JP5245710B2 - 真空断熱材 - Google Patents

真空断熱材 Download PDF

Info

Publication number
JP5245710B2
JP5245710B2 JP2008268480A JP2008268480A JP5245710B2 JP 5245710 B2 JP5245710 B2 JP 5245710B2 JP 2008268480 A JP2008268480 A JP 2008268480A JP 2008268480 A JP2008268480 A JP 2008268480A JP 5245710 B2 JP5245710 B2 JP 5245710B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core material
heat insulating
sheet
vacuum heat
separation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008268480A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010096293A (ja
Inventor
俊雄 篠木
憲朗 光田
昭 白神
秀一 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2008268480A priority Critical patent/JP5245710B2/ja
Publication of JP2010096293A publication Critical patent/JP2010096293A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5245710B2 publication Critical patent/JP5245710B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Thermal Insulation (AREA)

Description

この発明は、非平面を持つ物体を断熱することができる真空断熱材に関するものである。
従来の非平面を持つ冷熱機器を断熱することができる真空断熱材は、可撓性のある外被と充填物質とを具備し、充填物質は少なくとも二枚の板からなる連続気泡高分子フォームとし、滑りを有利にするために隣り合う一対の板の各々の間にプラスチックシートを差し挟んだ構成としている(例えば、特許文献1参照)。
特表2004−502118号公報(2頁、請求項2)
従来の真空断熱材では、非平面として円筒状物体の曲面形状に沿って真空断熱材を曲げる場合、真空化する過程で、板状の高分子フォームを覆う外被が端部において、最初に円筒状物体の表面に固定されてしまうため、真空断熱材全体を円筒状物体の曲面形状の表面に沿って曲げることが困難になりフォームが多角形状になりやすい。そのため断熱性能の著しい低下を招くと共に、外被の破損等の原因となるという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためにされたもので、真空断熱材を冷熱機器に取り付けた場合の断熱性能の向上と加工時の信頼性の向上を図ることを目的とする。
この発明に係る真空断熱材は、繊維シートからなる芯材と、繊維シートからなり一部に伸縮空間を有する分離芯材と、滑りシートとを具備し、前記芯材と前記分離芯材と前記滑りシートとを積層し、積層した前記芯材と前記分離芯材と前記滑りシートとを覆う外被材を備えて構成された真空断熱材において、前記空間を除く前記分離芯材の一方向の長さの総和が前記芯材の前記一方向の長さに比べて短く、前記外被材と前記分離芯材との間であって、かつ、前記分離芯材に対して前記芯材と反対側に前記分離芯材の全体をカバーする大きさの少なくとも1つの前記滑りシートが設置され、前記分離芯材の積層方向に対して垂直な面が少なくとも1つの前記滑りシートに面するようにしたものである。
この発明に係る真空断熱材では、非平面、例えば円筒状物体の曲面形状に沿って真空断熱材を曲げる場合、円筒状物体の中心から半径方向で異なる距離にある芯材の真空断熱材曲げ時に生じる周方向長さの違いを吸収することができるため、真空断熱材の折れが発生し難く、折れ部を通じた放熱が防止できる。さらに、曲面形状に沿った外被内面に折れシワが出来難く、冷熱機器と内面包装材の密着性が良くなる。加えて外被の破損等を防止することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における真空断熱材を示す断面図である。図2は、この発明の実施の形態1における真空断熱材が円筒形状の保温機器である円筒状物体11に巻きつけられた状態を示す断面図である。図において1枚もしくは積層された複数の繊維シートからなる芯材1と、同じく1枚もしくは積層された複数の繊維シートからなり第11構成部材2a、第12構成部材2b、第13構成部材2cにそれぞれ曲げ方向(すなわち円周に沿った方向。以下曲げ方向とのみ記載する)に対して垂直に分割され、第11構成部材2aと第12構成部材2bとの間、および第12構成部材2bと第13構成部材2cとの間にそれぞれ円筒状物体11の曲面形状に沿って密着保持する場合に内外周差を吸収するための空間として第1の伸縮空間3を有する第1の分離芯材2と、同じく1枚もしくは積層された複数の繊維シートからなり第21構成部材4a、第22構成部材4b、第23構成部材4cにそれぞれ曲げ方向に対して垂直に分割され、第21構成部材4aと第22構成部材4bとの間、および第22構成部材4bと第23構成部材4cとの間にはそれぞれ円筒状物体11の曲面形状に沿って密着保持する場合に内外周長差を吸収するための空間として第2の伸縮空間5を有する第2の分離芯材4とが設けられている。
また、図において前記芯材1と前記第1の分離芯材2との間には、前記円筒状物体11の曲面形状に沿って密着保持させる場合に、芯材1と第1の分離芯材2との間の摩擦抵抗を減少させ、芯材1に対して前記第11構成部材2a、第12構成部材2b、第13構成部材2cが滑りやすくするための第1の滑りシート6と、第1の分離芯材2と前記第2の分離芯材4との間には、円筒状物体11の曲面形状に沿って密着保持させる場合に、第1の分離芯材2と第2の分離芯材4との間の摩擦抵抗を減少させ、第1の分離芯材2に対して前記第21構成部材4a、第22構成部材4b、第23構成部材4cが滑りやすくするための第2の滑りシート7と、円筒状物体11の曲面形状に沿って密着保持させる場合に、真空断熱材内部を真空に保つと共に外面を形成する外側外被材8と、同じく真空断熱材内部を真空に保つと共に被保温面側となる内面を形成する内側外被材9と、第2の分離芯材4と内側外被材9との間の摩擦抵抗を減少させ、内側外被材9に対して第21構成部材4a、第22構成部材4b、第23構成部材4cが滑りやすくするための外被滑りシート10とが設けられている。
次に、この発明の実施の形態1における真空断熱材の製造方法について説明する。例えば水と繊維を混合させ抄紙した後、乾燥させてシート化した繊維シート(繊維シートは一般的に使用され、既に知られていることから、ここでは繊維シート単体としての図示は省略する)を1枚もしくは複数枚重ねて必要なサイズに裁断し芯材1を製造する。同様な方法で、第1の分離芯材2および第2の分離芯材4を製造する。ここで、繊維シートは、例えばガラス素材や樹脂系素材がある。樹脂系素材の場合は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートを含めたポリエステルなどがある。勿論、無機素材からなる無機繊維と樹脂系素材からなる樹脂系繊維の混合でもよい。
次に芯材1と第1の分離芯材2との間に、芯材1と第1の分離芯材2の全体をカバーする大きさで適当な大きさにカットされた第1の滑りシート6を設け、第1の分離芯材2と第2の分離芯材4との間に、第1の分離芯材2と第2の分離芯材4の全体をカバーする大きさで適当な大きさにカットされた第2の滑りシート7を設け、第2の分離芯材4を挟んで第2の滑りシート7と対峙する位置で第2の分離芯材4の全体をカバーする大きさで適当な大きさにカットされた外被滑りシート10を設け、これらが積層された状態で外側外被材8および内側外被材9で覆われている。なお、外側外被材8は芯材1を覆う位置に、内側外被材9は外被滑りシート10を覆う位置に設けられている。
なお、ここでは、第1の滑りシート6および第2の滑りシート7は第1の分離芯材2および第2の分離芯材4の全体をカバーする大きさであるが、芯材1と第1の分離芯材2および第1の分離芯材2と第2の分離芯材4それぞれの間に生じる摩擦を軽減でき、滑りやすくするための効果が達成できれば、特に大きさは規定しない。もちろん、第1の分離芯材2又は第2の分離芯材4より小さくても良い。
以上説明したように構成された真空断熱材を真空チャンバ内に入れる。次に、真空チャンバ内を減圧することにより、外側外被材8と内側外被材9で覆われた内部を減圧して真空状態にする。この場合の真空状態とは外側外被材8と内側外被材9で覆われた内部が、例えば0.1〜3Pa程度の真空圧になっている状態である。次に外側外被材8と内側外被材9を接着することで、外側外被材8と内側外被材9で覆われた内部を密閉し、真空チャンバ内の圧力を大気圧状態にまで戻す。これにより、真空断熱材は、内部を真空状態に保持され、外側外被材8と内側外被材9で覆われた内部は外部との圧力差による圧縮力を受ける。
なお、長期真空下に置くことにより、前記芯材1、第1の分離芯材2等、第1の滑りシート6等、または外側外被材8等からガスが発生する場合とか、外部から気体が混入する場合とか、水分が混入する場合などが想定される場合には、必要に応じて外側外被材8と内側外被材9で覆われた内部に適切なガス吸着剤を挿入する場合もある。
あらかじめ繊維シートに含有されている水分については、抄紙時の乾燥工程とは別に、裁断前後等に繊維シートを加熱しながら吸気するような工程を設けて、水分を除去してもよい。また、真空チャンバ内で減圧された状態で、真空チャンバ内を加熱するような機構を設けて、繊維自体に熱収縮や熱分解等の熱負荷が掛からない温度で、かつ真空放電等が誘発しない圧力など、適切な条件にて水分を除去してもよい。
真空断熱材は、図1に示すような平板形状であれば比較的容易に製造可能である。しかし、例えば厚み8mmの真空断熱材を非平面であるφ400mm程度の円筒状物体11の曲面形状に沿って密着保持させる場合、真空断熱材の外面を形成する外側と真空断熱材の被保温面側となる内面とでは内外周長が約50mm異なる。そのため、特許文献1に記載された従来の真空断熱材では、平面形状の真空断熱材の両端部において、既に真空化によって外被と充填物質とが固定されており、円筒状物体11の曲面形状に沿って密着保持させる時すなわち曲げ加工時に、充填物質は内外周長差を吸収する空間を持たないため、充填物質は内面の外被と共に折れ曲がりシワになる。
そこで、この発明の実施の形態1における真空断熱材では、前記内外周長差に相当する長さの伸縮を吸収する空間を第1の分離芯材2および第2の分離芯材4に設け、それぞれ第1の伸縮空間3および第2の伸縮空間5とすることで、円筒状物体11の曲面形状に沿って密着保持させる時すなわち曲げ加工時に第1の分離芯材2の第11構成部材2a、第12構成部材2b、第13構成部材2cおよび第2の分離芯材4の第21構成部材4a、第22構成部材4b、第23構成部材4cが、第1の伸縮空間3および第2の伸縮空間5を埋める形で移動することで内外周長差から生じるシワを防止し、円筒状物体11の曲面形状に沿って隙間無く密着保持させることができる。ここで、第1の滑りシート6、第2の滑りシート7、および外被滑りシート10は、移動がスムーズに行えるよう各芯材間、及び芯材と外被材間の摩擦係数を減少させる役割を有する。
ここで、この発明の実施の形態1における真空断熱材では、前記芯材1と外側外被材8との間には、滑りシート又は外被滑りシートを設けていないが、設ける構成をとっても同様な効果が得られることは明らかである。
上記効果を確認するために、厚み8mmの真空断熱材をφ400mm程度の円筒状物体11の曲面形状に沿って密着保持させる場合について製造試験を実施した。その結果、伸縮空間を設けない従来の真空断熱材では、内面に沿って高さ約3mm程度の凹凸が曲げ方向、すなわち周方向に約10mm間隔で生じていたのに対して、伸縮空間を設けた真空断熱材では、凹凸高さおよび間隔共に倍程度の改善が見られた。これにより、被保温面と真空断熱材内面との接触状態が改善され、保温性能においても倍程度の改善が確認できた。
さらに、滑りシートの効果を確認するために要素試験を実施した。3つの芯材を重ね合わせた状態で、上面から約1kgf/cm2の圧力を印加して、横から真ん中の芯材を引き抜くときの力を計測して最大静止摩擦係数μmaxを求めた。その結果、芯材のみではμmaxが0.6以上であったものが、各芯材間に滑りシート(ここではPET75μmシートを使用)を挿入することで、0.35程度に低減されることを確認した。よって、第1の分離芯材2の第11構成部材2a、第12構成部材2b、第13構成部材2cおよび第2の分離芯材4の第21構成部材4a、第22構成部材4b、第23構成部材4cが、第1の伸縮空間3および第2の伸縮空間5を埋める形で移動する場合の摩擦抵抗を軽減でき、よりシワが少なく保温効果に優れた真空断熱材を提供できる。
前記真空断熱材の製造方法では、抄紙法を用いた湿式法で繊維シート製造法を示したが、何もこれに限定されるものではなく、例えば、ガラス素材を用いた場合では遠心分離法、樹脂素材用いた場合では、スパンボンド法、メルトブロー法等の乾式シート製造法を用いても良い。
実施の形態2
図3は、この発明の実施の形態2における真空断熱材を示す断面図である。図4は、この発明の実施の形態2における真空断熱材が円筒形状の保温機器である円筒状物体11に巻きつけられた状態を示す断面図である。前記実施の形態1では、第1の分離芯材2と第2の分離芯材4を平面で重ね合わせた場合、第1の伸縮空間3と第2の伸縮空間5が重なる位置に設けられているが、この発明の実施の形態2における真空断熱材では、第1の伸縮空間3と第2の伸縮空間5が重なりあわない位置に設けられている。このような構成をとることにより、円筒状物体11の曲面形状に沿って密着保持させ場合、すなわち曲げ加工時に、第1の分離芯材2の第11構成部材2aと第12構成部材2bの継ぎ目と、第2の分離芯材4の第21構成部材4aと第22構成部材4bの継ぎ目、および、第1の分離芯材2の第12構成部材2bと第13構成部材2cの継ぎ目と、第2の分離芯材4の第22構成部材4bと第23構成部材4cの継ぎ目の継ぎ目とが一致しなくなり、折れ曲がりシワが特定の場所に集中しない。
また、真空化時の積層方向の圧縮力により、この発明の実施の形態1で示したように、第1の伸縮空間3と第2の伸縮空間5が重なる場合には、その位置に生じた大きな空間がつぶれることで、1箇所に大きな歪が発生するが、この発明の実施の形態2で示したように、第1の伸縮空間3と第2の伸縮空間5が重ならない場合には、そのような大きな空間が生じることが無くなり、さらに、第1の伸縮空間3は、芯材1と第2の分離芯材4の第21構成部材4a、第22構成部材4b、又は第23構成部材4cに囲まれる構成をとることで、上下をこれらの芯材で保護される結果となり、折れ曲がりシワの凹凸高さに更なる改善が見られ、その結果、被保温面と真空断熱材内面との接触状態がより改善され、より高い保温性能が得られる。
実施の形態3
図5は、この発明の実施の形態3における真空断熱材を示す断面図である。図6は、この発明の実施の形態3における真空断熱材が円筒形状の保温機器である円筒状物体11に巻きつけられた状態を示す断面図である。前記実施の形態1では、真空断熱材を円筒形状の保温機器である円筒状物体11に巻きつける際に生じる内外周長差を吸収するために、第1の分離芯材2に第1の伸縮空間3を設け、第2の分離芯材4に第2の伸縮空間5を設けていたが、第1の伸縮空間3の代わりとなる伸縮領域として、第1の分離芯材2に比べ低密度で低弾性の繊維シートからなる第1の伸縮芯材12、第2の伸縮空間5の代わりとなる伸縮領域として、第2の分離芯材4に比べ低密度で低弾性の繊維シートからなる第2の伸縮芯材13をそれぞれ設けることにより、上記課題の解決が図れると共に、前記実施の形態1と比較して部品点数を減少することができ、製造が容易になるという効果を有する。
前記伸縮芯材は、例えば乾式製造法を用いた場合には、繊維シートの作製時に繊維密度差をつけることによって容易に設けることができる。また、伸縮芯材が空間を有しないことから、真空化時に積層方向の圧縮力により第1の伸縮空間3または第2の伸縮空間5がつぶれるようなことが無くなり、補強効果が得られる。そのため、歪を抑制し、より信頼性のある真空断熱材を製造できる。
なお、この発明の実施の形態3では、各分離芯材に対して、それぞれ伸縮芯材を2箇所に設けたが、2箇所に限られたわけではなく円筒状物体11の直径、繊維シートの材質、分離芯材の厚み等に対応し、何箇所設けてもよく、場合によっては分離芯材を設けず、全体を圧縮張度の強い伸縮芯材で構成しても良い。
実施の形態4.
図7は、この発明の実施の形態4における真空断熱材を示す断面図である。前記実施の形態1では、前記芯材1と前記第1の分離芯材2との間、第1の分離芯材2と前記第2の分離芯材4との間、および第2の分離芯材4と前記内側外被材9との間には、それぞれ摩擦抵抗を減少させ、滑りやすくするための第1の滑りシート6、第2の滑りシート7、および外被滑りシート10とが各1枚ずつ設けられているが、より摩擦抵抗を減少させ、滑りやすくするためにこれらのシートを必要な部分について2枚重ねで構成しても良い。
図7では、第1の分離芯材2および第2の分離芯材4にそれぞれ対応して設けられた第1の分割滑りシート14および第2の分割滑りシート15は、各構成部材に対応して設けられており、各構成部材が重なる部分および第1の分離芯材2の各構成部材と芯材1または第2の分離芯材4の各構成部材と内側外被材9とがそれぞれ重なる部分に2枚重ねの構成としているが、この構成に限られない。
また、第2の分離芯材4と内側外被材9との間に設けられた第2の分割滑りシート15は第2の滑りシート7と同様な素材で構成されていても、外被滑りシート10と同様な素材で構成されていても良い。もちろん、第2の滑りシート7と外被滑りシート10が同一の素材又は同一の性質を有してもかまわない。
この発明の実施の形態4における真空断熱材は、滑りシート同士の摩擦力と、滑りシートと分離芯材との摩擦力の差から、より分離芯材を移動しやすくするもので、円筒状物体11の曲面形状に沿って密着保持させる時すなわち曲げ加工時に、分割滑りシートにより挟持された各構成部材が、これらの分割滑りシートと一体となって移動する際、これらの分割滑りシートに面する他の滑りシートとの接触面でより少ない摩擦抵抗を得ている。
なお、分割滑りシートと分割滑りシートに面する他の滑りシートとの間に潤滑手段を設けることで滑りシート同士の摩擦力をより低減できる。図9から図12は分割滑りシートと分割滑りシートに面する他の滑りシートとの間に潤滑手段を設けた場合を模式的に表した図である。そのうち図9は潤滑手段として球形粒子を挿入した場合を模式的に表した図である。この球形粒子としては、例えば、ガラス球、セラミックス球、シリカ球またはアクリル球などがある。図10は潤滑手段として薄膜片を挿入した場合を模式的に表した図である。この薄膜片としては、例えば、人工または天然マイカ片などがある。図11は潤滑手段として接合面に低摩擦物質を塗付した場合を模式的に表した図である。この塗付剤としては、例えば、シリカ系およびフッ素系樹脂の離型剤などがある。図12は潤滑手段として円柱形のコロを挿入した場合を模式的に表した図である。この円柱形のコロ剤としては、例えば、ガラス、セラミックスのほか、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の樹脂系の繊維がある。これらの潤滑手段は例示であり、これ以外にも滑りシート同士の摩擦力を低減できる潤滑手段は多数あり、これらに限定したものではない。
ここで、前記要素試験と同じ手法で、潤滑手段を用いない場合と特定の潤滑手段を用いた場合の2枚重ねの滑りシートの最大静止摩擦係数を測定した結果を表1に示す。
Figure 0005245710

表1からも明らかなように、各芯材間に滑りシートを1枚だけ挿入したときの最大静止摩擦係数0.35(μmax)程度と比較して、滑りシートを2枚重ねとした場合には、最大静止摩擦係数0.16(μmax)と半分以下にすることができ、さらに、適切な潤滑手段を設けることにより、最大静止摩擦係数をさらに半分程度にまで低減することができる。但し、これらの実験値は条件等により変動することは自明である。また、潤滑手段として球状粒子等の微粉末成分を用いる場合、真空化時に真空ポンプへの吸引等による微粉末成分の飛散が考えられる。そのため、飛散防止対策および量産化時のメンテナンス等への対策が必要である。
前記測定結果を受けて、潤滑手段として接合面に低摩擦物質を塗付する方法である片面離型剤付のシート用いて、前記実施の形態1と同様の製造試験を実施した。その結果、折れ曲がりシワおよび凹凸が殆ど無くなり、被保温面と真空断熱材内面との接触状態がより改善され、平面形状の真空断熱材そのものが有する保温性能に近いより高い保温性能が得られた。つまり、潤滑手段として離型剤を用いた2枚重ねの滑りシートが、曲げ加工時に予め設けた伸縮空間を埋めるように分離芯材の各構成部材をより滑らかに移動させたことで、真空断熱材を円筒状物体11の曲面形状に沿って密着保持する場合に生じる内外周長差がより適切に吸収できたことにより、折れ曲がりシワおよび凹凸が無くなり、これらから発生する熱損失が殆ど無くなった結果による。
なお、この発明の実施の形態4における真空断熱材では、前記実施の形態1に対して各滑りシートを2枚重ねとする構成としているが、前記実施の形態3に対して各滑りシートを2枚重ねとする構成としても良い。図8は実施の形態3に対して各滑りシートを2枚重ねとする構成とした場合の真空断熱材を示す断面図である。
また、前記実施の形態1では、真空断熱材を円筒形状の保温機器である円筒状物体11に巻きつける際に生じる内外周長差を吸収するために伸縮空間のみを設けた構成とし、前記実施の形態3では、真空断熱材を円筒形状の保温機器である円筒状物体11に巻きつける際に生じる内外周長差を吸収するために伸縮芯材のみを設けた構成としたが、伸縮空間と伸縮芯材を組み合わせて設けた構成としても良い。
また、前記実施の形態では、伸縮空間または伸縮芯材を各分離芯材の所定の位置にそれぞれ3箇所ずつ設けた構成としたが、これらの位置および個数は曲げ条件に応じて変更可能であり、特に図に示した位置および個数に限定されるものではない。つまり、滑りシートは外被滑りシート10のみの構成でもよく、また、例では示さなかったが、芯材1と外側外被材8との間に外被滑りシート10を設けても良い。
また、これら実施の形態に示した外被滑りシート10を、収縮空間または伸縮芯材が真空時の圧縮力に耐えるように、1枚もしくは複数枚で適切な厚みに設計してもよい。この場合、より効果的な周長差吸収が可能となる。
また、前記実施の形態では、非平面として真空断熱材を円筒形状の保温機器である円筒状物体11の円筒面に巻きつける形で説明したが、特に円筒面に限定されるものではなく、例えば、波曲面形状、多角形形状または不定形状等の平面もしくは曲面からなる非平面を表面に有し、真空断熱材を保温機器の表面に沿って密着保持する場合に内外周長差を生じるような形状の冷熱機器を保温する場合についても、真空断熱材の厚み、積層数、大きさ、形状、および内外周長差等の条件にあわせて用いることができることは明らかである。
この発明の実施の形態1における真空断熱材を示す断面図である。 この発明の実施の形態1における真空断熱材が円筒形状の保温機器である円筒状物体11に巻きつけられた状態を示す断面図である。 この発明の実施の形態2における真空断熱材を示す断面図である。 この発明の実施の形態2における真空断熱材が円筒形状の保温機器である円筒状物体11に巻きつけられた状態を示す断面図である。 この発明の実施の形態3における真空断熱材を示す断面図である。 この発明の実施の形態3における真空断熱材が円筒形状の保温機器である円筒状物体11に巻きつけられた状態を示す断面図である。 この発明の実施の形態4における真空断熱材を示す断面図である。 この発明の実施の形態4における真空断熱材を示す断面図である。 この発明の実施の形態4における潤滑手段を示す模式図である。 この発明の実施の形態4における潤滑手段を示す模式図である。 この発明の実施の形態4における潤滑手段を示す模式図である。 この発明の実施の形態4における潤滑手段を示す模式図である。
符号の説明
1 芯材、2 第1の分離芯材、2a 第11構成部材、2b 第12構成部材、2c第13構成部材 3 第1の収縮空間、4 第2の分離芯材、4a 第21構成部材、4b 第22構成部材、4c 第23構成部材、5 第2の収縮空間、6 第1の滑りシート、7 第2の滑りシート、8 外側外被材、9 内側外被材、10 外被滑りシート、11 円筒状物体、12 第1の伸縮芯材、13 第2の伸縮芯材、14 第1の分割滑りシート、15 第2の分割滑りシート、16 球形粒子、17 薄膜片、18 低摩擦物質、19 円柱形のコロ

Claims (6)

  1. 繊維シートからなる芯材と、繊維シートからなり一部に伸縮空間を有する分離芯材と、滑りシートとを具備し、前記芯材と前記分離芯材と前記滑りシートとを積層し、積層した前記芯材と前記分離芯材と前記滑りシートとを覆う外被材を備えて構成された真空断熱材において、
    前記伸縮空間を除く前記分離芯材の一方向の長さの総和が前記芯材の前記一方向の長さに比べて短く、
    前記外被材と前記分離芯材との間であって、かつ、前記分離芯材に対して前記芯材と反対側に前記分離芯材の全体をカバーする大きさの少なくとも1つの前記滑りシートが設置され、
    前記分離芯材の積層方向に対して垂直な面が少なくとも1つの前記滑りシートに面することを特徴とする真空断熱材。
  2. 繊維シートからなる芯材と、繊維シートからなり一部に伸縮領域を有する分離芯材と、滑りシートとを具備し、前記芯材と前記分離芯材と前記滑りシートとを積層して構成された真空断熱材において、前記分離芯材の積層方向に対して垂直な面が少なくとも1つの前記滑りシートに面することを特徴とする真空断熱材。
  3. 積層した前記芯材と前記分離芯材と前記滑りシートとを覆う外被材を備え、前記外被材と前記分離芯材との間に前記滑りシートが設置されていることを特徴とする請求項2に記載の真空断熱材。
  4. 前記滑りシートを少なくとも2枚重ねで構成したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項記載の真空断熱材。
  5. 前記分離芯材の積層方向に対して垂直な面に面した滑りシートが、対面する分離芯材の前記伸縮空間または前記伸縮領域に対面する部分を除去するように分割されたことを特徴とする請求項記載の真空断熱材。
  6. 前記滑りシートの間に、潤滑手段を設けたことを特徴とする請求項又は請求項記載の真空断熱材。
JP2008268480A 2008-10-17 2008-10-17 真空断熱材 Expired - Fee Related JP5245710B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008268480A JP5245710B2 (ja) 2008-10-17 2008-10-17 真空断熱材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008268480A JP5245710B2 (ja) 2008-10-17 2008-10-17 真空断熱材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010096293A JP2010096293A (ja) 2010-04-30
JP5245710B2 true JP5245710B2 (ja) 2013-07-24

Family

ID=42258119

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008268480A Expired - Fee Related JP5245710B2 (ja) 2008-10-17 2008-10-17 真空断熱材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5245710B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5618756B2 (ja) 2010-10-18 2014-11-05 三菱電機株式会社 真空断熱材およびその製造方法
JP2015055284A (ja) * 2013-09-11 2015-03-23 大日本印刷株式会社 真空断熱材
JP2017002949A (ja) * 2015-06-08 2017-01-05 日立アプライアンス株式会社 真空断熱材及びそれを用いた機器

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19846587C1 (de) * 1998-10-09 2000-03-16 Karlsruhe Forschzent Stützsystem für Superisolation
JP2000249290A (ja) * 1999-02-26 2000-09-12 Matsushita Refrig Co Ltd 真空断熱体
IT1318100B1 (it) * 2000-06-30 2003-07-23 Getters Spa Pannello evacuato per isolamento termico di un corpo avente superficinon piane
ITMI20011458A1 (it) * 2001-07-09 2003-01-09 Getters Spa Sistema per l'isolamento termico di corpi tubolari
JP2008223922A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Sharp Corp 真空断熱材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010096293A (ja) 2010-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006125631A (ja) 真空断熱材およびその製造方法
JP5618756B2 (ja) 真空断熱材およびその製造方法
JP2007056972A5 (ja)
JP5245710B2 (ja) 真空断熱材
JP2006077792A (ja) 真空断熱材
KR20170105049A (ko) 진공 절연 패널
JP6132715B2 (ja) 真空断熱材の製造方法及び断熱箱
JP2007155065A (ja) 真空断熱材及びその製造方法
JP2011074934A (ja) 真空断熱材、およびこの真空断熱材を備えた断熱箱
JP2005061611A (ja) 真空断熱材用芯材の製造方法
JP6073005B1 (ja) 真空断熱材および真空断熱材の製造方法
JP2009133336A (ja) 真空断熱材
JP5195494B2 (ja) 真空断熱材及びその製造方法
US9487953B2 (en) Vacuum insulated panel
JP5312605B2 (ja) 真空断熱材及び冷蔵庫及び機器
KR20110133384A (ko) 진공단열재용 심재 및 이를 이용한 진공단열재
JP6579740B2 (ja) 真空断熱材の製造方法
JP5907204B2 (ja) 真空断熱材の製造方法
JP2011089734A5 (ja)
JP2009228886A (ja) 真空断熱材及びこれを用いた断熱箱
JP2010156066A (ja) 断熱シートの製造装置、及び断熱シートの製造方法
JP2007138976A (ja) 真空断熱材及びその製造方法
KR101113041B1 (ko) 물결 모양의 매트리스 구조의 제조 방법
JP5461895B2 (ja) 多孔質炭素シート巻体の横置型梱包物及びその梱包方法
JP2019168001A (ja) 真空断熱材及び真空断熱材を用いた冷蔵庫

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120821

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121204

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130312

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130325

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160419

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees