JP5246119B2 - エンジン制御装置 - Google Patents
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運転者によるアクセル操作部材の操作量に応じて、前記吸気部への空気の吸気量と燃料の噴射量とを制御することで、エンジンの作動を制御するエンジン作動制御部と、
アクセル操作部材が操作されていない状態において、前記負圧室の負圧であるブースタ負圧がそのブースタ負圧の閾値であるブースタ負圧閾値を超えていることを必要条件として、燃料の噴射を停止させる燃料噴射停止部と、
車両の乗員および積載物の重量である積載重量を取得する積載重量取得部と、
その積載重量取得部によって取得された車両の積載重量である取得積載重量に基づいて、その前記取得積載重量が大きいほど前記ブースタ負圧閾値を大きい値に設定するブースタ負圧閾値設定部と
を備えるエンジン制御装置。
前記積載重量取得部が実際の車両の積載重量を正確に取得できないと推定される場合には、前記取得積載重量に拘らず、前記ブースタ負圧閾値を、通常設定される範囲における最高の値に設定するように構成された(1)項に記載のエンジン制御装置。
全ての車輪に対応して設けられ、それぞれが、自身に対応する車輪にかかる荷重を指標する車輪荷重指標量を検出する複数の検出器を有し、それら複数の検出器によって検出される各車輪の前記車輪荷重指標量に基づいて前記取得積載重量を取得するように構成され、
当該エンジン制御装置が、
前記複数の検出器が正常に機能しているか否かを判定するとともに、前記複数の検出器が正常に機能していないと判定された場合に、前記積載重量取得部が実際の車両の積載重量を正確に取得できないと推定する検出器機能判定部を備えた(2)項に記載のエンジン制御装置。
各車輪の前記車輪荷重指標量のうちの最も大きいものと最も小さいものとの差が設定閾値を超えた場合に、前記複数の検出器が正常に機能していないと判定するように構成された(3)項に記載のエンジン制御装置。
当該エンジン制御装置が搭載される車両について設定されている最大積載重量に対応して設定されたものである(2)項ないし(4)項のいずれか1つに記載のエンジン制御装置。
その取得積載重量の増大に伴って前記ブースタ負圧閾値が増大するとともに、前記取得積載重量が大きいほどその増大の勾配が大きくなるように設定された規則に基づいて、前記ブースタ負圧閾値を設定するように構成された(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載のエンジン制御装置。
図1に、車両に設けられた実施例のエンジン電子制御ユニット(以下、単に「エンジンECU」という場合がある)10を備えた車両用駆動システム12を概略的に示す。本駆動システム12は、エンジン20とトルクコンバータ22と変速機24と差動装置26とを備えている。車両前方のエンジンルーム内に設置されたエンジン20は、トルクコンバータ22を介して変速機24に接続されており、その変速機24の出力が差動装置26を介して左右の前輪28FR,FLに伝達される。つまり、本駆動システム12は、エンジン20がトルクコンバータ22,変速機24,差動装置26を介して駆動輪としての前輪28FR,FLを駆動するように構成されている。
また、本駆動システム12を搭載する車両においては、各車輪28に対応して設けられたブレーキ装置50(図1では、右前輪28FRおよび右後輪28RRに設けられたブレーキ装置50のみを図示している)を備えたブレーキシステム52が搭載されている。各ブレーキ装置50は、ディスクブレーキ装置とされており、車輪28と共に回転するブレーキディスク54と、車体に取り付けられるブレーキキャリパ55と、ブレーキキャリパ55に保持されるシリンダ56(図2参照)およびブレーキパッド57(図2参照)とを含んで構成されている。運転者の操作力によって、ブレーキ操作部材であるブレーキペダル58が操作されると、ブレーキペダル58に連結されるバキュームブースタ60によって、操作力が倍力される。さらに、倍力された操作力は、バキュームブースタ60に連結されるマスタシリンダ62に伝えられて、その内部に収容される作動液を加圧する。作動液の液圧の変化は、マスタシリンダ62から作動液配管64a,64bを通じて、各車輪28に設けられたブレーキ装置50のブレーキキャリパ55まで伝達される。ブレーキ装置50の詳しい構造についての説明は省略するが、シリンダ56は、加圧された作動液によって作動し、ブレーキパッド57をブレーキディスク54に押し付ける。したがって、ブレーキ装置50は、ブレーキパッド57とブレーキディスク54との間に生じる摩擦によって、車輪28の回転を抑制させて車両を減速させるための制動力を発生させることが可能となっている。
さらに、本駆動システム12を搭載する車両においては、図1に示すように、各車輪28に対応して設けられたサスペンション装置130を備えた車両用サスペンションシステム132が搭載されており、サスペンション装置130は、サスペンションスプリングと、ショックアブソーバとが一体化されたスプリング・アブソーバAssy134を含んで構成されている。スプリング・アブソーバAssy134は、図4に示すように、タイヤハウジングに設けられたマウント部136と、車輪28を回転可能に保持するサスペンションアーム138との間に、それらを連結するようにして配設された液圧式のショックアブソーバ140と、それと並列的に設けられた流体式スプリングとしてのエアスプリング142とを備えている。
本駆動システム12においては、上述したように、運転者のアクセルペダルの操作量に応じてエンジン20の作動を制御している。一方で、運転者がアクセルペダルを操作することなく車両が停止している場合には、通常、エンジン20は、負荷の無い状態においてある特定の低い回転数で回転している状態、つまりアイドリング状態とされるが、本駆動システム12においては、無駄な燃料の消費を抑制するとともに、エミッションの低減を目的として、いわゆるエコラン制御を実行している。エコラン制御とは、交差点等で車両が停止した場合に、運転者の意思によらずに、所定の停止条件の下でエンジンを停止させるとともに、エンジン停止後に、所定の再始動条件の下でエンジンを再始動させる制御である。
PBS・(1−α)・VB+0・α・VB=PBR・VB
ブレーキペダル58が踏み込まれた場合には、変圧室98に大気が流入し、変圧室98は大気圧、つまり、変圧室98の負圧が0となるためであり、(1−α)・VBはブレーキ操作時の負圧室70の容積を、α・VBはブレーキ操作時の変圧室98の容積を、それぞれ、意味している。
PBS・(1−α)=PBR
ブレーキ操作時のブースタ負圧の減少量は、ブレーキ操作時のブースタ負圧PBSからブレーキ解除後のブースタ負圧PBRを減じたものとなることから、ブレーキ操作時のブースタ負圧の減少量ΔPBは、次式によって示すことができる。
ΔPB=PBS−PBR=PBS−PBS・(1−α)=α・PBS ・・・(1)
この式から解るように、ブレーキ操作時のブースタ負圧PBSが高いほど、ブレーキ操作時のブースタ負圧の減少量ΔPBは多くなる。本システム12では、上述したように、積載重量が大きいほどブースタ負圧を高い状態に維持するべく、積載重量が大きいほどブースタ負圧閾値を高く設定している。このため、積載重量が大きいほどブースタ負圧が高い状態に維持されることで、ブレーキ操作時のブースタ負圧の減少量は多くなる。このため、積載重量が大きいほど、ブレーキペダル58の踏み込みが解除された場合のブースタ負圧は低くなる。したがって、積載重量が大きいほど、ブレーキ操作時のブースタ負圧の減少量の増大をも考慮して、ブースタ負圧閾値を高く設定する必要がある。そこで、本システム12では、積載重量が大きいほどブースタ負圧閾値を高く設定する際には、積載重量が大きいほどブースタ負圧閾値の増大する比率が高くなるように、ブースタ負圧閾値を設定している。言い換えれば、積載重量が大きいほど、積載重量の単位増大量あたりのブースタ負圧閾値の増大量が高くなるように、ブースタ負圧閾値を設定している。
P0=KS・P0MAX
ここで、KSは、積載重量Mをパラメータとする積載重量依拠ゲインであり、図6に示すように、積載重量Mが大きくなるほど大きくなり、積載重量Mが最大積載重量MMAXである場合に1となるようにされている。なお、積載重量依拠ゲインKSは、図から解るように、変化する度合が積載重量Mが大きくなるほど次第に大きくなるようにされており、積載重量Mの増大に伴って、積載重量依拠ゲインKSの増大する勾配が大きくなっている。つまり、積載重量Mの増大に伴ってブースタ負圧閾値P0が増大するとともに、積載重量Mが大きいほどブースタ負圧閾値P0の増大する勾配が大きくなる。
本システム12におけるエコラン制御でのブースタ負圧閾値を設定するために用いられる車両の積載重量は、図7にフローチャートを示す積載重量決定プログラムが、イグニッションスイッチがON状態とされている間、短い時間間隔(例えば、数msec)をおいてエンジンECU10のコントローラ34により繰り返し実行されることによって決定される。また、本システム12において行われるエコラン制御は、図8にフローチャートを示すエコラン制御実行プログラムが、イグニッションスイッチがON状態とされている間、設定された時間間隔ΔT0をおいてエンジンECU10のコントローラ34により繰り返し実行されることによって行われる。以下に、それぞれの制御のフローを、図に示すフローチャートを参照しつつ、簡単に説明する。
積載重量決定プログラムによる処理では、まず、ステップ1(以下、単に「S1」と略す。他のステップについても同様とする)において、乗員の乗り降り、若しくは、積載物の積み下ろしがあったか否かを判定するべく、ドアの開閉があったか否かが判定される。具体的に言えば、車両の各ドアには開閉センサが設けられており、各開閉センサの検出値によって判定される。いずれかのドアが開閉されたと判定された場合には、S2において、各車輪に対応して設けられた各エアスプリング142の圧力室164のエア圧PAが圧力センサ166によって検出される。次に、S3において、各エアスプリング142のエア圧PAの平均値である平均エア圧PAAが演算され、その平均エア圧PAAに基づいて取得積載重量MSが推定される。エンジンECU10のコントローラ34には、平均エア圧PAAをパラメータとする取得積載重量MSに関するマップデータが格納されており、取得積載重量MSは、そのマップデータを参照することによって推定される。
エコラン制御実行プログラムによる処理では、まず、S11において、シフトレバー位置センサ170によってシフトレバーの操作位置が検出され、S12において、車速センサ174によって車速が検出される。さらに、S13において、駐車ブレーキ位置センサ172によって駐車ブレーキ装置が作動中か解除中かが検出され、S14において、液圧センサ176によってマスタシリンダ圧PMが検出される。
上記積載重量決定プログラムおよびエコラン制御実行プログラムを実行するエンジンECU10のコントローラ34は、それの実行処理に鑑みれば、図1に示すような機能構成を有するものと考えることができる。図から解るように、コントローラ34は、上記積載重量決定プログラムを実行する機能部、つまり、積載重量Mを取得する機能部として、積載重量取得部180を、エコラン制御実行プログラムを実行する機能部、つまり、エコラン制御を実行する機能部として、エコラン制御実行部182を、それぞれ備えている。
Claims (5)
- ブレーキ操作部材に加えられた操作力を倍力するバキュームブースタの負圧室に接続される吸気部を備えたエンジンを制御するエンジン制御装置であって、
運転者によるアクセル操作部材の操作量に応じて、前記吸気部への空気の吸気量と燃料の噴射量とを制御することで、エンジンの作動を制御するエンジン作動制御部と、
アクセル操作部材が操作されていない状態において、前記負圧室の負圧であるブースタ負圧がそのブースタ負圧の閾値であるブースタ負圧閾値を超えていることを必要条件として、燃料の噴射を停止させる燃料噴射停止部と、
車両の乗員および積載物の重量である積載重量を取得する積載重量取得部と、
その積載重量取得部によって取得された車両の積載重量である取得積載重量に基づいて、その前記取得積載重量が大きいほど前記ブースタ負圧閾値を大きい値に設定するとともに、前記積載重量取得部が実際の車両の積載重量を正確に取得できないと推定される場合には、前記取得積載重量に拘らず、前記ブースタ負圧閾値を、通常設定される範囲における最高の値に設定するブースタ負圧閾値設定部と
を備えるエンジン制御装置。 - 前記積載重量取得部が、
全ての車輪に対応して設けられ、それぞれが、自身に対応する車輪にかかる荷重を指標する車輪荷重指標量を検出する複数の検出器を有し、それら複数の検出器によって検出される各車輪の前記車輪荷重指標量に基づいて前記取得積載重量を取得するように構成され、
当該エンジン制御装置が、
前記複数の検出器が正常に機能しているか否かを判定するとともに、前記複数の検出器が正常に機能していないと判定された場合に、前記積載重量取得部が実際の車両の積載重量を正確に取得できないと推定する検出器機能判定部を備えた請求項1に記載のエンジン制御装置。 - 前記検出器機能判定部が、
各車輪の前記車輪荷重指標量のうちの最も大きいものと最も小さいものとの差が設定閾値を超えた場合に、前記複数の検出器が正常に機能していないと判定するように構成された請求項2に記載のエンジン制御装置。 - 前記積載重量取得部が実際の車両の積載重量を正確に取得できないと推定される場合における前記通常設定される範囲における最高の値が、
当該エンジン制御装置が搭載される車両について設定されている最大積載重量に対応して設定されたものである請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のエンジン制御装置。 - 前記ブースタ負圧閾値設定部が、
その取得積載重量の増大に伴って前記ブースタ負圧閾値が増大するとともに、前記取得積載重量が大きいほどその増大の勾配が大きくなるように設定された規則に基づいて、前記ブースタ負圧閾値を設定するように構成された請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載のエンジン制御装置。
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