JP5250478B2 - 廃棄物の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、廃棄物の処理方法に関し、特に、水銀化合物等で汚染された廃棄物の処理方法に関する。
従来から、焼却による水銀の処理方法として、洗浄塔や活性炭フィルタを使用した方法が知られている。洗浄塔を使用した方法では、水銀を水溶性の化合物である塩化水銀(II)に変換しなければならないので、そのためのプロセスが追加で必要となる。また、水銀と塩素は、水やエタノールに可溶な塩化水銀(II)として非常に結合しやすい性質を有している。この処理方法では、水銀の回収率が90%と比較的高いが、塩化水銀(II)が猛毒であることに加えて、塩化水銀(II)を回収した洗浄水から水銀を回収し直さなければならないという問題がある。一方、活性炭フィルタを使用した方法によっても、水銀を100%回収出来るわけではなく、回収した水銀化合物の形態によっては有毒な場合がある。
また、従来から、廃棄物焼却炉で発生するダイオキシン類等の有毒物質の処理方法として、吸着剤を用いた方法が提案されている。また、有毒物質の除去に使用された使用済み吸着剤を再生処理する方法として、水銀等を含んだ吸着剤に対して、雰囲気温度300℃、窒素雰囲気下で加熱処理を行い、吸着剤から水銀等をガス中に脱離させる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−167395号公報
上述したように、従来のような洗浄塔や活性炭フィルタを使用した水銀の処理方法では水銀の効果的な回収が難しいという問題がある。また、特許文献1に開示された処理方法では、吸着剤から脱離させた水銀をガス中から効率良く且つ安全な状態で回収できないという問題があった。
本発明の目的は、廃棄物に付加した爆薬を爆破容器の内部で爆破させることにより、廃棄物に含まれる有毒物質を、効率良く且つ安全な状態で回収可能な廃棄物の処理方法を提供することである。
第1の発明に係る廃棄物の処理方法は、水銀及び塩素を含む廃棄物に塩素固定化剤及び爆薬を添加した後、耐圧容器の内部で当該廃棄物を爆破処理する。
この廃棄物の処理方法では、水銀及び塩素を含む廃棄物を耐圧容器の内部で爆破処理することにより、耐圧容器内部のガス中に水銀が移行することを抑制できるので、大半の水銀を爆破残渣として容易に回収することができる。また、この爆破処理によって水銀の磁性を反転させることができるので、爆破残渣中の水銀を磁石で容易に回収することができる。さらに、この爆破処理によって、廃棄物中の塩素と塩素固定化剤とを化学反応させることができるので、出来るだけ無害な毒性の低い物質を爆破処理後の化合物として回収できると共に、塩素と水銀が結合することを防ぐことができるので、毒性の高い塩化水銀の生成を回避することができる。
なお、本発明において、「水銀及び塩素」の「水銀」には、Hgの他にも、HgCl、HgCl、HgCl、HgO及び(CHHg等の水銀化合物が含まれるものとする。また、本発明において、「水銀及び塩素」の「塩素」には、Clの他にも、HgCl、HgCl及びHgCl等の塩素化合物が含まれるものとする。
第2の発明に係る廃棄物の処理方法は、第1の発明に係る廃棄物の処理方法において、廃棄物にさらに硫黄化合物を添加した後に爆破処理する。
この廃棄物の処理方法では、廃棄物に硫黄化合物を添加することにより、爆破処理後の水銀が硫黄と比較的結びつき易い傾向にあることを利用して、硫化水銀を積極的に作り出すことができるので、出来るだけ無害な毒性の低い物質を爆破処理後の化合物として回収することができる。
第3の発明に係る廃棄物の処理方法は、第1または第2の発明に係る廃棄物の処理方法において、塩素固定化剤は、硝酸カリウムまたは硝酸ナトリウムである。
この廃棄物の処理方法では、廃棄物に硝酸カリウムまたは硝酸ナトリウムの硝酸塩を塩素固定化剤として添加することにより、爆破処理によって、廃棄物中に含まれるHgCl、HgCl及びHgCl等の塩素化合物と、硝酸カリウム(KNO)または硝酸ナトリウム(NaNO)とを化学反応させることができるので、出来るだけ無害な毒性の低い塩化カリウム(KCl)や塩化ナトリウム(NaCl)を爆破処理後の化合物として回収することができる。
第4の発明に係る廃棄物の処理方法は、第1〜第3のいずれかの発明に係る廃棄物の処理方法において、廃棄物中の塩素を全量固定するために設定した物質量の塩素固定化剤を廃棄物に添加する。
この廃棄物の処理方法では、爆破処理によって、廃棄物中に含まれる全ての塩素を塩素固定化剤と化学反応させることができるので、塩素と水銀が結合することを確実に防ぐことができ、非常に毒性の高い塩化水銀の生成を確実に抑制することができる。
なお、本発明において、「全量固定」とは、廃棄物に添加する塩素固定化剤の添加量を、爆破処理系内にある全ての塩素を出来るだけ無害な毒性の低い化合物として回収可能な添加量に設定することを意味する。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、水銀及び塩素を含む廃棄物を耐圧容器の内部で爆破処理することにより、耐圧容器内部のガス中に水銀が移行することを抑制できるので、大半の水銀を爆破残渣として容易に回収することができる。また、この爆破処理によって水銀の磁性を反転させることができるので、爆破残渣中の水銀を磁石で容易に回収することができる。さらに、この爆破処理によって、廃棄物中の塩素と塩素固定化剤とを化学反応させることができるので、出来るだけ無害な毒性の低い物質を爆破処理後の化合物として回収できると共に、塩素と水銀が結合することを防ぐことができるので、毒性の高い塩化水銀の生成を回避することができる。
また、第2の発明では、廃棄物に硫黄化合物を添加することにより、爆破処理後の水銀が硫黄と比較的結びつき易い傾向にあることを利用して、硫化水銀を積極的に作り出すことができるので、出来るだけ無害な毒性の低い物質を爆破処理後の化合物として回収することができる。
また、第3の発明では、廃棄物に硝酸カリウムまたは硝酸ナトリウムの硝酸塩を塩素固定化剤として添加することにより、爆破処理によって、廃棄物中に含まれるHgCl、HgCl及びHgCl等の塩素化合物と、硝酸カリウム(KNO)または硝酸ナトリウム(NaNO)とを化学反応させることができるので、出来るだけ無害な毒性の低い塩化カリウム(KCl)や塩化ナトリウム(NaCl)を爆破処理後の化合物として回収することができる。
また、第4の発明では、爆破処理によって、廃棄物中に含まれる全ての塩素を塩素固定化剤と化学反応させることができるので、塩素と水銀が結合することを確実に防ぐことができ、非常に毒性の高い塩化水銀の生成を確実に抑制することができる。
本実施形態に係る廃棄物の処理方法で爆破処理を行う爆破処理施設の概略構成を示した説明図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る廃棄物の処理方法の一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係る廃棄物の処理方法で爆破処理を行う爆破処理施設の一例について、図1に基づいて説明する。図1は、爆破処理施設の概略構成を示した説明図である。図1に示すように、爆破処理施設1は、耐爆容器(耐圧容器)10と、爆破処理後のガスを処理するためのオフガス処理装置20と、爆破処理後のカーボンダスト中に含まれる水銀成分を分離するための遠心分離機30とを主要な構成として備えている。
耐爆容器10は、鉄等により形成された防爆構造の耐圧容器であり、内部で廃棄物を爆破処理する際に、その爆圧に耐えられるように堅固に構成されている。この耐爆容器10には、着脱可能な耐圧蓋が備えられており、耐圧蓋を容器本体から取り外した状態とすることで、廃棄物を容器内部に搬入可能な構成となっている。そして、廃棄物を容器内部に搬入し、固定手段を用いて耐爆容器10の内部に固定することにより、前記の耐圧蓋を本体に取り付けると、容器内部が密閉状態となり、この密閉状態で廃棄物を爆破処理可能な構成となっている。
また、耐爆容器10には、爆破処理前後の各作業において、耐爆容器10の内部に空気や水、あるいは洗浄剤等を注入可能な複数の注入口や、廃液を排出可能な排水口が設けられている。なお、耐爆容器10の外部には、容器内部に装着した爆薬に点火するための点火装置が設けられており、遠隔操作により爆破処理が行えるようになっている。
次に、上述の爆破処理施設1における廃棄物の処理工程1〜6について順番に説明する。
(工程1)
まず、塩化水銀(II)(HgCl)等の水銀化合物を含む廃棄物を処理容器に収容する(図1中の矢印1)。なお、本発明は、この塩化水銀(II)(HgCl)の他にも、Hg、HgCl、HgCl、HgO及び(CHHg等の水銀化合物を含む廃棄物の処理に適用可能である。このとき使用する処理容器は、二次廃棄物を軽減する観点から、ペットボトル等の薄い材質で、且つ、爆破処理により有毒物を発生させないものを使用することが望ましい。このとき、廃棄物に対して、硝酸カリウム(KNO)や硝酸ナトリウム(NaNO)等のアルカリ金属系の硝酸塩(塩素固定化剤)を添加する(図1中の矢印2)。このような添加は、例えば、廃棄物中に含まれる水銀化合物が塩化水銀(II)であれば、毒性が非常に強いので、塩化水銀(II)中の塩素を回収することにより、別の毒性の低い塩化カリウム(KCl)や塩化ナトリウム(NaCl)等の物質に変えることを目的として行われる。
このとき、廃棄物に添加する塩素固定化剤の添加量の目安は、塩化水銀(II)等の水銀化合物中の塩素量と、その他廃棄物中に含まれる塩素化合物(MCl)の塩素量の全てを回収可能な添加量に設定することが望ましい。具体的な設定方法は、以下の化学反応式(1)、(2)に示すように、塩素化合物(MCl)と塩化水銀(II)の各物質量が1モル(mol)ずつあるとするなら、塩素固定化剤である硝酸カリウム(KNO)の物質量を3モル(mol)に設定する。
具体的には、以下の算出式(3)、(4)に基づいて硝酸カリウム(KNO)の添加量を算出する。なお、実際は、塩素化合物(MCl)や塩化水銀(II)のそれぞれの物質量(mol)を見積もり、見積もった物質量(mol)に応じて塩素固定化剤の添加量(g)を設定する。
2KNO+HgCl→2KCl+Hg+・・・(1)
KNO+MCl→KCl+M+・・・(2)
KNOの添加量(g)/KNOの組成式量:廃棄物中のHgClの含有量(g)/HgClの組成式量=2:1・・・(3)
KNOの添加量(g)/KNOの組成式量:廃棄物中のMClの含有量(g)/MClの組成式量=1:1・・・(4)
また、廃棄物にさらに硫黄系化合物を添加することが望ましい。この硫黄系化合物の具体例としては、2−クロロエチルエチルスルフィド(以下では、「CEES」と記す)、マスタード、硫酸等を挙げることができる。なお、このような添加は、爆破処理後の水銀が他の物質と反応しやすい傾向にあり、硫黄(S)と比較的結びつきやすいことや、硫化水銀(HgS)の毒性がかなり低いことから、爆破処理後の化合物として、毒性の低い硫化水銀を積極的に生成することを目的として行われる。
(工程2)
次に、廃棄物を収容した処理容器に対して補助爆薬(爆薬)を装着し、この補助爆薬に雷管を接続し、発破母線でつなぐ(図1中の矢印3)。なお、塩素固定化剤や硫黄系化合物を廃棄物に添加する方法には、上述したような塩素固定化剤や硫黄系化合物を廃棄物に対して直接添加する方法の他に、塩素固定化剤や硫黄系化合物を予め含ませておいた補助爆薬を廃棄物に対して添加する方法が含まれる。
(工程3)
次に、耐圧蓋を容器本体から取り外した状態で耐爆容器10の内部に処理容器を装着し、その後、耐圧蓋を本体に取り付けることにより、耐爆容器10の内部を密閉状態とする。
(工程4)
次に、処理容器に装着した補助爆薬を起爆し、廃棄物を爆破する。この爆破によって、廃棄物中の有機有毒物等は原子レベルに分解され且つ無害化される。このように分解された各成分は、水素、一酸化炭素または二酸化炭素等と結合するか、あるいは、未燃カーボンとして耐爆容器10の内部に爆破残渣として残る。
このとき、塩化水銀(II)等の水銀化合物についても同様に、原子レベルに分解され、分解された各成分は、塩素、硫黄または酸素等の結合し易い物質と再結合していく。先に述べた塩素固定化剤の添加量を十分な量に設定した場合、爆破処理系内にある塩素は優先的にアルカリ金属と結合するので、塩素が水銀と再結合することによる塩化水銀(II)の生成を防ぐことができる。
また、この爆破処理では、水銀のガス中への移行率は、オリジナル水銀の0.007%程度と大変小さく、大半の水銀が耐爆容器10の内部に爆破残渣として残る(図1中の矢印4)。この爆破残渣は、有機物由来の未燃カーボンダストと、その他の金属残渣とに分けることができる。また、この爆破残渣には、約数%の金属水銀(Hg)に加えて、硫化水銀(HgS)や酸化水銀(HgO)等の水銀化合物が含まれている。
(工程5)
次に、爆破処理により発生した爆破後ガスをオフガス処理装置30でオフガス処理する(図1中の矢印5)。なお、爆破処理によって廃棄物中の水銀が少なくなっているので、水銀が大気中に放散する可能性は低い。そして、爆破後ガスを処理した後に、耐爆容器10の耐圧蓋を開ける。
(工程6)
次に、耐爆容器10の内部から爆破残渣を回収する。ここでは、電磁石を用いた回収工程(以下の工程6−1)と、遠心分離機を用いた回収工程(以下の工程6−2)とを組み合わせて、爆破残渣中から金属水銀や水銀化合物を回収する方法について説明する。
(工程6−1)
爆破残渣中の金属水銀は、爆破処理によって磁化されているため、電磁石を用いて容易に回収することができる(図1中の矢印6)。なお、金属水銀を回収する金属容器には、アマルガム(amalgam)が生成されない金属容器を使用する。
(工程6−2)
爆破残渣中の水銀化合物は、耐爆容器10の内壁に残りやすいので、当該内壁の表面を布材等で十分にワイプ処理する(図1中の矢印7)。そして、ワイプ処理した布材等を水または試薬で洗浄することにより(図1中の矢印8)、水銀化合物を水または試薬に移行させた後に、水または試薬を遠心分離機にかけて水銀化合物を取り除く(図1中の矢印9)。水銀化合物は分子量の差が大きいので、遠心分離機にて分離可能である。
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、本実施例に限定されるものではない。
本実施例では、水銀化合物を含む廃棄物として、現在も処理が続けられているアメリカの化学剤の1つであるマスタードに着目した。このマスタードには、化学剤合成時に触媒として使用した塩化水銀(II)(HgCl)が取り残されている。そして、このマスタードを爆破処理し、爆破処理後の水銀化合物の状況を確認することで、本発明を見出すに至った。なお、水銀化合物の急性毒性を、表1として下記に示す。
表1に示すように、水銀化合物には、塩化水銀(II)(HgCl)以外にも、HgClやHgClがあるが、本発明はこれらの水銀化合物にも適用可能である。
Figure 0005250478
(実験条件)
次に、本発明の実験条件について具体的に説明する。
(条件1)
今回、有毒廃棄物として、化学剤のマスタードを模擬した有機物であるCEESを使用し、このCEESに水銀化合物として塩化水銀(II)(HgCl)を含有させた状態で爆破処理を行った。なお、マスタード及びCEESの各分子式を、表2として下記に示す。この表2からも明らかなように、これらのマスタード及びCEESには、硫黄分(S)が含まれている。
Figure 0005250478
(条件2)
次に、本発明の実験条件を、表3として下記に示す。
(条件2−1)
表3に示すように、CEESに含有させる塩化水銀(II)(HgCl)の量は、定量できる量として0.6gに設定した。
(条件3)
表3に示すように、CEESに添加する高性能爆薬(PETN)の爆薬量の目安は、これまでの知見を踏まえ、CEESとの重量比で1:1とした。
(条件4)
表3に示すように、塩素固定化剤としてCEESに添加する硝酸カリウム(KNO)は、爆破処理系内にある全ての塩素を回収する目的で添加量を設定した。より具体的には、CEESと塩化水銀(II)に含まれる全ての塩素を、塩化物として固定して回収可能な添加量(1.1g)を設定した。
(条件5)
また、酸素をCEESに添加すると、CEESの分解率が向上するだけでなく、爆破残渣中の未燃カーボンの量を少なくできるため、表3に示すように、酸素量はできるだけ多く設定した。
(その他)
なお、本発明の比較例として、CEESに塩素固定化剤及び酸素を添加しない状態で爆破処理を行い(表3中の爆破 ♯1)、CEESに塩素固定化剤及び酸素を添加した状態(表3中の爆破 ♯2、♯3)との差を確認した。
Figure 0005250478
(実験結果から得られた知見)
爆破処理後において、ガス中の水銀量とガス成分とを測定した。この測定結果を、表4として下記に示す。表4に示すように、ガス中の水銀量とオリジナルの水銀との比率は、0.007%以下となり、耐爆容器10内部のガス中への水銀移行がほとんどなく、ガス中の水銀量が少ないことが判明した。したがって、大半の水銀が爆破残渣として残っていることが想定される。
Figure 0005250478
ただし、ワイプ処理による水銀の回収結果を示した下記の表5によれば、爆破残渣中の回収率は81%、84%となっている。
Figure 0005250478
また、塩化水銀(II)がエタノールに可溶である性質を利用して、エタノール抽出した液体中の水銀濃度を測定することにより、元の塩化水銀(II)の量を測定した。その測定結果を表6として下記に示す。この表6に示すように、塩化固定化剤を使用しない場合(表6中の爆破 ♯1)と、塩化固定化剤を使用した場合(表6中の爆破 ♯2、3)とでは、後者の場合に、塩化水銀(II)が再合成する比率が低いことが判明した。
Figure 0005250478
なお、塩素固定化剤を添加して還元状態であれば実験条件では生成エネルギーの観点からは硫化水銀が出来やすい。
また、爆破後の内壁に金属水銀が表面張力で丸くなっているものを見ることが出来るが、これらの金属水銀は磁性が反転しているため、磁石による回収が可能である。
[本実施形態の廃棄物の処理方法の特徴]
以上、本実施形態の廃棄物の処理方法では、塩化水銀(II)を含有するCEES(廃棄物)を耐爆容器10の内部で爆破処理することにより、耐爆容器10内部のガス中への水銀移行を抑制できるので、大半の水銀を爆破残渣として容易に回収することができる。
また、本実施形態の廃棄物の処理方法では、爆破により水銀の磁性を反転させることができるので、爆破残渣中の水銀を磁石で容易に回収することができる。
また、本実施形態の廃棄物の処理方法では、CEES及び塩化水銀(II)に含まれる塩素と、硝酸カリウム(KNO)や硝酸ナトリウム(NaNO)等のアルカリ金属系の硝酸塩(塩素固定化剤)と、を化学反応させることができるので、出来るだけ無害な毒性の低い塩化カリウム(KCl)や塩化ナトリウム(NaCl)等の物質を回収できると共に、この化学反応により、塩素と水銀が結合することを防ぐことができるので、毒性の高い塩化水銀(II)の再合成を回避することができる。
また、本実施形態の廃棄物の処理方法では、廃棄物に硫黄化合物を添加することにより、爆破処理後の水銀が硫黄と比較的結びつき易い傾向にあることを利用して、硫化水銀(HgS)を積極的に作り出すことができるので、出来るだけ無害な毒性の低い物質を爆破処理後の化合物として回収することができる。
また、本実施形態の廃棄物の処理方法では、塩素固定化剤としてCEESに添加する硝酸カリウム(KNO)の添加量を、爆破処理系内にある全ての塩素を出来るだけ無害な塩化カリウム(KCl)として回収可能な添加量に設定することにより、爆破処理系内にある塩素が水銀と再結合することによる塩化水銀(II)の再合成を確実に抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 爆破処理施設
10 耐爆容器(耐圧容器)
20 オフガス処理装置
30 遠心分離機

Claims (4)

  1. 水銀及び塩素を含む廃棄物に塩素固定化剤及び爆薬を添加した後、耐圧容器の内部で当該廃棄物を爆破処理することを特徴とする廃棄物の処理方法。
  2. 前記廃棄物にさらに硫黄化合物を添加した後に爆破処理することを特徴とする請求項1記載の廃棄物の処理方法。
  3. 前記塩素固定化剤は、硝酸カリウムまたは硝酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の廃棄物の処理方法。
  4. 前記廃棄物中の塩素を全量固定するために設定した物質量の塩素固定化剤を前記廃棄物に添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の廃棄物の処理方法。
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