JP5251308B2 - 粉砕ミルの設計強度評価方法 - Google Patents

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本発明は、石炭焚きボイラ用微粉炭ミルなどの粉砕ミルを新設するに際し、その新設粉砕ミルの設計強度を、他の稼働中の粉砕ミルから評価する粉砕ミルの設計強度評価方法に関するものである。
石炭焚きボイラ設備などでは、原料となる石炭を細かく粉砕して微粉炭とするために微粉炭ミルが用いられている。
図7に示すように、微粉炭ミル71は、駆動装置72により回転駆動される回転テーブル73と、その回転テーブル73上に供給された原料(石炭)を粉砕する粉砕ローラ74とを備える。これら回転テーブル73および粉砕ローラ74は、ケーシング75で覆われており、粉砕ローラ74はローラピボット76を介してケーシング75に固定されている。
この微粉炭ミル71では、回転テーブルの上方に設けられた給炭管77から回転テーブル73上に原料を供給し、粉砕ローラ74を回転テーブル73に押し付けることで原料を粉砕している。所定粒径まで粉砕された原料は、ケーシング75下部に設けられた空気供給管78から供給される空気により吹上げられ、上方のセパレータ79に移動される。
このセパレータ79は、セパレータ駆動装置80により回転駆動されており、粉砕された原料はここで分級されて、微粉炭のみがケーシング75上部に設けられた微粉炭管81から排出され、残りは回転テーブル73に戻されて再び粉砕される。
この微粉炭ミル71のような粉砕ミルでは、回転テーブル73やセパレータ79の回転によりケーシング75が固有の振動数で振動しており、他方、粉砕ローラ74では、原料の粉砕により他の固有の振動数で振動している。そのため、図8に示すように、ケーシング75と粉砕ローラ74の接点であるローラピボット76には両振動が伝達され、ここに応力が集中してしまい、ローラピボット76に繰り返し応力がかかることによって疲労き裂が発生する。
また、空気供給管78には空気を供給するための空気供給ライン(図示せず)が接続されるが、この空気供給ラインは固定されているため、その接点である空気供給管78とケーシング75の接続部分にもき裂が発生する。
このようなローラピボット76や空気供給管78とケーシング75との接続部分などの応力集中部(クリティカルポイント)での疲労き裂の発生は不可避であり、事前にこれらを交換するため、粉砕ミルの寿命を予測できる設計強度評価方法が望まれている。
従来の粉砕ミルの設計強度評価方法としては、例えば、疲労センサや歪ゲージを用いて粉砕ミルの負荷状態を計測し、その結果に基づいて寿命を推定することで設計強度の評価を行う方法がある(例えば、特許文献1〜5参照)。
この方法では、疲労センサや歪ゲージを粉砕ミルの応力集中部に取り付けて原料供給量ごとの応力を測定し、その測定結果に基づいて応力−頻度ヒストグラムを作成すると共に、応力集中部での疲労強度線図(SN線図)を作成し、さらに、これらを用いて単位時間あたりの損傷度を算出し、算出した損傷度から粉砕ミルの寿命を推定している。
特開2006−329837号公報 特開2004−191340号公報 特開平10−185854号公報 特開2003−4599号公報 特開平6−323962号公報
ところで、応力−頻度ヒストグラムや疲労強度線図を作成した既設の粉砕ミルと同型の粉砕ミルを新設する場合には、その新設粉砕ミルの今後の運用条件を適用することで、新設ミルの寿命を推定することが可能ではあるが、ミル容量などの構造を変更した場合には、既設の粉砕ミルのデータをそのまま用いて新設粉砕ミルの寿命を評価することができないという問題がある。
すなわち、ミル容量などを変更した新設粉砕ミルでは、原料供給量ごとの応力分布も既設の粉砕ミルと相違するため、既設の粉砕ミルのデータをそのまま用いることができず、別途疲労センサや歪ゲージを応力集中部に取り付けてその負荷状態を測定しなければ、新設粉砕ミルの寿命を評価することができない。
しかし、新設粉砕ミルでこれらデータを採取できないときは、その寿命を評価することができないという問題がある。
新設粉砕ミルと同型で稼働中の既設粉砕ミルの負荷状態を計測し、その負荷状態から新設粉砕ミルの寿命を推定することも考えられるが、既設粉砕ミルはその大抵が既にクライアントに納入されており、稼働中の既設粉砕ミルの負荷状態を計測する機会を得ることは期待できない。よって、新設粉砕ミルと同型の実験用粉砕ミルを実際に作製してその負荷状態を計測するしかないが、それには莫大なコストがかかり現実的ではない。
そこで、本発明の目的は、過去に測定した異なる大きさの既設粉砕ミルの負荷状態のデータを用いて、そのデータから新設粉砕ミルの寿命を推定することが可能な粉砕ミルの設計強度評価方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、ケーシング内に回転自在に設けられた回転テーブルと、その回転テーブル上に回転自在に支持され、前記回転テーブル上に供給される原料を粉砕する粉砕ローラとを備えた粉砕ミルを新設するに際し、その新設粉砕ミルの設計強度を、他の稼働中の粉砕ミルから評価する粉砕ミルの設計強度評価方法において、前記新設粉砕ミルと同型の既設粉砕ミルでの負荷状態が直接計測できないとき、負荷状態が計測できる他の異なる大きさの既設の計測可能粉砕ミルを用いて、起動から停止までを1サイクルとしてその負荷状態を原料供給量と応力の関係で測定し、これをもとに前記計測可能粉砕ミルの応力−頻度ヒストグラムを作成すると共に、その計測可能粉砕ミルの損傷実績と一致する損傷度を得る疲労強度線図を求めておき、他方、前記新設粉砕ミルと同型の前記既設粉砕ミルの1サイクルでの原料供給量と運用時間を運用条件として、前記計測可能粉砕ミルを運転したときの前記既設粉砕ミルの仮の寿命を求めておき、その仮の寿命と実際の前記既設粉砕ミルの運用寿命から前記既設粉砕ミルの原料供給量ごとの応力−頻度ヒストグラムを作成し、その応力−頻度ヒストグラムを基に前記新設粉砕ミルの今後の運用条件を適用して、前記新設粉砕ミルの寿命を推定する粉砕ミルの設計強度評価方法である。
請求項2の発明は、前記計測可能粉砕ミルの応力−頻度ヒストグラムは、その計測可能粉砕ミルの応力集中部に疲労センサや歪ゲージを取り付け、その疲労センサや歪ゲージで測定した応力を基に作成される請求項1記載の粉砕ミルの設計強度評価方法である。
請求項3の発明は、前記計測可能粉砕ミルの疲労強度線図は、その計測可能粉砕ミルの応力集中部での疲労強度線図であり、その計測可能粉砕ミルの損傷実績と一致する損傷度を得るように作成される請求項1または2記載の粉砕ミルの設計強度評価方法である。
請求項4の発明は、前記既設粉砕ミルの仮の寿命は、前記計測可能粉砕ミルの応力−頻度ヒストグラムに前記既設粉砕ミルの運用条件を適用して仮の応力−頻度ヒストグラムを作成し、その仮の応力−頻度ヒストグラムから等価応力を求めると共に、その等価応力から単位時間当たりの損傷度を算出し、その損傷度に基づいて推定される請求項1〜3記載の粉砕ミルの設計強度評価方法である。
請求項5の発明は、前記既設粉砕ミルの応力−頻度ヒストグラムは、前記計測可能粉砕ミルの仮の寿命を前記既設粉砕ミルの運用寿命で除して発生応力係数を求め、この発生応力係数を前記計測可能粉砕ミルの応力−頻度ヒストグラムに乗ずることで作成される請求項1〜4いずれかに記載の粉砕ミルの設計強度評価方法である。
請求項6の発明は、前記発生応力係数は、前記既設粉砕ミルの仮の寿命から、最も短い時間で損傷が生じると仮定して求められる請求項5記載の粉砕ミルの設計強度評価方法である。
請求項7の発明は、前記新設粉砕ミルの寿命は、前記既設粉砕ミルの応力−頻度ヒストグラムに前記新設粉砕ミルの今後の運用条件を適用して前記新設粉砕ミルの応力−頻度ヒストグラムを推定し、その応力−頻度ヒストグラムから等価応力を求めると共に、その等価応力から単位時間当たりの損傷度を算出し、その損傷度に基づいて推定される請求項1〜6いずれかに記載の粉砕ミルの設計強度評価方法である。
本発明によれば、新設粉砕ミルと異なる大きさの既設の計測可能粉砕ミルの負荷状態のデータから、新設粉砕ミルと同型の既設粉砕ミルの負荷状態を推定することができ、その既設粉砕ミルの負荷状態から新設粉砕ミルの設計強度を推定することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
本発明は、過去に測定した既設の粉砕ミルの負荷状態のデータから新設粉砕ミルの設計強度を評価する方法であり、特に、新設粉砕ミルCと同型の既設粉砕ミルBでの負荷状態が直接計測できないときに、異なる大きさ(ミル容量あるいは処理量)ではあるが、負荷状態のデータを既に採取したか、あるいは採取可能な既設の計測可能粉砕ミルAの負荷状態から、新設粉砕ミルCの設計強度を評価する方法である。
図1は、本実施形態に係る粉砕ミルの設計強度評価方法のフローチャートである。
図1に示すように、本実施形態に係る粉砕ミルの設計強度評価方法は、負荷状態が測定可能な既設の計測可能粉砕ミルAの実機計測を行い、計測可能粉砕ミルAの負荷状態を計測する工程(ステップS1)と、その計測可能粉砕ミルAの負荷状態から、新設粉砕ミルCと同型の既設粉砕ミルBの負荷状態を推定する工程(ステップS2〜S6)と、その既設粉砕ミルBの負荷状態から新設粉砕ミルCの寿命を推定する工程(S7〜S10)とからなる。
まず、計測可能粉砕ミルAの負荷状態を計測する工程(ステップS1)について説明する。
ステップS1で用いる計測可能粉砕ミルAは、評価対象である新設粉砕ミルCとは大きさ(ミル容量あるいは処理量)が異なるものである。この計測可能粉砕ミルAとしては、例えば、実験用の小型粉砕ミルなどを用いてもよいし、実際に稼働中で負荷状態が計測可能な粉砕ミルを用いてもよい。
ステップS1では、計測可能粉砕ミルAの応力集中部(粉砕ローラのローラピボットなど)に疲労センサや歪ゲージを取り付け、起動から停止までを1サイクルとしてその負荷状態(応力)を測定する。その後、その測定結果をもとに、原料供給量ごとに図2に示すような応力−頻度ヒストグラムを作成する。
また、計測可能粉砕ミルAの運用実績(過去の損傷実績)から、計測可能粉砕ミルAの応力集中部での疲労強度線図(SN線図)を作成しておく。この疲労強度線図は、計測可能粉砕ミルAの損傷実績と一致する損傷度を得るように作成される。作成した計測可能粉砕ミルAの疲労強度線図の一例を図3に示す。
さらに、計測可能粉砕ミルAにおけるローラの使用時間による経年変化を予め設定しておく。これは、粉砕ミルのローラは使用時間(摩耗)によって発生応力レベルが変化するためである。
ローラの使用時間による経年変化を設定するには、まず、図4に示すように、起動から停止までの1サイクルでの新品ローラと摩耗ローラの発生応力レベルを測定する。本実施形態では、摩耗ローラとして26000時間使用したものを用いた。
その後、図4で測定したデータをもとに、新品ローラおよび摩耗ローラの1サイクル当たりの損傷度を求め、図5に示すようなローラ使用時間に対する1サイクルの損傷度のグラフを作成する。
次に、ステップS1で求めた計測可能粉砕ミルAの負荷状態から、新設粉砕ミルCと同型の既設粉砕ミルBの負荷状態を推定する工程(ステップS2〜S6)について説明する。
まず、ステップS2では、新設粉砕ミルCと同型であり、既に稼働している既設粉砕ミルBの運用条件を求める。ここで求める運用条件は、1サイクルでの原料供給量(ミル負荷)および運用時間(起動停止時間)である。既設粉砕ミルBは既に稼働しているため、これらの運用条件は容易に得ることができる。
ステップS3では、まず、ステップS1で得た計測可能粉砕ミルAの応力−頻度ヒストグラムに、ステップS2で得た既設粉砕ミルBの運用条件を適用して仮の応力−頻度ヒストグラムを作成する。
作成した仮の応力−頻度ヒストグラムと、ステップS1で得た疲労強度線図およびローラ使用時間による経年変化に基づいて、数(1)に示す式(1)
Figure 0005251308
により等価応力σv_eqを求める。
さらに、その等価応力σv_eqから数(2)に示す式(2)
Figure 0005251308
により単位時間当たりの損傷度D_hrを算出する。
その後、算出した損傷度D_hrに基づいて、既設粉砕ミルBの仮の寿命T'を推定する。
ここで、既設粉砕ミルBの仮の応力−頻度ヒストグラムは原料供給量ごとに作成されるため、それぞれの仮の応力−頻度ヒストグラムごとに既設粉砕ミルBの仮の寿命T'を求めることができるが、本実施形態では、最も短い時間で損傷が生じると仮定し、既設粉砕ミルBの仮の寿命T'として最も小さい値を採用する。
このステップ3で求めた既設粉砕ミルBの仮の寿命T'は、計測可能粉砕ミルAを既設粉砕ミルBの運用条件で稼働したときの寿命であり、実際の既設粉砕ミルBの寿命とは異なる。
ステップS4では、既設粉砕ミルBの運用実績から、既設粉砕ミルBの実際の運用寿命Tを求める。既設粉砕ミルBの運用寿命Tは、例えば、実際に既設粉砕ミルBの応力集中部にき裂が生じたときの時間(運用時間)や、ローラを交換した時間(運用時間)により得ることができる。
ステップS5では、ステップS3で得た既設粉砕ミルBの仮の寿命T'、およびステップS4で得た既設粉砕ミルBの運用寿命Tを用い、数(3)に示す式(3)
Figure 0005251308
により計測可能粉砕ミルAと既設粉砕ミルBの発生応力係数kを求める。
さらに、ステップS6では、ステップS5で得た発生応力係数kをステップS1で得た計測可能粉砕ミルAの応力−頻度ヒストグラムに乗ずることで、図6に示すような既設粉砕ミルBの応力−頻度ヒストグラムを作成する。
以上により、既設粉砕ミルBの負荷状態が得られる。既設粉砕ミルBの疲労強度線図およびローラ使用時間による経年変化については、ステップS1で得た計測可能粉砕ミルAと同じものを用いることができる。
次に、ステップS6で得た既設粉砕ミルBの応力−頻度ヒストグラムから、新設粉砕ミルCの寿命を推定する工程(ステップS7〜S10)について説明する。
まず、ステップS7では、新設粉砕ミルCの今後の運用条件を設定する。設定する運用条件は、1サイクルでの原料供給量(ミル負荷)および運用時間(起動停止時間)である。
ステップS8では、まず、ステップS6で得た既設粉砕ミルBの応力−頻度ヒストグラムに、ステップS7で設定した新設粉砕ミルCの運用条件を適用して新設粉砕ミルCの応力−頻度ヒストグラムを推定する。
この新設粉砕ミルCの応力−頻度ヒストグラムと、ステップS1で得た疲労強度線図およびローラ使用時間による経年変化に基づいて、ステップS3と同様に、数(4)に示す式(1)
Figure 0005251308
により等価応力σv_eqを求める。
さらに、その等価応力σv_eqから数(5)に示す式(2)
Figure 0005251308
により単位時間当たりの損傷度D_hrを算出する。
その後、算出した損傷度D_hrに基づいて、既設粉砕ミルCの寿命T'を推定する。
既設粉砕ミルCの応力−頻度ヒストグラムは原料供給量ごとに作成されるため、それぞれの応力−頻度ヒストグラムごとに新設粉砕ミルCの推定寿命T'を求めることができるが、ステップS3と同様に、本実施形態では、最も短い時間で損傷が生じると仮定し、新設粉砕ミルCの推定寿命T'として最も小さい値を採用する。
ステップS9では、新設粉砕ミルCの設計寿命Tを設定する。この設計寿命Tは、新設粉砕ミルCの要求設計寿命(例えば、ローラ交換時間)である。
ステップS10では、ステップS8で得た新設粉砕ミルCの推定寿命T'、およびステップS9で得た新設粉砕ミルCの設計寿命Tを用い、数(6)に示す式(4)
Figure 0005251308
により新設粉砕ミルCの設計許容度k’を求める。
この設計許容度k’が1以上(推定寿命T'≧設計寿命T)であれば、新設粉砕ミルCは要求設計寿命を満たすことになる。しかし、設計許容度k’が1未満(推定寿命T'<設計寿命T)の場合、要求設計寿命よりも早く疲労き裂が発生することになるので、新設粉砕ミルCの構造を見直す必要がある。
以上説明したように、本実施形態に係る粉砕ミルの設計強度評価方法では、新設粉砕ミルCと同型の既設粉砕ミルBでの負荷状態が直接計測できないときに、負荷状態が計測できる異なる大きさの既設の計測可能粉砕ミルAを用いて、その計測可能粉砕ミルAの応力−頻度ヒストグラムを作成し、この応力−頻度ヒストグラムに既設粉砕ミルBの運用条件を適用して、既設粉砕ミルBの仮の寿命を求めておき、その仮の寿命と実際の既設粉砕ミルBの運用寿命とから既設粉砕ミルBの応力−頻度ヒストグラムを作成し、さらに、その応力−頻度ヒストグラムに新設粉砕ミルCの今後の運用条件を適用して、新設粉砕ミルCの寿命を推定している。
計測可能粉砕ミルAの負荷状態(応力−頻度ヒストグラム、疲労強度線図、およびローラ使用時間による経年変化)は、一度求めておけば流用できる。よって、評価対象である新設粉砕ミルCと同型で既に稼働している既設粉砕ミルBの運用条件および運用実績さえ得られれば、新設粉砕ミルCの損傷度や寿命を推定し、設計強度を評価することが可能となる。
また、本発明によれば、新設粉砕ミルの負荷状態を実際に計測する必要がなくなり、負荷状態を計測するためのコストや作業時間を抑制することができる。
本発明の粉砕ミルの設計強度評価方法のフローチャートである。 本発明で作成する、計測可能粉砕ミルの応力−頻度ヒストグラムである。 本発明で作成する、計測可能粉砕ミルの疲労強度線図の一例である。 本発明で測定する、計測可能粉砕ミルの1サイクルでの新品ローラと摩耗ローラの発生応力レベルの変化を示す図である。 本発明で作成する、計測可能粉砕ミルのローラ使用時間による損傷度の経年変化を示す図である。 本発明で作成する、既設粉砕ミルの疲労強度線図である。 微粉炭ミルの概略断面図である。 図7の要部拡大斜視図である。
符号の説明
71 微粉炭ミル
72 駆動装置
73 回転テーブル
74 粉砕ローラ
75 ケーシング
76 ローラピボット
77 給炭管
78 空気供給管
79 セパレータ
80 セパレータ駆動装置
81 微粉炭管

Claims (7)

  1. ケーシング内に回転自在に設けられた回転テーブルと、その回転テーブル上に回転自在に支持され、前記回転テーブル上に供給される原料を粉砕する粉砕ローラとを備えた粉砕ミルを新設するに際し、その新設粉砕ミルの設計強度を、他の稼働中の粉砕ミルから評価する粉砕ミルの設計強度評価方法において、
    前記新設粉砕ミルと同型の既設粉砕ミルでの負荷状態が直接計測できないとき、負荷状態が計測できる他の異なる大きさの既設の計測可能粉砕ミルを用いて、起動から停止までを1サイクルとしてその負荷状態を原料供給量と応力の関係で測定し、これをもとに前記計測可能粉砕ミルの応力−頻度ヒストグラムを作成すると共に、その計測可能粉砕ミルの損傷実績と一致する損傷度を得る疲労強度線図を求めておき、他方、前記新設粉砕ミルと同型の前記既設粉砕ミルの1サイクルでの原料供給量と運用時間を運用条件として、前記計測可能粉砕ミルを運転したときの前記既設粉砕ミルの仮の寿命を求めておき、その仮の寿命と実際の前記既設粉砕ミルの運用寿命から前記既設粉砕ミルの原料供給量ごとの応力−頻度ヒストグラムを作成し、その応力−頻度ヒストグラムを基に前記新設粉砕ミルの今後の運用条件を適用して、前記新設粉砕ミルの寿命を推定することを特徴とする粉砕ミルの設計強度評価方法。
  2. 前記計測可能粉砕ミルの応力−頻度ヒストグラムは、その計測可能粉砕ミルの応力集中部に疲労センサや歪ゲージを取り付け、その疲労センサや歪ゲージで測定した応力を基に作成される請求項1記載の粉砕ミルの設計強度評価方法。
  3. 前記計測可能粉砕ミルの疲労強度線図は、その計測可能粉砕ミルの応力集中部での疲労強度線図であり、その計測可能粉砕ミルの損傷実績と一致する損傷度を得るように作成される請求項1または2記載の粉砕ミルの設計強度評価方法。
  4. 前記既設粉砕ミルの仮の寿命は、前記計測可能粉砕ミルの応力−頻度ヒストグラムに前記既設粉砕ミルの運用条件を適用して仮の応力−頻度ヒストグラムを作成し、その仮の応力−頻度ヒストグラムから等価応力を求めると共に、その等価応力から単位時間当たりの損傷度を算出し、その損傷度に基づいて推定される請求項1〜3記載の粉砕ミルの設計強度評価方法。
  5. 前記既設粉砕ミルの応力−頻度ヒストグラムは、前記計測可能粉砕ミルの仮の寿命を前記既設粉砕ミルの運用寿命で除して発生応力係数を求め、この発生応力係数を前記計測可能粉砕ミルの応力−頻度ヒストグラムに乗ずることで作成される請求項1〜4いずれかに記載の粉砕ミルの設計強度評価方法。
  6. 前記発生応力係数は、前記既設粉砕ミルの仮の寿命から、最も短い時間で損傷が生じると仮定して求められる請求項5記載の粉砕ミルの設計強度評価方法。
  7. 前記新設粉砕ミルの寿命は、前記既設粉砕ミルの応力−頻度ヒストグラムに前記新設粉砕ミルの今後の運用条件を適用して前記新設粉砕ミルの応力−頻度ヒストグラムを推定し、その応力−頻度ヒストグラムから等価応力を求めると共に、その等価応力から単位時間当たりの損傷度を算出し、その損傷度に基づいて推定される請求項1〜6いずれかに記載の粉砕ミルの設計強度評価方法。
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