1の出力制限値Plaは、残留窒素量Ncと相関があり、燃料電池スタック1の特性などを考慮した上で、実験やシミュレーションを通じて両者の関係が取得されている。図4に示すように、残留窒素量Ncと第1の出力制限値Plaとは、例えば、比例関係にあり、残留窒素量Ncが大きい程、第1の出力制限値Plaが小さくなる。残留窒素量Ncと第1の出力制限値Plaとの対応関係は、マップまたは演算式として制御に保持されている。
ステップ5(S5)において、制御部40は、冷却液温度センサ45から入口冷却液温度Tciを読み込む。
ステップ6(S6)において、制御部40は、第2の出力制限値Plbを算出する。ここで、第2の出力制限値Plbは、燃料電池スタック1の温度を考慮して、燃料電池スタック1から取り出される出力がそれ以上の値となることがないように、出力を制限するための値である。具体的には、制御部40は、ステップ5において読み込まれた入口冷却液温度Tciに基づいて、第2の出力制限値Plbを算出する。第2の出力制限値Plbは、入口冷却液温度Tci(燃料電池スタック1の温度)と相関があり、燃料電池スタック1の特性などを考慮した上で、実験やシミュレーションを通じて両者の関係が取得されている。図5に示すように、入口冷却液温度Tciと第2の出力制限値Plbとは、例えば、比例関係にあり、入口冷却液温度Tciが大きい程、第2の出力制限値Plbが大きくなる。入口冷却液温度Tciと第2の出力制限値Plbとの対応関係は、マップまたは演算式として制御部40に保持されている。
ステップ7(S7)において、制御部40は、第1の出力制限値Plaと第2の出力制限値Plbとを比較することにより、小さい方の出力制限値Pla,Plbを出力制限値の最小値Plminとして算出する。この出力制限値の最小値Plminの算出に応じて、制御部40は、燃料電池スタック1から取り出す出力が、出力制限値の最小値Plmin以下となるように出力取出装置4を制御する。
ステップ8(S8)において、制御部40は、ステップ7において算出された出力制限値の最小値Plminに基づいて、目標運転温度Ttcを算出する。図6に示すように、出力制限値の最小値Plminと目標運転温度Ttcとは、例えば、比例関係にあり、出力制限値の最小値Plminが大きい程、目標運転温度Ttcが大きくなる。出力制限値の最小値Plminと目標運転温度Ttcとの対応関係における特性は、図5に示す入口冷却液温度Tciと第2の出力制限値Plbとの対応関係における特性と同じとなっている。そのため、第2の出力制限値Plbが、第1の出力制限値Plaと対応するような目標運転温度Ttcが算出される。この目標運転温度Ttcの算出に応じて、制御部40は、入口冷却液温度Tciが目標運転温度Ttcと対応するように冷却液の温度制御を行う。出力制限値の最小値Plminと目標運転温度Ttcとの対応関係は、マップまたは演算式として制御部40に保持されている。
一方、ステップ9(S9)において、制御部40は、起動制御を終了して、通常運転へ移行することを示すフラグFsを「1」にセットして、本ルーチンを抜ける。
このように本実施形態によれば、第1の出力制限値Plaおよび第2の出力制限値Plbのうち小さい方の値(最小値Plmin)に基づいて、出力取出装置4によって取り出される出力が制限される。また、第2の出力制限値Plbが第1の出力制限値Plaと対応するように、目標運転温度Ttcが設定され、燃料電池スタック1の温度が制御される。
第1の出力制限値Plaは、残留窒素量Ncによる出力制限値であり、残留窒素量Ncが小さくなる程、水素分圧が高くなるので、大きな値に設定することができる。ここで、残留窒素は、パージバルブ24からの排出流量が増えるほど速やかに減少する。パージバルブ24からの排出流量は、ガス密度が高い程、すなわち燃料電池スタック1の温度が低い程、増える。よって、燃料電池スタック1の温度が低くなるほど、残留窒素量Ncが速やかに減少するため、第1の出力制限値Plaも速やかに緩和される傾向となる。
これに対して、第2の出力制限値Plbは、燃料電池スタック1の温度による出力制限値であり、燃料電池スタック1の温度が高い程、燃料電池スタック1の発電が安定するので、大きな値に設定することができる。燃料電池スタック1の温度が高くなるほど、第2の出力制限値Plbも速やかに緩和される傾向となる。
このように、第1の出力制限値Plaと第2の出力制限値Plbとは、燃料電池スタック1の温度に関してトレードオフの関係にある。しかしながら、第2の出力制限値Plbが第1の出力制限値Plaと対応するように、燃料電池スタック1の温度を制御することにより、いずれか一方の出力制限が強く働くといった事態を抑制することができ、出力制限を緩和することができる。
また、本実施形態によれば、制御部40は、入口冷却液温度Tciと第2の出力制限値Plbとの対応関係から、第1の出力制限値Plaと対応する入口冷却液温度Tci(燃料電池スタック1の温度)を目標運転温度Ttcとして特定する。そして、制御部40は、検出される入口冷却液温度Tciが、特定された目標運転温度Ttcと対応するように、温度調整手段を制御する。
かかる構成によれば、第2の出力制限値Plbが第1の出力制限値Plaと対応するように、燃料電池スタック1の温度を制御することができる。これにより、いずれか一方の出力制限が強く働くといった事態を抑制することができ、出力制限を緩和することができる。
なお、残留窒素量Ncが同じ条件下では、燃料電池スタック1の温度が低い程、水蒸気分圧が下がり、燃料極内の水素分圧(水素濃度)が高くなる。そこで、制御部40は、燃料電池スタック1の温度が小さい程、値が大きくなるように第1の出力制限値Plaを補正してもよい。これにより、出力制限をさらに緩和することが可能となる。また、残留窒素量Ncが同じ条件下では、燃料電池スタック1の燃料極における水素圧力が高い程、燃料極内の水素分圧(水素濃度)が高くなる。そこで、制御部40は、燃料極における水素圧力が大きい程、値が大きくなるように第1の出力制限値Plaを補正してもよい。これにより、出力制限をさらに緩和することが可能となる。
また、冷却液が燃料電池スタック1から吸収した熱は、ラジエータ30を介して外気に放熱するため、入口冷却液温度Tciを外気温より下げることが困難となる。そのため、目標運転温度Ttcと、図示しない外気温センサのセンサ値を比較して、より大きい温度を目標運転温度Ttcとして設定してもよい。
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態にかかる燃料電池システムの制御方法、具体的には、起動制御の手順を示すフローチャートである。本実施形態の燃料電池システムが、第1の実施形態のそれと相違する点は、起動制御の手順である。なお、第1の実施形態と重複する構成については符号を引用してその説明は省略するととし、以下、相違点を中心として説明を行う。
本実施形態にかかる起動制御は、第1の実施形態に示すステップ1とステップ2との間にステップ10の処理が実行され、また、第1の実施形態に示すステップ7,8に代えてステップ11からステップ14までの処理が実行される。
具体的には、ステップ10(S10)において、制御部40は、パージバルブ24を開状態に制御してからの経過時間Tseを計測する。
一方、ステップ11(S11)において、制御部40は、経過時間Tseに基づいて、要求出力上限値(第3の出力制限値)Pluを算出する。要求出力上限値Pluは、システムを起動してからの経過時間に応じて、ユーザから燃料電池システムに要求される出力の上限値である。経過時間Tseと、要求出力上限値Pluとの対応関係は、燃料電池システムの運転に関する市場調査を通じて、経過時間毎の出力頻度を統計的に処理し決定されている。図8に示すように、例えば、要求出力上限値Pluは、経過時間Tseの増加に応じて単調増加するような傾向を有しており、経過時間が短い領域では残留窒素による出力制限値に対して小さくなるのが一般的である。経過時間Tseと、要求出力上限値Pluとの対応関係は、マップまたは演算式として制御部40に保持されている。
ステップ12(S12)において、制御部40は、第1の出力制限値Pla、第2の出力制限値Plbおよび要求出力上限値Pluを比較することにより、最も値の小さい出力制限値Pla,Plb,Pluを出力制限値の第1の最小値Plmin1として算出する。この出力制限値の第1の最小値Plmin1の算出に応じて、制御部40は、燃料電池スタック1から取り出す出力が、出力制限値の第1の最小値Plmin1以下となるように出力取出装置4を制御する。
ステップ13(S13)において、制御部40は、第1の出力制限値Plaと要求出力上限値Pluとを比較することにより、小さい方の出力制限値Pla,Pluを出力制限値の第2の最小値Plmin2として算出する。
ステップ14(S14)において、ステップ13において算出された出力制限値の第2の最小値Plmin2に基づいて、目標運転温度Ttcを算出する。図6に示す傾向と同様に、出力制限値の第2の最小値Plmin2と目標運転温度Ttcとは、例えば、比例関係にあり、出力制限値の第2の最小値Plmin2が大きい程、目標運転温度Ttcが大きくなる。出力制限値の第2の最小値Plmin2と目標運転温度Ttcとの対応関係における特性は、図5に示す入口冷却液温度Tciと第2の出力制限値Plbとの対応関係における特性と同じとなっている。そのため、第2の出力制限値Plbが、出力制限値の第2の最小値Plmin2と対応するような目標運転温度Ttcが算出される。この目標運転温度Ttcの算出に応じて、制御部40は、入口冷却液温度Tciが目標運転温度Ttcと対応するように冷却液の温度制御を行う。
このように本実施形態によれば、窒素の排出が開始されてからの経過時間Tseが計測されるともに、この経過時間Tseに基づいて、要求出力上限値(第3の出力制限値)Pluが算出される。この場合、制御部40は、第1の出力制限値Pla、第2の出力制限値Plbおよび要求出力上限値Pluのうち最も小さい値(第1の最小値Plmin1)に基づいて、出力取出装置4によって取り出される出力が制限される。また、制御部40は、第2の出力制限値Plbが、第1の出力制限値Plaおよび要求出力上限値Pluのうち小さい方の値(第2の最小値Plmin2)と対応するように、燃料電池スタック1の温度を制御する。
かかる構成によれば、要求出力上限値Pluが第1の出力制限値Plaに対して小さい運転領域では、第2の出力制限値Plbが要求出力上限値Pluと対応するように温度制御が行われる。そのため、要求出力上限値Pluが設けられてない場合に対して、燃料電池スタック1の温度を低く制御することとなる。これにより、窒素の排出流量が増え、窒素が速やかに排出される。また、水素分圧(水素濃度)が高くなる。このことにより、水素による置換開始からの時間が経過しても、第1の出力制限値Plaによる出力制限がかかりにくくなる。よって、要求出力上限値Pluでの運転領域を拡大でき、出力制限を緩和することができる。
また、本実施形態によれば、制御部40は、入口冷却液温度Tciと第2の出力制限値Plbとの対応関係から、第2の最小値Plmin2と対応する燃料電池スタック1の温度(入口冷却液温度Tci)を目標運転温度Ttcとして特定する。また、制御部40は、入口冷却液温度Tciが、特定された目標運転温度Tciと対応するように、温度調整手段を制御する。
かかる構成によれば、第2の出力制限値Plbが第2の最小値Plmin2と対応するように、燃料電池スタック1の温度を制御することができる。これにより、いずれか一方の出力制限が強く働くといった事態を抑制することができ、出力制限を緩和することができる。
第1の実施形態にかかる燃料電池システムの構成を模式的に示すブロック図 第1の実施形態にかかる燃料電池システムの起動制御の手順を示すフローチャート 残留窒素量Ncの演算手順を示す説明図 残留窒素量Ncと第1の出力制限値Plaとの対応関係を示す説明図 入口冷却液温度Tciと第2の出力制限値Plbとの対応関係を示す説明図 出力制限値の最小値Plminと目標運転温度Ttcとの対応関係を示す説明図 第2の実施形態にかかる燃料電池システムの起動制御の手順を示すフローチャート 経過時間Tseと要求出力上限値Pluとの対応関係を示す説明図
符号の説明
1 燃料電池スタック
2 酸化剤極
3 燃料極
4 出力取出装置
10 コンプレッサ
11 アフタークーラ
12 加湿装置
13 空気調圧バルブ
20 燃料タンク
21 水素調圧バルブ
22 水素循環ポンプ
24 パージバルブ
30 ラジエータ
31 ファン
32 冷却液循環ポンプ
33 三方弁
40 制御部
41 空気圧力センサ
42 水素圧力センサ
43 湿度センサ
44 水素濃度センサ
45 冷却液温度センサ

Claims (6)

  1. 燃料極に供給される燃料ガスと酸化剤極に供給される酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより発電を行う燃料電池と、
    前記燃料電池の温度を調整する温度調整手段と、
    前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段と、
    前記燃料電池の燃料極側に存在する不純物量を検出する不純物量検出手段と、
    前記燃料電池から出力を取り出す出力取出手段と、
    前記不純物量検出手段によって検出される前記不純物量に基づいて、前記燃料電池から取り出し可能な出力の制限値を第1の出力制限値として算出するとともに、前記温度検出手段によって検出される前記燃料電池の温度に基づいて、前記燃料電池から取り出し可能な出力の制限値を第2の出力制限値として算出する演算手段と、
    前記演算手段の演算結果に基づいて、前記出力取出手段および前記温度調整手段を制御する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、前記第1の出力制限値および前記第2の出力制限値のうち小さい方の値に基づいて、前記出力取出手段によって取り出される出力を制限するとともに、前記第2の出力制限値が前記第1の出力制限値と対応するように、前記温度調整手段により前記燃料電池の温度を制御することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記演算手段は、前記温度検出手段によって検出される前記燃料電池の温度が小さい程、値が大きくなるように前記第1の出力制限値を補正することを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  3. 前記燃料極における燃料ガスの圧力を検出する圧力検出手段をさらに有し、
    前記演算手段は、前記圧力検出手段によって検出される前記燃料ガスの圧力が大きい程、値が大きくなるように前記第1の出力制限値を補正することを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  4. 前記演算手段は、前記燃料電池の温度に応じた前記第2の出力制限値を示す対応関係を保持しており、
    前記制御手段は、前記演算手段が保持する前記対応関係から、前記第1の出力制限値と対応する前記燃料電池の温度を目標運転温度として特定し、前記温度検出手段によって検出される前記燃料電池の温度が、前記特定された目標運転温度と対応するように、前記温度調整手段を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池の燃料極側に存在する不純物を外部に排出する排出手段をさらに有し、
    前記演算手段は、前記排出手段によって不純物の排出が開始されてからの経過時間を計測するともに、当該計測された経過時間に基づいて、前記燃料電池から取り出し可能な出力の制限値を第3の出力制限値として算出しており、
    前記制御手段は、前記第1の出力制限値、前記第2の出力制限値および前記第3の出力制限値のうち最も小さい値に基づいて、前記出力取出手段によって取り出される出力を制限するとともに、前記第2の出力制限値が、前記第1の出力制限値および前記第3の出力制限値のうち小さい方の値と対応するように、前記温度調整手段により前記燃料電池の温度を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
  6. 前記演算手段は、前記燃料電池の温度に応じた前記第2の出力制限値を示す対応関係を保持しており、
    前記制御手段は、前記演算手段が保持する前記対応関係から、前記第1の出力制限値および前記第3の出力制限値のうち小さい方の値と対応する前記燃料電池の温度を目標運転温度として特定し、前記温度検出手段によって検出される前記燃料電池の温度が、前記特定された目標運転温度と対応するように、前記温度調整手段を制御することを特徴とする請求項5に記載された燃料電池システム。
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