JP5247640B2 - スペーサ配置修正方法 - Google Patents
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Description
従来のスペーサ形成方法として、球状のスペーサを基板上に散布する方法がある。この方法は、スプレー噴霧する湿式散布法と、圧搾ドライ窒素などの気流で粉体状スペーサを基板上に直接散布する乾式散布法とがあるが、何れも画素領域にもスペーサが散布され、輝度の低下や輝度のむらが発生したり、基板上におけるスペーサ分布が不均一になったり、基板間ギャップが不均一になったりする場合がある。
さらに、特許文献4には、インクジェット装置を用いて、溶媒に球状のスペーサを分散させたスペーサ含有インクを、ノズルから非画素領域上に滴下して、溶媒を蒸発させることにより、非画素領域上にスペーサを残存させる方法が開示されている。
たとえば、インクジェット法によるスペーサ形成方法において、インクジェット装置から吐出される液滴中に、複数のスペーサが含有されるものとされ、スペーサ部を形成する各領域に一滴ずつスペーサ部形成用塗工液が塗布されてスペーサ部が形成される。しかし、通常スペーサの粒子径は1〜10数μmと大きいため、スペーサが分散したインクを吐出させると、吐出曲がりが発生し、画素領域にスペーサが配置されることがある。
また、スペーサを配置した後、熱処理などによりスペーサを基板に固着させる処理を行うが、固着処理後の基板洗浄、基板貼り合わせなどの工程において、スペーサが剥離または移動することがある。
本発明は、前記修正用検査工程は、前記禁止範囲内に配置された前記スペーサの位置を記憶し、前記レーザー光照射工程は、記憶された位置にレーザー光を照射するスペーサ配置修正方法である。
本発明は、複数の前記許容範囲を、前記処理対象物上に配置されたブラックマトリクス上に離間して設定し、前記禁止範囲を、前記ブラックマトリクスで囲まれた画素毎に設定するスペーサ配置修正方法である。
本発明は、前記修正用検査工程は、前記スペーサが配置されていない前記許容範囲を検出する補助検査工程を有し、前記補助検査工程で検出された前記許容範囲内に第二の吐出ヘッドから前記分散液の液滴を吐出する修正吐出工程が設けられたスペーサ配置修正方法である。
本発明は、前記修正用吐出工程は、前記スペーサが配置されていない前記許容範囲の位置を記憶し、記憶された位置の前記許容範囲に前記分散液の液滴を吐出させるスペーサ配置修正方法である。
本発明は、前記処理対象物上の前記スペーサの配置状態から前記処理対象物を良品か、不良品か、修正可能な品かを判別する基準を予め定めておき、前記主吐出工程で、前記第一の吐出ヘッドから前記分散液の液滴が吐出された前記処理対象物表面の前記配置状態を検査する予備検査工程を有し、前記予備検査工程で良品とされた前記処理対象物は、前記修正用検査工程とレーザー光照射工程とを行わず、前記スペーサを前記処理対象物の表面に固着させる本加熱処理を行い、前記予備検査工程で不良品とされた前記処理対象物は、前記処理対象物表面上の全てのスペーサを除去し、再度、前記主吐出工程を行い、前記予備検査工程で修正可能な品とされた前記処理対象物は、前記修正用検査工程を行うスペーサ配置修正方法である。
図1の符号30は、スペーサ配置装置であり、インクジェット吐出装置58と、第一の検査装置59と、パネルステージ51とを有している。
パネルステージ51には、処理対象物(ここではスペーサが吐出される図2で示される液晶表示装置用の液晶パネル10)を始点から終点まで移動させることができる不図示のパネル移動機構が設けられている。パネル移動機構は、パネルステージ51上の始点に液晶パネル10を載せると液晶パネル10をパネルステージ51上の液晶パネル10の配置位置である始点から基板を取り上げる位置である終点まで水平面内で直線的に移動させることができる。
第一の吐出ヘッド53は、液晶パネル10の移動の始点から終点の間のパネルステージ51の上方に位置し、不図示のヘッド移動機構により液晶パネル10の移動する水平面内で液晶パネル10の移動方向と垂直な方向へ往復移動できる。液晶パネル10が、始点から終点まで移動する間に、液晶パネル10は、第一の吐出ヘッド53の移動範囲の下を通過する。
第一の吐出ヘッド53は、液体タンク49に接続されている。液体タンク49には、スペーサ40が溶剤中に分散された分散液が蓄積されており、第一の吐出ヘッド53に分散液を供給する。図3に示すようにスペーサは、芯38を中心として、芯38と芯38の表面に形成された樹脂膜39から成る。
第一の吐出ヘッド53は複数の吐出孔を有している。ここでは吐出孔は第一の吐出ヘッド53の移動方向と垂直な方向に並んで設けられているので、一回の移動で液晶パネル10上の一つの帯状の範囲に含まれる吐出位置に吐出可能である。全ての吐出位置を含む液晶パネル10表面を液晶パネル10の移動方向と垂直な方向に延びた帯状の範囲に隙間無く区切るとすると、帯状の幅の分だけの液晶パネル10を移動して、帯状の範囲内の吐出を繰り返すと液晶パネル10表面上の全ての吐出位置に向けて分散液の液滴を吐出することができる。なお、吐出口を第一の吐出ヘッド53の移動方向と平行に設け、液晶パネルを往復運動させながら第一の吐出ヘッド53を帯状の幅の分だけ移動させてもよい。
第一の撮像装置52が、液晶パネル10の全ての表面を撮像し、撮像した映像を第一の画像処理装置48へ送ることができる。
また、画素部などスペーサ40が配置されることが許容されない範囲として、禁止範囲が設定される。第一の画像処理装置48は、禁止範囲に配置された分散液の位置、および禁止範囲に配置されたスペーサの個数を検出してもよい。
また、第一の画像処理装置48は、第一の記憶装置に記憶された情報と予め決められた基準値(上下限の値を含む)と比較し、不良箇所が上限の基準値より多ければ不良品、上下限の基準値内なら修正可能な品、下限の基準値より少なければ良品と判別する。
乾燥室(不図示)は、乾燥装置を有している。
乾燥装置は、乾燥室内に搬送された表面にスペーサ40が吐出された液晶パネル10を加熱するように構成されている。
乾燥装置が液晶パネル10を加熱する温度は、スペーサ40が含有する樹脂膜39が溶融しない温度であり、乾燥装置は、吐出された分散液の溶剤を蒸発させることができる。
図4の符号50は、スペーサ配置修正装置であり、第二の検査装置61と、レーザー光照射装置55と、XYステージ65と台座66とを有している。
XYステージ65は、液晶パネル10を載せて液晶パネル10と一緒にX、Y方向のいずれか一方向、又は両方向へ移動できる。
レーザー光照射装置55は、レーザー光とポイントマーカー光を射出できるように構成されている。
XYステージ65は、固定された台座66の上に載せられている。
ポイントマーカー光は、例えば赤色に着色されており、照射された場所に赤色に着色された着色点が形成される。
第二の撮像装置54は、ハーフミラー64に写った液晶パネル10の上の着色点と着色点を中心に所定の半径の円内である視野範囲内を撮像できる位置に配置されている。
液晶パネル10が配置されたXYステージ65を移動させると、全ての液晶パネル10の表面を第二の撮像装置54の視野範囲内で静止させることができる。
第二の撮像装置54は、撮像した画像を示すデータを第二の画像処理装置63に送ると、第二の画像処理装置63のモニターには、第二の撮像装置54により撮像された範囲内の液晶パネル10の表面が表示される。第二の画像処理装置63には、XYステージ65のX方向の移動量とY方向の移動量が別々に計測できるXカウンターとYカウンターがそれぞれ内蔵されている。
焼成室(不図示)は、加熱装置を有している。焼成室の加熱装置は、良品とされた液晶パネル10を加熱し、スペーサ40を液晶パネル10の表面に固着させることができる。
バキュームクリーナ(不図示)は、第二の吸引装置を有している。第二の吸引装置は、大面積対応の吸引手段であり、液晶パネル10上の全ての領域のスペーサ40を吸引して除去することができる。
図5のフローチャートを用いて本発明のスペーサ配置修正方法の動作を説明する。
予め、スペーサ40が配置されるべき領域(ここではブラックマトリクス15上)である許容範囲と、スペーサ40を配置しない領域(ここでは画素16上)である禁止範囲とが、液晶パネル10の種類に応じて液晶パネル10上に決められており、第一、第二の記憶装置には、液晶パネル10上の許容範囲と禁止範囲のそれぞれ位置と大きさが記憶されている。
液晶パネル10を移動させて主吐出工程を開始する。第一の吐出ヘッド53の一つのノズル孔の真下位置に来た許容範囲の吐出位置に向けて分散液の液滴を吐出する。
液晶パネル10と第一の吐出ヘッド53を移動させ、複数のノズル孔によって各吐出位置に対して吐出を繰り返して液晶パネル10内の全ての吐出位置に液滴を吐出する(ステップS2)。
予備検査が行われた液晶パネル10は、乾燥室に搬送されて、加熱前処理が行なわれる。乾燥室は、液晶パネル10を加熱し、分散液中に含まれる溶剤を蒸発させる(ステップS4)。この加熱前処理では、溶剤は蒸発するが、スペーサ40の周囲の樹脂膜39は溶解せず、スペーサ40は液晶パネル10に樹脂膜39が固着していない状態で固定される。
ここでは加熱前処理は、予備検査工程の後で行ったが、第一の吐出ヘッド53からの吐出後であって第一の検査装置59による検査の前に行っても良い。
予備検査工程で不良品とされた液晶パネル10は、バキュームクリーナに搬送される。バキュームクリーナの第二の吸引装置は、空気の流れと共に液晶パネル10全体のスペーサ40を吸引する(ステップS6)。
予備検査工程で良品とされた液晶パネル10は、後述する第二の検査装置61による検出やレーザー光照射装置55によるレーザー光の照射を行わずに、スペーサ40が含有する樹脂膜39が溶融する温度で加熱することができる焼成室内へ搬送される。
予備検査工程で修正可能な品とされた液晶パネル10は、乾燥室からスペーサ配置修正装置50のXYステージ65上へ搬送される。
液晶パネル10をXYステージ65上に載せて修正用検査工程を開始し、禁止範囲内に配置されたスペーサを検出する。
修正可能とされた液晶パネル10は、修正検査工程で検出されたスペーサ40にレーザー光を照射して液晶パネル10上からスペーサ40を除去するレーザー光照射工程を開始させる。除去されたスペーサ40は第一の吸引装置57で吸引される。
ここでは、第二の記憶装置に記憶された禁止範囲内に配置された複数のスペーサ40の中から一つのスペーサ40を選択し、第二の記憶装置に記憶された詳細位置の情報を使用して選択されたスペーサ40にポイントマーカーの着色点に一致させるようにXYステージ65を移動させる。
なお、単に修正用検査工程で第二の記憶装置に記憶された禁止範囲のスペーサ40のXY座標に、自動的にレーザー光を照射するように制御してもよい。
なお、主許容範囲個数を再吐出用の基準値と比較して修正可能な品とされた液晶パネル12は、修正用吐出工程(ステップS11)を開始すると、第二の記憶装置に位置の記憶されたスペーサ40が配置されていない吐出位置の真上位置に第二の吐出ヘッドが来るようにXYステージを移動させて、第二の吐出ヘッド73から液晶パネル10の吐出位置に向けて分散液の液滴を吐出する。必要数のスペーサが配置されていない場合は、不足するスペーサの個数を吐出するように吐出量もしくは吐出回数を、制御してもよい。
修正用吐出工程では、第二の記憶装置に位置が記憶されたスペーサ40が配置されていない各許容範囲に対して分散液の液滴の吐出を行うと液晶パネル10内の吐出すべき許容範囲内に液滴が吐出される(ステップS11)。
焼成室内には、修正用吐出工程を行った液晶パネル10と、予備加熱工程後に良品とされた液晶パネル10と、レーザー照射工程後に良品とされ修正吐出工程を行わなかった液晶パネル10のいずれかの液晶パネルが順次、搬送される。焼成室内で加熱本処理が開始され、液晶パネル10は、加熱され、焼成室の加熱装置がスペーサ40が有する樹脂膜39を溶融してスペーサ40を液晶パネル10表面に固着させる(ステップS12)。
表面にスペーサ40が固着された液晶パネル10は、最終検査が行われる(ステップS13)。
最終検査を行った後、処理を終了する(ステップS14)。
上述したレーザー光照射工程では、自動でレーザー光の照射を行ったがレーザー光照射装置55を手動でレーザー光の照射を行ってもよい。
40……スペーサ
48……第一の画像処理装置
49……液体タンク
52……第一の撮像装置
53……第一の吐出ヘッド
54……第二の撮像装置
55……レーザー光照射装置
57……吸引装置
58……インクジェット吐出装置
59……第一の検査装置
61……第二の検査装置
63……第二の画像処理装置
73……第二の吐出ヘッド
Claims (6)
- 処理対象物上に、スペーサが配置されるべき領域である許容範囲と、前記スペーサが配置されない領域である禁止範囲と、が設定され、前記許容範囲内に向けて第一の吐出ヘッドから前記スペーサが分散された分散液の液滴を吐出する主吐出工程と、
前記禁止範囲内に配置された前記スペーサを検出する修正用検査工程と、
前記禁止範囲内で検出された前記スペーサにレーザー光を照射して前記処理対象物上から前記スペーサを除去するレーザー光照射工程とを有するスペーサ配置修正方法。 - 前記修正用検査工程は、前記禁止範囲内に配置された前記スペーサの位置を記憶し、前記レーザー光照射工程は、記憶された位置にレーザー光を照射する請求項1記載のスペーサ配置修正方法。
- 複数の前記許容範囲を、前記処理対象物上に配置されたブラックマトリクス上に離間して設定し、前記禁止範囲を、前記ブラックマトリクスで囲まれた画素毎に設定する請求項1記載のスペーサ配置修正方法。
- 前記修正用検査工程は、前記スペーサが配置されていない前記許容範囲を検出する補助検査工程を有し、
前記補助検査工程で検出された前記許容範囲内に第二の吐出ヘッドから前記分散液の液滴を吐出する修正吐出工程が設けられた請求項1記載のスペーサ配置修正方法。 - 前記修正用吐出工程は、前記スペーサが配置されていない前記許容範囲の位置を記憶し、記憶された位置の前記許容範囲に前記分散液の液滴を吐出させる請求項4記載のスペーサ配置修正方法。
- 前記処理対象物上の前記スペーサの配置状態から前記処理対象物を良品か、不良品か、修正可能な品かを判別する基準を予め定めておき、前記主吐出工程で、前記第一の吐出ヘッドから前記分散液の液滴が吐出された前記処理対象物表面の前記配置状態を検査する予備検査工程を有し、
前記予備検査工程で良品とされた前記処理対象物は、前記修正用検査工程とレーザー光照射工程とを行わず、前記スペーサを前記処理対象物の表面に固着させる本加熱処理を行い、
前記予備検査工程で不良品とされた前記処理対象物は、前記処理対象物表面上の全てのスペーサを除去し、再度、前記主吐出工程を行い、
前記予備検査工程で修正可能な品とされた前記処理対象物は、前記修正用検査工程を行う請求項1乃至5のいずれか1項記載のスペーサ配置修正方法。
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