JP5247633B2 - 画像処理装置及び方法、並びに画像表示装置及び方法 - Google Patents

画像処理装置及び方法、並びに画像表示装置及び方法 Download PDF

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本発明は、デジタル化された画像を拡大する画像処理装置及び方法、並びに画像表示装置及び方法に関するものであり、画像を拡大する際に、高周波数成分を生成することによって、解像感の高い拡大画像を得るものである。
一般に画像処理装置は、出力画像の画素数が入力画像の画素数より多い場合、画像を拡大処理しなければならない。従来の画像処理装置では注目する画素近傍の画素がもつ画素値を重み付け加算して画像を拡大していた。
例えば特許文献1に記載された画像処理装置においては、各シフトレジスタからそれぞれ出力される主走査方向の隣り合った5個の画素データに所定の重み付け定数を乗算し、各画素データにおける乗算結果を加算するための演算回路を備え、画像データの拡大処理を行う場合に、演算回路での演算結果をこれらの画素データの中央の画素データとしてセレクタにて選択して出力している。
特開平6−311346号公報(図1)
注目する画素近傍の画素がもつ画素値を重み付け加算することは入力画像の低周波数成分のみを通過させるローパスフィルタ処理となる。従って、上記の従来の技術では、拡大画像に対して高周波数成分を十分に与えることが出来ないため、拡大画像の解像感が失われるという問題があった。
本発明は上述のような課題を解消するためになされたもので、本発明の画像処理装置は、
入力画像を拡大する画像処理装置において、
前記入力画像を拡大し、第1の拡大画像を出力する第1の画像拡大手段と、
前記入力画像の高周波数成分を取り出した第1の高周波数成分画像を生成する第1の高周波数成分画像生成手段と、
前記第1の高周波数成分画像を拡大し、第2の拡大画像を出力する第2の画像拡大手段と、
前記第2の拡大画像から第2の高周波数成分画像を生成する高周波数成分画像処理手段と、
前記第1の拡大画像と前記第2の高周波数成分画像を加算する第1の加算手段を有する画像処理装置において、
第1の高周波数成分画像生成手段は、
前記入力画像の水平方向の高周波数成分を取り出した第1の水平方向高周波数成分画像を生成する第1の水平方向高周波数成分画像生成手段と、
前記入力画像の垂直方向の高周波数成分を取り出した第1の垂直方向高周波数成分画像を生成する第1の垂直方向高周波数成分画像生成手段とを備え、
前記第2の拡大画像は、
前記第1の水平方向高周波数成分画像を拡大した第3の拡大画像と
前記第1の垂直方向高周波数成分画像を拡大した第4の拡大画像から成り、
前記高周波数成分画像処理手段は、
前記第3の拡大画像の高周波数成分を取り出した第1の水平方向中間画像を生成する第2の水平方向高周波数成分画像生成手段と
前記第4の拡大画像の高周波数成分を取り出した第1の垂直方向中間画像を生成する第2の垂直方向高周波数成分画像生成手段と、
前記第3の拡大画像に非線形処理を行った第2の水平方向中間画像を生成する水平方向非線形処理画像生成手段と、
前記第4の拡大画像に非線形処理を行った第2の垂直方向中間画像を生成する垂直方向非線形処理画像生成手段と、
前記第1の水平方向中間画像と前記第1の垂直方向中間画像を加重加算した第3の中間画像を生成する第1の加重加算手段と、
前記第2の水平方向中間画像と前記第2の垂直方向中間画像を加重加算した第4の中間画像を生成する第2の加重加算手段と、
前記第3の中間画像と前記第4の中間画像を加算する第2の加算手段を含む
ことを特徴とする。
本発明によれば、画像のエッジの向きによらず高周波数成分を均一に与えることができ、解像感のある拡大画像を得ることができる。
本発明の実施の形態1の画像処理装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1の画像処理装置を用いた画像表示装置の構成例を示すブロック図である。 (a)〜(d)は、画像拡大手段2Aの動作を示す画素配置図である。 画像拡大手段2Aの構成例を示すブロック図である。 画像拡大手段2Bの構成例を示すブロック図である。 水平方向非線形処理手段31hの構成例を示すブロック図である。 垂直方向非線形処理手段31vの構成例を示すブロック図である。 図1の加算比率決定手段33Cの構成例を示すブロック図である。 図8の重み係数決定手段33C2による、エッジ方向推定量D33C1に対する、重み係数D33Cの決め方の一例を表す図である。 (a)〜(d)は、拡大画像D2Aを得る過程を説明するための周波数スペクトル及び周波数応答を示す図である。 (a)〜(f)は、中間画像D32Aを得る過程を説明するための周波数スペクトル及び周波数応答を示す図である。 (a)〜(c)は、中間画像D32Bを得る過程を説明するための周波数スペクトル及び周波数応答を示す図である。 (a)〜(e)は、ステップエッジ信号とステップエッジ信号を異なるサンプリング周波数でサンプリングした際に得られる信号とその高周波数成分の信号強度を示す図である。 (a)〜(f)は、非線形処理手段31と高周波数成分画像生成手段32Bの動作を説明するための、信号強度を示すである。 拡大画像Doutの周波数スペクトルの説明図である。 (a)〜(d)は、中間画像D32A、D32Bを加算する効果を説明するための、信号強度を示す図である。 (a)〜(k)は、入力画像のエッジの方向を示す図、及び入力画像のエッジの方向が図17(a)に示すように水平である場合の、動作を説明するための、信号強度を示す図である。 (a)〜(k)は、入力画像のエッジの方向を示す図、及び入力画像のエッジの方向が図18(a)に示すように垂直である場合の、動作を説明するための、信号強度を示す図である。 (a)〜(k)は、入力画像のエッジの方向を示す図、及び入力画像のエッジの方向が図19(a)に示すように斜めである場合の、動作を説明するための、信号強度を示す図である。 エッジの方向と各信号の値との関係を説明する図である。 実施の形態1の画像処理装置の一つの変形例の構成を示すブロック図である。 実施の形態1の画像処理装置の他の変形例の構成を示すブロック図である。 (a)〜(e)は、ステップエッジ信号とステップエッジ信号を異なるサンプリング周波数でサンプリングした際に得られる信号とその高周波数成分の信号強度を示す図である。 (a)〜(f)は、非線形処理手段31と高周波数成分画像生成手段32Bの動作を説明するための信号の強度を示す図である。 本発明の実施の形態2の画像処理装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態2の画像処理方法を示すフロー図である。 高周波数成分画像生成ステップST1を示すフロー図である。 画像拡大ステップST2Bを示すフロー図である。 高周波数成分画像処理ステップST3を示すフロー図である。 水平方向非線形処理ステップST31hを示すフロー図である。 垂直方向非線形処理ステップST31vを示すフロー図である。 加算比率決定ステップST33を示すフロー図である。 本発明の実施の形態3の画像処理装置の構成を示すブロック図である。 図33の加算比率決定手段33CAの構成例を示すブロック図である。 図34の重み係数決定手段33CA2による、エッジ方向推定量D33CA1に対する、重み係数D33CAの決め方の一例を表す図である。 図33の加算比率決定手段33CBの構成例を示すブロック図である。 図36の重み係数決定手段33CB2による、エッジ方向推定量D33CB1に対する、重み係数D33CBの決め方の一例を表す図である。 本発明の実施の形態4の画像処理方法における高周波数成分画像処理ステップST3を示すフロー図である。 図38の加算比率決定ステップST33CAを示すフロー図である。 図38の加算比率決定ステップST33CBを示すフロー図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による画像処理装置の構成を表す図であり、例えば図2に示す画像表示装置の一部として用いることができる。ここで図2に示す画像表示装置は図1に示す画像処理装置を内部に含む画像処理装置U1及び表示部9を備えており、画像処理装置U1において画像DORGに対する出力として得られた画像DU1が表示部9に表示される。
実施の形態1による画像処理装置は、画像拡大手段2Aと、高周波数成分画像生成手段1と、画像拡大手段2Bと、高周波数成分画像処理手段3と、加算手段4とを備える。
画像拡大手段2Aは、入力画像Dinを拡大して拡大画像D2Aを生成する。
高周波数成分画像生成手段1は、入力画像Dinの高周波数成分のみを取り出して高周波数成分画像D1を生成する。
画像拡大手段2Bは、高周波数成分画像生成手段1から出力される高周波数成分画像D1を拡大して拡大画像(高周波数成分拡大画像)D2Bを生成する。
高周波数成分画像処理手段3は、画像拡大手段2Bから出力される拡大画像D2Bに対して後述の処理を行い、高周波数成分画像(高周波数成分処理画像)D3を生成する。
加算手段4は、画像拡大手段2Aから出力される拡大画像D2Aに、高周波数成分画像処理手段3から出力される高周波数成分画像D3を加算して、その結果を最終的な拡大画像、即ち出力画像Doutとして出力する。加算手段4の出力は、例えば図2に示す画像表示装置の表示部9に画像DU1として供給され、表示部9による画像表示に用いられる。
なお、本明細書において、拡大、高周波数成分生成、高周波数成分処理などの処理は「画像」に対して行なわれる旨記載されるが、具体的には、画像を表すデジタルデータに対して行われる。また、「画像」との記載も具体的には「画像データ」を意味する場合がある。
画像拡大手段2A、高周波数成分画像生成手段1、画像拡大手段2B、及び高周波数成分画像処理手段3の詳細な動作については後述するが、高周波数成分画像D3のもつ周波数成分は拡大画像D2Aがもつ周波数成分より高い周波数帯域のものとなる。従って加算手段4において拡大画像D2Aに高周波数成分画像D3を加算することで、高周波数成分を多く含んだ拡大画像Doutを得ることができる。
画像拡大手段2A、高周波数成分画像生成手段1、画像拡大手段2B、及び高周波数成分画像処理手段3の構成をより詳細に説明する。
画像拡大手段2Aは、水平方向及び垂直方向の少なくとも一方に画像を拡大するものであり、例えば、水平方向及び垂直方向に同じ倍率で拡大を行なうが、代わりに、水平方向及び垂直方向に異なる倍率で拡大を行なうものであっても良い。また、水平方向及び垂直方向の一方にのみ拡大を行なうものであっても良く、例えば入力画像に対して表示画面が横長である場合に水平方向にのみ拡大を行なうことがある。
高周波数成分画像生成手段1は、入力画像Dinの高周波数成分(所定の周波数Fbよりも高い成分)を取り出して、高周波数成分画像D1を生成するものであり、後述の方法でそれぞれ水平方向高周波数成分画像D1h及び垂直方向高周波数成分画像D1vを生成する水平方向高周波数成分画像生成手段1h及び垂直方向高周波数成分画像生成手段1vを備える。水平方向高周波数成分画像D1hと垂直方向高周波数成分画像D1vとで高周波数成分画像D1が構成されている。
画像拡大手段2Bは、水平方向高周波数成分画像D1hを拡大した拡大画像D2Bhを生成する画像拡大手段2Bh及び垂直方向高周波数成分画像D1vを拡大した拡大画像D2Bvを生成する画像拡大手段2Bvを備える。拡大画像D2Bhと拡大画像D2Bvとで拡大画像D2Bが構成されている。
画像拡大手段2Aが水平方向及び垂直方向の両方向に拡大を行なう場合、画像拡大手段2Bhは、水平方向高周波数成分画像D1hを水平方向及び垂直方向の両方向に拡大し、画像拡大手段2Bvは、垂直方向高周波数成分画像D1vを水平方向及び垂直方向の両方向に拡大する。画像拡大手段2Bh及び2Bvによる、水平方向高周波数成分画像D1h及び垂直方向高周波数成分画像D1vの拡大は、画像拡大手段2Aによる拡大と水平方向及び垂直方向の各々について同じ倍率で行なわれる。
高周波数成分画像処理手段3は、高周波数成分画像生成手段32Aと、非線形処理画像生成手段30と、加算手段34とを備えている。
高周波数成分画像生成手段32Aは、拡大画像D2Bの高周波数成分(所定の周波数Fdよりも高い成分)を取り出して中間画像(高周波数成分画像)D32Aを出力するものであり、拡大画像D2Bhに含まれる水平方向の高周波数成分のみを取り出した水平方向中間画像D32Ahを生成する水平方向高周波数成分画像生成手段32Ahと、拡大画像D2Bvの垂直方向の高周波数成分のみを取り出した垂直方向中間画像D32Avを生成する垂直方向高周波数成分画像生成手段32Avを備え、高周波数成分画像生成手段32Aからは、水平方向中間画像D32Ahと垂直方向中間画像D32Avから成る中間画像D32Aが出力される。
非線形処理画像生成手段(エッジ鮮鋭化画像生成手段)30は、拡大画像D2Bに対して非線形処理を含む処理を行った中間画像(エッジ鮮鋭化画像)D32Bを出力するものであり、非線形処理手段31、及び高周波数成分画像生成手段32Bを備える。
非線形処理手段31は、拡大画像D2Bに対して後述するエッジの鮮鋭化のための非線形処理を行った非線形処理画像D31を生成する。
高周波数成分画像生成手段32Bは非線形処理画像D31に含まれる高周波数成分(所定の周波数Ffよりも高い成分)を取り出した中間画像D32Bを出力する。
非線形処理手段31は、拡大画像D2Bhに対して非線形処理した非線形処理画像D31hを生成する水平方向非線形処理手段31hと、拡大画像D2Bvに対して非線形処理した非線形処理画像D31vを生成する垂直方向非線形処理手段31vを備えており、非線形処理画像D31は非線形処理画像D31hと非線形処理画像D31vから成る。
高周波数成分画像生成手段32Bは、非線形処理画像D31hから高周波数成分を取り出し、水平方向中間画像D32Bhを生成する水平方向高周波数成分画像生成手段32Bhと、非線形処理画像D31vから高周波数成分を取り出し、垂直方向中間画像D32Bvを生成する垂直方向高周波数成分画像生成手段32Bvを備え、中間画像D32Bは水平方向中間画像D32Bhと垂直方向中間画像D32Bvから成る。
なお、水平方向非線形処理手段31hと水平方向高周波数成分画像生成手段32Bhで水平方向非線形処理画像生成手段が構成され、垂直方向非線形処理手段31vと垂直方向高周波数成分画像生成手段32Bvで垂直方向非線形処理画像生成手段が構成される。
加算手段34は、水平垂直加算手段33A、33B、加算比率決定手段33C、及び加算手段33Dを備える。
加算比率決定手段33Cは、後述の処理により重み係数D33Cを決定し出力する。
水平垂直加算手段33Aは、水平方向中間画像D32Ahと垂直方向中間画像D32Avを後述の処理により加重加算した中間画像(補正画像)D33Aを出力する。
水平垂直加算手段33Bは、水平方向中間画像D32Bhと垂直方向中間画像D32Bvを後述の処理により加重加算した中間画像(補正画像)D33Bを出力する。
加算手段33Dは、中間画像D33Aと中間画像D33Bを加算し、高周波数成分画像D3を出力する。
以下、入力画像Dinを水平方向、垂直方向ともに2倍に拡大した拡大画像Doutを生成する場合を例にし、各構成要素の動作をさらに詳細に説明する。この説明を通じて本発明の作用、効果もより明らかなものとなるであろう。
まず、画像拡大手段2Aの動作について説明する。画像拡大手段2Aは入力画像Dinを水平方向、垂直方向ともに2倍に拡大した拡大画像D2Aを生成する。図3(a)〜(d)は画像拡大手段2Aにおける拡大画像D2Aの生成手順の一例を模式的に示した図であり、図4は画像拡大手段2Aの一例を示した図である。
画像拡大手段2Aは、ゼロ挿入手段21Aと、低周波数成分通過手段22Aを備える。以下、図3(a)〜(d)を用いてゼロ挿入手段21A及び低周波数成分通過手段22Aの動作を説明する。図3(a)は入力画像Din(特に画像の一部を構成する画素の配列)を、図3(b)はゼロ挿入手段21Aで生成されるゼロ挿入画像D21Aを、図3(c)は低周波数成分通過手段22Aにおいて拡大画像D2Aを生成する際使用されるフィルタ係数を、図3(d)は低周波数成分通過手段22Aで生成された拡大画像D2Aを表す。図3(a)、(b)、(d)には画素の位置に対応させて水平座標X、垂直座標Yを記載している。
ゼロ挿入手段21Aでは入力画像Dinに対して画素値0をもつ画素を水平方向には(入力画像Dinの)1画素につき1個(隣り合う2つの画素相互間に1個)、垂直方向には(入力画像Dinの)1ラインにつき1本(隣り合う2本のライン相互間に1本)を挿入したゼロ挿入画像D21Aを生成する。
「PXY」が入力画像Dinの座標(X,Y)における画素の画素値を表し、「P’XY」がゼロ挿入画像D21Aの座標(X,Y)の画素の画素値を表すとすると、ゼロ挿入画像D21Aの、P’(2X−1)(2Y−1)で表わされる画素値は、入力画像DinのPXYに等しく、P’(2X−1)(2Y)、P’(2X)(2Y)、P’(2X)(2Y−1)で表わされる画素値は、ゼロに等しい。
低周波数成分通過手段22Aではゼロ挿入画像D21Aに対し、図3(c)に示されたフィルタ係数で表されたフィルタ演算を行うことで、図3(d)に示される拡大画像D2Aを生成する。
例えば、拡大画像D2Aに含まれる、座標(X,Y)の画素の画素値QXYは下記の式(1)のように計算される。
QXY=(4/16)×
{P’(X−1)(Y−1)+2P’X(Y−1)+P’(X+1)(Y−1)
+2P’(X−1)Y+4P’XY+2P’(X+1)Y
+P’(X−1)(Y+1)+2P’X(Y+1)+P’(X+1)(Y+1)}
…(1)
なお、図3(c)で表されるフィルタ係数はローパスフィルタを表すので、式(1)で表される低周波数成分通過手段22Aにおける処理はゼロ挿入画像D21Aの低周波数成分(所定の周波数Fa以下の成分)を取り出すことに対応する。
また、式(1)において
P’(X−1)(Y−1)、2P’X(Y−1)、P’(X+1)(Y−1)、2P’(X−1)Y、P’XY、2P’(X+1)Y、P’(X−1)(Y+1)、P’X(Y+1)、P’(X+1)(Y+1)
のうちいくつかはその値が0であり、それ以外は入力画像Dinの画素値そのものになる。従って拡大処理は入力画像Dinにおいて注目する画素の近傍の画素値を適宜加重加算する処理と同じである。
次に水平方向高周波数成分画像生成手段1h及び垂直方向高周波数成分画像生成手段1vの動作について説明する。
水平方向高周波数成分画像生成手段1hは入力画像Dinに対して、入力画像Dinの各画素及びその水平方向近傍にある、例えば所定数の画素を用いたハイパスフィルタをかけて水平方向高周波数成分画像D1hを生成する。
一方、垂直方向高周波数成分画像生成手段1vは入力画像Dinに対して、入力画像Dinの各画素及びその垂直方向近傍にある、例えば所定数の画素を用いたハイパスフィルタをかけて垂直方向高周波数成分画像D1vを生成する。
ハイパスフィルタをかけることは高周波数成分を取り出すことに対応し、水平方向高周波数成分画像D1hには、入力画像Dinの水平方向の高周波数成分(所定の水平周波数よりも高い成分から成る)が含まれ、垂直方向高周波数成分画像D1vには、入力画像Dinの垂直方向の高周波数成分(所定の垂直方向周波数よりも高い成分から成る)が含まれる。
水平方向高周波数成分画像生成手段1hで行なわれるハイパスフィルタをかける処理としては、例えば、該手段1hへの入力信号からその水平方向の低周波数成分(もしくは各画素に対して水平方向に整列した所定数の画素から成る局所領域における画素値の単純平均値あるいは加重平均値)を差し引くことで高周波数成分を取り出す処理を行なうことができる。
同様に、垂直方向高周波数成分画像生成手段1vで行なわれるハイパスフィルタをかける処理としては、例えば、該手段1vへの入力信号からその垂直方向の低周波数成分(もしくは各画素に対して垂直方向に整列した所定数の画素から成る局所領域における画素値の単純平均値あるいは加重平均値)を差し引くことで高周波数成分を取り出す処理を行なうことができる。
次に画像拡大手段2Bh及び2Bvの動作について説明する。画像拡大手段2Bhは水平方向高周波数成分画像D1hを水平方向、垂直方向とも2倍に拡大した拡大画像D2Bhを生成し、画像拡大手段2Bvは垂直方向高周波数成分画像D1vを水平方向、垂直方向とも2倍に拡大した拡大画像D2Bvを生成する。
画像拡大手段2Bh及び画像拡大手段2Bvの各々は、図4を参照して説明した画像拡大手段2Aと同様に構成することができる。従って、画像拡大手段2Bhと画像拡大手段2Bvとで構成される画像拡大手段2Bは図5のように示すことができる。
画像拡大手段2Bhの入力は水平方向高周波数成分画像D1hであり、出力が拡大画像D2Bhとなる。画像拡大手段2Bvの入力は垂直方向高周波数成分画像D1vであり、出力が拡大画像D2Bvである。
画像拡大手段2Bhは、ゼロ挿入手段21Bhと、低周波数成分通過手段22Bhとを備え、画像拡大手段2Bvは、ゼロ挿入手段21Bvと、低周波数成分通過手段22Bvとを備える。
ゼロ挿入手段21Bh及びゼロ挿入手段21Bvの各々は、図4のゼロ挿入手段21Aと同様のものであり、低周波数成分通過手段22Bh及び低周波数成分通過手段22Bvの各々は、図4の低周波数成分通過手段22Aと同様のものである。
ゼロ挿入手段21Bhから出力されるゼロ挿入画像D21Bhとゼロ挿入手段21Bvから出力されるゼロ挿入画像D21Bvとで、ゼロ挿入手段21Bの出力としてのゼロ挿入画像D21Bが構成される。
低周波数成分通過手段22Bhから出力される拡大画像D2Bhと低周波数成分通過手段22Bvから出力される拡大画像D2Bvとで、低周波数成分通過手段22Bの出力としての拡大画像D2Bが構成される。低周波数成分通過手段22Bの出力は、ゼロ挿入画像D21Bの低周波数成分(Fc以下の成分)を取り出したものである。
次に高周波数成分画像生成手段32Aの動作について説明する。
水平方向高周波数成分画像生成手段32Ahは、拡大画像D2Bhに水平方向のハイパスフィルタをかけて所定の水平方向周波数以上の成分から成る、高周波数成分を取り出し、水平方向中間画像D32Ahを生成する。
一方、垂直方向高周波数成分画像生成手段32Avは、拡大画像D2Bvに垂直方向のハイパスフィルタをかけて所定の垂直方向周波数以上の成分から成る、高周波数成分を取り出し、垂直方向中間画像D32Avを生成する。
そして水平方向中間画像D32Ahと垂直方向中間画像D32Avから成る中間画像D32Aが高周波数成分画像生成手段32Aから出力される。
水平方向高周波数成分画像生成手段32Ahで行なわれるハイパスフィルタをかける処理は、水平方向高周波数成分画像生成手段1hにおける処理と同様に行ない、垂直方向高周波数成分画像生成手段32Avで行なわれるハイパスフィルタをかける処理は、垂直方向高周波数成分画像生成手段1vにおける処理と同様に行なうことができる。
即ち、水平方向高周波数成分画像生成手段32Ahで行なわれるハイパスフィルタをかける処理としては、水平方向高周波数成分画像生成手段1hにおける処理と同様に、例えば、該手段32Ahへの入力信号からその水平方向の低周波数成分(もしくは各画素に対して水平方向に整列した所定数の画素から成る局所領域における画素値の単純平均値あるいは加重平均値)を差し引くことで高周波数成分を取り出す処理を行なうことができる。
同様に、垂直方向高周波数成分画像生成手段32Avで行なわれるハイパスフィルタをかける処理としては、例えば、該手段32Avへの入力信号からその垂直方向の低周波数成分(もしくは各画素に対して垂直方向に整列した所定数の画素から成る局所領域における画素値の単純平均値あるいは加重平均値)を差し引くことで高周波数成分を取り出す処理を行なうことができる。
次に非線形処理手段31の動作について説明する。非線形処理手段31は、水平方向非線形処理手段31hと、垂直方向非線形処理手段31vを備える。水平方向非線形処理手段31hと垂直方向非線形処理手段31vとは互いに同様に構成されている。但し、水平方向非線形処理手段31hは水平方向の処理を行ない、垂直方向非線形処理手段31vは垂直方向の処理を行なう。
図6は水平方向非線形処理手段31hの内部構成を表す図である。図示の水平方向非線形処理手段31hは、ゼロクロス判定手段311hと、信号増幅手段312hを備える。
ゼロクロス判定手段311hは、入力される拡大画像D2Bhにおける画素値の変化を水平方向に沿って確認する。そして画素値が正の値から負の値あるいは負の値から正の値に変化する箇所をゼロクロス点として捉え、信号D311hによってゼロクロス点の前後にある画素(図示の例では、直前及び直後の各1画素)の位置を信号増幅手段312hに伝達する。
なお、水平方向非線形処理手段31hではゼロクロス点の左右に位置する画素がゼロクロス点の前後にある画素として認識される。
水平方向信号増幅手段312hは、水平方向ゼロクロス判定手段311hの判定結果に応じて決められる増幅率で第3の拡大画像D2Bhの画素値を増幅する。具体的には、信号増幅手段312hは、信号D311hをもとにゼロクロス点の前後にある画素(ゼロクロス点を含む所定の領域内に存在する画素)を特定し、ゼロクロス点の前後にある画素についてのみその画素値を増幅させた(絶対値を大きくした)非線形処理画像D31hを生成する。すなわちゼロクロス点の前後にある画素の画素値に対する増幅率を1より大きな値とし、それ以外の画素の画素値に対する増幅率は1とする。
このような処理により、水平方向に並んだ画素の信号値のステップ状の変化を含むエッジの鮮鋭化が行なわれる。
図7は垂直方向非線形処理手段31vの内部構成を表す図である。図示の垂直方向非線形処理手段31vは、ゼロクロス判定手段311vと、信号増幅手段312vを備える。
ゼロクロス判定手段311vは、入力される拡大画像D2Bvにおける画素値の変化を垂直方向に沿って確認する。そして画素値が正の値から負の値あるいは負の値から正の値に変化する箇所をゼロクロス点として捉え、信号D311vによってゼロクロス点の前後にある画素(図示の例では、直前及び直後の各1画素)の位置を信号増幅手段312vに伝達する。
なお、垂直方向非線形処理手段31vではゼロクロス点の上下に位置する画素がゼロクロス点の前後にある画素として認識される。
垂直方向信号増幅手段312vは、垂直方向ゼロクロス判定手段311vの判定結果に応じて決められる増幅率で第4の拡大画像D2Bvの画素値を増幅する。具体的には、信号増幅手段312vは、信号D311vをもとにゼロクロス点の前後にある画素(ゼロクロス点を含む所定の領域内に存在する画素)を特定し、ゼロクロス点の前後にある画素についてのみその画素値を増幅させた(絶対値を大きくした)非線形処理画像D31vを生成する。すなわちゼロクロス点の前後にある画素の画素値に対する増幅率を1より大きな値とし、それ以外の画素の画素値に対する増幅率は1とする。
このような処理により、垂直方向に並んだ画素の信号値のステップ状の変化を含むエッジの鮮鋭化が行なわれる。
なお、図示の例では、ゼロクロス点の直前及び直後の各々1個ずつの画素についてのみ、画素値を増幅させているが、ゼロクロス点の前及び後の所定数の画素、言い換えると、ゼロクロス点を含む所定の領域内に存在する画素について、画素値を増幅させることとしても良い。また上記「所定の領域」の大きさ(所定の領域に含まれる画素の数)を画像拡大手段2Bにおける画像の拡大率に応じて変える(拡大率に対して適切な値に定める)こととしても良い。
次に高周波数成分画像生成手段32Bの動作について説明する。
水平方向高周波数成分画像生成手段32Bhは、非線形処理画像D31hに水平方向のハイパスフィルタをかけて所定の水平方向周波数以上の成分から成る、高周波数成分を取り出し、水平方向中間画像D32Bhを生成する。一方、垂直方向高周波数成分画像生成手段32Bvは、非線形処理画像D31vに垂直方向のハイパスフィルタをかけて所定の垂直方向周波数以上の成分から成る、高周波数成分を取り出し、垂直方向中間画像D32Bvを生成する。このようにして生成された水平方向中間画像D32Bhと垂直方向中間画像D32Bvから成る中間画像D32Bが高周波数成分画像生成手段32Bから出力される。
水平方向高周波数成分画像生成手段32Bhで行なわれるハイパスフィルタをかける処理は、水平方向高周波数成分画像生成手段1hにおける処理と同様に行ない、垂直方向高周波数成分画像生成手段32Bvで行なわれるハイパスフィルタをかける処理は、垂直方向高周波数成分画像生成手段1vにおける処理と同様に行なうことができる。
即ち、水平方向高周波数成分画像生成手段32Bhで行なわれるハイパスフィルタをかける処理としては、例えば、該手段32Bhへの入力信号からその水平方向の低周波数成分(もしくは各画素に対して水平方向に整列した所定数の画素から成る局所領域における画素値の単純平均値あるいは加重平均値)を差し引くことで高周波数成分を取り出す処理を行なうことができる。
同様に、垂直方向高周波数成分画像生成手段32Bvで行なわれるハイパスフィルタをかける処理としては、例えば、該手段32Bvへの入力信号からその垂直方向の低周波数成分(もしくは各画素に対して垂直方向に整列した所定数の画素から成る局所領域における画素値の単純平均値あるいは加重平均値)を差し引くことで高周波数成分を取り出す処理を行なうことができる。
次に加算手段34の動作について説明する。加算手段34は加算比率決定手段33C、水平垂直加算手段33A、33B、及び加算手段33Dを備える。
まず、図8及び図9を用いて加算比率決定手段33Cの動作について説明する。
図8は図1の加算比率決定手段33Cの構成例を表す図であり、加算比率決定手段はエッジ方向推定手段33C1、及び重み係数決定手段33C2を備える。
エッジ方向推定手段33C1は、拡大画像D2Bhと拡大画像D2Bvの二つの信号からエッジ方向(角度)に対応する量としてのエッジ方向推定量D33C1を算出する。例えば、拡大画像D2Bhの各画素値の絶対値をdH、拡大画像D2Bvの各画素値の絶対値をdVとしたとき、これら二つの値の差分dH−dVを、エッジ方向推定量D33C1として出力する。
重み係数決定手段33C2は、エッジ方向推定量D33C1に基づき、重み係数D33Cを決定する。図9は、エッジ方向推定量D33C1に対する、重み係数D33Cの決め方の一例を表す図である。図9に示した例では、重み係数D33Cは、
Figure 0005247633
により算出している。ただし、Kαは図9における直線の傾き(従って(dH−dV)の増加に対するD33Cの変化の割合)を表す正の定数である。
以上が、加重比率決定手段33Cの動作である。
次に水平垂直加算手段33Aの動作について説明する。水平垂直加算手段33Aは水平方向中間画像D32Ah、垂直方向中間画像D32Avの加重加算を行い、その結果を中間画像D33Aとして出力する。なお、加重加算の割合として重み係数D33Cが利用される。すなわち、水平垂直加算手段33Aで行われる加重加算は
Figure 0005247633
と表される。
次に水平垂直加算手段33Bの動作について説明する。水平垂直加算手段33Bは水平方向中間画像D32Bh、垂直方向中間画像D32Bvの加重加算を行い、その結果を中間画像D33Bとして出力する。なお、加重加算の割合として重み係数D33Cが利用される。すなわち、水平垂直加算手段33Bで行われる加重加算は
Figure 0005247633
と表される。
次に加算手段33Dの動作について説明する。加算手段33Dは、中間画像D33Aと中間画像D33Bを加算する。そしてその結果が高周波数成分画像D3として加算手段34から出力される。なおここでの加算処理は、単純加算に限らず、中間画像D33Aと中間画像D33Bに個別の利得をかけてから加算する処理であっても良い。
以上が加算手段34の動作である。
最後に加算手段4の動作について説明する。加算手段4は、拡大画像D2Aと高周波数成分画像D3を加算する。そして加算手段4において拡大画像D2Aと高周波数成分画像D3を加算した結果得られた画像が、最終的な拡大画像Doutとして画像処理装置から出力される。なおここでの加算処理は、単純加算に限らず、各画像に個別の重みを付けて加算する処理であっても良い。
以下、本発明における画像処理装置の作用、効果について説明する。
本発明の実施の形態では、中間画像D33A及びD33Bを生成する際、水平方向中間画像D32Ahと垂直方向中間画像D32Avを単純に加算、あるいは水平方向中間画像D32Bhと垂直方向中間画像D32Bvを単純に加算しているわけではないが、以下、仮に単純に加算した場合に得られる効果について説明し、その後で、単純に加算する代わりに、加重加算することによる効果について説明する。
拡大画像D2Aは、入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより低い周波数に相当する周波数成分を含み、高周波数成分画像D3は入力画像Dinのナイキスト周波数Fn以上の周波数に相当する周波数成分を含む。従って、拡大画像D2Aと高周波数成分画像D3を加算して生成される拡大画像Doutは画像拡大後のナイキスト周波数に至る全ての周波数領域にわたって周波数成分を持つことになる。
まず、拡大画像D2Aが入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより低い周波数に相当する周波数成分を持つことについて説明する。
図10(a)〜(d)は入力画像Dinから拡大画像D2Aを生成する際の作用を模式的に表した図であり、図10(a)は入力画像Dinの周波数スペクトルを、図10(b)はゼロ挿入画像D21Aの周波数スペクトルを、図10(c)は低周波数成分通過手段22Aの周波数応答を、図10(d)は拡大画像D2Aの周波数スペクトルを表している。
入力画像Dinの周波数スペクトルについて説明する。入力画像Dinからは通常、自然画などが入力されるが、これらの画像のスペクトル強度は周波数空間の原点周辺に集中している。従って入力画像Dinの周波数スペクトルは図10(a)のように表すことが出来る。ここで図10(a)の縦軸はスペクトル強度を、横軸は空間周波数を、Fnは入力画像Dinのナイキスト周波数を表している。
なお、通常入力画像Dinは2次元の画像のため、その周波数スペクトルも2次元の周波数空間で表されるが、その形状は図10(a)に示した周波数スペクトルが原点を中心に等方的に広がったものとなる。従って周波数スペクトルについて説明するためには最低限、1次元分の形状を示せばよく、今後、特に断らない限り、周波数空間の形状は1次元分のみ示して説明を行う。
次にゼロ挿入画像D21Aの周波数スペクトルについて説明する。入力画像Dinに対してゼロ挿入手段21Aで(入力画像Dinの)1画素につき1画素、画素値0を持った画素を挿入することで周波数空間上では周波数Fnを中心にした折り返しが発生する。その結果、ゼロ挿入画像D21Aの周波数スペクトルは図10(b)のようになる。
次に低周波数成分通過手段22Aの周波数応答について説明する。先に述べたように低周波数成分通過手段22Aにおける演算はローパスフィルタとなっているので、図10(c)に示すように低周波数成分通過手段22Aの周波数応答は、周波数が高くなるほど低くなる。
図示の例では、低周波数成分通過手段22Aが主に第1の周波数Fa(=Fn)以下の周波数成分を通過させるものとしている。
最後に拡大画像D2Aの周波数スペクトルについて説明する。図10(b)に示した周波数スペクトルを持つゼロ挿入画像D21Aが図10(c)に示した周波数応答を持った低周波数成分通過手段22Aを通ることで拡大画像D2Aが生成される。従って拡大画像D2Aの周波数スペクトルはゼロ挿入画像D21Aの周波数スペクトルから、斜線で示した高周波数側の領域R2AHが除かれたものとなる。
従って、拡大画像D2Aは主に入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより低い周波数に相当する周波数成分を持つことになる。
次に高周波数成分画像D3が主に入力画像Dinのナイキスト周波数Fn以上の周波数に相当する周波数成分を持つことについて説明する。高周波数成分画像D3は中間画像D32Aと中間画像D32Bを加算して得られるが、中間画像D32Aは特に入力画像Dinのナイキスト周波数Fnに近い周波数に相当する周波数成分を持ち、中間画像D32Bは特に入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより高い周波数に相当する周波数成分を持ち、高周波数成分画像D3では中間画像D32A、D32Bがもつ周波数成分が加算されるので、入力画像Dinのナイキスト周波数Fn以上の周波数成分を持つことになる。
まず、中間画像D32Aの周波数スペクトルについて説明する。
図11(a)〜(f)は中間画像D32Aを生成する際の作用を模式的に表した図であり、図11(a)は高周波数成分画像生成手段1の周波数応答を、図11(b)は高周波数成分画像D1(又はD1h若しくはD1v)の周波数スペクトルを、図11(c)は画像拡大手段2B内のゼロ挿入手段21Bによって生成されるゼロ挿入画像D21B(又はD21Bh若しくはD21Bv)の周波数スペクトルを、図11(d)は拡大画像D2B(又はD2Bh若しくはD2Bv)の周波数スペクトルを、図11(e)は高周波数成分画像生成手段32A(又は32Ah若しくは32Av)の周波数応答を、図11(f)は高周波数成分画像生成手段32Aから出力される中間画像D32A(又はD32Ah若しくはD32Av)の周波数スペクトルを表している。
まず、高周波数成分画像生成手段1の周波数応答及び高周波数成分画像D1の周波数スペクトルについて説明する。高周波数成分画像生成手段1は入力画像Dinのうち、主に所定の周波数Fb以上の成分を通過させるハイパスフィルタを用いて高周波数成分画像D1を生成するので、図11(a)に示すように高周波数成分画像生成手段1の周波数応答は、周波数が高くなるほど高くなる。図10(a)に示した周波数スペクトルを持つ入力画像Dinが図11(a)に示す周波数応答をもつハイパスフィルタを通過することで高周波数成分画像D1が得られる。図示の例では、高周波数成分画像D1の周波数スペクトルは図11(b)に示すように周波数が低い領域(周波数Fbよりも低い領域)では小さくなり、周波数が高い領域(周波数Fb以上の領域)でのみある程度の強度をもつことになる。
次に画像拡大手段2B内のゼロ挿入画像D21Bの周波数スペクトルについて説明する。先に画像拡大手段2Aのゼロ挿入手段21Aについて説明したのと同様に、ゼロ挿入手段21Bによって折り返しが発生するので、画像拡大手段2B内のゼロ挿入画像D21Bの周波数スペクトルは図11(c)のようになる。
次に拡大画像D2Bの周波数スペクトルについて説明する。
拡大画像D2Bを生成する際、ゼロ挿入画像D21Bの高周波数成分側の周波数スペクトル(例えば所定の周波数Fcよりも高い領域の成分)が、低周波数成分通過手段22Bによって取り除かれるので、拡大画像D2Bの周波数スペクトルは図11(d)に示すように高周波数側の領域(周波数Fcよりも高い領域)R32AHが取り除かれたものとなる。
最後に高周波数成分画像生成手段32Aの周波数応答及び中間画像D32Aの周波数スペクトルについて説明する。高周波数成分画像生成手段32Aは主に所定の周波数Fd以上の成分を通過させるハイパスフィルタとなっているのでその周波数応答は図11(e)に示すように周波数が高くなるほど高くなる。中間画像D32Aは、図11(d)に示した周波数スペクトルをもつ拡大画像D2Bが、図11(e)に示した周波数応答をもつハイパスフィルタを通過することで生成される。従って中間画像D32Aの周波数応答は図11(f)に示すように、図11(d)に示した拡大画像D2Bの周波数スペクトルからさらに低周波数側の領域(周波数Fdよりも低い領域)R32ALが取り除かれたものとなる。
従って中間画像D32Aは主に入力画像Dinのナイキスト周波数Fnに近い周波数に相当する周波数成分 (周波数Fdから周波数Fcまでの周波数成分)を持つことになる。
次に中間画像D32Bの周波数スペクトルについて説明する。
図12(a)〜(c)は中間画像D32Bを生成する際の作用を模式的に表した図であり、図12(a)は非線形処理手段31(又は31h若しくは31v)により高周波数成分が生成される様子を、図12(b)は高周波数成分画像生成手段32Bの周波数応答を、図12(c)は中間画像D32Bの周波数スペクトルを表している。
後述するように、非線形処理画像D31には入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより高い周波数に相当する高周波数成分が生成される。図12(a)はその様子を模式的に表した図である。図示の例では、周波数Fe以上の成分が生成されている。中間画像D32Bは非線形処理画像D31が高周波数成分画像生成手段32Bを通過することで生成される。高周波数成分画像生成手段32Bは主に周波数Ff以上の成分を通過させるハイパスフィルタでありその周波数応答は図12(b)に示すように、周波数が高くなるほど高くなっている。従って中間画像D32Bの周波数スペクトルは図12(c)に示すように、非線形処理画像D31の周波数スペクトルから低周波数側の領域R32BLが取り除かれたものとなるので、入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより高い周波数に相当するものとなる。
図13(a)〜(e)、図14(a)〜(f)を用いて中間画像D32Bの周波数スペクトルについてより詳しく説明を行う。なお、説明を簡単にするため各々1次元信号として記載した。
図13(a)〜(e)は、輝度、彩度などの成分値がステップ状に変化する画像(ステップ画像)を表すステップエッジ信号と、該ステップエッジ信号を互いに異なるサンプリング周波数でサンプリングした際に得られる信号及びその高周波数成分信号の信号強度を表している。図13(a)はステップエッジ信号を表す。
図13(b)はステップエッジ信号をサンプリング間隔S1でサンプリングして得られる信号、図13(c)はステップエッジ信号を間隔S1でサンプリングして得られる信号の高周波数成分を表し、図13(d)はステップエッジ信号をサンプリング間隔S2でサンプリングして得られる信号、図13(e)はステップエッジ信号を間隔S1でサンプリングして得られる信号の高周波数成分を表す。
なお、サンプリング間隔S1はサンプリング間隔S2より短くなっており、サンプリング間隔を短くすることは画像を拡大することと同じである。
なお、図13を用いて説明する、ステップエッジ信号に対するサンプリング間隔S1、S2と高周波数成分の関係は特定のサンプリング間隔の組み合わせに依存する話ではないが、以下、サンプリング間隔S2は入力画像Dinのサンプリング間隔と同じであり、サンプリング間隔S1はサンプリング間隔S2の半分であるとする。
図13(b)、(c)及び図13(d)、(e)に示されるようにエッジの中央は高周波数成分信号(図13(c)、(e))においてゼロクロス点Zとして現れる。また、図13(b)、(c)と図13(d)、(e)を比較すると明らかなように、ゼロクロス点Zの前後での高周波数成分信号の傾きはサンプリング間隔を短くするにつれて(あるいは画像を拡大させるのに応じて)急になり、かつゼロクロス点Zの近傍で高周波数成分の局所的な最大値、最小値を与える点の位置もゼロクロス点Zに近づく。
従って画像を拡大する際、入力画像Dinの高周波数成分を取り出し、その変化をゼロクロス近傍で急峻にし、かつゼロクロス近傍で局所的な最大値、最小値を与える点をゼロクロス点に近づけることで入力画像Dinの解像度には含まれない(あるいは入力画像Dinのナイキスト周波数より高い)高周波数成分を生成し、これによりエッジの鮮鋭化が可能となる。
図14(a)〜(f)は、高周波数成分画像生成手段1、画像拡大手段2B、非線形処理手段31及び高周波数成分画像生成手段32Bによる高周波数成分生成の手順を模式的に表した図であり、図14(a)は輝度、彩度などの成分値がステップ状に変化する画像(ステップ画像)、図14(b)はステップ画像に対応した入力画像Din、図14(c)は高周波数成分画像D1、図14(d)は拡大画像D2B、図14(e)は非線形処理画像D31、図14(f)は中間画像D32Bを表す。
また、図14(a)〜(f)において座標P3はエッジ近傍において信号強度が低い値をとる領域(低レベル側)の境界に相当する画素であり、座標P4は高い値をとる領域(高レベル側)の境界に相当する画素である。
ステップ画像に対応した入力画像Din、高周波数成分画像D1については図13(a)〜(e)で説明した通りであり、その説明は省略し、まず拡大画像D2Bの説明を行う。
なお、高周波数成分画像D1においてゼロクロス点Z近傍での局所的な最大値は、高レベル側の境界に現われるので座標P4で表される画素に局所的な最大値が現われ、逆に局所的な最小値は、低レベル側の境界に現われるので座標P3で表される画素に局所的な最小値が現われる。
拡大画像D2B(又はD2Bh若しくはD2Bv)はゼロ挿入手段21Bで高周波数成分画像D1に対して(画像D1の)1画素につき1画素、画素値0をもった画素を挿入した後、低周波数成分通過手段22Bでその低周波数成分を取り出すことで得られる。低周波数成分を取り出すことは高周波数成分画像D1(図14(c))について局所領域における平均的な画素値を求めることと同じであり、拡大画像D2B(又はD2Bh若しくはD2Bv)は、図14(d)に示したように、高周波数成分画像D1とほぼ同じ形をした、サンプリング数の増えた信号となる。
なお、画像が拡大されるのでゼロクロス点Zと座標P3で表される画素の間に新たに座標P1で表される画素が、ゼロクロス点Zと座標P4で表される画素の間に新たに座標P2で表される画素が現われる。また、拡大画像D2Bにおいてもゼロクロス点Z近傍での局所的な最大値は座標P4で表される画素に、局所的な最小値は座標P3で表される画素に現われる。
次に非線形処理画像D31の説明を行う。非線形処理画像D31は、非線形処理手段31が拡大画像D1中のゼロクロス点Zを検出し、そのゼロクロス点Zの前後の画素の画素値を増幅した結果として出力される。従って非線形処理画像D31(又はD31h若しくはD31v)では、座標P1、P2で表される画素の画素値が増幅されることになり、非線形処理画像D31は図14(e)に示したような信号となる。
最後に中間画像D32Bの説明を行う。中間画像D32B(図14(f))は非線形処理画像D31(図14(e))のもつ高周波数成分が高周波数成分画像生成手段32Bにて取り出されたものである。高周波数成分は、入力信号から入力信号の低周波数成分(もしくは局所領域における画素値の単純平均値あるいは加重平均値)を差し引くことで取り出すことができる。
非線形処理画像D31(図14(e))ではゼロクロス点Zの前後の画素(座標P1、P2で表される画素)については、その画素値が信号増幅手段312h、312vにて増幅されているため、局所領域における平均的な画素値からの差は大きくなる。一方、ゼロクロス点近傍のその他の画素については、その画素値が増幅されることはないので、局所領域における平均的な画素値からの差は小さな値となる。従って拡大画像D2B(図14(d))と比較すると中間画像D32B(図14(f))では、ゼロクロス点Zの近傍での局所的な最大値、最小値を与える点はそれぞれ座標P2、P1で表される画素となり、よりゼロクロス点Zへと近づく。また、局所的な最大値、最小値を与える点がゼロクロス点Zへと近づいた分、ゼロクロス点近傍での信号の変化も急になる。
先に説明したようにこれは中間画像D32Bに、入力画像Dinの解像度には含まれない高周波数成分が含まれることを意味する。言い換えると非線形処理手段31において、拡大画像D2Bのゼロクロス点前後の画素値を増幅することで、入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより高い周波数に対応した高周波数成分を生成したことになる。
また、中間画像D32Bは非線形処理手段31において生成した高周波数成分を高周波数成分画像生成手段32Bで取り出すことで生成されるので、入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより高い周波数に対応した高周波数成分をもつ画像となる。
拡大画像D2A、中間画像D32A、中間画像D32Bが持つ周波数成分を図示すると図15のようになる。拡大画像D2Aには主に入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより低い周波数に相当する領域RLに対応した周波数成分が含まれている。一方、中間画像D32Aには入力画像Dinのナイキスト周波数Fnに近い周波数に相当する領域RMに対応した周波数成分が含まれており、中間画像D32Bには入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより高い周波数に相当する領域RHに対応した周波数成分が含まれている。
中間画像D32Aと中間画像D32Bを加算して高周波数成分画像D3を生成すれば、高周波数成分画像D3には、中間画像D32Aが持つ周波数成分と中間画像D32Bが持つ周波数成分の双方が含まれることになる。中間画像D32Aには入力画像Dinのナイキスト周波数Fnに近い周波数に相当する周波数成分が含まれており、中間画像D32Bには入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより高い周波数に相当する周波数成分が含まれているので、高周波数成分画像D3には入力画像Dinのナイキスト周波数Fn以上の周波数成分が含まれることになる。そして、拡大画像D2Aに高周波数成分画像D3を加算し出力画像Doutを得ることで、出力画像Doutに対して入力画像Dinのナイキスト周波数Fn以上の周波数成分を与えることが可能になり、出力画像Doutの解像感を増すことが出来る。
図16(a)〜(d)は上記の効果を別の観点から説明するための図である。図16(a)はステップエッジ信号を表している。図16(a)に示すエッジではエッジ中央より左側の方が右側より輝度が低くなっている。すなわち、エッジ中央より左側が低レベル側、右側が高レベル側になる。図16(b)はステップエッジ信号をサンプリング間隔S2でサンプリングして得られる入力画像Dinを表している。
図16(c)は図16(b)に示す入力画像Dinに対して得られる拡大画像D2Aを表している。拡大画像D2Aは、入力画像Dinに対して補間演算を行って得られるので、サンプリング間隔はS2の半分のS1になるが、エッジ近傍の信号の変化はなだらかなままであり、低レベル側の境界は座標P3で表される画素であり、高レベル側の境界は座標P4で表される画素のままである。
図16(d)はサンプリング間隔S1でステップエッジ信号をサンプリングした画像(図16(b)の画像と同じく符号Dinで示す)を表している。低レベル側の境界は座標P1で表される画素であり、高レベル側の境界は座標P2で表される画素であり、拡大画像D2Aと比較し、エッジ近傍での信号の変化が急になっている。
中間画像D32Aと中間画像D32Bを加算することで、拡大画像D2のエッジ近傍での信号の傾きが補正され、図16(d)に示すステップエッジ信号をサンプリング間隔S1でサンプリングした画像に近い画像が得られ、画像の解像感を高めることが出来る。
上記の説明の様に、中間画像D32A、D32B(あるいは高周波数成分)を拡大画像D2Aに加算することで画像の鮮鋭感を増し、画質を向上することが可能である。また、本発明の画像処理装置では、画像の水平方向、垂直方向のそれぞれについて、高周波数成分の加算処理を行っているので任意の方向のエッジについて鮮鋭感を増すことが可能である。すなわち、画像の水平方向については水平方向中間画像D32Ah、D33Bhによって、垂直方向については垂直方向中間画像D32Av、D32Bvによって鮮鋭感を増すことが可能である。
しかしながら、水平方向中間画像D32Ahと垂直方向中間画像D32Avあるいは水平方向中間画像D32Bhと垂直方向中間画像D32Bvを単純に加算してしまうと、入力画像に含まれるエッジの方向によって補正量が均一でなくなり、処理後の画像にアーティファクトが生じる。
図17(a)〜(k)〜図20は、上記アーティファクトが生じる原因と、加算手段2Cの効果を説明するための模式図である。図17(a)、図18(a)及び図19(a)に示すように、入力画像として
(イ)水平方向のエッジが含まれている場合(図17(a))、
(ロ)垂直方向のエッジが含まれている場合(図18(a))、
(ハ)斜め方向のエッジが含まれている場合(図19(a))、
を考える。それぞれの場合において、画素の信号を水平方向に左から右へという順に供給されたときの信号(水平方向高周波数成分画像生成手段1hで処理の対象となる信号)の強度を図17(b)、図18(b)、図19(b)に示し、画素の信号を垂直方向に上から下へという順に供給されたときの信号(垂直方向高周波数成分画像生成手段1vで処理の対象となる信号)の強度を図17(c)、図18(c)、図19(c)に示す。
それぞれの場合におけるエッジを水平成分及び垂直成分に分解して考えると、(イ)、(ロ)では水平成分及び垂直成分のどちらか一方のみの成分でステップエッジが構成されているのに対し、(ハ)では水平成分と垂直成分の両方でステップエッジが構成されている。
図17(d)、図18(d)、図19(d)は、図17(b)、図18(b)、図19(b)に示す入力画像に対して水平方向に処理された水平方向高周波数成分画像D1hの信号強度を表し、図17(e)、図18(e)、図19(e)は、図17(c)、図18(c)、図19(c)に示す入力画像に対して垂直方向に処理された垂直方向高周波数成分画像D1vの信号強度を表す。
エッジの近傍において、水平方向高周波数成分画像D1hの信号強度の絶対値は、(イ)、(ハ)では大きく、(ロ)ではゼロとなる。また、エッジの近傍において、垂直方向高周波数成分画像D1vの信号強度の絶対値は、(イ)ではゼロ、(ロ)、(ハ)では大きくなる。
図17(f)、図18(f)、図19(f)は、図17(d)、図18(d)、図19(d)に示す水平方向高周波数成分画像D1hに対して得られる拡大画像D2Bhの信号強度を表し、図17(g)、図18(g)、図19(g)は、図17(e)、図18(e)、図19(e)に示す垂直方向高周波数成分画像D1vに対して得られる拡大画像D2Bvの信号強度を表す。
エッジの近傍において、拡大画像D2Bhの信号強度の絶対値の特徴は、水平方向高周波数成分画像D1hと、拡大画像D2Bvの信号強度の絶対値の特徴は、垂直方向高周波数成分画像D1vとそれぞれ同様である。
図17(h)、図18(h)、図19(h)は、図17(f)、図18(f)、図19(f)に示す拡大画像D2Bhに対して得られる水平方向中間画像D32Ahの信号強度を表し、図17(i)、図18(i)、図19(i)は、図17(g)、図18(g)、図19(g)に示す拡大画像D2Bvに対して得られる垂直方向中間画像D32Avの信号強度を表す。
図17(f)、図18(g)、図19(f)、(g)に示すような形状の信号が入力信号の際、入力信号にハイパスフィルタをかけて得られる信号の形状は入力信号と略同一になる。また、図17(g)、図18(f)に示すように、入力信号の値がぼぼゼロで一定の場合、ハイパスフィルタの出力値もほぼゼロとなり、その形状は入力信号と略同一になる。
従ってエッジの近傍において、水平方向中間画像D32Ahの信号強度の絶対値の特徴は、水平方向高周波数成分画像D1hと、垂直方向中間画像D32Avの信号強度の絶対値の特徴は、垂直方向高周波数成分画像D1vとそれぞれ同様である。
図17(j)、図18(j)、図19(j)は、図17(f)、図18(f)、図19(f)に示す拡大画像D2Bhに対して得られる水平方向中間画像D32Bhの信号強度を表し、図17(k)、図18(k)、図19(k)は、図17(g)、図18(g)、図19(g)に示す拡大画像D2Bvに対して得られる垂直方向中間画像D32Bvの信号強度を表す。
図17(f)、図18(g)、図19(f)、(g)に示すような形状の信号が拡大画像D2Bとして入力された際に得られる中間画像D32Bについては図14(a)〜(f)で説明したごとくである。また、図17(g)、図18(f)に示すように、拡大画像D2Bの画素値がぼぼゼロで一定の場合、中間画像D32Bの画素値もほぼゼロとなる。結局、エッジの近傍において、水平方向中間画像D32Bhの信号強度の絶対値の特徴は、水平方向高周波数成分画像D1hと、垂直方向中間画像D32Bvの信号強度の絶対値の特徴は、垂直方向高周波数成分画像D1vとそれぞれ同様である。
以上の関係から、水平方向中間画像D32Ahと垂直方向中間画像D32Avを単純加算してしまうと、水平方向及び垂直方向のエッジに比べて、斜め方向のエッジに対する補正量が約2倍程度に大きくなってしまうことがわかる。また、水平方向中間画像D32Bhと垂直方向中間画像D32Bvを単純加算してしまうと、水平方向及び垂直方向のエッジに比べて、斜め方向のエッジに対する補正量が約2倍程度に大きくなってしまうことがわかる。その結果、エッジの方向によって補正強度が不均一になり、斜め方向のエッジでオーバーシュートが大きくなるなどの問題が生じる。
そこで、本発明では、水平方向中間画像D32Ahと垂直方向中間画像D32Avあるいは水平方向中間画像D32Bhと垂直方向中間画像D32Bvを単純加算とはせず、これらの画像に対して、エッジの方向に応じた重み係数を乗算してから加算する。先に述べたように、加算手段34では、加算比率決定手段33Cが備えるエッジ方向推定手段33C1において、拡大画像D2Bhと拡大画像D2Bvの絶対値の差分をエッジ方向推定量D33C1として計算している。図20に、エッジの方向ごとにこれらの関係をまとめた表を示す。図から明らかなようにエッジ方向推定量D33C1はエッジの方向に対応した量であり、水平方向のエッジの近傍では正の値で比較的大きな値となり、斜め方向のエッジの近傍では0に近い値となり、垂直方向のエッジの近傍では負の値であり、その絶対値は比較的大きな値をとる。
なお、エッジ方向推定手段33C1において、拡大画像D2Bhと拡大画像D2Bvの絶対値の差分からエッジの方向を推定することにより、エッジの方向を検出するための2次元フィルタなどの手段を別途設ける必要がないため、回路規模の増大を防ぐことができる。
重み係数決定手段33C2では、この差分に従って、図9あるいは式(2)に示した関係から、重み係数D33Cを決定し、式(3)に従って中間画像D33Aを計算している。
具体的には、上記の差分が大きな値であるほど(エッジの方向が水平である場合)重み係数D33Cを大きくしている。式(3)を見れば、この場合、中間画像D33Aの計算において、水平方向中間画像D32Ahの寄与が大きくなっていることがわかる。逆に差分の絶対値が大きな負の値であるほど(エッジの方向が垂直である場合)重み係数D33Cを小さくしている。この場合、中間画像D33Aの計算において、垂直方向中間画像D32Avの寄与が大きくなっていることがわかる。
さらに上記の差分が0に近づくほど(エッジの方向が斜めである場合)、重み係数D33Cはとりうる範囲の中間の値に近づくようにしている。この場合、中間画像D33Aの計算において、水平方向中間画像D32Ahの寄与はエッジの方向が水平であったときの略半分なるとともに垂直方向中間画像D32Avの寄与もエッジの方向が垂直であったときの略半分になっている。従って水平方向中間画像D32Ahと垂直方向中間画像D32Avを単純に加算した時のように斜め方向のエッジにおいて、高周波数成分を加算する強度が倍になるようなことがない。
また、同様の議論は中間画像D33Bの計算に対しても成り立つため、水平方向中間画像D32Bhと垂直方向中間画像D32Bvを単純に加算した時のように斜め方向のエッジにおいて、高周波数成分を加算する強度が倍になるようなことがない。図1に示す例では、中間画像D2Bの水平方向中間画像D32Bh、垂直方向中間画像D2Bvを加算する場合にも、加算比率決定手段33Cで決定した重み係数D33Cを用いている。
なお、重み係数決定手段33C2における重み係数D33Cの決め方は、上記の目的を果たすものであれば図9あるいは式(2)に示される関係に限らず、例えば、滑らかな曲線で定義される関係を用いてもよい。また、そのような曲線を折れ線で近似しても良い。一般化すれば、水平方向成分に対する重み係数D33Cをエッジ方向推定量D33C1に対して単調増加する特性により決定すれば良い。
さらに、エッジ方向推定手段33C1は、エッジ方向推定量D33C1として上記の差分を算出するものとしたが、エッジの方向に相関する量であれば、他の種々の関係式のいずれかにより算出される量を用いてもよい。その場合は、重み係数決定手段33C2も、エッジ方向推定量D33C1に応じて上記の目的を果たすように変更して実施する。
まとめると水平方向中間画像D32Ahと垂直方向中間画像D32Avをエッジの方向に応じて決定される重み係数に従って加重加算した中間画像D33Aを生成すればよく、水平方向中間画像D32Bhと垂直方向中間画像D32Bvをエッジの方向に応じて決定される重み係数D33Cに従って加重加算した中間画像D33Bを生成すればよい。
このようにして、実施の形態1による画像処理装置では、エッジの方向に依存したアーティファクトの発生を抑えつつ、解像感の高い出力画像Doutを得ることとしている。
図21、図22に実施の形態1の変形例を示す。図21に示した変形例では加算比率決定手段33Cが、水平方向中間画像D32Ah及び垂直方向中間画像D32Avを用いて重み係数D33Cを計算する。図22に示した変形例では加算比率決定手段33Cが、水平方向中間画像D32Bh及び垂直方向中間画像D32Bvを用いて重み係数D33Cを計算する。
図17(a)〜図19(k)によると、エッジの方向と拡大画像D2Bh、水平方向中間画像D32Ah、水平方向中間画像D32Bhの大小関係及びエッジの方向と拡大画像D2Bv、垂直方向中間画像D32Av、垂直方向中間画像D32Bvの大小関係は略同一である。従って加算比率決定手段33C内のエッジ方向推定手段33C1が、拡大画像D2Bh、D2Bvの代わりに水平方向中間画像D32Ah、垂直方向中間画像D32Avあるいは水平方向中間画像D32Bh、垂直方向中間画像D32Bvを用いてエッジ方向推定量D33C1を計算することも可能である。すなわち、水平方向中間画像D32Ahあるいは水平方向中間画像D32Bhの各画素の絶対値をdH、垂直方向中間画像D32Avあるいは垂直方向中間画像D32Bvの各画素値の絶対値をdVとし、その差dH−dVをエッジ方向推定量D33C1とすることができる。また、このとき、重み係数決定手段33C2の動作は特に変更しなくてもよい。
以上に説明したように、高周波数成分画像生成手段1で生成した高周波数成分画像D1を画像拡大手段2Bで拡大した画像拡大手段2Bを、高周波数成分画像処理手段3で処理することによって、入力画像Dinのナイキスト周波数Fn以上の周波数に相当する周波数成分を含んだ高周波数成分画像D3を得ることができる。そして、加算手段4において、入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより低い周波数に相当する領域の周波数成分を含む拡大画像D2Aと入力画像Dinのナイキスト周波数Fn以上の周波数に相当する領域の周波数成分を含む高周波数成分画像D3を加算して拡大画像Doutを生成することとしているので、拡大画像Doutに対して高周波数成分を十分に与えることができ、解像感のある拡大画像Doutを得ることができる。
また、高周波数成分画像生成手段1において、水平方向の高周波数成分を取り出した水平方向高周波数成分画像D1hと垂直方向の高周波数成分を取り出した垂直方向高周波数成分画像D1vを生成することで、画像の水平方向、垂直方向のうちの任意の方向について入力画像Dinのナイキスト周波数Fn以上の周波数に相当した周波数成分を生成することが可能となる。すなわち、水平方向高周波数成分画像D1hを画像拡大手段2Bhで拡大した拡大画像D2Bhに対し、水平方向高周波数成分画像生成手段32Ahで水平方向のハイパスフィルタをかけることで、水平方向に関して入力画像Dinのナイキスト周波数Fnに近い周波数に相当した周波数成分をもった中間画像D32Ahが生成され、垂直方向高周波数成分画像D1vを画像拡大手段2Bvで拡大した拡大画像D2Bvに対し、垂直方向高周波数成分画像生成手段32Avで垂直方向のハイパスフィルタをかけることで、垂直方向に関して入力画像Dinのナイキスト周波数Fnに近い周波数に相当した周波数成分をもった中間画像D32Avが生成される。
また、水平方向及び垂直方向について異なる特性のハイパスフィルタをかけることで、水平方向と垂直方向とで水平方向と垂直方向とでナイキスト周波数Fnに近い周波数に相当した周波数成分を異なる程度に含むようにすることもできる。
また、拡大画像D2Bhに対し水平方向非線形処理手段31hで非線形処理を行って生成した非線形処理画像D31hに対して、水平方向高周波数成分画像生成手段32Bhでハイパスフィルタをかけることで、水平方向に関して入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより高い周波数に相当した周波数成分をもった中間画像D32Bhが生成され、拡大画像D2Bvに対し垂直方向非線形処理手段31vで非線形処理を行って生成した非線形処理画像D31vに対して、垂直方向高周波数成分画像生成手段32Bvでハイパスフィルタをかけることで、垂直方向に関して入力画像Dinのナイキスト周波数Fnより高い周波数に相当した周波数成分をもった中間画像D32Bvが生成される。
また、水平方向及び垂直方向について異なる特性の非線形処理及びハイパスフィルタリングを行なうことで、水平方向と垂直方向とでナイキスト周波数Fnより高い周波数に相当した周波数成分を異なる程度に含むようにすることもできる。
そして水平方向中間画像D32Ahと垂直方向中間画像D32Avをエッジの方向に応じて加重加算した中間画像D33Aを生成することでエッジの方向に依存したアーティファクトの発生を抑えている。
また、水平方向中間画像D32Bhと垂直方向中間画像D32Bvをエッジの方向に応じて加重加算した中間画像D33Bを生成することでエッジの方向に依存したアーティファクトの発生を抑えている。
なお、入力画像Dinから拡大画像Doutを生成する場合の拡大率を水平方向、垂直方向とも2倍として説明を行ったが拡大率は2倍に限定されるものではない。すなわち、画像拡大手段2Aにおいて入力画像Dinを水平方向、垂直方向ともに所望の倍率に拡大した拡大画像D2Aを生成し、高周波数成分生成手段1において入力画像Dinをもとに高周波数成分画像D1を生成し、画像拡大手段2Bにおいて、高周波数成分画像D1を水平方向、垂直方向ともに所望の倍率(画像拡大手段2Aにおける拡大倍率と同じ倍率)に拡大した拡大画像D2Bを生成し、高周波数成分画像処理手段3において拡大画像D2Bをもとに高周波数成分画像D3を生成し、加算手段4において拡大画像D2Aと高周波数成分画像D3を加算し、最終的な拡大画像Doutを得ればよい。
さらに、先にも述べたように、水平方向の拡大率と垂直方向の拡大率とは同じでなくても良く、また水平方向、垂直方向の一方についてのみ拡大を行なっても良い。
また、上記の説明では水平方向、垂直方向ともゼロクロス点の前後1画素についてのみ増幅率を大きくするとしたが、増幅率の制御の例はこの限りではなく、例えば拡大率に応じて適宜変化させる(拡大率に応じた値に設定する)ことも出来る。
以下、拡大率が上記の例とは異なる場合について、図23(a)〜(e)及び図24(a)〜(f)を参照して説明する。
図23(a)にステップエッジ信号、図23(b)にステップエッジ信号をサンプリング間隔S1でサンプリングして得られる信号、図23(c)はステップエッジ信号をサンプリング間隔S1でサンプリングして得られる信号の高周波数成分を表し、図23(d)はステップエッジ信号を間隔S1の3倍の間隔S3でサンプリングして得られる信号、図23(e)はステップエッジ信号を間隔S3でサンプリングして得られる信号の高周波数成分を表す。なお、図23(a)〜(e)において画素の位置PL1、PR1はステップエッジ信号の境界(輝度の明暗が変化する地点)を表す。通常、ステップエッジ信号をサンプリングした画像の高周波数成分を表す信号において、ゼロクロス点Z近傍での局所的な最大値、最小値を与える画素の位置は、ステップエッジ信号の境界の位置とほぼ一致する。
図24(a)〜(f)は、拡大率が3倍の場合の、高周波数成分画像生成手段1、画像拡大手段2B、非線形処理手段31及び高周波数成分画像生成手段32Bによる高周波数成分生成の手順を模式的に表した図であり、図24(a)は輝度、彩度などの成分値がステップ状に変化する画像(ステップ画像)、図24(b)はステップ画像に対応した入力画像Din、図24(c)は高周波数成分画像D1、図24(d)は拡大画像D2B、図24(e)は非線形処理画像D31、図24(f)は中間画像D32Bを表す。なお、説明を簡単にするため各々1次元信号として記載した。
図24(d)に示すように、拡大画像D2Bにおいてゼロクロス点Z近傍での局所的な最大値、最小値を与える画素の位置PL1、PR1は、拡大画像D2Bにおいてもステップエッジ信号の境界の位置とほぼ一致する。通常、本実施の形態の説明で用いた拡大方法ではこのPL1、PR1の位置は変化せず、PL1、PR1で表す位置とゼロクロス点Zの間に存在する画素の数が多くなる。また、PL1、PR1で表す位置とゼロクロス点Zの間に存在する画素の数は拡大画像D2Bを生成する際の拡大率を大きくすれば(あるいはサンプリング間隔を短くすれば)多くなる。
一方、ステップエッジ信号を短いサンプリング間隔でサンプリングした画像の高周波数成分を表す信号では、ゼロクロス点Z近傍での局所的な最大値、最小値を与える画素の位置はよりゼロクロス点Zに近づき、ゼロクロス点にZより近い画素ほど高周波数成分を表す信号の振幅が大きくなる。
従って、ゼロクロス点Z前後の信号のみ増幅して非線形処理画像D31を生成する際に、PL1及びPR1よりゼロクロス点Zにより近い画素になるほど振幅が大きくなるよう処理してやることが好ましく、例えば位置PL1、PR1よりゼロクロス点Zに近い画素ではゼロクロス点Zにより近い画素ほど大きな増幅率で、PL1、PR1よりゼロクロス点Zから遠い画素については増幅率1で拡大画像D2Bの画素値を増幅することで、図24(e)に示すような、ゼロクロス点Zにより近い画素ほど大きな振幅をもった非線形処理画像D31を生成することができる。
そしてこのようにして生成した拡大画像D2Bからハイパスフィルタ処理によって高周波数成分のみを取り出すことで図24(f)に示すようなサンプリング間隔S1に対応した中間画像D32Bを生成できる。
以上をまとめると、位置PL1、PR1とゼロクロス点Zの間に存在する画素の数は拡大画像D2B生成時の拡大率によって異なるので、拡大画像D2Bから非線形処理画像D31を生成する際にゼロクロス点Z前後において増幅率を1より大きくする画素の数を画像の拡大率に応じて変えてもよい。また、これらの画素に対する増幅率も画素に応じて、例えば、ゼロクロス点Zからの距離に応じて変えてもよい。たとえば、ゼロクロス点Zに近い画素ほど増幅率を大きくしてもよい。
また、拡大画像D2Aに中間画像D33Bを加算するだけでも、ナイキスト周波数Fnより高い領域の高周波数成分を与えてやることが出来るので、画像の解像感を増すことは可能である。すなわち、高周波数成分画像処理手段3が高周波数成分画像生成手段32Aを含まず、非線形処理画像生成手段30を含み、加算手段34が水平垂直加算手段33A及び加算手段33Dを含まず、加算比率決定手段33C、水平垂直加算手段33Bを含む構成であっても良い。
この場合、水平垂直加算手段33Bの出力する中間画像D33Bが高周波数成分画像D3として出力される。
また、水平垂直加算手段33A、33Bの両方を備えることでその効果は最大となるが、一方のみを備える構成でもよい。例えば加算手段34において水平垂直加算手段33Aを備えない構成とする場合、加算手段33Dには水平方向中間画像D32Ah、垂直方向中間画像D32Av、中間画像D33Bが入力される。そして加算手段33Dでは水平方向中間画像D32Ah、垂直方向中間画像D32Av、中間画像D33Bが加算される。逆に水平垂直加算手段33Bを含まない構成も可能であり、その場合、加算手段33Dでは中間画像D33A、水平方向中間画像D32Bh、垂直方向中間画像D32Bvが加算される。
実施の形態2.
実施の形態1では、本発明をハードウエアにより実現するものとして説明したが、図1に示される構成の一部又は全部をソフトウエアにより、即ちプログラムされたコンピュータにより実現することも可能である。その場合の処理を図25、並びに図26〜図33を参照して説明する。
図25は、実施の形態2の画像処理装置を示す。図示の画像処理装置は、CPU11と、プログラムメモリ12と、データメモリ13と、これらを接続するバス14を有する。
CPU11は、プログラムメモリ12に記憶されたプログラムに従って動作する。動作の過程で種々のデータをデータメモリ13に記憶させる。処理の結果生成される拡大画像Doutは、インターフェース15を介して表示部9に供給され、表示部9による表示に用いられる。
以下、CPU11により行なわれる処理を図26〜図33を参照して説明する。
図26は、図25の画像処理装置で実施される画像処理方法のフローを表す図であり、図26に示される画像処理方法は、画像拡大ステップST2A、高周波数成分画像生成ステップST1、画像拡大ステップST2B、高周波数成分画像処理ステップST3、及び加算ステップST4を有する。
画像拡大ステップST2Aは図示しない画像入力ステップにて入力された入力画像Dinを、図1の画像拡大手段2Aと同様の処理で拡大した拡大画像D2Aを生成する。
高周波数成分画像生成ステップST1は、図27に示すように、水平方向高周波数成分画像生成ステップST1h、及び垂直方向高周波数成分画像生成ステップST1vを有する。水平方向高周波数成分画像生成ステップST1hでは入力画像Dinに対し、図1の水平方向高周波数成分画像生成手段1hと同様の処理を行い、水平方向高周波数成分画像D1hを生成する。一方、垂直方向高周波数成分画像生成ステップST1vでは入力画像Dinに対し、図1の垂直方向高周波数成分画像生成手段1vと同様の処理を行い、垂直方向高周波数成分画像D1vを生成する。
画像拡大ステップST2Bは、図28に示すように、画像拡大ステップST2Bh、及び画像拡大ステップST2Bvを有する。
画像拡大ステップST2Bhでは、水平方向高周波数成分画像生成ステップST1hで生成した水平方向高周波数成分画像D1hに対し、図1の画像拡大手段2Bhと同様の処理を行い、拡大画像D2Bhを生成する。
画像拡大ステップST2Bvでは、垂直方向高周波数成分画像生成ステップST1vで生成した垂直方向高周波数成分画像D1vに対し、図1の画像拡大手段2Bvと同様の処理を行い、拡大画像D2Bvを生成する。
次に高周波数成分画像処理ステップST3の動作を説明する。
高周波数成分画像処理ステップST3は、図29に示すように、高周波数成分画像生成ステップST32A、非線形処理画像生成ステップST30、高周波数成分画像補正ステップST33A、高周波数成分画像補正ステップST33B、及び加算ステップST34を有する。
高周波数成分通過ステップST32Aは、水平方向高周波数成分画像生成ステップST32Ah、垂直方向高周波数成分画像生成ステップST32Avを有する。
非線形処理画像生成ステップST30は、非線形処理ステップST31、高周波数成分画像生成ステップST32Bを有する。
非線形処理ステップST31は水平方向非線形処理ステップST31h、及び垂直方向非線形処理ステップST31vを有する。
高周波数成分画像生成ステップST32Bは、水平方向高周波数成分画像生成ステップST32Bh、垂直方向高周波数成分画像生成ステップST32Bvを有する。
加算ステップST34は加算比率決定ステップST33C、水平垂直加算ステップST33A、ST33B、及び加算ステップST33Dを有する。
水平方向高周波数成分通過ステップST32Ahでは、画像拡大ステップST2Bhで生成した拡大画像D2Bhに対し、図1の水平方向高周波数成分画像生成手段32Ahと同様の処理を行い、水平方向中間画像D32Ahを生成する。垂直方向高周波数成分通過ステップST32Avでは、画像拡大ステップST2Bvで生成した拡大画像D2Bvに対し、図1の垂直方向高周波数成分画像生成手段32Avと同様の処理を行い、垂直方向中間画像D32Avを生成する。
そして高周波数成分画像生成ステップST32Aでは水平方向中間画像D32Ahと垂直方向中間画像D32Avから成る中間画像D32Aが生成される。
このように、高周波数成分通過ステップST32Aでは、図1の高周波数成分画像生成手段32Aと同様の動作が行われる。
水平方向非線形処理ステップST31hは、図30に示すようにゼロクロス判定ステップST311hと信号増幅ステップST312hを有する。
水平方向非線形処理ステップST31hの動作は以下のごとくである。
まず、ゼロクロス判定ステップST311hで、画像拡大ステップST2Bhで生成した拡大画像D2Bhにおける画素値の変化を水平方向に沿って確認する。そして画素値が正の値から負の値あるいは負の値から正の値に変化する箇所をゼロクロス点として捉え、ゼロクロス点の左右に位置する画素を特定する。信号増幅ステップST312hでは、拡大画像D2Bhのうち、ゼロクロス判定ステップST311hで特定されたゼロクロス点の左右に位置する画素の画素値を増幅し、その結果得られる画像を非線形処理画像D31hとして生成する。
垂直方向非線形処理ステップST31vは、図31に示すようにゼロクロス判定ステップST311vと信号増幅ステップST312vを有する。
垂直方向非線形処理ステップST31vの動作は以下のごとくである。
まず、ゼロクロス判定ステップST311vで、画像拡大ステップST2Bvで生成した拡大画像D2Bvにおける画素値の変化を垂直方向に沿って確認する。そして画素値が正の値から負の値あるいは負の値から正の値に変化する箇所をゼロクロス点として捉え、ゼロクロス点の上下に位置する画素を特定する。信号増幅ステップST312vでは、拡大画像D2Bvのうち、ゼロクロス判定ステップST311vで特定されたゼロクロス点の上下に位置する画素の画素値を増幅し、その結果得られる画像を非線形処理画像D31vとして生成する。
そして高周波数成分画像生成ステップST31では垂直方向非線形処理画像D31vから成る非線形処理画像D31が生成される。
このように、非線形処理ステップST31では、図1の非線形処理手段31と同様の動作が行われる。
水平方向高周波数成分通過ステップST32Bhは、水平方向非線形処理ステップST31hで生成した水平方向非線形処理画像D31hにハイパスフィルタをかけ、水平方向中間画像D32Bhを生成する。垂直方向高周波数成分通過ステップST32Bvは、垂直方向非線形処理ステップST31vで生成した垂直方向非線形処理画像D31vにハイパスフィルタをかけ、垂直方向中間画像D32Bvを生成する。
そして高周波数成分画像生成ステップST32Bでは水平方向中間画像D32Bhと垂直方向中間画像D32Bvから成る中間画像D32Bが生成される。
このように、高周波数成分通過ステップST32Bでは、図1の高周波数成分画像生成手段32Bと同様の動作が行われる。
なお、水平方向非線形処理ステップST31hと水平方向高周波数成分画像生成ステップST32Bhで水平方向非線形処理画像生成ステップが構成され、垂直方向非線形処理ステップST31hと垂直方向高周波数成分画像生成ステップST32Bvで垂直方向非線形処理画像生成ステップが構成される。
次に、加算ステップST34の詳細な動作について説明する。
まず加算ステップST34の、加算比率決定ステップST33Cにおいて、重み係数D33Cを求める。ここで加算比率決定ステップST33Cは図32に示すようにエッジ方向推定ステップST33C1、重み決定ステップST33C2を含む。
エッジ方向推定ステップST33C1は拡大画像D2Bhの各画素の絶対値をdH、拡大画像D2Bvの各画素の絶対値をdVで表したとき、この二つの値の差分dH−dVをエッジ方向推定量D33C1として出力する。この動作は図8のエッジ方向推定手段33C1と同じである。
重み決定ステップDT33C2は式(2)に従って重み係数D33Cを計算する。この動作は図8の重み決定手段33C2と同じである。
次に水平垂直加算ステップST33Aにおいて水平方向中間画像D32Ahと垂直方向中間画像D32Avを加重加算した中間画像D33Aを求める。この動作の詳細は図1の水平垂直加算手段33Aと同様なのでその説明は省略する。
次に水平垂直加算ステップST33Bにおいて水平方向中間画像D32Bhと垂直方向中間画像D32Bvを加重加算した中間画像D33Bを求める。この動作の詳細は図1の水平垂直加算手段33Bと同様なのでその説明は省略する。
最後に加算ステップST33Dは中間画像D33Aと中間画像D33Bを加算した高周波数成分画像D3を生成する。この動作は図1の加算手段33Dと同様にすることができるので詳細な説明は省略する。
以上が加算ステップST34の動作であり、その動作は図1の加算手段34の動作と同等である。
加算ステップST4は、画像拡大ステップST2Aで生成した拡大画像D2Aと高周波数成分画像処理ステップST3で生成した高周波数成分画像D3を加算した画像Doutを生成する。そして生成された画像Doutが図示しないステップによって、最終的な拡大画像として出力される。
この動作は、図1の加算手段4と同じである。
以上が実施の形態2による画像処理方法の動作である。上記の説明から明らかなように実施の形態2による画像処理方法でも実施の形態1による画像処理装置と同様の処理で画像を拡大できるため、実施の形態1による画像処理装置と同様の効果が得られる。また、実施の形態2による画像処理方法にも、実施の形態1による画像処理装置と同様の変形を行うことができ、その場合に得られる効果も実施の形態1による画像処理装置と同様である。例えば、エッジ方向推定ステップST33C1において水平方向中間画像D32Ahの各画素の絶対値をdH、垂直方向中間画像D32Ahの各画素の絶対値をdVで表したとき、この二つの値の差分dH−dVをエッジ方向推定量D33C1として出力してもよい。
他にも、高周波数成分画像処理ステップST3において高周波数成分画像生成ステップST32A、水平垂直加算ステップST33A、加算ステップST33Dを除いた構成とすることも可能である。この場合、加算ステップST34からは、水平垂直加算ステップST33Bで生成される中間画像D33Bが高周波数成分画像D3として出力される。
上記の例以外にも実施の形態1に加えられる変形は実施の形態2による画像処理方法に加えることが出来る。その場合、実施の形態2による画像処理方法の各構成要素をどのように変形するかは実施の形態1との対比から明らかである。例えば拡大率に応じて非線形処理画像生成ステップST30の動作を定めることも可能である。
また、実施の形態2による画像処理装置は実施の形態1で説明した画像処理装置と同様画像表示装置の一部として用いることができるため、実施の形態2による画像処理装置で生成された画像Doutを表示する画像表示装置も、実施の形態1で説明した画像処理装置と同様の効果が得られる。さらに、実施の形態1及び実施の形態2の画像処理装置を用いて実施される画像処理方法、及びこれを用いた画像表示方法も同様の効果が得られる。
実施の形態3.
図33は本発明の実施の形態3による画像処理装置の構成を表す図である。実施の形態3による画像処理装置も実施の形態1による画像処理装置と同様、図2に示す画像表示装置の一部として利用可能である。また、実施の形態3による画像処理装置と実施の形態1による画像処理装置と比較した場合、加算手段34の構成、動作が異なる。従って以下の説明では加算手段34の構成、動作を中心に説明する。
図33の画像処理装置の加算手段34は加算比率計算手段33CA、33CB、水平垂直加算手段33A、水平垂直加算手段33B、及び加算手段33Cを備える。
図34及び図36は加算比率計算手段33CA、33CBの構成を示し、図35及び図37は加算比率計算手段33CA、33CBの動作を示す。
まず、図34及び図35を用いて加算比率決定手段33CAの構成及び動作について説明する。
図34は加算比率決定手段33CAの構成例を表す図であり、加算比率決定手段はエッジ方向推定手段33CA1、及び重み係数決定手段33CA2を備える。
エッジ方向推定手段33CA1は、水平方向中間画像D32Ahと垂直方向中間画像D32Avの二つの信号からエッジ方向(角度)に対応する量としてのエッジ方向推定量D33CA1を算出する。例えば、水平方向中間画像D32Ahの各画素値の絶対値をdH、垂直方向中間画像D32Avの各画素値の絶対値をdVとしたとき、これら二つの値の差分dH−dVを、エッジ方向推定量D33CA1として出力する。
重み係数決定手段33CA2は、エッジ方向推定量D33CA1に基づき、重み係数D33CAを決定する。図35は、エッジ方向推定量D33CA1に対する、重み係数D33CAの決め方の一例を表す図である。図35に示した例では、重み係数D33CAは、
Figure 0005247633
により算出している。ただし、Kβは図35における直線の傾き(従って(dH−dV)の増加に対するD33CAの変化の割合)を表す正の定数である。
以上が、加重比率決定手段33CAの動作である。
次に、図36及び図37を用いて加算比率決定手段33CBの構成及び動作について説明する。
図36は加算比率決定手段33CBの構成を表す図であり、加算比率決定手段はエッジ方向推定手段33CB1、及び重み係数決定手段33CB2を備える。
エッジ方向推定手段33CB1は、水平方向中間画像D32Bhと垂直方向中間画像D32Bvの二つの信号からエッジ方向(角度)に対応する量としてのエッジ方向推定量D33CB1を算出する。例えば、水平方向中間画像D32Bhの各画素値の絶対値をdH、垂直方向中間画像D32Bvの各画素値の絶対値をdVとしたとき、これら二つの値の差分dH−dVを、エッジ方向推定量D33CB1として出力する。
重み係数決定手段33CB2は、エッジ方向推定量D33CB1に基づき、重み係数D33CBを決定する。図37は、エッジ方向推定量D33CB1に対する、重み係数D33CBの決め方の一例を表す図である。図37に示した例では、重み係数D33CBは、
Figure 0005247633
により算出している。ただし、Kγは図35における直線の傾き(従って(dH−dV)の増加に対するD33CBの変化の割合)を表す正の定数である。
以上が、加重比率決定手段33CBの動作である。
次に水平垂直加算手段33Aの動作について説明する。水平垂直加算手段33Aは水平方向中間画像D32Ah、垂直方向中間画像D32Avの加重加算を行い、その結果を中間画像D33Aとして出力する。なお、加重加算の割合として重み係数D33CAが利用される。すなわち、水平垂直加算手段33Aで行われる加重加算は
Figure 0005247633
と表される。
次に水平垂直加算手段33Bの動作について説明する。水平垂直加算手段33Bは水平方向中間画像D32Bh、垂直方向中間画像D32Bvの加重加算を行い、その結果を中間画像D33Bとして出力する。なお、加重加算の割合として重み係数D33CBが利用される。すなわち、水平垂直加算手段33Bで行われる加重加算は
Figure 0005247633
と表される。
加算手段33Dの動作は実施の形態1と同様なので説明を省略する。
以上が実施の形態3による画像処理装置の動作である。
加算比率決定手段33CA、33CBの動作は実施の形態1において説明した変形例における加算比率決定手段33Cの動作と同じであるので、実施の形態3における加算手段34でも実施の形態1における加算手段34と同様の効果をもつことは明らかである。よって実施の形態3による画像処理装置でも実施の形態1による画像処理装置と同様の効果を得ることが出来る。
さらに、実施の形態1について説明した変形例の説明は実施の形態3にも当てはまる。
実施の形態4.
図38、図39及び図40は本発明の実施の形態4による画像処理方法の一部を表す図である。実施の形態4による画像処理方法は実施の形態2による画像処理方法とほぼ同様のフローに従って動作する。すなわち実施の形態4による画像処理方法は、図26、図27、図28及び図38、図39及び図40に従って動作する。ここで図26、図27、図28に示す動作は実施の形態2と同様なのでその説明は省略する。
図38を用いて実施の形態4による画像処理方法の、高周波数成分画像処理ステップST3の動作について説明する。高周波数成分画像処理ステップST3は、図38に示すように、高周波数成分画像生成ステップST32A、非線形処理画像生成ステップST30、及び加算ステップST34を有する。ここで高周波数成分通過ステップST32A、非線形処理画像生成ステップST30の動作は実施の形態2と同様なのでその説明は省略し、加算ステップST34の動作について説明する。
加算ステップST34は加算比率決定ステップST33CA、ST33CB、水平垂直加算ステップST33A、ST33B、及び加算ステップST33Dを有する。
まず加算ステップST34の加算比率決定ステップST33CAにおいて、重み係数D33CAを求める。ここで加算比率決定ステップST33CAは図39に示すようにエッジ方向推定ステップST33CA1、及び重み決定ステップST33CA2を含む。
エッジ方向推定ステップST33CA1は水平方向中間画像D32Ahの各画素の絶対値をdH、垂直方向中間画像D32Avの各画素の絶対値をdVで表したとき、この二つの値の差分dH−dVをエッジ方向推定量D33CA1として出力する。この動作は図34のエッジ方向推定手段33CA1と同じである。
重み決定ステップDT33CA2は式(5)に従って重み係数D33CAを計算する。この動作は図34の重み決定手段33CA2と同じである。
次に加算比率決定ステップST33CBにおいて、重み係数D33CBを求める。ここで加算比率決定ステップST33CBは図40に示すようにエッジ方向推定ステップST33CB1、及び重み決定ステップST33CB2を含む。
エッジ方向推定ステップST33CB1は水平方向中間画像D32Bhの各画素の絶対値をdH、垂直方向中間画像D32Bvの各画素の絶対値をdVで表したとき、この二つの値の差分dH−dVをエッジ方向推定量D33CB1として出力する。この動作は図36のエッジ方向推定手段33CB1と同じである。
重み決定ステップDT33CB2は式(6)に従って重み係数D33CBを計算する。この動作は図36の重み決定手段33CB2と同じである。
次に水平垂直加算ステップST33Aにおいて水平方向中間画像D32Ahと垂直方向中間画像D32Avを加重加算した中間画像D33Aを求める。この動作の詳細は図33の水平垂直加算手段33Aと同様なのでその説明は省略する。
次に水平垂直加算ステップST33Bにおいて水平方向中間画像D32Bhと垂直方向中間画像D32Bvを加重加算した中間画像D33Bを求める。この動作の詳細は図33の水平垂直加算手段33Bと同様なのでその説明は省略する。
最後に加算ステップST33Dは中間画像D33Aと中間画像D33Bを加算した高周波数成分画像D3を生成する。この動作は図33の加算手段33Dと同様にすることができるので詳細な説明は省略する。
以上が加算ステップST34の動作であり、その動作は図33の加算手段34の動作と同等である。
実施の形態4による画像処理方法の動作は実施の形態3による画像処理装置と同様であるので、実施の形態3による画像処理装置と同様の効果を得ることが出来る。
さらに、実施の形態2について説明した変形例の説明は実施の形態4にも当てはまる。
1 高周波数成分画像生成手段、 2A 画像拡大手段、 2B 画像拡大手段、 3 高周波数成分画像処理手段、 4 加算手段、 32A 高周波数成分画像生成手段、 30 非線形画像生成手段、 33A 高周波数成分画像補正手段、 33B 高周波数成分画像補正手段、 34 加算手段、 Din 入力画像、 D1 高周波数成分画像、 D2A 拡大画像、 D2B 拡大画像、 D33C 重み係数、 D32A 中間画像、 D32B 中間画像、 D33A 中間画像、 D33B 中間画像、 D3 高周波数成分画像、 Dout 出力画像。

Claims (23)

  1. 入力画像を拡大する画像処理装置において、
    前記入力画像を拡大し、第1の拡大画像を出力する第1の画像拡大手段と、
    前記入力画像の高周波数成分を取り出した第1の高周波数成分画像を生成する第1の高周波数成分画像生成手段と、
    前記第1の高周波数成分画像を拡大し、第2の拡大画像を出力する第2の画像拡大手段と、
    前記第2の拡大画像から第2の高周波数成分画像を生成する高周波数成分画像処理手段と、
    前記第1の拡大画像と前記第2の高周波数成分画像を加算する第1の加算手段を有する画像処理装置において、
    第1の高周波数成分画像生成手段は、
    前記入力画像の水平方向の高周波数成分を取り出した第1の水平方向高周波数成分画像を生成する第1の水平方向高周波数成分画像生成手段と、
    前記入力画像の垂直方向の高周波数成分を取り出した第1の垂直方向高周波数成分画像を生成する第1の垂直方向高周波数成分画像生成手段とを備え、
    前記第2の拡大画像は、
    前記第1の水平方向高周波数成分画像を拡大した第3の拡大画像と
    前記第1の垂直方向高周波数成分画像を拡大した第4の拡大画像から成り、
    前記高周波数成分画像処理手段は、
    前記第3の拡大画像の高周波数成分を取り出した第1の水平方向中間画像を生成する第2の水平方向高周波数成分画像生成手段と
    前記第4の拡大画像の高周波数成分を取り出した第1の垂直方向中間画像を生成する第2の垂直方向高周波数成分画像生成手段と、
    前記第3の拡大画像に非線形処理を行った第2の水平方向中間画像を生成する水平方向非線形処理画像生成手段と、
    前記第4の拡大画像に非線形処理を行った第2の垂直方向中間画像を生成する垂直方向非線形処理画像生成手段と、
    前記第1の水平方向中間画像と前記第1の垂直方向中間画像を加重加算した第3の中間画像を生成する第1の加重加算手段と、
    前記第2の水平方向中間画像と前記第2の垂直方向中間画像を加重加算した第4の中間画像を生成する第2の加重加算手段と、
    前記第3の中間画像と前記第4の中間画像を加算する第2の加算手段を含む
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 入力画像を拡大する画像処理装置において、
    前記入力画像を拡大し、第1の拡大画像を出力する第1の画像拡大手段と、
    前記入力画像の高周波数成分を取り出した第1の高周波数成分画像を生成する第1の高周波数成分画像生成手段と、
    前記第1の高周波数成分画像を拡大し、第2の拡大画像を出力する第2の画像拡大手段と、
    前記第2の拡大画像から第2の高周波数成分画像を生成する高周波数成分画像処理手段と、
    前記第1の拡大画像と前記第2の高周波数成分画像を加算する第1の加算手段を有する画像処理装置において、
    第1の高周波数成分画像生成手段は、
    前記入力画像の水平方向の高周波数成分を取り出した第1の水平方向高周波数成分画像を生成する第1の水平方向高周波数成分画像生成手段と、
    前記入力画像の垂直方向の高周波数成分を取り出した第1の垂直方向高周波数成分画像を生成する第1の垂直方向高周波数成分画像生成手段とを備え、
    前記第2の拡大画像は、
    前記第1の水平方向高周波数成分画像を拡大した第3の拡大画像と
    前記第1の垂直方向高周波数成分画像を拡大した第4の拡大画像から成り、
    前記高周波数成分画像処理手段は、
    前記第3の拡大画像に非線形処理を行った第2の水平方向中間画像を生成する水平方向非線形処理画像生成手段と、
    前記第4の拡大画像に非線形処理を行った第2の垂直方向中間画像を生成する垂直方向非線形処理画像生成手段と、
    前記第2の水平方向中間画像と前記第2の垂直方向中間画像を加重加算した第4の中間画像を生成する第2の加重加算手段を含む
    ことを特徴とする画像処理装置。
  3. 前記高周波数成分画像処理手段は、前記第1の拡大画像に含まれるエッジの角度に応じて重み係数を求める加算比率決定手段をさらに含み、
    前記第1の加重加算手段及び前記第2の加重加算手段の各々は、前記重み係数に基づいて前記加重加算を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記高周波数成分画像処理手段は、前記第1の拡大画像に含まれるエッジの角度に応じて重み係数を求める加算比率決定手段をさらに含み、
    前記第2の加重加算手段は前記重み係数に基づいて前記加重加算を行う
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  5. 前記加算比率決定手段は、
    前記第3の拡大画像と前記第4の拡大画像から前記第1の拡大画像に含まれるエッジの角度を求めることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像処理装置。
  6. 前記加算比率決定手段は、
    前記第1の水平方向中間画像と前記第1の垂直方向中間画像から前記第1の拡大画像に含まれるエッジの角度を求めることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  7. 前記加算比率決定手段は、
    前記第2の水平方向中間画像と前記第2の垂直方向中間画像から前記第1の拡大画像に含まれるエッジの角度を求めることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  8. 前記水平方向非線形処理画像生成手段は、
    前記第3の拡大画像に対して非線形処理を行った第1の非線形処理画像を生成する水平方向非線形処理手段を含み、
    前記第1の非線形処理画像から高周波数成分を取り出し、前記第2の水平方向中間画像とする
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像処理装置。
  9. 前記水平方向非線形処理手段において、前記第3の拡大画像の画素値を画素に応じて変化する増幅率で増幅することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 前記水平方向非線形処理手段は、
    前記第3の拡大画像の画素値が正から負もしくは負から正へと変化する箇所をゼロクロス点として判定する水平方向ゼロクロス判定手段と、
    前記水平方向ゼロクロス判定手段の判定結果に応じて決められる増幅率で前記第3の拡大画像の画素値を増幅する水平方向信号増幅手段を有する
    ことを特徴とする請求項8又は9に記載の画像処理装置。
  11. 前記水平方向信号増幅手段は、
    前記水平方向ゼロクロス判定手段で判定されたゼロクロス点を含む第1の領域内に存在する画素の画素値に対する増幅率を1より大きな値とし、それ以外の画素の画素値に対する増幅率を1とする
    ことを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
  12. 前記第1の領域は前記第2の画像拡大手段における拡大率に応じて定められることを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
  13. 前記第1の領域に存在する画素に対する増幅率は画素に応じて定められることを特徴とする請求項11又は12に記載の画像処理装置。
  14. 前記垂直方向非線形処理画像生成手段は、
    前記第4の拡大画像に対して非線形処理を行った第2の非線形処理画像を生成する垂直方向非線形処理手段を含み、
    前記第2の非線形処理画像から高周波数成分を取り出し、前記第2の垂直方向中間画像とする
    ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の画像処理装置。
  15. 前記垂直方向非線形処理手段において、前記第4の拡大画像の画素値を画素に応じて変化する増幅率で増幅することを特徴とする請求項14に記載の画像処理装置。
  16. 前記垂直方向非線形処理手段は、
    前記第4の拡大画像の画素値が正から負もしくは負から正へと変化する箇所をゼロクロス点として判定する垂直方向ゼロクロス判定手段と、
    前記垂直方向ゼロクロス判定手段の判定結果に応じて決められる増幅率で前記第4の拡大画像の画素値を増幅する垂直方向信号増幅手段を有する
    ことを特徴とする請求項14又は15に記載の画像処理装置。
  17. 前記垂直方向信号増幅手段は、
    前記垂直方向ゼロクロス判定手段で判定されたゼロクロス点を含む第2の領域内に存在する画素の画素値に対する増幅率を1より大きな値とし、それ以外の画素の画素値に対する増幅率を1とする
    ことを特徴とする請求項16に記載の画像処理装置。
  18. 前記第2の領域は前記第2の画像拡大手段における拡大率に応じて定められることを特徴とする請求項17に記載の画像処理装置。
  19. 前記第2の領域に存在する画素に対する増幅率は画素に応じて定められることを特徴とする請求項17又は18に記載の画像処理装置。
  20. 請求項1乃至19のいずれかに記載の画像処理装置を備える画像表示装置。
  21. 入力画像を拡大する画像処理方法において、
    前記入力画像を拡大し、第1の拡大画像を出力する第1の画像拡大ステップと、
    前記入力画像の高周波数成分を取り出した第1の高周波数成分画像を生成する第1の高周波数成分画像生成ステップと、
    前記第1の高周波数成分画像を拡大し、第2の拡大画像を出力する第2の画像拡大ステップと、
    前記第2の拡大画像から第2の高周波数成分画像を生成する高周波数成分画像処理ステップと、
    前記第1の拡大画像と前記第2の高周波数成分画像を加算する第1の加算ステップを有する画像処理方法において、
    第1の高周波数成分画像生成ステップは、
    前記入力画像の水平方向の高周波数成分を取り出した第1の水平方向高周波数成分画像を生成する第1の水平方向高周波数成分画像生成ステップと、
    前記入力画像の垂直方向の高周波数成分を取り出した第1の垂直方向高周波数成分画像を生成する第1の垂直方向高周波数成分画像生成ステップとを備え、
    前記第2の拡大画像は、
    前記第1の水平方向高周波数成分画像を拡大した第3の拡大画像と
    前記第1の垂直方向高周波数成分画像を拡大した第4の拡大画像から成り、
    前記高周波数成分画像処理ステップは、
    前記第3の拡大画像の高周波数成分を取り出した第1の水平方向中間画像を生成する第2の水平方向高周波数成分画像生成ステップと、
    前記第4の拡大画像の高周波数成分を取り出した第1の垂直方向中間画像を生成する第2の垂直方向高周波数成分画像生成ステップと、
    前記第3の拡大画像に非線形処理を行った第2の水平方向中間画像を生成する水平方向非線形処理画像生成ステップと、
    前記第4の拡大画像に非線形処理を行った第2の垂直方向中間画像を生成する垂直方向非線形処理画像生成ステップと、
    前記第1の水平方向中間画像と前記第1の垂直方向中間画像を加重加算した第3の中間画像を生成する第1の加重加算ステップと、
    前記第2の水平方向中間画像と前記第2の垂直方向中間画像を加重加算した第4の中間画像を生成する第2の加重加算ステップと、
    前記第3の中間画像と前記第4の中間画像を加算する第2の加算ステップを含む
    ことを特徴とする画像処理方法。
  22. 入力画像を拡大する画像処理方法において、
    前記入力画像を拡大し、第1の拡大画像を出力する第1の画像拡大ステップと、
    前記入力画像の高周波数成分を取り出した第1の高周波数成分画像を生成する第1の高周波数成分画像生成ステップと、
    前記第1の高周波数成分画像を拡大し、第2の拡大画像を出力する第2の画像拡大ステップと、
    前記第2の拡大画像から第2の高周波数成分画像を生成する高周波数成分画像処理ステップと、
    前記第1の拡大画像と前記第2の高周波数成分画像を加算する第1の加算ステップを有する画像処理方法において、
    第1の高周波数成分画像生成ステップは、
    前記入力画像の水平方向の高周波数成分を取り出した第1の水平方向高周波数成分画像を生成する第1の水平方向高周波数成分画像生成ステップと、
    前記入力画像の垂直方向の高周波数成分を取り出した第1の垂直方向高周波数成分画像を生成する第1の垂直方向高周波数成分画像生成ステップ手段とを備え、
    前記第2の拡大画像は、
    前記第1の水平方向高周波数成分画像を拡大した第3の拡大画像と、
    前記第1の垂直方向高周波数成分画像を拡大した第4の拡大画像から成り、
    前記高周波数成分画像処理ステップは、
    前記第3の拡大画像に非線形処理を行った第2の水平方向中間画像を生成する水平方向非線形処理画像生成手段と、
    前記第4の拡大画像に非線形処理を行った第2の垂直方向中間画像を生成する垂直方向非線形処理画像生成ステップと、
    前記第2の水平方向中間画像と前記第2の垂直方向中間画像を加重加算した第4の中間画像を生成する第2の加重加算ステップを含む
    ことを特徴とする画像処理方法。
  23. 請求項21又は22に記載の画像処理方法で生成された画像を表示することを特徴とする画像表示装置。
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