JP2004172815A - 映像信号処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】輪郭強調が強いとオーバーシュート、アンダーシュートが大きくなり信号変化の境界部に縁取りが出来てしまい、画質が劣化する。
【解決手段】入力映像信号Aの注目画素と前記注目画素の前および後の少なくとも2つの前後画素と前記前後画素より更に前後の二次微分生成用画素の信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された複数画素の信号に基づいて二次微分信号を出力する二次微分信号生成手段と、前記二次微分信号を前記注目画素の映像信号に加算する加算手段25と、前記加算手段25からの出力信号及び前記前後画素の信号の少なくとも3つの信号から選択を行うメディアンフィルタ処理部とを備えたことを特徴とする映像信号処理装置。
【選択図】 図1
【解決手段】入力映像信号Aの注目画素と前記注目画素の前および後の少なくとも2つの前後画素と前記前後画素より更に前後の二次微分生成用画素の信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された複数画素の信号に基づいて二次微分信号を出力する二次微分信号生成手段と、前記二次微分信号を前記注目画素の映像信号に加算する加算手段25と、前記加算手段25からの出力信号及び前記前後画素の信号の少なくとも3つの信号から選択を行うメディアンフィルタ処理部とを備えたことを特徴とする映像信号処理装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーテレビジョン受像機やモニタ、ビデオプロジェクタなどにおける映像信号の輪郭部分を補正する映像信号処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラーテレビジョン信号の伝送系においては、伝送の帯域が制限されているために受像機で再現される画像の鮮鋭度は低下してしまう。例えば、NTSC方式においては、輝度信号の帯域は0〜4.2MHzに制限されている。このため理想的な撮像管で撮影した場合であっても、輝度信号の白黒変化時の信号は、受像機では信号の立ち上がりや立ち下がりの傾斜がある値以上鋭くならず、画面上では輪郭部分がややぼけて見える。
【0003】
更に近年、表示用デバイスとして従来主流であったCRT以外に、LCDやPDPといった新表示デバイスの進歩がめざましく、これらのデバイスを使用した画像表示装置も市場に出ている。中でも液晶(LCD)表示装置に代表されるマトリクス型の画像表示装置は、薄型、軽量、低消費電力の特徴を生かし、パーソナルコンピュータの表示装置やTV表示装置、更には投射型の表示装置としてなど各種分野で利用されている。
【0004】
これらのマトリクス型の画像表示装置は、表示デバイスで表示可能な画素数が固定であるため、各種の映像信号のフォーマットを表示デバイスで表示可能な画素数に変換する手段が必要となってくる。そこで最近では「スケーラ」と呼ばれる(他に「ピクセルコンバータ」や「解像度変換LSI」等いろいろな呼び名がある)LSIを用いてスケーリング(ピクセルコンバートとも呼ばれる)と呼ばれる解像度変換を行うのが一般的である。このスケーリングで画素数を増やす場合などでも、画像のぼけが発生することがある。
【0005】
このような画像のぼけを改善し、或いは更なる鮮鋭度を得るために、近年、映像信号処理装置においては、遅延線やメモリを使用して2次微分信号をつくり、原信号に加えることにより輪郭補正が行われている(例えば特許文献1参照。)。
【0006】
以下、図7、図8を用いて従来の映像信号処理装置の一例について説明する。
【0007】
図7は従来の映像信号処理装置の輪郭補正の信号処理のためのブロック図である。
【0008】
図7に於いて、11、14は遅延回路、20、21、22は乗算器、23は加算器、24は乗算器、25は加算器である。また、A,B,Cは各箇所の信号である。図8はこれらの信号波形例である。
【0009】
従来の映像信号処理装置の機能部分である輪郭補正手段60に入力された映像信号は、乗算器20と第1の遅延回路11とに入力される。第1の遅延回路11では1画素分遅延した信号を出力し、その出力はは乗算器21と第2の遅延回路14と加算器25に入力される。第2の遅延回路14に入力された信号は、さらに1画素分遅延された信号となり出力され、乗算器22に入力される。
【0010】
乗算器20、乗算器21、乗算器22にて信号はそれぞれ1/2倍、1倍、1/2倍される。そして、乗算器20、乗算器22からの信号の符号は反転され、乗算器21からの信号ははそのままにして、加算器23に入力される。加算器23ではこれらの信号を加算した結果の信号を出力する。さらに、乗算器24により加算器23の出力信号を増幅し、信号Bを得る。
【0011】
つまり、信号Bの値はある点の画像データ値から前後の画像データの平均値を引いた値、即ちその点の二次微分の値を乗算器24でゲインを調節したものとなる。
【0012】
例えば図8(a)に示すような入力信号Aが輪郭補正手段60に入力された場合、上述したように信号処理された信号Bの波形は、図8(a)に示すようになる。
【0013】
この信号Bが輪郭強調信号である。加算器25によって、輪郭強調信号Bに遅延回路11から出力される信号が加算されることにより、輪郭強調された映像信号Cが生成される。図8(a)のCで示した信号が、輪郭強調された信号であり、入力の信号Aに対して輪郭の立ち上がりが強調され、オーバーシュート、アンダーシュートがついて、輪郭が強調されている。
【0014】
しかし、オーバーシュート、アンダーシュートが大きいと信号変化の境界部に縁取りが出来てしまい、画質が劣化するという問題を生じる。
【0015】
更に図8(a)に示すようななだらかな輪郭の入力信号の場合、輪郭補正の効果が小さいという問題がある。これを改善するには、例えば遅延回路11、14の遅延量を増やせばよいが、そうするとオーバーシュート、アンダーシュートの幅も太くなってしまい、更に画質が劣化する。
【0016】
オーバーシュートを改善する手段としては、例えば注目画素が閾値を超えるかを判別し超えた場合は二次微分信号を抑制するというものが知られている(例えば特許文献2参照)。しかし、この構成は多少複雑で効果も不十分である。
【0017】
また、従来の構成では、例えば輪郭強調をする映像信号処理装置の前段でスケーリングが行われる構成であった場合、画素が増やされた時には図8(b)のAのような入力信号となってしまい、輪郭強調後の信号が図8(b)のCに示すように余分な強調をされてしまう場合がある。特に斜め方向に走る輪郭の場合、階段状の不自然な輪郭となる。
【0018】
斜めの輪郭補正を改善する手段としては、注目画素の前後の輝度値の変化の方向を判定し、その変化を強調する輪郭補正演算を行うものが知られており(例えば特許文献3参照)、前記のようなスケーリングで画素が増やされた場合についてもある程度改善効果がある。しかしこの構成は、処理のアルゴリズムが複雑で回路規模も大きくなってしまう。
【0019】
また、オーバーシュート、アンダーシュートは大きすぎると前述のように画質を劣化させてしまうが、適度な細いシュートは画像の鮮鋭感を得るのに有効である。
【0020】
細いシュートを得る方法としては、エッジが検出された時のみ入力信号に対する輪郭強調信号の加算を行うものが知られている(例えば特許文献4参照)。しかしこの構成もエッジ検出のための回路規模が大きく、輪郭強調部の何倍もの回路素子が必要となってしまう。
【0021】
【特許文献1】
特開2000−244775号公報(第2頁、第5図)
【特許文献2】
特開2000−244775号公報(第3−5頁、第1図)
【特許文献3】
特開平11−98362号公報(第3−7頁、第1−第8図)
【特許文献4】
特開平5−316393号公報(第4−6頁、第1図)
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来の映像信号処理装置では、輪郭強調された信号は輪郭の立ち上がりが強調されるが、オーバーシュート、アンダーシュートがついて、強調が強いとオーバーシュート、アンダーシュートが大きくなり信号変化の境界部に縁取りが出来てしまい、画質が劣化する。更になだらかな輪郭の入力信号の場合、輪郭補正の効果が小さい、という問題がある。
【0023】
更に、スケーリングと組み合わされたときに、余分な輪郭強調がされ、画質が劣化する、という問題がある。
【0024】
また、逆に画像の鮮鋭感を得るために適度な細いシュートを簡単な構成で得ることが出来ないという問題を有している。
【0025】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、比較的簡単な構成で極端なオーバーシュート、アンダーシュートを抑え、かつ、なだらかな輪郭の入力信号でも十分な輪郭補正の効果が得られ、良好な映像信号を生成する映像信号処理装置を提供することを目的とする。
【0026】
また更に本発明は、比較的簡単な構成で、スケーリングと組み合わされたときの余分な輪郭強調を抑制することが出来る映像信号処理装置を提供することを目的とする。
【0027】
また更に本発明は、比較的簡単な構成で、適度な細いシュートを付与し、画像に良好な鮮鋭感を与えられる映像信号処理装置を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するために本発明は、入力映像信号の注目画素近傍の複数の画像信号を入力とし、注目画素と前記注目画素の前および後の少なくとも2つの前後画素と前記前後画素より更に前後の二次微分生成用画素の信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された複数画素の信号に基づいて二次微分し、二次微分信号を出力する二次微分信号生成手段と、前記二次微分信号を前記注目画素の映像信号に加算する加算手段と、前記加算手段からの出力信号及び前記前後画素の信号の少なくとも3つの信号から選択を行うメディアンフィルタ処理部とを備えた映像信号処理装置である。
【0029】
また本発明は、入力信号に対し、通過する周波数帯域を制限する帯域制限フィルタを備え、前記帯域制限フィルタの出力の注目画素近傍の複数の画像信号を入力とし、注目画素と前記注目画素の前および後の少なくとも2つの前後画素と前記前後画素より更に前後の二次微分生成用画素の信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された複数画素の信号に基づいて二次微分し、二次微分信号を出力する二次微分信号生成手段と、前記二次微分信号を前記注目画素の映像信号に加算する加算手段と、前記加算手段からの出力信号及び前記前後画素の信号の少なくとも3つの信号から選択を行うメディアンフィルタ処理部とを備えた映像信号処理装置である。
【0030】
本発明は、入力映像信号の注目画素近傍の複数の画像信号を入力とし、注目画素と前記注目画素の前および後の少なくとも2つの前後画素と前記前後画素より更に前後の二次微分生成用画素の信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された複数画素の信号に基づいて二次微分し、二次微分信号を出力する二次微分信号生成手段と、前記二次微分信号を前記注目画素の映像信号に加算する加算手段と、前記加算手段からの出力信号及び前記前後画素の信号の少なくとも3つの信号から選択を行うメディアンフィルタ処理部と、前記メディアンフィルタ処理部からの出力信号について、新たな注目画素とさらにその前後画素の信号とから更に二次微分信号を生成し前記新たな注目画素に加算して輪郭強調を行うシャープネス処理部とを備えた映像信号処理装置である。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図6を用いて説明する。
【0032】
なお、従来の構成と同様の働きをするブロックについては従来例と同じ番号を付与している。
【0033】
また、以下の説明に於いて、映像信号処理をデジタルで行う前提で説明を進めているが、このことは特に本願発明の内容を制限するものではなく、画像処理としてアナログ信号を介する処理が付加された場合でも本願発明は有効である。
【0034】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態例である映像信号処理装置のブロック図を示し、図1に於いて、11、12、13、14は遅延回路、20、21、22は乗算器、23は加算器、24は乗算器、25は加算器である。30は入力の中間値を出力するメディアンフィルタ処理を行うメディアン処理部である。また、A、B、C、Dは各箇所の信号である。また、図2はこれら信号A、信号B、信号C、信号Dの信号波形例である。
【0035】
以下、図1、図2を用いてその動作を説明する。図1に於いて、本発明の映像信号処理装置の機能部分の輪郭補正部50に入力された映像信号は、乗算器20と第1の遅延回路11とに入力される。第1の遅延回路11では1画素分遅延した信号を出力し、その出力は第2の遅延回路12とメディアン処理部30に入力される。第2の遅延回路12ではさらに1画素分遅延した信号を出力し、その出力は乗算器21と第3の遅延回路13と加算器25に入力される。第3の遅延回路13に入力された信号は、さらに1画素分遅延された信号となり第4の遅延回路14とメディアン処理部30に入力される。第4の遅延回路14に入力された信号は、さらに1画素分遅延された信号となり出力され、乗算器22に入力される。
【0036】
乗算器20、乗算器21、乗算器22にて信号はそれぞれ1/2倍、1倍、1/2倍される。そして、乗算器20、乗算器22からの信号の符号は反転され、乗算器21からの信号はそのままにして、加算器23に入力される。加算器23ではこれらの信号を加算した結果の信号を出力する。さらに、乗算器24により加算器23の出力信号を増幅し、信号Bを得る。
【0037】
つまり、信号Bの値はある点の画像データ値、つまりこの場合は、遅延回路12の出力で、注目画素、から前後2画素ずつ離れた画像データの平均値を引いた値、即ちその点の二次微分の値を乗算器24でゲインを調節したものとなる。
【0038】
例えば図2に示すような入力信号Aが入力された場合、この信号Bの波形は図2に示すようになる。
【0039】
加算器25によって、信号Bに遅延回路12から出力される信号が加算されることにより、輪郭強調された映像信号Cが生成される。図2のCで示した信号が、輪郭強調された信号であり、入力の信号Aに対して輪郭の立ち上がりが強調され、オーバーシュート、アンダーシュートがついて、輪郭が強調されている。信号Cはメディアン処理部30に入力される。
【0040】
メディアン処理部30に入力された3つの信号はメディアン処理部30によりその中間値が選択され信号Dとして出力される。
【0041】
信号Dは、輪郭が強調された信号とその前後の画素の信号の中間値であるため、前後画素信号の最大以下且つ最小以上となり、結果として、オーバーシュート、アンダーシュートが無く、信号変化の傾斜は強調された信号となっている。
【0042】
更に乗算器24でゲインを上げれば図2の信号D(補正ゲインを上げた場合)に示すように信号変化の傾斜を大きくすることが出きる。
【0043】
また、これらの構成により、従来とは異なり、図2に示すようになだらかな輪郭の入力信号に対しても十分な輪郭補正をする事が出来る。
【0044】
尚、遅延回路11〜遅延回路14は前記例では信号を1画素分遅延させるものとなっているが、遅延量は特に1画素に制限されるものではなく、例えば第1の遅延回路11、第4の遅延回路14の遅延量を大きくすれば更に緩やかな傾斜に対しても強調効果が出るようになる。
【0045】
このように入力映像信号の注目画素近傍の複数の画像信号を入力とし、注目画素と前記注目画素の前後の少なくとも2つの前後画素と前記前後画素より更に前後の二次微分生成用画素の信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された複数画素の信号に基づいて二次微分し、二次微分信号を出力する二次微分信号生成手段と、前記二次微分信号を前記注目画素の映像信号に加算する加算手段と、前記加算手段からの出力信号及び前記前後画素の信号の少なくとも3つの信号から選択を行うメディアンフィルタ処理部とを備えることにより、比較的簡単な構成で極端なオーバーシュート、アンダーシュートを抑え、かつ、なだらかな輪郭の入力信号でも十分な輪郭補正の効果が得られ、良好な映像信号を生成することが出来る映像信号処理装置が得られる。
【0046】
(実施の形態2)
図3は本願第2の発明の映像信号処理装置のブロック図を示し、図3(a)に於いて40は画素の数を変換するスケーラ、41は信号の帯域を制限するフィルタ、50は本願第1の発明の映像信号処理装置と構成、機能が同等の輪郭補正部であり、図3(a)のブロック図を輪郭補正部50の内部を詳細に示したものが図4である。図4に於いてF,G,A,B,C,Dは各箇所の信号である。図5はこれらの信号のうち信号F,信号G,信号A,信号C,信号Dの波形例である。
【0047】
以下、図4、図5を用いてその動作を説明する。図4に於いて、入力された信号Fはスケーラに入力され画素数を変換された後信号Gとして出力され、例えば図5の信号F,信号Gに示すような入出力となる。スケーラ40からの出力はフィルタ41に入力され帯域制限されて出力Aとなる。フィルタ41は例えばLPFやBRFで、信号Gをなだらかな変化にし、例えば図5のAに示すような出力となる。
【0048】
以降は本願第1の発明と同様の動作であるので詳細は省略するが、信号Aから作られた輪郭強調された信号Cはその前後の画素とあわせてメディアン処理部30にてメディアン処理され、出力Dとなる。このとき、輪郭補正部50の入力はフィルタ41によってなだらかな変化にされているため、従来のように余分な強調をされることなく、さらに輪郭補正部50の動作が加わり、図5の信号Dに示すような自然な輪郭補正が出来る。
【0049】
また、斜め方向に走る輪郭の場合でも、階段状になることなく、自然な輪郭とする事が出来る。
【0050】
このように入力信号に対し、通過する周波数帯域を制限する帯域制限フィルタを備え、前記帯域制限フィルタの出力の注目画素近傍の複数の画像信号を入力とし、注目画素と前記注目画素の前および後の少なくとも2つの前後画素と前記前後画素より更に前後の二次微分生成用画素の信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された複数画素の信号に基づいて二次微分し、二次微分信号を出力する二次微分信号生成手段と、前記二次微分信号を前記注目画素の映像信号に加算する加算手段と、前記加算手段からの出力信号及び前記前後画素の信号の少なくとも3つの信号から選択を行うメディアンフィルタ処理部とを備えることにより、比較的簡単な構成で、スケーリングと組み合わされたときの余分な輪郭強調を抑制することが出来る映像信号処理装置が得られる。
【0051】
(実施の形態3)
図6(a)は本願第3の発明の映像信号処理装置のブロック図を示し、図6(a)に於いて、50は本願第1の発明の映像信号処理装置と構成、機能が同等の輪郭補正部であり、60は従来例の映像信号処理装置と構成、機能が同等のシャープネスである。図6(a)に於いてA,D,Eは各箇所の信号である。図6(b)はこれらの信号の波形例である。
【0052】
以下、図6を用いてその動作を説明する。図6(a)に於いて、本発明の映像信号処理装置に入力された信号Aは輪郭補正部50に入力されオーバーシュート、アンダーシュートのない輪郭補正を受けて信号Dとして出力される。輪郭補正部50の動作は本願第1の発明と同様であるので説明は省略する。
【0053】
輪郭補正部50からの出力はシャープネス60に入力され、オーバーシュート、アンダーシュートのついた信号Eとして出力される。シャープネス60の動作は従来例と同様であるので説明は省略する。
【0054】
ここで入力信号Aが例えば図6(b)に示すような傾斜であった場合、輪郭補正部50によって鋭い傾斜の信号Dとなる。シャープネス60は信号Dを受けて鋭い傾斜に対応したシュートを付与する。これにより、入力信号Aの変化の傾斜が多少緩やかであっても鋭く細いシュート付きの輪郭補正が出来るという効果がある。
【0055】
このように入力映像信号の注目画素近傍の複数の画像信号を入力とし、注目画素と前記注目画素の前および後の少なくとも2つの前後画素と前記前後画素より更に前後の二次微分生成用画素の信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された複数画素の信号に基づいて二次微分し、二次微分信号を出力する二次微分信号生成手段と、前記二次微分信号を前記注目画素の映像信号に加算する加算手段と、前記加算手段からの出力信号及び前記前後画素の信号の少なくとも3つの信号から選択を行うメディアンフィルタ処理部と、前記メディアンフィルタ処理部からの出力信号について、新たな注目画素とさらにその前後画素の信号とから更に二次微分信号を生成し前記新たな注目画素に加算して輪郭強調を行うシャープネス処理部とを備えることにより、比較的簡単な構成で、適度な細いシュートを付与し、画像に良好な鮮鋭感を与えることが出来る映像信号処理装置が得られる。
【0056】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、比較的簡単な構成で極端なオーバーシュート、アンダーシュートを抑えた輪郭補正をする事ができ、さらに、なだらかな輪郭でも十分な輪郭補正の効果が得られる。また、比較的簡単な構成で、スケーリングと組み合わされたときの余分な輪郭強調を抑制したり、適度な細いシュートを付与し、画像に良好な鮮鋭感を与えることが出来るという顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の(実施の形態1)における映像信号処理装置のブロック図
【図2】本発明の(実施の形態1)における映像信号処理装置の信号波形例図
【図3】本発明の(実施の形態2)における映像信号処理装置のブロック図
【図4】本発明の(実施の形態2)における映像信号処理装置の詳細ブロック図
【図5】本発明の(実施の形態2)における映像信号処理装置の信号波形例図
【図6】本発明の(実施の形態3)における映像信号処理装置のブロック図と信号波形例図
【図7】従来の映像信号処理装置の一例を示したブロック図
【図8】従来の映像信号処理装置の一例における信号波形例図
【符号の説明】
11,12,13,14 遅延回路
20,21,22,24 乗算器
23,25 加算器
30 メディアン処理部
40 スケーラ
41 フィルタ
50 輪郭補正部
60 シャープネス
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーテレビジョン受像機やモニタ、ビデオプロジェクタなどにおける映像信号の輪郭部分を補正する映像信号処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラーテレビジョン信号の伝送系においては、伝送の帯域が制限されているために受像機で再現される画像の鮮鋭度は低下してしまう。例えば、NTSC方式においては、輝度信号の帯域は0〜4.2MHzに制限されている。このため理想的な撮像管で撮影した場合であっても、輝度信号の白黒変化時の信号は、受像機では信号の立ち上がりや立ち下がりの傾斜がある値以上鋭くならず、画面上では輪郭部分がややぼけて見える。
【0003】
更に近年、表示用デバイスとして従来主流であったCRT以外に、LCDやPDPといった新表示デバイスの進歩がめざましく、これらのデバイスを使用した画像表示装置も市場に出ている。中でも液晶(LCD)表示装置に代表されるマトリクス型の画像表示装置は、薄型、軽量、低消費電力の特徴を生かし、パーソナルコンピュータの表示装置やTV表示装置、更には投射型の表示装置としてなど各種分野で利用されている。
【0004】
これらのマトリクス型の画像表示装置は、表示デバイスで表示可能な画素数が固定であるため、各種の映像信号のフォーマットを表示デバイスで表示可能な画素数に変換する手段が必要となってくる。そこで最近では「スケーラ」と呼ばれる(他に「ピクセルコンバータ」や「解像度変換LSI」等いろいろな呼び名がある)LSIを用いてスケーリング(ピクセルコンバートとも呼ばれる)と呼ばれる解像度変換を行うのが一般的である。このスケーリングで画素数を増やす場合などでも、画像のぼけが発生することがある。
【0005】
このような画像のぼけを改善し、或いは更なる鮮鋭度を得るために、近年、映像信号処理装置においては、遅延線やメモリを使用して2次微分信号をつくり、原信号に加えることにより輪郭補正が行われている(例えば特許文献1参照。)。
【0006】
以下、図7、図8を用いて従来の映像信号処理装置の一例について説明する。
【0007】
図7は従来の映像信号処理装置の輪郭補正の信号処理のためのブロック図である。
【0008】
図7に於いて、11、14は遅延回路、20、21、22は乗算器、23は加算器、24は乗算器、25は加算器である。また、A,B,Cは各箇所の信号である。図8はこれらの信号波形例である。
【0009】
従来の映像信号処理装置の機能部分である輪郭補正手段60に入力された映像信号は、乗算器20と第1の遅延回路11とに入力される。第1の遅延回路11では1画素分遅延した信号を出力し、その出力はは乗算器21と第2の遅延回路14と加算器25に入力される。第2の遅延回路14に入力された信号は、さらに1画素分遅延された信号となり出力され、乗算器22に入力される。
【0010】
乗算器20、乗算器21、乗算器22にて信号はそれぞれ1/2倍、1倍、1/2倍される。そして、乗算器20、乗算器22からの信号の符号は反転され、乗算器21からの信号ははそのままにして、加算器23に入力される。加算器23ではこれらの信号を加算した結果の信号を出力する。さらに、乗算器24により加算器23の出力信号を増幅し、信号Bを得る。
【0011】
つまり、信号Bの値はある点の画像データ値から前後の画像データの平均値を引いた値、即ちその点の二次微分の値を乗算器24でゲインを調節したものとなる。
【0012】
例えば図8(a)に示すような入力信号Aが輪郭補正手段60に入力された場合、上述したように信号処理された信号Bの波形は、図8(a)に示すようになる。
【0013】
この信号Bが輪郭強調信号である。加算器25によって、輪郭強調信号Bに遅延回路11から出力される信号が加算されることにより、輪郭強調された映像信号Cが生成される。図8(a)のCで示した信号が、輪郭強調された信号であり、入力の信号Aに対して輪郭の立ち上がりが強調され、オーバーシュート、アンダーシュートがついて、輪郭が強調されている。
【0014】
しかし、オーバーシュート、アンダーシュートが大きいと信号変化の境界部に縁取りが出来てしまい、画質が劣化するという問題を生じる。
【0015】
更に図8(a)に示すようななだらかな輪郭の入力信号の場合、輪郭補正の効果が小さいという問題がある。これを改善するには、例えば遅延回路11、14の遅延量を増やせばよいが、そうするとオーバーシュート、アンダーシュートの幅も太くなってしまい、更に画質が劣化する。
【0016】
オーバーシュートを改善する手段としては、例えば注目画素が閾値を超えるかを判別し超えた場合は二次微分信号を抑制するというものが知られている(例えば特許文献2参照)。しかし、この構成は多少複雑で効果も不十分である。
【0017】
また、従来の構成では、例えば輪郭強調をする映像信号処理装置の前段でスケーリングが行われる構成であった場合、画素が増やされた時には図8(b)のAのような入力信号となってしまい、輪郭強調後の信号が図8(b)のCに示すように余分な強調をされてしまう場合がある。特に斜め方向に走る輪郭の場合、階段状の不自然な輪郭となる。
【0018】
斜めの輪郭補正を改善する手段としては、注目画素の前後の輝度値の変化の方向を判定し、その変化を強調する輪郭補正演算を行うものが知られており(例えば特許文献3参照)、前記のようなスケーリングで画素が増やされた場合についてもある程度改善効果がある。しかしこの構成は、処理のアルゴリズムが複雑で回路規模も大きくなってしまう。
【0019】
また、オーバーシュート、アンダーシュートは大きすぎると前述のように画質を劣化させてしまうが、適度な細いシュートは画像の鮮鋭感を得るのに有効である。
【0020】
細いシュートを得る方法としては、エッジが検出された時のみ入力信号に対する輪郭強調信号の加算を行うものが知られている(例えば特許文献4参照)。しかしこの構成もエッジ検出のための回路規模が大きく、輪郭強調部の何倍もの回路素子が必要となってしまう。
【0021】
【特許文献1】
特開2000−244775号公報(第2頁、第5図)
【特許文献2】
特開2000−244775号公報(第3−5頁、第1図)
【特許文献3】
特開平11−98362号公報(第3−7頁、第1−第8図)
【特許文献4】
特開平5−316393号公報(第4−6頁、第1図)
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来の映像信号処理装置では、輪郭強調された信号は輪郭の立ち上がりが強調されるが、オーバーシュート、アンダーシュートがついて、強調が強いとオーバーシュート、アンダーシュートが大きくなり信号変化の境界部に縁取りが出来てしまい、画質が劣化する。更になだらかな輪郭の入力信号の場合、輪郭補正の効果が小さい、という問題がある。
【0023】
更に、スケーリングと組み合わされたときに、余分な輪郭強調がされ、画質が劣化する、という問題がある。
【0024】
また、逆に画像の鮮鋭感を得るために適度な細いシュートを簡単な構成で得ることが出来ないという問題を有している。
【0025】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、比較的簡単な構成で極端なオーバーシュート、アンダーシュートを抑え、かつ、なだらかな輪郭の入力信号でも十分な輪郭補正の効果が得られ、良好な映像信号を生成する映像信号処理装置を提供することを目的とする。
【0026】
また更に本発明は、比較的簡単な構成で、スケーリングと組み合わされたときの余分な輪郭強調を抑制することが出来る映像信号処理装置を提供することを目的とする。
【0027】
また更に本発明は、比較的簡単な構成で、適度な細いシュートを付与し、画像に良好な鮮鋭感を与えられる映像信号処理装置を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するために本発明は、入力映像信号の注目画素近傍の複数の画像信号を入力とし、注目画素と前記注目画素の前および後の少なくとも2つの前後画素と前記前後画素より更に前後の二次微分生成用画素の信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された複数画素の信号に基づいて二次微分し、二次微分信号を出力する二次微分信号生成手段と、前記二次微分信号を前記注目画素の映像信号に加算する加算手段と、前記加算手段からの出力信号及び前記前後画素の信号の少なくとも3つの信号から選択を行うメディアンフィルタ処理部とを備えた映像信号処理装置である。
【0029】
また本発明は、入力信号に対し、通過する周波数帯域を制限する帯域制限フィルタを備え、前記帯域制限フィルタの出力の注目画素近傍の複数の画像信号を入力とし、注目画素と前記注目画素の前および後の少なくとも2つの前後画素と前記前後画素より更に前後の二次微分生成用画素の信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された複数画素の信号に基づいて二次微分し、二次微分信号を出力する二次微分信号生成手段と、前記二次微分信号を前記注目画素の映像信号に加算する加算手段と、前記加算手段からの出力信号及び前記前後画素の信号の少なくとも3つの信号から選択を行うメディアンフィルタ処理部とを備えた映像信号処理装置である。
【0030】
本発明は、入力映像信号の注目画素近傍の複数の画像信号を入力とし、注目画素と前記注目画素の前および後の少なくとも2つの前後画素と前記前後画素より更に前後の二次微分生成用画素の信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された複数画素の信号に基づいて二次微分し、二次微分信号を出力する二次微分信号生成手段と、前記二次微分信号を前記注目画素の映像信号に加算する加算手段と、前記加算手段からの出力信号及び前記前後画素の信号の少なくとも3つの信号から選択を行うメディアンフィルタ処理部と、前記メディアンフィルタ処理部からの出力信号について、新たな注目画素とさらにその前後画素の信号とから更に二次微分信号を生成し前記新たな注目画素に加算して輪郭強調を行うシャープネス処理部とを備えた映像信号処理装置である。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図6を用いて説明する。
【0032】
なお、従来の構成と同様の働きをするブロックについては従来例と同じ番号を付与している。
【0033】
また、以下の説明に於いて、映像信号処理をデジタルで行う前提で説明を進めているが、このことは特に本願発明の内容を制限するものではなく、画像処理としてアナログ信号を介する処理が付加された場合でも本願発明は有効である。
【0034】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態例である映像信号処理装置のブロック図を示し、図1に於いて、11、12、13、14は遅延回路、20、21、22は乗算器、23は加算器、24は乗算器、25は加算器である。30は入力の中間値を出力するメディアンフィルタ処理を行うメディアン処理部である。また、A、B、C、Dは各箇所の信号である。また、図2はこれら信号A、信号B、信号C、信号Dの信号波形例である。
【0035】
以下、図1、図2を用いてその動作を説明する。図1に於いて、本発明の映像信号処理装置の機能部分の輪郭補正部50に入力された映像信号は、乗算器20と第1の遅延回路11とに入力される。第1の遅延回路11では1画素分遅延した信号を出力し、その出力は第2の遅延回路12とメディアン処理部30に入力される。第2の遅延回路12ではさらに1画素分遅延した信号を出力し、その出力は乗算器21と第3の遅延回路13と加算器25に入力される。第3の遅延回路13に入力された信号は、さらに1画素分遅延された信号となり第4の遅延回路14とメディアン処理部30に入力される。第4の遅延回路14に入力された信号は、さらに1画素分遅延された信号となり出力され、乗算器22に入力される。
【0036】
乗算器20、乗算器21、乗算器22にて信号はそれぞれ1/2倍、1倍、1/2倍される。そして、乗算器20、乗算器22からの信号の符号は反転され、乗算器21からの信号はそのままにして、加算器23に入力される。加算器23ではこれらの信号を加算した結果の信号を出力する。さらに、乗算器24により加算器23の出力信号を増幅し、信号Bを得る。
【0037】
つまり、信号Bの値はある点の画像データ値、つまりこの場合は、遅延回路12の出力で、注目画素、から前後2画素ずつ離れた画像データの平均値を引いた値、即ちその点の二次微分の値を乗算器24でゲインを調節したものとなる。
【0038】
例えば図2に示すような入力信号Aが入力された場合、この信号Bの波形は図2に示すようになる。
【0039】
加算器25によって、信号Bに遅延回路12から出力される信号が加算されることにより、輪郭強調された映像信号Cが生成される。図2のCで示した信号が、輪郭強調された信号であり、入力の信号Aに対して輪郭の立ち上がりが強調され、オーバーシュート、アンダーシュートがついて、輪郭が強調されている。信号Cはメディアン処理部30に入力される。
【0040】
メディアン処理部30に入力された3つの信号はメディアン処理部30によりその中間値が選択され信号Dとして出力される。
【0041】
信号Dは、輪郭が強調された信号とその前後の画素の信号の中間値であるため、前後画素信号の最大以下且つ最小以上となり、結果として、オーバーシュート、アンダーシュートが無く、信号変化の傾斜は強調された信号となっている。
【0042】
更に乗算器24でゲインを上げれば図2の信号D(補正ゲインを上げた場合)に示すように信号変化の傾斜を大きくすることが出きる。
【0043】
また、これらの構成により、従来とは異なり、図2に示すようになだらかな輪郭の入力信号に対しても十分な輪郭補正をする事が出来る。
【0044】
尚、遅延回路11〜遅延回路14は前記例では信号を1画素分遅延させるものとなっているが、遅延量は特に1画素に制限されるものではなく、例えば第1の遅延回路11、第4の遅延回路14の遅延量を大きくすれば更に緩やかな傾斜に対しても強調効果が出るようになる。
【0045】
このように入力映像信号の注目画素近傍の複数の画像信号を入力とし、注目画素と前記注目画素の前後の少なくとも2つの前後画素と前記前後画素より更に前後の二次微分生成用画素の信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された複数画素の信号に基づいて二次微分し、二次微分信号を出力する二次微分信号生成手段と、前記二次微分信号を前記注目画素の映像信号に加算する加算手段と、前記加算手段からの出力信号及び前記前後画素の信号の少なくとも3つの信号から選択を行うメディアンフィルタ処理部とを備えることにより、比較的簡単な構成で極端なオーバーシュート、アンダーシュートを抑え、かつ、なだらかな輪郭の入力信号でも十分な輪郭補正の効果が得られ、良好な映像信号を生成することが出来る映像信号処理装置が得られる。
【0046】
(実施の形態2)
図3は本願第2の発明の映像信号処理装置のブロック図を示し、図3(a)に於いて40は画素の数を変換するスケーラ、41は信号の帯域を制限するフィルタ、50は本願第1の発明の映像信号処理装置と構成、機能が同等の輪郭補正部であり、図3(a)のブロック図を輪郭補正部50の内部を詳細に示したものが図4である。図4に於いてF,G,A,B,C,Dは各箇所の信号である。図5はこれらの信号のうち信号F,信号G,信号A,信号C,信号Dの波形例である。
【0047】
以下、図4、図5を用いてその動作を説明する。図4に於いて、入力された信号Fはスケーラに入力され画素数を変換された後信号Gとして出力され、例えば図5の信号F,信号Gに示すような入出力となる。スケーラ40からの出力はフィルタ41に入力され帯域制限されて出力Aとなる。フィルタ41は例えばLPFやBRFで、信号Gをなだらかな変化にし、例えば図5のAに示すような出力となる。
【0048】
以降は本願第1の発明と同様の動作であるので詳細は省略するが、信号Aから作られた輪郭強調された信号Cはその前後の画素とあわせてメディアン処理部30にてメディアン処理され、出力Dとなる。このとき、輪郭補正部50の入力はフィルタ41によってなだらかな変化にされているため、従来のように余分な強調をされることなく、さらに輪郭補正部50の動作が加わり、図5の信号Dに示すような自然な輪郭補正が出来る。
【0049】
また、斜め方向に走る輪郭の場合でも、階段状になることなく、自然な輪郭とする事が出来る。
【0050】
このように入力信号に対し、通過する周波数帯域を制限する帯域制限フィルタを備え、前記帯域制限フィルタの出力の注目画素近傍の複数の画像信号を入力とし、注目画素と前記注目画素の前および後の少なくとも2つの前後画素と前記前後画素より更に前後の二次微分生成用画素の信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された複数画素の信号に基づいて二次微分し、二次微分信号を出力する二次微分信号生成手段と、前記二次微分信号を前記注目画素の映像信号に加算する加算手段と、前記加算手段からの出力信号及び前記前後画素の信号の少なくとも3つの信号から選択を行うメディアンフィルタ処理部とを備えることにより、比較的簡単な構成で、スケーリングと組み合わされたときの余分な輪郭強調を抑制することが出来る映像信号処理装置が得られる。
【0051】
(実施の形態3)
図6(a)は本願第3の発明の映像信号処理装置のブロック図を示し、図6(a)に於いて、50は本願第1の発明の映像信号処理装置と構成、機能が同等の輪郭補正部であり、60は従来例の映像信号処理装置と構成、機能が同等のシャープネスである。図6(a)に於いてA,D,Eは各箇所の信号である。図6(b)はこれらの信号の波形例である。
【0052】
以下、図6を用いてその動作を説明する。図6(a)に於いて、本発明の映像信号処理装置に入力された信号Aは輪郭補正部50に入力されオーバーシュート、アンダーシュートのない輪郭補正を受けて信号Dとして出力される。輪郭補正部50の動作は本願第1の発明と同様であるので説明は省略する。
【0053】
輪郭補正部50からの出力はシャープネス60に入力され、オーバーシュート、アンダーシュートのついた信号Eとして出力される。シャープネス60の動作は従来例と同様であるので説明は省略する。
【0054】
ここで入力信号Aが例えば図6(b)に示すような傾斜であった場合、輪郭補正部50によって鋭い傾斜の信号Dとなる。シャープネス60は信号Dを受けて鋭い傾斜に対応したシュートを付与する。これにより、入力信号Aの変化の傾斜が多少緩やかであっても鋭く細いシュート付きの輪郭補正が出来るという効果がある。
【0055】
このように入力映像信号の注目画素近傍の複数の画像信号を入力とし、注目画素と前記注目画素の前および後の少なくとも2つの前後画素と前記前後画素より更に前後の二次微分生成用画素の信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された複数画素の信号に基づいて二次微分し、二次微分信号を出力する二次微分信号生成手段と、前記二次微分信号を前記注目画素の映像信号に加算する加算手段と、前記加算手段からの出力信号及び前記前後画素の信号の少なくとも3つの信号から選択を行うメディアンフィルタ処理部と、前記メディアンフィルタ処理部からの出力信号について、新たな注目画素とさらにその前後画素の信号とから更に二次微分信号を生成し前記新たな注目画素に加算して輪郭強調を行うシャープネス処理部とを備えることにより、比較的簡単な構成で、適度な細いシュートを付与し、画像に良好な鮮鋭感を与えることが出来る映像信号処理装置が得られる。
【0056】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、比較的簡単な構成で極端なオーバーシュート、アンダーシュートを抑えた輪郭補正をする事ができ、さらに、なだらかな輪郭でも十分な輪郭補正の効果が得られる。また、比較的簡単な構成で、スケーリングと組み合わされたときの余分な輪郭強調を抑制したり、適度な細いシュートを付与し、画像に良好な鮮鋭感を与えることが出来るという顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の(実施の形態1)における映像信号処理装置のブロック図
【図2】本発明の(実施の形態1)における映像信号処理装置の信号波形例図
【図3】本発明の(実施の形態2)における映像信号処理装置のブロック図
【図4】本発明の(実施の形態2)における映像信号処理装置の詳細ブロック図
【図5】本発明の(実施の形態2)における映像信号処理装置の信号波形例図
【図6】本発明の(実施の形態3)における映像信号処理装置のブロック図と信号波形例図
【図7】従来の映像信号処理装置の一例を示したブロック図
【図8】従来の映像信号処理装置の一例における信号波形例図
【符号の説明】
11,12,13,14 遅延回路
20,21,22,24 乗算器
23,25 加算器
30 メディアン処理部
40 スケーラ
41 フィルタ
50 輪郭補正部
60 シャープネス
Claims (5)
- 入力映像信号の注目画素と前記注目画素の前および後の少なくとも2つの前後画素と前記前後画素より更に前後の二次微分生成用画素の信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された複数画素の信号に基づいて二次微分信号を出力する二次微分信号生成手段と、前記二次微分信号を前記注目画素の映像信号に加算する加算手段と、前記加算手段からの出力信号及び前記前後画素の信号の少なくとも3つの信号から選択を行うメディアンフィルタ処理部とを備えたことを特徴とする映像信号処理装置。
- 入力信号に対し、通過する周波数帯域を制限する帯域制限手段を備え、前記帯域制限手段の出力の注目画素近傍の複数の画像信号を入力とし、前記注目画素と前記注目画素の前および後の少なくとも2つの前後画素と前記前後画素より更に前後の二次微分生成用画素の信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された複数画素の信号に基づいて二次微分信号を出力する二次微分信号生成手段と、前記二次微分信号を前記注目画素の映像信号に加算する加算手段と、前記加算手段からの出力信号及び前記前後画素の信号の少なくとも3つの信号から選択を行うメディアンフィルタ処理部とを備えたことを特徴とする映像信号処理装置。
- 帯域制限手段は、入力信号に対し画素数を変換するスケーラ部であって、そのフィルタ性能で前記帯域制限フィルタを兼ねていることを特徴とする請求項2記載の映像信号処理装置。
- 入力映像信号の注目画素近傍の複数の画像信号を入力とし、注目画素と前記注目画素の前および後の少なくとも2つの前後画素と前記前後画素より更に前後の二次微分生成用画素の信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された複数画素の信号に基づいて二次微分信号を出力する二次微分信号生成手段と、前記二次微分信号を前記注目画素の映像信号に加算する加算手段と、前記加算手段からの出力信号及び前記前後画素の信号の少なくとも3つの信号から選択を行うメディアンフィルタ処理部と、前記メディアンフィルタ処理部からの出力信号について、新たな注目画素とさらにその前後画素の信号とから更に二次微分信号を生成し前記新たな注目画素に加算して輪郭強調を行うシャープネス処理部とを備えたことを特徴とする映像信号処理装置。
- 入力信号に対し、通過する周波数帯域を制限する帯域制限手段を備え、前記帯域制限手段の出力の注目画素近傍の複数の画像信号を入力とし、前記注目画素と前記注目画素の前および後の少なくとも2つの前後画素と前記前後画素より更に前後の二次微分生成用画素の信号を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された複数画素の信号に基づいて二次微分信号を出力する二次微分信号生成手段と、前記二次微分信号を前記注目画素の映像信号に加算する加算手段と、前記加算手段からの出力信号及び前記前後画素の信号の少なくとも3つの信号から選択を行うメディアンフィルタ処理部と、前記メディアンフィルタ処理部からの出力信号について、新たな注目画素とさらにその前後画素の信号とから更に二次微分信号を生成し前記新たな注目画素に加算して輪郭強調を行うシャープネス処理部とを備えたことを特徴とする映像信号処理装置。
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