JP7009921B2 - 反転式印判 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1に記載の印判は左右方向のブレを防止することができないため、激しい操作で押印した場合には左右方向のブレを防止できず鮮明な捺印を確保することができないという問題があった。
しかしながら、特許文献2、3に記載のものは、成型品の材料疲労による印字体ホルダーのガタツキや、成型品の寸法誤差などによって印字体ホルダーが気密室をズレなく塞ぐことができず、気密室が高い気密性を保持できずに、インキパッド中のインキが揮発するという問題があった。
図1は、本発明に係る反転式印判の一例を示す分解斜視図である。図において、1は外枠体、2はこの外枠体1にガイドされてコイルスプリングのような弾性部材3の付勢下で上下自在にスライド移動する内枠体である。また、4は前記外枠体1に枢着される印字体ホルダー、5は前記内枠体2内に内蔵されるインキパッド、6は前記内枠体2のスライド移動により前記印字体ホルダー4を反転させる反転機構であり、以上の構成は反転式印判の基本的な構成である。
なお、図7および図8に示すものでは、枠体2に突起12aを設け印字体ホルダー4に縦溝12bを設けたものとしたが、この逆であってもよいことは勿論である。
図2は反転式印判の正面断面図、図3は側面断面図、図4は外枠体と内枠体の組み付け状態を示す斜視図である。
前記外枠体1の上端は開口されて蓋体1aで閉蓋自在となっており、内部には弾性部材3を介して内枠体2がその付勢下で上下方向にスライド移動可能に挿入されている。また、前記内枠体2の上端には、インキパッド5を収納するパッドホルダー7が取り付けられている。なお、このパッドホルダー7の上面は、前記弾性部材3の下端部の受け面部となっている。
また、パッドホルダー7の外周面上端部には突起7aが設けられており、前記内枠体2の上端縁に設けられた凹部2aと係合することで両者が位置決め固定される構造となっている。
更に、印字体ホルダー4の底面(下面)には、逆V字状の歯板6aを立設した盤材6bが取り付けられている。前記歯板6aは反転機構6を構成する要素である。
即ち、印字体ホルダー4はピン8が縦溝10内を移動することで反転するように構成されているが、図5に示されるように、ピン8の上には板状突起4dが設けられており、この板状突起4dが縦溝10の上下端部では水平状態となって縦溝内にぴったりと収まるように設計されており、印字体ホルダー4の前後方向へのガタつきを防止する構造となっている。なお、縦溝10の上下端部の近辺以外は、ピン8の直径に板状突起4dの厚み分を加えた幅となるように大きくなっており、印字体ホルダー4の反転動作が支障なく行える構造となっている。
更には、前記印字体ホルダー4の外周には、インキパッド5の収納部を密閉するためのOリング9が取り付けられているので、収納部の気密性を保持してインキの蒸発、および臭気の放出を極力防止することができる。
その後は、外枠体1を押し下げるのを止めると、弾性部材3の弾発力により内枠体2が下方向へ下降されて自動的に初期状態に復帰する。
参考例及び実施例の[A1]は、左右方向ブレ防止機構が、内枠体および印字体ホルダーに設けられた突起と縦溝を係合することにより印字体ホルダーの左右方向のブレを防止するもの(図7参照)、[A2]は、左右方向ブレ防止機構が、ラックに設けられた溝と歯板に設けられた突起を係合することにより印字体ホルダーの左右方向のブレを防止するもの(図1参照)、[B1]は、前後方向ブレ防止機構が、内枠体および印字体ホルダーに設けられた突起と縦溝を係合することにより印字体ホルダーの前後方向のブレを防止するもの(図8参照)、[B2]は、前後方向ブレ防止機構が、縦溝の端部における幅と板状突起の幅を同一の長さとすることにより印字体ホルダーの前後方向のブレを防止するもの(図1参照)、[C]は、印字体ホルダーの外周に、インキパッドの収納部を密閉するためのOリングが取り付けられているもの(図1参照)を示す。
捺印状態を目視確認して、インキパッド内のインキ溶剤が揮発し、捺印印影が読み取れない場合を×、インキパッド内のインキ溶剤が揮発、捺印印影が読み取りにくい場合を△、インキパッド内のインキ溶剤の揮発がなく、捺印印影が鮮明に完全に読み取れた場合を○と評価した。
[表1]の断続捺印試験結果から、実施例のものは溶剤に揮発が抑えられていずれも印面を読み取ることができることが確認できた。一方、比較例のものはブレが発生して印面が読み取れなかった場合があることが判明した。
また、別途捺印サイクルの影響確認試験を行った。前記の断続捺印試験に使用したインクパッド及び反転式印判を用いて捺印荷重5Kg、設置時間0.4秒で、捺印サイクルを適宜変更して、捺印試験を実施し、初期の捺印印影を評価した。得られた捺印サイクルの影響確認試験の結果を[表2]に示す。
捺印状態を目視検査して、印面ブレにより、捺印印影が読み取れなかった場合を×、印面が多少ブレることにより捺印印影読み取りにくい場合を△、印面のブレがなく捺印印影が鮮明に完全に読み取れた場合を○と評価した。
[表2]の捺印サイクルの影響確認試験結果から、実施例のものはブレの発生が抑えられていずれも印面を読み取ることができることが確認できた。一方、比較例のものはブレが発生して印面が読み取れなかった場合があることが判明した。
1a 蓋体
1b 孔
2 内枠体
3 弾性部材
4 印字体ホルダー
4a ホルダー本体
4b 印字体
4c 軸受部
4d 板状突起
5 インキパッド
6 反転機構
6a 歯板
6b 盤材
6c ラック
6d 溝
6e 突起
7 パッドホルダー
8 軸
9 Oリング
10 縦溝
11 ピン止め具
12a 突起
12b 縦溝
Claims (4)
- 外枠体と、この外枠体にガイドされて弾性部材の付勢下で上下自在にスライド移動する内枠体と、外枠体に枢着される印字体ホルダーと、前記内枠体内に内蔵されるインキパッドと、前記内枠体のスライド移動により前記印字体ホルダーを反転させる反転機構を備えた反転式印判であって、
印字体ホルダーの前後方向のブレを防止する前後方向ブレ防止機構と、左右方向のブレを防止する左右方向ブレ防止機構を設け、
反転機構は内枠体の内壁面に立設したラックと、このラックに歯合する印字体ホルダーの底面に立設した歯板とからなり、
左右方向ブレ防止機構が、前記ラックに設けられた溝と前記歯板に設けられた突起を係合することにより印字体ホルダーの左右方向のブレを防止するものであることを特徴とする反転式印判。 - 外枠体と、この外枠体にガイドされて弾性部材の付勢下で上下自在にスライド移動する内枠体と、外枠体に枢着される印字体ホルダーと、前記内枠体内に内蔵されるインキパッドと、前記内枠体のスライド移動により前記印字体ホルダーを反転させる反転機構を備えた反転式印判であって、
印字体ホルダーの前後方向のブレを防止する前後方向ブレ防止機構と、左右方向のブレを防止する左右方向ブレ防止機構を設け、
前後方向ブレ防止機構が、内枠体の側面の軸方向に設けられた一対の縦溝と、印字体ホルダーに設けられた一対の板状突起を係合するものであり、前記縦溝の端部における幅と前記板状突起の幅を同一の長さとすることにより印字体ホルダーの前後方向のブレを防止するものであることを特徴とする反転式印判。 - 左右方向ブレ防止機構と前後方向ブレ防止機構が、内枠体の上部と下部にそれぞれ設けられている請求項1または2に記載の反転式印判。
- 印字体ホルダーの外周に、インキパッドの収納部を密閉するためのOリングが取り付けられている請求項1~3のいずれかに記載の反転式印判。
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