JP5249163B2 - 印判 - Google Patents
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Description
本発明において、「上方」、「上端」とは支持枠体側を指し、「下方」、「下端」とは印字面側を指す。
従前公知のロール式の印判の中には、印面の頭出しの位置(印面の始点)を定めるために、ロール体と支持枠体との間に係脱機構を有するものや(特許文献1)、ロール体を印字開始位置に付勢する付勢手段として渦巻きばねを用いたものが知られている(特許文献2)。
特許文献2のロール式の印判は、ロール体を印字開始位置に付勢する付勢手段を有するため、確かに自動で頭出しできるものであるが、付勢手段としての渦巻きばねは、ロール体と支持筒との間に保持されているため、ロール体の回転回数に制限がある。特許文献2のロール式の印判は、ロール体の回動範囲が規制されており、現に、1回転分しか捺印できない。そうすると、数回転分捺印したい使用者は、一回毎捺印面から印面を離して、所望の回数捺印をしなければならないため、不便さが残っていた。
また、第2の発明は、前記斜板カムの頂部を凸状に下部を凹状に形成したことを特徴とする第1の発明の印判である。
また、斜板カムの下部を凹状に形成したため、印字面の始点の位置を明確にすることができる。また、斜板カムの頂部を凸状に形成したため、摺接部がより素早く円滑に斜板カム上を摺動することができ、印字面の始点の位置への復帰が迅速に行われる。
ロール体1は、表面に印字体2を有する略円筒体で、内周面に設けた梁体14を介して軸部11を設ける。軸部11は、前記円筒体の中心軸上にあり、前記梁体14の両面から突設させる。これにより、軸部11は、ロール体1の両側に設けられることになる。
また、印字体2は、連続気泡を有する熱可塑性樹脂多孔質体である印材に、赤外線を吸収して発熱する物質により文字・図形等を描出した原稿を当接させ、前記原稿側から赤外線を照射することによって作製した印面や、熱可塑性樹脂の多孔質印材に発熱材微粉末を混在させ、原稿シートを使用し赤外線照射を行い作製した印面を用いることができる。この場合、赤外線による発熱によって、前記多孔質体の孔が溶融して塞がれることで、印字面21を作製することができる。
前記ロール体1には、前記印字体2を固定するものであるが、シート状の印字体2の端面同士を予め貼り合せて筒状にしてからロール体1に嵌め込む方法や、シート状の印字体2をロール体に巻き付けてから端面同士を貼り合わせたり、固定したりする方法が考えられる。
また、印字体2をその印字面21のみが上端開口より露呈した状態に嵌装保持した枠部13を、ロール体1の両周端面に設けてもよい。
ただ、ロール体1に固定した後にインキを含浸する方が、インキで他を汚染することが少なく、有用である。
ここで、含浸するインキとしては、水性、油性、染料系、顔料系、を適宜採用することができる。
支持枠体3の下端面からは、印字面21が露呈される。図示しないが、支持枠体3の下端面に印字面21を保護するために、キャップ体を被嵌してもよい。
ここで、実施例では、切り溝をスライダー4に、突片を軸受け部31に設けたが、スライダーが軸受け部に対して摺動自在かつ回り止め状態に配設されればよいため、その関係は逆でもよい。
また、図示しないが、摺接部43の先端を回転体にしてもよい。回転体としては、球体や円筒体を回転可能に配設することができる。摺接部43の先端を回転体にすると、斜板カム12との摩擦が低減し、摺接部43が斜板カム12上を摺接し易くなる。
スライダー4は、常にロール体1の方向に付勢されているため、何ら外圧がない状態では、前記摺接部43は、斜板カム12のうち、下部12bに当接することになる。
図6Aは、何ら外圧がかかっていない状態のロール式の印判の状態であり、図6Bは、ロール体を途中で止めた状態を示すものである。図6Aの状態で、印字面21を紙等の被捺印面へ押圧して転動すると、ロール体1は、軸部11を中心に回転し、印字面21が被捺印面に押圧され転写される。
ロール体1が回転するとき、ロール体1と同様に回転する斜板カム12に当接する前記摺接部43は、斜板カム12上を摺動する。ロール体1を回転させると、摺接部43は、斜板カムの下部12bを始点として摺動を開始し、180°進むと頂部12aに到達し、さらに回転を進めると、360°進んだところで、下部12bの始点に戻る。これで、ロール体1は1回転する。ロール体1を多数回回転させる場合は、この作業を繰り返せばよい。この際、摺接部43を有するスライダー4は、前記復帰バネの付勢力に抗いながら、支持枠体3に向かって直線的に摺動し、傾斜カムを有するロール体1は回転する。また、本スタンプは、ロール式の印判であるため、当然、印字面の始点22は、同時に印字面の終点でもある。
摺接部43が斜板カムの下部12bに位置するとき、被捺印面に押圧される印字面21は、印字面の始点22となるように設計する。印字面の始点22とは、例えば印字面が「取扱注意」等の鏡像文字の場合、「取」の鏡像文字の右端がその始点となる。
こうすると、何ら外圧がかかっていない状態のとき、図6Aに示す通り、摺接部43が斜板カムの下部12bに位置し、被捺印面に押圧される印字面21は、印字面の始点22に位置することになる。
このような場合に、印字面21の被捺印面への押圧を解くと、印字面は、印字面の始点22に自動的に復帰する。
図6Bの位置は、前記摺接部43が、斜板カムの下部12b以外の位置で当接している状態を示している。この位置で、被捺印面への押圧を解くと、摺接部43は、復帰バネの付勢力によって斜板カムの方向に常時付勢されているため、摺接部43は、斜板カムの傾斜面に沿って、斜板カムの下部12bまで摺動する。そして、印字面は、印字面の始点22に復帰することになる。
この作用は、直線往復運動を回転運動に変換するカムの原理を応用したものである。ロール体1が、被捺印面へ押圧されながら回転運動するときは、前記スライダー4が直線往復運動を繰り返す。そして、一度押圧が解除されると、復帰バネ5の付勢力により、スライダー4は直線往復運動の起点(斜板カムの下部12b)に自動的に移動し、その際、この起点への直線運動が、摺接部43から斜板カムを介して、ロール体1への回転運動に変換される。
前記斜板カム12の頂部12aを凸状に下部12bを凹状に形成する。
このように構成した、第2の実施例の場合、印字面の始点22への復帰がより容易に行われる。
まず、下部12bを凹状に形成すると、その位置が明確になり、摺接部43が下部12bに収まり易くなるため、当然に印字面の始点22の位置もより正確になる。
また、頂部12aを凸状に形成すると、頂部12a近辺で、摺接部43が止まった状態で被捺印面への押圧が解除された場合、より素早く円滑に、摺接部43が斜板カム上を摺動し、下部12bまで復帰する。
11 軸部
12 斜板カム
12a頂部
12b下部
13 枠部
14 梁体
2 印字体
21 印字面
22 印字面の始点
3 支持枠体
31 軸受け部
32 突片
4 スライダー
41 切り溝
42 フランジ
43 摺接部
5 復帰バネ
Claims (2)
- 両側に軸部を設け、表面に印字体を有したロール体と、
前記軸部を支持枠体の軸受け部に回転可能に軸支させた印判であって、
前記軸受け部に、復帰バネを介してスライダーを摺動自在かつ回り止め状態に配設し、
前記軸部の周縁に斜板カムを設け、
前記スライダーのうち、前記復帰バネが当接する面とは反対の位置に、前記斜板カムと摺接する摺接部を設けたことを特徴とする印判。 - 前記斜板カムの頂部を凸状に下部を凹状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の印判。
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