JP5248359B2 - 樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
従来から、封止材の材料としては、エポキシ樹脂が多く用いられているが、性能面、特に耐光性に劣ることから、使用できる分野が限定されている。特に、ビスフェノールAグリシジルエーテル等の芳香環を持つエポキシ樹脂に関してはこの傾向が顕著である。
そこで、本発明においては、流動性に優れ、保存安定性が良好であり、その硬化物としたときには優れた耐光性及び耐冷熱衝撃性を発揮し得る樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とした。
(A)エポキシ樹脂と、下記式(1)で表されるアルコキシシラン化合物とを、共加水
分解縮合させる工程を有し、前記共加水分解縮合工程においては、縮合率78%以上の脱水を伴わない還流工程で生成する中間体を脱水縮合させることを特徴とする樹脂組成物の製造方法を提供する。
(B)n=1〜2であり、R1として、少なくとも1つの環状エーテル基を有する、少なくとも1種のアルコキシシラン化合物と、(C)n=1〜2であり、R1として、少なくとも1つのアリール基を有する、少なくとも1種のアルコキシシラン化合物とを含み、かつ、下記式(2)で表される(B)及び(C)の混合指標αが、0.001〜19である。
混合指標α=(αc)/(αb)・・・(2)
(式(2)中、αb:前記(B)成分の含有量(mol%)、αc:前記(C)成分の含有量(mol%))
混合指標β={(βn2)/(βn0+βn1)}・・・(3)
ここで、前記式(3)中、
βn2:前記式(1)において、n=2であるアルコキシシラン化合物の含有量(mol%)
βn0:前記式(1)において、n=0であるアルコキシシラン化合物の含有量(mol%)
βn1:前記式(1)において、n=1であるアルコキシシラン化合物の含有量(mol%)
であり、
0≦{(βn0)/(βn0+βn1+βn2)}≦0.1である。
混合指標γ=(γa)/(γs)・・・(4)
ここで、前記式(4)中、
γa:エポキシ樹脂の質量(g)、
γs:前記式(1)において、n=0〜2であるアルコキシシラン化合物の質量(g)、である。
また、優れた耐光性と耐冷熱衝撃性とを有する前記樹脂組成物の硬化物、さらには前記樹脂組成物の硬化物によりなる封止材が得られる。
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本実施形態の樹脂組成物の製造方法は、(A)エポキシ樹脂と、下記式(1)で表されるアルコキシシラン化合物とを、共加水分解縮合させる工程を有するものであり、前記共加水分解縮合においては、縮合率78%以上の中間体の脱水縮合を行う。
(B)n=1〜2であり、R1として、少なくとも1つの環状エーテル基を有する、少なくとも1種のアルコキシシラン化合物と、(C)n=1〜2であり、R1として、少なくとも1つのアリール基を有する、少なくとも1種のアルコキシシラン化合物とを含み、かつ、下記式(2)で表される(B)及び(C)の混合指標αが、0.001〜19である。
混合指標α=(αc)/(αb)・・・(2)
(式(2)中、αb:前記(B)成分の含有量(mol%)、αc:前記(C)成分の含有量(mol%))
「脱水を伴わない還流工程」とは、共加水分解のために配合した水や溶媒、及び、反応中に生じる、アルコキシシラン化合物由来の水や溶媒を、反応溶液に戻しながら反応を行う工程である。例えば、反応容器上部に冷却管を取り付け、生じた水や溶媒をリフラックスさせながら反応を行う。
「脱水縮合工程」とは、配合した水や溶媒、及び、上記「脱水を伴わない還流工程」で生じた水や溶媒を、除去しながら縮合反応を行う工程である。例えば、ロータリーエバポレータ等を用いて減圧蒸留することで、反応を行う。
中間体の縮合率が78%未満であると、その後の脱水縮合工程を経ても、製造した樹脂組成物中にはシリコーン由来のOH基が多く残留してしまい、残留OH基が保存中に縮合することで、樹脂組成物の顕著な増粘やゲル化を引き起こし、保存安定性が悪化するため望ましくない。
共加水分解縮合反応工程における加熱温度は、130℃以下が好ましく、0〜120℃がより好ましく、0〜100℃がさらに好ましい。
130℃を超えると、組成によっては樹脂組成物が変質する可能性がある。
また、共加水分解縮合の反応時間は、0.5〜24時間が好ましく、1〜12時間がより好ましい。反応時間が0.5時間未満であると、組成によっては未反応物質の残存量が多くなる場合がある。
(A)エポキシ樹脂とは、後述するアルコキシシラン化合物とその縮合物を除く、分子内にオキシラン環、通常は2個以上のオキシラン環を有する化合物を意味するものとし、この条件を満たすものであれば、特に限定されるものではない。
エポキシ樹脂は、単独で用いても複数を組み合わせて用いてもよい。
前記式(1)で示されるアルコキシシラン化合物との組成バランスによっては、エポキシ当量(WPE)が100g/eq未満であると、目的とする樹脂組成物の保存安定性が低下する場合があり、600g/eqを超えると、樹脂組成物の硬化物の冷熱衝撃性が悪化するおそれがある。
本実施の形態の樹脂組成物及び樹脂組成物の硬化物の用途は、特に限定されるものではないが、特に封止材として用いる場合には、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、100〜300g/eqであることが好ましい。
25℃における粘度が1000Pa・sを超えると、液体としての流動性を失い、後述するアルコキシシラン化合物との相溶性が悪化する傾向にある。
また、25℃における粘度が500Pa・sを超え、1000Pa・s以下である場合(500Pa・s<粘度≦1000Pa・s)には、製造時の温度調整や溶媒選択等により使用可能であるが、製造条件がやや限定される傾向があるため、500Pa・s以下であることが好ましい。
特に、容易に入手可能であり、目的とする本実施形態の樹脂組成物を硬化物としたとき良好な物性を有するという観点から、ポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂が好ましく、ポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂がより好ましい。
これらのエポキシ樹脂は、単独で使用しても、複数を組み合わせて使用してもよい。
ポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、特に限定されるものではなく、具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、ジメチル−4,4’−ビフェニルフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、2,6−ジ(t−ブチル)ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエンのポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記の中でも、透明性と流動性に優れるタイプのものが多く市販されており、安価に入手可能であることや、目的とする樹脂組成物を硬化物としたときに耐冷熱衝撃性に優れたものとなる傾向にあることから、ビスフェノールA骨格を有するフェノール類のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂が好ましい。
繰り返し単位が0.001未満であると、アルコキシシラン化合物との反応性が悪化する場合があり、50を超えると流動性が低下して、実用上問題となる場合がある。よって反応性と流動性とのバランスの観点から、繰り返し単位は0.01〜2が特に好ましい。
脂環式エポキシ樹脂としては、脂環式エポキシ基を有するエポキシ樹脂であれば、特に限定されるものではなく、例えば、シクロヘキセンオキサイド基、トリシクロデセンオキサイド基、シクロペンテンオキサイド基等を有するエポキシ樹脂が挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂の具体例としては、単官能脂環式エポキシ化合物として、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、ETHBが挙げられる。2官能脂環式エポキシ化合物としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルオクチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、1,2,8,9−ジエポキシリモネンが挙げられる。多官能脂環式エポキシ化合物としては、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキセン付加物等が挙げられる。多官能脂環式エポキシ化合物としては、エポリードGT300、GT400、EHPE3150等が挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂の代表的な例を、下記に示す。
ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物等が挙げられる。
ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂の代表的な例を、下記に示す。
芳香族エポキシ樹脂の核水素化物としては、特に限定されるものではなく、例えば、フェノール化合物(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェノール等)のグリシジルエーテル化物又は各種フェノール(フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等)の芳香環を核水素化したものや、ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物の核水素化物等が挙げられる。
脂肪族系エポキシ樹脂としては、特に限定されるものではなく、具体的には、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、キシリレングリコール誘導体等の多価アルコールのグリシジルエーテル類が挙げられる。
複素環式エポキシ樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、イソシアヌル環、ヒダントイン環等の複素環を有する複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
グリシジルエステル系エポキシ樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のカルボン酸類からなるエポキシ樹脂等が挙げられる。
グリシジルアミン系エポキシ樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、アニリン、トルイジン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン誘導体、ジアミノメチルベンゼン誘導体等のアミン類をグリシジル化したエポキシ樹脂等が挙げられる。
ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS、クロル化ビスフェノールA等のハロゲン化フェノール類をグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂等が挙げられる。
ポリオールとしては、分子中に2個以上のヒドロキシル基を有する化合物であれば、特に制限されず、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。
アルコキシシラン化合物は、1〜4個のアルコキシル基を有するケイ素化合物であり、下記一般式(1)で表される。
また、複数のR2は、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。
特に、炭素数10以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基がより好ましい。
また、これらアルキル基の、水素原子又は主鎖骨格の一部又は全部が、エーテル基、エステル基、カルボニル基、シロキサン基、フッ素等のハロゲン原子、メタクリル基、アクリル基、メルカプト基、アミノ基、ヒドロキシル基からなる群から選択された少なくとも1種の基で置換されていてもよい。
R2は、上記要件を満たすものであれば特に限定されるものではないが、特にメチル基、エチル基が好ましい。
そのようなシラン化合物の例としては、メチルトリクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ビニルトリクロロシラン等が挙げられる。
前記式(1)で示されるアルコキシシラン化合物の(B)成分は、前記式(1)において、n=1〜2であり、R1として、少なくとも1つの環状エーテル基を有する、少なくとも1種のアルコキシシラン化合物である。
環状エーテル基とは、環状の炭化水素の炭素を酸素で置換したエーテルを有する有機基であり、通常は、3〜6員環の構造を有する環状エーテル基を意味する。特に環歪みエネルギーが大きく、反応性の高い3員環又は4員環の環状エーテル基が好ましく、3員環のエーテル基が特に好ましい。
上記の中でも、特に、β−グリシドキシエチル基、γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基等のC1〜C3のアルキル基にオキシグリシジル基が結合したグリシドキシアルキル基、オキシラン基を持ったC5〜C8のシクロアルキル基で置換された炭素数3以下のアルキル基が好ましい。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記式(1)で示されるアルコキシシラン化合物の(C)成分は、前記式(1)において、n=1〜2であり、R1として、少なくとも1つのアリール基を有する、少なくとも1種のアルコキシシラン化合物である。
アリール基としては、これに合致するものであれば、特に限定するものではないが、高次構造における立体障害を考慮すると、フェニル基やベンジル基等が好ましい。
混合指標α=(αc)/(αb)・・・(2)
(式中、αb:(B)成分のmol%、αc:(C)成分のmol%)。
(B)成分/(C)成分の混合指標αは、0.001〜19の範囲とする。
混合指標αが0.001未満であると、本実施形態における樹脂組成物の流動性や保存安定性が低下し、19を超えると、本実施形態における樹脂組成物の流動性や、硬化物の耐冷熱衝撃性が悪化する。特に、封止材用途での使用を考慮した場合には、高い耐冷熱衝撃性が要求されるため、混合指標αは、0.2〜5であることが好ましく、0.3〜2であることがより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、上述した(A)〜(C)成分に加え、前記式(1)で表される化合物として、前記式(1)におけるR1の個数を示すnがn=0、すなわち(OR2)を4個有するアルコキシシラン化合物を更に加えて共加水分解縮合させてもよい。
(D)成分としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が挙げられる。これらは単独で用いても、複数を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態の樹脂組成物においては、上述した(B)〜(D)成分の他、前記式(1)で表されるアルコキシシラン化合物を、さらに加えて共加水分解縮合させてもよい。
このような化合物としては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ヒドロキシメチルトリメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、メチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メトキシジメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、ビス(2−クロロエトキシ)メチルシラン、エトキシトリメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、エトキシジメチルビニルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、クロロメチルジエトキシメチルシラン、メチルトリス(エチルメチルケトオキシム)シラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメトキシイソプロポキシシラン、ジエトキシジメチルシラン、3−[ジメトキシ(メチル)シリル]プロパン−1−チオール、トリメトキシ(プロピル)シラン、(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ブトキシトリメチルシラン、ブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メトキシルトリエトキシシラン、トリエトキシビニルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジメトキシルジプロポキシシラン、エチルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキシロキシトリメチルシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、イソシアン酸3−(トリエトキシシリル)プロピル、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、メトキシトリプロピルシラン、ジブトキシジメチルシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、オクチルオキシトリメチルシラン、ペンチルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルオキシトリメチルシラン、ジエトキシドデシルメチルシラン等が挙げられる。
混合指標β={(βn2)/(βn0+βn1)}・・・(3)
なお、上記式(3)中、
βn2:式(1)において、n=2であるアルコキシシラン化合物の含有量(mol%)、
βn0:式(1)において、n=0であるアルコキシシラン化合物の含有量(mol%)、
βn1:式(1)において、n=1であるアルコキシシラン化合物の含有量(mol%)、
をそれぞれ表し、0≦{(βn0)/(βn0+βn1+βn2)}≦0.1である。
本実施形態において、前記混合指標βは、0.01〜1.4が好ましく、0.03〜1.2がより好ましく、0.05〜1.0がさらに好ましい。
混合指標βが0.01未満であると、作製される樹脂組成物の流動性が悪化する傾向があり、1.4を超えると耐冷熱衝撃性が悪化する傾向がある。
混合指標γ=(γa)/(γs)・・・(4)
なお、上記式(4)中、
γa:エポキシ樹脂の質量(g)、
γs:一般式(1)において、n=0〜2であるアルコキシシラン化合物の質量(g)、をそれぞれ表す。
本実施形態の樹脂組成物において、前記混合指標γは、0.02〜15が好ましく、0.04〜7がより好ましく、0.08〜5がさらに好ましい。
混合指標γが0.02未満であると、樹脂組成物を硬化物としたとき、この硬化物としての接着性が悪化したり、硬度が低下したりする場合があり、15を超えると耐光性が悪化するおそれがある。
本実施形態においては、上述した(A)エポキシ樹脂とアルコキシシラン化合物との共加水分解縮合の工程の際、加水分解縮合触媒を加えて行ってもよい。
加水分解縮合触媒とは、従来公知の加水分解縮合反応を促進させるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、金属(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウム、ホウ素、カドミウム、マンガン、ビスマス等)、有機金属(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウム、ホウ素、カドミウム、マンガン、ビスマス等の有機酸化物、有機酸塩、有機ハロゲン化物、アルコキシド等)、無機塩基(水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、有機塩基(アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウム等)等が挙げられる。
有機錫とは、錫原子に少なくとも一つの有機基が結合しているものを意味し、構造としては、モノ有機錫、ジ有機錫、トリ有機錫、テトラ有機錫等が挙げられる。
有機錫としては、例えば、四塩化錫、モノブチル錫トリクロライド、モノブチル錫オキサイド、モノオクチル錫トリクロライド、テトラn−オクチルチン、テトラn−ブチルチン、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジバーサテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキシラウレート、ジブチル錫ステアレート、ジブチル錫ジオレート、ジブチル錫・ケイ素エチル反応物、ジブチル錫塩とシリケートの化合物、ジオクチル錫塩とシリケートの化合物、ジブチル錫ビス(アセチルアセトネート)、ジブチル錫ビス(エチルマレート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレート)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレート)、ジブチル錫ビス(ベンジルマレート)、ジブチル錫ビス(ステアリルマレート)、ジブチル錫ビス(オレイルマレート)、ジブチル錫マレート、ジブチル錫ビス(O−フェニルフェノキサイド)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルメルカプトアセテート)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルメルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(イソノニル3−メルカプトプロピオネート)、ジブチル錫ビス(イソオクチルチオグリコレート)、ジブチル錫ビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジオクチル錫オキサイド、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジドデシルメルカプト、ジオクチル錫バーサテート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ビス(エチルマレート)、ジオクチル錫ビス(オクチルマレート)、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫ビス(イソオクチルチオグリコレート)、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシルメルカプトアセテート)、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ジエトキサイド、ジブチル錫ジブトキサイド、ジオクチル錫ジメトキサイド、ジオクチル錫ジエトキサイド、ジオクチル錫ジブトキサイド、オクチル酸錫、ステアリン酸錫等が挙げられる。
アルカリ系有機金属を用いることにより、縮合反応の進行が速やかになるため、還流上り縮合率78%以上の樹脂組成物を得るためには、非常に有用である。
アルカリ系有機金属の中でも、アルカリ系有機錫が好ましく、特に、アルコキシド系有機錫が好ましい。例えば、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ジエトキサイド、ジブチル錫ジブトキサイド、ジオクチル錫ジメトキサイド、ジオクチル錫ジエトキサイド、ジオクチル錫ジブトキサイド等が挙げられる。
これに対し、配位子が遊離した場合に、酸性を示す酸系有機金属を加水分解縮合触媒として用いると、加水分解反応は速やかに行われるが、縮合反応が進みにくくなる傾向があるため、実用的には好ましくない。
上述した加水分解縮合触媒は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
例えば、有機酸錫とアルカリ系有機錫を組み合わせて使用したり、錫等の有機酸塩で反応させた後に、無機塩基で処理したりしてもよい。この場合の無機塩基としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等の多価カチオンの水酸化物が好ましい。
混合指標δは、下記式(5)で表される。
混合指標δ=(δe)/(δs)・・・(5)
式(5)中、
δe:加水分解縮合触媒の添加量(mol数)
δs:上記式(1)における(OR2)の量(mol数)
をそれぞれ示す。
混合指標δは、0.0005〜5が好ましく、0.001〜1がより好ましく、0.005〜0.5がさらに好ましい。
樹脂組成物の組成によっては、混合指標δが0.0005未満であると、加水分解縮合の促進効果が得られ難くなる場合があり、5を超えると、環状エーテル基の開環が促進されたり、保存安定性の悪化を招来したりする場合があるため好ましくない。
混合指標εは、下記式(6)で表される。
混合指標ε=(εw)/(εs)・・・(6)
式(6)中、
εw:水の添加量(mol数)、
εs:一般式(1)における(OR2)の量(mol数)を、それぞれ示す。
混合指標εは、0.1〜5が好ましく、0.2〜3がより好ましく、0.3〜1.5がさらに好ましい。
上記混合指標εが0.1未満であると、加水分解反応が進行しない場合があり、5を超えると、樹脂組成物の保存安定性が低下する場合があるため好ましくない。
上述した共加水分解縮合における水の添加は、アルコキシシラン化合物の加水分解が主たる目的であるので、「脱水を伴わない還流工程」で行う必要がある。その添加のタイミングは、特に限定されず、最初に添加しても良いし、フィードポンプ等を用いて、反応中に徐々に添加してもよい。
溶剤を用いる場合、エポキシ樹脂とアルコキシシラン化合物とを溶解可能であり、これらに対して非活性である有機溶剤であれば、公知のものを使用できる。
溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の非プロトン性極性溶媒が好適である。また入手が容易であることから、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤の使用も可能であるが、これらはエポキシ基の開環を促進するため、配合や製造条件によっては使用に適さない場合もある。
溶剤の添加量により、本実施形態の樹脂組成物の分子量を制御できるため、上述の添加量の範囲とすることにより、適正な分子量、ひいては適性粘度の樹脂組成物が得られる。
(F)硬化剤、(G)硬化促進剤について、下記に説明する。
硬化剤とは、樹脂組成物を硬化させるために用いられる物質であり、特に限定されるものではない。
硬化物としては、例えば、酸無水物系化合物、アミン系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物等が使用でき、特に、芳香族酸無水物、環状脂肪族酸無水物、脂肪族酸無水物等の酸無水物系化合物が好ましく、カルボン酸無水物がより好ましい。
また、酸無水物系化合物には脂環式酸無水物が含まれ、カルボン酸無水物の中でも脂環式カルボン酸無水物が好ましい。これらの硬化物は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
硬化剤の具体例としては、無水フタル酸、無水コハク酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、テトラエチレンペンタミン、ジメチルベンジルアミン、ケチミン化合物、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂、ビスフェノール類、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒドとの重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物との重合物、フェノール類と芳香族ジメチロールとの重縮合物、又はビスメトキシメチルビフェニルとナフトール類若しくはフェノール類との縮合物等、ビフェノール類及びこれらの変性物、イミダゾール、3フッ化硼素−アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられる。
脂環式カルボン酸無水物の具体例としては、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、「4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30」、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、「メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物/ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物」等が挙げられる。
混合指標ζは、下記式(7)で表される。
混合指標ζ=(ζf)/(ζk)・・・(7)
式(7)中、
ζf:硬化剤の添加量(mol数)、
ζk:エポキシ樹脂、及びアルコキシシラン化合物に含まれる環状エーテル基の量(mol数)、を示す。
混合指標ζは、0.1〜1.5が好ましく、0.2〜1.3がより好ましく、0.3〜1.5がさらに好ましい。
前記混合指標ζが0.1未満であると、硬化速度が低下する場合があり、1.5を超えると硬化物としての耐湿性が悪化する場合がある。
硬化促進剤とは、硬化反応の促進を目的に使用される硬化触媒である。
硬化促進剤としては、3級アミン類及びその塩が好ましい。
硬化促進剤の具体例としては、下記(1)〜(8)に示すものが挙げられる。
(1)3級アミン類:ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、シクロヘキシルジメチルアミン、トリエタノールアミン等。
(2)イミダゾール類:2−メチルイミダゾール、2−n−ヘプチルイミダゾール、2−n−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−n−ウンデシルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジ(ヒドロキシメチル)イミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−フェニル−4,5−ジ〔(2’−シアノエトキシ)メチル〕イミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−n−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテート、1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1')〕エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−n−ウンデシルイミダゾリル)エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1')〕エチル−s−トリアジン、2−メチルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1')〕エチル−s−トリアジンのイソシアヌル酸付加物等。
(3)有機リン系化合物:ジフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン、亜リン酸トリフェニル等。
(4)4級フォスフォニウム塩類:ベンジルトリフェニルフォスフォニウムクロライド、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムブロマイド、メチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、テトラフェニルフォスフォニウムブロマイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムヨーダイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムアセテート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムo,o−ジエチルフォスフォロジチオネート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムベンゾトリアゾレート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムテトラフルオロボレート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルフォスフォニウムテトラッフェニルボレート等。
(5)ジアザビシクロアルケン類:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7及びその有機酸塩等。
(6)有機金属化合物:オクチル酸亜鉛、アクチル酸錫、アルミニウムアセチルアセトン錯体等。
(7)4級アンモニウム塩類:テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド等。
(8)金属ハロゲン化合物:三フッ化ホウ素、ホウ酸トリフェニル等のホウ素化合物;塩化亜鉛、塩化第二錫等。
混合指標ηは、下記式(8)で表される。
混合指標η=(ηg)/(ηk)・・・(8)
式(8)中、
ηg:硬化促進剤の質量(g)、
ηk:エポキシ樹脂及びアルコキシシラン化合物の質量(g)、とする。
混合指標ηは、0.01〜5が好ましく、0.05〜3がより好ましく、0.1〜1がさらに好ましい。
混合指標ηが0.01未満であると、硬化が良好に進行しない場合があり、5を超えると硬化物が着色する場合がある。
硬化物とは、上述した本実施形態の製造方法により得られる樹脂組成物に対し、熱又はエネルギー線を照射することにより硬化させて得られたものである。特に熱硬化が好ましい。
熱硬化とは、熱によって化学反応を起こさせ、分子間に3次元の架橋結合を生じさせて硬化物を得る方法である。
熱硬化方法としては、例えば、樹脂組成物に硬化剤や硬化促進剤を含有させておき、これを熱処理する方法や、熱カチオン重合開始剤を用いて熱硬化させる方法等が挙げられる。特に、硬化剤や硬化促進剤を含有させておき、これを熱処理する方法が好ましい。
熱カチオン重合開始剤は、熱によりカチオン種を発生して重合を開始させる化合物である。例えば、第四級アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、芳香族オニウム塩等の各種オニウム塩等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。その使用方法は、特に限定されないが、樹脂組成物に熱カチオン重合開始剤を含有させておき、これを熱処理する方法が一般的である。
エネルギー線硬化とは、本実施形態の樹脂組成物に対し、所定のエネルギー線(紫外線、近紫外線、可視光、近赤外線、赤外線等の光の他、電子線等)を照射することにより硬化物を得る方法である。
エネルギー線としては、光が好ましく、紫外線がより好ましい。
エネルギー線の発生源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、UVランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、アルゴンイオンレーザ、ヘリウムカドミウムレーザ、ヘリウムネオンレーザ、クリプトンイオンレーザ、各種半導体レーザ、YAGレーザ、エキシマーレーザー、発光ダイオード、CRT光源、プラズマ光源、電子線照射器等の各種光源等が挙げられる。
エネルギー線硬化の工程については、エネルギー線刺激により、樹脂組成物中に添加した重合開始剤が分解して重合開始種が発生し、対象物質の重合性官能基を重合し、硬化が進行する。
これらの重合開始剤は単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(1)エネルギー線の照射によりラジカルを発生するもの。
(2)エネルギー線の照射により、カチオンを発生するもの(エネルギー線が光である場合、光酸発生剤と呼ばれる)。
(3)エネルギー線の照射により、アニオンを発生するもの(エネルギー線が光である場合、光塩基発生剤と呼ばれる)。
本実施形態の樹脂組成物及びその硬化物には、それらの機能を損なわない範囲で、目的に応じて、各種有機樹脂、無機充填剤、着色剤、レベリング剤、滑剤、界面活性剤、シリコーン系化合物、反応性希釈剤、非反応性希釈剤、酸化防止剤、光安定剤等を適宜添加できる。また、その他、一般に樹脂用の添加剤として使用される可塑剤、難燃剤、安定剤、帯電防止剤、耐衝撃強化剤、発泡剤、抗菌・防カビ剤、導電性フィラー、防曇剤、架橋剤等を配合することができる。
例えば、溶剤、油脂、油脂加工品、天然樹脂、合成樹脂、顔料、染料、色素、剥離剤、防腐剤、接着剤、脱臭剤、凝集剤、洗浄剤、脱臭剤、pH調整剤、感光材料、インク、電極、めっき液、触媒、樹脂改質剤、可塑剤、柔軟剤、農薬、殺虫剤、殺菌剤、医薬品原料、乳化剤・界面活性剤、防錆剤、金属化合物、フィラー、化粧品・医薬品原料、脱水剤、乾燥剤、不凍液、吸着剤、着色剤、ゴム、発泡剤、着色剤、研磨剤、離型剤、凝集剤、消泡剤、硬化剤、還元剤、フラックス剤、皮膜処理剤、鋳物原料、鉱物、酸・アルカリ、ショット剤、酸化防止剤、表面被覆剤、添加剤、酸化剤、火薬類、燃料、漂白剤、発光素子、香料、コンクリート、繊維(カーボンファイバー、アラミド繊維、ガラス繊維等)、ガラス、金属、賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、ゲル化剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、懸濁化剤、粘稠剤等が挙げられる。
本実施形態の製造方法により得られる樹脂組成物及びその硬化物は、多岐の分野に亘り利用できる。
例えば、電子材料(碍子類、交流変圧器、開閉機器等の注型及び回路ユニット、各種部品のパッケージ、IC・LED・半導体等の封止材、発電器、モーター等の回転機コイル、巻線含浸、プリント配線基板、ガラス代替透明基板、絶縁ボード、中型碍子類、コイル類、コネクター、ターミナル、各種ケース類、電気部品類等)、塗料(防蝕塗料、メンテナンス、船舶塗装、耐蝕ライニング、自動車・家電製品用プライマー、飲料・ビール缶、外面ラッカー、押出チューブ塗装、一般防蝕塗装、メンテナンス途装、木工製品用ラッカー、自動車用電着プライマー、その他工業用電着塗装、飲料・ビール缶内面ラッカー、コイルコーティング、ドラム・缶内面塗装、耐酸ライニング、ワイヤーエナメル、絶縁塗料、自動車用プライマー、各種金属製品の美装兼防蝕塗装、パイプ内外面塗装、電気部品絶縁塗装等)、複合材料(化学プラント用パイプ・タンク類、航空機材、自動車部材、各種スポーツ用品、炭素繊維複合材料、アラミド繊維複合材料等)、土木建築材料(床材、舗装材、メンブレン、滑り止め兼薄層舗装、コンクリート打ち継ぎ・かさ上げ、アンカー埋め込み接着、プレキャストコンクリート接合、タイル接着、コンクリート構造物の亀裂補修、台座のグラウト・レベリング、上下水道施設の防蝕・防水塗装、タンク類の耐蝕積層ライニング、鉄構造物の防蝕塗装、建築物外壁のマスチック塗装等)、接着剤(金属・ガラス・陶磁器・セメントコンクリート・木材・プラスチック等の同種又は異種材質の接着剤、自動車・鉄道車両・航空機等の組み立て用接着剤、プレハブ用複合パネル製造用接着剤等:一液型、二液型、シートタイプを含む。)、航空機・自動車・プラスチック成形の治工具(プレス型、ストレッチドダイ、マッチドダイ等樹脂型、真空成形・ブロー成型用モールド、マスターモデル、鋳物用パターン、積層治工具、各種検査用治工具等)、改質剤・安定剤(繊維の樹脂加工、ポリ塩化ビニル用安定剤、合成ゴムへの添加剤等)等として利用できる。
本実施形態の製造方法により得られる樹脂組成物及びその硬化物は封止材として有用である。
封止材とは、所定の対象を、温度、湿気、ホコリ等の因子(異物)から、主として気密、液密の状態として保護する機能を有する部材である。異物には、音、振動、化学材料による浸食等も含まれる。
封止材は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、エポキシシリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、イミド樹脂、ガラス等からなる他の封止材と併用できる。
封止材は、主として半導体用途、発光ダイオード(LED)の用途、液晶用途として有用である。すなわち、温度、湿気、ホコリ等から、半導体を保護するための半導体封止材や、LEDを保護して耐久寿命を延ばすためのLED封止材、液晶を保護するための液晶封止材として使用され、特に、LED封止材として高い実用性を有している。
LED封止材の用途としては、例えば、ディスプレイ、電光表示板、信号機、ディスプレイのバックライト(有機ELディスプレイ、携帯電話、モバイルPC等)、自動車の内外装証明、イルミネーション、照明器具、懐中電灯等、広い分野へ展開できる。
LED封止材の使用部位については、例えば、LEDチップ本体、LEDチップとワイヤーやリード線との接合部等の保護のために使用する場合が挙げられる。
また、従来の鉛はんだ工程に代わり主流となりつつある、RoHS指令に対応した、鉛フリーのリフロー実装プロセスにおいても使用できる。
さらに、上述したLEDの封止材には、所定の蛍光体を配合してもよい。これにより、発光素子から放出される光を吸収し、波長変換を行うことで、封止材の部位において、発光素子の色調と異なる色調を有するLEDを提供できるようになる。
LEDの形状については、特には限定されず、用途に合わせて適宜選択できる。例えば、砲弾型、表面実装型、板状、薄膜状等が挙げられる。
例えば、半導体・LED周辺材料(レンズ材、基板材、ダイボンド材、チップコート材、積層板、光ファイバー、光導波路、光フィルター、電子部品用の接着剤、コート材、シール材、絶縁材、フォトレジスト、エンキャップ材、ポッティング材、光ディスクの光透過層や層間絶縁層、プリント配線板、積層板、導光板、反射防止膜等)等の用途にも利用可能である。
レンズ材としては、例えば、光学機器用レンズ、自動車ランプ用レンズ、メガネレンズ、CD・DVD等のピックアップ用レンズ、プロジェクター用レンズ等が挙げられる。
先ず、実施例及び比較例における物性の評価方法を下記に示す。
「JIS K 7236:2001(エポキシ樹脂のエポキシ当量の求め方)」に従って測定した。
<粘度>
以下の条件で、測定を行った。
回転式E形粘度計:東機産業株式会社製、「TV−22形」
ローター:3°×R14(必要に応じ、他のローターを選択してもよい。)
測定温度:25℃
サンプル量:0.4mL
混合指標αは、下記式(2)から算出した。
混合指標α=(αc)/(αb)・・・(2)
αb:(B)式(1)において、n=1〜2であり、R1として、少なくとも1つの環状エーテル基を有するアルコキシシラン化合物の含有量(mol%)。
αc:(C)式(1)において、n=1〜2であり、R1として、少なくとも1つのアリール基を有するアルコキシシラン化合物の含有量(mol%)。
混合指標βは、下記式(3)から算出した。
混合指標β={(βn2)/(βn0+βn1)}・・・(3)
βn2:一般式(1)において、n=2であるアルコキシシラン化合物の含有量(mol%)
βn0:一般式(1)において、n=0であるアルコキシシラン化合物の含有量(mol%)
βn1:一般式(1)において、n=1であるアルコキシシラン化合物の含有量(mol%)
なお、この時、0≦{(βn0)/(βn0+βn1+βn2)}≦0.1である。
中間体の縮合率は、還流工程終了後、採取したサンプル溶液(中間体)のSi−NMR測定結果から、以下の手順で求めた。
(1)Cr溶液の調製:6.3質量%のChromium(III) acetylacetonate(Sigma−Aldrich社製)に、クロロホルム−d(和光純薬工業株式会社製)を加え、溶解した。
(2)サンプル瓶に、200mgの還流工程終了後のサンプル溶液を計りとり、上記Cr溶液を加え、1gに調整した。
(3)上記(2)の溶液を、直径5mmφのNMRチューブに移し、下記条件で、Si−NMRを測定した。
フーリエ変換核磁気共鳴装置:日本電子株式会社製「α−400型」、
核種:Si、
積算回数:4000回
(4)次式に従って、中間体の縮合率Kを求めた。
中間体の縮合率K(%)=(D1×1+D2×2+T1×1+T2×2+T3×3)/{(D0+D1+D2)×2+(T0+T1+T2+T3)×3}×100・・・(10)
ここで、D0:式(1)において、n=1であるアルコキシシラン化合物由来の、下記式(11)に示すD0構造由来シグナルの積分値の合計。
D1:式(1)において、n=1であるアルコキシシラン化合物由来の、下記式(12)に示すD1構造由来シグナルの積分値の合計。
D2:式(1)において、n=1であるアルコキシシラン化合物由来の、下記式(12)に示すD2構造由来シグナルの積分値の合計。
T0:式(1)において、n=2であるアルコキシシラン化合物由来の、下記式(13)に示すT0構造由来シグナルの積分値の合計。
T1:式(1)において、n=2であるアルコキシシラン化合物由来の、下記式(14)に示すT1構造由来シグナルの積分値の合計。
T2:式(1)において、n=2であるアルコキシシラン化合物由来の、下記式(14)に示すT2構造由来シグナルの積分値の合計。
T3:式(1)において、n=2であるアルコキシシラン化合物由来の、下記式(14)に示すT3構造由来シグナルの積分値の合計。
混合指標γは、下記式(4)から算出した。
混合指標γ=(γa)/(γs)・・・(4)
γa:エポキシ樹脂の質量(g)。
γs:式(1)においてn=0〜2であるアルコキシシラン化合物の質量(g)。
混合指標δは、下記式(5)から算出した。
混合指標δ=(δe)/(δs)・・・(5)
δe:加水分解縮合触媒の添加量(mol数)。
δs:式(1)における(OR2)の量(mol数)。
混合指標εは、下記式(6)から算出した。
混合指標ε=(εw)/(εs)・・・(6)
ここで、
εw:水の添加量(mol数)、
εs:式(1)における(OR2)の量(mol数)。
混合指標ζは、下記式(7)から算出した。
混合指標ζ=(ζf)/(ζk)・・・(7)
ここで、
ζf:硬化剤の添加量(mol数)、
ζk:エポキシ樹脂及びアルコキシシラン化合物に含まれる、環状エーテル基の量(mol数)。
混合指標ηは、下記式(8)から算出した。
混合指標η=(ηg)/(ηk)・・・(8)
ここで、
ηg:硬化促進剤の質量(g)、
ηk:エポキシ樹脂及びアルコキシシラン化合物の質量(g)。
樹脂組成物における保存安定性は、下記式(9)で示す、保存安定性指標θで評価した。
保存安定性指標θ=(保存粘度)/(開始粘度)・・・(9)
製造直後の樹脂組成物を入れた容器を密封し、25℃で2時間、温度調整した後、25℃における粘度を測定し、これを「開始粘度」とした。
更に、樹脂組成物を入れた容器を密封し、60℃の恒温インキュベーター内で、16.5日間保存した。保存後、25℃における粘度を測定し、これを「保存粘度」とした。
樹脂組成物に流動性があり(粘度が1000Pa・s以下であり)、かつ、保存安定性指標θが4以下である場合に、保存安定性を有すると判断した。
下記の方法により、樹脂組成物の硬化物の耐光性を評価した。
(1)後述の方法で準備した硬化物用溶液を硬化させ、20mm×10mm×厚み3mmの硬化物を作製した。
(2)上記硬化物を、直径5.5mmの穴を開けた25mm×15mm×厚み1.2mmの黒色マスクで覆い、耐光性試験用サンプルとした。
(3)UV照射装置(ウシオ電機株式会社製、「スポットキュアSP7−250DB」)から、光ファイバーを経由して、50℃一定にした恒温インキュベーター中の上記サンプルにUV光を照射できるように装置を準備した。
(4)上記サンプルを、黒色マスクを上面にした状態で、50℃の恒温インキュベーター内にセットした。
(5)直径5.5mmの穴にUV光が照射できるように、黒色マスクの上部より、2W/cm2のUV光を96時間照射した。
(6)UV照射したサンプルを、積分球開口部を直径10mmに改造した分光色彩計(日本電色工業株式会社製、「SD5000」)で測定した。
(7)黄色度(YI)は、“ASTM D1925−70(1988):Test Method for Yellowness Index of Plastics”に準じて求めた。このYIが、13以下である場合に、耐光性を有すると判断した。
下記の方法により、樹脂組成物の硬化物の冷熱衝撃性を評価した。
(1)下記の基板及びシリコンチップを準備した。
(1−1)基板:ソルベイアドバンストポリマーズ社製、「アモデル A−4122NL WH 905」(15mm×15mm×厚み2mmの平板中央に、直径10mm×深さ1.2mmの窪みがあるもの)
(1−2)シリコンチップ(:市販のシリコンウェハーを、5mm×5mm×厚さ200μmに切断したもの)
(2)後述する方法で作製した硬化物用溶液を、上記基板に流し込み、その中に前記シリコンチップを1枚入れたものを10個作製し、硬化させ、冷熱衝撃試験用サンプルとした。
(3)上記サンプルを、冷熱衝撃装置(エスペック株式会社製、「TSE−11−A」)にセットし、「(−40℃〜120℃)/サイクル:晒し時間14分、昇降温時間1分」の条件で、ヒートサイクルをかけた。
(4)上記サンプルを、ヒートサイクル100回経過した時点で取り出し、浸透液(株式会社コーザイ製、「ミクロチェック」)をスプレーし、異常(剥離やクラック)の有無を拡大鏡下で目視観察し、その個数を記録した。
(5)上述の(4)で異常が確認されなかったサンプルは、再度、装置に入れて、更に、100回のヒートサイクルをかけて同様の方法で評価した。これらの操作を繰り返し、評価を行った。
(6)2個/10個中のサンプルに異常が見られた時点で評価を中断し、「耐冷熱衝撃性回数=(中断したヒートサイクル回数)−(100回)」を求めた。
この耐冷熱衝撃性回数が100回以上であった場合に、実用上十分な耐冷熱衝撃性を有すると判断した。
(1)エポキシ樹脂
(1−1)エポキシ樹脂A:ポリ(ビスフェノールA−2−ヒドロキシプロピルエーテル)(以下、Bis−Aエポキシ樹脂と言う。)
・商品名:旭化成エポキシ株式会社製、「AER」
また、上述の方法で測定した、エポキシ当量(WPE)及び粘度は、以下の通りであった。
・エポキシ当量(WPE):187g/eq
・粘度(25℃):14.3Pa・s
(1−2)エポキシ樹脂B:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート
(以下、脂環式エポキシ樹脂と言う。)
・商品名:ダイセル化学工業株式会社製、「セロキサイド2021P」
また、上述の方法で測定した、エポキシ当量(WPE)及び粘度は、以下の通りであっ
た。
・エポキシ当量(WPE):131g/eq
・粘度(25℃):227mPa・s
・商品名:信越化学工業株式会社製、「KBM−403」
(3)アルコキシシラン化合物I:フェニルトリメトキシシラン(以下、PTMSと言う)
・商品名:信越化学工業株式会社製、「KBM−103」
(4)アルコキシシラン化合物J:ジメチルジメトキシシラン(以下、DMDMSと言う)
・商品名:信越化学工業株式会社製、「KBM−22」
(5)アルコキシシラン化合物K:テトラエトキシシラン(以下、TEOSと言う)
・商品名:信越化学工業株式会社製、「KBE−04」
(6−1)テトラヒドロフラン:和光純薬工業株式会社製、安定剤不含タイプ(以下、THFと言う。)
(6−2)tert−ブタノール:和光純薬工業株式会社製(以下、t−BuOHと言う)
(7−1)ジブチル錫ジメトキサイド(以下、DBTDMと言う):Sigma−Aldrich社製
(7−2)ジオクチル錫ジアセテート(以下、DOTDAと言う):日東化成株式会社製、「ネオスタンU−820」
(7−3)ジブチル錫ジラウレート(以下、DBTDLと言う):和光純薬工業株式会社製
・商品名:新日本理化株式会社製、「リカシッド MH−700G」
・商品名:サンアプロ株式会社製、「U−CAT 18X」
(10)シリコーン樹脂:信越化学工業株式会社製、「SCR−1012(A液及びB液)」
樹脂組成物を、下記の工程により作製した。
(1)準備:循環恒温水槽を5℃にセットし、冷却管に還流させた。更に、マグネチックスターラーの上に、80℃のオイルバスを載せた。
(2)下記表1に示す組成比率に従って、25℃の雰囲気下で、上記Bis−Aエポキシ樹脂、アルコキシシラン化合物、及びTHFを、攪拌子を投入したフラスコに入れて混合攪拌し、その後、更に、水と加水分解縮合触媒を添加して、混合攪拌した。
(3)続いて、フラスコに冷却管をセットし、速やかに、80℃のオイルバスに浸して攪拌を開始し、リフラックスさせながら25時間反応させた(還流工程)。
(4)反応終了後、25℃まで冷却後、フラスコから冷却管を外し、前記還流工程終了後、サンプル溶液(中間体)を採取した。
(5)還流工程終了後、サンプル溶液の、Si−NMRを測定し、中間体の縮合率K1を、上記式(10)に従って求めた。中間体の縮合率K1(%)=80.1%≧78%であった。
(6)還流工程終了後の溶液を、エバポレーターを使用して、400Pa、50℃で1時間留去した後、更に、80℃で10時間留去しながら、脱水縮合反応を行った(脱水縮合工程)。
(7)前記脱水縮合反応の終了後、25℃まで冷却し、樹脂組成物を得た。
(8)この樹脂組成物の、上述した混合指標α1〜ε1を、それぞれ下記表3に示した。
(9)更に、上述の方法に従って、上記(6)で得た樹脂組成物の、エポキシ当量(WPE)、開始粘度及び保存粘度を測定した。更に、保存安定性指標θ1を求め、これらを表3に示した。
上記実施例1の樹脂組成物は、エポキシ当量(WPE)=220g/eqであり、適正な値を示した。また、開始粘度=12.7Pa・s<1000Pa・s、かつ、保存粘度=32.5Pa・s<1000Pa・sと、両者とも流動性のある液体であった。また、保存安定性指標θ1=2.6≦4であり、流動性に優れ、保存安定性が改良された樹脂組成物であることが判明した。
次に、上述の樹脂組成物を使用して、以下の手順で硬化物を製造し、評価した。
(10)25℃の雰囲気下で、上述の樹脂組成物、硬化剤及び硬化促進剤を、下記表2に示す組成比率に従って混合攪拌し、真空下で脱気し、硬化物用溶液とした。
(11)厚み3mm、コの字状のシリコンゴムを、離型剤を塗ったステンレス板2枚で挟み込み、この成型治具で作製された硬化物が、約50mm×約20mm×厚み3mmとなるように、成型治具を作製した。
(12)この成型治具と、上述の冷熱衝撃試験用基板10個に、上述の硬化物用溶液を注ぎ込み、更に、各々の基板に、上記シリコンチップを1枚ずつ投入した。
(13)上記の成型治具と、冷熱衝撃試験用基板をオーブンに入れ、120℃で1時間、更に、150℃で1時間、硬化処理を施し、硬化物を作製した。
(14)オーブン内温が30℃以下に下がってから硬化物を取り出して、上述の方法に従って、耐光性試験用サンプルと、冷熱衝撃試験用サンプルを調製した。
(15)上記サンプルを使用し、上述した方法により、耐光性試験と冷熱衝撃試験とを行った結果を下記表3に示す。この硬化物は、耐光性試験の指標であるYI=11.9≦13であり、実用上十分な耐光性を有すると判断した。更に、冷熱衝撃試験回数は300回≧100回であり、実用上十分な耐冷熱衝撃性を有すると判断した。
以上の結果から、実施例1の樹脂組成物は、良好な流動性と優れた保存安定性を有しており、かつ樹脂組成物の硬化物は、実用上十分な耐光性及び耐冷熱衝撃性を有していることが解り、総合判定として、合格であると判断した。
上述した実施例1と同様の方法により、下記表1及び表2に従って、樹脂組成物と、その硬化物を作製した。
この樹脂組成物とその硬化物について、上述した実施例1と同様の方法により評価を行った。評価結果、混合指標α2〜ε2、保存安定性指標θ2を、下記表3に示す。
中間体の縮合率K2(%)=78.2%≧78%であった。
下記表3に示す通り、実施例2の樹脂組成物は、エポキシ当量(WPE)=233g/eqであり、適正な値を示した。
また、開始粘度=15.9Pa・s<1000Pa・s、かつ保存粘度=53.8Pa・s<1000Pa・sであり、良好な流動性を有していた。
また、保存安定性指標θ2=3.4≦4であり、流動性に優れ、保存安定性が改良された樹脂組成物であることが解った。
また、この硬化物の耐光性試験の指標であるYI=8.1≦13であり、実用上十分な耐光性を有していると判断した。
冷熱衝撃試験回数は200回≧100回であり、実用上十分な耐冷熱衝撃性を有していると判断した。
以上の結果から、実施例2の樹脂組成物は、流動性に優れ、保存安定性が改良されたものであり、更にその樹脂組成物の硬化物は、実用上十分な耐光性及び耐冷熱衝撃性を有することから、総合判定として合格であると判断した。
上述した実施例1と同様の方法により、下記表1及び表2に従って、樹脂組成物と、その硬化物を作製した。
この樹脂組成物とその硬化物について、上述した実施例1と同様の方法により評価を行った。評価結果、混合指標α3〜ε3、保存安定性指標θ3を、表3に示す。
中間体の縮合率K3(%)=85.3%≧78%であった。
下記表3に示すように、実施例3の樹脂組成物は、エポキシ当量(WPE)=242g/eqであり、適正な値を示した。
また、開始粘度=14.3Pa・s<1000Pa・s、保存粘度=41.0Pa・s<1000Pa・sであり、両者とも流動性のある液体であった。また、保存安定性指標θ3=2.9≦4であり、流動性に優れ、保存安定性が改良された樹脂組成物であることが解った。
この硬化物の耐光性試験の指標であるYI=8.9≦13であり、実用上十分な耐光性を有すると判断した。
冷熱衝撃試験回数は200回≧100回であり、実用上十分な耐冷熱衝撃性を有していると判断された。
以上の結果から、実施例3の樹脂組成物は、流動性に優れ、保存安定性が改良されたものであり、更にその樹脂組成物の硬化物は、実用上十分な耐光性及び耐冷熱衝撃性を有することから、総合判定として合格であると判断した。
上述した実施例1と同様の方法により、下記表1及び表2に従って、樹脂組成物と、その硬化物を作製した。
この樹脂組成物とその硬化物について、上述した実施例1と同様の方法により評価を行った。評価結果、混合指標α4〜ε4、保存安定性指標θ4を、表3に示す。
中間体の縮合率K4(%)=87.4%≧78%であった。
下記表3に示すように、実施例4の樹脂組成物は、エポキシ当量(WPE)=238g/eqであり、適正な値を示した。
また、開始粘度=15.6Pa・s<1000Pa・s、かつ、保存粘度=24.9Pa・s<1000Pa・sと、両者とも流動性のある液体であった。また、保存安定性指標θ4=1.6≦4であり、流動性に優れ、保存安定性が改良された樹脂組成物であることが解った。
この硬化物の耐光性試験の指標であるYI=8.8≦13であり、実用上十分な耐光性を有すると判断した。
冷熱衝撃試験回数は100回≧100回であり、実用上十分な耐冷熱衝撃性を有すると判断した。
以上の結果から、実施例4の樹脂組成物は、流動性に優れ、保存安定性が改良されたものであり、更にその樹脂組成物の硬化物は、実用上十分な耐光性及び耐冷熱衝撃性を有することから、総合判定として合格であると判断した。
上述した実施例1と同様の方法で、下記表1及び表2に従って、樹脂組成物と、その硬化物を作製した。
この樹脂組成物とその硬化物について、上述した実施例1と同様の方法により評価を行った。評価結果、混合指標α5〜ε5、保存安定性指標θ5を、下記表3に示す。
中間体の縮合率K5(%)=82.6%≧78%であった。
下記表3に示すように、実施例5の樹脂組成物は、エポキシ当量(WPE)=245g/eqであり、適正な値を示した。
また、開始粘度=17.3Pa・s<1000Pa・s、かつ、保存粘度=50.2Pa・s<1000Pa・sと、両者とも流動性のある液体であった。また、保存安定性指標θ5=2.9≦4であり、流動性に優れ、保存安定性が改良された樹脂組成物であることが解った。
この硬化物の耐光性試験の指標であるYI=8.2≦13であり、実用上十分な耐光性を有すると判断した。
冷熱衝撃試験回数は100回≧100回であり、実用上十分な耐冷熱衝撃性を有すると判断した。
以上の結果から、実施例5の樹脂組成物は、流動性に優れ、保存安定性が改良されたものであり、更にその樹脂組成物の硬化物は、実用上十分な耐光性及び耐冷熱衝撃性を有することから、総合判定として合格であると判断した。
上述した実施例1と同様の方法で、下記表1及び表2に従って、樹脂組成物と、その硬化物を作製した。
この樹脂組成物とその硬化物について、上述した実施例1と同様の方法により評価を行った。評価結果、混合指標α6〜ε6、保存安定性指標θ6を、下記表3に示す。
中間体の縮合率K6(%)=82.8%≧78%であった。
下記表3に示すように、実施例6の樹脂組成物は、エポキシ当量(WPE)=253g/eqであり、適正な値を示した。
また、開始粘度=24.3Pa・s<1000Pa・s、かつ、保存粘度=86.3Pa・s<1000Pa・sと、両者とも流動性のある液体であった。また、保存安定性指標θ6=3.6≦4であり、流動性に優れ、保存安定性が改良された樹脂組成物であることが解った。
この硬化物の耐光性試験の指標であるYI=9.7≦13であり、実用上十分な耐光性を有すると判断した。更に、冷熱衝撃試験回数は200回≧200回であり、実用上十分な耐冷熱衝撃性を有すると判断した。
以上の結果から、実施例6の樹脂組成物は、流動性に優れ、保存安定性が改良されたものであり、更にその樹脂組成物の硬化物は、実用上十分な耐光性及び耐冷熱衝撃性を有することから、総合判定として合格であると判断した。
上述した実施例1と同様の方法で、下記表1及び表2に従って、樹脂組成物と、その硬化物を作製した。
この樹脂組成物とその硬化物について、上述した実施例1と同様の方法により評価を行った。評価結果、混合指標α7〜ε7、保存安定性指標θ7を、下記表3に示す。
中間体の縮合率K7(%)=83.5%≧78%であった。
下記表3に示すように、実施例7の樹脂組成物は、エポキシ当量(WPE)=210g/eqであり、適正な値を示した。
また、開始粘度=12.8Pa・s<1000Pa・s、かつ、保存粘度=39.8Pa・s<1000Pa・sと、両者とも流動性のある液体であった。また、保存安定性指標θ7=3.1≦4であり、流動性に優れ、保存安定性が改良された樹脂組成物であることが解った。
この硬化物の耐光性試験の指標であるYI=7.5≦13であり、実用上十分な耐光性を有すると判断した。更に、冷熱衝撃試験回数は300回≧100回であり、実用上十分な耐冷熱衝撃性を有すると判断した。
以上の結果から、実施例7の樹脂組成物は、流動性に優れ、保存安定性が改良されたものであり、更にその樹脂組成物の硬化物は、実用上十分な耐光性及び耐冷熱衝撃性を有することから、総合判定として合格であると判断した。
上述した実施例1と同様の方法で、下記表1及び表2に従って、樹脂組成物と、その硬化物を作製した。
この樹脂組成物とその硬化物について、上述した実施例1と同様の方法により評価を行った、評価結果、混合指標α8〜ε8、保存安定性指標θ8を、下記表3に示す。
中間体の縮合率K8(%)=84.2%≧78%であった。
下記表3に示す通り、実施例8の樹脂組成物は、エポキシ当量(WPE)=233g/eqであり、適正な値を示した。
また、開始粘度=13.2Pa・s<1000Pa・s、かつ、保存粘度=46.8Pa・s<1000Pa・sと、両者とも流動性のある液体であった。また、保存安定性指標θ8=3.5≦4であり、流動性に優れ、保存安定性が改良された樹脂組成物であることが解った。
この硬化物の耐光性試験の指標であるYI=7.3≦13であり、耐光性を有すると判断した。更に、冷熱衝撃試験回数は100回≧100回であり、耐冷熱衝撃性を有すると判断した。
以上の結果から、実施例8の樹脂組成物は、流動性に優れ、保存安定性が改良されたものであり、更にその樹脂組成物の硬化物は、実用上十分な耐光性及び耐冷熱衝撃性を有することから、総合判定として合格であると判断した。
上述した実施例1に示した(3)還流工程を7時間に変更した。その他の条件は、実施例1と同様として、表1に従って、樹脂組成物を作製し、実施例1と同様の方法により評価を行った。
評価結果、混合指標α9〜ε9、保存安定性指標θ9を、下記表3に示す。
中間体の縮合率K9(%)=64.8%<78%であった。
下記表3に示す通り、比較例1の樹脂組成物は、エポキシ当量(WPE)=231g/eqであり、適正な値を示した。また、開始粘度=11.8Pa・s<1000Pa・sであった。しかしながら、保存粘度>1000Pa・sと、流動性を示さず、保存安定性指標θ9>84と保存安定性が不良であった。
表3に示すように、比較例1の樹脂組成物を用いた硬化物の耐光性と、耐冷熱衝撃性は良好であったが、樹脂組成物の保存安定性は不良であり、総合判定は不合格と判断した。
上述した実施例1に示した(13)の硬化処理温度を、110℃で4時間、更に、150℃で1時間に変更した。その他の条件は、実施例1と同様として、下記表1及び表2に従って、樹脂組成物と硬化物を作製し、実施例1と同様の方法により評価を行った。
評価結果、混合指標α10〜ε10、保存安定性指標θ8を、下記表3に示す。
中間体の縮合率K10(%)=71.1%<78%であった。
下記表3に示す通り、比較例2の樹脂組成物は、エポキシ当量(WPE)=200g/eqであり、適正な値を示した。
また、開始粘度=11.7Pa・s<1000Pa・sであった。しかしながら、保存粘度>1000Pa・sと、流動性を示さず、保存安定性指標θ10>85と保存安定性が不良であった。
表3に示す通り、比較例2の樹脂組成物を用いた硬化物の耐光性と、耐冷熱衝撃性は良好であったが、樹脂組成物の保存安定性は不良であり、総合判定は不合格と判断した。
上述した実施例1と同様の方法により、表2に従って硬化物を作製した。この硬化物について、実施例1と同様の方法により評価を行った。
評価結果を下記表3に示す。
硬化物の耐光性試験の指標であるYI=16.9>13であり、実用上十分な耐光性が無いと判断した。更に、冷熱衝撃試験回数は500回以上≧100回であり、実用上十分な耐冷熱衝撃性を有すると判断した。
以上の結果から、比較例3の硬化物は、耐冷熱衝撃性は有するものの、耐光性が無いことから、総合判定として不合格であると判断した。
シリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製、「SCR−1012(A液及びB液)」)の、A液とB液を、1:1の質量比で混合攪拌したものを用い、下記表2に従って、実施例1と同様の方法で、硬化物用溶液を作製した。
この硬化用溶液を、実施例1と同様の方法で、成型治具と、上述の冷熱衝撃試験用基板10個に、上述の硬化物用溶液を注ぎ込み、更に、各々の基板に、シリコンチップを1枚ずつ投入した。
上記の成型治具と、冷熱衝撃試験用基板をオーブンに入れ、70℃で1時間、更に150℃で5時間、硬化処理を施し、硬化物を作製した。
この硬化物について、実施例1と同様の方法により評価を行った。
評価結果を、下記表3に示す。
硬化物の耐光性試験の指標であるYI=2.0≦13であり、実用上十分な耐光性を有すると判断した。しかしながら、冷熱衝撃試験回数は0回<100回であり、実用上十分な耐冷熱衝撃性が無いことが判明した。
以上の結果から、比較例4の硬化物は、耐光性は有するものの、耐冷熱衝撃性が無いことから、総合判定として不合格であると判断した。
脱水縮合工程を25時間行った。
その他の条件は、比較例1と同様として、表1に従って、樹脂組成物を作製し、実施例1と同様の方法により評価を行った。
評価結果、混合指標α11〜ε11、保存安定性指標θ11を、下記表3に示す。
中間体の縮合率K11(%)=64.8%<78%であった。
下記表3に示す通り、比較例5の樹脂組成物は、エポキシ当量(WPE)=233g/eqであり、適正な値を示した。また、開始粘度=15.2Pa・s<1000Pa・sであった。しかしながら、保存粘度>1000Pa・sと、流動性を示さず、保存安定性指標θ11>66と保存安定性が不良であり、総合判定は不合格と判断した。
上記より、脱水縮合工程を行う時間を延長しても、樹脂組成物の保存安定性は合格ラインには到達せず、樹脂組成物の特性は、還流工程における中間体の縮合率(化学構造)に大きく依存することがわかった。
還流工程のオイルバスの温度を、60℃に変更した。
その他の条件は、実施例4と同様として、表1に従って、樹脂組成物を作製し、実施例1と同様の方法により評価を行った。
評価結果、混合指標α12〜ε12、保存安定性指標θ12を、下記表3に示す。
中間体の縮合率K12(%)=63.6%<78%であった。
下記表3に示す通り、比較例6の樹脂組成物は、エポキシ当量(WPE)=238g/eqであり、適正な値を示した。また、開始粘度=16.4Pa・s<1000Pa・sであった。しかしながら、保存粘度>1000Pa・sと、流動性を示さず、保存安定性指標θ12>61と保存安定性が不良であり、総合判定は不合格と判断した。
上記より、実施例4の樹脂組成物と組成を同様としても、樹脂組成物の保存安定性は合格ラインには到達しなかった。この結果から、樹脂組成物の特性は、還流工程における中間体の縮合率(化学構造)に大きく依存することがわかった。
Claims (7)
- (A)エポキシ樹脂と、
下記式(1)で表されるアルコキシシラン化合物と、
を、共加水分解縮合させる工程を有し、
前記共加水分解縮合させる工程においては、縮合率78%以上の脱水を伴わない還流工程で生成する中間体を脱水縮合させる樹脂組成物の製造方法。
(式(1)中、n=0〜3であり、R1は、水素原子又は有機基を示す。また、複数のR
2は、同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
前記アルコキシシラン化合物は、
(B)n=1〜2であり、R1として、少なくとも1つの環状エーテル基を有する、少
なくとも1種のアルコキシシラン化合物と、
(C)n=1〜2であり、R1として、少なくとも1つのアリール基を有する、少なく
とも1種のアルコキシシラン化合物と、
を含み、かつ、下記式(2)で表される(B)及び(C)の混合指標αが、0.001〜
19である。
混合指標α=(αc)/(αb)・・・(2)
(式(2)中、αb:前記(B)成分の含有量(mol%)、αc:前記(C)成分の含
有量(mol%)) - 前記(A)エポキシ樹脂は、エポキシ当量(WPE)が100〜600g/eqであり
、かつ、25℃における粘度が1000Pa・s以下である、請求項1に記載の樹脂組成
物の製造方法。 - 前記(A)エポキシ樹脂は、
ポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物であって、多官能エポキシ樹脂である
、請求項1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。 - 前記アルコキシシラン化合物として、
(D):前記式(1)において、n=0である、少なくとも1種のアルコキシシラン化
合物を、さらに含む請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。 - 下記式(3)で表される前記アルコキシシラン化合物の混合指標βが、0.01〜1.
4である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。
混合指標β={(βn2)/(βn0+βn1)}・・・(3)
ここで、
βn2:前記式(1)において、n=2であるアルコキシシラン化合物の含有量(mo
l%)
βn0:前記式(1)において、n=0であるアルコキシシラン化合物の含有量(mo
l%)
βn1:前記式(1)において、n=1であるアルコキシシラン化合物の含有量(mo
l%)
であり、
0≦{(βn0)/(βn0+βn1+βn2)}≦0.1である。 - 下記式(4)で表される、
前記(A)エポキシ樹脂と前記アルコキシシラン化合物との混合指標γが、0.02〜
15である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。
混合指標γ=(γa)/(γs)・・・(4)
前記式(4)中、
γa:エポキシ樹脂の質量(g)、
γs:一般式(1)において、n=0〜2であるアルコキシシラン化合物の質量(g)
である。 - 前記共加水分解縮合が、加水分解縮合触媒である(E)アルカリ系有機金属の存在下で
行われた請求項1乃至6のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。
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