JP5245914B2 - 加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
Cは、鋼の強度を確保するために必須の元素であり、加工性の観点からは少ない添加量であるほど有利である。しかしながら、このC量が0.01%未満では時効劣化が大きくなり、鋼の強度を確保するという所期の目的を達成することができなくなるため、下限を0.01%とした。またC量が0.1%を超えてしまうとCにより却って過剰に硬化されてしまい、加工性が低下してしまう。このため上限を0.1%としている。
Siは、安価で母材の強度上昇に寄与する元素であり、溶鋼の脱酸材としての役割も有する。実際にこのSiの添加量は、鋼板として狙う強度レベルに応じて変化する。なお、従来のゼンジミア法や無酸化炉方式でのめっき製造プロセスによる熱延合金化溶融亜鉛めっき鋼板では、めっき密着性の低下や、合金化反応の遅延による生産性の低下などの問題から、Si量に制約が設けられることが多かった。これに対して、本発明では、対象とする溶融亜鉛めっき製造プロセスにおいて、後述するように、酸洗済みの熱延鋼板をめっき浴温度まで加熱する際の表面酸化防止などの理由でNiめっきやNi−Feめっきなどのプレめっきが付与されるため、特段の制約を設ける必要はない。しかしながら、このSiが0.002%未満では、上述した効果を発現させることができず、またSiが0.1%を超えて添加した場合には鋼材の脆化を招く場合があることから、Siの成分限定範囲を0.002〜0.1%としている。
Mnは、Siと同様に焼入れ性を向上させるとともに固溶強化により素材強度を上昇させる元素である。また、SをMnSとして固定し、熱延時のSによるスラブの熱間割れを防止する重要な元素である。Mnは、降伏強度をあまり増加させずに強度を増加させる有効な固溶体強化元素であるので、0.05%以上添加する。一方、Mnを1.2%添加すると、強度が向上しすぎて加工性が却って低下してしまい、また亜鉛めっきの密着性が阻害される虞もあるため、その上限を1.2%としている。
Pは、鋼中に不可避不純物として含有する元素であり、意図的に添加する元素ではない。Pが過剰に添加されていると加工性を劣化させるので、上限値を0.03%としている。
Sは、Pと同様に不純物として含有される元素であり、意図的に添加される元素ではない。Sは、MnSなどの硫化物系介在物を形成し、熱間割れの起点となって加工性を劣化させるため、極力低減するのが望ましい。従ってSは0.04%以下としている。
Alは、脱酸元素として有効であり、窒化物AlNを形成して母材組織を細粒化する効果を有する。特にアルミキルド鋼は、Alにより脱酸させ、酸化精錬により増加した溶鋼中の酸素が除去されて製造されるものであることから、このAlの添加量を最適化する必要がある。このAl量が0.005%未満はその効果が不十分であり、またAl量が0.1%超になると、加工性の劣化を招く。このため、Alの添加量を、0.005〜0.1%としている。
Nは、溶鋼処理中に空気中の窒素が取り込まれることから、鋼中に不可避的に混入する元素である。Nは、Al等と窒化物を形成して母材組織の細粒化を促進する。このNを固溶Nのまま残留させると時効現象が起きやすくなる。上述したAlを添加することにより、ある程度Nを固定することができるが、それでもNが0.005%超にも亘り過剰に含まれると、固溶Nが増大し、加工性を低下させる原因にもなる。このためNの上限を0.005%としている。
Bは、焼入性を向上し、微量で強度を高める作用があり、2次加工脆化の防止に有効に作用する。また、鋼中の固溶NをBNとして析出させるので、固溶N低減による時効劣化を抑制するため、下限を0.0001%としている。これに対して、Bを0.004%超添加すると、粒界が脆化し、鋳造や圧延等の処理により割れが生じる等、却って材質低下を招くため、上限を0.004%としている。
定の厚みまで連続して熱間仕上圧延され、冷却水により冷却された後に巻取機によりコイル状に巻き取られる。
2 めっき浴
3 シンクロール
4 サポートロール
5 ガスワイピングノズル
6 合金化炉
10 鋼板
11、12 調質圧延機
Claims (3)
- 低炭素Alキルド鋼をAr3変態点以上の温度で熱間圧延を行い、
酸洗後、0.5%以下の伸び率で最初の調質圧延を施し、
連続溶融亜鉛めっきラインにより加熱前にNiめっきを施し、通電加熱により亜鉛めっき浴温度まで加熱して亜鉛めっきし、
460〜600℃で5〜15秒間の合金化加熱処理を行い、
その後1.0〜1.5%の伸び率で再度の調質圧延を施すこと
を特徴とする加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 質量%で、
C :0.01〜0.1%、
Si:0.002〜0.1%、
Mn:0.05〜1.2%、
P :0.03%以下、
S :0.04%以下、
Al:0.005〜0.1%、
N :0.005%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成の低炭素Alキルド鋼スラブをAr3変態点以上の温度で熱間圧延を行うこと
を特徴とする請求項1記載の加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 更に質量%で
B :0.0001〜0.004%を含有する上記低炭素Alキルド鋼スラブをAr3変態点以上の温度で熱間圧延を行うこと
を特徴とする請求項2記載の加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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