JP5248133B2 - ベルトコンベア用潤滑剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ベルトコンベア用潤滑剤に関し、更に詳細には、お茶、コーヒー、紅茶、乳飲料、炭酸清涼飲料、調味料、加工食品等の製造工程や充填工程において、プラスチック製、紙製、金属製、ガラス製及びセラミック製容器等の移動搬送の際に用いられるベルトコンベア用潤滑剤に関する。
清涼飲料水、牛乳、ジュース、酒類、ドリンク剤等の容器には、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック容器、紙製容器、金属製容器、ガラス製及びセラミック製容器等が使用されるが、工場においてこれらの容器を取り扱う場合、大量の容器を移動搬送するために一般的にベルトコンベアが使用されている。このような工場においては、ベルトコンベアを連続運転させることが一般的であるが、このとき容器同士あるいは容器とベルトコンベアとの接触面に発生する摩擦により、容器の変形や容器の転倒等がおこる場合があり、こうした障害を防ぐために潤滑剤を塗布あるいは噴霧して摩擦係数を下げるのが一般的である。
ベルトコンベア用の潤滑剤としては、界面活性剤水溶液を使うことが一般的である。例えば、特許文献1には、(A)下記の式(1)で表わされる非イオン系界面活性剤であって、且つ、HLBが16を超えるものである群から選択される少なくとも一種と、(B)水とを含有することを特徴とする樹脂製コンベア用潤滑剤組成物:
(式1)R−O−(EO)n−R
は、C10〜20の直鎖または分岐のアルキル基、スチレン化フェニル基またはC9〜19のアシル基。EOはエチレンオキサイド基。n=14〜100。Rは、水素、C1〜3の直鎖または分岐のアルキル基、またはアシル基;−CO−Rであり、このときRはC9〜C19の直鎖または分岐のアルキル基又はアルケニル基(請求項1);上記(A)非イオン系界面活性剤の配合割合が、組成物全体中において0.0025〜30質量%であることを特徴とする請求項1記載の樹脂製コンベア用潤滑剤組成物(請求項2);さらに、(C)(イ)カチオン系界面活性剤および/または(ロ)両性系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂製コンベア用潤滑剤組成物(請求項3)が開示されている。
また、特許文献2には、(A)ホスホン酸類、ポリアクリル酸系ポリマーおよび/またはその塩類(但し、塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩あるいはアミン塩)の群から選ばれる少なくとも一種のキレート化合物、(B)水を含有することを特徴とするボトルコンベア用潤滑剤組成物(請求項1);さらに、(C)非イオン界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1記載のボトルコンベア用潤滑剤組成物(請求項2);さらに、(D)水溶性溶剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のボトルコンベア用潤滑剤組成物(請求項3);さらに、(E)カチオン界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のボトルコンベア用潤滑剤組成物(請求項4);さらに、(F)成分のアニオン界面活性剤として、一般式(1)〜(3)の群から選択された少なくとも一種以上を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のボトルコンベア用潤滑剤組成物
Figure 0005248133
(請求項5);上記(C)成分の非イオン界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(EO)とポリオキシプロピレン(PO)のブロックコポリマー、ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテルから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載のボトルコンベア用潤滑剤組成物(請求項6)が開示されている。更に、特許文献2の[0037]段落には、「ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは炭素数10〜21の一級または二級アルコールにポリオキシエチレン(EO)、ポリオキシプロピレン(PO)およびポリオキシブチレン(BO)を付加してなるHLB9〜21の化合物、好ましくは一級アルコールにポリオキシエチレンを付加してなるHLB12〜21の化合物である。」旨の記載もある。
更に、オルガノポリシロキサン等の消泡剤を添加することが知られている。例えば、特許文献3には、(A)平均単位式R SiO(4−a−b)/2(式中、Rは炭素原子数1〜20の非置換もしくは置換1価炭化水素基、または、水素原子であり(但し、R中の少なくとも50モル%は炭素原子数1〜20の非置換もしくは置換1価炭化水素である)、Rは、水酸基または炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、aは平均1.8〜2.1であり、bは平均0〜0.1である。)で示されるオルガノポリシロキサン:エマルジョン中5〜80重量%、(B)界面活性剤:成分(A)の1〜60重量%、および(C)水:残量からなるO/W型オルガノポリシロキサンエマルジョンである容器搬送コンベアベルト用潤滑剤原液(請求項1)が開示されている。また、特許文献3の[0008]段落には、「成分(B)の界面活性剤は、成分(A)であるオルガノポリシロキサンを水中に安定に乳化させる作用をする。これには、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、及び両性界面活性剤がある。ノニオン系界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。」旨の記載もある。
特開2007−119557号公報 特開2007−197580号公報 特開2004−217866号公報
しかしながら、特許文献1の樹脂製コンベア用潤滑剤組成物に使用されているような長鎖アルコールにエチレンオキシドを付加したノニオン界面活性剤等は、泡立ちが大きく、長時間使用していると泡によるトラブルが発生する場合がある。泡が発生すると外観上見苦しいのみならず、容器に泡が付着すると、検査機器による自動検査で泡を汚れとして認識してしまう場合がある。また、容器に印刷された印字が脱落する場合がある。一方、カチオン界面活性剤や両性界面活性剤は泡立ちの問題はないが、潤滑剤としての性能が不足しており、実際の使用に耐えられるものではなかった。
また、特許文献2に記載されているようなポリマー系の添加剤は、製品の粘性を高め、泡立ちし易くなる場合があり好ましいものではない。また、非イオン界面活性剤として好ましく使用することができるものとして例示されているポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのみであり、特許文献1と同様の問題が存在する。
更に、特許文献3に記載されている容器搬送コンベアベルト用潤滑剤原液は、上記のような泡立ちの問題を改善するために、オルガノポリシロキサン等の消泡剤を添加したものであるが、潤滑剤として一般的によく知られた界面活性剤を使用した場合、オルガノポリシロキサン等の消泡剤が少量であると泡立ちを防止する効果がなく、泡立ちを防止できる量を添加するとベルトコンベアと容器との間に生じる摩擦係数があまりにも低くなり、滑りすぎによる容器の転倒等が発生する場合や、オルガノポリシロキサン濃度が高いため、容器に印刷された印字が脱落する等の問題があった。
従って、本発明の目的は、泡立ちが少なく、良好な潤滑性を持つベルトコンベア用潤滑剤を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者等は鋭意検討した結果、ベルトコンベア用潤滑剤として最適なノニオン界面活性剤を見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、(A)成分として、炭素数10〜20の炭化水素基を持つ1価の有機ヒドロキシ化合物に酸化エチレン及び酸化プロピレンを付加して生成されるノニオン界面活性剤、(B)成分として水、及び(C)成分としてオルガノポリシロキサンを0.03〜0.45質量%含有し、(A)成分のノニオン界面活性剤に含有されるポリオキシアルキレン基の重合度が3〜30であり、該ポリオキシアルキレン基中のオキシエチレン基の含有量が50〜95モル%である、ベルトコンベア用潤滑剤である。
本発明の効果は、泡立ちが少なく、良好な潤滑性を持つベルトコンベア用潤滑剤を提供したことにある。
本発明の(A)成分は、炭素数10〜20の炭化水素基を持つ1価の有機ヒドロキシ化合物に酸化エチレン及び酸化プロピレンを付加して生成されるノニオン界面活性剤である。(A)成分に使用できる1価の有機ヒドロキシ化合物とは、ROH(Rは炭素数10〜20の炭化水素基)で表わすことができるが、Rで表わされる炭化水素基としては、例えば、デシル基、2級デシル基、ウンデシル基、2級ウンデシル基、ドデシル基、2級ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、2級トリデシル基、テトラデシル基、2級テトラデシル基、ペンタデシル基、2級ペンタデシル基、ヘキサデシル基、2級ヘキサデシル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、2級オクタデシル基、エイコシル基、2級エイコシル基等のアルキル基;デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基等のアルケニル基;ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p−クミルフェニル基、フェニルフェニル基、ベンジルフェニル基等のアリール基が挙げられる。
これらの炭化水素基の中でも、環境に対する安全性が高いと考えられることから、ベンゼン環を含有しないアルキル基やアルケニル基が好ましく、更に性能が良好なことからアルキル基がより好ましい。また、炭化水素基の炭素数が大きいほどベルトコンベア上のぬれ性が悪くなることから、炭化水素基の炭素数は、10〜18が好ましく、10〜16がより好ましい。ぬれ性が悪くなると、コンベアベルト上に噴霧あるいは塗布した潤滑剤がまだら状態になり、容器とベルトコンベアとの接触面での摩擦係数にばらつきが生じるため、ベルトコンベアでの搬送がスムーズにできない場合があるために好ましくない。
本発明の(A)成分は、上記の1価有機ヒドロキシ化合物に酸化エチレンと酸化プロピレンを付加することによって得られるが、その重合形態は特に限定されず、酸化エチレンと酸化プロピレンとのランダム共重合、ブロック共重合、ランダム/ブロック共重合等でよい。(A)成分のノニオン界面活性剤に含まれるポリオキシアルキレン基(酸化エチレン+酸化プロピレン)の重合度は、3〜30、好ましくは5〜25である。ポリオキシアルキレン基の重合度が3未満であると、水に溶解しない場合がであり、また、30を超えると、泡立つ場合があるために好ましくない。
また、(A)成分中のポリオキシアルキレン基に占めるオキシエチレン基の割合は特に限定されないが、50〜95モル%となるようにエチレンオキシドの配合比を調整することが好ましく、60〜90モル%がより好ましい。オキシエチレン基の割合が50モル%未満になると潤滑性が不足する場合や製品安定性が不安定になる場合があり、また、95モル%を超えると使用時の泡立ちが大きくなる場合があるために好ましくない。なお、オキシエチレン基の割合が100モル%であると、使用時の泡立ちが大きくなるため長時間の連続使用が困難になる場合や、容器に印刷された印字が脱落する場合、ぬれ性が低下して潤滑剤が均等に塗布できない場合、あるいは水混入時に潤滑性性能が低下する場合等の問題を生じる。
本発明のベルトコンベア用潤滑剤は、上記の(A)成分と(B)成分である水とを混合したものであるが、(A)成分の配合量は、0.005〜5質量%になるように配合することが好ましい。使用時にはこれを原液で使用しても水で希釈してもよいが、(A)成分が0.005〜3質量%の濃度の状態で使用することが好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。
本発明のベルトコンベア用潤滑剤には、更に(C)成分であるオルガノポリシロキサンを0.03〜0.45質量%、好ましくは0.1〜0.4質量%になるように添加することが好ましい。オルガノポリシロキサンを添加することにより、本発明のベルトコンベア用潤滑剤に良好な潤滑性能を与えることができるが、0.03質量%未満であると潤滑性能の改善ができず、0.45質量%を超えると滑りすぎによる容器の転倒等の問題や、容器に印刷された印字が脱落する等の問題が発生する場合がある。
本発明で使用できるオルガノポリシロキサンは、下記の平均単位式(1)で表わすことができる。
SiO(4−a)/2 (1)
(Rは、炭素数1〜18の飽和又は不飽和の一価の炭化水素基の群の中から選択される少なくとも1種の基を表わし、aは1.8〜2.2の平均値を表わす)
Rは、炭素数1〜18の飽和又は不飽和の一価の炭化水素基の群から選択される少なくとも一種の基である。このような基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロヘキシル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;2−フェニルエチル基、2−メチルー2−フェニルエチル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフロロプロピル基、2−(パーフロロブチル)エチル基、2−(パーフロロオクチル)エチル基、p−クロロフェニル基等のハロゲン化炭化水素基が挙げられるが、本発明においては特に、メチル基、フェニル基、及び炭素数6〜14のアルキル基が好ましく、更に安価であることから90%以上がメチル基であることがより好ましく、全てメチル基であることが更に好ましい。
また、性能及び取り扱いの点から、上記のオルガノポリシロキサンの25℃での粘度は、50〜1000000mPa・秒であることが好ましく、100〜500000mPa・秒がより好ましい。粘度が50mPa・秒未満であると消泡剤としての効果が不十分な場合や潤滑性が不十分になる場合があり、粘度が1000000mPa・秒を超えると粘度が高すぎて取り扱いが困難になる場合や、系への混合が困難になって結果的に消泡性や潤滑性が不十分になる場合がある。
(C)成分であるオルガノポリシロキサンはそのまま使用してもよいし、エマルションの形態になっているものを使用してもよい。エマルションの形態になっているものは、通常オルガノポリシロキサンを20〜50質量%含有しているが、添加量としては、オルガノポリシロキサンが0.03〜0.45質量%、好ましくは0.1〜0.4質量%になるように計算して添加するのが好ましい。
本発明のベルトコンベア用潤滑剤は、公知の潤滑用添加剤の添加を拒むものではなく、使用目的に応じて、殺菌剤、キレート剤、溶剤、界面活性剤、pH調整剤、粘稠剤、香料などを本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
殺菌剤としては、例えば、イソチアゾリン類、フェノール類、ヨード類、ヒダントイン類、またはグアニジン類、アルキルアミン類、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。これらの殺菌剤の配合量は、本発明のベルトコンベア用潤滑剤全量に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜1質量%がより好ましい。
キレート剤としては、例えば、アミノカルボン酸またはその塩等が挙げられ、特に、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩、ポリアスパラギン酸、ポリアスパラギン酸ナトリウム塩、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三酢酸ナトリウム塩が好ましい。キレート剤を配合する場合の配合量は、本発明のベルトコンベア用潤滑剤全量に対して0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコールなどが挙げられる。これらの溶剤の配合量は、本発明のベルトコンベア用潤滑剤全量に対して0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
界面活性剤としては、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は上記殺菌剤としても利用できるが、その他製品安定化剤としても使用することができる。カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキル(アルケニル)トリメチルアンモニウム塩、ジアルキル(アルケニル)ジメチルアンモニウム塩、アルキル(アルケニル)四級アンモニウム塩、エーテル基或いはエステル基或いはアミド基を含有するモノ或いはジアルキル(アルケニル)四級アンモニウム塩、アルキル(アルケニル)ピリジニウム塩、アルキル(アルケニル)ジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキル(アルケニル)イソキノリニウム塩、ジアルキル(アルケニル)モルホニウム塩、ポリオキシエチレンアルキル(アルケニル)アミン、アルキル(アルケニル)アミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン、スルホベタイン、ホスホベタイン、アミドアミノ酸、イミダゾリニウムベタイン系界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤の配合量は、本発明のベルトコンベア用潤滑剤全量に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜3質量%がより好ましい。
本発明のベルトコンベア用潤滑剤は、ベルトコンベア上及び/または搬送物上に、原液または水で希釈したものを噴霧、塗布あるいは滴下して使用することができるが、ベルトコンベアに適することからスプレー等で噴霧することが好ましい。噴霧の形状はスプレーノズルの種類によって変わるが、用途に応じて使い分ければよく、公知のものであればいずれも使用することはできるが、中でも、ホロコーンタイプ、フルコーンタイプ、フラットスプレー、微細スプレー等の使用が好ましい。
搬送物としては、ベルトコンベアで使用するものであれば特に規定されないが、飲料物用の容器が好ましく、こうした容器の素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)製、ポリエチレン製、ポリプロピレン製、ポリスチレン製、ポリアミド製、ポリカーボネート製等のプラスチック製容器;紙製容器(ワックス仕上げや樹脂コーティングを含む);鉄製、アルミニウム製、錫製、銅製、亜鉛製、あるいはこれらの複合材料等の金属製容器;ガラス製容器;セラミックス製容器等が挙げられる。これらの容器の中でも、本発明の効果が顕著に表れることから、PET製容器や紙パック製容器、アルミ製容器での使用が好ましい。
噴霧方法としては連続噴霧または間欠噴霧のいずれの方法でもよい。連続噴霧の場合は、5〜80ml/分程度の噴霧量でコンベアベルト上及び/または搬送物上に連続して本発明のベルトコンベア用潤滑剤を噴霧してやればよく、間欠噴霧の場合は、10〜100ml/分程度の噴霧量で5〜120秒間程度噴霧し、その後10〜120分間程度噴霧を止める等の工程を連続的に行えばよい。間欠噴霧において、噴霧停止時にも潤滑性が保たれる理由は、一度噴霧した潤滑剤がコンベアベルト上に残存しているためである。噴霧方法としては、廃棄物が削減でき、潤滑剤および水の使用量も削減できることから、間欠噴霧による方法が好ましい。更に、間欠噴霧の場合は、噴霧を停止している間の潤滑機能を良好に保つために(C)成分を添加することが好ましく、噴霧前に水で希釈する手間を省くために、予め(A)成分が0.1〜5質量%と(C)成分が0.03〜0.45質量%の濃度の潤滑剤を原液で噴霧することがより好ましい。
以下、本発明を実施例により、具体的に説明する。尚、以下の実施例等において「%」及び「ppm」は、特に記載が無い限り質量基準である。
試験に使用した化合物を下記に記す。なお、EOはエチレンオキシド、POはプロピレンオキシドの略であり、その後の数字はそれぞれのアルキレンオキシドの付加モル数を表わす。
A−1:ラウリルアルコールEO8モルPO3モル付加物(ブロック共重合体)
A−2:イソトリデシルアルコールEO12モルPO5モル付加物(ブロック共重合体)
A−3:デシルアルコールEO10モルPO3モル付加物(ランダム共重合体)
A−4:オレイルアルコールEO16モルPO3モル付加物(ブロック共重合体)
A−5:ラウリルアルコールEO5モルPO6モル付加物(ブロック共重合体)
A−6:イソトリデシルアルコールEO25モルPO10モル付加物(ブロック共重合体)
A−7:ラウリルアルコールEO10モル付加物
A−8:オレイルアルコールEO15モル付加物
B−1:ポリジメチルシロキサン粘度1000mPa・秒(東レ・ダウコーニング社製)
B−2:ポリジメチルシロキサン粘度10000mPa・秒(東レ・ダウコーニング社製)
B−3:ポリジメチルシロキサンエマルション(東レ・ダウコーニング社製)
*B−3は、シリコーン濃度37%、使用シリコーン粘度100000mPa・秒
C−1:ポリアクリル酸ナトリウム(質量平均分子量5000)
上記の化合物を使用して下記の試験を行った。各化合物の配合及び評価結果については、ポリジメチルシロキサンを添加していない系については表1に、ポリジメチルシロキサンを添加した系については表2に記した。
(1)潤滑性試験
角底、500ml容積のポリエチレンテレフタレート(PET)製容器を置き、ベルトコンベアスピード30m/分の樹脂コンベア上に、潤滑剤を60ml/分の量で10分間噴霧した後、直後の摩擦係数(付着直後)と噴霧終了60分後の乾燥時の摩擦係数(乾燥後)を測定した。なお、摩擦係数は、PET製容器と荷重測定器を連結させ、コンベア稼動中の引張り荷重値を測定し、以下の計算式より算出したものである。
摩擦係数(μ)=引張り荷重(g)/PET製容器質量(g)
潤滑性評価方法
―:摩擦係数(μ)=0.08以下(滑りが良すぎる)
○:摩擦係数(μ)=0.08以上0.10未満(滑りが良好)
△:摩擦係数(μ)=0.10以上0.12未満(問題なく滑る)
×:摩擦係数(μ)=0.12以上(滑りが悪い)
(2)ぬれ性試験
コンベア潤滑剤をスプレーにより噴霧したときに、コンベアプレート上の付着について目視し、一面に濡れている場合「○」、ある程度濡れている場合「△」、はじいてしまい濡れていない場合には「×」として、三段階評価により判定を行なった。
(3)印字の脱落試験
容器の印字部分に潤滑剤を付着させて、60分後の印字部分について、目視により脱落がない場合を「○」、若干印字が薄くなった場合を「△」、脱落がある場合を「×」として判定を行なった。
(4)製品安定性試験
潤滑剤を40℃存在下で1カ月間放置後、分離しなかったものは「○」、分離したものは「×」として判定した。
(5)泡立ち試験
コンベアスピード60m/分の樹脂コンベア上に、潤滑剤100ml/分を2時間噴霧し、ドレンパン上の泡立ちについて評価をおこなった。
〇:泡が立たない;△:少量の泡が立っている;×:はっきり確認できる泡が立っている。
Figure 0005248133
Figure 0005248133
表1より、ポリオキシエチレン基のみを付加したノニオン界面活性剤(A−7及び8)を使用すると、印字の脱落及び泡立ちが悪化することがわかる。また(A)成分の添加量が5質量%を超えると、印字の脱落に悪影響を及ぼすことがわかる。また、ノニオン界面活性剤(A−1)とポリアクリル酸ナトリウム(C−1)を併用すると、顕著に泡立ちが増加することがわかる。
更に、表2より、ポリジメチルシロキサン(B−1ないし3)を併用すると、間欠噴霧の際、噴霧を停止している状態での潤滑性(乾燥後の潤滑性)が改善されることがわかる。一方、ポリオキシエチレン基のみを付加したノニオン界面活性剤(A−7及び8)と、ポリジメチルシロキサン(B−1)を併用しても、同時に潤滑性を良好すると共に泡立ちを抑制することができないことがわかる。また、ポリオキシアルキレン基中のオキシエチレン基の含有量が50モル%未満であるノニオン界面活性剤(A−5)とポリジメチルシロキサン(B−1)を併用すると、乾燥後の潤滑性が若干の劣化することがわかる。更に、ポリオキシアルキレン基の重合度が30を超えるノニオン界面活性剤(A−6)とポリジメチルシロキサン(B−1)を併用すると、泡立ちが若干増加することがわかる。また、ノニオン界面活性剤(A−1)とポリアクリル酸ナトリウム(C−1)を併用すると、ポリジメチルシロキサン(B−1)の存在下でさえ泡立ちが若干増加することがわかる。
本発明のベルトコンベア用潤滑剤は、お茶、コーヒー、紅茶、乳飲料、炭酸清涼飲料、調味料、加工食品等の製造工程や充填工程において、プラスチック製、紙製、金属製、ガラス製及びセラミック製容器等の移動搬送の際に用いられるベルトコンベアの潤滑剤として好適に使用できる。

Claims (6)

  1. (A)成分として、炭素数10〜20炭化水素基を持つ1価の有機ヒドロキシ化合物に酸化エチレン及び酸化プロピレンを付加して生成されるノニオン界面活性剤、B)成分として水、及び(C)成分として0.03〜0.45質量%のオルガノポリシロキサンを含有し、(A)成分のノニオン界面活性剤に含有されるポリオキシアルキレン基の重合度が3〜30であり、該ポリオキシアルキレン基中のオキシエチレン基の含有量が50〜95モル%である、ベルトコンベア用潤滑剤。
  2. (A)成分の濃度が、0.005〜5質量%である、請求項1に記載のベルトコンベア用潤滑剤。
  3. 更に、殺菌剤、キレート剤、溶剤、界面活性剤、pH調整剤、粘稠剤及び香料からなる群から選択される1種または2種以上の成分を含有する、請求項1または2に記載のベルトコンベア用潤滑剤。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のベルトコンベア用潤滑剤を、ベルトコンベア上及び/または搬送物上に原液または希釈したものを噴霧、塗布あるいは滴下して使用することを特徴とするベルトコンベア用潤滑剤の使用方法。
  5. 搬送物が、プラスチック製、紙製、金属製、ガラス製及びセラミック製から選択されるいずれかの容器である、請求項4に記載のベルトコンベア用潤滑剤の使用方法。
  6. 前記潤滑剤を噴霧して使用し、該噴霧は、ホローコーン、フルコーン、フラットスプレー又は微細スプレーから選択されるスプレーノズルを使用する、請求項4または5に記載のベルトコンベア潤滑剤の使用方法。
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