JP5247632B2 - 画像処理装置及び方法、並びに画像表示装置及び方法 - Google Patents

画像処理装置及び方法、並びに画像表示装置及び方法 Download PDF

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本発明は、デジタル化された画像を拡大する画像処理装置及び方法、並びに画像表示装置及び方法に関するものであり、画像を拡大する際に、高周波数成分を生成することによって、解像感の高い拡大画像を得るものである。
一般に画像処理装置は、出力画像の画素数が入力画像の画素数より多い場合、画像を拡大処理しなければならない。従来の画像処理装置では注目する画素近傍の画素がもつ画素値を重み付け加算して画像を拡大していた。また、カラー画像に対する処理では輝度信号に画像強調処理を行っている。
例えば特許文献1に記載された画像処理装置においては、各シフトレジスタからそれぞれ出力される主走査方向の隣り合った5個の画素データに所定の重み付け定数を乗算し、各画素データにおける乗算結果を加算するための演算回路を備え、画像データの拡大処理を行う場合に、演算回路での演算結果をこれらの画素データの中央の画素データとしてセレクタにて選択して出力している。
さらに特許文献2に記載された鮮鋭度強調回路においては、入力した映像信号の輝度成分に対して、その輝度成分の最も高い高域の成分が含まれる周波数帯を中心として強調する第1の強調回路と、第1の強調回路よりも低い中心周波数で映像信号の輝度成分を強調する第2の強調回路を備えている。
特開平6−311346号公報 特開2000−115582号公報
注目する画素近傍の画素がもつ画素値を重み付け加算することは入力画像の低周波数成分のみを通過させるローパスフィルタ処理となる。従って、上記の従来の技術では、拡大画像に対して高周波数成分を十分に与えることが出来ないため、拡大画像の解像感が失われるという問題があった。
また、入力した映像信号の輝度成分に対して、強調処理を行う場合、濃淡が変化することがある。
本発明は上述のような課題を解消するためになされたもので、本発明の画像処理装置は
カラー画像を拡大する画像処理装置において、
前記カラー画像の輝度成分を表す画像を拡大し、第1の拡大画像を出力する第1の画像拡大手段と、
前記カラー画像の輝度成分を表す画像の高周波数成分を取り出し、第1の高周波数成分画像を生成する第1の高周波数成分画像生成手段と、
前記第1の高周波数成分画像を拡大し、第2の拡大画像を出力する第2の画像拡大手段と、
前記第2の拡大画像を入力とし、第2の高周波数成分画像を出力する高周波数成分画像処理手段と、
前記第1の拡大画像と前記第2の高周波数成分画像を加算する第1の加算手段と、
前記カラー画像の色差成分を表す画像を拡大した色差拡大画像を出力する画像拡大手段と、
前記色差拡大画像を補正する色差補正手段
を有することを特徴とする。
本発明によれば、カラー画像の濃淡が変化することなく、高周波数成分を十分に与えることができ、解像感のある拡大画像を得ることができる。
本発明の実施の形態1の画像処理装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1の画像処理装置を用いた画像表示装置の構成例を示すブロック図である。 図1の輝度画像拡大手段6の構成をより詳細に示すブロック図である。 (a)〜(d)は、画像拡大手段2Aの動作を示す画素配置図である。 画像拡大手段2Aの構成例を示すブロック図である。 画像拡大手段2Bの構成例を示すブロック図である。 水平方向非線形処理手段31hの構成例を示すブロック図である。 垂直方向非線形処理手段31vの構成例を示すブロック図である。 色差補正手段5の構成例を示すブロック図である。 色差補正手段6における画素値と増幅率の関係の一例を示す図である。 (a)〜(d)は、拡大画像D2Aを得る過程を説明するための周波数スペクトル及び周波数応答を示す図である。 (a)〜(f)は、中間画像D32Aを得る過程を説明するための周波数スペクトル及び周波数応答を示す図である。 (a)〜(c)は、中間画像D32Bを得る過程を説明するための周波数スペクトル及び周波数応答を示す図である。 (a)〜(e)は、ステップエッジ信号とステップエッジ信号を異なるサンプリング周波数でサンプリングした際に得られる信号とその高周波数成分の信号強度を示す図である。 (a)〜(f)は、非線形処理手段31と高周波数成分画像生成手段32Bのを説明するための、信号強度を示す図である。 拡大画像Doutの周波数スペクトルの説明図である。 (a)〜(d)は、中間画像D32A、D32Bを加算する効果を説明するための、信号強度を示す図である。 (a)及び(b)は、中間画像D32A、D32Bを加算する効果及び不具合の説明するための信号強度を示す図である。 色差補正手段6における画素値と増幅率の関係の他の例を示す図である。 (a)〜(e)は、ステップエッジ信号とステップエッジ信号を異なるサンプリング周波数でサンプリングした際に得られる信号とその高周波数成分の信号強度を示す図である。 (a)〜(f)は、非線形処理手段31と高周波数成分画像生成手段32Bの動作を説明するための信号の強度を示す図である。 本発明の実施の形態2の画像処理装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態2の画像処理方法を示すフロー図である。 高周波数成分画像生成ステップST1を示すフロー図である。 画像拡大ステップST2Bを示すフロー図である。 高周波数成分画像処理ステップST3を示すフロー図である。 水平方向非線形処理ステップST31hを示すフロー図である。 垂直方向非線形処理ステップST31vを示すフロー図である。 色差増減ステップST5を示すフロー図である。 実施の形態1の高周波数成分画像処理手段3の変形例を示すブロック図である。 実施の形態2の高周波数成分画像処理ステップST3の変形例を示すフロー図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による画像処理装置の構成を表す図であり、例えば図2に示す画像表示装置の一部として用いることができる。ここで図2に示す画像表示装置は図1に示す画像処理装置を内部に含む画像処理装置U1及び表示部9を備えており、画像処理装置U1において画像DORGに対する出力として得られた画像DU1が表示部9に表示される。
画像DU1は輝度信号(Y)と色差信号(Cr、Cb)に分かれている(以下、YCbCr形式と呼ぶこともある)ので、通常、表示部9において表示される前に赤(R)、緑(G)、青(B)の色信号(以下RGB形式と呼ぶこともある)に変換される。YCbCr形式とRGB形式の間の変換は例えば国際電気通信連合による勧告ITU−R.BT601等に記載されており、RGB形式からYCbCr形式への変換は
Y=0.299R+0.587G+0.114B
Cr=0.500R−0.419G−0.081B
Cb=−0.169R−0.331G+0.500B
…(1)
により行なわれ、YCbCr形式からRGB形式への変換は
R=1.000Y+1.402Cr+0.000Cb
G=1.000Y−0.714Cr−0.344Cb
B=1.000Y+0.000Cr+1.772Cb
…(2)
により行なわれる。なお、式(1)、式(2)に示した式は一例であって、YCbCr形式とRGB形式の間の変換方法はこれに限定されない。また、入力画像が8ビットデータの場合、Cr、Cbの値は通常−128以上127以下の範囲に、R、G、Bの値は0以上255以下の範囲に、それぞれ丸め込まれる。
実施の形態1による画像処理装置は、入力カラー画像IMGINを入力とし、出力カラー画像IMGOUTを出力とする。入力カラー画像IMGINはカラー画像であり、輝度成分を表す信号YIN(以下、入力輝度画像YINと呼ぶ)と色差成分を表す信号CRIN及びCBINから成る。信号CRIN(以下、入力CR画像CRINと呼ぶ)は色差成分のうちCr成分を表し、信号CBIN(以下、入力CB画像CBINと呼ぶ)は色差成分のうちCb成分を表す。出力カラー画像IMGOUTもカラー画像であり、輝度成分を表す信号YOUT(以下、出力輝度画像YOUTと呼ぶ)と色差成分を表す信号CROUT及びCBOUTから成る。信号CROUT(以下、出力CR画像CROUTと呼ぶ)は色差成分のうちCr成分を表し、信号CBOUT(以下、入力CB画像CBOUTと呼ぶ)は色差成分のうちCb成分を表す。
図示の画像処理装置は、輝度画像拡大手段6、CB画像拡大手段(第1の色差画像拡大手段)2C、CR画像拡大手段(第2の色差画像拡大手段)2D、及び色差信号補正手段5を有する。
CB画像拡大手段2Cは入力CB画像CBINを拡大した画像(CB拡大画像)D2Cを出力する。
CR画像拡大手段2Dは入力CR画像CRINを拡大した画像(CR拡大画像)D2Dを出力する。
輝度画像拡大手段6は、画像拡大手段2Aと、高周波数成分画像生成手段1と、画像拡大手段2Bと、高周波数成分画像処理手段3と、加算手段4とを備え、入力輝度画像YINを拡大した画像D4と高周波数成分画像(高周波数成分処理画像)D3を出力する。
なお、特別の理由がない限り、輝度画像拡大手段6、画像拡大手段2C、画像拡大手段2Dでの拡大率は同じである。
また、CB画像拡大手段2CおよびCR画像拡大手段2Dの動作、構成は後述する画像拡大手段2Aの動作、構成と同様とする。
図3は輝度画像拡大手段6の構成の詳細を表す図であり、入力輝度画像YINが入力画像Dinとして、出力輝度画像YOUTが出力画像Doutとして表されている。以下、画像拡大手段2A、高周波数成分画像生成手段1、画像拡大手段2B、及び高周波数成分画像処理手段3の構成をより詳細に説明する。
画像拡大手段2Aは、入力画像Dinを拡大して拡大画像D2Aを生成する。
高周波数成分画像生成手段1は、入力画像Dinの高周波数成分のみを取り出して高周波数成分画像D1を生成する。
画像拡大手段2Bは、高周波数成分画像生成手段1から出力される高周波数成分画像D1を拡大して拡大画像(高周波数成分拡大画像)D2Bを生成する。
高周波数成分画像処理手段3は、画像拡大手段2Bから出力される拡大画像D2Bに対して後述の処理を行い、高周波数成分画像D3を生成する。
色差補正手段5は、色差拡大画像D2C、D2Dを補正して、出力CB画像CBOUT及び出力CR画像CROUTを出力する。
加算手段4は、画像拡大手段2Aから出力される拡大画像D2Aに、高周波数成分画像処理手段3から出力される高周波数成分画像D3を加算して、その結果を最終的な輝度拡大画像、即ち出力画像Doutとして出力する。加算手段4の出力は、色差補正手段5から出力される、出力CB画像CBOUT及び出力CR画像CROUTとともに、例えば図2に示す画像表示装置の表示部9に画像DU1として供給され、表示部9による画像表示に用いられる。
なお、本明細書において、拡大、高周波数成分生成、高周波数成分処理などの処理は「画像」に対して行なわれる旨記載されるが、具体的には、画像を表すデジタルデータに対して行われる。また、「画像」との記載も具体的には「画像データ」を意味する場合がある。
画像拡大手段2A、高周波数成分画像生成手段1、画像拡大手段2B、及び高周波数成分画像処理手段3の詳細な動作については後述するが、高周波数成分画像D3のもつ周波数成分は拡大画像D2Aがもつ周波数成分より高い周波数帯域のものとなる。従って加算手段4において拡大画像D2Aに高周波数成分画像D3を加算することで、高周波数成分を多く含んだ拡大画像Doutを得ることができる。
画像拡大手段2Aは、水平方向及び垂直方向の少なくとも一方に画像を拡大するものであり、例えば、水平方向及び垂直方向に同じ倍率で拡大を行なうが、代わりに、水平方向及び垂直方向に異なる倍率で拡大を行なうものであっても良い。また、水平方向及び垂直方向の一方にのみ拡大を行なうものであっても良く、例えば入力画像に対して表示画面が横長である場合に水平方向にのみ拡大を行なうことがある。
高周波数成分画像生成手段1は、入力画像Dinの高周波数成分(所定の周波数Fbよりも高い成分)を取り出して、高周波数成分画像D1を生成するものであり、後述の方法でそれぞれ水平方向高周波数成分画像D1h及び垂直方向高周波数成分画像D1vを生成する水平方向高周波数成分画像生成手段1h及び垂直方向高周波数成分画像生成手段1vを備える。水平方向高周波数成分画像D1hと垂直方向高周波数成分画像D1vとで高周波数成分画像D1が構成されている。
画像拡大手段2Bは、水平方向高周波数成分画像D1hを拡大した拡大画像D2Bhを生成する画像拡大手段2Bh及び垂直方向高周波数成分画像D1vを拡大した拡大画像D2Bvを生成する画像拡大手段2Bvを備える。拡大画像D2Bhと拡大画像D2Bvとで拡大画像D2Bが構成されている。
画像拡大手段2Aが水平方向及び垂直方向の両方向に拡大を行なう場合、画像拡大手段2Bhは、水平方向高周波数成分画像D1hを水平方向及び垂直方向の両方向に拡大し、画像拡大手段2Bvは、垂直方向高周波数成分画像D1vを水平方向及び垂直方向の両方向に拡大する。画像拡大手段2Bh及び2Bvによる、水平方向高周波数成分画像D1h及び垂直方向高周波数成分画像D1vの拡大は、画像拡大手段2Aによる拡大と水平方向及び垂直方向の各々について同じ倍率で行なわれる。
高周波数成分画像処理手段3は、高周波数成分画像生成手段32Aと、非線形処理画像生成手段30と、加算手段34を備えている。
高周波数成分画像生成手段32Aは拡大画像D2Bを入力とし、中間画像(高周波数成分画像)D32Aを出力し、
非線形処理画像生成手段30は拡大画像D2Bを入力とし、中間画像(エッジ鮮鋭化画像)D32Bを出力し、
加算手段34は、中間画像D32A、D32Bを入力とし、高周波数成分画像D3を出力する。
高周波数成分画像生成手段32Aは、拡大画像D2Bの高周波数成分(所定の周波数Fdよりも高い成分)を取り出して中間画像(高周波数成分画像)D32Aを出力するものであり、拡大画像D2Bhに含まれる水平方向の高周波数成分のみを取り出した水平方向中間画像D32Ahを生成する水平方向高周波数成分画像生成手段32Ahと、拡大画像D2Bvの垂直方向の高周波数成分のみを取り出した垂直方向中間画像D32Avを生成する垂直方向高周波数成分画像生成手段32Avを備え、高周波数成分画像生成手段32Aからは、水平方向中間画像D32Ahと垂直方向中間画像D32Avから成る中間画像D32Aが出力される。
非線形処理画像生成手段(エッジ鮮鋭化画像生成手段)30は、拡大画像D2Bに対して非線形処理を含む処理を行った中間画像(エッジ鮮鋭化画像)D32Bを出力するものであり、非線形処理手段31、及び高周波数成分画像生成手段32Bを備える。
非線形処理手段31は、拡大画像D2Bに対して後述するエッジの鮮鋭化のための非線形処理を行った非線形処理画像D31を生成する。
高周波数成分画像生成手段32Bは非線形処理画像D31に含まれる高周波数成分(所定の周波数Ffよりも高い成分)を取り出した中間画像D32Bを出力する。
非線形処理手段31は、拡大画像D2Bhに対して非線形処理した非線形処理画像D31hを生成する水平方向非線形処理手段31hと、拡大画像D2Bvに対して非線形処理した非線形処理画像D31vを生成する垂直方向非線形処理手段31vを備えており、非線形処理画像D31は非線形処理画像D31hと非線形処理画像D31vから成る。
高周波数成分画像生成手段32Bは、非線形処理画像D31hから高周波数成分を取り出し、水平方向中間画像D32Bhを生成する水平方向高周波数成分画像生成手段32Bhと、非線形処理画像D31vから高周波数成分を取り出し、垂直方向中間画像D32Bvを生成する垂直方向高周波数成分画像生成手段32Bvを備え、中間画像D32Bは水平方向中間画像D32Bhと垂直方向中間画像D32Bvから成る。
加算手段34は、中間画像D32Aと中間画像D32Bを加算し、高周波数成分画像D3として出力する。
以下、輝度画像拡大手段6において、入力画像Dinを水平方向、垂直方向ともに2倍に拡大した拡大画像Doutを生成する場合を例にし、各構成要素の動作をさらに詳細に説明する。
まず、画像拡大手段2Aの動作について説明する。画像拡大手段2Aは入力画像Dinを水平方向、垂直方向ともに2倍に拡大した拡大画像D2Aを生成する。図4(a)〜(d)は画像拡大手段2Aにおける拡大画像D2Aの生成手順の一例を模式的に示した図であり、図5は画像拡大手段2Aの一例を示した図である。
画像拡大手段2Aは、ゼロ挿入手段21Aと、低周波数成分通過手段22Aを備える。以下、図4(a)〜(d)を用いてゼロ挿入手段21A及び低周波数成分通過手段22Aの動作を説明する。図4(a)は入力画像Din(特に画像の一部を構成する画素の配列)を、図4(b)はゼロ挿入手段21Aで生成されるゼロ挿入画像D21Aを、図4(c)は低周波数成分通過手段22Aにおいて拡大画像D2Aを生成する際使用されるフィルタ係数を、図4(d)は低周波数成分通過手段22Aで生成された拡大画像D2Aを表す。図4(a)、(b)、(d)には画素の位置に対応させて水平座標X、垂直座標Yを記載している。
ゼロ挿入手段21Aでは入力画像Dinに対して画素値0をもつ画素を水平方向には(入力画像Dinの)1画素につき1個(隣り合う2つの画素相互間に1個)、垂直方向には(入力画像Dinの)1ラインにつき1本(隣り合う2本のライン相互間に1本)を挿入したゼロ挿入画像D21Aを生成する。
「PXY」が入力画像Dinの座標(X,Y)における画素の画素値を表し、「P’XY」がゼロ挿入画像D21Aの座標(X,Y)の画素の画素値を表すとすると、ゼロ挿入画像D21Aの、P’(2X−1)(2Y−1)で表わされる画素値は、入力画像DinのPXYに等しく、P’(2X−1)(2Y)、P’(2X)(2Y)、P’(2X)(2Y−1)で表わされる画素値は、ゼロに等しい。
低周波数成分通過手段22Aではゼロ挿入画像D21Aに対し、図4(c)に示されたフィルタ係数で表されたフィルタ演算を行うことで、図4(d)に示される拡大画像D2Aを生成する。
例えば、拡大画像D2Aに含まれる、座標(X,Y)の画素の画素値QXYは下記の式(3)のように計算される。
QXY=(4/16)×
{P’(X−1)(Y−1)+2P’X(Y−1)+P’(X+1)(Y−1)
+2P’(X−1)Y+4P’XY+2P’(X+1)Y
+P’(X−1)(Y+1)+2P’X(Y+1)+P’(X+1)(Y+1)}
…(3)
なお、図4(c)で表されるフィルタ係数はローパスフィルタを表すので、式(3)で表される低周波数成分通過手段22Aにおける処理はゼロ挿入画像D21Aの低周波数成分(所定の周波数Fa以下の成分)を取り出すことに対応する。
また、式(3)において
P’(X−1)(Y−1)、2P’X(Y−1)、P’(X+1)(Y−1)、2P’(X−1)Y、P’XY、2P’(X+1)Y、P’(X−1)(Y+1)、P’X(Y+1)、P’(X+1)(Y+1)
のうちいくつかはその値が0であり、それ以外は入力画像Dinの画素値そのものになる。従って拡大処理は入力画像Dinにおいて注目する画素の近傍の画素値を加重加算する処理と同じである。
次に水平方向高周波数成分画像生成手段1h及び垂直方向高周波数成分画像生成手段1vの動作について説明する。
水平方向高周波数成分画像生成手段1hは入力画像Dinに対して、入力画像Dinの各画素及びその水平方向近傍にある、例えば所定数の画素を用いたハイパスフィルタをかけて水平方向高周波数成分画像D1hを生成する。
一方、垂直方向高周波数成分画像生成手段1vは入力画像Dinに対して、入力画像Dinの各画素及びその垂直方向近傍にある、例えば所定数の画素を用いたハイパスフィルタをかけて垂直方向高周波数成分画像D1vを生成する。
ハイパスフィルタをかけることは高周波数成分を取り出すことに対応し、水平方向高周波数成分画像D1hには、入力画像Dinの水平方向の高周波数成分(所定の水平周波数よりも高い成分から成る)が含まれ、垂直方向高周波数成分画像D1vには、入力画像Dinの垂直方向の高周波数成分(所定の垂直方向周波数よりも高い成分から成る)が含まれる。
水平方向高周波数成分画像生成手段1hで行なわれるハイパスフィルタをかける処理としては、例えば、該手段1hへの入力信号からその水平方向の低周波数成分(もしくは各画素に対して水平方向に整列した所定数の画素から成る局所領域における画素値の単純平均値あるいは加重平均値)を差し引くことで高周波数成分を取り出す処理を行なうことができる。
同様に、垂直方向高周波数成分画像生成手段1vで行なわれるハイパスフィルタをかける処理としては、例えば、該手段1vへの入力信号からその垂直方向の低周波数成分(もしくは各画素に対して垂直方向に整列した所定数の画素から成る局所領域における画素値の単純平均値あるいは加重平均値)を差し引くことで高周波数成分を取り出す処理を行なうことができる。
次に画像拡大手段2Bh及び2Bvの動作について説明する。画像拡大手段2Bhは水平方向高周波数成分画像D1hを水平方向、垂直方向とも2倍に拡大した拡大画像D2Bhを生成し、画像拡大手段2Bvは垂直方向高周波数成分画像D1vを水平方向、垂直方向とも2倍に拡大した拡大画像D2Bvを生成する。
画像拡大手段2Bh及び画像拡大手段2Bvの各々は、図5を参照して説明した画像拡大手段2Aと同様に構成することができる。従って、画像拡大手段2Bhと画像拡大手段2Bvとで構成される画像拡大手段2Bは図6のように示すことができる。
画像拡大手段2Bhの入力は水平方向高周波数成分画像D1hであり、出力が拡大画像D2Bhとなる。画像拡大手段2Bvの入力は垂直方向高周波数成分画像D1vであり、出力が拡大画像D2Bvである。
画像拡大手段2Bhは、ゼロ挿入手段21Bhと、低周波数成分通過手段22Bhとを備え、画像拡大手段2Bvは、ゼロ挿入手段21Bvと、低周波数成分通過手段22Bvとを備える。
ゼロ挿入手段21Bh及びゼロ挿入手段21Bvの各々は、図5のゼロ挿入手段21Aと同様のものであり、低周波数成分通過手段22Bh及び低周波数成分通過手段22Bvの各々は、図5の低周波数成分通過手段22Aと同様のものである。
ゼロ挿入手段21Bhから出力されるゼロ挿入画像D21Bhとゼロ挿入手段21Bvから出力されるゼロ挿入画像D21Bvとで、ゼロ挿入手段21Bの出力としてのゼロ挿入画像D21Bが構成される。
低周波数成分通過手段22Bhから出力される拡大画像D2Bhと低周波数成分通過手段22Bvから出力される拡大画像D2Bvとで、低周波数成分通過手段22Bの出力としての拡大画像D2Bが構成される。低周波数成分通過手段22Bの出力は、ゼロ挿入画像D21Bの低周波数成分(Fc以下の成分)を取り出したものである。
次に高周波数成分画像生成手段32Aの動作について説明する。
水平方向高周波数成分画像生成手段32Ahは、拡大画像D2Bhに水平方向のハイパスフィルタをかけて所定の水平方向周波数以上の成分から成る、高周波数成分を取り出し、水平方向中間画像D32Ahを生成する。
一方、垂直方向高周波数成分画像生成手段32Avは、拡大画像D2Bvに垂直方向のハイパスフィルタをかけて所定の垂直方向周波数以上の成分から成る、高周波数成分を取り出し、垂直方向中間画像D32Avを生成する。
そして水平方向中間画像D32Ahと垂直方向中間画像D32Avから成る中間画像D32Aが高周波数成分画像生成手段32Aから出力される。
水平方向高周波数成分画像生成手段32Ahで行なわれるハイパスフィルタをかける処理は、水平方向高周波数成分画像生成手段1hにおける処理と同様に行ない、垂直方向高周波数成分画像生成手段32Avで行なわれるハイパスフィルタをかける処理は、垂直方向高周波数成分画像生成手段1vにおける処理と同様に行なうことができる。
即ち、水平方向高周波数成分画像生成手段32Ahで行なわれるハイパスフィルタをかける処理としては、水平方向高周波数成分画像生成手段1hにおける処理と同様に、例えば、該手段32Ahへの入力信号からその水平方向の低周波数成分(もしくは各画素に対して水平方向に整列した所定数の画素から成る局所領域における画素値の単純平均値あるいは加重平均値)を差し引くことで高周波数成分を取り出す処理を行なうことができる。
同様に、垂直方向高周波数成分画像生成手段32Avで行なわれるハイパスフィルタをかける処理としては、例えば、該手段32Avへの入力信号からその垂直方向の低周波数成分(もしくは各画素に対して垂直方向に整列した所定数の画素から成る局所領域における画素値の単純平均値あるいは加重平均値)を差し引くことで高周波数成分を取り出す処理を行なうことができる。
次に非線形処理手段31の動作について説明する。非線形処理手段31は、水平方向非線形処理手段31hと、垂直方向非線形処理手段31vを備える。水平方向非線形処理手段31hと垂直方向非線形処理手段31vとは互いに同様に構成されている。但し、水平方向非線形処理手段31hは水平方向の処理を行ない、垂直方向非線形処理手段31vは垂直方向の処理を行なう。
図7は水平方向非線形処理手段31hの内部構成を表す図である。図示の水平方向非線形処理手段31hは、ゼロクロス判定手段311hと、信号増幅手段312hを備える。
ゼロクロス判定手段311hは、入力される拡大画像D2Bhにおける画素値の変化を水平方向に沿って確認する。そして画素値が正の値から負の値あるいは負の値から正の値に変化する箇所をゼロクロス点として捉え、信号D311hによってゼロクロス点の前後にある画素(図示の例では、直前及び直後の各1画素)の位置を信号増幅手段312hに伝達する。
なお、水平方向非線形処理手段31hではゼロクロス点の左右に位置する画素がゼロクロス点の前後にある画素として認識される。
水平方向信号増幅手段312hは、水平方向ゼロクロス判定手段311hの判定結果に応じて決められる増幅率で第3の拡大画像D2Bhの画素値を増幅する。具体的には、信号増幅手段312hは、信号D311hをもとにゼロクロス点の前後にある画素(ゼロクロス点を含む所定の領域内に存在する画素)を特定し、ゼロクロス点の前後にある画素についてのみその画素値を増幅させた(絶対値を大きくした)非線形処理画像D31hを生成する。すなわちゼロクロス点の前後にある画素の画素値に対する増幅率を1より大きな値とし、それ以外の画素の画素値に対する増幅率は1とする。
このような処理により、水平方向に並んだ画素の信号値のステップ状の変化を含むエッジの鮮鋭化が行なわれる。
図8は垂直方向非線形処理手段31vの内部構成を表す図である。図示の垂直方向非線形処理手段31vは、ゼロクロス判定手段311vと、信号増幅手段312vを備える。
ゼロクロス判定手段311vは、入力される拡大画像D2Bvにおける画素値の変化を垂直方向に沿って確認する。そして画素値が正の値から負の値あるいは負の値から正の値に変化する箇所をゼロクロス点として捉え、信号D311vによってゼロクロス点の前後にある画素(図示の例では、直前及び直後の各1画素)の位置を信号増幅手段312vに伝達する。
なお、垂直方向非線形処理手段31vではゼロクロス点の上下に位置する画素がゼロクロス点の前後にある画素として認識される。
垂直方向信号増幅手段312vは、垂直方向ゼロクロス判定手段311vの判定結果に応じて決められる増幅率で第4の拡大画像D2Bvの画素値を増幅する。具体的には、信号増幅手段312vは、信号D311vをもとにゼロクロス点の前後にある画素(ゼロクロス点を含む所定の領域内に存在する画素)を特定し、ゼロクロス点の前後にある画素についてのみその画素値を増幅させた(絶対値を大きくした)非線形処理画像D31vを生成する。すなわちゼロクロス点の前後にある画素の画素値に対する増幅率を1より大きな値とし、それ以外の画素の画素値に対する増幅率は1とする。
このような処理により、垂直方向に並んだ画素の信号値のステップ状の変化を含むエッジの鮮鋭化が行なわれる。
なお、図示の例では、ゼロクロス点の直前及び直後の各々1個ずつの画素についてのみ、画素値を増幅させているが、ゼロクロス点の前及び後の所定数の画素、言い換えると、ゼロクロス点を含む所定の領域内に存在する画素について、画素値を増幅させることとしても良い。また上記「所定の領域」の大きさ(所定の領域に含まれる画素の数)を画像拡大手段2Bにおける画像の拡大率に応じて変える(拡大率に対して適切な値に定める)こととしても良い。
次に高周波数成分画像生成手段32Bの動作について説明する。
水平方向高周波数成分画像生成手段32Bhは、非線形処理画像D31hに水平方向のハイパスフィルタをかけて所定の水平方向周波数以上の成分から成る、高周波数成分を取り出し、水平方向中間画像D32Bhを生成する。一方、垂直方向高周波数成分画像生成手段32Bvは、非線形処理画像D31vに垂直方向のハイパスフィルタをかけて所定の垂直方向周波数以上の成分から成る、高周波数成分を取り出し、垂直方向中間画像D32Bvを生成する。このようにして生成された水平方向中間画像D32Bhと垂直方向中間画像D32Bvから成る中間画像D32Bが高周波数成分画像生成手段32Bから出力される。
水平方向高周波数成分画像生成手段32Bhで行なわれるハイパスフィルタをかける処理は、水平方向高周波数成分画像生成手段1hにおける処理と同様に行ない、垂直方向高周波数成分画像生成手段32Bvで行なわれるハイパスフィルタをかける処理は、垂直方向高周波数成分画像生成手段1vにおける処理と同様に行なうことができる。
即ち、水平方向高周波数成分画像生成手段32Bhで行なわれるハイパスフィルタをかける処理としては、例えば、該手段32Bhへの入力信号からその水平方向の低周波数成分(もしくは各画素に対して水平方向に整列した所定数の画素から成る局所領域における画素値の単純平均値あるいは加重平均値)を差し引くことで高周波数成分を取り出す処理を行なうことができる。
同様に、垂直方向高周波数成分画像生成手段32Bvで行なわれるハイパスフィルタをかける処理としては、例えば、該手段32Bvへの入力信号からその垂直方向の低周波数成分(もしくは各画素に対して垂直方向に整列した所定数の画素から成る局所領域における画素値の単純平均値あるいは加重平均値)を差し引くことで高周波数成分を取り出す処理を行なうことができる。
次に加算手段34の動作について説明する。加算手段34は、中間画像D32Aと中間画像D32Bを加算した結果を高周波数成分画像D3として出力する。
ここで中間画像D32Aは水平方向中間画像D32Ah及び垂直方向中間画像D32Avから成り、中間画像D32Bは水平方向中間画像D32Bh及び垂直方向中間画像D32Bvから成るので、中間画像D32Aと中間画像D32Bを加算するとは、水平方向中間画像D32Ah、垂直方向中間画像D32Av、水平方向中間画像D32Bh、垂直方向中間画像D32Bvを加算することを意味する。なおここでの加算処理は、単純加算に限らず、各画像に個別の重みを付けて加算する処理であっても良い。
最後に加算手段4の動作について説明する。加算手段4は、拡大画像D2Aと高周波数成分画像D3を加算する。そして加算手段4において拡大画像D2Aと高周波数成分画像D3を加算した結果得られた画像が、最終的な拡大画像Doutとして輝度画像拡大手段6から出力される。また、高周波数成分画像D3も輝度画像拡大手段6から出力される。なおここでの加算処理は、単純加算に限らず、各画像に個別の重みを付けて加算する処理であっても良い。
次に色差増減手段5の詳細な動作について説明する。図9は色差増減手段5の構成を表す図であり、色差増減手段5は増幅率決定手段5A、色差Cr増幅手段5B1、及び色差Cb増幅手段5B2を備える。
増幅率決定手段5Aは入力CR画像CRIN及び入力CB画像CBINの各画素に対する増幅率を高周波数成分画像D3の同一座標の画素値に基づいて決定し、その結果を増幅率D5Aとして出力する。
図10は、高周波数成分画像D3の画素値(以下、Lと表す)と増幅率決定手段5Aで決定される増幅率(以下、GAINと表す)の関係を表す図である。
図示のように、Lがゼロの場合、GAINは1となり、Lが正の値の場合、GAINは1より大きな値となり、Lが負の場合、GAINは1より小さい正の値となる。このようなLとGAINの関係は例えば、以下の式
Figure 0005247632
で表すことが出来る。ここでkp、kmは正の値をとる予め定められた係数であり、kpは図10の曲線のL>0の領域における傾きを表し、kmは図10の曲線のL<0の領域における傾きを表す。
なお、GAINは必ず正の値をとる。式(4)によってGAINを計算する場合、Lのとりうる値に対してkmの値を十分小さくすれば、GAINの値が常に正の値となるようにすることが出来る。例えばLを符号付きの8ビット整数値とした場合、Lの取りうる値は−128以上127以下である。従ってkmは1/128より小さな値とすればよい。一般化すれば、Lのとりうる値が−ML以上(MLは正の値)であれば、kmの値を1/ML以下とすればよく、これによりGAINが負の値とならないようにすることができる。このようにkmに対する制限はLの取りうる値の最小値から容易に考えることが出来る。
色差Cr増減手段5B1は増幅率D5Aを入力CR画像CRINの画素値に対してかけた結果を画像D5Cとして出力する。増幅率D5Aが1より大きい場合、入力CR画像CRINの画素値は増幅され、増幅率D5Aが1より小さい場合、入力CR画像CRINの画素値は減少され、増幅率D5Aが1の場合、入力CR画像CRINの画素値は維持されることになる。なお、増幅率D5Aの値は、高周波数成分画像D3の画素値が正の場合、1より大きくなり、負の場合、1より小さくなり、ゼロの場合、1となるので、結局、入力CR画像CRINの画素値は、高周波数成分画像D3の画素値が正の場合、増幅され、負の場合、減少され、ゼロの場合、維持される。
同様に、色差Cb増減手段5B2は増幅率D5Aを入力CB画像CBINの画素値に対してかけた結果を画像D5Dとして出力する。増幅率D5Aが1より大きい場合、入力CB画像CBINの画素値は増幅され、増幅率D5Aが1より小さい場合、入力CB画像CBINの画素値は減少され、増幅率D5Aが1の場合、入力CB画像CBINの画素値は維持されることになる。なお、増幅率D5Aの値は、高周波数成分画像D3の画素値が正の場合、1より大きくなり、負の場合、1より小さくなり、ゼロの場合、1となるので、結局、入力CB画像CBINの画素値は、高周波数成分画像D3の画素値が正の場合、増幅され、負の場合、減少され、ゼロの場合、維持される。
そして、画像D5Cが出力CR画像CROUTとして出力され、画像D5Dが出力CB画像CBOUTとして出力される。また、出力CR画像CROUT及び出力CB画像CBOUTは最終的な出力カラー画像IMGOUTの一部として、画像処理装置から出力される。
以上が色差増減手段5の動作である。
以下、本発明における画像処理装置の作用、効果について説明する。
まず、輝度画像拡大手段6の作用、効果から説明する。
拡大画像D2Aは、入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより低い周波数に相当する周波数成分を含み、高周波数成分画像D3は入力画像Dinのナイキスト周波数Fn以上の周波数に相当する周波数成分を含む。従って、拡大画像D2Aと高周波数成分画像D3を加算して生成される拡大画像Doutは画像拡大後のナイキスト周波数に至る全ての周波数領域にわたって周波数成分を持つことになる。
まず、拡大画像D2Aが入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより低い周波数に相当する周波数成分を持つことについて説明する。
図11(a)〜(d)は入力画像Dinから拡大画像D2Aを生成する際の作用を模式的に表した図であり、図11(a)は入力画像Dinの周波数スペクトルを、図11(b)はゼロ挿入画像D21Aの周波数スペクトルを、図11(c)は低周波数成分通過手段22Aの周波数応答を、図11(d)は拡大画像D2Aの周波数スペクトルを表している。
入力画像Dinの周波数スペクトルについて説明する。入力画像Dinからは通常、自然画などが入力されるが、これらの画像のスペクトル強度は周波数空間の原点周辺に集中している。従って入力画像Dinの周波数スペクトルは図11(a)のように表すことが出来る。ここで図11(a)の縦軸はスペクトル強度を、横軸は空間周波数を、Fnは入力画像Dinのナイキスト周波数を表している。
なお、通常入力画像Dinは2次元の画像のため、その周波数スペクトルも2次元の周波数空間で表されるが、その形状は図11(a)に示した周波数スペクトルが原点を中心に等方的に広がったものとなる。従って周波数スペクトルについて説明するためには最低限、1次元分の形状を示せばよく、今後、特に断らない限り、周波数空間の形状は1次元分のみ示して説明を行う。
次にゼロ挿入画像D21Aの周波数スペクトルについて説明する。入力画像Dinに対してゼロ挿入手段21Aで(入力画像Dinの)1画素につき1画素、画素値0を持った画素を挿入することで周波数空間上では周波数Fnを中心にした折り返しが発生する。その結果、ゼロ挿入画像D21Aの周波数スペクトルは図11(b)のようになる。
次に低周波数成分通過手段22Aの周波数応答について説明する。先に述べたように低周波数成分通過手段22Aにおける演算はローパスフィルタ処理となっているので、図11(c)に示すように低周波数成分通過手段22Aの周波数応答は、周波数が高くなるほど低くなる。図示の例では、低周波数成分通過手段22Aが主に第1の周波数Fa(=Fn)以下の周波数成分を通過させるものとしている。
最後に拡大画像D2Aの周波数スペクトルについて説明する。図11(b)に示した周波数スペクトルを持つゼロ挿入画像D21Aが図11(c)に示した周波数応答を持った低周波数成分通過手段22Aを通ることで拡大画像D2Aが生成される。従って拡大画像D2Aの周波数スペクトルはゼロ挿入画像D21Aの周波数スペクトルから、斜線で示した高周波数側の領域R2AHが除かれたものとなる。
従って、拡大画像D2Aは主に入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより低い周波数に相当する周波数成分を持つことになる。
次に高周波数成分画像D3が主に入力画像Dinのナイキスト周波数Fn以上の周波数に相当する周波数成分を持つことについて説明する。高周波数成分画像D3は中間画像D32Aと中間画像D32Bを加算して得られるが、中間画像D32Aは特に入力画像Dinのナイキスト周波数Fnに近い周波数に相当する周波数成分を持ち、中間画像D32Bは特に入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより高い周波数に相当する周波数成分を持ち、高周波数成分画像D3では中間画像D32A、D32Bがもつ周波数成分が加算されるので、入力画像Dinのナイキスト周波数Fn以上の周波数成分を持つことになる。
まず、中間画像D32Aの周波数スペクトルについて説明する。
図12(a)〜(f)は中間画像D32Aを生成する際の作用を模式的に表した図であり、図12(a)は高周波数成分画像生成手段1の周波数応答を、図12(b)は高周波数成分画像D1(又はD1h若しくはD1v)の周波数スペクトルを、図12(c)は画像拡大手段2B内のゼロ挿入手段21Bによって生成されるゼロ挿入画像D21B(又はD21Bh若しくはD21Bv)の周波数スペクトルを、図12(d)は拡大画像D2B(又はD2Bh若しくはD2Bv)の周波数スペクトルを、図12(e)は高周波数成分画像生成手段32A(又は32Ah若しくは32Av)の周波数応答を、図12(f)は高周波数成分画像生成手段32Aから出力される中間画像D32A(又はD32Ah若しくはD32Av)の周波数スペクトルを表している。
まず、高周波数成分画像生成手段1の周波数応答及び高周波数成分画像D1の周波数スペクトルについて説明する。高周波数成分画像生成手段1は入力画像Dinのうち、主に所定の周波数Fb以上の成分を通過させるハイパスフィルタを用いて高周波数成分画像D1を生成するので、図12(a)に示すように高周波数成分画像生成手段1の周波数応答は、周波数が高くなるほど高くなる。図11(a)に示した周波数スペクトルを持つ入力画像Dinが図12(a)に示す周波数応答をもつハイパスフィルタを通過することで高周波数成分画像D1が得られる。図示の例では、高周波数成分画像D1の周波数スペクトルは図12(b)に示すように周波数が低い領域(周波数Fbよりも低い領域)では小さくなり、周波数が高い領域(周波数Fb以上の領域)でのみある程度の強度をもつことになる。
次に画像拡大手段2B内のゼロ挿入画像D21Bの周波数スペクトルについて説明する。先に画像拡大手段2Aのゼロ挿入手段21Aについて説明したのと同様に、ゼロ挿入手段21Bによって折り返しが発生するので、画像拡大手段2B内のゼロ挿入画像D21Bの周波数スペクトルは図12(c)のようになる。
次に拡大画像D2Bの周波数スペクトルについて説明する。
拡大画像D2Bを生成する際、ゼロ挿入画像D21Bの高周波数成分側の周波数スペクトル(例えば所定の周波数Fcよりも高い領域の成分)が、低周波数成分通過手段22Bによって取り除かれるので、拡大画像D2Bの周波数スペクトルは図12(d)に示すように高周波数側の領域(周波数Fcよりも高い領域)R32AHが取り除かれたものとなる。
最後に高周波数成分画像生成手段32Aの周波数応答及び中間画像D32Aの周波数スペクトルについて説明する。高周波数成分画像生成手段32Aは主に所定の周波数Fd以上の成分を通過させるハイパスフィルタとなっているのでその周波数応答は図12(e)に示すように周波数が高くなるほど高くなる。中間画像D32Aは、図12(d)に示した周波数スペクトルをもつ拡大画像D2Bが、図12(e)に示した周波数応答をもつハイパスフィルタを通過することで生成される。従って中間画像D32Aの周波数応答は図12(f)に示すように、図12(d)に示した拡大画像D2Bの周波数スペクトルからさらに低周波数側の領域(周波数Fdよりも低い領域)R32ALが取り除かれたものとなる。
従って中間画像D32Aは主に入力画像Dinのナイキスト周波数Fnに近い周波数に相当する周波数成分 (周波数Fdから周波数Fcまでの周波数成分)を持つことになる。
次に中間画像D32Bの周波数スペクトルについて説明する。
図13(a)〜(c)は中間画像D32Bを生成する際の作用を模式的に表した図であり、図13(a)は非線形処理手段31(又は31h若しくは31v)により高周波数成分が生成される様子を、図13(b)は高周波数成分画像生成手段32Bの周波数応答を、図13(c)は中間画像D32Bの周波数スペクトルを表している。
後述するように、非線形処理画像D31には入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより高い周波数に相当する高周波数成分が生成される。図13(a)はその様子を模式的に表した図である。図示の例では、周波数Fe以上の成分が生成されている。中間画像D32Bは非線形処理画像D31が高周波数成分画像生成手段32Bを通過することで生成される。高周波数成分画像生成手段32Bは主に周波数Ff以上の成分を通過させるハイパスフィルタでありその周波数応答は図13(b)に示すように、周波数が高くなるほど高くなっている。従って中間画像D32Bの周波数スペクトルは図13(c)に示すように、非線形処理画像D31の周波数スペクトルから低周波数側の領域R32BLが取り除かれたものとなるので、入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより高い周波数に相当するものとなる。
図14(a)〜(e)、図15(a)〜(f)を用いて中間画像D32Bの周波数スペクトルについてより詳しく説明を行う。なお、説明を簡単にするため各々1次元信号として記載した。
図14(a)〜(e)は、輝度、彩度などの成分値がステップ状に変化する画像(ステップ画像)を表すステップエッジ信号と、該ステップエッジ信号を互いに異なるサンプリング周波数でサンプリングした際に得られる信号及びその高周波数成分信号の信号強度を表している。図14(a)はステップエッジ信号を表す。
図14(b)はステップエッジ信号をサンプリング間隔S1でサンプリングして得られる信号、図14(c)はステップエッジ信号を間隔S1でサンプリングして得られる信号の高周波数成分を表し、図14(d)はステップエッジ信号をサンプリング間隔S2でサンプリングして得られる信号、図14(e)はステップエッジ信号を間隔S1でサンプリングして得られる信号の高周波数成分を表す。
なお、サンプリング間隔S1はサンプリング間隔S2より短くなっており、サンプリング間隔を短くすることは画像を拡大することと同じである。
なお、図14を用いて説明する、ステップエッジ信号に対するサンプリング間隔S1、S2と高周波数成分の関係は特定のサンプリング間隔の組み合わせに依存する話ではないが、以下、サンプリング間隔S2は入力画像Dinのサンプリング間隔と同じであり、サンプリング間隔S1はサンプリング間隔S2の半分であるとする。
図14(b)、(c)及び図14(d)、(e)に示されるようにエッジの中央は高周波数成分信号(図14(c)、(e))においてゼロクロス点Zとして現れる。また、図14(b)、(c)と図14(d)、(e)を比較すると明らかなように、ゼロクロス点Zの前後での高周波数成分信号の傾きはサンプリング間隔を短くするにつれて(あるいは画像を拡大させるのに応じて)急になり、かつゼロクロス点Zの近傍で高周波数成分の局所的な最大値、最小値を与える点の位置もゼロクロス点Zに近づく。
従って画像を拡大する際、入力画像Dinの高周波数成分を取り出し、その変化をゼロクロス近傍で急峻にし、かつゼロクロス近傍で局所的な最大値、最小値を与える点をゼロクロス点に近づけることで入力画像Dinの解像度には含まれない(あるいは入力画像Dinのナイキスト周波数より高い)高周波数成分を生成し、これによりエッジの鮮鋭化が可能となる。
図15(a)〜(f)は、高周波数成分画像生成手段1、画像拡大手段2B、非線形処理手段31及び高周波数成分画像生成手段32Bによる高周波数成分生成の手順を模式的に表した図であり、図15(a)は輝度、彩度などの成分値がステップ状に変化する画像(ステップ画像)、図15(b)はステップ画像に対応した入力画像Din、図15(c)は高周波数成分画像D1、図15(d)は拡大画像D2B、図15(e)は非線形処理画像D31、図15(f)は中間画像D32Bを表す。
また、図15(a)〜(f)において座標P3はエッジ近傍において信号強度が低い値をとる領域(低レベル側)の境界に相当する画素であり、座標P4は高い値をとる領域(高レベル側)の境界に相当する画素である。
ステップ画像に対応した入力画像Din、高周波数成分画像D1については図14(a)〜(e)で説明した通りであり、その説明は省略し、まず拡大画像D2Bの説明を行う。
なお、高周波数成分画像D1においてゼロクロス点Z近傍での局所的な最大値は、高レベル側の境界に現われるので座標P4で表される画素に局所的な最大値が現われ、逆に局所的な最小値は、低レベル側の境界に現われるので座標P3で表される画素に局所的な最小値が現われる。
拡大画像D2B(又はD2Bh若しくはD2Bv)はゼロ挿入手段21Bで高周波数成分画像D1に対して(画像D1の)1画素につき1画素、画素値0をもった画素を挿入した後、低周波数成分通過手段22Bでその低周波数成分を取り出すことで得られる。低周波数成分を取り出すことは高周波数成分画像D1(図15(c))について局所領域における平均的な画素値を求めることと同じであり、拡大画像D2B(又はD2Bh若しくはD2Bv)は、図15(d)に示したように、高周波数成分画像D1とほぼ同じ形をした、サンプリング数の増えた信号となる。
なお、画像が拡大されるのでゼロクロス点Zと座標P3で表される画素の間に新たに座標P1で表される画素が、ゼロクロス点Zと座標P4で表される画素の間に新たに座標P2で表される画素が現われる。また、拡大画像D2Bにおいてもゼロクロス点Z近傍での局所的な最大値は座標P4で表される画素に、局所的な最小値は座標P3で表される画素に現われる。
次に非線形処理画像D31の説明を行う。非線形処理画像D31は、非線形処理手段31が拡大画像D1中のゼロクロス点Zを検出し、そのゼロクロス点Zの前後の画素の画素値を増幅した結果として出力される。従って非線形処理画像D31(又はD31h若しくはD31v)では、座標P1、P2で表される画素の画素値が増幅されることになり、非線形処理画像D31は図15(e)に示したような信号となる。
最後に中間画像D32Bの説明を行う。中間画像D32B(図15(f))は非線形処理画像D31(図15(e))のもつ高周波数成分が高周波数成分画像生成手段32Bにて取り出されたものである。高周波数成分は、入力信号から入力信号の低周波数成分(もしくは局所領域における画素値の単純平均値あるいは加重平均値)を差し引くことで取り出すことができる。
非線形処理画像D31(図15(e))ではゼロクロス点Zの前後の画素(座標P1、P2で表される画素)については、その画素値が信号増幅手段312h、312vにて増幅されているため、局所領域における平均的な画素値からの差は大きくなる。一方、ゼロクロス点近傍のその他の画素については、その画素値が増幅されることはないので、局所領域における平均的な画素値からの差は小さな値となる。従って拡大画像D2B(図15(d))と比較すると中間画像D32B(図15(f))では、ゼロクロス点Zの近傍での局所的な最大値、最小値を与える点はそれぞれ座標P2、P1で表される画素となり、よりゼロクロス点Zへと近づく。また、局所的な最大値、最小値を与える点がゼロクロス点Zへと近づいた分、ゼロクロス点近傍での信号の変化も急になる。
先に説明したようにこれは中間画像D32Bに、入力画像Dinの解像度には含まれない高周波数成分が含まれることを意味する。言い換えると非線形処理手段31において、拡大画像D2Bのゼロクロス点前後の画素値を増幅することで、入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより高い周波数に対応した高周波数成分を生成したことになる。
別の観点から説明すれば、非線形処理画像生成手段30において拡大画像D2Bに対し非線形処理を行うことで、入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより高い周波数に対応した高周波数成分を生成することが出来る。
また、中間画像D32Bは非線形処理手段31において生成した高周波数成分を高周波数成分画像生成手段32Bで取り出すことで生成されるので、入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより高い周波数に対応した高周波数成分をもつ画像となる。
拡大画像D2A、中間画像D32A、中間画像D32Bが持つ周波数成分を図示すると図16のようになる。拡大画像D2Aには主に入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより低い周波数に相当する領域RLに対応した周波数成分が含まれている。一方、中間画像D32Aには入力画像Dinのナイキスト周波数Fnに近い周波数に相当する領域RMに対応した周波数成分が含まれており、中間画像D32Bには入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより高い周波数に相当する領域RHに対応した周波数成分が含まれている。
中間画像D32Aと中間画像D32Bを加算して高周波数成分画像D3を生成すれば、高周波数成分画像D3には、中間画像D32Aが持つ周波数成分と中間画像D32Bが持つ周波数成分の双方が含まれることになる。中間画像D32Aには入力画像Dinのナイキスト周波数Fnに近い周波数に相当する周波数成分が含まれており、中間画像D32Bには入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより高い周波数に相当する周波数成分が含まれているので、高周波数成分画像D3には入力画像Dinのナイキスト周波数Fn以上の周波数成分が含まれることになる。そして、拡大画像D2Aに高周波数成分画像D3を加算し出力画像Doutを得ることで、出力画像Doutに対して入力画像Dinのナイキスト周波数Fn以上の周波数成分を与えることが可能になり、出力画像Doutの解像感を増すことが出来る。
図17(a)〜(d)は上記の効果を別の観点から説明するための図である。図17(a)はステップエッジ信号を表している。図17(a)に示すエッジではエッジ中央より左側の方が右側より輝度が低くなっている。すなわち、エッジ中央より左側が低レベル側、右側が高レベル側になる。図17(b)はステップエッジ信号をサンプリング間隔S2でサンプリングして得られる入力画像Dinを表している。
図17(c)は図17(b)に示す入力画像Dinに対して得られる拡大画像D2Aを表している。拡大画像D2Aは、入力画像Dinに対して補間演算を行って得られるので、サンプリング間隔はS2の半分のS1になるが、エッジ近傍の信号の変化はなだらかなままであり、低レベル側の境界は座標P3で表される画素であり、高レベル側の境界は座標P4で表される画素のままである。
図17(d)はサンプリング間隔S1でステップエッジ信号をサンプリングした画像 (図17(b)の画像と同じく符号Dinで示す)を表している。低レベル側の境界は座標P1で表される画素であり、高レベル側の境界は座標P2で表される画素であり、拡大画像D2Aと比較し、エッジ近傍での信号の変化が急になっている。
中間画像D32Aと中間画像D32Bを加算することで、拡大画像D2のエッジ近傍での信号の傾きが補正され、図17(d)に示すステップエッジ信号をサンプリング間隔S1でサンプリングした画像に近い画像が得られ、出力輝度画像YOUTの解像感を高めることが出来る。
人間の目はカラー画像の解像感においては輝度成分の与える情報が支配的であるので、上記の説明の様に、中間画像D32A、D32B(あるいは高周波数成分)を拡大画像D2Aに加算し、出力輝度画像YOUTの解像感を増すことで出力カラー画像IMGOUTにおいても画像の鮮鋭感を増し、画質を向上することが可能であるが、高周波数成分の加算を過度に行うと画質低下を招くことがある。
図18(a)及び(b)は高周波数成分の加算による画質低下について説明するための図である。図18(a)は高周波数成分の加算に適度に行うことによって、画像の鮮鋭感を増した場合を、図18(b)は高周波数成分の加算を過度に行った結果、画質の低下を招いた場合を表す。
図18(a)は、図17(c)に示された拡大画像D2Aに対して、このとき得られる中間画像D32A及び中間画像D32Bを加算した結果を示す図であり、図17(c)において座標P3で表されたステップエッジの低輝度側の境界部分が、図18(a)では座標P1で表される位置へと修正され、図17(c)において座標P4で表されたステップエッジの高輝度側の境界部分が、図18(a)では座標P2で表される位置へと修正され、その結果、図17(c)と図18(a)を比較すると、図18(a)の方が図14(b)に示すステップエッジをサンプリング間隔S1でサンプリングした信号へと近づいていることがわかる。これは高周波数成分の加算を適度に行うことによって、画像の鮮鋭感が増したことを表す。
一方、図18(b)も、図17(c)に示された拡大画像D2Aに対して図15(d)に示された中間画像D32A及び図15(f)に示された中間画像D32Bを加算した結果を示す図であるが、図18(a)の場合とは異なり、高周波数成分の加算が過度に行われた場合を表している。図18(a)と比較すると座標P1、P3で表される位置の輝度がその周辺と比べて不自然に低くなったり(アンダーシュート)、座標P2、P4で表される位置の輝度がその周辺と比べて不自然に高くなったり(オーバーシュート)している。
特に入力輝度画像YINにおいてオーバーシュートが発生すると輝度信号が必要以上に大きくなる。式(3)から、輝度信号(Y)の値が大きくなるとRGB形式へ変換した場合、R、G、Bを表す各式の右辺の第1項が大きくなるので、結果的にR、G、Bとも大きな値になることがわかる。
R、G、Bとも大きな値になるということは白色に近づくことを意味する。白色に近づくとは言い換えれば色が薄くなるということである。もともと無彩色に近い部分で色が薄くなっても相対的に目立たないが、有彩色部分(彩度が比較的高い部分)のエッジ付近で色が薄くなると、エッジの周りのみ色が薄くなり、不自然な感じを与える。
言い換えると、有彩色の部分に高周波数成分画像D3によって加算される輝度の大きさ(以下、補正量)が必要以上に大きくなると、色差に対し、輝度が相対的に大きくなりすぎ、色が薄くなるという問題が起きうる。また、上と逆の議論から、補正量が必要以上に小さな負の値になった場合、色差に対し、輝度が相対的に小さくなりすぎ、色が濃くなりすぎるという問題が起きうる。つまり有彩色部分のエッジの近傍で色の濃淡が変化するという問題がある。
上記の問題は、補正量が正の値の場合は色差が輝度に対し相対的に小さくなってしまうことが、補正量が負の値の場合は色差が輝度に対し相対的に大きくなってしまうということが原因である。
そこで本発明は、補正量に応じて色差信号を適宜増減させることで、色差が輝度に対し相対的に小さくなったり大きくなったりすることを防止することとしている。
即ち、補正量が正の値の場合は、色差が相対的に小さくなるのを防止するために、色差信号を増幅し、補正量が負の値の場合は、色差が相対的に大きくなるのを防止するために、色差信号を減少させる。
本発明の画像処理装置においては色差増減手段5で高周波数成分画像D3の画素値に応じて、色差信号の値を増減させることとしている。即ち、高周波数成分画像D3の画素値が正の場合は増幅率決定手段5Aから増幅率D5Aとして1より大きい値を出力し、色差Cr増減手段5B1及び色差Cb増減手段5B2で色差信号が増幅される。また、高周波数成分画像D3の画素値が負の場合は増幅率決定手段5Aから増幅率D5Aとして1より小さい値が出力され、色差Cr増減手段5B1及び色差Cb増減手段5B2で色差信号が減少される。従って上述した問題を未然に防ぐことが可能である。
以上のように実施の形態1による画像処理装置ではカラー画像において、有彩色部分のエッジ付近で色の濃淡が変化するという不具合の発生を抑えつつ、解像感のある拡大画像を得ることができる。有彩色部分のエッジ付近で色の濃淡が変化すると視覚特性上不自然に感じられるので、実施の形態1による画像処理装置によって、視覚特性上も非常に好ましい効果が得られる。
また、入力CR画像CRIN及び入力CB画像CBINの各画素値に対して同じ増幅率D5Aをかけることで色の濃淡(あるいは彩度)は変化するが、入力CR画像CRIN及び入力CB画像CBINの各画素値の比は変化しないので、色相が変化することはない。
従って実施の形態1による画像処理装置では、色相を変化させることなく、エッジ付近で発生する色の濃淡を補正することが可能である。
以上に説明したように、輝度成分については高周波数成分画像生成手段1で生成した高周波数成分画像D1を画像拡大手段2Bで拡大した画像拡大手段2Bを、高周波数成分画像処理手段3で処理することによって、入力画像Din(あるいは入力輝度画像YIN)のナイキスト周波数Fn以上の周波数に相当する周波数成分を含んだ高周波数成分画像D3を得ることができる。そして、加算手段4において、入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより低い周波数に相当する領域の周波数成分を含む拡大画像D2Aと入力画像Dinのナイキスト周波数Fn以上の周波数に相当する領域の周波数成分を含む高周波数成分画像D3を加算して拡大画像Doutを生成することとしているので、拡大画像Doutに対して高周波数成分を十分に与えることができ、解像感のある拡大画像Dout(あるいは出力輝度画像YOUT)を得ることができる。
また、高周波数成分画像生成手段1において、水平方向の高周波数成分を取り出した水平方向高周波数成分画像D1hと垂直方向の高周波数成分を取り出した垂直方向高周波数成分画像D1vを生成することで、画像の水平方向、垂直方向のうちの任意の方向について入力画像Dinのナイキスト周波数Fn以上の周波数に相当した周波数成分を生成することが可能となる。すなわち、水平方向高周波数成分画像D1hを画像拡大手段2Bhで拡大した拡大画像D2Bhに対し、水平方向高周波数成分画像生成手段32Ahで水平方向のハイパスフィルタをかけることで、水平方向に関して入力画像Dinのナイキスト周波数Fnに近い周波数に相当した周波数成分をもった中間画像D32Ahが生成され、垂直方向高周波数成分画像D1vを画像拡大手段2Bvで拡大した拡大画像D2Bvに対し、垂直方向高周波数成分画像生成手段32Avで垂直方向のハイパスフィルタをかけることで、垂直方向に関して入力画像Dinのナイキスト周波数Fnに近い周波数に相当した周波数成分をもった中間画像D32Avが生成される。
また、水平方向及び垂直方向について異なる特性のハイパスフィルタをかけることで、水平方向と垂直方向とで水平方向と垂直方向とでナイキスト周波数Fnに近い周波数に相当した周波数成分を異なる程度に含むようにすることもできる。
また、拡大画像D2Bhに対し水平方向非線形処理手段31hで非線形処理を行って生成した非線形処理画像D31hに対して、水平方向高周波数成分画像生成手段32Bhでハイパスフィルタをかけることで、水平方向に関して入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより高い周波数に相当した周波数成分をもった中間画像D32Bhが生成され、拡大画像D2Bvに対し垂直方向非線形処理手段31vで非線形処理を行って生成した非線形処理画像D31vに対して、垂直方向高周波数成分画像生成手段32Bvでハイパスフィルタをかけることで、垂直方向に関して入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより高い周波数に相当した周波数成分をもった中間画像D32Bvが生成される。
また、水平方向及び垂直方向について異なる特性の非線形処理及びハイパスフィルタリングを行なうことで、水平方向と垂直方向とでナイキスト周波数Fnより高い周波数に相当した周波数成分を異なる程度に含むようにすることもできる。
そして色差成分については色差補正手段5によって補正をかけることで、エッジ近傍で色の濃淡が変化するのを防止することができる。
なお、エッジ近傍で色の濃淡が変化するのを防止するために用いる増幅率D5Aは、高周波数成分画像D3の画素値が正の場合は1より大きい値をとる、あるいは負の場合は1より小さい正の値をとるものであればよい。
但し、色差信号に対する補正をより効果的にするには、高周波数成分画像D3の画素値がより大きな正の値になるほど、増幅率D5Aもより大きな値にし、高周波数成分画像D3の画素値がより小さな負の値になるほど、増幅率D5Aもより小さな1より小さい正の値にした方がよい。
しかしながら、そのようでなくとも、高周波数成分画像D3の画素値に対して増幅率D5Aが単調に増加するものであればよい。
また、色差信号に対する過補正を防止するために増幅率D5Aの範囲に制限を設けてもよい。即ち閾値TH1、TH2(TH1>1、1>TH2>0とする)を設け、増幅率(GAIN)と高周波数成分画像D3の画素値(L)の関係を例えば
Figure 0005247632
と定義してもよい。式(5)におけるkp、kmは式(4)について説明したのと同じものである。式(5)で表される増幅率GAINと画素値Lの関係は図19に示されるごとくである。
このように閾値によって増幅率(GAIN)の値に上限、下限を設けることで、色差増減手段5で色差成分に対して過補正がかかることを防止できる。
なお、GAINとLの関係は式(4)、式(5)以外にも様々な変形例が考えられる。
また、上述の説明では色差Cr増幅手段5B1及び色差Cb増幅手段5B2で同じ増幅率を用いているが、色差Cr乗算手段5B1と色差Cb乗算手段5B2とで異なる増幅率を用いるようにしてもよい。
また、増幅率計算手段5Aは高周波数成分画像D3の画素値の平均値を用いて増幅率D5Aを計算してもよい。このようにしても、高周波数成分画像D3の画素値が正になっている箇所では増幅率D5Aを1より大きな値とする、あるいは高周波数成分画像D3の画素値が負になっている箇所では増幅率D5Aを1より小さな値とすることが出来るので、エッジ近傍で色の濃淡が変化するのを防止することが出来る。要するに増幅率計算手段5Aは、高周波数成分画像D3の画素値に応じて増幅率を定められる構成であればよい。
なお、輝度画像拡大手段6において、入力画像Dinから拡大画像Doutを生成する場合の拡大率を水平方向、垂直方向とも2倍として説明を行ったが拡大率は2倍に限定されるものではない。すなわち、画像拡大手段2Aにおいて入力画像Dinを水平方向、垂直方向ともに所望の倍率に拡大した拡大画像D2Aを生成し、高周波数成分生成手段1において入力画像Dinをもとに高周波数成分画像D1を生成し、画像拡大手段2Bにおいて、高周波数成分画像D1を水平方向、垂直方向ともに所望の倍率(画像拡大手段2Aにおける拡大倍率と同じ倍率)に拡大した拡大画像D2Bを生成し、高周波数成分画像処理手段3において拡大画像D2Bをもとに高周波数成分画像D3を生成し、加算手段4において拡大画像D2Aと高周波数成分画像D3を加算し、最終的な拡大画像Doutを得ればよい。
さらに、先にも述べたように、水平方向の拡大率と垂直方向の拡大率とは同じでなくても良く、また水平方向、垂直方向の一方についてのみ拡大を行なっても良い。
また、上記の説明では水平方向、垂直方向ともゼロクロス点の前後1画素についてのみ増幅率を大きくするとしたが、増幅率の制御の例はこの限りではなく、例えば拡大率に応じて適宜変化させる(拡大率に応じた値に設定する)ことも出来る。
以下、拡大率が上記の例とは異なる場合について、図20(a)〜(e)及び図21(a)〜(f)を参照して説明する。
図20(a)にステップエッジ信号、図20(b)にステップエッジ信号をサンプリング間隔S1でサンプリングして得られる信号、図20(c)はステップエッジ信号をサンプリング間隔S1でサンプリングして得られる信号の高周波数成分を表し、図20(d)はステップエッジ信号を間隔S1の3倍の間隔S3でサンプリングして得られる信号、図20(e)はステップエッジ信号を間隔S3でサンプリングして得られる信号の高周波数成分を表す。なお、図20(d)及び(e)において画素の位置PL1、PR1はステップエッジ信号の境界(輝度の明暗が変化する地点)を表す。通常、ステップエッジ信号をサンプリングした画像の高周波数成分を表す信号において、ゼロクロス点Z近傍での局所的な最大値、最小値を与える画素の位置は、ステップエッジ信号の境界の位置とほぼ一致する。
図21(a)〜(f)は、拡大率が3倍の場合の、高周波数成分画像生成手段1、画像拡大手段2B、非線形処理手段31及び高周波数成分画像生成手段32Bによる高周波数成分生成の手順を模式的に表した図であり、図21(a)は輝度、彩度などの成分値がステップ状に変化する画像(ステップ画像)、図21(b)はステップ画像に対応した入力画像Din、図21(c)は高周波数成分画像D1、図21(d)は拡大画像D2B、図21(e)は非線形処理画像D31、図21(f)は中間画像D32Bを表す。なお、説明を簡単にするため各々1次元信号として記載した。
図21(d)に示すように、拡大画像D2Bにおいてゼロクロス点Z近傍での局所的な最大値、最小値を与える画素の位置PL1、PR1は、拡大画像D2Bにおいてもステップエッジ信号の境界の位置とほぼ一致する。通常、本実施の形態の説明で用いた拡大方法ではこのPL1、PR1の位置は変化せず、PL1、PR1で表す位置とゼロクロス点Zの間に存在する画素の数が多くなる。また、PL1、PR1で表す位置とゼロクロス点Zの間に存在する画素の数は拡大画像D2Bを生成する際の拡大率を大きくすれば(あるいはサンプリング間隔を短くすれば)多くなる。
一方、ステップエッジ信号を短いサンプリング間隔でサンプリングした画像の高周波数成分を表す信号では、ゼロクロス点Z近傍での局所的な最大値、最小値を与える画素の位置はよりゼロクロス点Zに近づき、ゼロクロス点にZより近い画素ほど高周波数成分を表す信号の振幅が大きくなる。
従って、ゼロクロス点Z前後の信号のみ増幅して非線形処理画像D31を生成する際に、PL1及びPR1よりゼロクロス点Zにより近い画素になるほど振幅が大きくなるよう処理してやることが好ましく、例えば位置PL1、PR1よりゼロクロス点Zに近い画素ではゼロクロス点Zにより近い画素ほど大きな増幅率で、PL1、PR1よりゼロクロス点Zから遠い画素については増幅率1で拡大画像D2Bの画素値を増幅することで、図21(e)に示すような、ゼロクロス点Zにより近い画素ほど大きな振幅をもった非線形処理画像D31を生成することができる。そしてこのようにして生成した拡大画像D2Bからハイパスフィルタ処理によって高周波数成分のみを取り出すことで図21(f)に示すようなサンプリング間隔S1に対応した中間画像D32Bを生成できる。
以上をまとめると、位置PL1、PR1とゼロクロス点Zの間に存在する画素の数は拡大画像D2B生成時の拡大率によって異なるので、拡大画像D2Bから非線形処理画像D31を生成する際にゼロクロス点Z前後において増幅率を1より大きくする画素の数を画像の拡大率に応じて変えてもよい。また、これらの画素に対する増幅率も画素に応じて、例えば、ゼロクロス点Zからの距離に応じて変えてもよい。たとえば、ゼロクロス点Zに近い画素ほど増幅率を大きくしてもよい。
また、拡大画像D2Aに中間画像D32Bを加算するだけでもナイキスト周波数Fnより高い領域の高周波数成分を与えることが出来るので、画像の解像感を増すことは可能である。すなわち、高周波数成分画像処理手段3が高周波数成分画像生成手段32Aを含まず、非線形処理画像生成手段30を含む構成であっても良い。
そのような変形例として、高周波数成分画像処理手段3を図30に示した構成にする例が考えられる。図30に示した構成での各構成要素のうち加算手段35以外の動作は図3に記載されたものと同等であるのでその説明は省略する。加算手段35は水平方向中間画像D32Bhと垂直方向中間画像D32Bvを加算する。そして加算結果が高周波数成分画像D3として高周波数成分画像処理手段3から出力される。
図30に示した高周波数成分画像処理手段3を備えた画像処理装置によっても非線形処理画像生成手段30によって生成されるナイキスト周波数Fnより高い領域の高周波数成分が高周波数成分画像D3を介して拡大画像D2Aに加算されるので、出力画像Doutの解像感を高めることが出来る。また、色差成分は色差補正手段5によって補正されるのでエッジ近傍で色の濃淡が変化することもない。
実施の形態2.
実施の形態1では、本発明をハードウエアにより実現するものとして説明したが、図1に示される構成の一部又は全部をソフトウエアにより、即ちプログラムされたコンピュータにより実現することも可能である。その場合の処理を図22、並びに図23〜図29を参照して説明する。
図22は、実施の形態2の画像処理装置を示す。図示の画像処理装置は、CPU11と、プログラムメモリ12と、データメモリ13と、これらを接続するバス14を有する。
CPU11は、プログラムメモリ12に記憶されたプログラムに従って動作する。動作の過程で種々のデータをデータメモリ13に記憶させる。処理の結果生成される拡大画像Doutは、インターフェース15を介して表示部9に供給され、表示部9による表示に用いられる。
以下、CPU11により行なわれる処理を図23〜図29を参照して説明する。
実施の形態2による画像処理方法は図22の画像処理装置で実施され、入力カラー画像IMGINを入力とし、出力カラー画像IMGOUTを出力とする。入力カラー画像IMGINはカラー画像であり、輝度成分を表す信号YIN(以下、入力輝度画像YINと呼ぶ)と色差成分を表す信号CRIN及びCBINから成る。信号CRIN(以下、入力CR画像CRINと呼ぶ)は色差成分のうちCr成分を表し、信号CBIN(以下、入力CB画像CBINと呼ぶ)は色差成分のうちCb成分を表す。出力カラー画像IMGOUTもカラー画像であり、輝度成分を表す信号YOUT(以下、出力輝度画像YOUTと呼ぶ)と色差成分を表す信号CROUT及びCBOUTから成る。信号CROUT(以下、出力CR画像CROUTと呼ぶ)は色差成分のうちCr成分を表し、信号CBOUT(以下、入力CB画像CBOUTと呼ぶ)は色差成分のうちCb成分を表す。
図23は図22の画像処理装置で実施される画像処理方法のフローを表す図であり、図23に示される画像処理方法は、輝度画像拡大ステップST6、CB画像拡大ステップST2C、CR画像拡大ステップST2D、及び色補正ステップST5を有する。
輝度画像拡大ステップST6は、画像拡大ステップST2A、高周波数成分画像生成ステップST1、画像拡大ステップST2B、高周波数成分画像処理ステップST3、及び加算ステップST4を有し、入力輝度画像YINを拡大した画像D4と高周波数成分画像D3を出力する。
以下の説明では、入力輝度画像YINを入力画像Din、画像D4のことを拡大画像Doutと呼ぶこともある。
画像拡大ステップST2Aは入力画像Dinを、図1、図3の画像拡大手段2Aと同様の処理で拡大した拡大画像D2Aを生成する。
CB画像拡大ステップST2Cは入力CB画像CBINを拡大したCB拡大画像D2Cを出力する。
CR画像拡大ステップST2Dは入力CR画像CRINを拡大したCR拡大画像D2Dを出力する。
なお、特別の理由がない限り、輝度画像拡大ステップST6、CB画像拡大ステップST2C、及びCR画像拡大ステップST2Dでの拡大率は同じである。
また、CB画像拡大ステップST2CおよびCR画像拡大ステップST2Dの動作、構成は画像拡大ステップST2Aの動作、構成と同様とする。
高周波数成分画像生成ステップST1は、図24に示すように、水平方向高周波数成分画像生成ステップST1h、及び垂直方向高周波数成分画像生成ステップST1vを有する。水平方向高周波数成分画像生成ステップST1hでは入力画像Dinに対し、図3の水平方向高周波数成分画像生成手段1hと同様の処理を行い、水平方向高周波数成分画像D1hを生成する。一方、垂直方向高周波数成分画像生成ステップST1vでは入力画像Dinに対し、図3の垂直方向高周波数成分画像生成手段1vと同様の処理を行い、垂直方向高周波数成分画像D1vを生成する。
画像拡大ステップST2Bは、図25に示すように、画像拡大ステップST2Bh、及び画像拡大ステップST2Bvを有する。
画像拡大ステップST2Bhでは、水平方向高周波数成分画像生成ステップST1hで生成した水平方向高周波数成分画像D1hに対し、図3の画像拡大手段2Bhと同様の処理を行い、拡大画像D2Bhを生成する。
画像拡大ステップST2Bvでは、垂直方向高周波数成分画像生成ステップST1vで生成した垂直方向高周波数成分画像D1vに対し、図3の画像拡大手段2Bvと同様の処理を行い、拡大画像D2Bvを生成する。
次に高周波数成分画像処理ステップST3の動作を説明する。
高周波数成分画像処理ステップST3は、図26に示すように、高周波数成分画像生成ステップST32A、非線形処理画像生成ステップST30、及び加算ステップST34を有する。
高周波数成分通過ステップST32Aは、水平方向高周波数成分画像生成ステップST32Ah、垂直方向高周波数成分画像生成ステップST32Avを有する。
非線形処理画像生成ステップST30は、非線形処理ステップST31、及び高周波数成分画像生成ステップST32Bを有する。
非線形処理ステップST31は水平方向非線形処理ステップST31h、及び垂直方向非線形処理ステップST31vを有する。
高周波数成分画像生成ステップST32Bは、水平方向高周波数成分画像生成ステップST32Bh、垂直方向高周波数成分画像生成ステップST32Bvを有する。
水平方向高周波数成分通過ステップST32Ahでは、画像拡大ステップST2Bhで生成した拡大画像D2Bhに対し、図3の水平方向高周波数成分画像生成手段32Ahと同様の処理を行い、水平方向中間画像D32Ahを生成する。垂直方向高周波数成分通過ステップST32Avでは、画像拡大ステップST2Bvで生成した拡大画像D2Bvに対し、図3の垂直方向高周波数成分画像生成手段32Avと同様の処理を行い、垂直方向中間画像D32Avを生成する。
そして高周波数成分画像生成ステップST32Aでは水平方向中間画像D32Ahと垂直方向中間画像D32Avから成る中間画像D32Aが生成される。
このように、高周波数成分通過ステップST32Aでは、図3の高周波数成分画像生成手段32Aと同様の動作が行われる。
水平方向非線形処理ステップST31hは、図27に示すようにゼロクロス判定ステップST311hと信号増幅ステップST312hを有する。
水平方向非線形処理ステップST31hの動作は以下のごとくである。
まず、ゼロクロス判定ステップST311hで、画像拡大ステップST2Bhで生成した拡大画像D2Bhにおける画素値の変化を水平方向に沿って確認する。そして画素値が正の値から負の値あるいは負の値から正の値に変化する箇所をゼロクロス点として捉え、ゼロクロス点の左右に位置する画素を特定する。信号増幅ステップST312hでは、拡大画像D2Bhのうち、ゼロクロス判定ステップST311hで特定されたゼロクロス点の左右に位置する画素の画素値を増幅し、その結果得られる画像を非線形処理画像D31hとして生成する。
垂直方向非線形処理ステップST31vは、図28に示すようにゼロクロス判定ステップST311vと信号増幅ステップST312vを有する。
垂直方向非線形処理ステップST31vの動作は以下のごとくである。
まず、ゼロクロス判定ステップST311vで、画像拡大ステップST2Bvで生成した拡大画像D2Bvにおける画素値の変化を垂直方向に沿って確認する。そして画素値が正の値から負の値あるいは負の値から正の値に変化する箇所をゼロクロス点として捉え、ゼロクロス点の上下に位置する画素を特定する。信号増幅ステップST312vでは、拡大画像D2Bvのうち、ゼロクロス判定ステップST311vで特定されたゼロクロス点の上下に位置する画素の画素値を増幅し、その結果得られる画像を非線形処理画像D31vとして生成する。
そして高周波数成分画像生成ステップST31では水平方向非線形処理画像D31hと垂直方向非線形処理画像D31vから成る非線形処理画像D31が生成される。
このように、非線形処理ステップST31では、図3の非線形処理手段31と同様の動作が行われる。
水平方向高周波数成分通過ステップST32Bhは、水平方向非線形処理ステップST31hで生成した非線形処理画像D31hにハイパスフィルタをかけ、水平方向中間画像D32Bhを生成する。垂直方向高周波数成分通過ステップST32Bvは、垂直方向非線形処理ステップST31vで生成した非線形処理画像D31vにハイパスフィルタをかけ、垂直方向中間画像D32Bvを生成する。
そして高周波数成分画像生成ステップST32Bでは水平方向中間画像D32Bhと垂直方向中間画像D32Bvから成る中間画像D32Bが生成される。
このように、高周波数成分通過ステップST32Bでは、図3の高周波数成分画像生成手段32Bと同様の動作が行われる。
加算ステップST34は、高周波数成分画像生成ステップST32Aで生成した中間画像D32Aと非線形処理画像生成ステップST32Bで生成した中間画像D32Bを加算し、高周波数成分画像D3を得る。このように、ステップST34では、図3の加算手段34と同様の動作が行われる。
なお、ここでの加算は加算手段34と同様、加重加算でもよい。
以上が、高周波数成分画像処理ステップST3の動作であり、この動作は、図1、図3の高周波数成分画像処理手段3と同じである。
加算ステップST4は、画像拡大ステップST2Aで生成した拡大画像D2Aと高周波数成分画像処理ステップST3で生成した高周波数成分画像D3を加算した画像Doutを生成する。そして生成された画像Doutが出力輝度画像YOUTとなり、最終的な出力カラー画像IMGOUTの一部として、画像処理装置から出力される。
この動作は、図1、図3の加算手段4と同じである。
以上が輝度画像拡大ステップST6の動作であり、この動作が実施の形態1における輝度画像拡大手段6と同じである。
次に色差増減ステップST5の詳細な動作について説明する。図29は色差増減ステップST5の構成を表す図であり、色差増減ステップST5は増幅率決定ステップST5A、色差Cr増減ステップST5B1、色差Cb増減ステップST5B2を含む。
増幅率決定ステップST5Aは入力CR画像CRIN及び入力CB画像CBINの各画素に対する増幅率を高周波数成分画像D3の同一座標の画素値に基づいて決定し、その結果を増幅率D5Aとして出力する。
色差Cr増減ステップST5B1は増幅率D5Aを入力CR画像CRINの画素値に対してかけた結果を画像D5Cとして出力する。
色差Cb増減ステップST5B2は増幅率D5Aを入力CB画像CBINの画素値に対してかけた結果を画像D5Dとして出力する。
そして、画像D5Cが出力CR画像CROUTとして出力され、画像D5Dが出力CB画像CBOUTとして出力される。また、出力CR画像CROUT及び出力CB画像CBOUTは最終的な出力カラー画像IMGOUTの一部として、画像処理装置から出力される。
以上が色差増減ステップST5の動作であり、この動作は実施の形態1における色差増減手段5と同じである。
以上が実施の形態2による画像処理方法の動作である。上記の説明から明らかなように実施の形態2による画像処理方法でも実施の形態1による画像処理装置と同様の処理で画像を拡大できるため、実施の形態1による画像処理装置と同様の効果が得られる。また、実施の形態2による画像処理方法にも、実施の形態1による画像処理装置と同様の変形を行うことができ、その場合に得られる効果も実施の形態1による画像処理装置と同様である。
例えば、高周波数成分画像処理ステップST3を図31に示した構成にする変形例が考えられる。図31中の各ステップの動作のうち加算ステップST35以外は図26に記載されたものと同等であるのでその説明は省略する。加算ステップST35では水平方向中間画像D32Bhと垂直方向中間画像D32Bvを加算し、高周波数成分画像D3を生成する。図31に示した高周波数成分画像処理ステップST3をもちいた画像処理方法でも、非線形処理画像生成ステップST30で生成されるナイキスト周波数Fnより高い領域の高周波数成分が、高周波数成分画像D3を介して与えられるので、画像の解像感を増す効果が得られる。また、色差成分は色差補正ステップST5によって補正されるのでエッジ近傍で色の濃淡が変化することもない。
なお、変形例は上記のものに留まらず、実施の形態1による画像処理装置に加えられる変形はすべて実施の形態2による画像処理方法に適用可能である。例えば拡大率に応じて非線形処理画像生成ステップST30の動作を適宜変化させる(設定する)ことが出来る。その際、実施の形態2による画像処理方法の各構成要素をどのように変形させればよいかは、実施の形態1との対比から明らかである。
また、実施の形態2による画像処理装置は実施の形態1で説明した画像処理装置と同様画像表示装置の一部として用いることができるため、実施の形態2による画像処理装置で生成された画像Doutを表示する画像表示装置も、実施の形態1で説明した画像処理装置と同様の効果が得られる。さらに、実施の形態1及び実施の形態2の画像処理装置を用いて実施される画像処理方法、及びこれを用いた画像表示方法も同様の効果が得られる。
1 高周波数成分画像生成手段、 2A 画像拡大手段、 2B 画像拡大手段、 3 高周波数成分画像処理手段、 4 加算手段、 5 色差補正手段、 6 輝度画像拡大手段、 30 非線形画像生成手段、 31 非線形処理手段、 32A 高周波数成分画像生成手段、 32B 高周波数成分画像生成手段、 34 加算手段、 DIRGB 入力カラー画像、 DORGB 出力カラー画像。

Claims (19)

  1. カラー画像を拡大する画像処理装置において、
    前記カラー画像の輝度成分を表す画像を拡大し、第1の拡大画像を出力する第1の画像拡大手段と、
    前記カラー画像の輝度成分を表す画像の高周波数成分を取り出し、第1の高周波数成分画像を生成する第1の高周波数成分画像生成手段と、
    前記第1の高周波数成分画像を拡大し、第2の拡大画像を出力する第2の画像拡大手段と、
    前記第2の拡大画像を入力とし、第2の高周波数成分画像を出力する高周波数成分画像処理手段と、
    前記第1の拡大画像と前記第2の高周波数成分画像を加算する第1の加算手段と、
    前記カラー画像の色差成分を表す画像を拡大した色差拡大画像を出力する画像拡大手段と、
    前記色差拡大画像を補正する色差補正手段
    を有する画像処理装置。
  2. 前記色差補正手段は、
    前記色差拡大画像に対する増幅率を計算する増幅率計算手段と、
    前記色差拡大画像に対する増幅率によって前記色差拡大画像の各画素値を増幅する色差増幅手段を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記増幅率計算手段は、
    前記第2の高周波数成分画像の画素値が正の場合、前記色差拡大画像に対する増幅率を1以上の値とする
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記増幅率計算手段は、
    前記第2の高周波数成分画像の画素値が負の場合、前記色差拡大画像に対する増幅率を1以下の値とする
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記増幅率計算手段は、
    前記第2の高周波数成分画像の画素値が零の場合、前記色差拡大画像に対する増幅率を1とする
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記高周波数成分画像処理手段は、
    前記第2の拡大画像の高周波数成分を取り出して第1の中間画像を出力する第2の高周波数成分画像生成手段と、
    前記第2の拡大画像に対して非線形処理を含む処理を行った第2の中間画像を出力する非線形処理画像生成手段と、
    前記第1の中間画像と前記第2の中間画像を加算する第2の加算手段を含む
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像処理装置。
  7. 前記高周波数成分画像処理手段は、
    前記第2の拡大画像に対して非線形処理を含む処理を行った第2の中間画像を出力する非線形処理画像生成手段を含む
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像処理装置。
  8. 前記非線形処理画像生成手段は、
    前記第2の拡大画像に対して非線形処理を行った第1の非線形処理画像を生成する非線形処理手段と、
    前記第1の非線形処理画像から高周波数成分を取り出し、前記第2の中間画像とする第3の高周波数成分画像生成手段を含む
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  9. 前記非線形処理画像生成手段は、
    前記第2の拡大画像に対して非線形処理を行った第1の非線形処理画像を生成する非線形処理手段と、
    前記第1の非線形処理画像から高周波数成分を取り出し、前記第2の中間画像とする第3の高周波数成分画像生成手段を含む
    ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  10. 前記第1の高周波数成分画像生成手段は、
    前記入力画像の各画素について水平方向近傍に存在する画素の画素値を用いて水平方向高周波数成分画像を生成する第1の水平方向高周波数成分画像生成手段を有し、
    前記第2の画像拡大手段は、
    前記第1の水平方向高周波数成分画像を拡大し、第3の拡大画像を出力する第3の画像拡大手段を有し、
    前記第2の拡大画像は、前記第3の拡大画像を含み、
    前記第2の高周波数成分画像生成手段は、
    前記第3の拡大画像の高周波数成分のみを取り出し、第1の水平方向中間画像を出力する第2の水平方向高周波数成分画像生成手段を有し、
    前記非線形処理手段は、
    前記第3の拡大画像に対して非線形処理を行った第2の非線形処理画像を出力する水平方向非線形処理手段を有し、
    前記第3の高周波数成分画像生成手段は、
    前記第2の非線形処理画像から高周波数成分を取り出し、第2の水平方向中間画像を出力する第3の水平方向高周波数成分画像生成手段を有し、
    前記第1の中間画像は前記第1の水平方向中間画像を含み、
    前記第2の中間画像は前記第2の水平方向中間画像を含む
    ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  11. 前記第1の高周波数成分画像生成手段は、
    前記入力画像の各画素について垂直方向近傍に存在する画素の画素値を用いて垂直方向高周波数成分画像を生成する第1の垂直方向高周波数成分画像生成手段を有し、
    前記第2の画像拡大手段は、
    前記第1の垂直方向高周波数成分画像を拡大し、第4の拡大画像を出力する第4の画像拡大手段を有し、
    前記第2の拡大画像は、前記第4の拡大画像を含み、
    前記第2の高周波数成分画像生成手段は、
    前記第4の拡大画像の高周波数成分のみを取り出し、第1の垂直方向中間画像を出力する第2の垂直方向高周波数成分画像生成手段を有し、
    前記非線形処理手段は、
    前記第4の拡大画像に対して非線形処理を行った第3の非線形処理画像を出力する垂直方向非線形処理手段を有し、
    前記第3の高周波数成分画像生成手段は、
    前記第3の非線形処理画像から高周波数成分を取り出し、第2の垂直方向中間画像を出力する第3の垂直方向高周波数成分画像生成手段を有し、
    前記第1の中間画像は前記第1の垂直方向中間画像を含み、
    前記第2の中間画像は前記第2の垂直方向中間画像を含む
    ことを特徴とする請求項8又は10に記載の画像処理装置。
  12. 前記第1の高周波数成分画像生成手段は、
    前記入力画像の各画素について水平方向近傍に存在する画素の画素値を用いて水平方向高周波数成分画像を生成する第1の水平方向高周波数成分画像生成手段と
    前記入力画像の各画素について垂直方向近傍に存在する画素の画素値を用いて垂直方向高周波数成分画像を生成する第1の垂直方向高周波数成分画像生成手段を有し、
    前記第2の画像拡大手段は、
    前記第1の水平方向高周波数成分画像を拡大し、第3の拡大画像を出力する第3の画像拡大手段と
    前記第1の垂直方向高周波数成分画像を拡大し、第4の拡大画像を出力する第4の画像拡大手段を有し、
    前記第2の拡大画像は、前記第3の拡大画像と前記第4の拡大画像を含み、
    前記第2の高周波数成分画像生成手段は、
    前記第3の拡大画像の高周波数成分のみを取り出し、第1の水平方向中間画像を出力する第2の水平方向高周波数成分画像生成手段と
    前記第4の拡大画像の高周波数成分のみを取り出し、第1の垂直方向中間画像を出力する第2の垂直方向高周波数成分画像生成手段を有し、
    前記非線形処理手段は、
    前記第3の拡大画像に対して非線形処理を行った第2の非線形処理画像を出力する水平方向非線形処理手段と、
    前記第4の拡大画像に対して非線形処理を行った第3の非線形処理画像を出力する垂直方向非線形処理手段を有し、
    前記第3の高周波数成分画像生成手段は、
    前記第2の非線形処理画像から高周波数成分を取り出し、第2の水平方向中間画像を出力する第3の水平方向高周波数成分画像生成手段と、
    前記第3の非線形処理画像から高周波数成分を取り出し、第2の垂直方向中間画像を出力する第3の垂直方向高周波数成分画像生成手段を有し、
    前記第1の中間画像は前記第1の水平方向中間画像と前記第1の垂直方向中間画像を含み、
    前記第2の中間画像は前記第2の水平方向中間画像と前記第2の垂直方向中間画像を含む
    ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  13. 前記水平方向非線形処理手段は、
    前記第3の拡大画像の画素値が正から負もしくは負から正へと変化する箇所をゼロクロス点として判定する水平方向ゼロクロス判定手段と、
    前記水平方向ゼロクロス判定手段の判定結果に応じて決められる増幅率で前記第3の拡大画像の画素値を増幅する水平方向信号増幅手段とを有し、
    前記垂直方向非線形処理手段は、
    前記第4の拡大画像の画素値が正から負もしくは負から正へと変化する箇所をゼロクロス点として判定する垂直方向ゼロクロス判定手段と、
    前記垂直方向ゼロクロス判定手段の判定結果に応じて決められる増幅率で前記第4の拡大画像の画素値を増幅する垂直方向信号増幅手段とを有し、
    前記第3の高周波数成分画像生成手段は、
    前記水平方向信号増幅手段の出力する画像から高周波数成分を取り出す第3の水平方向高周波数成分画像生成手段と、
    前記垂直方向信号増幅手段の出力する画像から高周波数成分を取り出す第3の垂直方向高周波数成分画像生成手段を有する
    ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 前記水平方向信号増幅手段は、
    前記水平方向ゼロクロス判定手段で判定されたゼロクロス点を含む第1の領域内に存在する画素の画素値に対する増幅率を1より大きな値とし、それ以外の画素の画素値に対する増幅率を1とし、
    前記垂直方向信号増幅手段は、
    前記垂直方向ゼロクロス判定手段で判定されたゼロクロス点を含む第2の領域内に存在する画素の画素値に対する増幅率を1より大きな値とし、それ以外の画素の画素値に対する増幅率を1とする
    ことを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置。
  15. 前記第1の領域及び前記第2の領域の少なくとも一方は前記第2の画像拡大手段における拡大率に応じて定められる
    ことを特徴とする請求項14に記載の画像処理装置。
  16. 前記第1の領域に存在する画素に対する増幅率及び前記第2の領域に存在する画素に対する増幅率の少なくとも一方は画素に応じて定められる
    ことを特徴とする請求項14又は15に記載の画像処理装置。
  17. 請求項1乃至16のいずれかに記載の画像処理装置を備えたことを特徴とする画像表示装置。
  18. カラー画像を拡大する画像処理方法において、
    前記カラー画像の輝度成分を表す画像を拡大し、第1の拡大画像を出力する第1の画像拡大ステップと、
    前記カラー画像の輝度成分を表す画像の高周波数成分を取り出し、第1の高周波数成分画像を生成する第1の高周波数成分画像生成ステップと、
    前記第1の高周波数成分画像を拡大し、第2の拡大画像を出力する第2の画像拡大ステップと、
    前記第2の拡大画像を入力とし、第2の高周波数成分画像を出力する高周波数成分画像処理ステップと、
    前記第1の拡大画像と前記第2の高周波数成分画像を加算する第1の加算ステップと、
    前記カラー画像の色差成分を表す画像を拡大した色差拡大画像を出力する色差画像拡大ステップと、
    前記色差拡大画像を補正する色差補正ステップ
    を有する画像処理方法。
  19. 請求項18に記載の画像処理方法により処理された画像を表示することを特徴とする画像表示装置。
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