JP5244857B2 - 車体側部構造 - Google Patents
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Description
このサイドシルは、4枚のパネルを空間を設けて縁同士を接合したもので、車両の外側から順に、アウタパネル、内部アウタパネル、内部インナパネル、インナパネルを配置している。そして、センタピラーを接合した部位で、内部アウタパネルと内部インナパネルとで形成した空間内に仕切り部材(バルクヘッド)を設けることによって、側面衝突に対する強度を高めている(例えば、特許文献1参照)。
インナパネルへと仕切り部材を設けると、仕切り部材からインナパネルに連続する床に荷重を伝達することができるという利点がある。
センタピラーを接合した内部に設けられ、内部インナパネル(センタピラーインナー通し部)に干渉しないバルクヘッド(荷重伝達部材)が望まれていた。
また、従来技術は、図に示していない乗降口のドアに側面衝突の衝撃が入力された場合に、ドアやセンタピラーで衝撃を吸収するため、結果的に車体は強度が弱い。
側突荷重をドアからセンタピラー、センタピラーから床へと効率的に伝達する構造が望まれていた。
請求項1に係る発明では、外側荷重伝達部材及び内側荷重伝達部材をクロスメンバの長手方向へ直列に配置しているので、側突荷重をセンタピラーからクロスメンバにクロスメンバの長手方向に沿って直線的に伝達することができる。
請求項1に係る発明では、外側荷重伝達部材は、サイドシルの外側空間を有するサイドシル中間層部材に接合し、内側荷重伝達部材は、サイドシルの内側空間を有するサイドシルインナに接合しているので、センタピラーインナーのセンタピラーインナー通し部に干渉することなく、サイドシル内に内側荷重伝達部材と外側荷重伝達部材とからなる荷重伝達部材を配置することができる。
請求項1に係る発明では、内側・外側荷重伝達部材は、車両平面視、断面ハット形状で、外側荷重伝達部材の開口、内側荷重伝達部材の開口を対向させ、センタピラーインナー通し部にほぼ直交して車幅方向に延びる外側荷重伝達部材の外側本体部と内側荷重伝達部材の内側本体部とをほぼ直列に配置しているので、内側荷重伝達部材と外側荷重伝達部材とからなる荷重伝達部材の本体部(内側本体部と外側本体部からなる)の取付け精度を高めることができ、且つ、取付け作業は容易になる。
さらに、外側本体部が、ほぼコ字形で、外側前仕切体と、外側後仕切体と、外側側部と、からなり、内側本体部が、ほぼコ字形で、内側前仕切体と、内側後仕切体と、内側側部と、からなり、外側前仕切体および外側後仕切体は、サイドシル中間層部材の天部および底部に、車幅方向に延びる稜線部を形成するように外側前仕切体の上縁、下縁、外側後仕切体の上縁、下縁で折り曲げたそれぞれのフランジ部によって結合され、外側側部は、サイドシル中間層部材の側壁部に結合され、内側前仕切体および内側後仕切体は、サイドシルインナの天部および底部に、車幅方向に延びる稜線部を形成するように内側前仕切体の上縁、下縁、内側後仕切体の上縁、下縁で折り曲げたそれぞれのフランジ部によって結合され、内側側部は、サイドシルインナの側壁部に結合されているので、車両の側面に側面衝突の衝撃(荷重)が入力されると、荷重は外側荷重伝達部材(外バルクヘッド)から内側荷重伝達部材(内バルクヘッド)に伝わり、内側荷重伝達部材からクロスメンバに伝達することができる。
荷重伝達部材17は、外側荷重伝達部材(外バルクヘッド)21と、内側荷重伝達部材(内バルクヘッド)22と、からなり、車両11への側突荷重を外バルクヘッド21から内バルクヘッド22へと伝える。
車体24は、車室13の床をなすアンダボデー14、車室13の側壁をなすサイドボデー25、を備える。車幅方向(Y軸方向)の中央(図3中心線C)を基準に左右がほぼ対称である。以降、車体24の左側のサイドボデー25を説明するが、車体24の右側のサイドボデー25は左側のサイドボデー25とほぼ同様である。
荷重伝達部材17は左右対称である。
センタピラー32は、図2に示す通り、3部材からなる。
そして、センタピラーインナー48をサイドシル16に貫通させている(図2)。
サイドシル16の外面(外層)を形成したサイドパネルアウタ43のうちのサイドシルアウタ53と、サイドシルアウタ53より車両11の内側に設けられ内層をなすサイドシルインナー54と、これらのサイドシルアウタ・インナー53、54で形成した中空(閉断面形状)の内部に中空を2分割するように設けられ中間層をなすサイドシルスチフナー55と、からなる。
サイドシルインナー54にアンダボデー14を接合している。
クロスメンバ57の他端部59を、図に示していないが同様に、右のサイドシルインナー54の中央(センタピラー接合部31)に接合している。
また、クロスメンバ57の上端フランジ61にはフロアパネル58を接合している。
車体側部構造は、乗降用ドア(前ドア45)を取付ける車室13の左右の側壁(サイドボデー25)の下端をなす閉断面形状のサイドシル16の中央部(センタピラー接合部31)に側壁(サイドボデー25)のセンタピラー32を立設し、且つ車室13の床(アンダボデー)14のクロスメンバ57の端部(一端部59、他端部59)を取付けた。
内側荷重伝達部材(内バルクヘッド)22は、図2、図4、図8〜図10に示す通り、サイドシル16の内側空間64を有するサイドシルインナー54に接合している。
「ほぼ直交」とは、例えば、センタピラーインナー通し部67に対し、角度が85°〜95°の範囲内である。逆に、「ほぼ」を省いて「直交して」と限定しても、所望の公差を含むものとする。
「ほぼ直列」とは、外側本体部74の延長に内側本体部75を沿わせ且つ延長に内側本体部75を近接させていること。
言い換えると、内バルクヘッド22は車両高さ方向(Z軸方向)で外バルクヘッド21より大きい。
ここでは、下側部83をクロスメンバ57の断面形状にほぼ一致させた。
クロスメンバ57は、図4、図12、図13に示す通り、既に述べた前壁部85と、後壁部86と、これらに連なる底部87とで断面U字形を形成し、前壁部85の上縁に連続する上端フランジ61を形成し、後壁部86の上縁に連続する上端フランジ61を形成することで、クロスメンバ57は断面ハット形状を形成している。
前壁部85の一端部59、他端部59に連ねて端フランジ88がサイドシルインナー54に接合するよう形成されている。
下ビード部111はスチフナー側壁部102の高さ(Z軸方向)のほぼ50%に位置する中央からスチフナー底部103とで形成される角までの範囲を車両11の外側へ向かって押し出したものである。長さをサイドシル16の前端27とセンタピラー32の間からセンタピラー32とサイドシル16の後端34の間までの範囲とした。
サイドシルスチフナー本体部112は、スチフナー後部113の強度に比べ、強度が大きい。
「センタピラーインナー48の下端124」とは、サイドシル16のスチフナー天部101やインナー天部117に接合する部位である。
また、センタピラーインナー断続溶接フランジ部126の間の凹部127に、且つ、車両高さ方向(Z軸方向)の中央に軽量化を図るための穴128を開けている。
その結果、凹部127との隙間から液体を排出することができ、液体の排出作業は容易になる。
そして、前側部131、後側部132、これらの前側部131、後側部132に連なるセンタピラースチフナー側部133、前側部131に連なるフランジ134、後側部132に連なるフランジ135と、からなる。
センタピラースチフナー下部146は、センタピラースチフナー本体部145の強度に比べ、強度が大きい。
外バルクヘッド21は、ほぼコ字形で、外側本体部74が外側前仕切体151、外側後仕切体152、外側側部153からなる。
そして、外側前仕切体151と、対向する外側後仕切体152とに一体に連なる外側側部153がサイドシルスチフナー55のスチフナー側壁部102に沿って形成されている。
外側側部153は、サイドシルスチフナー55のスチフナー側壁部102の下ビード部111に接触する外ボス部155が形成されてスポット溶接の溶接部154で接合されている。
さらに、図7の外側側部153の下縁に連ねてサイドシルスチフナー55のスチフナー底部103に接触する外下接合代158が形成されて、スポット溶接の溶接部154で接合されている。
外上フランジ部161とで形成される角が上第1稜線部162である(図4、図5)。
外下フランジ部163とで形成される角が下第1稜線部164である。
一方、前述した外側後仕切体152は、外側前仕切体151と対称である。図4、図5の167は上第2稜線部、168は下第2稜線部である。
内バルクヘッド22は、ほぼコ字形で、内側本体部75が内側前仕切体171、内側後仕切体172、内側側部81からなる。
そして、内側前仕切体171と、対向する内側後仕切体172とに一体に連なる内側側部81がサイドシルインナー54のインナー側壁部118に沿って形成されている。
さらに、図10の内側側部81の下縁に連ねてサイドシルインナー54のインナー底部97に接触する内下接合代178が形成されて、スポット溶接の溶接部167で接合されている。
内上フランジ部181とで形成される角が上第3稜線部182である。
内下フランジ部183とで形成される角が下第3稜線部184である。
この内フランジ部186は、図4、図11に示す通り、サイドシルスチフナー55内の外バルクヘッド21の外フランジ部165に対向している。
この内フランジ部186は、図4、図11に示す通り、サイドシルスチフナー55内の外バルクヘッド21の外フランジ部165に近接している。
この下側部83が、図12に示す通り、クロスメンバ57の断面形状(前壁部85、後壁部86、底部87で形成される形状)にほぼ一致している。前壁部85の延長に対し内バルクヘッド22の内側前仕切体171をほぼ一致させた。後壁部86の延長に対し内バルクヘッド22の内側後仕切体172をほぼ一致させた。
図17は、透視図で、サイドシル16のサイドシルスチフナー55を透視し、サイドシルスチフナー55内の外側荷重伝達部材(外バルクヘッド)21との関係を示す図である。
ドア(前ドア45)内に配置したドアビームであるところの第2ドアビーム212の後端214を外側荷重伝達部材(外バルクヘッド)21に近接させた。
前ドア45は、図2、図16〜図19に示すように、ドア下端221を含むドア本体223と、ドア本体223から上に連続するドアサッシュ224と、を有する。
具体的には、長手方向に直交する断面(図18、図19の視点)で、V形に形成され、上稜線部236が第2ドアビーム212の前端237の縁から後端214の縁まで形成されている。
第1ビード215の深さは前端237及び後端214(図19参照)が浅く、前端237及び後端214を除く中央が前端237及び後端214の上稜線部236に比べ深く形成されている。
上稜線部236と下稜線部241は、前端237で近接し、中央から後端214へと前端237に比べ離して形成している。
一方、後端214がドア本体223の後部のうち車両11高さ方向の下部に接合している。
加えて、ドア本体223のドア下端221に近接した下フランジ234にカット部218がドア下端221に沿って形成されている。
車体側部構造では、図2、図3に示す通り、車両11の側面12に側面衝突の衝撃(荷重)が入力されると、荷重はセンタピラー32からサイドシル16内の外側空間65に設けた外側荷重伝達部材(外バルクヘッド)21に伝わる。
従って、側突荷重をアンダボデー14の骨格をなすクロスメンバ57に伝達することができるという利点がある。
車体側部構造では、車両11の側面12に側面衝突の衝撃(荷重)が図17の図面の表裏方向へ入力されると、荷重は第2ドアビーム212に矢印c3のように伝わる。続いて、第2ドアビーム212から外側荷重伝達部材(外バルクヘッド)21に矢印c4のように伝わる。
従って、第2ドアビーム212から荷重伝達部材17の外側荷重伝達部材(外バルクヘッド)21並びに内側荷重伝達部材(内バルクヘッド)22に荷重を伝達することができるという利点がある。
そして、車両11側面視(図17の視点)、離した第1ビード215、第2ビード216をセンタピラーアウタ第1・第2稜線141、142、センタピラースチフナー51のセンタピラースチフナー第1・第2稜線136、137を跨ぐように重ねて配置することによって、第2ドアビーム212に入力された側面衝突の衝撃(荷重)を各第1・2稜線141、142、136、137で分散する。
Claims (5)
- 乗降用ドアを取付ける車室の左右の側壁の下端をなす閉断面形状のサイドシルの中央部に前記側壁のセンタピラーを立設し、且つ前記車室の床のクロスメンバの端部を取付けた車体側部構造において、
前記サイドシルの内部を内側空間、外側空間に仕切る前記センタピラーのセンタピラーインナーのセンタピラーインナー通し部を貫通させ、該センタピラーインナー通し部に対向させ前記外側空間内に外側荷重伝達部材を配置し、該外側荷重伝達部材に前記センタピラーインナー通し部を介して対向させ前記内側空間内に内側荷重伝達部材を配置し、
前記ドア内に配置したドアビームの後端を前記外側荷重伝達部材に近接させ、
前記外側荷重伝達部材及び前記内側荷重伝達部材を前記クロスメンバの長手方向へ直列に配置し、
前記外側荷重伝達部材は、前記サイドシルの前記外側空間を有するサイドシル中間層部材に接合し、
前記内側荷重伝達部材は、前記サイドシルの前記内側空間を有するサイドシルインナに接合し、
前記内側・外側荷重伝達部材は、車両平面視、断面ハット形状で、前記外側荷重伝達部材の開口、前記内側荷重伝達部材の開口を対向させ、前記センタピラーインナー通し部にほぼ直交して車幅方向に延びる前記外側荷重伝達部材の外側本体部と前記内側荷重伝達部材の内側本体部とをほぼ直列に配置し、
前記外側本体部が、ほぼコ字形で、外側前仕切体と、外側後仕切体と、外側側部と、からなり、
前記内側本体部が、ほぼコ字形で、内側前仕切体と、内側後仕切体と、内側側部と、からなり、
前記外側前仕切体および前記外側後仕切体は、前記サイドシル中間層部材の天部および底部に、車幅方向に延びる稜線部を形成するように前記外側前仕切体の上縁、下縁、前記外側後仕切体の上縁、下縁で折り曲げたそれぞれのフランジ部によって結合され、
前記外側側部は、前記サイドシル中間層部材の側壁部に結合され、
前記内側前仕切体および前記内側後仕切体は、前記サイドシルインナの天部および底部に、車幅方向に延びる稜線部を形成するように前記内側前仕切体の上縁、下縁、前記内側後仕切体の上縁、下縁で折り曲げたそれぞれのフランジ部によって結合され、
前記内側側部は、前記サイドシルインナの側壁部に結合され、
前記内側荷重伝達部材の外側の縁に連ねて内フランジ部が形成され、
この内フランジ部が前記センタピラーインナー通し部に接合され、
前記外側荷重伝達部材の内側の縁に連ね外フランジ部が形成され、
この外フランジ部が前記センタピラーインナー通し部に接合され、
前記内フランジ部の少なくとも一方は、前記外フランジ部に対向していることを特徴とする車体側部構造。 - 前記ドアビームは、長手方向に沿ったビードを有し、車両側面視、前記ドアビームの前記後端をセンタピラーが備える溝形のセンタピラー中間層部材の角部に重ねていることを特徴とする請求項1記載の車体側部構造。
- 前記ドアビームは、前記後端にカット部を前記ドアのドア下端に沿って形成していることを特徴とする請求項1記載の車体側部構造。
- 前記内側荷重伝達部材は、車両正面視、車両の高さ方向において、前記外側荷重伝達部材より高く該外側荷重伝達部材から上に連なる前記センタピラーの下部に達していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車体側部構造。
- 前記内側荷重伝達部材は、前記クロスメンバへ向いている前記内側側部の上側部又は下側部を前記クロスメンバの断面形状にほぼ一致させて、前記内側側部にほぼ直交して連なる内側本体部を前記クロスメンバのうち車両前方・後方へ向いている前壁部、後壁部にほぼ直線状に配置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車体側部構造。
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